JP3345131B2 - テンション制御装置 - Google Patents

テンション制御装置

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JP3345131B2
JP3345131B2 JP26021193A JP26021193A JP3345131B2 JP 3345131 B2 JP3345131 B2 JP 3345131B2 JP 26021193 A JP26021193 A JP 26021193A JP 26021193 A JP26021193 A JP 26021193A JP 3345131 B2 JP3345131 B2 JP 3345131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ビデオテープレコー
ダ、ディジタルオーディオテープレコーダ等の記録再生
装置のテープテンション制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭61−151861号公報で示さ
れたテンション制御装置について説明する。図10にテ
ンション制御装置の模式図を示す。図10において、1
はテープ供給リール台、2はテープ供給リール台1に巻
き付くテンションバンド、3はテンションバンド2の片
端を固定する止め具、4は止め具3により固定されてい
ないテンションバンド2の他方の端部に取付られたホル
ダで、板ばね5により固定される。6はホルダ4に取付
られたコイル、7は上記コイル6の内部に挿入されたマ
グネット、8はマグネット7のヨークであり、コイル
6、マグネット7とヨーク8はリニアモータ9を形成す
る。10はテープ供給リール台1の回転数を検出する回
転数検出装置、11は回転数検出装置10の出力を数え
るカウンタ回路、12はカウンタ回路11の出力から回
転数に応じた回転負荷トルクを後述の式4を用いて演算
を行い算出し、これよりテープテンション値を出力する
演算回路、13は演算回路12の出力するテープテンシ
ョン値を増幅し、リニアモータ9を駆動する増幅回路で
ある。
【0003】図10に示すテンション制御装置におい
て、テープテンション値を演算し制御をする方法を図1
1を用いて説明する。図11において、14はテープ、
15はテープ14が巻き付けられている供給リール、1
6はテープ供給リール台1の回転軸である。テープ14
はキャプスタン(図示せず)により一定の速度vで移送
される。rはテープ半径、ωは回転軸16の回転角速
度、Lは回転負荷トルク、Tはテープテンションであ
る。
【0004】リールの回転についての運動方程式は T×r=J(dω/ dt)+Cω+D+L・・・・・・(1) ここで、Jはテープ供給リール台1と供給リール15を
主な成分とするイナーシャ、Cはテープ供給リール台1
の粘性定数、Dは回転軸ロスである。微小時間において
テープ半径rはほぼ変化しないため、テープ14が定速
vで移送されているとき、供給リール15は一定速度で
回転するため dω/ dt=0 とする。粘性定数Cと回転軸ロスDが無視できるほど小
さいとすれば L=T×r ・・・・・・(2) が成り立つ。また、テープ速度vはリール出口のテープ
速度rωに等しい。 v=r×ω ・・・・・・(3) 式2と式3からrを消去すると ω×L=v×T・・・・・(4) が成り立つ。テープ速度vは一定なので、テープテンシ
ョンTを一定の値に制御するには、回転負荷トルクLを
回転角速度ωに反比例するようにリニアモータ9を駆動
する。
【0005】リニアモータ9の駆動力Fと回転負荷トル
クLの関係について図10を用いて説明する。テンショ
ンバンド2のテープ供給リール台1への巻き角をθ(r
ad)、テンションバンド2とテープ供給リール台1の
間の摩擦係数をμとすると L=r×(F−Exp(−μθ)×F)・・・・・・(5) すなわち、 L=r×(1−1/Exp(μθ))×F・・・・・(6) となり、リニアモータ9の駆動力Fと回転負荷トルクL
は比例関係にある。
【0006】したがって、リニアモータ9を回転角速度
ωに反比例するよう駆動すると、テープテンションTを
一定の値に制御するテンション制御を行うことができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のテ
ープテンション制御方式においては、以下のような問題
点があった。 (1)テープ供給リールの回転数は数rpmと低く、回
転数検出装置10のパルス数も少ないため、テープテン
ション値の変動の検出帯域は数Hzまでである。そのた
め、テープテンションの制御帯域を100Hz以上の広
帯域にすることは出来ない。 (2)テープテンション値を供給リールの回転数から計
算するため、軸ロスやテープガイドによる摩擦などリー
ル部以外の影響によるテンション変動を検出することが
できない。 (3)テープテンション値を供給リールの回転数から計
算するため、テープの移送速度が変化して供給リールに
回転角加速度がかかったときのテープテンション値の変
動、つまり過渡的なテープテンション値の変動を検出す
ることができない。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、高い周波数まで制御できるテ
ープテンション制御装置を得ることを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るテ
ンション制御装置は、テープに摺接する可動テープガイ
ドの位置検出器の検出信号から状態推定器(外乱オブザ
ーバ)によりテープテンション値を検出してその一部か
ら高い周波数成分のみを取り出し、低周波成分を含むテ
ープテンション値をテープ供給リール台の回転負荷を加
減するようリール負荷トルク調節装置に帰還するととも
に、高周波成分を可動テープガイド駆動装置に帰還して
テープテンション値が一定値となるように制御するテン
ション制御回路を設けたものである。また、その状態推
定器は、制御信号に所定の定数を乗算した値を積分回路
で積分することにより位置信号を出力し、位置検出器で
検出された位置信号と積分回路から出力された位置信号
とを比較して差信号を出力し、その差信号を積分回路に
所定のゲインを与えて帰還させることで可動テープガイ
ドの位置を推定する信号を訂正して出力すると共に、所
定のゲインを与えて帰還させる差信号をテープテンショ
ン値として出力するようにしたものである
【0010】請求項2の発明に係るテンション制御装置
は、機械式のテープテンション制御装置の外に、テープ
に摺接する可動テープガイドの位置検出器の検出信号か
請求項1の発明に用いたものと同様な状態推定器(外
乱オブザーバ)によりテープテンション値を検出し、こ
のテープテンション値から高い周波数成分のみを取り出
して可動テープガイド駆動装置に帰還する第2のテープ
テンション制御回路を設けたものである。
【0011】
【作用】請求項1の発明に係るテンション制御装置は、
テープテンション変動値の低域成分でテープ供給リール
台の回転負荷を加減し、高域成分で可動テープガイド駆
動装置を制御するので、状態推定器(外乱オブザーバ)
が位相の遅れなく動く範囲でテンション制御が可能であ
り、テンション変動を直流から高い周波数成分まで広帯
域にわたって制御できる。
【0012】請求項2の発明に係るテンション制御装置
は、従来の機械式のテープテンション制御装置に加えて
テンション値の高周波成分まで応答できる可動テープテ
ンション制御装置を設けたので、テンション変動を低い
周波数から高い周波数成分まで制御できる。
【0013】
【実施例】
実施例1.以下、請求項1の発明の実施例1のテープテ
ンション制御装置について説明する。図1は、この実施
例1の要部の構成を示す平面図で、テープ14は、供給
リール15から取り出され、ガイドローラ17,18に
摺接したのち、可動テープガイド駆動装置19のテープ
ガイドに摺接し、ガイドローラ20、スラントピン21
に接して、回転ドラム22にいたり、スラントピン23
に接している。上記テープ14は、回転ドラム22の出
口側スラントピン23の後にあるキャプスタン24とピ
ンチローラ25により移送される。供給リール15の下
部にリール負荷トルク調節装置26が設置されている。
本実施例1では、可動テープガイド駆動装置19の可動
テープガイドの位置をテンション制御回路27に入力
し、テンション制御回路27の出力により、リール負荷
トルク調節装置26と可動テープガイド駆動装置19が
駆動され、テープテンションが制御される。
【0014】次に、可動テープガイド駆動装置19の構
成を図2および図3を用いて説明する。図2は可動テー
プガイド駆動装置19の斜視図、図3はその断面図であ
る。図2および図3において、28はテープ14に摺接
する可動テープガイドで、アーム29の端部に取付ら
れ、回動軸30を中心に回動する。アーム29の基部に
はコイル31が取付られており、コイル31に対向して
マグネット32が配置され、コイル31に電流を供給す
ることでアーム29を介して可動テープガイド28を矢
印A方向またはB方向に駆動する。33はコイル31と
マグネット32を収納するヨーク、34はアーム29に
取付られたレーザダイオード、35はレーザダイオード
34に対向して設置されたリニアセンサであり、レーザ
ダイオード34とリニアセンサ35で可動テープガイド
28の位置を検出する位置センサ36を構成している。
【0015】次に、リール負荷トルク調節装置26の構
成を図4を用いて説明する。図4はリール負荷トルク調
節装置26の斜視図で、1はテープ供給リール台、2は
テープ供給リール台1に巻き付けられているテンション
バンド、16はテープ供給リール台1の回動軸で、供給
リールを載せるリールベース37とテープ供給リール台
1を連結する。38はテンションバンド2の片方の端部
を固定する止め具で、軸39を回動中心とし、ねじ40
により基台に固定されている部材41に連結され、ねじ
40を回転することで止め具38の移動量が調整され
る。テンションバンド2の他方の端部は、ホルダ42に
とりつけられ、ホルダ42は連結部材43に回動自在に
とめられる。44はコイル、45はコイル44を取り付
けたコイルホルダで、コイルホルダ45は、連結部材4
3に固定される。46はマグネット、47はヨークで、
コイル44とともにリニアモータ48を構成しており、
コイル44に電流を流すことで、テンションバンド2の
テープ供給リール台1に巻き付く力が変化し、リール負
荷トルクを加減する。
【0016】次に、テンション制御回路27の構成と動
作について、図5および図6を用いて説明する。以下、
説明文中のsはラプラス演算子であり、1/sで積分を
表わすものとする。図5はテンション制御回路27のブ
ロック回路図、図6はテンション制御回路27に用いら
れる状態推定器(外乱オブザーバ)49のブロック線図
である。図5の状態推定器(外乱オブザーバ)49は、
可動テープガイド駆動装置19に設けられた位置センサ
36から出力される可動テープガイド28の位置信号と
可動テープガイド駆動装置19の制御信号とを入力と
し、可動テープガイド28の位置,速度信号および可動
テープガイド28にかかっているテープテンション値を
推定して出力する。
【0017】可動テープガイド28の位置を固定するた
めに、状態推定器(外乱オブザーバ)49の速度信号を
ゲインGvで帰還し、状態推定器(外乱オブザーバ)4
9の位置信号を比較器50で基準位置と比較し、ゲイン
Gpで帰還する。この位置制御は、一般には位置センサ
36の出力を位相進み補償をほどこして可動テープガイ
ド駆動装置19の入力に負帰還するが、この負帰還の帯
域は位置センサ36のセンサノイズにより制限される。
しかし、この実施例1においては、状態推定器(外乱オ
ブザーバ)49により、ノイズの少ない位置および速度
を検出できるので、位置制御の制御帯域は位相進み補償
による場合より、大幅に改善される。
【0018】次に、テンションを制御するために、状態
推定器(外乱オブザーバ)49の出力するテープテンシ
ョン値を比較器51で基準テンションと比較し、可動テ
ープガイド駆動装置19とリール負荷トルク調節装置2
6に帰還する。テープテンション値が基準テンションに
比べ大きいときは、可動テープガイド駆動装置19には
可動テープガイド28がテープ14から逃げる向きの制
御信号が与えられ、また、リール負荷トルク調節装置2
6にはテンションバンド2のテープ供給リール台1への
巻き付き力が小さくなる向きの制御信号が与えられてリ
ール負荷トルクは小さくなり、テープテンション値は小
さくなって基準テンションの値となる。また、テープテ
ンション値が基準テンションに比べ小さいときは、可動
テープガイド駆動装置19には可動テープガイド28が
テープ14を押え込む向きの制御信号が与えられ、ま
た、リール負荷トルク調節装置26には、テンションバ
ンド2のテープ供給リール台1への巻き付き力が大きく
なる向きの制御信号が与えられてテープテンション値は
大きくなり、基準テンションの値となる。
【0019】可動テープガイド駆動装置19への帰還ル
ープは、状態推定器(外乱オブザーバ)49の出力する
テープテンション値が比較器51で基準テンションと比
較され、その差がDCカットフィルタ52によりDC成
分を除去されたのち、可動テープガイド補償回路53を
通って、駆動回路54に帰還され、可動テープガイド駆
動装置19に戻される帰還ループである。
【0020】可動テープガイド補償回路53は伝達関数
が Kgt/(1+Tgts) となるように設計する。但し、Kgtは可動テープガイド
補償回路53の直流利得、Tgtは可動テープガイド補償
回路53の遅れ補償の時定数である。テンションの高周
波成分の制御特性は可動テープガイド補償回路53で決
まるため、可動テープガイド補償回路53の定数は、可
動テープガイド駆動装置19の帰還ループのオープンル
ープが、目的とするテンション制御帯域の高い周波数に
合うように定める。
【0021】以上は状態推定器(外乱オブザーバ)49
の出力するテープテンション値の周波数特性が、可動テ
ープガイド駆動装置19の帰還ループのオープンループ
の利得零となる帯域以上まで、平坦な場合の可動テープ
ガイド補償回路53の設計手法であるが、状態推定器
(外乱オブザーバ)49の出力するテープテンション値
の周波数特性が、制御帯域内で一次遅れ特性を持つとき
は、可動テープガイド駆動装置19の帰還ループのオー
プンループの利得が零になるまでの制御帯域で、伝達関
数が一次遅れK/(1+Ts)(ここでKは目的とする
直流利得、Tは遅れ補償の時定数)となるように、可動
テープガイド補償回路53の定数をきめる。
【0022】可動テープガイド駆動装置19によるテン
ション制御のDCカットフィルタ52は、例えば、一次
のハイパスフィルタにする。DC成分を切った為、テー
プガイド28は、基準テンション値によらず位置制御で
決める位置を中心にしてテンション制御をする。
【0023】リール負荷トルク調節装置26への帰還ル
ープは、状態推定器(外乱オブザーバ)49の出力する
テープテンション値が比較器51で基準テンションと比
較され、その差が負荷トルク補償回路55を通って、駆
動回路56に帰還され、リニアモータ48,テンション
バンド2およびテープ14を介してテープテンションと
して伝わり可動テープガイド28に戻される帰還ループ
である。負荷トルク補償回路55はゲイン補償である。
この制御系は、帰還ループにテープ14を含むため、テ
ープ14の持つ機械的時定数により、高域でゲインの低
下するローパス特性を持つ。
【0024】テンション制御系の安定性は、リール負荷
トルク調節装置26の帰還ループと、可動テープガイド
駆動装置19の帰還ループが、ともにゲインをもって位
相が180°以上離れない場合、テンション制御の高域
を受け持つ可動テープガイド駆動装置19の帰還ループ
の安定性で決まる。このため、負荷トルク補償回路55
のゲインは、可動テープガイド駆動装置19を用いない
制御系より高ゲインに設定できる。
【0025】また、負荷トルク補償回路55は、ゲイン
補償と遅れ補償を直列にし、直流ゲインを大きく設定し
てもよい。この場合、リール負荷トルク調節装置26の
帰還ループと、可動テープガイド駆動装置19の帰還ル
ープが、ともにゲインをもって位相が180°以上離れ
ないように、DCカットフィルタ52のカットオフ周波
数を考慮して負荷トルク補償回路55の遅れ補償の時定
数を決める。例えば、DCカットフィルタ52のカット
オフ周波数と負荷トルク補償回路55の遅れ補償の時定
数を一致すると、理論上は位相が最大でも90°程度し
か離れない為、テンション制御系の安定性を崩さずに、
直流ゲインを大きくできる。
【0026】次に、テンション制御回路27に用いられ
る状態推定器(外乱オブザーバ)49について、図6の
ブロック線図をもちいて説明する。この図6は、可動テ
ープガイド駆動装置19を一次のばねマス系で近似した
場合の状態推定器(外乱オブザーバ)のブロック線図で
ある。図中、1/S は積分器を示す記号であり、KT,
J,C,Kは駆動回路54に信号を入れた時の位置セン
サ36の出力の周波数特性と一致するように決めた定数
で、KT (N/A)は可動テープガイド駆動装置19の
力定数、J(N・m・s2 )は機構系の慣性モーメン
ト、C(N・m・sec/rad)は粘性定数、K(N
・m/rad)はばね定数に相当する。これらは、すべ
て電気回路の定数もしくはソフトウェアサーボ回路のソ
フト上の定数である。また、f1,f2は状態推定器4
9内のゲイン要素である。
【0027】可動テープガイド駆動装置19の位置セン
サ36の位置出力は、状態推定器(外乱オブザーバ)4
9の位置信号と比較され、その差信号がゲインf2 で積
分器57の直前に、ゲインf1 で積分器58の直前にそ
れぞれ帰還される。各積分器57,58はこの帰還によ
り初期値が訂正され、積分器57の直後の出力は推定速
度を、積分器58の直後の出力は推定位置を出力する。
この推定位置、推定速度は積分器の出力であるため、位
置センサ36の出力や、位置センサ36の出力を微分し
てつくる速度信号に比べて、ノイズがすくない。
【0028】可動テープガイド駆動装置19の可動テー
プガイド28にテープ14が摺接しているとき、テープ
テンションは可動テープガイド28にかかる力として働
く。各積分器57,58の出力が推定速度、推定位置と
なるには、状態推定器(外乱オブザーバ)49の内部で
可動テープガイド28にかかる力を推定し、積分器57
に入力されねばならない。そこで、f2 の出力は可動テ
ープガイド28にかかる力、すなわち、推定テンション
値となる。
【0029】次に、このような状態推定器(外乱オブザ
ーバ)によるテープテンション検出が、釣合位置による
テンション検出より広帯域なることを説明する。従来
は、テープテンションTとばねの力の釣合位置をテープ
テンションTeとして検出していた為、テンション検出
器としての周波数特性は Te=(K/(Js2 +Cs+K))×T となり、テープテンション検出帯域はω1 =(K/J)
1/2 (rad/sec)以下が平坦なテンション検出帯
域となる。
【0030】これに対して、状態推定器(外乱オブザー
バ)によるテープテンション検出の周波数特性は Te=(f2 /(Js2 +Jf1 s+f2 ))×T となり、テープテンション検出帯域はω2 =(f2
J)1/2 (rad/sec)以下が平坦なテンション検
出帯域となる。f2 はばね定数Kに比べ大きくすること
が容易であり、f2 ,f1 を選ぶことで希望するテープ
テンション検出帯域でゲイン、位相ともほぼ平坦にする
ことができる。このように、状態推定器(外乱オブザー
バ)によるテープテンションの検出は、従来の釣合位置
によるテンションの検出より広帯域となる。
【0031】以上のように、テンション制御回路27は
状態推定器(外乱オブザーバ)49を利用し、広帯域な
テープテンション制御を可能にしている。
【0032】本実施例1では、位置センサとして光セン
サを用いたが、レーザダイオード34に代えて発光ダイ
オードを用いたもの、また、リニアセンサ35に代えて
二分割センサ、四分割センサを用いたものを使用しても
よい。また、光センサに代えて磁石とホール素子等を用
いた磁気センサを使用してもよい。また、本実施例1で
は、コイルと磁石によるボイスコイルモータにより、可
動テープガイド28を駆動したが、バイモルフ等の圧電
素子により駆動してもよい。
【0033】また、図6に示した状態推定器(外乱オブ
ザーバ)49を図7に示した構成の状態推定器(外乱オ
ブザーバ)としてもよい。この状態推定器(外乱オブザ
ーバ)は、テープテンションである外乱量を状態量とし
て設計した状態推定器(外乱オブザーバ)である。図
中、1/S は積分器を示す記号であり、KT 、J、C、
Kは図6と同一である。可動テープガイド駆動装置19
の位置センサの位置出力は、状態推定器(外乱オブザー
バ)49の位置信号と比較され、その差信号がゲインf
1 で積分器58の直前に帰還され、また、この差信号は
ゲインf2 で積分器57の直前に帰還される。更に、こ
の差信号がf3 倍された後、積分器59に入力され、積
分器59の出力は、状態推定器(外乱オブザーバ)の回
路中のイナーシャ1/Jの項の直前に帰還される。各積
分器57,58,59はこの帰還により初期値が訂正さ
れ、積分器57は可動テープガイド駆動装置19の速度
を、積分器58は可動テープガイド駆動装置19の位置
を、積分器59は可動テープガイド駆動装置19にかか
るテープテンション値を出力する。この状態推定器(外
乱オブザーバ)はテープテンションを積分器の出力とし
ているためノイズの少ないテンション検出が可能であ
る。
【0034】実施例2.次に、請求項2の発明の実施例
2のテープテンション制御装置について説明する。図8
は、この実施例2の要部の構成を示す平面図で、実施例
1と同一符号は同一部分を示しているので説明を省略す
る。図8において60はテンションアーム、61はテン
ションアーム60の先端部に取付られたテンションピン
であり、テープ14に摺接する。62はテンションアー
ム60の回動軸、63はテンションバンド64をテンシ
ョンアーム60に取り付ける為の取付穴である。65は
テンションバンド64に張り付けられたフェルト材であ
り、テープ供給リール台1に巻き付いている。テンショ
ンバンド64は片端を固定されている。66はテンショ
ンアーム60をテープテンションと釣り合わすためのば
ねで、60から66で従来から用いられている機械式の
テンション制御装置67を構成している。
【0035】本実施例2においては、機械式のテンショ
ン制御装置67は低域のテンション変動を抑圧し、可動
テープガイド駆動装置19は高域のテンション変動を抑
圧する。
【0036】次に、機械式のテンション制御装置67の
動作について説明する。テープテンション値が高いと
き、テンションアーム60はテープテンションにより、
テンションバンド64のテープ供給リール台1の締め付
け力を弱くする方向に動き、この結果、供給リール15
は回動し易くなり、テープテンションは下がる。テープ
テンション値が低くなると、テンションアーム60はテ
ンションバンド64のテープ供給リール台1の締め付け
力を強くする方に動き、テープテンションは上がる。こ
のようにして、テープテンションはテンションアーム6
0の位置と釣合う値となる。
【0037】次に、可動テープガイド駆動装置19によ
るテンションの制御動作について図9を用いて説明す
る。図9中、図5と同一符号はそれぞれ同一部分を示し
ており、状態推定器49の出力である推定速度、推定位
置を負帰還し、可動テープガイド28の位置固定を行な
う動作は、実施例1と同様である。次にテンション制御
について説明する。状態推定器49の出力である推定テ
ンション値をDCカットフィルタ52でDC成分の除去
と低域成分の制限を行なった後、可動テープガイド補償
回路53でゲイン補償、積分補償をして、可動テープガ
イド28の駆動回路54に負帰還することで、制御を行
なう。
【0038】本実施例2では、機械式のテンション制御
装置67と可動テープガイド駆動装置19によるテンシ
ョンサーボの2系統のサーボ系を安定に働かせるため
に、DCカットフィルタ52の低域成分の制限を一次進
み型の低域制限とし、そのカットオフ周波数を機械式の
テンション制御装置67の制御帯域に対して十分に低く
設定する。機械式のテンション制御装置67の制御帯域
はDCから数Hzあればよく、例えば、DCカットフィ
ルタ52のカットオフ周波数を0.1Hzとするとよ
い。このとき、機械式のテンション制御装置67と可動
テープガイド駆動装置19によるテンションサーボの位
相は、180゜以上離れることはないので、安定に制御
される。
【0039】本実施例2によれば、機械式のテンション
制御装置の場合のみに較べてテープテンションが広帯域
にわたって制御される。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、可動テープガイドの位
置を検出した検出信号から状態推定器(外乱オブザー
バ)によりテープテンション値を検出してその一部から
高い周波数成分のみを取り出し、低周波成分を含むテー
プテンション値をテープ供給リール台の回転負荷を加減
するようリール負荷トルク調節装置に帰還するととも
に、高周波成分を可動テープガイド駆動装置に帰還して
テープテンション値が一定値となるように制御するテン
ション制御回路を設けたので、テープテンションの変動
成分を広帯域にわたって検出でき、テープテンションを
高い周波数まで制御することができる。また、状態推定
器では積分器の出力をテープテンションとしているので
ノイズの少ないテンション検出が可能である。また、リ
ール負荷トルク調節装置は検出したテープテンション変
動成分の低周波成分で制御するので、積分補償をおこな
うことで直流利得を大きくできるテープテンション制御
装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の実施例1のテープテンション
制御装置の要部の構成を示す平面図である。
【図2】実施例1の可動テープガイド駆動装置の斜視図
である。
【図3】実施例1の可動テープガイド駆動装置の断面図
である。
【図4】実施例1のリール負荷トルク調節装置の斜視図
である。
【図5】実施例1の制御回路のブロック回路図である。
【図6】実施例1の状態推定器(外乱オブザーバ)のブ
ロック線図である。
【図7】実施例1の状態推定器(外乱オブザーバ)の他
の構成例のブロック線図である。
【図8】請求項2の発明の実施例2のテープテンション
制御装置の要部の構成を示す平面図である。
【図9】実施例2の制御回路のブロック回路図である。
【図10】従来のテンション制御装置の構成を示す図で
ある。
【図11】従来装置のテンションの釣合状態を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1 テープ供給リール台 2 テンションバンド 14 テープ 15 供給リール 19 可動テープガイド駆動装置 22 ドラム 26 リール負荷トルク調節装置 27 テンション制御回路 28 可動テープガイド 36 位置センサ 49 状態推定器(外乱オブザーバ) 67 機械式のテンション制御装置

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ供給リール台に装着された供給リ
    ールから送出されるテープを回転ドラムに巻回させる経
    路でもって定速走行させるテープ走行装置において、 上記テープ供給リール台にテープバンドを摺接させて当
    該テープ供給リール台の回転負荷を加減するリール負荷
    トルク調節装置と、 上記回転ドラムと上記テープ供給リール台の間に設けら
    た可動テープガイドを有し、当該テープの経路長を変
    化させる可動テープガイド駆動装置と、 上記可動テープガイドの位置を検出する位置検出器と、 この検出された位置信号を入力し、当該テープのテンシ
    ョン値が基準値に近づくように上記可動テープガイド駆
    動装置および上記リール負荷トルク調節装置を制御する
    制御信号を出力するテンション制御回路とを備え、該テ
    ンション制御回路は、 上記位置検出器で検出された位置信号と上記可動テープ
    ガイド駆動装置を制御する制御信号とが入力され、上記
    制御信号に所定の定数を乗算した値を積分回路で積分す
    ることにより位置信号を出力し、上記位置検出器で検出
    された位置信号と上記積分回路から出力された位置信号
    とを比較して差信号を出力し、該差信号を上記積分回路
    に所定のゲインを与えて帰還させることで上記可動テー
    プガイドの位置を推定する信号を訂正して出力すると共
    に、上記所定のゲインを与えて帰還させる差信号を上記
    テープテンション値として出力する 状態推定器と、 上記テープテンション値を基準テンションと比較する比
    較器と、 比較器の出力であるテンション誤差値から高周波成分
    選択する直流カットフィルタと、上記テンション誤差値を入力して上記リール負荷トルク
    調節装置に帰還させる負荷トルク補償回路と、 上記高周波成分を入力して上記可動テープガイド駆動装
    置に帰還させる可動テープガイド補償回路と を有するこ
    とを特徴とする テンション制御装置。
  2. 【請求項2】 テープ供給リール台に装着された供給リ
    ールから送出されるテープを回転ドラムに巻回させる経
    路でもって定速走行させるテープ走行装置において、 上記回転ドラムとテープ供給リール台の間に設けられ当
    該テープに摺接するテンションピン,このテンションピ
    ンが可動端に固定されたテンションアーム,このテンシ
    ョンアームの動きに応じて上記テープ供給リール台の回
    転負荷を加減するテンションバンドおよび上記テンショ
    ンアームの位置決めをするばねからなる機械式テンショ
    ン制御装置と、 上記回転ドラムと機械式テンション制御装置のテンショ
    ンピンの間に設けられた可動テープガイドを有し、摺接
    するテープの経路長を変化させる可動テープガイド駆動
    装置と、 上記可動テープガイドの位置を検出する位置検出器と、 この検出された位置信号を入力し、当該テープのテンシ
    ョン値が基準値に近づくように上記可動テープガイド駆
    動装置を制御する制御信号を出力する第2のテンション
    制御回路とを備え、該第2のテンション制御回路は、 上記位置検出器で検出された位置信号と上記可動テープ
    ガイド駆動装置を制御する制御信号とが入力され、上記
    制御信号に所定の定数を乗算した値を積分回路で積分す
    ることにより位置信号を出力し、上記位置検出器で検出
    された位置信号と上記積分回路から出力された位置信号
    とを比較して差信号を出力し、該差信号を上記積分回路
    に所定のゲインを与えて帰還させることで上記可動テー
    プガイドの位置を推定する信号を訂正して出力すると共
    に、上記所定のゲインを与えて帰還させる差信号を上記
    テープテンション値として出力する 状態推定器と、 上記テープテンション値から高周波成分を選択する直流
    カットフィルタと、上記高周波成分を入力して上記可動テープガイド駆動装
    置に帰還させる可動テープガイド補償回路と を有するこ
    とを特徴とする テンション制御装置。
  3. 【請求項3】 上記状態推定器で制御信号に所定の定数
    を乗算する回路は、 可動テープガイド駆動装置に制御信
    号を入力させた時の位置検出器の出力の周波数特性に一
    致するように決定された定数を乗算する回路であり、少
    なくとも可動テープガイド駆動装置の力定数を乗算する
    回路および機構系の完成モーメントを乗算する回路を含
    むことを特徴とする請求項1または2に記載のテンショ
    ン制御装置。
  4. 【請求項4】 上記状態推定器の積分回路は2段の積分
    回路であり、上記差信号を上記2段の積分回路の各々に
    対して個別に所定のゲインを与えて帰還させることで上
    記可動テープガイドの位置を推定する信号を訂正して出
    力すると共に、上記2段の積分回路の前段側の積分回路
    の出力を上記可動テープガイドの速度を推定する信号と
    して出力することを特徴とする請求項3に記載のテンシ
    ョン制御装置。
  5. 【請求項5】 上記状態推定器で制御信号に乗算する所
    定の定数は、上記2段の積分回路の前段側の積分回路の
    出力に粘性定数を乗算して上記機構系の完成モーメント
    を乗算する回路に帰還させると共に、後段側の積分回路
    の出力にバネ定数を乗算して上記機構系の完成モーメン
    トを乗算する回路に帰還させることを特徴とする請求項
    4に記載のテンション制御回路。
  6. 【請求項6】 上記状態推定器は、上記差信号を上記機
    構系の完成モーメントを乗算する回路に対して所定のゲ
    インを与えると共に積分回路で積分してから帰還させる
    ことで上記可動テープガイドの位置を推定する信号を訂
    正して出力することを特徴とする請求項3〜5の何れか
    に記載のテンション制御回路。
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