JP2891169B2 - テープ移送装置とその制御方法 - Google Patents

テープ移送装置とその制御方法

Info

Publication number
JP2891169B2
JP2891169B2 JP8090828A JP9082896A JP2891169B2 JP 2891169 B2 JP2891169 B2 JP 2891169B2 JP 8090828 A JP8090828 A JP 8090828A JP 9082896 A JP9082896 A JP 9082896A JP 2891169 B2 JP2891169 B2 JP 2891169B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tape
tension
reel
correction coefficient
error
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8090828A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08315455A (ja
Inventor
富士雄 田島
厚司 市川
宗丈 漢那
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP8090828A priority Critical patent/JP2891169B2/ja
Publication of JPH08315455A publication Critical patent/JPH08315455A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2891169B2 publication Critical patent/JP2891169B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、リールからリール
へテープ(例えば磁気テープ)を直接移送する装置に係
り、特にテープを高速でかつ高精度に搬送するのに好適
なテープ移送装置とその制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の装置は、特開昭60−14055
9号公報に記載のように、磁気テープを初期位置に位置
決めする過程で磁気テープの起動/停止を行い各リール
駆動系間の特性差を検出し、それを使って補正値を決定
しかつ保持し、初期位置に位置決めした後は、この補正
値でモータ操作信号の補正を行う方式となっていた。し
かし、上記各リール駆動系間の特性差と補正値との因果
関係について十分には配慮されていなかった。なお、供
給リールと巻取リールを駆動する各モータの駆動電流を
各リールに巻かれたテープ径に基づいて算出・制御する
ことにより、磁気ヘッド部におけるテープの速度と張力
を一定に保つようにすることは公知である。例えば、特
開昭53−144307号公報及び特開昭52−620
04号公報を参照されたい。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、検出
した各リール駆動系間の特性差と補正値との因果関係に
ついて十分には配慮されておらず、適切な補正値が決定
できないため、適応補正を短時間内で良好に行うことが
できないという問題があった。例えば、上記特性差の信
号はON/OFFの2値信号であり、補正値の設定の仕
方によっては収束しないことや、補正が完了するまでに
何回もの試行を必要とする問題があった。 【0004】本発明の目的は、リール駆動系の特性のば
らつきを補償する適切な駆動指令の補正を行い、短時間
内で安定したテープ移送を行うことのできるテープ移送
装置とその制御方法を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的は、テープの起
動に際し、一方のリールが停止状態から予定した基準速
度に至るまでの時間と、該時間内における該テープの平
均張力誤差とを求め、該時間および該平均張力誤差とい
う2つのパラメータを用いて2つのリール駆動系の加速
度誤差を夫々演算し、夫々の該加速度誤差をなくす如く
2つのリール駆動系に対する駆動指令の補正を行うこと
で達成される。 【0006】2つのリール駆動系の特性誤差、特に加減
速時の過渡状態での特性のばらつきが安定なテープ走行
を実現する上でのネックとなっている。そこで、テープ
を起動する際に、停止状態から予定した基準速度に至ま
での時間と、この時間内におけるテープの平均張力誤差
とから、直接2つのリール駆動系の加速度誤差を求めて
いる。この加速度誤差がすでに与えられている駆動指令
によって生じているのであるから、この加速度誤差をな
くすように駆動指令を補正することによって、安定なテ
ープ走行を実現することができる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的実施例に基
づき詳細に説明する。 【0008】図1は、本発明の一実施例を示すテープ移
送装置のブロック構成図である。 【0009】本装置は、真空カラムなどのテープバッフ
ァを持たず、ディジタルコントローラ54が後記のよう
に決定するモータ駆動信号によりリールモータ8、9を
駆動して、リール6、7を回転させ、磁気テープ1は、
一方のリールから送り出されて、所定速度で磁気ヘッド
2を通り、他方のリールに巻き取られる。 【0010】リールモータ8、9は、それぞれ、定電流
増幅器からなる電力アンプ59、60から出力される駆
動電流65、66により駆動され、電力アンプ59、6
0の入力56、58はDA変換器55、57の出力であ
る。DA変換器55、57は、ディジタルコントローラ
54からそれぞれ出力ポート52、53を経てディジタ
ル信号67、68としてモータ駆動信号データを受け取
り、これをアナログ信号に変換して出力する。 【0011】ディジタルコントローラ54は前記モータ
8、9を制御し、磁気ヘッド2を介して磁気テープ1に
対するデータの読出しと書込みを制御する。 【0012】モータ8には適当なタコメータ17が取付
けられていて、これがモータ8に直結した巻取リール6
の1回転ごとにパルスC(18)を1個発生して、パル
スカウンタ19に送る。モータ9には微細タコメータ2
1が取付けられていて、これが同様に、供給リール7の
回転量を検出して、供給リール7の回転量に比例する数
の微細パルスA(25)を方向判別付周期カウンタ25
とパルスカウンタ19に送る。微細タコメータ21は位
相が90度ずれた微細パルスB(22)を同時に出力し
方向判別付周期カウンタ25に送る。したがって、カウ
ンタ25は、微細パルスA,Bの位相関係を調べると供
給リール7の回転方向を判別することができる。方向判
別付周期カウンタ25では両者の位相関係に基づいて、
磁気テープ1の移動方向を検出し、回転方向信号27を
ディジタルコントローラ54の入力ポート32に送る。
また、方向別判付周期カウンタ25はディジタルコント
ローラ54から出力ポート63を経て出力されるクロッ
ク24を使って、微細パルスA(23)のパルス周期を
カウントし、カウント値n1(26)をディジタルコン
トローラ54の入力ポート33に送る。 【0013】パルスカウンタ19は巻取リール6の1回
転あたりの微細パルスA(23)のパルス数すなわち供
給リール7の回転量を示すカウント値n2(20)を出
力し、ディジタルコントローラ54の入力ポート30に
送る。 【0014】張力センサ10は、テープガイド5内の圧
力値から磁気テープ1の張力を検出し、検出器11に信
号を送る。検出器11はテープ張力の測定値fa(1
2)を出力し、補償フィルタ14とAD変換器28に送
る。補償フィルタ14は張力目標値13を受けて、テー
プの移動が所定の張力を保って行われるように、補償信
号iC1(15)を巻取リール側の電力アンプ59にフ
ィードバックすると共に、補償信号ic2(16)を供
給リール側の電力アンプ60にフィードバックする。ま
たAD変換器28は、ディジタルコントローラ54から
出力ポート63を経て出力されるクロック(24)を使
ってテープ張力測定値fa(12)をサンプリングして
ディジタル信号に変換し、テープ張力測定値fa(2
9)を出力し、ディジタルコントローラ54の入力ポー
ト31に送る。 【0015】ディジタルコントローラ54内には入力ポ
ート30〜33が設けられており、外部から送られる信
号n2(20)、fa(29),F/B(27),n
1(26)を受けて、メモリ内蔵の演算器34に送る。
演算器34は、ディジタルコントローラ54全体をコン
トロールする機能を有しており、リールモータ8、9を
駆動して、リール6、7を回転させ、磁気ヘッド2を通
過するときの磁気テープ1のテープ速度と張力を所定の
目標値に制御するためのモータ駆動指令を決定する。演
算器34は、前記モータ駆動指令を決定するために必要
な制御パラメータを、入力ポート30〜33から送られ
る入力データと、予めメモリ内に記憶されている機構特
性データとを使用して演算する。そして、その出力であ
る各制御パラメータを、適当な時間タイミングで各レジ
スタ61、35、36、37、38、40、42、43
に送り制御パラメータの更新を行う。入力ポート33に
送られたデータ信号(26)は演算器34と加算器44
に送る。一方、加算器44はレジスタ(−nref)43
からの出力と入力ポート33からの出力を受けて、両者
の比較を行い、その結果の(n1−nref)をリミッタ4
5に入力する。リミッタ45はその出力信号(46)を
掛け算器48、49に送る。掛け算器48はリミッタ4
5、レジスタ35、レジスタ36の各出力を受けて、各
信号の掛け算を行いその出力を加算器50に送る。加算
器50は掛け算器48、レジスタ61、レジスタ38の
各出力を受けて、各信号の加算を行いその出力であるリ
ールモータ8を駆動するモータ駆動指令を出力ポート5
2に送る。掛け算器49はリミッタ45、レジスタ3
7、レジスタ42の各出力を受けて、各信号の掛け算を
行いその出力を加算器51に送る。加算器51は掛け算
器49、レジスタ40の両出力を受けて、信号の加算を
行いその出力であるリールモータ9を駆動するためのモ
ータ駆動指令を出力ポート53に送る。 【0016】演算器34内にはワークレジスタ64が設
けられており、ここには張力誤差が許容値内にあるかど
うかを判断するための制限値がセットされている。 【0017】なお、図1において、3〜5はテープガイ
ドを示している。 【0018】次に、図1の動作を図2を用いて説明す
る。図2は、ディジタルコントローラ54における動作
を示す動作フロー図である。 【0019】まず、図2におけるステップF10の処理
がなされる。これは、演算器34がレジスタ36にCa
=1.0、レジスタ37にCb=1.0、レジスタ61
にitc=0を設定するステップである。続いて、ステ
ップF20に進み、演算器34はリール6、リール7の
半径R1、R2を演算し、記憶する。この半径の演算は、
どのようなアルゴリズムによって求めても良いが、ここ
では次のようにして求めている。巻取リール6が1回転
する間に巻取ったテープ長さは、供給リール7が繰り出
したテープ長さに等しいので下記数1が成立する。ま
た、テープ長さは変化しないから、各リールに巻かれた
テープ長さの和は一定であり下記数2が成立する。 【0020】 【数1】 【0021】 【数2】【0022】2つの数1、数2を解くと、各リールの半
径は下記の数3のごとく、カウント値n2(20)を変
数として決定することができる。 【0023】 【数3】 【0024】演算器34は、上記数3の演算によって各
リールの半径を演算する。この演算は、新しいカウント
値n2が入力ポート30を介して入力される毎に行われ
る。この演算に必要なR0、L,T,Nの定数(機構部
データの一部)は、予め内部のメモリに記憶しておく。 【0025】続いて、ステップF30に進み、演算によ
って求められた半径R1、R2を用いて、夫々のリール駆
動系におけるリールモータを駆動するための速度制御ゲ
インG1、G2と、駆動指令(張力電流指令)it1,it2
とテープ速度を設定速度V0とするに要する角速度に対
応する設定カウント値nrefとを演算し、その結果をレ
ジスタにセットする。すなわち、G1はレジスタ35
に、G2はレジスタ42に、it1はレジスタ38に、i
t2はレジスタ40に−nrefはレジスタ43に夫々セッ
トする。この実施例における夫々のパラメータは、次の
ようにして求められている。 【0026】まず、レジスタ35、42にセットされる
制御ゲインは、下記数4、数5から得られる。 【0027】 【数4】 【0028】 【数5】【0029】メモリ内蔵の演算器34は、メモリ内に予
め記憶されている機構部データの中からKT,J1
2,α,R0と、メモリ内に記憶されたリール半径
1、R2のデータを使用して、数4、数5によりG1
2を演算して、その結果を各レジスタ35、42に送
る。この値は、演算器内のリールの半径R1、R2が書き
換えられる度に値が更新される。 【0030】次にレジスタ38、40にレジストされる
制御定数は、下記数6、数7から得られる。 【0031】 【数6】 【0032】 【数7】 【0033】メモリ内蔵の演算器34は、予めメモリ内
に記憶されている機構部データの中からKT、fref、F
とメモリ内に記憶されたリール半径R1、R2のデータを
使用して、数6、数7によりit1,it2を演算してその
結果を各レジスタ38、40に送る。この値は、演算器
内に記憶されているリール半径R1、R2が書き換えられ
る毎に演算される。 【0034】また、レジスタ43にセットされる値−n
refは次に示す数8から得られる。 【0035】 【数8】 【0036】演算器34は、数8により、nrefを演算
し、結果にマイナスを付して、レジスタ43にセットす
る。この演算は、半径R2が更新される毎に行われる。 【0037】続いて、ステップF40に進み、夫々のモ
ータ駆動指令i1、i2が演算され、夫々の出力ポート5
2、53を介して出力される。この演算は数9、数10 【0038】 【数9】 【0039】 【数10】 【0040】の如く行われる。しかし、この段階におい
ては、Ca=Cb=1.0,itc=0なので(ステップF
10参照)、Ca,Cbあるいは張力補正値itcによる補
正は働かない。 【0041】夫々のリールモータの駆動指令i1、i2
出力されることにより、ステップF50に進み、リール
が駆動されることになる。この段階において、ディジタ
ルコントローラ54は、加速時における各リール駆動系
の加速度誤差を演算するに必要な2つのパラメータであ
る停止状態から予定した基準速度Vs(≧V0)に至る
までの時間taと、その時間内におけるテープの平均張
力誤差favとを求める。 ここで、taとfavから加速
度誤差を求めることのできる理論的根拠は、次の通りで
ある。まず。リールモータ8、9で発生する実際の加速
度X、Xは数11、数12のように表すことがで
きる。 【0042】 【数11】 【0043】 【数12】 【0044】この加速度X、Xでモータ8、9が
回転した時に発生する張力誤差fsは、数13のように
なる。 【0045】 【数13】 【0046】数12における係数β1、β2は、夫々のリ
ール駆動系の特定誤差を集約して加速度誤差として一次
近似した値である。数12、数13から数14が得られ
る。 【0047】 【数14】 【0048】次に、設定加速度K0で加速して基準速度
Vsに達する時間ts(=V0/K0)と、実際にVsに達
する時間taとの間には、数15の関係がある。 【0049】 【数15】 【0050】数15からβ2は数16のように表せる。 【0051】 【数16】 【0052】数16と数14とから、β1は数17のよ
うに表せる。 【0053】 【数17】 【0054】この結果から、β1、β2は、taとfsとか
ら計算することができる。しかし、張力誤差fsは、測
定上の誤差や機構部振動などの外乱が含まれるので、デ
ータの信頼性が低い。このため、この張力誤差の平均値
avを用いる。このta,favの具体的な検出方法は次
の通りである。まず、起動開始から基準速度Vsに達す
るまでの時間taの求め方について説明する。 【0055】テープ速度を示すカウント値n1は、演算
器34に入力されるので、このn1と予め記憶されてい
る基準速度Vsに対応したカウント値nsを比較し、n1
≦nsとなるまでの時間を内部のクロックを使って検出
する。この時間がtaとなる。また、平均張力誤差fav
については、演算器34に入力される張力検出値fdを
用いて求めることができる。図3はその検出の様子を示
している。張力目標値fre fは予め判っている(メモリ
に記憶されている)ので、サンプリング時間毎に入力す
る張力検出値fdiからfrefを差し引き、これを加算す
る。 【0056】そして、これをサンプル数kで除すことで
平均張力誤差favが得られる。 【0057】さて、ステップF60での処理が終わる
と、ステップF70に進む。ステップF70では、検出
した張力値から得られた張力誤差fsあるいはその平均
値favが制限値(許容値)を越えているかどうかの判断
を行う。この判断の結果、許容値内に入っている場合に
は、それ以上の補正動作は行わない。許容値を越えてい
る場合、ステップ80に進む。 【0058】ステップ80では、すでに求めている
av,taを用いて、各リール駆動系の加速度誤差係数
β1、β2を演算する。この演算は、数16、数17によ
る。 【0059】次に、ステップF90では、この加速度誤
差係数を用い、各リール駆動系の補正係数を求め、これ
を記憶する。この実施例では、レジスタ36、レジスタ
37にβ1、β2の逆数Ca(=1/β1),Cb(=1/
β2)を設定し、これを半径から求められてレジスタに
セットされているモータ駆動指令it1,it2と乗算する
ことにより補正している。 【0060】次に、ステップF95に進み、リール駆動
系の特性誤差のうち、定常状態での応答を補正する補正
値itcを演算し、記憶する。この実施例では、レジスタ
61に演算結果itcをセットし、加算器50で駆動指令
と加算することによって補正している。ここで、補正値
tcの決定について説明する。前述した平均張力誤差f
avと、リール径R1とを用いることにより、itcは数1
8で演算される。 【0061】 【数18】 【0062】以上のようにして、決定した補正係数と補
正値は各レジスタ61、36、37に設定される。そし
て、ステップF40に進み、これら設定された各パラメ
ータを用いて補正後の各リールモータの駆動指令i1
2が演算され、この結果によって実際にテープ動作が
なされる。上記のようにして求めた駆動指令は、実際の
駆動リール系の特性のばらつきに基づいてそれを補償す
るものとなっており、最適補償に近いものである。従っ
て、この段階で、加速特性と張力とが初期の設定値に近
い状態に制御される。 【0063】もっとも、実際の補正後の運転結果は、ス
テップF70によりモニターされ、その段階でも補正が
不十分である場合にはステップF80〜F95の処理及
び、その結果に基づくステップF40,F50の処理が
更に実行される。 【0064】本実施例の効果は、リール駆動系の特性誤
差を抽出する過程で、特性誤差を正しく抽出することを
可能にしたことにより、前記特性誤差に対し、適切な補
正ができること、その結果実質的に一回のテープ動作に
て補正が可能となった点にある。 【0065】図4は本発明の他の実施例の要部を示す図
である。この図4は、図1の構成とディジタルコントロ
ーラ54の内部のみ相違する。ディジタルコントローラ
54内の構成で、図1ではレジスタ37の出力は掛け算
器49に送られていたが、図4では、掛け算器49と掛
け算器48の両方に送られる点が異なり、その他の構成
は同じである。 【0066】リール駆動系の特性誤差を抽出するための
パラメータは図1の例と同様に、ta,favを使用す
る。相違点は、前記2つのパラメータから補正係数と補
正値を決定するアルゴリズムと補正方法にある。図5は
本実施例における補正係数と補正値を決定する過程を示
すフローチャートである。図において、テープ動作に至
るまでの過程(ステップF10〜F50)は前実施例と
同一であり説明を省く。 【0067】ディジタルコントローラ54は1回目のテ
ープ動作では、ステップF86,F87によって、前記
パラメータfavを検出して、リール駆動系の特性誤差の
うち過渡状態での応答を補正するための補正係数Caを
決定する。favの具体的な検出方法は前実施例と同じで
ある。補正係数Caは数11、数15から得られる数1
6のアルゴリズムにより演算して決定する。この過程で
未知の係数β2は1として演算される。Ca=1/β1
ので、数19が次のようにして求められる。 【0068】 【数19】【0069】また、この時、先に設定したテープ移送方
向が参照される。テープ移送方向によりfavの符号が反
転するためである。決定された補正値Caはレジスタ3
6へ設定される。 【0070】次に、ディジタル・コントローラ54は、
新しい補正値にて2回目のテープ動作を行う。2回目の
テープ動作では前記パラメータtaを検出して、ステッ
プF88に進みゲイン値Caを決定する。taの具体的な
検出方法は前実施例と同じであり説明を省く。補正係数
Cbの値は上記したβ2を求める数16により演算し決定
する。決定された補正係数Cbはレジスタ37へ設定さ
れる。次にステップF95に進み、リール駆動系の特性
誤差のうち、定常状態での応答を補正する補正値itc
決定する。この求め方は前実施例と同じであり説明を省
く。メモリ内蔵の演算器34は適応補正が正しく実行さ
れたかどうかをチェックするため、新しい補正値にて再
度テープを動作させる。その後の処理過程は前実施例と
同じであり説明を省く。 【0071】本実施例では、リール駆動系の特性誤差を
抽出する過程で、2つのパラメータta,faを二度に分
けて検出する点に特徴がある。テープ速度と張力とは相
互に関連ある特性であるため、特に特性誤差が大きい場
合には相互に影響が現われta,faの検出精度が悪くな
る点を解消するのが本実施例のねらいである。本実施例
の効果は、二度に分けてリール駆動系の特性誤差を抽出
するため、同誤差の検出精度が向上し前記特性誤差に対
してより適切な補正が実現できることにある。 【0072】なお、上記の実施例において、前記2つの
パラメータta,faを検出する順番はfaを先に行い後
でtaを行ったが、この順番は逆にしても良い。この場
合には前実施例の検出過程を二度に分けたことと同じに
なる。 【0073】図6は、本発明の他の実施例を示す図であ
る。この図6は、図1の構成とタコメータ17を微細パ
ルス69がパルスc18の他に検出できるように変更し
た事、前記タコメータ17の微細パルスを周期カウンタ
70に送ること、周期カウンタ70はクロック(24)
を受けて、微細パルス69のパルス周期をカウントしカ
ウント値n3(71)をディジタルコントローラ54の
入力ポート72に送ること、メモリ内蔵の演算器34は
入力ポート72から送られるカウント値n3を入力する
ことの点で相違がある。その他の構成は図1の構成と同
じである。 【0074】リール駆動系の特性誤差を抽出するための
パラメータはta1,taを使用する点が相違する。図7
は本実施例における補正係数を決定する過程を示すフロ
ーチャートである。図において、テープ動作に至るまで
の過程は前実施例(図2)と同一であり説明を省く。 【0075】ディジタルコントローラ54は、テープ動
作後、ステップF91にて2つのパラメータta1,ta
を検出して、リール駆動系の特性誤差のうち過渡状態で
の応答を補正するために補正係数Ca,Cbを決定する。
本実施例において使用するパラメータtaは図1の実施
例で使用したパラメータtaと同一であり説明を省く。
さて、新しいパラメータta1は巻き取りリール側のテー
プ速度について、過渡状態内にある時間tsでのテープ
速度Vsに到達する時間に相当し、下記数20の関係が
あり、モータ8の加速度の誤差係数β1を検出すること
ができる。 【0076】 【数20】 【0077】また、数16より供給リール駆動系の誤差
係数β2を検出するとができる。従って、ta1、taをリ
ール駆動系の特性誤差を抽出するためのパラメータとし
て選ぶことができる。次に、2つのパラメータta1、t
aの具体的な検出方法について詳述するが、taについて
は前実施例と同一であり、説明を省く。巻取リール側の
テープ速度を示すカウント値n3は入力ポート72を経
てメモリ内蔵の演算器34へ送られてくる。演算器34
は予めメモリに設定されたカウント値ns1とn3を比較
し、n3≦ns1となる時間を内蔵のクロック(24)を
使ってクロック数として測定する。なお、ns1は数21
を使って演算しメモリ内に設定される。 【0078】 【数21】【0079】メモリ内蔵の演算器34は、前記検出した
パラメータta1,ta2を使用して、リール駆動系の特性
誤差のうち過渡状態での応答を補正するための補正係数
Ca,Cbを演算し決定する。決定された補正係数Ca,
Cbはレジスタ36、37へそれぞれ設定される。次
に、リール駆動系の特性誤差のうち、定常状態での応答
を補正する補正値itcの決定については前実施例と同じ
であり説明を省く。以上で、リール駆動系の特性誤差を
補正するための2種類の補正係数が決定される。メモリ
内蔵の演算器34は適応補正が正しく実行されたかどう
かをチェックするため、新しい補正係数と補正値にて再
度テープを動作させる。その後の処理過程は前実施例
(図1)と同じであり説明を省略する。 【0080】本実施例は、リール駆動系の特性誤差を抽
出する過程で、モータ軸のタコメータから検出するた
め、機構部振動などの影響を受けにくく検出精度が高い
ため、適切な補正値が決定できる。さらに、一回のテー
プ動作にて補正が可能である。 【0081】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、リ
ール駆動系の特性誤差を補償する適切な駆動指令を求
め、これによってテープを駆動を行うので、短時間内で
安定したテープ移送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。 【図2】図1の実施例の動作を示すフロー図である。 【図3】平均張力誤差の演算を説明するための図であ
る。 【図4】本発明の他の実施例要部のブロック図である。 【図5】図4の実施例の動作を示すフロー図である。 【図6】本発明の他の実施例をを示すブロック図であ
る。 【図7】図6の実施例の動作を示すフロー図である。 【符号の説明】 54…ディジタルコントローラ、34…演算増幅器、3
6…レジスタ(Ca)、37…レジスタ(Cb)、61
…レジスタ(itc)、45…リミッタ、48,49…掛
け算器、50,51…加算器、28…AD変換器、6,
7…リール、8,9…リールモータ、2…磁気ヘッド、
1…磁気テープ、10…張力センサ、17…タコメー
タ、21…微細タコメータ、59,60…電力アンプ、
19…パルスカウンタ、25…方向判別付周期カウン
タ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−136937(JP,A) 特開 昭59−148175(JP,A) 特開 昭55−150152(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 15/43 G11B 15/48

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.一対のリール間でテープを搬送するテープ移送装置
    において、前記両リールを駆動する2つのモータと前記
    2つのモータを制御して両リール間のテープ搬送を実施
    する手段を備えるリール駆動系と、前記両リール間での
    テープ搬送のためリールにテープが設置されテープの搬
    送速度が変えられる際の遷移期間中にテープに作用する
    張力の実際の値を測定し、所望の張力値と前記測定した
    実際の値との張力誤差を求める手段と、前記張力誤差に
    基づいて前記リール駆動系で制御する際にそれぞれ前記
    モータ駆動電流の決定するために用いる補正係数を演算
    する演算手段と、テープの後続の搬送で使用する前記補
    正係数を記憶する手段と、前記記憶された補正係数を用
    いて、テープの後続の搬送において個々のモータの駆動
    電流を補正する手段とを備えたことを特徴とするテープ
    移送装置。 2.請求項1において、前記張力誤差が前記遷移期間中
    に繰り返し得られ、前記補正係数演算手段は、前記繰り
    返し得られた張力誤差の平均値を用いて補正係数を演算
    することを特徴とするテープ移送装置。 3.請求項1において、前記両リール間の搬送に対して
    テープがリールに対して設置されている間に所定速度か
    ら所定の基準速度にテープが到達するのに要求される時
    間間隔を測定する時間間隔測定手段を設け、前記補正係
    数演算手段が前記時間間隔測定手段の測定結果と、前記
    張力誤差とを用いて補正係数を演算することを特徴とす
    るテープ移送装置。 4.1対のリール間で移送されるテープの張力を検出し
    て、所定張力になるように2つのリール駆動用モータを
    制御するテープ移送装置の制御方法において、テープ移
    送装置の加速時または減速時のテープの張力と予め設定
    した目標張力との差を求め張力誤差を演算し、前記張力
    誤差に基づいて前記2つのモータに対するそれぞれの駆
    動指令を補正するための補正係数を演算し、前記補正係
    数を記憶し、テープ再移送時に前記補正係数を用いて前
    記2つのリール駆動用モータのそれぞれの駆動指令を補
    正し、前記2つの駆動モータは前記補正された駆動指令
    に基づいて駆動制御することを特徴とするテープ移送装
    置の制御方法。
JP8090828A 1996-04-12 1996-04-12 テープ移送装置とその制御方法 Expired - Fee Related JP2891169B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8090828A JP2891169B2 (ja) 1996-04-12 1996-04-12 テープ移送装置とその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8090828A JP2891169B2 (ja) 1996-04-12 1996-04-12 テープ移送装置とその制御方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61094525A Division JP2791008B2 (ja) 1985-10-11 1986-04-25 テープ移送装置の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08315455A JPH08315455A (ja) 1996-11-29
JP2891169B2 true JP2891169B2 (ja) 1999-05-17

Family

ID=14009458

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8090828A Expired - Fee Related JP2891169B2 (ja) 1996-04-12 1996-04-12 テープ移送装置とその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2891169B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08315455A (ja) 1996-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR900009172B1 (ko) 테이프 이송방법 및 장치
EP0514847B1 (en) System and method for controlling speed of electric motor in extremely low speed range using rotary pulse encoder
KR920002347B1 (ko) 속도 제어 시스템
JP2891169B2 (ja) テープ移送装置とその制御方法
JP2791008B2 (ja) テープ移送装置の制御方法
EP0469508B1 (fr) Procédé et dispositif d'estimation de flux d'induction magnétique d'un moteur asynchrone, en vue notamment de la commande de ce moteur par régulation de flux
JPH06284762A (ja) 電動機の速度制御装置
JP2930593B2 (ja) テープ移送装置の制御装置
JP2739963B2 (ja) テープ移送装置の制御装置
JP2815155B2 (ja) テープ移送装置の制御装置
JP3320974B2 (ja) 可逆式圧延機の板厚制御装置
JP2906838B2 (ja) 巻取・巻出機の張力制御装置
JPH0522974A (ja) 電動機の速度制御装置
JP2810059B2 (ja) テープ移送装置の調整方法
JPS6337597B2 (ja)
JPH07334895A (ja) リール間テープ移送装置の調整方法
JP3213796B2 (ja) サーボモータ制御装置
JP3345131B2 (ja) テンション制御装置
JPH10285989A (ja) 電流検出装置及び電流制御装置
JP3206611B2 (ja) 位置同期形速度制御系における位置追従制御方法
JP2663428B2 (ja) テープ巻径演算装置
JPH03194752A (ja) リール間テープ張力制御方法
JP2827508B2 (ja) モータ制御装置
JPS61104357A (ja) テ−プ移送装置
JPH10289005A (ja) デジタルサーボ装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees