JP3320974B2 - 可逆式圧延機の板厚制御装置 - Google Patents

可逆式圧延機の板厚制御装置

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JP3320974B2
JP3320974B2 JP10809796A JP10809796A JP3320974B2 JP 3320974 B2 JP3320974 B2 JP 3320974B2 JP 10809796 A JP10809796 A JP 10809796A JP 10809796 A JP10809796 A JP 10809796A JP 3320974 B2 JP3320974 B2 JP 3320974B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属板の板厚が
目標板厚に一致するように圧延機のロールギャップを制
御する可逆式圧延機の板厚制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の可逆式圧延機の板厚制御装
置を示す構成図であり、図において、1は金属板2を圧
延する可逆式の圧延機、2は金属板、3は圧延方向、4
は圧延前の金属板2が巻かれているリール、5は圧延後
の金属板2を巻き取るリール、6は金属板2の圧延前の
板厚H1 を計測する厚み計、7は金属板2の圧延後の板
厚H2 を計測する厚み計、8は金属板2の圧延前の張力
1 (圧延機1の入側張力)を計測する張力計、9は金
属板2の圧延後の張力T2 (圧延機1の出側張力)を計
測する張力計、10は圧延機1の圧延荷重Fを計測する
荷重計である。
【0003】また、11は厚み計6により計測された金
属板2の圧延前の板厚H1 と目標板厚H1 *の偏差に基づ
いて制御出力量REF1 を演算するフィードフォワード
AGC演算回路、12は厚み計7により計測された金属
板2の圧延後の板厚H2 と目標板厚H2 *の偏差に基づい
て制御出力量REF2 を演算する圧下モニタAGC演算
回路、13は荷重計10により計測された圧延機1の圧
延荷重Fに基づいて制御出力量REF3 を演算するロー
ルフォースAGC演算回路、14は各AGC演算回路1
1〜13により演算された制御出力量REF1 〜REF
3 を適宜ミキシングして、圧延機1のロールギャップ修
正量S* (ロールギャップは圧延機1の上側ロールと下
側ロールの間隔を意味する)と圧延機1の入側の目標張
力T1 *を決定するミキシング回路である。
【0004】また、15はミキシング回路14により決
定されたロールギャップ修正量S*にしたがって圧延機
1の圧下位置を制御する油圧圧下制御回路、16は張力
計8により計測された張力T1 がミキシング回路14に
より決定された目標張力T1 *に一致するようにリール4
の回転速度を制御する張力モニタ制御回路、17はリー
ル4を回転させるモータ、18は張力計9により計測さ
れた張力T2 が予め設定された目標張力T2 *に一致する
ようにリール5の回転速度を制御する張力モニタ制御回
路、19はリール5を回転させるモータである。
【0005】次に動作について説明する。図9はリール
4に巻かれている金属板2が圧延機1によって圧延さ
れ、その圧延された金属板2がリール5に巻き取られる
様子を示しているが、以下、金属板2の圧延後の板厚H
2 を目標板厚H2 *に一致させるための板厚制御について
説明する。
【0006】まず、板厚を制御するに際し、厚み計6が
金属板2の圧延前の板厚H1 を計測し、厚み計7が金属
板2の圧延後の板厚H2 を計測する。また、張力計8が
圧延機1の入側の金属板2の張力T1 を計測し、張力計
9が圧延機1の出側の金属板2の張力T2 を計測する。
さらに、荷重計10が圧延機1の圧延荷重Fを計測す
る。
【0007】このようにして各種の計測が行われると、
各AGC演算回路11〜13が各種の計測値に基づいて
制御出力量REF1 〜REF3 を演算するが、まず、フ
ィードフォワードAGC演算回路11は、厚み計6によ
り計測された金属板2の圧延前の板厚H1 と目標板厚H
1 *の偏差に基づいて所定のフィードフォワード演算を行
い、厚み計6により計測された金属板2の計測部分が圧
延機1を通過したときに、当該計測部分の板厚が目標板
厚H2 *に一致するような制御出力量REF1 を求める。
【0008】また、圧下モニタAGC演算回路12は、
厚み計7により計測された金属板2の圧延後の板厚H2
と目標板厚H2 *の偏差に基づいて所定のフィードバック
演算(例えば、比例積分演算)を行い、圧延機1により
圧延された金属板2の板厚H2 が目標板厚H2 *に一致す
るような制御出力量REF2 を求める。
【0009】さらに、ロールフォースAGC演算回路1
3は、荷重計10により計測された圧延機1の圧延荷重
Fに基づいて下記に示すような演算を行い、制御出力量
REF3 を求める。 制御出力量REF3 =−(M+Q)×ΔH/{M+Q(1−α)} ・・・(1) H0 =S0 +F0 /M H2 =S +F /M ΔH=H2 −H0
【0010】ただし、F0 は制御開始時点の圧延荷重 S0 は制御開始時点のロールギャップ H0 は制御開始時点の圧延機1の出側の金属板2の板厚 F は現時点の圧延荷重 S は現時点のロールギャップ H2 は現時点の圧延機1の出側の金属板2の板厚 M はミル常数 Q は材料塑性係数
【0011】このようにして、各AGC演算回路11〜
13が制御出力量REF1 〜REF3 を演算すると、ミ
キシング回路14が下記に示すように制御出力量REF
1 〜REF3 を適宜ミキシングして、圧延機1のロール
ギャップ修正量S* と圧延機1の入側の目標張力T1 *
決定するが、3つのAGC演算回路11〜13が設けら
れている理由は、フィードフォワードAGC演算回路1
1及び圧下モニタAGC演算回路12を設ければ、一定
の外乱の影響を除去できるとともに、緩やかな板厚変動
を修正することができるが、急峻な板厚変動に対しては
必ずしも十分な修正を加えることができないので、かか
る急峻な板厚変動を解消すべく、ロールフォースAGC
演算回路13を設けるようにしたものである。
【0012】即ち、ミキシング回路14は図10に示す
ように構成されているので、下記の演算を行うことによ
りロールギャップ修正量S* と目標張力T1 *を決定す
る。 S* =REF1 ×DS1 +REF2 ×DS2 +REF3 ・・・(2) T1 *=REF1 ×DT1 +REF2 ×DT2 ・・・(3) ただし、DS1 +DT1 =1.0 DS2 +DT2 =1.0 なお、分配係数DS1 ,DT1 ,DS2 ,DT2 は、板
厚,鋼種,板幅等によって適宜設定される。
【0013】そして、ミキシング回路14によりロール
ギャップ修正量S* が決定されると、油圧圧下制御回路
15が、ロールギャップ修正量S* にしたがって圧延機
1のロールギャップ、即ち、圧延機1の圧下位置を制御
する。また、ミキシング回路14により目標張力T1 *
決定されると、張力モニタ制御回路16が、張力計8に
より計測された張力T1 が目標張力T1 *に一致するよう
にリール4の回転速度を制御する。
【0014】一方、ミキシング回路14の決定とは無関
係に、張力モニタ制御回路18が、張力計9により計測
された張力T2 が予め設定された目標張力T2 *に一致す
るようにリール5の回転速度を制御する。以上のように
して、金属板2の板厚が制御されると、圧延後の板厚H
2 が概目標板厚H2 *に近づけられ、リール5に巻き取ら
れると圧延が終了する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の可逆式圧延機の
板厚制御装置は以上のように構成されているので、金属
板2の塑性が一様であることを前提として圧延機1のロ
ールギャップ等が制御されるが、金属板2の塑性は一様
ではないため(金属板2は、通常、圧延の前工程におい
て一様な温度では圧延されないので、先端部分と中間部
分と尾端部分とでは塑性が異なる)、例えば、金属板2
の材料塑性係数Qを金属板2の中間部分に合わせて制御
した場合には、金属板2の先端部分及び尾端部分の板厚
2 が目標板厚H2 *から大きくずれてしまい、圧延の品
質が劣化してしまう課題があった。また、金属板2の搬
送速度は圧延開始当初は加速され、圧延終了間際に減速
されるが、従来は金属板2の搬送速度の変動を考慮せず
に制御出力量REF1 〜REF3 を演算していたので、
金属板2の搬送速度が加減速する金属板2の先端部分及
び尾端部分では、特にフィードフォワードAGC演算回
路11の制御出力量REF1 に大きな誤差が含まれ、圧
延の品質が劣化してしまう課題があった。
【0016】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、金属板の先端部分及び尾端部分の
品質を向上させることができる可逆式圧延機の板厚制御
装置を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る可逆式圧延機の板厚制御装置は、AGC演算手段によ
り演算されたロールギャップ修正量を金属板の温度変化
に応じて補正し、その補正されたロールギャップ修正量
に基づいて圧延機のロールギャップを制御するようにし
たものである。
【0018】請求項2記載の発明に係る可逆式圧延機の
板厚制御装置は、AGC演算手段により演算されたロー
ルギャップ修正量を金属板の温度変化に応じて補正し、
その補正されたロールギャップ修正量に基づいて圧延機
のロールギャップを制御するとともに、AGC演算手段
により演算された目標張力に基づいてリールの回転速度
を制御するようにしたものである。
【0019】請求項3記載の発明に係る可逆式圧延機の
板厚制御装置は、金属板の先端部分及び尾端部分に係る
圧延荷重が金属板の中間部分に係る圧延荷重より大きく
なるようにロールギャップ修正量を補正するようにした
ものである。
【0020】請求項4記載の発明に係る可逆式圧延機の
板厚制御装置は、計測手段により計測された金属板の板
厚及び搬送速度に基づいて圧延機直下における金属板の
板厚と目標板厚の偏差を推定し、AGC演算手段により
演算されたロールギャップ修正量を当該偏差に応じて補
正し、その補正されたロールギャップ修正量に基づいて
圧延機のロールギャップを制御するようにしたものであ
る。
【0021】請求項5記載の発明に係る可逆式圧延機の
板厚制御装置は、計測手段により計測された金属板の板
厚及び搬送速度に基づいて圧延機直下における金属板の
板厚と目標板厚の偏差を推定し、AGC演算手段により
演算されたロールギャップ修正量及び目標張力を当該偏
差に応じて補正し、その補正されたロールギャップ修正
量に基づいて圧延機のロールギャップを制御するととも
に、その補正された目標張力に基づいてリールの回転速
度を制御するようにしたものである。
【0022】請求項6記載の発明に係る可逆式圧延機の
板厚制御装置は、計測手段により計測された金属板の板
厚及び搬送速度に基づいて金属板の圧延後の板厚を計測
する計測手段の設置位置における金属板の板厚を推定
し、当該推定値と当該計測手段により計測された金属板
の板厚との間に誤差がある場合には、その誤差を考慮し
て補正するようにしたものである。
【0023】請求項7記載の発明に係る可逆式圧延機の
板厚制御装置は、金属板の圧延前の搬送速度が所定の搬
送速度より速いことによりデータシフトレジスタを構成
するすべてのレジスタにサンプリングした板厚の結果が
格納されない場合、板厚が格納されていないレジスタに
は、板厚が格納されているレジスタに格納されている板
厚の平均値を格納するようにしたものである。
【0024】請求項8記載の発明に係る可逆式圧延機の
板厚制御装置は、圧延機のロールギャップ修正量を演算
する際、金属板の先端部分に係る圧延機のロールギャッ
プ修正量は計測手段により計測された金属板の板厚と目
標板厚の偏差に比例した値に基づいて演算し、金属板の
先端部分以外に係る圧延機のロールギャップ修正量は計
測手段により計測された金属板の板厚と目標板厚の偏差
を積分した値に基づいて演算するようにしたものであ
る。
【0025】請求項9記載の発明に係る可逆式圧延機の
板厚制御装置は、計測手段により計測された圧延機の圧
延荷重が目標圧延荷重に一致するように圧延機のロール
ギャップの位置を初期設定するようにしたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による可
逆式圧延機の板厚制御装置を示す構成図であり、図にお
いて、1は金属板2を圧延する可逆式の圧延機、2は金
属板、3は圧延方向、4は圧延前の金属板2が巻かれて
いるリール、5は圧延後の金属板2を巻き取るリール、
6は金属板2の圧延前の板厚H1 を計測する厚み計(計
測手段)、7は金属板2の圧延後の板厚H2 を計測する
厚み計(計測手段)、8は金属板2の圧延前の張力T1
(圧延機1の入側張力)を計測する張力計、9は金属板
2の圧延後の張力T2 (圧延機1の出側張力)を計測す
る張力計、10は圧延機1の圧延荷重Fを計測する荷重
計(計測手段)である。
【0027】また、11は厚み計6により計測された金
属板2の圧延前の板厚H1 と目標板厚H1 *の偏差に基づ
いて制御出力量REF1 を演算するフィードフォワード
AGC演算回路(AGC演算手段)、12は厚み計7に
より計測された金属板2の圧延後の板厚H2 と目標板厚
2 *の偏差に基づいて制御出力量REF2 を演算する圧
下モニタAGC演算回路(AGC演算手段)、13は荷
重計10により計測された圧延機1の圧延荷重Fに基づ
いて制御出力量REF3 を演算するロールフォースAG
C演算回路(AGC演算手段)、14は各AGC演算回
路11〜13により演算された制御出力量REF1 〜R
EF3 を適宜ミキシングして、圧延機1のロールギャッ
プ修正量S* (ロールギャップは圧延機1の上側ロール
と下側ロールの間隔を意味する)と圧延機1の入側の目
標張力T1 *を決定するミキシング回路(AGC演算手
段)である。
【0028】また、15はミキシング回路14により決
定されたロールギャップ修正量S*にしたがって圧延機
1の圧下位置を制御する油圧圧下制御回路(制御手
段)、16は張力計8により計測された張力T1 がミキ
シング回路14により決定された目標張力T1 *に一致す
るようにリール4の回転速度を制御する張力モニタ制御
回路(制御手段)、17はリール4を回転させるモー
タ、18は張力計9により計測された張力T2 が予め設
定された目標張力T2 *に一致するようにリール5の回転
速度を制御する張力モニタ制御回路、19はリール5を
回転させるモータである。
【0029】また、21は圧延の前工程でサンプリング
された金属板2の温度分布に基づいて圧延機1のロール
ギャップの補正量ΔSを設定するプロセスコンピュータ
(補正手段)、22はプロセスコンピュータ21からロ
ールギャップの補正量ΔSを読み込み、圧延機1が現在
圧延している金属板2の圧延部分に係るロールギャップ
の補正量ΔSを出力するプラントコントローラ(補正手
段)、23はミキシング回路14により決定されたロー
ルギャップ修正量S* に対してプラントコントローラ2
2から出力されたロールギャップの補正量ΔSを加算す
る加算器(補正手段)である。
【0030】次に動作について説明する。図1はリール
4に巻かれている金属板2が圧延機1によって圧延さ
れ、その圧延された金属板2がリール5に巻き取られる
様子を示しているが、以下、金属板2の圧延後の板厚H
2 を目標板厚H2 *に一致させるための板厚制御について
説明する。
【0031】まず、板厚を制御するに際し、厚み計6が
金属板2の圧延前の板厚H1 を計測し、厚み計7が金属
板2の圧延後の板厚H2 を計測する。また、張力計8が
圧延機1の入側の金属板2の張力T1 を計測し、張力計
9が圧延機1の出側の金属板2の張力T2 を計測する。
さらに、荷重計10が圧延機1の圧延荷重Fを計測す
る。
【0032】このようにして各種の計測が行われると、
各AGC演算回路11〜13が各種の計測値に基づいて
制御出力量REF1 〜REF3 を演算するが、まず、フ
ィードフォワードAGC演算回路11は、厚み計6によ
り計測された金属板2の圧延前の板厚H1 と目標板厚H
1 *の偏差に基づいて所定のフィードフォワード演算を行
い、厚み計6により計測された金属板2の計測部分が圧
延機1を通過したときに、当該計測部分の板厚が目標板
厚H2 *に一致するような制御出力量REF1 を求める。
【0033】また、圧下モニタAGC演算回路12は、
厚み計7により計測された金属板2の圧延後の板厚H2
と目標板厚H2 *の偏差に基づいて所定のフィードバック
演算(例えば、比例積分演算)を行い、圧延機1により
圧延された金属板2の板厚H2 が目標板厚H2 *に一致す
るような制御出力量REF2 を求める。
【0034】さらに、ロールフォースAGC演算回路1
3は、荷重計10により計測された圧延機1の圧延荷重
Fに基づいて下記に示すような演算を行い、制御出力量
REF3 を求める。 制御出力量REF3 =−(M+Q)×ΔH/{M+Q(1−α)} ・・・(1) H0 =S0 +F0 /M H2 =S +F /M ΔH=H2 −H0
【0035】ただし、F0 は制御開始時点の圧延荷重 S0 は制御開始時点のロールギャップ H0 は制御開始時点の圧延機1の出側の金属板2の板厚 F は現時点の圧延荷重 S は現時点のロールギャップ H2 は現時点の圧延機1の出側の金属板2の板厚 M はミル常数 Q は材料塑性係数
【0036】このようにして、各AGC演算回路11〜
13が制御出力量REF1 〜REF3 を演算すると、ミ
キシング回路14が下記に示すように制御出力量REF
1 〜REF3 を適宜ミキシングして、圧延機1のロール
ギャップ修正量S* と圧延機1の入側の目標張力T1 *
決定するが、3つのAGC演算回路11〜13が設けら
れている理由は、フィードフォワードAGC演算回路1
1及び圧下モニタAGC演算回路12を設ければ、一定
の外乱の影響を除去できるとともに、緩やかな板厚変動
を修正することができるが、急峻な板厚変動に対しては
必ずしも十分な修正を加えることができないので、かか
る急峻な板厚変動を解消すべく、ロールフォースAGC
演算回路13を設けるようにしたものである。
【0037】即ち、ミキシング回路14は図10に示す
ように構成されているので、下記の演算を行うことによ
りロールギャップ修正量S* と目標張力T1 *を決定す
る。 S* =REF1 ×DS1 +REF2 ×DS2 +REF3 ・・・(2) T1 *=REF1 ×DT1 +REF2 ×DT2 ・・・(3) ただし、DS1 +DT1 =1.0 DS2 +DT2 =1.0 なお、分配係数DS1 ,DT1 ,DS2 ,DT2 は、板
厚,鋼種,板幅等によって適宜設定される。
【0038】そして、ミキシング回路14によりロール
ギャップ修正量S* が決定されると、そのロールギャッ
プ修正量S* が加算器23の一方の入力端子から入力さ
れるが、加算器23の他方の入力端子にはプラントコン
トロール22が出力するロールギャップの補正量ΔSが
入力される。即ち、金属板2は、通常、圧延の前工程に
おいて一様な温度で圧延されない関係上、先端部分と中
間部分と尾端部分とでは塑性が異なるので(通常、先端
部分及び尾端部分は中間部分より硬い)、例えば、金属
板2の材料塑性係数Qを金属板2の中間部分に合わせ
て、金属板2の全体を同一の圧延荷重で圧延した場合、
金属板2の中間部分では板厚H2 が目標板厚H2 *に一致
するが、先端部分及び尾端部分では、通常、板厚H2
目標板厚H2 *より厚くなってしまう不具合を生じる。
【0039】そこで、かかる不具合を解消するため、プ
ロセスコンピュータ21が、予め、圧延の前工程でサン
プリングされた金属板2の温度分布に基づいて圧延機1
のロールギャップの補正量ΔSを設定する(図2参
照)。そして、プラントコントローラ22が、プロセス
コンピュータ21からロールギャップの補正量ΔSを読
み込み、圧延機1が現在圧延している金属板2の圧延部
分に係るロールギャップの補正量ΔSを出力し、加算器
23の他方の入力端子に入力する。因に、圧延機1が現
在圧延している金属板2の圧延部分は、圧延機1のロー
ルの回転数等から把握する。
【0040】これにより、加算器23が、ロールギャッ
プ修正量S* に対してロールギャップの補正量ΔSを加
算して、ロールギャップ修正量S* を補正することにな
るので、油圧圧下制御回路15は、補正後のロールギャ
ップ修正量S* +ΔSにしたがって圧延機1のロールギ
ャップ、即ち、圧延機1の圧下位置を制御することにな
る。
【0041】一方、張力モニタ制御回路16は、従来の
ものと同様に、ミキシング回路14により目標張力T1 *
が決定されると、張力計8により計測された張力T1
目標張力T1 *に一致するようにリール4の回転速度を制
御する。また、張力モニタ制御回路18も従来のものと
同様に、張力計9により計測された張力T2 が予め設定
された目標張力T2 *に一致するようにリール5の回転速
度を制御する。
【0042】以上より、この実施の形態1によれば、ミ
キシング回路14により決定されたロールギャップ修正
量S* を金属板2の温度変化に応じて補正し、その補正
されたロールギャップ修正量S* +ΔSに基づいて圧延
機1のロールギャップを制御するように構成したので、
金属板2の先端部分及び尾端部分の圧延荷重Fを中間部
分の圧延荷重Fより大きくすることができるようにな
り、その結果、金属板2の先端部分及び尾端部分の圧延
精度が向上して高品質な金属板が得られる効果を奏す
る。
【0043】実施の形態2.図3はこの発明の実施の形
態2による可逆式圧延機の板厚制御装置を示す構成図で
あり、図において、図1に記載のものと同一符号は同一
または相当部分を示すので説明を省略する。24は圧延
機1により圧延される金属板2の圧延前の搬送速度V1
を直接的に計測することができる速度計(計測手段)、
25は圧延機1により圧延される金属板2の圧延後の搬
送速度V2 を直接的に計測することができる速度計(計
測手段)、26は厚み計6により計測された金属板2の
圧延前の板厚H1 を一定周期ごとにサンプリングすると
ともに、金属板2の圧延前の搬送速度V1 に応じた時間
経過後にサンプリングした板厚H1 を出力するデータシ
フトレジスタ(補正手段)、27はデータシフトレジス
タ26から出力された金属板2の板厚H1 及び搬送速度
1 ,V2 に基づいて圧延機1直下における金属板2の
板厚H2 と目標板厚H2 *の偏差を推定し、当該偏差ΔH
2 に応じた制御出力量REF4 をミキシング回路14に
対して出力するマスフローAGC演算回路(補正手段)
である。
【0044】次に動作について説明する。上記実施の形
態1と比較して、データシフトレジスタ26及びマスフ
ローAGC演算回路27等を付加した点以外は、同様で
あるため重複部分の説明は省略する。
【0045】上記実施の形態1の場合、上述した従来例
と同様に、金属板2の搬送速度V1,V2 の変動を考慮
せずに制御出力量REF1 〜REF3 を演算していたの
で、金属板2の搬送速度V1 ,V2 が加減速する金属板
2の先端部分及び尾端部分では、特にフィードフォワー
ドAGC演算回路11の制御出力量REF1 に大きな誤
差が含まれることがあった。即ち、フィードフォワード
AGC演算回路11は、厚み計6により板厚を計測され
た計測部分が圧延機1の直下に搬送された状態を予測し
た前送り制御であるため、金属板2の搬送速度V1 が変
動すると厚み計6により計測された板厚H1を圧延機1
の直下まで正確にトラッキングすることができず(厚み
計6から圧延機1までの距離を金属板2の搬送速度で除
算して搬送時間を求めること等により、板厚H1 を圧延
機1の直下までトラッキングするので、金属板2の搬送
速度V1 を計測せず一定の搬送速度として演算すると、
金属板2の搬送速度V1 が変動した場合、正確にトラッ
キングできなくなる)、制御出力量REF1 に大きな誤
差が含まれることになる。
【0046】そこで、この実施の形態2では、データシ
フトレジスタ26が、厚み計6により計測された金属板
2の圧延前の板厚H1 を一定周期ごとにサンプリングす
るとともに、金属板2の圧延前の搬送速度V1 に応じた
時間経過後にサンプリングした板厚H1 を出力すること
により、板厚H1 を圧延機1の直下までトラッキングす
る。即ち、データシフトレジスタ26は、図4に示すよ
うに、複数のレジスタから構成されており、一定周期ご
とに計測された板厚H1 を順次サンプリングするととも
に(一番左側のレジスタに格納する)、搬送速度V1
反比例した時間t1が経過するごとに各レジスタに格納
した板厚H1 を右にシフトして、最終的に一番右側のレ
ジスタから出力することにより、当該板厚H1 を圧延機
1の直下までトラッキングする。
【0047】このようにして、当該板厚H1 が圧延機1
の直下までトラッキングされると、マスフローAGC演
算回路27が、マスフロー一定則にしたがって下記に示
すような演算を行うことにより、圧延機1の直下におけ
る金属板2の板厚H2 と目標板厚H2 *の偏差ΔH2 を推
定する。 ΔH2 =(H1 *−H1 )×V1 /V2 ・・・(4) そして、マスフローAGC演算回路27は、例えば、当
該偏差ΔH2 に所定の係数を乗じて、当該偏差ΔH2
応じた制御出力量REF4 をミキシング回路14に対し
て出力する。
【0048】そして、ミキシング回路14は、図5に示
すように、マスフローAGC演算回路27から出力され
た制御出力量REF4 も考慮して、ロールギャップ修正
量S* と目標張力T1 *を決定する。 S* =REF1 ×DS1 +REF2 ×DS2 +REF3 +REF4 ×DS4 ・・・(5) T1 *=REF1 ×DT1 +REF2 ×DT2 +REF4 ×DT4 ・・・(6) ただし、DS1 +DT1 =1.0 DS2 +DT2 =1.0 DS4 +DT4 =1.0 なお、分配係数DS1 ,DT1 ,DS2 ,DT2 ,DS
4 ,DT4 は、板厚,鋼種,板幅等によって適宜設定さ
れる。
【0049】以上より、この実施の形態2によれば、金
属板の板厚H1 及び搬送速度V1 ,V2 に基づいて圧延
機1の直下における金属板2の板厚H2 と目標板厚H2 *
の偏差ΔH2 を推定し、当該偏差ΔH2 を考慮してロー
ルギャップ修正量S* 及び目標張力T1 *を決定、即ち、
当該偏差ΔH2 によってロールギャップ修正量S* 及び
目標張力T1 *を補正するように構成したので、金属板2
の搬送速度V1 が加減速する金属板2の先端部分及び尾
端部分でも、正確なロールギャップ修正量S*及び目標
張力T1 *を得ることができるようになり、その結果、金
属板2の先端部分及び尾端部分の圧延精度が向上して高
品質な金属板が得られる効果を奏する。
【0050】実施の形態3.図6はこの発明の実施の形
態3による可逆式圧延機の板厚制御装置を示す構成図で
あり、図において、図3に記載のものと同一符号は同一
または相当部分を示すので説明を省略する。28は金属
板2の板厚H1 及び搬送速度V1 ,V2 に基づいて厚み
計7の設置位置における金属板2の板厚H2 を推定し、
当該推定値Ha と厚み計7により計測された金属板の板
厚H2 との間に誤差ΔHa がある場合には、その誤差Δ
aをマスフローAGC演算回路27に対して出力する
比較補正回路(補正手段)である。
【0051】次に動作について説明する。上記実施の形
態2では、マスフローAGC演算回路27が金属板2の
搬送速度V1 ,V2 に応じてロールギャップ修正量S*
及び目標張力T1 *を補正するものについて示したが、厚
み計6や速度計24,25等に計測誤差がある場合、マ
スフローAGC演算回路27の演算結果である制御出力
量REF4 に誤差を生じる場合がある。
【0052】そこで、この実施の形態3では、比較補正
回路28が、厚み計6により計測された板厚H1 を厚み
計7の設置位置までトラッキングし(トラッキングの手
法はデータシフトレジスタ26と同様)、その推定値H
a と厚み計7により計測された板厚H2 と比較する。 Ha =H1 ×V1 /V2 ・・・(7) ΔHa =Ha −H2 そして、両者の間に誤差ΔHa がある場合には、マスフ
ローAGC演算回路27の演算結果に誤差(以下、オフ
セット誤差という)が含まれているので、比較補正回路
28は、かかるオフセット誤差を解消させるべく、マス
フローAGC演算回路27に対して誤差ΔHa を出力
し、マスフローAGC演算回路27の推定結果である偏
差ΔH2 に当該誤差ΔHa を加算させている。
【0053】以上より、この実施の形態3によれば、金
属板2の板厚H1 及び搬送速度V1,V2 に基づいて厚
み計7の設置位置における金属板2の板厚H2 を推定
し、当該推定値Ha と厚み計7により計測された金属板
の板厚H2 との間に誤差ΔHaがある場合には、その誤
差ΔHa をマスフローAGC演算回路27に対して出力
するように構成したので、厚み計6や速度計24,25
等に計測誤差がある場合でも、当該計測誤差に伴うマス
フローAGC演算回路27の演算誤差を解消することが
でき、更に圧延精度を向上させることができる効果を奏
する。
【0054】実施の形態4.上記実施の形態2,3で
は、フィードフォワードAGC演算回路11及びマスフ
ローAGC演算回路27等を用いて金属板2の板厚を制
御しているので、上述したように、板厚H1 等が計測さ
れた計測部分が圧延機1の直下に移動されるまで、板厚
1 等の計測データをトラッキングする必要があるが、
金属板2の搬送速度V1 が高速になるにしたがって、サ
ンプリングした板厚H1 のデータを右にシフトする時間
が短くなり、そして、右に1つデータをシフトする時間
がデータシフトレジスタ26のサンプリング周期より短
くなると、図7(a)に示すように、板厚データが格納
されないレジスタが生まれる。
【0055】そこで、この実施の形態4では、板厚デー
タが格納されていないレジスタには、図7(b)に示す
ように、板厚データが格納されているレジスタの平均値
を格納するようにしている。これにより、この実施の形
態4によれば、金属板2が高速に搬送されることによっ
て、板厚データが格納されないレジスタが発生するのを
防止することができ、そのため、金属板2が高速に搬送
される場合でも、きめ細かく金属板2の板厚を制御する
ことができる効果を奏する。
【0056】実施の形態5.図8はこの発明の実施の形
態5による可逆式圧延機の板厚制御装置を示す構成図で
あり、図において、図6に記載のものと同一符号は同一
または相当部分を示すので説明を省略する。29は厚み
計7により計測された金属板2の圧延後の板厚H2 と目
標板厚H2 *の偏差に比例定数を乗算して制御出力量RE
2 を演算する先端高速モニタAGC演算回路(AGC
演算手段)である。
【0057】次に動作について説明する。上記実施の形
態1〜4では、圧延開始当初から圧延終了まで圧下モニ
タAGC演算回路12が制御出力量REF2 を出力する
ものについて示したが、圧延機1から厚み計7までの走
行無駄時間による位相遅れがあるため制御の速応性には
限界があり、特に、圧延開始当初のように金属板2が低
速で搬送される場合には、板厚変動を速やかに抑えるこ
とが困難である。
【0058】従って、フィードバック制御系のみで制御
の速応性を改善するのには限界があるが(上記実施の形
態ではフィードフォワードAGC演算回路11やロール
フォースAGC演算回路13等により制御の速応性を改
善している)、厚み計7により計測された板厚H2 のデ
ータを取得したら直ちに制御を実行することが望まし
い。しかしながら、圧下モニタAGC演算回路12は、
ノイズ等の外乱の影響を除去する等のため、フィードバ
ック演算に積分要素を含めているので、制御の実行を直
ちに行うことができず、制御の実行まである程度の時間
を要する。
【0059】そこで、この実施の形態5では、金属板2
が低速で搬送される圧延開始当初は、厚み計7により計
測された板厚H2 と目標板厚H2 *の偏差を比例積分する
ことなく、単に、当該偏差に比例定数を乗算して制御出
力量REF2 を演算する先端高速モニタAGC演算回路
29を働かせ、金属板2の搬送速度V2 が所定の搬送速
度に到達したら、先端高速モニタAGC演算回路29の
動作を停止して、圧下モニタAGC演算回路12の動作
を開始するように切り換えている。
【0060】以上より、この実施の形態5によれば、圧
延開始当初の金属板2の先端部分に係る圧延では、先端
高速モニタAGC演算回路29を動作させるようにした
ので、フィードバック演算に含まれる積分要素による制
御の時間遅れを解消でき、その結果、フィードバック演
算に係る制御の速応性を改善できる効果がある。
【0061】実施の形態6.上記実施の形態1〜5で
は、圧延機1のロールギャップの位置の初期設定につい
ては特に言及しなかったが、この実施の形態6では、か
かる初期設定について言及する。即ち、この実施の形態
6では、定位制御ループの外側に図示せぬ荷重補正ルー
プが設けられているので、プロセスコンピュータ21
が、予め設定された目標圧延荷重F* をプラントコント
ローラ22に対して出力すると、プラントコントローラ
22は、荷重計10により計測された現在の圧延荷重F
を取得して、現在の圧延荷重Fと目標圧延荷重F* を比
較し、両者の誤差がなくなるように、圧延機1のロール
ギャップの位置を制御する。
【0062】これにより、この実施の形態6によれば、
圧延の開始当初から安定した板厚制御が可能になり、そ
のため金属板2の先端部分の圧延精度が向上し、高品質
な金属板を得ることができる効果を奏する。
【0063】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、AGC演算手段により演算されたロールギャップ
修正量を金属板の温度変化に応じて補正し、その補正さ
れたロールギャップ修正量に基づいて圧延機のロールギ
ャップを制御するように構成したので、金属板の先端部
分及び尾端部分の圧延荷重を中間部分の圧延荷重より大
きくすることができるようになり、その結果、金属板の
先端部分及び尾端部分の圧延精度が向上して高品質な金
属板が得られる効果がある。
【0064】請求項2記載の発明によれば、AGC演算
手段により演算されたロールギャップ修正量を金属板の
温度変化に応じて補正し、その補正されたロールギャッ
プ修正量に基づいて圧延機のロールギャップを制御する
とともに、AGC演算手段により演算された目標張力に
基づいてリールの回転速度を制御するように構成したの
で、金属板の先端部分及び尾端部分の圧延荷重を中間部
分の圧延荷重より大きくすることができるようになり、
その結果、金属板の先端部分及び尾端部分の圧延精度が
向上して高品質な金属板が得られる効果がある。
【0065】請求項3記載の発明によれば、金属板の先
端部分及び尾端部分に係る圧延荷重が金属板の中間部分
に係る圧延荷重より大きくすべくロールギャップ修正量
を補正するように構成したので、金属板の先端部分及び
尾端部分の圧延精度が向上して高品質な金属板が得られ
る効果がある。
【0066】請求項4記載の発明によれば、計測手段に
より計測された金属板の板厚及び搬送速度に基づいて圧
延機直下における金属板の板厚と目標板厚の偏差を推定
し、AGC演算手段により演算されたロールギャップ修
正量を当該偏差に応じて補正し、その補正されたロール
ギャップ修正量に基づいて圧延機のロールギャップを制
御するように構成したので、金属板の搬送速度が加減速
する金属板の先端部分及び尾端部分でも、正確なロール
ギャップ修正量を得ることができるようになり、その結
果、金属板の先端部分及び尾端部分の圧延精度が向上し
て高品質な金属板が得られる効果がある。
【0067】請求項5記載の発明によれば、計測手段に
より計測された金属板の板厚及び搬送速度に基づいて圧
延機直下における金属板の板厚と目標板厚の偏差を推定
し、AGC演算手段により演算されたロールギャップ修
正量及び目標張力を当該偏差に応じて補正し、その補正
されたロールギャップ修正量に基づいて圧延機のロール
ギャップを制御するとともに、その補正された目標張力
に基づいてリールの回転速度を制御するように構成した
ので、金属板の搬送速度が加減速する金属板の先端部分
及び尾端部分でも、正確なロールギャップ修正量及び目
標張力を得ることができるようになり、その結果、金属
板の先端部分及び尾端部分の圧延精度が向上して高品質
な金属板が得られる効果がある。
【0068】請求項6記載の発明によれば、計測手段に
より計測された金属板の板厚及び搬送速度に基づいて金
属板の圧延後の板厚を計測する計測手段の設置位置にお
ける金属板の板厚を推定し、当該推定値と当該計測手段
により計測された金属板の板厚との間に誤差がある場合
には、その誤差を考慮して補正するように構成したの
で、計測手段等に計測誤差がある場合でも、当該計測誤
差に伴うAGC演算手段の演算誤差を解消することがで
き、更に圧延精度を向上させることができる効果があ
る。
【0069】請求項7記載の発明によれば、金属板の圧
延前の搬送速度が所定の搬送速度より速いことによりデ
ータシフトレジスタを構成するすべてのレジスタにサン
プリングした板厚の結果が格納されない場合、板厚が格
納されていないレジスタには、板厚が格納されているレ
ジスタに格納されている板厚の平均値を格納するように
構成したので、金属板が高速に搬送されることによっ
て、板厚が格納されないレジスタが発生するのを防止す
ることができ、そのため、金属板が高速に搬送される場
合でも、きめ細かく金属板の板厚を制御することができ
る効果がある。
【0070】請求項8記載の発明によれば、圧延機のロ
ールギャップ修正量を演算する際、金属板の先端部分に
係る圧延機のロールギャップ修正量は計測手段により計
測された金属板の板厚と目標板厚の偏差に比例した値に
基づいて演算し、金属板の先端部分以外に係る圧延機の
ロールギャップ修正量は計測手段により計測された金属
板の板厚と目標板厚の偏差を積分した値に基づいて演算
するように構成したので、フィードバック演算に含まれ
る積分要素による制御の時間遅れを解消でき、その結
果、フィードバック演算に係る制御の速応性を改善でき
る効果がある。
【0071】請求項9記載の発明によれば、計測手段に
より計測された圧延機の圧延荷重が目標圧延荷重に一致
するように圧延機のロールギャップの位置を初期設定す
るように構成したので、圧延の開始当初から安定した板
厚制御が可能になり、そのため金属板の先端部分の圧延
精度が向上して高品質な金属板が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による可逆式圧延機
の板厚制御装置を示す構成図である。
【図2】 金属板の圧延荷重等の分布を示す説明図であ
る。
【図3】 この発明の実施の形態2による可逆式圧延機
の板厚制御装置を示す構成図である。
【図4】 データシフトレジスタを示す構成図である。
【図5】 ミキシング回路を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による可逆式圧延機
の板厚制御装置を示す構成図である。
【図7】 データシフトレジスタに格納される板厚デー
タを示す説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態5による可逆式圧延機
の板厚制御装置を示す構成図である。
【図9】 従来の可逆式圧延機の板厚制御装置を示す構
成図である。
【図10】 ミキシング回路を示す構成図である。
【符号の説明】
1 圧延機、2 金属板、4 リール、6,7 厚み計
(計測手段)、10荷重計(計測手段)、11 フィー
ドフォワードAGC演算回路(AGC演算手段)、12
圧下モニタAGC演算回路(AGC演算手段)、13
ロールフォースAGC演算回路(AGC演算手段)、
14 ミキシング回路(AGC演算手段)、15 油圧
圧下制御回路(制御手段)、16 張力モニタ制御回路
(制御手段)、21 プロセスコンピュータ(補正手
段)、22 プラントコントローラ(補正手段)、23
加算器(補正手段)、24,25 速度計(計測手
段)、26 データシフトレジスタ(補正手段)、27
マスフローAGC演算回路(補正手段)、28 比較
補正回路(補正手段)、29 先端高速モニタAGC演
算回路(AGC演算手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/18 B21B 1/32 B21B 37/72

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延機により圧延される金属板の圧延前
    後の板厚を計測するとともに、その圧延機の圧延荷重を
    計測する計測手段と、上記計測手段により計測された金
    属板の板厚と圧延機の圧延荷重に基づいて圧延機のロー
    ルギャップ修正量を演算するAGC演算手段と、上記A
    GC演算手段により演算されたロールギャップ修正量を
    金属板の温度変化に応じて補正する補正手段と、上記補
    正手段により補正されたロールギャップ修正量に基づい
    て圧延機のロールギャップを制御する制御手段とを備え
    た可逆式圧延機の板厚制御装置。
  2. 【請求項2】 圧延機により圧延される金属板の圧延前
    後の板厚を計測するとともに、その圧延機の圧延荷重を
    計測する計測手段と、上記計測手段により計測された金
    属板の板厚と圧延機の圧延荷重に基づいて圧延機のロー
    ルギャップ修正量を演算するとともに、金属板の目標張
    力を演算するAGC演算手段と、上記AGC演算手段に
    より演算されたロールギャップ修正量を金属板の温度変
    化に応じて補正する補正手段と、上記補正手段により補
    正されたロールギャップ修正量に基づいて圧延機のロー
    ルギャップを制御するとともに、上記AGC演算手段に
    より演算された目標張力に基づいてリールの回転速度を
    制御する制御手段とを備えた可逆式圧延機の板厚制御装
    置。
  3. 【請求項3】 補正手段は、金属板の先端部分及び尾端
    部分に係る圧延荷重が金属板の中間部分に係る圧延荷重
    より大きくなるようにロールギャップ修正量を補正する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の可逆式
    圧延機の板厚制御装置。
  4. 【請求項4】 圧延機により圧延される金属板の圧延前
    後の板厚及び搬送速度を計測するとともに、その圧延機
    の圧延荷重を計測する計測手段と、上記計測手段により
    計測された金属板の板厚と圧延機の圧延荷重に基づいて
    圧延機のロールギャップ修正量を演算するAGC演算手
    段と、上記計測手段により計測された金属板の板厚及び
    搬送速度に基づいて圧延機直下における金属板の板厚と
    目標板厚の偏差を推定し、上記AGC演算手段により演
    算されたロールギャップ修正量を当該偏差に応じて補正
    する補正手段と、上記補正手段により補正されたロール
    ギャップ修正量に基づいて圧延機のロールギャップを制
    御する制御手段とを備えた可逆式圧延機の板厚制御装
    置。
  5. 【請求項5】 圧延機により圧延される金属板の圧延前
    後の板厚及び搬送速度を計測するとともに、その圧延機
    の圧延荷重を計測する計測手段と、上記計測手段により
    計測された金属板の板厚と圧延機の圧延荷重に基づいて
    圧延機のロールギャップ修正量を演算するとともに、金
    属板の目標張力を演算するAGC演算手段と、上記計測
    手段により計測された金属板の板厚及び搬送速度に基づ
    いて圧延機直下における金属板の板厚と目標板厚の偏差
    を推定し、上記AGC演算手段により演算されたロール
    ギャップ修正量及び目標張力を当該偏差に応じて補正す
    る補正手段と、上記補正手段により補正されたロールギ
    ャップ修正量に基づいて圧延機のロールギャップを制御
    するとともに、その補正された目標張力に基づいてリー
    ルの回転速度を制御する制御手段とを備えた可逆式圧延
    機の板厚制御装置。
  6. 【請求項6】 補正手段は、計測手段により計測された
    金属板の板厚及び搬送速度に基づいて金属板の圧延後の
    板厚を計測する計測手段の設置位置における金属板の板
    厚を推定し、当該推定値と当該計測手段により計測され
    た金属板の板厚との間に誤差がある場合には、その誤差
    を考慮して補正することを特徴とする請求項4または請
    求項5記載の可逆式圧延機の板厚制御装置。
  7. 【請求項7】 計測手段により計測された金属板の圧延
    前の板厚を一定周期ごとにサンプリングするとともに、
    金属板の圧延前の搬送速度に応じた時間経過後にサンプ
    リングした板厚を出力するデータシフトレジスタを用い
    て補正手段を構成し、当該搬送速度が所定の搬送速度よ
    り速いことにより当該データシフトレジスタを構成する
    すべてのレジスタにサンプリングした板厚の結果が格納
    されない場合、板厚が格納されていないレジスタには、
    板厚が格納されているレジスタに格納されている板厚の
    平均値を格納することを特徴とする請求項4から請求項
    6のうちのいずれか1項記載の可逆式圧延機の板厚制御
    装置。
  8. 【請求項8】 AGC演算手段は圧延機のロールギャッ
    プ修正量を演算する際、金属板の先端部分に係る圧延機
    のロールギャップ修正量は計測手段により計測された金
    属板の板厚と目標板厚の偏差に比例した値に基づいて演
    算し、金属板の先端部分以外に係る圧延機のロールギャ
    ップ修正量は計測手段により計測された金属板の板厚と
    目標板厚の偏差を積分した値に基づいて演算することを
    特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項
    記載の可逆式圧延機の板厚制御装置。
  9. 【請求項9】 制御手段は、計測手段により計測された
    圧延機の圧延荷重が目標圧延荷重に一致するように圧延
    機のロールギャップの位置を初期設定することを特徴と
    する請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の
    可逆式圧延機の板厚制御装置。
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