JP3344252B2 - 波形発生装置 - Google Patents

波形発生装置

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JP3344252B2 JP35244396A JP35244396A JP3344252B2 JP 3344252 B2 JP3344252 B2 JP 3344252B2 JP 35244396 A JP35244396 A JP 35244396A JP 35244396 A JP35244396 A JP 35244396A JP 3344252 B2 JP3344252 B2 JP 3344252B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波形メモリ音源を
使用した電子楽器に関し、特に、各アドレスに波形サン
プルが順次記憶されている波形記憶装置から波形サンプ
ルを順次読み出して再生する波形発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】波形メモリ音源を使用した電子楽器にお
いては、各アドレスに波形サンプルが順次記憶されてい
る波形記憶装置から該波形サンプルを順次読み出して再
生することにより楽音を発生している。このような波形
メモリ音源においては、通常、アドレスカウンタから発
生される読出アドレスを正の方向(アドレスが増加する
方向)に順次更新して、前記波形記憶装置から波形サン
プルを読み出すように構成されている。また、一部のサ
ンプラーにおいては、前記読出アドレスを正の方向に順
次増加させるばかりでなく、負の方向(アドレス値が減
少する方向)にも変化させることができるようにされた
ものも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の波形メモリ音源を使用した電子楽器にお
いては、一度演奏された波形データをサンプリングして
記憶しておき、それを鍵盤等の演奏入力に応じた楽音の
生成をするために構成されているものであるため、アド
レスカウンタを停止させることができるようには構成さ
れていなかった。したがって、前述したようにアドレス
カウンタの前進および後退を行なうことができるように
構成されたものであっても、アドレスカウンタを停止す
ることなく、アドレスカウンタをインクリメントさせて
いる状態からいきなりデクリメントさせる状態に切り替
えるようにしており、アドレスカウンタを停止させるこ
となくその進行方向を切り替えていた。
【0004】ところで、サンプラーなどにおいては、演
奏された楽音波形を再生するときに、スクラッチ効果や
スクラブ再生を行なうことがある。しかしながら、アド
レスカウンタは前述のように制御されているため、操作
子の操作に応じてスクラッチ読み出しを行なう場合、再
生方向の反転時に大きなノイズが発生することがあっ
た。また、波形エディタにおいてスクラブ再生を行なう
ときに、波形表示上の時間カーソルの移動に追従させて
波形読み出しを行なうことが望まれるが、従来の波形メ
モリ音源では、時間カーソルの動きに波形読み出しを追
従させることが非常に困難であった。
【0005】そこで本発明は、操作子の操作に応じてス
クラッチ読み出しをする場合においても、大きなノイズ
が発生することのない、波形発生装置を提供することを
目的としている。また、波形表示上の時間カーソルの動
きに対応した速度で波形読み出しを行なうことができる
波形発生装置を提供することを目的としている。
【0006】
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の波形発生装置は、各アドレスに順次波形サ
ンプルを記憶した波形記憶装置と、操作子の操作に応じ
た時間カーソル位置を発生する手段と、前記波形サンプ
ルをグラフィック表示するとともに、前記時間カーソル
位置に応じて該グラフィック表示上に時間カーソルを表
示する表示手段と、読出アドレスを発生するアドレスカ
ウンタと、前記読出アドレスに基づいて前記波形記憶装
置から波形サンプルを読み出して再生する読出再生手段
と、前記時間カーソル位置と前記読出アドレスの現在値
を換算した時間位置とを比較して、前記時間カーソル位
置が前記読出アドレスの時間位置に比べて、先行してい
る、ほぼ同じである、あるいは、後退しているの3つの
状態のうちのいずれに属するかを判定し、先行している
場合には前記時間カーソル位置と前記読出アドレスの時
間位置との差分に応じた大きさを有する正の読出速度を
発生し、後退している場合には前記時間カーソル位置と
前記読出アドレスの時間位置との差分に応じた大きさを
有する負の読出速度を発生し、ほぼ同じである場合は停
止指示を発生する制御手段とを備え、前記アドレスカウ
ンタの発生する読出アドレスは、前記正の読出速度に応
じて正の方向に進行し、前記負の読出速度に応じて負の
方向に進行し、また、前記停止指示に応じて一定値に保
持されるような読出アドレスとされているものである。
これにより、操作子の操作に応じて時間カーソルを移動
させたときに、時間カーソル位置に追従した波形再生を
行うことが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の波形発生装置が用
いられる装置の一例である電子楽器の全体構成を示すブ
ロック図である。この図において、10はこの電子楽器
全体の制御を行うための中央処理装置(CPU)、11
はこの電子楽器の基本動作プログラムおよび各種の定数
データなどを記憶するROM、12は各種レジスタエリ
アやワークレジスタなどとして使用されるランダムアク
セスメモリ(RAM)である。なお、波形エディット時
には、このRAM12上に波形データを転送してその編
集動作が行なわれる。
【0009】13は波形データのグラフィック表示や装
置の状態等の各種の情報を表示する表示装置、14はユ
ーザからの各種の指示を入力するための操作部であり、
パネルスイッチやジョグダイヤル等の操作子が設けられ
ている。なお、操作子としては、ジョグダイヤルのほ
か、シャトルダイヤル、リボンコントローラ、ジョイス
ティック、スライダ等各種の操作子を使用することがで
きる。また、15は演奏情報を入力するための鍵盤、1
6はハードディスク装置やCD−ROM駆動装置などの
外部記憶装置である。
【0010】17は各アドレスに波形サンプルデータが
順次記憶されている波形メモリであり、前記外部記憶装
置16やROM11に格納されている波形データ、CP
U10により演算により生成された波形データ、あるい
は図示しないアナログ入力端子から入力されアナログデ
ジタル変換器においてデジタル信号に変換された波形サ
ンプルデータなどがこの波形メモリ17にロードされ
る。なお、この波形メモリ17は例えばDRAMにより
構成されている。
【0011】18は楽音を生成するための音源部であ
り、その詳細については後述するが、前記CPU10の
指示に応じて、前記波形メモリ17から波形サンプルを
読み出し、該読み出された波形サンプルに対して補間演
算、エンベロープ付与、チャンネル累算およびエフェク
ト付与などの加工を施した楽音波形サンプルデータをサ
ンプリング周期ごとに出力するものである。なお、この
音源部18は、時分割チャンネル動作により複数の発音
チャンネル(例えば8チャンネル)分の楽音を生成する
ことが可能なものとされている。
【0012】19は前記音源部18からサンプリング周
期ごとに出力される楽音波形サンプルデータをアナログ
信号に変換するデジタルアナログ変換器(DAC)であ
り、20は該DAC19から出力される楽音信号を増幅
して放音するサウンドシステムである。なお、21は前
記各構成要素間のデータ転送を行なうためのバスであ
る。
【0013】図2に前記音源部18の構成を示す。この
図において、31は、前記マイコンバス21に接続され
た制御レジスタであり、前記複数の発音チャンネルにそ
れぞれ対応する複数の記憶領域が設けられ、割当てられ
た発音チャンネルに対応する前記記憶領域に、その発音
チャンネルで生成される楽音を制御するための制御情
報、例えば、波形メモリの読み出しピッチ(Fナン
バ)、波形メモリ読み出し区間、エンベロープおよびエ
フェクト用の係数などが前記CPU10によりセットさ
れる。
【0014】32は前記CPU10により前記波形メモ
リ17をアクセスするためのCPUアクセス回路であ
り、前記CPU10はこのCPUアクセス回路32を介
して、前記波形メモリ17に対し波形データの読み出
し、書き込みを行なう。33はこの音源部18により楽
音を生成する場合に前記波形メモリ17を読み出すため
読出アドレスを発生するアドレスカウンタであり、その
詳細については後述する。
【0015】34は波形読出補間回路であり、前記アド
レスカウンタ33から出力される波形読出アドレスの整
数部に基づいて前記前記波形メモリ17から読み出され
た複数個(例えば4個)の波形サンプルを用いて、前記
アドレスカウンタ33からの波形読出アドレスの小数部
に基づいて、所定の補間演算を実行して補間された楽音
波形サンプルを出力するものである。35は前記制御レ
ジスタ31から供給されるパラメータに基づいて前記波
形読出補間回路34から出力される各発音チャンネルの
楽音波形サンプルに対してエンベロープを付与する音量
変化制御回路である。なお、音源部18の制御要素のう
ち、上記CPUアクセス回路32、アドレスカウンタ3
3、波形読出補間回路34および音量変化制御回路は、
各サンプリング周期毎に、時分割で複数チャンネル分の
処理を実行するようになされている。
【0016】36は前記音量変化制御回路35から出力
されるエンベロープの付与された各発音チャンネル対応
の楽音波形サンプルをチャンネル累算するチャンネル累
算器、37は前記チャンネル累算器36の出力に対し前
記制御レジスタ31から供給されるエフェクト用の係数
を用いて所定のエフェクト処理を施す効果回路である。
この効果回路37から出力される楽音波形サンプルは1
サンプリング周期ごとに前記DAC19に出力され、ア
ナログ信号に変換されてサウンドシステム20から楽音
として放音されることとなる。
【0017】38はDRAMにより構成された前記波形
メモリ17をリフレッシュするためのリフレッシュカウ
ンタである。また、39は前記CPUアクセス回路3
2、前記アドレスカウンタ33および前記リフレッシュ
カウンタ38と前記波形メモリ17のアドレス入力部と
の間に接続された第1のセレクタであり、前記前記CP
Uアクセス回路32、前記アドレスカウンタ33および
前記リフレッシュカウンタ38からのアドレス出力のう
ちのいずれかを選択して前記波形メモリ17に出力する
ものである。40は、前記CPUアクセス回路32およ
び前記補間回路34と前記波形メモリ17のデータ入出
力部との間に接続された第2のセレクタであり、前記C
PUアクセス回路32および前記補間回路34のいずれ
かを選択して前記波形メモリ17に接続するものであ
る。さらに、41はこの音源部18の動作の基準となる
システムクロックφを発生して各部に供給するシステム
クロック発生回路である。
【0018】図3は前記アドレスカウンタ33の内部構
成を示す図である。この図において、31は前記制御レ
ジスタであり、前記CPU10からこの制御レジスタ3
1に格納される各種制御情報のうちの、Fナンバ、スト
ップ指示、リバース指示および初期アドレスがこのアド
レスカウンタ33に対して供給される。
【0019】42は前記リバース指示に応じて加算ある
いは減算を実行する加減算器、43はこの音源装置にお
いて発音できる全発音チャンネル分の段数を有するシフ
トレジスタであり、これら、加減算器42およびシフト
レジスタ43により加減算可能なカウンタが構成されて
いる。前記シフトレジスタ43の各段には、それぞれ対
応する発音チャンネルのための複数ビット(例えば、整
数部20ビット、小数部10ビットの合計30ビット)
の読出アドレスが格納されており、この音源部の発音チ
ャンネル数が例えば8チャンネルであるときには、30
ビット×8段のシフトレジスタとされている。
【0020】前記加減算器42の2つの入力端子のうち
の一方には前記シフトレジスタ43の出力が接続されて
おり、他方にはゲート回路44の出力が接続されてい
る。このゲート回路44の入力には前記制御レジスタ3
1からFナンバが入力される。このゲート回路44の制
御信号入力端には前記制御レジスタ31のストップ指示
が印加されており、このストップ指示がオンのときには
前記ゲート回路44はオフとなり、前記加減算器42の
第1の入力端には0が入力されることとなり、前記シフ
トレジスタ43に格納されているアドレスは変更されな
い。
【0021】また、前記加減算器42の制御信号入力端
には前記制御レジスタ31のリバース指示が印加されて
おり、このリバース指示がオンであるときには前記加減
算器42は減算器として動作し、オフであるときには加
算器として動作するように制御される。したがって、前
記リバース指示がオンのときには前記シフトレジスタ4
3の内容、すなわち波形メモリ17の読み出しアドレス
は毎回前記Fナンバにより指定される値ずつ減少してい
き、前記リバース指示がオフのときには読み出しアドレ
スはFナンバに対応する分だけ毎回増加することとな
る。
【0022】また、前記シフトレジスタ43の各段に格
納されているアドレスは前記制御レジスタ31に現アド
レスとして書き込まれる。したがって、CPU10は必
要なときに前記制御レジスタ31をアクセスすることに
より、任意の時点で前記波形メモリの読み出しアドレス
を読み出すことができ、その処理に利用することができ
る。さらに、前記シフトレジスタ43から出力されるア
ドレスのうちの整数部は前記セレクタ39を介して前記
波形メモリ17に読出アドレスとして印加され、その小
数部は前記補間回路34に印加されて補間演算に使用さ
れることとなる。
【0023】なお、前述のように、アドレスカウンタ3
3は各サンプリング周期毎に時分割で複数チャンネル分
の処理を実行するものであり、上述したストップ指示、
リバース指示および現アドレスの読出しの処理は、それ
ぞれ、各発音チャンネル毎に独立に制御される。すなわ
ち、前記制御レジスタ31に各発音チャンネル毎に格納
されているストップ指示およびリバース指示のデータに
より当該発音チャンネルについてのストップ指示の処理
およびリバース指示に対応する処理が行われ、また、前
記CPU10により選択されたチャンネルについて前記
現アドレスの読出処理が行われる。
【0024】このように構成された電子楽器の動作につ
いて説明する。図4の(a)はこの電子楽器において実
行されるメインルーチンのフローチャートである。この
電子楽器の動作が開始されると、まず、各種レジスタエ
リアの確保などの初期設定(S10)が行なわれる。続
いて、ステップS11に進み、鍵盤15の操作が行なわ
れているかいなかを検出し、鍵盤15の操作が行なわれ
ている場合にはそれに対応する楽音を発生する等の鍵処
理が行なわれる。次に、S12に進み、パネルスイッチ
処理が行なわれる。このパネルスイッチ処理は、前記操
作部14のパネルスイッチが操作されたか否かを判定
し、パネルスイッチが操作された場合には、それに対応
する処理を行なうものである。
【0025】続いて、ステップS13に進み、操作子が
操作されたか否かを検出すべき時刻になったか否かを判
定する。前述したように、前記パネルスイッチ14に
は、前記スクラッチ処理やスクラブ再生を実行するため
の操作子が設けられており、この操作子による操作を処
理に反映させるためには、所定の時間間隔(例えば5m
s間隔)で前記操作子の出力を検出することが必要であ
る。このステップS13はこの操作子の出力を読み取る
べき時刻になったか否かを判定するもので、この判定結
果がNOのときは前記ステップS11に進み、再び上記
各処理を実行する。また、前記判定結果がYESのとき
はステップS14の操作子処理に進み、該操作子の出力
を読み込んで後述する各処理を実行した後、前記ステッ
プS11にもどる。
【0026】このようにして、メインルーチンにおいて
は、鍵盤、パネルスイッチおよび操作子が操作されたか
否かを順次判定し、何らかの操作が行なわれたときにそ
れに対応する処理が実行される。
【0027】図4の(b)は、前記パネルスイッチにお
いて波形再生開始が指示されたときや波形エディタが開
始されたときに起動される波形再生開始イベント処理S
15を説明するためのフローチャートである。この波形
再生開始イベント処理が開始されると、まず、再生する
ことを指定された波形の番号あるいは波形の名前をレジ
スタWNに格納し(S16)、次にこの波形を再生する
ために使用される発音チャンネルを割り当て、該割り当
てられた発音チャンネルの番号をwレジスタに格納する
(S17)。続いて、レジスタWNにより指定される波
形を再生するために必要な各種設定を前記wレジスタに
より指定された発音チャンネル(以下、wチャンネルと
いう)の制御レジスタ31に書き込む(S18)。例え
ば、波形エディタが起動されたときには、初期アドレス
をカーソルの存在している位置とし、ストップ指示をオ
ンとする制御データを前記制御レジスタ31に設定して
スクラブ再生の準備をする。そして、制御レジスタ31
のwチャンネルに対してノートオンを送出する(S1
9)。これにより、前記音源部18は前記指定された発
音チャンネル(wチャンネル)において前記指定された
波形データの再生を開始する。
【0028】図5は、前記操作子処理(S14)を説明
するためのフローチャートである。操作子処理が開始さ
れると、まず、操作子データを取り込んで、該データを
レジスタDTに書き込む(S21)。次に、現在の動作
モードがどのモードであるかを判定する(S22)。現
在の動作モードがスクラッチ処理モードであるときに
は、ステップS23に進んでスクラッチ処理を実行し、
スクラブ再生モードであるときには、ステップS24に
進んでスクラブ処理を行なう。また、波形再生時でない
ときには、ステップS25においてそのモードに対応す
るその他の処理を行う。
【0029】前記スクラッチ処理(S23)を図6を参
照して説明する。この処理が開始されるときには、前記
波形再生開始イベント処理(S15〜S19)におい
て、前記wチャンネルの制御レジスタ31は、ストップ
指示がオンとされ、初期アドレスとして選択された波形
番号の先頭アドレスが格納されている。まず、ステップ
S31において、操作子データの変化量を検出するため
の差分計算が行われる。この計算は前回の操作子処理の
ときに取り込んだ操作子データ(このデータはレジスタ
DTOに格納されている)と今回の操作子処理における
S21においてレジスタDTに取り込んだ操作子データ
との差を算出して、レジスタDFに格納し、レジスタD
TOを今回の操作子データに更新する処理である。次
に、前記S31において算出した操作子データの差分の
絶対値をレジスタADFに格納する(S32)。そし
て、このレジスタADFに格納された操作子データの差
分の絶対値が予め定められた微小な値εよりも小さい値
であるか否かを判定する(S33)。
【0030】操作子が操作されており、操作子データの
差分の絶対値がεよりも大きく、S33の判定の結果が
NOとのときは、ステップS34に進み、ストップフラ
グSFが「1」であるか否かを判定する(S34)。こ
のストップフラグSFは前記アドレスカウンタの更新が
停止しているとき、すなわち、前記ゲート回路44がオ
フとされているときに「1」とされ、ゲート回路がオン
とされてシフトレジスタ43に格納されているアドレス
の更新が行われているときに「0」とされるフラグであ
る。
【0031】今、アドレスカウンタの更新が行われてお
り、ストップフラグSFの値が「0」であるとすると、
前記S34の判定の結果はNOとなり、ステップS37
に進み、前記レジスタDFに格納されている操作子デー
タの差分の符号に応じて、当該波形の再生が割り当てら
れているwチャンネルのリバース設定を行う。すなわ
ち、前記レジスタDFの符号が正のときは前記加減算器
42において加算が実行されるようにし、負のときは減
算が実行されるように、前記制御レジスタ31のwチャ
ンネルのリバース指示を設定する。
【0032】続いて、ステップS38に進み、前記レジ
スタADFに格納されている前記操作子データの差分の
絶対値に応じてwチャンネルのFナンバを前記制御レジ
スタ31に設定する。これにより、操作子が大きく動か
されて、操作データの差分の絶対値が大きいときはそれ
に対応した大きい値がwチャンネルのFナンバとして設
定され、前記加減算器42の一方の入力とされるため、
前記アドレスの変化速度が大きくなり、一方、操作デー
タの差分の絶対値が小さいときは前記アドレスの変化速
度が小さくなる。すなわち、操作子の変化速度に応じ
て、波形読み出しアドレスの変化速度も変化するように
なされている。
【0033】前記S34における判定の結果がYESの
とき、すなわち、wチャンネルのアドレスカウンタの更
新が行われておらずストップフラグSFが「1」である
ときには、ステップS35においてストップフラグSF
を「0」にリセットし、wチャンネルの制御レジスタに
ゲート回路44をオンにするストップ指示を書き込むこ
とによりwチャンネルのアドレスカウンタの更新を開始
させる(S36)。そして、前記ステップS37に進
み、操作データの差分の符号に応じてアドレスカウンタ
の更新の方向を設定し、続いてステップS38において
Fナンバを設定する。
【0034】一方、前記ステップS33の判定結果がY
ES、すなわち、操作子の操作量が非常に少なく、操作
データの差分の絶対値が前記予め定められた微小な値ε
よりも小さいときは、ステップS39に進み、前記スト
ップフラグSFが1であるか否かが判定される。この結
果、アドレスカウンタの更新が行われておらず、ストッ
プフラグSFが「1」であるときは、このままなにもせ
ずにこのタイミングにおけるスクラッチ処理は終了され
る。また、S39の判定結果がNOでアドレスカウンタ
の更新が行われているときは、ステップS40において
ストップフラグSFに「1」をセットし、ステップS4
1において前記ゲート回路44をオフとするストップ指
示をwチャンネルの前記制御レジスタ31に書き込ん
で、アドレスカウンタの更新を停止させる。すなわち、
操作量が非常に少ないときは、アドレスカウンタの値を
変化させない。
【0035】以上のように、本発明の波形発生装置を用
いたスクラッチ処理によれば、操作子の変化速度が大き
いときは高速に波形メモリの読み出しアドレスを変化さ
せ、操作子の変化速度が非常に小さいときには波形メモ
リの読み出しを停止させている。したがって、操作子の
操作に忠実に波形データの再生を制御することができ
る。
【0036】また、正方向読み出しから逆方向読み出
し、あるいは、逆方向読み出しから正方向読み出しにな
るように操作子を変化させるときには、前記操作データ
の変化量は一度必ず微小な値となるため、波形メモリの
読み出しが一旦停止されてから逆方向の読み出しに移る
こととなる。したがって、スクラッチ処理を行ったとき
に、従来のような大きなノイズが発生することを防止す
ることができる。
【0037】このことを図7を参照して説明する。図7
の(a)は本発明の波形発生装置を用いたスクラッチ処
理において操作子を逆転させて再生方向を反転させたと
きの波形出力の変化の一例を示す図であり、同図(b)
は従来のように再生方向をいきなり反転させたときの波
形出力を示した図である。(b)に示すように、従来に
おいては逆転時に波形が鋭角的に変化する点が発生し大
きなノイズが発生することがあったが、(a)に示すよ
うに、本発明の場合には前記操作子データの差分の絶対
値ADFがεよりも小さいときにアドレスカウンタが更
新されないため、その出力は一定値となり、大きなノイ
ズが発生することを防止することができる。
【0038】次に、波形エディットを行うときのスクラ
ブ再生処理S24について図8を参照して説明する。こ
の処理が開始されるときには、前記波形再生開始イベン
ト処理(S15〜S19)において、前記wチャンネル
の制御レジスタ31は、ストップ指示がオンとされ、初
期アドレスとして現在の時間カーソル位置に対応するア
ドレスが設定されている。まず、ステップS51におい
て、前記操作子処理においてレジスタDTに取り込んだ
操作子データの値に応じて時間カーソル位置を発生し、
これをレジスタTCPに格納する。次にステップS52
において、wチャンネルの読み出しアドレスの現在値を
前記制御レジスタ31から読み出し、このアドレス現在
値を時間位置に換算してレジスタADPに格納する。そ
して、ステップS53に進み、前記レジスタTCPに格
納された操作子データに応じた時間カーソル位置と前記
レジスタADPに格納されたアドレス現在値を換算した
時間位置との差を検出し、レジスタPDに格納する。
【0039】続いて、ステップS54において、該レジ
スタPDの内容と予め定められた微小な値εとを比較す
る。この比較の結果、(1)PD<−εのとき、すなわ
ち、操作子により指定された時間カーソル位置TCP
が、波形メモリの現在の読み出しアドレスの時間位置A
DPよりも、微小値εよりも大きく遡った時間位置にあ
るときには、ステップS55に進み、wチャンネルのア
ドレスカウンタを(前記時間カーソル位置TSPと前記
読み出しアドレスの時間位置ADPとの)差PDの値に
応じたFナンバでリバース動作をさせる。具体的には、
前記wチャンネルの制御レジスタ31のFナンバを前記
レジスタPDの値として、リバース指示をセットする。
【0040】前記S54の比較の結果、(2)−ε≦P
D≦εのとき、すなわち、操作子により指定された時間
カーソル位置TCPと波形メモリの現在の読み出しアド
レスの時間位置ADPとの差の絶対値が前記微小な値ε
よりも小さいときは、ステップS56に進み、wチャン
ネルのアドレスカウンタを停止させ、波形メモリからの
波形サンプルの読み出しを行わない。具体的には、wチ
ャンネルの制御レジスタ31のストップ指示をセット
し、前記ゲート回路44をオフとする。これにより、時
間カーソル位置TSPと前記読み出しアドレスの時間位
置ADPとの差が微小であるときには波形メモリの読み
出しアドレスの変更が行われないようになる。
【0041】さらに、前記S54の比較の結果、(3)
PD>εのとき、すなわち、操作子により指定された時
間カーソル位置TCPが、波形メモリの現在の読み出し
アドレスの時間位置ADPよりも、微小値εよりも大き
く先の時間位置を示しているときは、ステップS57に
進み、wチャンネルのアドレスカウンタを(前記時間カ
ーソル位置TSPと前記読み出しアドレスの時間位置A
DPとの)差PDの値に応じたFナンバでノーマル動作
をさせる。具体的には、前記wチャンネルの制御レジス
タ31のFナンバを前記レジスタPDの値とし、前記ス
トップ指示をリセットし、前記リバース指示をリセット
する。
【0042】以上のように、本発明の波形発生装置を使
用したスクラブ再生処理によれば、操作子により指定さ
れた時間カーソル位置と読み出しアドレスの現在値との
差の大きさに比例した速度で波形メモリから波形サンプ
ルを再生しながら、操作子により指定された時間位置の
エディットポイントまで、読み出しアドレスを変更する
ことができる。非常に操作性のよい波形エディタとする
ことができる。また、波形発生装置により時間カーソル
に追従した波形再生が行なわれるため、CPUの制御が
容易となる。
【0043】なお、上述した実施の形態においては、操
作子出力の時間変化量で波形メモリの読み出し速度を制
御しているが、これ以外に、操作子出力の所定値(例え
ば、中点など)からの差分に応じて読み出し速度を制御
するようにしてもよい。また、上述したスクラッチ処理
においては、操作子が動いていないときにアドレスカウ
ンタが停止されるようになされていたが、これに限られ
ることはなく、本物のレコード盤のスクラッチのよう
に、手を離したら所定の速度で再生を行うようにするこ
ともできる。このように変更した場合であっても、読み
出し方向が反転するときに、一度停止されてから逆方向
の再生が開始されるようにすることは可能である。
【0044】さらに、上述したスクラッチ処理において
は、変化量DFの絶対値をとった後に所定値εと比較し
ているが、変化量が正であるときと負であるときを分離
して、正の所定値ε1、負の所定値ε2との比較を別々
に行うようにしてもよい。さらにまた、スクラブ再生
は、波形のエディットポイントのサーチが主目的である
ため、読み出し速度としては、規定の速度の2n倍(n
は整数)(・・・、1/4倍、1/2倍、1倍、2倍、
4倍、・・・)とすることが望ましい。このような読み
出し速度の場合には、オクターブは異なるものの階名は
変化しないため、操作者はスクラブ再生中にも、メロデ
ィを聞き取ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の波形発生
装置によれば、スクラッチ処理のように波形の再生方向
を反転させるときにおいて、不要なノイズの発生を防止
することができる。また、スクラブ再生のように操作子
により指定される時間カーソルに追従した波形再生を容
易に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の波形発生装置が用いられた電子楽器
の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 音源部の構成を示すブロック図である。
【図3】 アドレスカウンタの構成を示すブロック図で
ある。
【図4】 メインルーチンと波形再生開始イベント処理
を説明するためのフローチャートである。
【図5】 操作子処理を説明するためのフローチャート
である。
【図6】 スクラッチ処理を説明するためのフローチャ
ートである。
【図7】 本発明におけるスクラッチ処理を説明するた
めの波形図である。
【図8】 スクラブ処理を説明するためのフローチャー
トである。
【符号の説明】
10 CPU、11 ROM、12 RAM、13 表
示部、14 スイッチ手段、15 鍵盤、16 外部記
憶装置、17 波形メモリ、18 音源部、19 DA
C、20 サウンドシステム、21 バス、31 制御
レジスタ、32CPUアクセス回路、33 アドレスカ
ウンタ、34 補間回路、35 音量変化制御回路、3
6 チャンネル累算器、37 効果回路、38 リフレ
ッシュカウンタ、39、40 セレクタ、41 クロッ
ク発生回路、42 加減算器、43 シフトレジスタ、
44 ゲート回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各アドレスに順次波形サンプルを記憶し
    た波形記憶装置と、 操作子の操作に応じた時間カーソル位置を発生する手段
    と、 前記波形サンプルをグラフィック表示するとともに、前
    記時間カーソル位置に応じて該グラフィック表示上に時
    間カーソルを表示する表示手段と、 読出アドレスを発生するアドレスカウンタと、 前記読出アドレスに基づいて前記波形記憶装置から波形
    サンプルを読み出して再生する読出再生手段と、 前記時間カーソル位置と前記読出アドレスの現在値を換
    算した時間位置とを比較して、前記時間カーソル位置が
    前記読出アドレスの時間位置に比べて、先行している、
    ほぼ同じである、あるいは、後退しているの3つの状態
    のうちのいずれに属するかを判定し、先行している場合
    には前記時間カーソル位置と前記読出アドレスの時間位
    置との差分に応じた大きさを有する正の読出速度を発生
    し、後退している場合には前記時間カーソル位置と前記
    読出アドレスの時間位置との差分に応じた大きさを有す
    る負の読出速度を発生し、ほぼ同じである場合は停止指
    示を発生する制御手段とを備え、 前記アドレスカウンタの発生する読出アドレスは、前記
    正の読出速度に応じて正の方向に進行し、前記負の読出
    速度に応じて負の方向に進行し、また、前記停止指示に
    応じて一定値に保持されるような読出アドレスであるこ
    とを特徴とする波形発生装置。
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