JP3342423B2 - 眼光学系のシミュレーション装置 - Google Patents

眼光学系のシミュレーション装置

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JP3342423B2
JP3342423B2 JP28807798A JP28807798A JP3342423B2 JP 3342423 B2 JP3342423 B2 JP 3342423B2 JP 28807798 A JP28807798 A JP 28807798A JP 28807798 A JP28807798 A JP 28807798A JP 3342423 B2 JP3342423 B2 JP 3342423B2
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
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    • A61B3/0025Operational features thereof characterised by electronic signal processing, e.g. eye models
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09BEDUCATIONAL OR DEMONSTRATION APPLIANCES; APPLIANCES FOR TEACHING, OR COMMUNICATING WITH, THE BLIND, DEAF OR MUTE; MODELS; PLANETARIA; GLOBES; MAPS; DIAGRAMS
    • G09B23/00Models for scientific, medical, or mathematical purposes, e.g. full-sized devices for demonstration purposes
    • G09B23/28Models for scientific, medical, or mathematical purposes, e.g. full-sized devices for demonstration purposes for medicine

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、眼の前に配置さ
れたレンズ系を通して外界を観察したときの見え方をシ
ミュレーションする眼光学系のシミュレーション装置
関する。
【0002】
【従来の技術】眼鏡を装用した場合のように、眼の前に
配置されたレンズ系を通して外界を観察したときの見え
方をシミュレーションする眼光学系のシミュレーション
方法及び装置を開示したものとしては、本願出願人の先
の出願にかかる特開平8ー266473号に記載の装置
がある。
【0003】上記公報に記載の装置は、眼鏡レンズを装
用した状態で人眼が回旋することにより見渡すことので
きる範囲の情景画像を、PSF演算等を行なってシミュ
レーションするものである。これによって、眼鏡等の光
学レンズを装用した際の人眼の回旋を伴う広い角度の情
景をシミュレーションできるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特に、累進
多焦点レンズを装用した場合、遠近両用機能を果たす代
わりに、揺れ、歪み、ボケ等の不快感を感ずる場合があ
る。それゆえ、累進多焦点レンズの設計にあたっては、
遠近両用機能を実現しながら、不快感を可能な限り抑え
ることが求められている。このためには、設計されたレ
ンズがどの様な揺れ、歪み、ボケ等の不快感を伴うもの
であるかを予め設計者自身が知ることが最も望ましい。
上述の従来の眼光学系のシミュレーション方法は、眼鏡
等の光学レンズを装用した際の人眼の回旋を伴う広い角
度の情景をシミュレーションできるので、一定の目的に
対しては非常に有用である。しかしながら、装用者が感
ずるであろうところの歪み、ボケ等を人間の知覚作用ま
でも考慮にいれて実際に近い態様でシミュレーションを
するものではなかった。それゆえ、設計されたレンズを
装用者が装用した場合に、装用者が実際にどの様な歪
み、ボケ等を感ずるものであるかを予め設計者自身が知
るという目的に対しては必ずしも十分なものではなかっ
た。しかも、実際に装用した場合に最も問題になると思
われる揺れに関しては全く対応できないものであった。
【0005】人間が眼を通して認識する(知覚する)外
界の像は、眼の網膜に光学の原理にしたがって結像され
た光学像そのものではないと考えられる。すなわち、網
膜上の受光体(錐体と杆体)の分布は中心窩付近の密度
が高く周辺が低い。したがって、もし、網膜に結像され
た光学像そのものが知覚されているものならば、その光
学像が理想的に結像されたものであったとしても、中心
付近だけが鮮明で周辺はぼけた像として知覚されるはず
である。しかるに、健常眼であれば、視野内のどこでも
はっきりと見えていると感じられる。これは、知覚とい
う作用は、網膜に投影された光学像をそのまま検知する
というような単純な作用ではなく、網膜以降の神経情報
処理系によって複雑な処理がされた結果に基づくもので
あると考えられるからである。
【0006】本発明者等の研究によれば、この様な知覚
作用を直接シミュレーションすることはできないが、本
発明者等が見出だした一定の仮定に基づけば知覚作用の
結果を画像処理によって近似的に再現できることが解明
された。
【0007】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、累進多焦点レンズ等のレンズ系を装用した場
合における揺れ、歪み、ボケ等を伴う見え方をもシミュ
レーション可能とする眼光学系のシミュレーション装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、眼の前に
配置されたレンズ系を通して外界を観察したときの見え
方をシミュレーションする眼光学系のシミュレーション
装置において、仮想三次元空間内にコンピュータグラフ
ィックスによる仮想物体を作成して配置し、この仮想物
体が、特定の位置に回旋中心点を置き且つ特定の中心視
線方向を持つ眼に入る特定視野角の画像を原画像として
作成するとともに、前記原画像の各画素の代表する物体
点位置と眼の回旋中心点との距離である物体点距離を求
める原画像作成手段と、前記眼の前に配置するレンズ系
上に前記中心視線通過点を設定し、視野中心物体点から
出射して前記中心視線通過点を通過し、前記回旋中心点
に向かう光線を光線追跡法で求め、この求めたレンズ系
の出射光線方向を中心視線とする視野をレンズ系通過後
視野と定義したとき、このレンズ系通過後視野における
前記原画像の各画素の対応する物体点への視線の方向及
びレンズ系通過点を光線追跡法で求め、前記レンズ系に
よる歪みを含めた画像を作成する歪み原画像作成手段
と、前記眼の光学系として調節対応眼球モデルを導入
し、前記原画像の各画素に対し、前記原画像作成手段に
よって得られた物体点距離と、前記歪み原画像作成手段
によって得られた物体点から出射する主光線のレンズ系
通過点における度数に合わせて前記眼球モデルの調節状
態を設定し、前記レンズ系とその主光線方向に合わせて
回旋した眼球モデルとの合成光学系において、前記物体
点から出射する光による前記調節対応眼球モデルの網膜
上の輝度分布を表すPSF(Point Spread
Function:点広がり関数)を求めるPSF取得
手段と、前記歪み原画像作成手段によって作成されたレ
ンズ系による歪みを含めた画像と前記PSF取得手段に
よって得られた各画素のPSFとの畳み込み演算(co
nvolution)を行ない、前記仮想三次元空間に
配置した仮想物体を特定の位置及び視線方向の眼で前記
レンズ系の特定位置を通して見た場合の回旋網膜像を作
成する畳み込み手段とを有することを特徴とする。
【0009】第2の発明は、眼の前に配置されたレンズ
系を通して外界を観察したときの見え方をシミュレーシ
ョンする眼光学系のシミュレーション装置において、特
定の回旋中心点を持つ眼に入る特定視野角の画像を原画
像として作成する原画像作成手段と、この原画像をレン
ズ系を通して見た場合の歪みを伴う歪み原画像を光線追
跡法を用いて作成する歪み原画像作成手段と、レンズ系
及び眼鏡モデルよりなる光学系において原画像の物体点
からの光による眼球モデルの網膜上のPSFを求めるP
SF取得手段と、前記歪み原画像作成手段によって求め
られた歪み原画像と、前記PSF取得手段によって求め
られた原画像の各画素のPSFとの畳み込み演算をする
畳み込み演算手段とを有し、前記レンズ系を通して眼に
よって知覚される像として、眼の網膜面に投影される光
学像ではなく、視野内の全ての物体点に対して眼球を回
旋させ、中心窩で捕らえた像を繋ぎ合わせた像として定
義される回旋網膜像を作成する回旋網膜像作成手段と、
仮想三次元空間内にコンピュータグラフィックスによる
仮想物体を作成して配置し、前記眼の位置、中心視線方
向及びレンズ系通過点を時系列に変えて見るストーリー
を作成する手段と、該手段によって作成された前記スト
ーリーにしたがって各時点で前記回旋網膜像作成手段
用いて作成した回旋網膜像を編集して回旋網膜像の動画
像を作成する手段とを備えることを特徴とする。
【0010】第3の発明は、眼の前に配置されたレンズ
系を通して外界を観察したときの見え方をシミュレーシ
ョンする眼光学系のシミュレーション装置において、前
記レンズ系を通して眼によって知覚される像として、眼
の網膜面に投影される光学像ではなく、視野内の全ての
物体点に対して眼球を回旋させ、中心窩で捕らえた像を
繋ぎ合わせた像として定義される回旋網膜像を作成する
回旋網膜像作成手段を備え、この回旋網膜像作成手段
は、特定の回旋中心点を持つ眼に入る特定視野角の画像
を原画像として作成する原画像作成手段と、この原画像
をレンズ系を通して見た場合の歪みを伴う歪み原画像を
光線追跡法を用いて作成する歪み原画像作成手段と、レ
ンズ系及び眼鏡モデルよりなる光学系において原画像の
物体点からの光による眼球モデルの網膜上のPSFを求
めるPSF取得手段と、前記歪み原画像作成手段によっ
て求められた歪み原画像と、前記PSF取得手段によっ
て求められた原画像の各画素のPSFとの畳み込み演算
をする畳み込み演算手段とを有し、前記回旋網膜像又は
前記回旋網膜像の動画像を画像表示手段によって表示す
るとともに、これらの画像が前記レンズ系のどの位置を
通しての画像であるかを前記画像表示手段に表示するこ
とを特徴とする。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【発明の実施の形態】(実施例1)図1は本発明の実施
例1にかかる眼光学系のシミュレーション方法における
回旋網膜像作成の流れを示す図、図2は回旋網膜像の座
標系を示す図、図3はレンズ系を装用した場合の回旋網
膜像の座標系を示す図、図4はNavarro模型眼の
光学パラメータ(非調節状態)を示す図、図5はNav
arro模型眼の水晶体レンズの調節力依存式を示す
図、図6はPSFの説明図、図7は光線追跡と入射瞳と
の関係を示す図、図8は入射瞳の分割法を示す図、図9
は網膜位置と入射角度を示す図である。以下、これらの
図面を参照にしながら本発明の実施例1にかかる眼光学
系のシミュレーション方法を説明する。
【0020】この実施例にかかる眼光学系のシミュレー
ション方法は、コンピュータグラフィックスによって作
成した三次元物体像をレンズを通して見たときの回旋網
膜像の静止画像を得る方法である。なお、回旋網膜像と
は、本発明者等が見出だした一定の仮定に基づき、上記
三次元物体像に光学作用を考慮した画像処理を施すこと
によって、眼で知覚される像を近似的に再現した像であ
る。すなわち、回旋網膜像とは、眼の網膜面に投影され
る光学像ではなく、視野内の全ての物体点に対して眼球
を回旋させ、中心窩で捕らえた像を繋ぎ合わせた像とし
て定義される。
【0021】実施例1にかかる眼光学系のシミュレーシ
ョン方法は、大きく分けて、(1)原画像作成工程、
(2)歪み原画像作成工程、(3)PSF取得工程、
(4)畳み込み工程、とからなる。
【0022】(1)原画像作成工程 この工程は、仮想三次元空間内にコンピュータグラフィ
ックスによる仮想物体を作成して配置し、この仮想物体
が、特定の位置に回旋中心点を置き且つ特定の中心視線
方向を持つ眼に入る特定視野角の画像を原画像として作
成するとともに、前記原画像の各画素の代表する物体点
位置と眼の回旋中心点との距離である物体点距離を求め
る工程である。以下説明する。
【0023】原画像の基礎となる仮想物体像の作成 まず、周知のコンピュータグラフィックスの手法によっ
て、仮想三次元空間に仮想三次元物体を作成して配置す
る。例えば、室内に机、椅子、家具等を配置し、あるい
は、野外に花壇、樹木、標識等を配置した像を作成す
る。
【0024】原画像の作成 上記作成した仮想物体が、特定の位置に回旋中心点を置
き且つ特定の中心視線方向を持つ眼に入る特定視野角の
画像を原画像として作成する。すなわち、図2に示され
るように、特定視野として、視野四角錐A1 2 3
4 を設定する。視野四角錐A1 2 3 4 の中心Aが
視野の中心である。Aと回旋中心Oとを結ぶ線が中心視
線であり、これをx軸とし、Oを原点とする。そして、
視野四角錐内の任意の物体点である任意の一点P(x,
y,z)の回旋網膜座標をΨ=tanβ=y/x,ζ=
tanγ=z/xとする。ここで、βとγとはP(x,
y,z)の方位角である。視野内の各物体点をこの座標
系で表せば空間上の任意の直線が回旋網膜像上直線とし
て映る。この座標系で各物体点を表した画像を原画像と
する。また、P(x,y,z)の座標値から各物体点距
離を求める。
【0025】(2)歪み原画像作成工程 この工程は、眼の前に配置するレンズ系上に前記中心視
線通過点を設定し、視野中心物体点から出射して前記中
心視線通過点を通過し、回旋中心点に向かう光線を光線
追跡法で求め、この求めたレンズ系の出射光線方向を中
心視線とする視野をレンズ系通過後視野と定義したと
き、このレンズ系通過後視野における原画像の各画素の
対応する物体点への視線の方向及びレンズ系通過点を光
線追跡法で求め、レンズ系による歪みを含めた画像を作
成する工程である。
【0026】すなわち、図3に示されるように、図2に
おける原点OとAの中間におけるOに近い位置にレンズ
Lを配置する。視野四角錐内の物体点から出射された光
線はレンズLによって屈折されてO点に到達する。した
がって、A点を注視するためには眼球をOB方向に向け
なければならない。視野を表す視野四角錐もB1 2
3 4 (レンズ系通過後視野)となる。そのときの回旋
網膜像はx´軸を注視線(中心視線)とした座標系をと
らなければならない。これをレンズ上各点の度数を考慮
して光線追跡によって求め、こうして求めた物体点座標
による像を歪み原画像とする。
【0027】なお、上述のように、レンズを通した場
合、視野内の各点の回旋網膜像上の座標が裸眼の場合と
異なり、相対位置関係が変化してしまう。これが眼鏡レ
ンズの歪みが発生する原因である。OB方向はレンズ使
用位置により変化する。特に累進レンズの場合は変化が
激しい。視野内の他の光線も眼に入射する角度が変化
し、特に累進レンズの場合その変化が不均等なので、揺
れや歪みとして知覚される。
【0028】(3)PSF取得工程 この工程は、眼の光学系として調節対応眼球モデルを導
入し、原画像の各画素に対し、原画像作成工程で得られ
た物体点距離と、歪み原画像作成工程で得られた物体点
から出射する主光線のレンズ系通過点における度数に合
わせて眼球モデルの調節状態を設定し、レンズ系とその
主光線方向に合わせて回旋した眼球モデルとの合成光学
系において、物体点から出射する光線による調節対応眼
球モデルの網膜上の輝度分布を表すPSF(Point
Spread Function:点広がり関数)を
求める工程である。
【0029】調節対応眼球モデルの導入 歪み原画像が眼の光学系を通して網膜上に結像した像が
回旋網膜像であるので、眼の光学系のモデルの導入が必
要である。この場合、眼には物体距離に合わせて調節作
用があるので、それも考慮しなければならない。この実
施例では、調節作用も考慮した眼球モデルであるR・N
avarroらによる調節依存性眼球モデルを用いた。
Navarroのモデルでは近軸値のみならず、球面収
差と色収差も眼の実測値に合わせるようになっている。
簡単な4面構成で、そのうち3面は二次曲線の非球面で
ある。水晶体は屈折率分布構造になっておらず、追跡計
算が簡単である。曲率半径、厚み、非球面度は調節パワ
ーの対数に比例して変化する。図4にNavarroの
調節依存性眼球モデルの無調節時の光学パラメータを示
した。また、図5に調節依存するパラメータの依存式を
示した。非球面はy2 +z2 +(1+Q)x2 −2Rx
=0で表される。Qは非球面度である。
【0030】PSFの計算 a.PSFの意味 一般に、光学系による光学像は光学系のPSF(Poi
nt SpreadFunction:点広がり関数)
を求め、これを実画像と畳み込み演算(convolu
tion)を行なうことで求められる。このPSFは、
図6に示したように、実物体の一点から放射された光線
が結像面に集光される点(スポット)の集合状態を表す
関数であり、単位面積あたりのスポット数で表すことが
できる。完全な光学系であればPSFは結像点にすべて
のスポットが集まり、その分布は垂直な直線となるが、
通常は広がったガウス分布に類似した形状となる。物体
は点から構成されていると考えられるので、物体の輝度
分布とPSFのコンボリューションでその像が得られ
る。
【0031】b.PSFの計算方法 図7は物体点Pを、レンズ上のQ点を通して見た場合の
PSFを求めるための光学系において追跡光線と入射瞳
の関係を示す図である。物体点Pからの光線は、レンズ
表面Q点で屈折され、射出方向は変化し、回旋点Oに到
達する。眼には物体点Pが射出光線方向QOの延長線上
にあるように見える。このように、Pを見るときはまず
眼球の光軸をQO方向に回旋し、そしてPの距離および
Q点の屈折力に合わせて調節度を決め、調節を行う。こ
の時点で光学系が固まり、PSFを求めることができ
る。
【0032】上述のように、PSFは物体点から放射さ
れ、入射瞳を均等に分割した多数の領域の中心を通過し
た光線の、結像面上のスポットの密度である。入射瞳の
位置は、厳密にいうと瞳孔の物体側共役点である。しか
し、瞳孔位置は回旋によって変化し、調節状態によって
もその共役点の位置が異なる。一方、回旋中心の位置は
固定であるうえ、瞳孔の共役点との距離が物体距離に比
べて微小である。したがって、裸眼の場合入射瞳の位置
は回旋中心と考えても差し支えない。眼鏡を装用したと
き、光学系全体の入射瞳は回旋中心点の眼鏡レンズに対
する共役点だが、累進レンズの場合通過点によってパワ
ーが異なり、その位置が微妙に変化する。その変化量も
物体距離に比較して微小であるので、入射瞳の位置はP
Qの延長線上のO´点にあり、PO=PO´と仮定する
ことができる。
【0033】正確なPSFを求めるには、入射瞳を均一
分布の多数の小領域に分割することが重要である。図8
のように、格子分割と輪帯分割の二種類の分割法があ
る。格子分割は良い均等性が得られるが、四隅の無駄な
部分があるため、予定光線の70%程度しか追跡できな
い。一方輪帯分割では個の輪帯で本の光線を追跡でき、
輪帯の位相角を調整してスポットの均等性を上げること
ができる。この実施例では輪帯分割法を採用した。
【0034】このように、PSFは物体点から発射して
入射瞳の均等分割点を通過する多数の光線を追跡し、網
膜面上のスポットを数えることで得られる。ところが、
このPSFは網膜位置(ym ,zm )の関数であり、回
旋角の正接(Ψ,ζ)を座標とする回旋網膜像とは直接
コンボルーション演算することができない。したがっ
て、網膜位置に対応する入射光線の角度を求める必要が
ある。ほとんどの場合(ym ,zm )は光軸から近いの
で、近軸光学の式を適用できる。つまり、図9のよう
に、(ym ,zm )に対応する入射光線の光軸からの偏
角(βm ,γm )はtanβm =ym /f,tanγm
=zm /fである。ここで、fは眼球の焦点距離であ
る。厳密には物体距離と目の調節状態により入射角と網
膜位置の関係式は変わるが、目の場合、物体距離が焦点
距離に比べて非常に長いので、無限遠方と見なすことが
できる。
【0035】図7の任意物体点Pを見た場合を考える
と、網膜位置(ym ,zm )に対応する注視線からの角
度は、Pの方向角度(β,γ)からさらに(βm
γm )偏角したものである。ここで注意したいのは、そ
の角度は一般に(β+βm ,γ+γm )とはならず、リ
スティング回旋の法則を用いて求める必要がある。この
ように、光線追跡で求めた網膜上のPSF(ym
m )を入射光線角度座標上のPSF(Ψ,ζ)に変換
することができ、物体の輝度分布とのコンボルーション
が可能になった。図10に、以上説明したPSF取得の
概略手順を纏めてPSF取得方法一として示した。
【0036】(4)畳み込み工程 この工程は、歪み原画像作成工程で作成したレンズ系に
よる歪みを含めた歪み原画像とPSF取得工程で得られ
た各画素のPSFとの畳み込み演算(convolut
ion)を行ない、仮想三次元空間に配置した仮想物体
を特定の位置及び視線方向の眼でレンズ系の特定位置を
通して見た場合の回旋網膜像を作成する工程である。畳
み込み演算は、例えば、以下のようにして行なう。像面
での理想像の光強度分布をf(μ,ν)、点(μ,ν)
におけるPSFをp(x,μ,u,v)とすると、網膜
上の点(μ,ν)における光強度は下記式で表される。
【0037】
【数1】
【0038】ここで、p(u,v,u−μ,v−ν)は
各点(u,v)から(u−μ,v−ν)離れた点におけ
るPSFの値である。また、aはPSFの広がり半径で
ある。この式を用い、網膜上の全ての点において光強度
を求めることにより、回旋網膜像の静止画像を得ること
ができる。図11は実施例1の方法によって得られた回
旋網膜像の静止画像の例を示す図である。この例は右目
遠用0.00D 加入2.00Dの眼鏡用累進レンズ
(HOYALUX GP;ホーヤ株式会社の商品名)の近用部分を
通して、卓面にある印刷物を333mm の距離で見た場合の
回旋網膜像である。視野は左右50°、上下38.5°であ
る。右上隅の円形は中心視線のレンズ通過点位置を示す
ための表示である。この通過点位置は、図では識別でき
ないが、円形内に赤色の点で示される。この円形はレン
ズの輪郭を表し、円形内の中心に付された点はレンズの
幾何中心を示し、幾何中心の上下の○印は遠用測定点
(上)及び近用測定点(下)を示す。R文字を裏にした
マークは右レンズであることを示す。図11の例は中心
視線のレンズ通過点が近用測定点(下の○)上にある場
合の例である。左右におけるボケと歪みが如実に再現さ
れていることがわかる。
【0039】この実施例によれば、累進多焦点レンズ等
のレンズ系を通して見たときに知覚されるボケや歪みを
近似的に再現した画像が得られる。すなわち、健常裸眼
であれば視野全体が鮮明に知覚されるが、老眼者が累進
多焦点レンズを装用した場合には、視野の一部のみが鮮
明に見え、他の部分はボケや歪みをともなって見える。
この実施例によれば、そのような老眼者が知覚するであ
ろう像を画像として再現できる。したがって、得られた
画像を表示装置に表示すれば、老眼でもない設計者自身
が自ら設計した累進多焦点レンズの見え味を装用者の立
場に立って確認することができるという、最も望ましい
評価が可能になる。
【0040】(実施例2) この実施例は、実施例1における回旋網膜像の静止画像
を、眼の位置と視線方向を変えながら時系列に多数作成
し、回旋網膜像の動画像を得る例である。したがって、
この実施例は、原画像を作成する際に、眼の位置と視線
方向とを時系列にどのように変えるかのストーリーを作
成する工程と、時系列に得られた1枚1枚の静止画像を
編集して動画像にする工程とを付加する外は基本的に実
施例1と同じであるので、図12に全体の流れを示す図
を掲げてその詳細説明は省略する。なお、ストーリーに
は、レンズ通過点のストーリーも必要であることは勿論
である。また、ストーリー作成の方法としては全ての時
刻での眼の位置、視線方向及びレンズ通過点を定めるの
ではなく、スプライン補間法をとれば、滑らかな視線移
動が実現される。
【0041】ところで、この実施例において、計算処理
等に最も時間を要する工程がPSF取得工程である。特
に、レンズ系が累進多焦点レンズである場合には、全て
の視線方向におけるPSFが異なるため、全ての画素に
対してPSFを求める必要がある。例えば、800 ×600
の画像で、PSFを求めるときに追跡する光線の本数を
400 (決して多くない)に設定すると、全体に 192,00
0,000回光線追跡計算を行うことになる。光学系の面の
複雑さや面数にもよるが、コンピュータの計算能力が秒
間3,000 本と仮定すると、64,000秒、つまり17時間46分
40秒になる。これは、まだ畳み込み演算などの必要時間
を考慮に入れていない場合の計算時間である。今回のシ
ミュレーションは動画を目標とするので、秒間30コマ
で、一分間の映像を作成するために1800枚の画像をシミ
ュレーションしなければならない。すると、光線追跡の
時間だけでも32,000時間=1333日、約3 年8 ヶ月かか
る。したがって、PSF を光線追跡だけに頼って求めるこ
とは、理論的には可能だが、計算量の膨大さから考える
ととても現実的ではない。
【0042】そこで考えたのは、すべての物体点に対し
て光線追跡するのではなく、標本点だけに光線追跡を行
い、その他の点についてはスプライン補間で求める方法
である。空間上任意点Aは、直交座標(x,y,z)で
表現しても良いが、眼鏡の場合眼からの距離が重要なの
で、回旋点からの距離の逆数D1 と方位角の正接ψ,ζ
で表した方が適切である。つまり、
【0043】
【数2】
【0044】である。点Aから発する任意光線、すなわ
ち仮入射瞳平面上任意点(yp ,zp)を通過する光線
を追跡して得られる光線データ(網膜上の交点に対応す
る入射光線のtkm ,cfm 、光路長など)は、D1
ψ,ζ,yp ,zp の関数である。すなわち、tkm
t (D1 ,ψ,ζ,yp ,zp )、ckm =Fc (D
1 ,ψ,ζ,yp ,zp )、pkm =Fp (D1 ,ψ,
ζ,yp ,zp )で表現することができる。色収差を考
える場合は更に波長次元を追加するとよい。各変数
1 ,ψ,ζ,yp ,zp それぞれの所定範囲内に適当
な数、位置に標本点を設け、その5 次元格子上のすべて
の標本点に対して、あらかじめ光線追跡を行って光線デ
ータを求めれば、所定範囲内(5 次元ボックス)任意点
についての光線データをスプライン補間によって求める
ことができる。
【0045】次にスプライン補間演算の高速化を検討す
る。一次元スプライン補間は、
【数3】 で表される。ここで、iは各次元の節点番号、Ci はそ
の係数、nは標本点数である。Ni (x)はi番節点に
対応する基底関数であり、階数Mの場合、i番節点とi
+M番節点との間の範囲でゼロでない値を持ち、隣接節
点間はm−1次多項式で表される(基底関数の局部
性)。言い換えると、xの定義域内の点任意aにおいて
は、多くてM個のゼロでないNi (x)しか存在しな
い。したがって、補間式は一見n項あるように見える
が、x=aにおいては実質M項であり、M回の掛け算と
M回の足し算でF(a)が得られる。五次元スプライン
補間は、
【0046】
【数4】
【0047】で表される。ここで、i,j,k,l,m
は各次元の節点番号であり、それぞれ標本点数だけ変化
する。つまり、項の数は各次元の標本点数の積になるわ
けである。しかし、上述の基底関数の局部性により、あ
る一点については、ゼロでない項の数は、各次元の階数
の積である。各次元のスプライン階数が4の場合、項の
数は45 =1024である。つまり一回の補間演算では、足
し算1024回、掛け算1024×5 =5120回行うことになる。
一般的には、nj次元のM階スプライン補間演算に必要
な掛け算の回数は、nj×Mnjであり、次元数が大きく
なるにつれて急激に計算負担が増える。ところが、上式
を、
【0048】
【数5】
【0049】に書き直すと、若干減らすことができる。
これは、1次元の補間のネスト構造であり、次元の順番
は自由に変えることができる。掛け算と足し算はともに
4 +4×(4 +4 ×(4 +4 ×4 )))=1364回であ
り、ほぼ1/3の計算時間で済む。一般的には、nj次元
のM階スプライン補間演算に必要な掛け算の回数は、
【0050】
【数6】
【0051】である。このような方策を採りいれても、
まだ計算量が大きく、実用的でない。一般的に、多次元
スプライン補間の演算時間を上記の方法より更に短縮す
ることは困難であろう。しかし、PSFを求める場合
は、その特殊な事情ゆえに、もっと短縮する方法があ
る。物体上一点(D0 ,ψ0 ,ζ0 )のPSFを求める
ためには、入射瞳面(yp ,zp 平面)上多数(例えば
400 )の点と結ぶ光線データが必要である。400 回五次
元スプライン補間の三次元の変数は同じ値を入れること
になる。もし、その400 回の補間を二次元スプライン補
間で行えば、計算時間の大幅短縮が可能である。五次元
スプライン補間式を次のように書きかえる。
【0052】
【数7】
【0053】この式は、五次元スプライン空間のうち、
三次元の変数が確定した場合の二次元空間を求める方法
を表している。ここで、この二次元スプラインを点(D
O,ψO,ζO)の縮退空間といい、Clm は縮退スプラ
インの係数である。もちろん縮退スプラインの節点、基
底関数はすべて五次元スプラインと同一である。clm
の数は標本点数の積で、yp,zp両次元それぞれ9点の
標本点を設定する場合、81個である。各係数を求めるに
は、式のように三次元スプライン補間を用いる。そし
て、得られたclmを用いて、yp−zp面上任意一点の
光線データを二次元スプライン補間計算することができ
る。したがって、81回の三次元補間と400回の二次元補
間計算を行うだけで、点cにおけるPSfを得ることが
できる。掛け算の回数は、81×{4/(4−1)}(43
1)+400×{4/(4−1)}(42−1)=14804回であ
り、1光線あたり約37回である。400回の五次元補間よ
り、計算量の削減効果は顕著である。上記の方法を活用
すると、光線追跡の1/10の時間で光線データが得られ
る。図13に、以上説明したPSF取得の概略手順を纏
めてPSF取得方法二として示した。
【0054】次に、PSFのパラメータ化を検討する。
上述の通り、光線データを光線追跡の代わりにスプライ
ン補間法で計算することによって、10倍の計算速度を実
現した。それにしても、一分間の映像を作成するのに、
3 年8 ヶ月(44 ヶ月) の所用時間を、4.4 ヶ月に短縮し
たに過ぎない。1 コマ当たりの処理時間でいうと、6400
0 秒(17 時間46分40秒) が6400秒(1時間46分40秒) に短
縮しただけである。実用的には1 コマ当たりの処理時間
を数分にしたいのである。現状の方法では、PSFを取
得するための計算がもっとも時間がかかるので、それを
短縮するのが一番効果的である。
【0055】厳密にある物体点(D0 ,ψ0 ,ζ0 )の
PSFを取得するには、多数の光線を追跡または補間
し、その光線密度を求めなければならない。しかも得ら
れたPSF は画素単位の離散関数であり、密度も画素当た
りの光線数の形になる。光線が集中している場合( 焦点
が合っている) は、少数の画素に多量の光線数が入り、
連続関数に近いが、広範囲に散らばる( 焦点が合わな
い) 場合、単位画素に入る光線数が少なく、誤差が大き
い。それをカバーするためにはますます多量の光線が必
要となる。そこで、PSFをあらかじめ連続関数に仮定
し、そのパラメータを光線追跡のデータを用いて当ては
めるようにすれば、上記のジレンマから脱出することが
できる。そして、すべての物体点においてのパラメータ
を求める必要がなく、標本点を定めて、スプライン補間
(三次元) で求めることができる。
【0056】さて、分布関数をどんな関数にすればよい
のかの点について検討すると、ほとんどのPSFは山の
形になっているから、二次元正規分布が適切であろと考
えられる。つまり、
【0057】
【数8】
【0058】ここで、μ,νはそれぞれtk、cf方向の主
光線からの偏移量、σμ,σν,ρは正規分布のパラメ
ータである。これらのパラメータは下記の性質を持って
いる。 −1<ρ<1 σμ>0 σν>0 楕円
【数9】 の全ての点(μ,ν)において、
【数10】 である。そしてその等確立楕円内の積分は、
【数11】
【0059】図14のように、等確率楕円は、外接長方
形の形σμ/σνとρによって形が決められ、半径数c
によって大きさが決められる。楕円の方程式を極座標に
書き換えると、c=1のときの楕円は、
【数12】 となる。それを整理すると、
【数13】 となる。ここで、
【数14】 である。このようにA>Bが確実に成立するので、γの
最大値と最小値、つまり楕円の長短軸の長さは
【数15】 長短軸の角度はαとα+π/2とである。これらは非点
ボケ方向や程度を評価するための重要な量である。
【0060】このように、二次元正規分布関数は、広が
りの程度(σμ,σν)と非点ボケの程度(等確率楕円
長短軸比)、角度(長軸の角度)を表すことができる。
もちろんPSFの光学系の状態による無限に近い変化を
忠実に表すことはできないが、PSFを表現する簡略関
数として有効であろう。
【0061】二次元正規分布関数のパラメータσμ,σ
ν,ρを、光線データから求める方法を考えると、
(μ,ν)平面に散布する多数の光線の交点(各交点が
入射瞳上の各分割点に対応)の統計値を求めて、σμ
σν,ρにあてる方法を自然に浮かぶ。つまり、
【数16】 である。ここで、Nは光線数で、(μi ,νi )は交点
座標である。σμ0 ,σν0 ,ρはあくまで分布の統計
量であり、近似正規分布のパラメータとしては、多くの
場合適当ではない。図14はその例を示している。左側
の山はその交点密度を示し、右側の山はσμ0
σν0 ,ρをパラメータとした正規分布を示している。
【0062】図15のように、σμ0,σν0,ρを直接
適用した正規分布を採用した場合、主軸方向および長短
軸比は実際の分布に即しているが、広がりの程度が実際
の分布とかなりかけ離れている。したがって、適当な比
例係数kを定め、σμ=kσμ0,σν=kσν0を適用
すれば、実際の分布にかなり近い近似が得られると考え
られる。問題は如何にkを決めるかということになる
が、これについては、等確率楕円内部の確率P(c)と
半係数cの関係曲線にヒントを得ることができよう。パ
ラメータがσμ=kσμ0,σν=kσν0,ρに変更し
た場合の正規分布のP(c)曲線はPk(c)=1−ex
p(−c2/2k2)である。それを実際分布のPγ
(c)曲線に近づけるようにkを決めればよい。
【0063】図16は、図15の例のP(c),P
k(c),Pγ(c)の曲線をプロットしたものであ
る。PSF分布の近似を求める場合、特に中心部分が重
要である。したがって、cが小さい時のPγ(c)曲線
になるべく近いPk(c)が望ましい。統計値σμ0,σ
ν0,ρをそのまま適用した場合のP(c)曲線は、実
際の分布Pγ(c)とは離れており、近似分布関数とし
ては不適である。一方k=0.65のσμ=kσμ0
σν=kσν0,ρを適用した正規分布の曲線Pk(c)
は中心付近にPγ(c)曲線と一致する部分が多く、実
際の分布に近い近似であることが伺える。図17はσμ
=kσμ0,σν=kσν0,ρを正規分布と実際の分布
との比較である。
【0064】この実施例では、kの値を決めるに当たっ
て、以下の方法を採っている。まず、Pr (c)曲線と
k (c)曲線の交わる点Aの確率P0 の値を決める。
中心付近重視ということで、ここではP0 =0.1 とす
る。P(c)曲線上P(c)=P0 の点では、
【数17】 である。Pr (c)曲線A点のc=Cr であれば、k=
r /C0 となる。
【0065】他の方法も(例えばPr (c)とP
k (c)との差を中心付近で最小にするなど)考えられ
るが、上記の方法がもっとも簡単である。このように、
物体空間上任意一点(D0 ,ψ0 ,ζ0 )のPSF分布
関数を、パラメータσμ,σν,ρをもつ二次元正規分
布関数で近似することができる。もちろんシミュレーシ
ョンの過程に遭遇するすべての物体点に対してσμ,σ
ν,ρを求める必要がなく、標本点でのσμ,σν,ρ
だけをあらかじめ求めておいて、それを用いて任意物体
点においてのσμ,σν,ρをスプライン補間で求める
ことができる。それによって、計算時間を大幅に節約で
きる。
【0066】PSF分布関数をパラメータ化することに
よって、1コマ当たりの処理時間を1時間46分40秒から2
〜10分程度に短縮することに成功した。処理時間に幅が
あるのは、ボケの程度によって処理時間が変わるからで
ある。一分間の映像を作成するのに、およそ100時間、
つまり一週間程度である。図18に、以上説明したPS
F取得の概略手順を纏めてPSF取得方法三として示し
た。
【0067】上述の実施例2によれば、累進多焦点レン
ズ等のレンズ系を通して見たときに知覚されるボケや歪
みに加えて、眼の位置を変えたり視線を移動した場合の
揺れを再現した動画像が得られる。したがって、得られ
た動画像を表示装置に表示することにより、あたかも自
らが装用者になったような臨場感に溢れるれる評価が可
能になる。この回旋網膜像の動画像の表示顔面に視線が
レンズを通過する点を表示するようにすれば、視線のレ
ンズ上での移動を確認しながら、ボケ、歪み揺れを見る
ことができる。
【0068】次に上述の実施例で示したシミュレーショ
ンを行なうための装置について簡単に説明する。図19
は実施例のシミュレーションを行なうための装置の概略
構成を示すブロック図である。図19に示したように、
この装置は、プロセッサ61、読取専用メモリ(RO
M)62、メインメモリ63、グラフィック制御回路6
4、表示装置65、マウス66、キーボード67、ハー
ドディスク装置(HDD)68、フロッピーディスク装
置(FDD)69、プリンタ70、磁気テープ装置71
等から構成されている。これらの要素は、データバス7
2によって結合されている。
【0069】プロセッサ61は、装置全体を統括的に制
御する。読取専用メモリ62には立ち上げ時に必要なプ
ログラムが格納される。メインメモリ63にはシミュレ
ーションを行なうためのシミュレーションプログラムが
格納される。グラフィック制御回路64はビデオメモリ
を含み、得られた画像データを表示信号に変換して表示
装置65に表示する。マウス66は表示装置上の各種の
アイコン、メニュー等を選択するポインティングデバイ
スである。ハードディスク装置68はシステムプログラ
ム、シミュレーションプログラム等が格納され、電源投
入後にメインメモリ63にローディングされる。また、
シミュレーションデータを一時的に格納する。
【0070】フロッピーディスク装置69は原画像デー
タ等の必要なデータをフロッピー69aを通じて入力し
たり、必要に応じてフロッピー69aにセービングす
る。プリンタ装置70は回旋網膜像等をプリントアウト
するのに用いられる。磁気テープ装置71は必要に応じ
てシミュレーションデータを磁気テープにセービングす
るのに使用する。なお、以上のべた基本構成を有する装
置としては、高性能のパーソナルコンピュータや一般の
汎用コンピュータを用いて構成することができる。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明にかかる眼
光学系のシミュレーション装置は、レンズ系を通して眼
によって知覚される像として、眼の網膜面に投影される
光学像ではなく、視野内の全ての物体点に対して眼球を
回旋させ、中心窩で捕らえた像を繋ぎ合わせた像として
定義される回旋網膜像をコンピュータシミュレーション
によって作成する回旋網膜像作成手段を備えることを特
徴とするもので、さらに、回旋網膜像作成手段は、特定
の回旋中心点を持つ眼に入る特定視野角の画像を原画像
として作成する原画像作成手段と、この原画像をレンズ
系を通して見た場合の歪みを伴う歪み原画像を光線追跡
法を用いて作成する歪み原画像作成手段と、レンズ系及
び眼鏡モデルよりなる光学系において原画像の物体点か
らの光による眼球モデルの網膜上のPSFを求めるPS
F取得手段と、歪み原画像作成手段で求めた歪み原画像
と、PSF取得手段で求めた原画像の各画素のPSFと
の畳み込み演算をすることによって行なうことを特徴と
し、さらに、得られた回旋網膜像を編集して回旋網膜像
の動画像を求めることを特徴とし、さらに、PSF作成
手段は、物体点に標本点を設定してPSFを求め、標本
点以外のPSFをスプライン補間法を含む近似法を用い
て求めることを特徴とする。これにより、累進多焦点レ
ンズ等のレンズ系を装用した場合における揺れ、歪み、
ボケ等を伴う見え方をもシミュレーション可能とする眼
光学系のシミュレーション装置を得ることを可能とした
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】回旋網膜像作成の流れを示す図である。
【図2】回旋網膜像の座標系を示す図である。
【図3】レンズ系を装用した場合の回旋網膜像の座標系
を示す図である。
【図4】Navarro模型眼の光学パラメータ(非調
節状態)を示す図である。
【図5】Navarro模型眼の水晶体レンズの調節力
依存式を示す図である。
【図6】PSFの説明図である。
【図7】光線追跡と入射瞳との関係を示す図である。
【図8】入射瞳の分割法を示す図である。
【図9】網膜位置と入射角度を示す図である。
【図10】PSF取得方法一を示す図である。
【図11】回旋網膜像の静止画像の例を示す図である。
【図12】回旋網膜像の動画像作成の流れを示す図であ
る。
【図13】PSF取得方法二を示す図である。
【図14】等確立楕円を示す図である。
【図15】光線密度分布及びσμ0 、σν0 、ρによる
近似正規分布を示す図である。
【図16】P(c)、Pk c)、Pr (c)の曲線を示
す図である。
【図17】光線密度分布及びkσμ0 、kσν0 、ρに
よる近似正規分布を示す図である。
【図18】PSF取得方法三を示す図である。
【図19】本発明にかかる眼光学系のシミュレーション
方法を実施するための装置の構成を示すブロック図であ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−266472(JP,A) 特開 平8−266464(JP,A) 特開 平8−215149(JP,A) 特開 平3−193026(JP,A) 特開 平1−302474(JP,A) 特開 平7−79913(JP,A) 特開 平8−266473(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 3/10 - 3/18

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】眼の前に配置されたレンズ系を通して外界
    を観察したときの見え方をシミュレーションする眼光学
    系のシミュレーション装置において、 仮想三次元空間内にコンピュータグラフィックスによる
    仮想物体を作成して配置し、この仮想物体が、特定の位
    置に回旋中心点を置き且つ特定の中心視線方向を持つ眼
    に入る特定視野角の画像を原画像として作成するととも
    に、前記原画像の各画素の代表する物体点位置と眼の回
    旋中心点との距離である物体点距離を求める原画像作成
    手段と、 前記眼の前に配置するレンズ系上に前記中心視線通過点
    を設定し、視野中心物体点から出射して前記中心視線通
    過点を通過し、前記回旋中心点に向かう光線を光線追跡
    法で求め、この求めたレンズ系の出射光線方向を中心視
    線とする視野をレンズ系通過後視野と定義したとき、こ
    のレンズ系通過後視野における前記原画像の各画素の対
    応する物体点への視線の方向及びレンズ系通過点を光線
    追跡法で求め、前記レンズ系による歪みを含めた画像を
    作成する歪み原画像作成手段と、 前記眼の光学系として調節対応眼球モデルを導入し、前
    記原画像の各画素に対し、前記原画像作成手段によって
    得られた物体点距離と、前記歪み原画像作成手段によっ
    て得られた物体点から出射する主光線のレンズ系通過点
    における度数に合わせて前記眼球モデルの調節状態を設
    定し、前記レンズ系とその主光線方向に合わせて回旋し
    た眼球モデルとの合成光学系において、前記物体点から
    出射する光による前記調節対応眼球モデルの網膜上の輝
    度分布を表すPSF(PointSpread Fun
    ction:点広がり関数)を求めるPSF取得手段
    と、 前記歪み原画像作成手段によって作成されたレンズ系に
    よる歪みを含めた画像と前記PSF取得手段によって得
    られた各画素のPSFとの畳み込み演算(convol
    ution)を行ない、前記仮想三次元空間に配置した
    仮想物体を特定の位置及び視線方向の眼で前記レンズ系
    の特定位置を通して見た場合の回旋網膜像を作成する畳
    み込み手段とを有することを特徴とする眼光学系のシミ
    ュレーション装置。
  2. 【請求項2】眼の前に配置されたレンズ系を通して外界
    を観察したときの見え方をシミュレーションする眼光学
    系のシミュレーション装置において、 仮想三次元空間内にコンピュータグラフィックスによる
    仮想物体を作成して配置し、前記眼の位置、中心視線方
    向及びレンズ系通過点を時系列に変えて見るストーリー
    を作成する手段と、 該手段によって作成された前記 ストーリーにしたがって
    各時点で請求項に記載の眼光学系のシミュレーション
    装置を用いて作成した回旋網膜像を編集して回旋網膜像
    の動画像を作成する手段とを有することを特徴とする眼
    光学系のシミュレーション装置。
  3. 【請求項3】眼の前に配置されたレンズ系を通して外界
    を観察したときの見え方をシミュレーションする眼光学
    系のシミュレーション装置において、 特定の回旋中心点を持つ眼に入る特定視野角の画像を原
    画像として作成する原画像作成手段と、この原画像をレ
    ンズ系を通して見た場合の歪みを伴う歪み原画像を光線
    追跡法を用いて作成する歪み原画像作成手段と、レンズ
    系及び眼鏡モデルよりなる光学系において原画像の物体
    点からの光による眼球モデルの網膜上のPSFを求める
    PSF取得手段と、前記歪み原画像作成手段によって求
    められた歪み原画像と、前記PSF取得手段によって求
    められた原画像の各画素のPSFとの畳み込み演算をす
    る畳み込み演算手段とを有し、前記レンズ系を通して眼
    によって知覚される像として、眼の網膜面に投影される
    光学像ではなく、視野内の全ての物体点に対して眼球を
    回旋させ、中心窩で捕らえた像を繋ぎ合わせた像として
    定義される回旋網膜像を作成する回旋網膜像作成手段
    と、 仮想三次元空間内にコンピュータグラフィックスによる
    仮想物体を作成して配置し、前記眼の位置、中心視線方
    向及びレンズ系通過点を時系列に変えて見るストーリー
    を作成する手段と、 該手段によって作成された前記 ストーリーにしたがって
    各時点で前記回旋網膜像作成手段を用いて作成した回旋
    網膜像を編集して回旋網膜像の動画像を作成する手段と
    を備えることを特徴とする眼光学系のシミュレーション
    装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3の何れか記載の眼光学系の
    シミュレーション装置において、 前記PSF取得手段は、各該当画素の代表する物体点か
    ら出射し、前記眼球モデルの入射瞳を均等に分割して設
    定した各点を通る光線のデータを全て光線追跡法で求
    め、PSFを前記眼球モデルの網膜上の光線スポット分
    布密度として、又は波動光学に基づく回折積分として求
    めることを特徴とする眼光学系のシミュレーション装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3の何れか記載の眼光学系の
    シミュレーション装置において、 前記PSF取得手段は、 予め三次元物体空間に有限数の物体標本点を設定し、ま
    た、前記入射瞳面上に有限数の通過標本点を選び、前記
    物体標本点及び通過点標本点との全ての組み合わせによ
    る光線データを光線追跡法で求め、スプライン補間係数
    データを作成し、前記原画像の各画素の代表する物体点
    から出射し、入射瞳を均等に分割した各点を通る光線デ
    ータを前記予め準備したスプライン補間係数データを用
    いてスプライン補間法で求め、PSFを網膜上光線のス
    ポット分布密度として、又は波動光学に基づく回折積分
    を用いて求めるものであることを特徴とする眼光学系
    のシミュレーション装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至3の何れか記載の眼光学系の
    シミュレーション装置において、 前記PSF取得手段は、PSFを一定の関数近似させて
    そのパラメータで表し、予め三次元物体空間に有限数の
    物体標本点を選び、全ての物体標本点におけるPSFと
    その近似関数パラメータを求め、スプライン補間係数デ
    ータを作成し、 前記原画像の各画素に関するPSFパラメータを前記予
    め準備したスプライン補間係数データを用いてスプライ
    ン補間法で求めることを特徴とする眼光学系のシミュレ
    ーション装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6の何れか記載の眼光学系の
    シミュレーション装置において、 前記回旋網膜像又は前記回旋網膜像の動画像を画像表示
    手段によって表示するとともに、これらの画像が前記レ
    ンズ系のどの位置を通しての画像であるかを前記画像表
    示手段に表示することを特徴とする眼光学系のシミュレ
    ーション装置。
  8. 【請求項8】眼の前に配置されたレンズ系を通して外界
    を観察したときの見え方をシミュレーションする眼光学
    系のシミュレーション装置において、 前記レンズ系を通して眼によって知覚される像として、
    眼の網膜面に投影される光学像ではなく、視野内の全て
    の物体点に対して眼球を回旋させ、中心窩で捕らえた像
    を繋ぎ合わせた像として定義される回旋網膜像を作成す
    る回旋網膜像作成手段を備え、 この回旋網膜像作成手段は、特定の回旋中心点を持つ眼
    に入る特定視野角の画像を原画像として作成する原画像
    作成手段と、 この原画像をレンズ系を通して見た場合の歪みを伴う歪
    み原画像を光線追跡法を用いて作成する歪み原画像作成
    手段と、 レンズ系及び眼鏡モデルよりなる光学系において原画像
    の物体点からの光による眼球モデルの網膜上のPSFを
    求めるPSF取得手段と、 前記歪み原画像作成手段によって求められた歪み原画像
    と、前記PSF取得手段によって求められた原画像の各
    画素のPSFとの畳み込み演算をする畳み込み演算手段
    とを有し、 前記回旋網膜像又は前記回旋網膜像の動画像を画像表示
    手段によって表示するとともに、これらの画像が前記レ
    ンズ系のどの位置を通しての画像であるかを前記画像表
    示手段に表示することを特徴とする眼光学系のシミュレ
    ーション装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の眼光学系のシミュレーショ
    ン装置において、 前記PSF取得手段は、各該当画素の代表する物体点か
    ら出射し、前記眼球モデルの入射瞳を均等に分割して設
    定した各点を通る光線のデータを全て光線追跡法で求
    め、PSFを前記眼球モデルの網膜上の光線スポット分
    布密度として、又は波動光学に基づく回折積分として求
    めることを特徴とする眼光学系のシミュレーション装
    置。
  10. 【請求項10】請求項8記載の眼光学系のシミュレーシ
    ョン装置において、 前記PSF取得手段は、予め三次元物体空間に有限数の
    物体標本点を設定し、また、前記入射瞳面上に有限数の
    通過標本点を選び、前記物体標本点及び通過点標本点と
    の全ての組み合わせによる光線データを光線追跡法で求
    め、スプライン補間係数データを作成し、 前記原画像の各画素の代表する物体点から出射し、入射
    瞳を均等に分割した各点を通る光線データを前記予め準
    備したスプライン補間係数データを用いてスプライン補
    間法で求め、PSFを網膜上光線のスポット分布密度と
    して、又は波動光学に基づく回折積分法として求めるこ
    とを特徴とする眼光学系シミュレーション装置。
  11. 【請求項11】請求項8記載の眼光学系のシミュレーシ
    ョン装置において、 前記PSF取得手段は、PSFを一定の関数近似させて
    そのパラメータで表し、予め三次元物体空間に有限数の
    物体標本点を選び、全ての物体標本点におけるPSFと
    その近似関数パラメータを求め、スプライン補間係数デ
    ータを作成し、 前記原画像の各画素に関するPSFパラメータを前記予
    め準備したスプライン補間係数データを用いてスプライ
    ン補間法で求めることを特徴とする眼光学系のシミュレ
    ーション装置。
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