JP3341139B2 - アクリルゴム組成物 - Google Patents
アクリルゴム組成物Info
- Publication number
- JP3341139B2 JP3341139B2 JP09019395A JP9019395A JP3341139B2 JP 3341139 B2 JP3341139 B2 JP 3341139B2 JP 09019395 A JP09019395 A JP 09019395A JP 9019395 A JP9019395 A JP 9019395A JP 3341139 B2 JP3341139 B2 JP 3341139B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acrylic rubber
- rubber composition
- weight
- vulcanization
- metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明のアクリルゴム組成物はエ
ポキシ基含有アクリルゴムに加硫剤としてジチオカルバ
ミン酸金属塩、加硫助剤としてスチレン−四塩化炭素テ
ロマーを添加することによりアクリルゴムの耐熱性、耐
油性及び耐圧縮永久歪性を損なうことなく加硫特性を大
幅に向上させたものである。
ポキシ基含有アクリルゴムに加硫剤としてジチオカルバ
ミン酸金属塩、加硫助剤としてスチレン−四塩化炭素テ
ロマーを添加することによりアクリルゴムの耐熱性、耐
油性及び耐圧縮永久歪性を損なうことなく加硫特性を大
幅に向上させたものである。
【０００２】
【従来の技術】アクリルゴムはアクリル酸エステルを主
成分とするエラストマーであり、主鎖に二重結合を有し
ていないために架橋点となる架橋モノマーを共重合させ
る必要がある。架橋モノマーとしてはエポキシ基含有化
合物が知られているが、この架橋モノマーを用いた場合
には加硫剤としてアミン化合物、ジチオカルバミン酸金
属塩などが用いられる。
成分とするエラストマーであり、主鎖に二重結合を有し
ていないために架橋点となる架橋モノマーを共重合させ
る必要がある。架橋モノマーとしてはエポキシ基含有化
合物が知られているが、この架橋モノマーを用いた場合
には加硫剤としてアミン化合物、ジチオカルバミン酸金
属塩などが用いられる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】エポキシ基含有アクリ
ルゴムの加硫剤としてアミン化合物を用いた場合には、
加硫スピードは向上するがスコーチ安定性が悪くなり加
工が困難になる。反面、ジチオカルバミン酸金属塩を用
いた場合にはスコーチ安定性は良好であるが加硫スピー
ドが非常に遅く加工に時間を要する。
ルゴムの加硫剤としてアミン化合物を用いた場合には、
加硫スピードは向上するがスコーチ安定性が悪くなり加
工が困難になる。反面、ジチオカルバミン酸金属塩を用
いた場合にはスコーチ安定性は良好であるが加硫スピー
ドが非常に遅く加工に時間を要する。
【０００４】アクリルゴムの耐熱性、耐油性及び耐圧縮
永久歪性を損なうことなく生地のスコーチ安定性にも優
れ、かつ加硫スピードの速いアクリルゴム組成物を得る
ことである。
永久歪性を損なうことなく生地のスコーチ安定性にも優
れ、かつ加硫スピードの速いアクリルゴム組成物を得る
ことである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するために、エポキシ基含有アクリルゴムに加硫助剤
として 構造式(化１)
決するために、エポキシ基含有アクリルゴムに加硫助剤
として 構造式(化１)
【化１】 で表わされるスチレン−四塩化炭素テロマーと、加硫助
剤としてジチオカルバミン酸金属塩を配合することによ
りスコーチ安定性に優れかつ加硫スピードの速いアクリ
ルゴム組成物を得ることが可能となった。
剤としてジチオカルバミン酸金属塩を配合することによ
りスコーチ安定性に優れかつ加硫スピードの速いアクリ
ルゴム組成物を得ることが可能となった。
【０００６】
【作用】本発明で加硫助剤の役割を示すスチレン−四塩
化炭素テロマーは、加熱によって脱塩化水素反応や脱塩
素反応を行なう。その際生じた塩素ラジカルとジチオカ
ルバミン酸金属塩の金属とが反応し、架橋モノマーの官
能基と加硫剤のラジカル反応を促進する。このことは、
ロール上で生ゴムにテロマーを添加して混練する際、塩
化水素や塩素の発生が認められることから明らかであ
る。また、脱塩化水素反応、脱塩素反応によって末端に
二重結合を有するテロマーやテロマーラジカルの生成も
考えられる。これらはゴム成分と反応して網目の形成に
寄与しているために架橋反応を促進すると考えられる。
従って、加硫助剤としてスチレン−四塩化炭素を添加す
ることにより架橋反応を促進し加硫スピードを大幅に改
善することができる。
化炭素テロマーは、加熱によって脱塩化水素反応や脱塩
素反応を行なう。その際生じた塩素ラジカルとジチオカ
ルバミン酸金属塩の金属とが反応し、架橋モノマーの官
能基と加硫剤のラジカル反応を促進する。このことは、
ロール上で生ゴムにテロマーを添加して混練する際、塩
化水素や塩素の発生が認められることから明らかであ
る。また、脱塩化水素反応、脱塩素反応によって末端に
二重結合を有するテロマーやテロマーラジカルの生成も
考えられる。これらはゴム成分と反応して網目の形成に
寄与しているために架橋反応を促進すると考えられる。
従って、加硫助剤としてスチレン−四塩化炭素を添加す
ることにより架橋反応を促進し加硫スピードを大幅に改
善することができる。
【０００７】テロマーは次のような方法で合成した。攪
拌器、還流冷却器、窒素導入管及び温度計を取付けた四
つ口フラスコに、スチレン５２ｇ（０．５モル）、四塩
化炭素１．１４６ｇ（７．４モル）、２，２′−アゾビ
スイソブチロニトリル５ｇ（３．０５＊１０-2モル）を
入れ８０〜８５℃で１２時間反応を行なった。反応終了
後、未反応のモノマーと溶媒を２５℃の減圧下に留去し
てスチレン−四塩化炭素テロマーを得た。スチレン−四
塩化炭素テロマーの配合割合は、エポキシ基含有アクリ
ルゴム１００重量部に対して０．１〜１０重量部、さら
には１〜５重量部が好ましい。該割合が０．１重量部未
満では架橋反応活性化の効果が満足されなくなる傾向が
あり、１０重量部を超えるとスコーチ安定性が損なわれ
る傾向がある。ジチオカルバミン酸金属塩は２個の炭化
水素残基を有するが、該炭化水素残基としては、例えば
メチル基、エチル基、ブチル基などアルキル基といわれ
ているようなもののみならず、フェニル基、ベンジル
基、ペンタメチレン基なども挙げられる。このようなジ
チオカルバミン酸金属塩の具体例としては、例えばジメ
チルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン
酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などの亜鉛塩、第二
鉄塩、銅塩などが挙げられる。これらのうちでジメチル
ジチオカルバミン酸の亜鉛塩が架橋反応活性化効果の点
から好ましい。本発明のアクリルゴム組成物には前述の
成分の他にゴム工業において一般的に用いられる補強
剤、充填剤、可塑剤、加工助剤などの成分を添加するこ
とができる。本発明のアクリルゴム組成物の調整法には
特に限定はなく前記成分を添加してバンバリー、ロール
などの通常の混練機によって混合することにより調整す
ることができる。このようにして得られる本発明のアク
リルゴム組成物は１５０℃〜２００℃程度の温度で約２
〜２０分間の条件で迅速に加硫を行なうことができ、ま
た後加硫を行なう場合でも１５０℃〜１８０℃の温度で
１〜５時間程度後加硫を行なえばよい。
拌器、還流冷却器、窒素導入管及び温度計を取付けた四
つ口フラスコに、スチレン５２ｇ（０．５モル）、四塩
化炭素１．１４６ｇ（７．４モル）、２，２′−アゾビ
スイソブチロニトリル５ｇ（３．０５＊１０-2モル）を
入れ８０〜８５℃で１２時間反応を行なった。反応終了
後、未反応のモノマーと溶媒を２５℃の減圧下に留去し
てスチレン−四塩化炭素テロマーを得た。スチレン−四
塩化炭素テロマーの配合割合は、エポキシ基含有アクリ
ルゴム１００重量部に対して０．１〜１０重量部、さら
には１〜５重量部が好ましい。該割合が０．１重量部未
満では架橋反応活性化の効果が満足されなくなる傾向が
あり、１０重量部を超えるとスコーチ安定性が損なわれ
る傾向がある。ジチオカルバミン酸金属塩は２個の炭化
水素残基を有するが、該炭化水素残基としては、例えば
メチル基、エチル基、ブチル基などアルキル基といわれ
ているようなもののみならず、フェニル基、ベンジル
基、ペンタメチレン基なども挙げられる。このようなジ
チオカルバミン酸金属塩の具体例としては、例えばジメ
チルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン
酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などの亜鉛塩、第二
鉄塩、銅塩などが挙げられる。これらのうちでジメチル
ジチオカルバミン酸の亜鉛塩が架橋反応活性化効果の点
から好ましい。本発明のアクリルゴム組成物には前述の
成分の他にゴム工業において一般的に用いられる補強
剤、充填剤、可塑剤、加工助剤などの成分を添加するこ
とができる。本発明のアクリルゴム組成物の調整法には
特に限定はなく前記成分を添加してバンバリー、ロール
などの通常の混練機によって混合することにより調整す
ることができる。このようにして得られる本発明のアク
リルゴム組成物は１５０℃〜２００℃程度の温度で約２
〜２０分間の条件で迅速に加硫を行なうことができ、ま
た後加硫を行なう場合でも１５０℃〜１８０℃の温度で
１〜５時間程度後加硫を行なえばよい。
【０００８】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいてさらに具体的
に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもの
ではない。実施例１、２及び比較例１、２を表１に示
す。
に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもの
ではない。実施例１、２及び比較例１、２を表１に示
す。
【表１】 表１に示される配合処方の配合剤を８インチロールで２
０分間混練後３ｍｍの厚さのシートを出し、プレス加硫
を行ない試料を作製した。得られた加硫物の特性をＪＩ
Ｓ Ｋ６３０１「加硫ゴム物理試験方法」に準拠して評
価した。加硫物特性を表２に、加硫特性を表３に示す。
０分間混練後３ｍｍの厚さのシートを出し、プレス加硫
を行ない試料を作製した。得られた加硫物の特性をＪＩ
Ｓ Ｋ６３０１「加硫ゴム物理試験方法」に準拠して評
価した。加硫物特性を表２に、加硫特性を表３に示す。
【表２】
【表３】 表３は実施例１、２及び比較例１、２の１８０℃におけ
る加硫曲線を示すグラフである。
る加硫曲線を示すグラフである。
【０００９】
【発明の効果】表２及び表３から判るように、本発明は
アクリルゴムの特徴である耐熱性、耐油性及び耐圧縮永
久歪性を損なうことなく加硫スピードを大幅に改善する
ことができたアクリルゴム組成物である。
アクリルゴムの特徴である耐熱性、耐油性及び耐圧縮永
久歪性を損なうことなく加硫スピードを大幅に改善する
ことができたアクリルゴム組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C08L 33/14 ＷＰＩ（ＤＩＡＬＯＧ)
Claims (1)
- 【請求項１】 エポキシ基含有アクリルゴム１００重量
部に対して、 (１)構造式(化１) 【化１】 で表わされるスチレン−四塩化炭素テロマー０．１〜１
０重量部 (２)構造式(化２) 【化２】 (但し、Ｒ4Ｒ5は炭素数１〜８ケのアルキル基またはア
リール基、Ｍは金属、ｎは金属の価数と同じ値を示す) で表わされるジチオカルバミン酸金属塩０．５〜１０重
量部上記(１) (２)を配合してなることを特徴とするア
クリルゴム組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09019395A JP3341139B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | アクリルゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09019395A JP3341139B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | アクリルゴム組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08259768A JPH08259768A (ja) | 1996-10-08 |
| JP3341139B2 true JP3341139B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=13991653
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09019395A Expired - Fee Related JP3341139B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | アクリルゴム組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3341139B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6904112B2 (ja) * | 2017-06-30 | 2021-07-14 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 車両用シール部材および車両用電気中継部品 |
-
1995
- 1995-03-22 JP JP09019395A patent/JP3341139B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08259768A (ja) | 1996-10-08 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3398492B2 (ja) | 含フッ素エラストマー組成物 | |
| US5621145A (en) | Bisamidoxime compound, process for preparing the same and a fluorine-containing elastomer composition comprising the same | |
| US5637648A (en) | Fluorine-containing elastomer composition | |
| JP2833645B2 (ja) | 含フッ素エラストマー組成物 | |
| EP0087775B1 (en) | Fluoroelastomer curatives | |
| JP3223776B2 (ja) | 含フッ素エラストマー組成物 | |
| EP2445939B1 (en) | Curing compositions for fluoropolymers | |
| JPH0931284A (ja) | 含フッ素エラストマー組成物 | |
| JP4051929B2 (ja) | 架橋用フッ素系エラストマー組成物 | |
| JP2011529977A (ja) | フルオロポリマー組成物並びにその製造及び使用方法 | |
| JP2008524425A (ja) | ペンダントのアミドキシム構造又はアミドラゾン構造を有するフルオロポリマー | |
| JPH08119926A (ja) | ビスアミドラゾン化合物およびそれを用いた含フッ素エラストマー用加硫剤 | |
| JPH08104789A (ja) | 含フッ素エラストマー組成物 | |
| JP3341139B2 (ja) | アクリルゴム組成物 | |
| JPH1045782A (ja) | 新規ビスフェノール化合物およびそれを含有する含フッ素エラストマー組成物 | |
| JP3375404B2 (ja) | 含フッ素エラストマ−組成物 | |
| JPH0114934B2 (ja) | ||
| JPH0479376B2 (ja) | ||
| JP5512674B2 (ja) | アジド組成物並びにその製造及び使用方法 | |
| JP2725023B2 (ja) | フッ素ゴム組成物 | |
| JPH03174461A (ja) | フルオロエラストマー組成物およびその製造方法 | |
| JPH0475932B2 (ja) | ||
| JP3533750B2 (ja) | フッ素ゴム組成物 | |
| JP2866407B2 (ja) | クロロプレンゴム組成物 | |
| JPH06293851A (ja) | アクリルゴム組成物 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070823 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080823 Year of fee payment: 6 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |