JP3340639B2 - 映像データの記録再生方法とその装置 - Google Patents

映像データの記録再生方法とその装置

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JP3340639B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は映像データの記録再
生方法とその装置に関し、特に、監視用や防犯用等に使
われるのに適した、映像情報を長時間記録するのに好適
な監視映像データの記録再生方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】監視用や防犯用等に使われるのに適し
た、ビデオカメラからの映像を長時間記録する映像記録
装置としては、従来から、タイムラプスVTRが用いら
れている。これは、現在、家庭用に広く普及しているV
HS VTRをベースに、長時間記録ができるように、
その一部を設計変更しているものが多い。例えば、VH
Sの3倍(EP)モードの1/3の速度でテープを連続
走行させ、入力映像の3フィールドの内の1フィールド
だけをテープ上に記録することにより、EPモードの3
倍の時間、映像記録ができるようにしたものである。こ
れにより、すなわち、120分テープを用いた場合に
は、VHSのEPモードで6時間(120分×3)記録
できるので、上記タイムラプスVTRでは、さらにその
3倍の、18時間の映像記録ができることとなる。ただ
し、この場合、上述の記録原理からも明らかなように、
1秒間あたりのコマ数は、VHSの場合の60コマの1
/3の20コマになる。また、音声は、通常のVTRと
同様にテープ長手方向の音声トラックに記録することが
できるが、この場合、テープ速度が通常の1/3なので
音質は通常よりも悪くなるが、18時間の連続音声を記
録することが可能になる。
【0003】さらに、従来のタイムラプスVTRでは、
記録時間をより長くするために、その平均テープ速度を
より遅くし、記録するコマ数をさらに少なくする、いわ
ゆる、間欠記録方式とすることも提案されている。これ
は、例えば、2秒(120フィールド)に1コマの割合
で記録することにより、通常の120分テープを用いて
720時間もの超長時間記録ができる(2時間×3倍×
120=720時間)。しかしながら、このような超長
時間記録の場合には、テープの平均送り速度が非常に遅
くなり、テープの連続送りの制御が難しくなるため、間
欠的にテープ送りをする場合が多くなり、そのため、音
声トラックに音声を記録することはできなくなる。
【0004】なお、このような従来のタイムラプスVT
Rに関する従来技術としては、例えば、特公平3−12
380号公報、及び、特公平7−63182号公報など
が既に知られている。特に、前者では、上述した720
時間記録のようなテープの間欠走行による映像記録時に
おいても、通常のVTRと同様の記録テープパターンが
得られるようにするためのテープ送りの制御方法につい
て述べられている。また、後者の特公平7−06318
2号公報では、特に、その間欠記録時においてスキュー
を発生させないためのシリンダ回転速度の制御方法につ
いて述べられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
タイムラプスVTRでは、通常の連続テープ送りの他
に、低速連続テープ送りや間欠テープ送りの記録モード
が必要であり、さらに、これらの記録モードに応じたキ
ャプスタンやシリンダの高精度な制御を行うための手段
が必要となる。また、その再生時に、記録時と同じ速度
で映像を確認しようとした場合には、各々の記録モード
と同様の再生モードが必要であり、そのためのキャプス
タンやシリンダの高精度な制御手段も必要となる。その
ため、これら従来のタイムラプスVTRでは、これら種
々の高精度な制御手段を設ける必要があるため、一般の
VTRに比べ、高価になってしまうという欠点があっ
た。
【0006】また、従来のタイムラプスVTRでは、た
とえ間欠テープ送りの記録モードで記録するにしても、
映像の記録媒体である磁気テープのローディング(テー
プを、磁気ヘッドが取り付けられているシリンダに巻き
付けて、記録・再生できる状態にすること)、アンロー
ディング(テープをシリンダから離した状態にするこ
と)は短時間で行うことができないので、通常、記録中
のテープはローディングされた状態になっている。ま
た、シリンダは、その慣性モーメントが大きく、回転速
度が安定になるまでに時間がかかることから、記録中は
ほぼ一定の速度で連続回転させることとなる。
【0007】すなわち、従来のタイムラプスVTRで
は、監視映像の記録中は、常に、磁気テープはローディ
ング状態となり、シリンダは連続回転しており、従っ
て、特に、上述のような超長時間記録モード(720時
間モード)では、720時間もの長時間、シリンダは回
転しながらテープと接触し続けるため、家庭用VTRで
使う場合に比べ、テープの損傷が著しく早いという欠点
があった。また、同様に、ヘッドもテープとの接触時間
が長いため、磨耗が早いという欠点があった。さらに
は、シリンダを回転させるモータやベルト等の機構(メ
カニズム)に関しても、その稼動時間が長い分だけ、寿
命が短く、また故障する確率も高くなっていた。
【0008】さらに、従来のヘリカルスキャンVTRに
おけるテープ上の記録トラックパターンの角度は、シリ
ンダの回転数とテープ送り速度の両者により決定され
る。そのため、上記の低速テープ送り、または、テープ
停止状態で記録されたトラックパターンは、通常のテー
プ送り速度で記録された場合とは異なる角度になってし
まう。そのため、このように記録されたトラックパター
ンを通常のテープ送り速度で再生しようとする場合に
は、ヘッドのトレース角度とトラックパターンの角度と
が一致せず、再生信号の一部分のS/N(信号対ノイズ
比)が劣化し、出力映像の画質が悪くなるという欠点が
あった。
【0009】そこで、本発明では、上述した従来技術に
おける問題点に鑑み、例えば、間欠送りなど特殊な機構
により磁気テープを長時間に渡ってローディングした状
態で、その上に記録ヘッドを、常時、接触・移動させな
がら記録することなく、すなわち、一般家庭用の磁気テ
ープ記録装置を利用しながら、監視用や防犯用等に使わ
れるに十分な期間の映像データを、磁気テープ上に記憶
することが可能な監視映像データの記録再生方法とその
装置を提供することを目的とするものである。
【0010】また、本発明の他の目的は、以上に述べた
ような従来のタイムラプスVTRの欠点をなくし、テー
プ間欠送りのための高精度な制御手段が不要で、しかも
磨耗や損傷が生じやすい部分の稼動時間を少なくするこ
とにより、記録再生装置の信頼性を向上させるととも
に、使用する磁気テープの寿命をも長くすることが可能
な映像データ記録再生装置を提供することにある。
【0011】さらに、本発明の目的は、記録時モード
(記録時間)と異なるモード(再生時間)で再生する場
合でも再生信号が劣化することなく、良好な再生画像を
出力することが可能な映像データ記録再生装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、本発明によれば、時間軸上で圧縮した映像データを
磁気テープ上に記憶することにより、監視用のビデオカ
メラからの映像信号を長時間、連続的に記憶する際に、
この監視期間中、常に、磁気テープ上に映像信号を記録
する磁気テープ記録装置を連続的に運転することなく、
前記監視期間よりも短い期間だけ前記磁気テープ記録装
置を運転して記録する。
【0013】すなわち、本発明によれば、まず、長時間
に渡って連続的に発生する映像信号を磁気テープ上に記
憶するための監視映像データの記録再生方法であって、
長時間に渡って連続的に映像信号を発生し、前記長時間
に渡って連続的に発生される映像信号を入力しながら、
その時間軸上で圧縮してディジタル信号の映像データと
して出力し、前記時間軸圧縮したディジタル映像データ
を磁気テープ上に記録し、かつ、前記映像信号が連続的
に発生している期間よりも、前記ディジタル映像データ
を磁気テープ上に記憶している期間の方が短くなってい
る監視映像データの記録再生方法が提供されている。
【0014】また、本発明によれば、長時間に渡って連
続的に発生する映像信号を磁気テープ上に記憶するため
の監視映像データの記録再生装置であって、長時間に渡
って連続的に映像信号を発生する映像信号発生手段と、
前記映像信号発生手段により長時間に渡って連続的に発
生される映像信号を入力し、その時間軸上で圧縮してデ
ィジタル信号の映像データとして出力する時間軸圧縮手
段と、前記時間軸圧縮手段からのディジタル映像データ
を磁気テープ上に記録しまたは再生する磁気テープ記録
手段を備え、かつ、当該磁気テープ記録手段が前記ディ
ジタル映像データを前記磁気テープ上に記録している期
間が、前記映像信号発生手段が連続的に映像信号を発生
している期間よりも短くなっている監視映像データの記
録再生装置が提供されている。
【0015】また、上記の目的を達成するために、本発
明では、映像情報を長時間記録することの可能な監視映
像データの記録再生装置であって、映像データを一時記
憶する第一のメモリ手段と、該第一のメモリ手段の出力
データを記憶媒体に記録する第一の記録再生手段と、該
第一の記録再生手段の再生データを一時記憶する第二の
メモリ手段と、該第二のメモリ手段からの出力データを
磁気テープ上に斜めトラックを形成しながら記録する第
二の記録再生手段と、前記第一及び第二のメモリ手段の
データ書き込み及び読み出し動作と、前記第一及び第二
の記録再生手段の記録再生動作を制御する制御手段とを
有し、映像データ記録時、該制御手段は、前記第一のメ
モリ手段からの映像データ読み出し動作と前記第一の記
録再生手段の記録動作を第一の所定データ量毎に繰り返
し行うよう制御すると共に、前記第一の記録再生手段に
記録済で未再生のデータが前記第一の所定データ量より
も大きい第二の所定データ量に達するまでは、前記第一
の記録再生手段の再生動作と前記第二の記録再生手段の
記録動作を停止させる第一の動作モードで動作させ、前
記記録済未再生データが前記第二の所定データ量に達し
たら、該第二の所定データ量のデータを再生し終わるま
で、前記第一の記録再生手段の記録動作と再生動作を時
分割で行い、さらに、前記第二のメモリ手段が所定の転
送速度で読み出したデータを前記第二の記録再生手段が
前記磁気テープ上に斜めトラックを形成しながら連続的
にテープ送りをしながら記録する第二の動作モードで動
作させるように制御する。
【0016】また、上記の目的を達成するために、本発
明では、映像データを一時記憶する第一のメモリ手段
と、該第一のメモリ手段の出力データを記憶媒体に記録
する第一及び第二の記録再生手段と、該第一及び第二の
記録再生手段の再生データを一時記憶する第二のメモリ
手段と、該第二のメモリ手段からの出力データを磁気テ
ープ上に斜めトラックを形成しながら記録する第三の記
録再生装置と、前記第一及び第二のメモリ手段のデータ
書き込み読み出し動作と、前記第一、第二及び第三の記
録再生手段の記録再生動作を制御する制御手段とを有
し、映像データ記録時、該制御手段は、前記第一及び第
二の記録再生手段における記録データ量と再生データ量
に応じて、四つの動作モードを切り替え、第一の動作モ
ードにおいては、前記第一のメモリ手段からの映像デー
タの読み出し動作と前記第一の記録再生手段の記録動作
を第一の所定データ量毎に繰り返し行い、前記第二及び
第三の記録再生手段の記録再生動作を停止させるように
制御し、第二の動作モードにおいては、前記第一のメモ
リ手段からの映像データの読み出し動作と前記第二の記
録再生手段の記録動作を前記第一の所定データ量毎に繰
り返し行うと共に、前記第一の記録再生手段から読み出
した映像データを前記第二のメモリ手段に一時記憶した
後、該第二のメモリ手段から映像データを所定の転送速
度で読み出しながら第三の記録再生手段を記録状態にし
て転送されてくるデータを前記磁気テープ上に斜めトラ
ックを形成しながら連続的に記録するように制御し、第
三の動作モードにおいては、前記第一のメモリ手段から
の映像データの読み出し動作と前記第二の記録再生手段
の記録動作を前記第一の所定データ量毎に繰り返し行
い、前記第一及び第三の記録再生装置の記録再生動作を
停止させるように制御し、第四の動作モードにおいて
は、前記第一のメモリ手段からの映像データの読み出し
動作と前記第一の記録再生手段の記録動作を前記第一の
所定データ量毎に繰り返し行うと共に、前記第二の記録
再生手段から読み出した映像データを前記第二のメモリ
手段に一時記憶した後、該第二のメモリ手段から映像デ
ータを所定の転送速度で読み出しながら第三の記録再生
手段を記録状態にして転送されてくるデータを前記磁気
テープ上に斜めトラックを形成しながら連続的にテープ
送りをしながら記録するように制御する。
【0017】そして、上記の他の目的を達成するため
に、本発明では、圧縮符号化された映像データを磁気テ
ープ上に斜めトラックを形成しながら記録する監視映像
データの記録再生装置において、記録時に、上記映像デ
ータの内、m(mは2以上の整数)フレームの時間間隔
でフレーム内圧縮符号化された第一グループの映像デー
タのみがn(nは2以上の整数)フレーム分連続となる
ように、映像データの時間順序を入れ替える記録時デー
タ順序入れ替え手段と、第一の再生モードにおいて、前
記第一グループの映像データとそれ以外の映像データの
時間順序を元に戻す再生時データ順序入れ替え手段と、
第二の再生モードにおいて、前記磁気テープ上に記録さ
れた再生映像データの内、前記第一グループの映像デー
タのみを選択的に再生し、その他の部分を早送りするよ
うに制御する再生制御手段と、前記再生された第一の映
像データを一時記憶し、出力するメモリ手段とを設け
た。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図を用いて詳細に説明する。
【0019】図1は本発明第一の実施の形態になる監視
映像データの記録再生装置のブロック図であり、図中の
符号1は、図には示されていないビデオカメラからの映
像信号を入力するための映像入力端子を、符号2は映像
出力端子を、符号3は圧縮符号化・復号化回路を、符号
4、8は半導体メモリ(第1メモリ4、第2メモリ8)
を、符号5はSCSI(Small Computer
System Interface)コントローラ
を、符号7はSCSIインタフェースを持つハードディ
スク装置(以下、HDDと省略する)を、符号9はVT
Rを、符号10は制御回路を、符号11は操作者が各種
の操作指示を行うための操作部を、符号12はA/Dコ
ンバータを、符号13はD/Aコンバータを、符号14
はIEEE1394インタフェース回路(以下、I/F
回路と省略する)を示している。なお、これらのうち、
特に、上記の半導体メモリ(第1メモリ4、第2メモリ
8)、SCSIコントローラ5、ハードディスク装置7
は、以後にもその動作を詳細に説明するが、記録する映
像データを時間軸上で圧縮する時間軸圧縮回路100を
構成している。
【0020】上記監視映像データ記録再生装置の構成に
おいて、装置の記録時の各部の動作について説明する
と、まず、操作部11から記録の指示が行われると、制
御回路10は各ブロックが記録動作をするのに必要な制
御信号を発生する。そして、ビデオカメラ(図示せず)
からの映像信号は、映像入力端子1を介してA/Dコン
バータ12に入力される。このA/Dコンバータ12は
アナログ映像信号を8ビットのディジタル信号に変換す
る。次に、圧縮符号化・復号化回路3は、上記A/Dコ
ンバータ12から入力されたディジタル映像信号をMP
EG(Moving Picture Experts
Group)規格に従って符号化する。さらに、第一
メモリ4は、書き込みと読み出しの同時動作が可能な、
いわゆる、FIFO(First In First
Out)メモリであり、上記制御回路10が発生する制
御信号に従って、MPEGデータを順次書き込み、読み
出す。
【0021】次に、SCSIコントローラ5は、やはり
上記制御回路10が発生する制御信号に従って、上記第
1メモリ4からのMPEGデータをHDD7に記録動作
をさせるためのSCSIコマンドを、上記HDD7に送
る。SCSIインタフェースを持つHDD7は、上記S
CSIコントローラ5から受け取ったコマンドを読み取
り、そのコマンドに従って入力されたMPEGデータを
ハードディスクHDD7に記録する。また、後述するタ
イミングにおいて、上記SCSIコントローラ5は、制
御回路10が発生する制御信号に従って、上記HDD7
に再生動作をさせるためのSCSIコマンドを発生し、
これにより、HDD7の出力データを第2メモリ8に送
る。
【0022】また、第二メモリ8は、上記第1メモリ4
と同様に、書き込みと読み出しの同時動作が可能なFI
FOメモリであり、上記SCSIコントローラ5から送
られるデータを、制御回路10が発生する制御信号に従
って、順次書き込み、あるいは、読み出す。さらに、I
/F回路14は、制御回路10から送られるVTR用コ
マンドと、第二メモリ8から出力されるMPEGデータ
とを、IEEE1394規格に従って合成し、シリアル
データとしてVTR9に送る。そして、VTR9は、こ
のシリアルデータをコマンドとデータに分離し、この分
離したコマンドに従って、分離したデータを磁気テープ
上に記録する。以上のように、上記した監視映像データ
記録再生装置では、ビデオカメラから映像データは第1
メモリ4、HDD7、第二メモリ8を経由してVTR9
内の磁気テープに記録される。
【0023】次に、上記の圧縮符号化・復号化回路3に
ついて説明する。図2は、圧縮符号化・復号化回路3の
構成例を示す回路ブロック図であり、この図中の符号2
1はビデオデコーダ回路を、符号22は画面並び変え回
路を、符号23は減算回路を、符号24、34はスイッ
チを、符号25はDCT(Discrete Cosi
ne Transfer)変換回路を、符号26は量子
化回路を、符号27は可変長符号化回路を、符号28、
35はデータバッファを、符号29、37は逆量子化回
路を、符号30、38は逆DCT変換回路を、符号3
1、39は加算回路を、符号32、41は画像メモリ
を、符号33は動き補償予測回路を、符号36は可変長
復号化回路を、符号40は動き補償回路を、符号42は
ビデオエンコーダ回路を、符号43はフリーズ制御回路
を、そして、符号44はスイッチを示している。
【0024】かかる構成の圧縮符号化・復号化回路3に
おいて、記録時には、上記A/Dコンバータ12でディ
ジタル化された映像信号は、まず、ビデオデコーダ回路
21で、符号化に合わせた画素数の輝度信号と色差信号
とに変換される。なお、MPEGのB(Bidirec
tionally predictive−code
d)ピクチャでは、時間的に前後した画面を用いて符号
化を行うため、画面並び変え回路22において、I(I
ntra−coded)、B、P(Predictiv
e−coded)の各々のピクチャタイプに合わせて、
画面の並べ替えが行われる。また、スイッチ24におい
て、フレーム内符号化とフレーム間符号化に対応して、
入力画像データと差分データとが選択される。さらに、
選択された画像データは、DCT変換回路25におい
て、8画素×8ラインのブロック単位で空間周波数領域
に変換され、量子化回路26では、量子化マトリクスと
の演算により量子化される。この量子化されたデータ
は、可変長符号化回路27において、動き補償予測回路
33からの動きベクトルや符号化モード情報と共に可変
長符号化され、さらに、バッファ28で蓄積され、MP
EGビットストリームとして出力される。
【0025】また、バッファ28は、バッファ内に蓄積
されたデータ量情報を制御回路10に出力することによ
り、バッファのオーバフローやアンダフローが生じない
ようにする。一方、量子化されたデータは、逆量子化回
路29及び逆DCT変換回路30により局部復号化が行
われ、画像メモリ32に記憶される。また、スイッチ3
4はフレーム内復号化とフレーム間復号化に応じて切り
替えられる。さらに、復号化動き補償予測回路33は、
画像メモリ32からの画像データと入力画像データを基
に、符号化モードの決定や動きベクトルの検出を行うと
共に、フレーム間符号化、フレーム間復号化に必要な参
照画面データを発生させ、出力する。
【0026】これに対し、再生時には、上述した記録時
の処理とは逆の処理により、復号化を行う。すなわち、
第一メモリ4からのビットストリームは、まず、バッフ
ァ35に蓄積され、可変長復号化回路36で符号化モー
ド、動きベクトル等のパラメータが分離され、そして、
逆量子化回路37、逆DCT回路38で画像データに戻
される。また、動き補償予測モードの場合には、画像メ
モリ41、動き補償回路40、加算回路39により動き
補償予測されたブロックデータが加算され、ビデオエン
コーダ回路42においてコンポジット信号が生成され、
出力される。なお、スイッチ44は、通常、a側を選択
している。しかしながら、外部からフリーズが指示され
ると、フリーズ制御回路43は、圧縮復号化に要する時
間を補正したタイミングで、画像メモリ41の書き込み
動作を停止させる。同時に、上記スイッチ44をb側に
倒して、画像メモリ41が読み出したデータがビデオエ
ンコーダ42に入力されるようにする。これにより、フ
リーズ画像を出力することができる。
【0027】次に、上記の図1に示したVTR9の詳細
について、以下の表1と図3により説明する。
【0028】このVTR9は、VHSの機構系を基本と
してディジタル信号を記録再生できるようにした、いわ
ゆる、D−VHS規格のVTRである。なお、このD−
VHSのスタンダードモードの規格の概要を下記表1に
示す。
【0029】
【表1】
【0030】すなわち、このD−VHSのテープスピー
ド(トラック構成の項を参照)は、VHSの標準(S
P)モードの半分になっており、標準テープ使用時に
は、14.1Mbps(bit per secon
d)のメイン(映像、音声)データを5時間記録できる
ようになっている。
【0031】また、図3に示すVTR9の構成例のブロ
ック図において、図中の符号71はIEEE1394デ
ィジタルインタフェース回路(以下、I/F回路と省略
する)であり、符号72は誤り訂正符号器、符号73は
変調回路、符号74は制御回路、符号75はサーボ回
路、符号76は誤り訂正復号器、符号77は復調回路、
符号78は波形等価・識別回路、符号79は磁気テー
プ、符号80は回転シリンダ、符号81、82は磁気ヘ
ッド、そして、符号83はキャプスタンである。
【0032】このVTR9の構成では、記録時におい
て、記録モードを示すコマンドと記録すべきデータが、
HDD7側のI/F回路14からVTR9側のI/F回
路71に入力される。そこで、このI/F回路71はこ
れらコマンドとデータを分離し、コマンドを制御回路7
4に、データを誤り訂正符号器72に送る。一方、制御
回路74は、入力される「記録」、「再生」等のコマン
ドに従い、VTR9がそれらの動作をするために必要な
制御信号を各部に送る。すなわち、誤り訂正符号器72
は、上記表1に示したように、6トラック単位でシャッ
フリングを行い、RS(リードソロモン)符号化を行
う。その後、記録データは変調回路73においてSI−
NRZI変調され、回転シリンダ80に取り付けられた
磁気ヘッド81、82を介して磁気テープ79上に記録
される。また、サーボ回路75は、回転シリンダ80及
びキャプスタン83の回転速度や位相を制御することに
より、規格に合ったトラックが磁気テープ79上に形成
されるようにする。
【0033】これに対して、I/F回路71を介して
「再生」のコマンドが入力されると、制御回路74は再
生動作に必要な制御信号を各部に送る。この再生時にお
いては、磁気テープ79上のデータは磁気ヘッド81、
82で再生され、波形等化・識別回路78に入力され
る。この波形等化・識別回路78は、磁気記録再生によ
る微分特性を補償する積分等化を行った後、スレショー
ルドレベルとの比較により「1」、「0」の判定を行
う。また、復調回路77は変調回路73と逆の処理を行
う。さらに、誤り訂正復号器76は記録再生で生じた誤
りを訂正し、デシャッフリングによりデータ順序を元に
戻す。そして、誤り訂正復号器76からのデータはI/
F回路71を介して出力される。
【0034】なお、上記の制御回路74はI/F回路7
1を介して「停止」コマンドを受け取ったら、サーボ回
路75に制御信号を送り、回転シリンダ80とキャプス
タン83の回転を停止させると共に、磁気テープ79を
アンローディング(磁気テープ79と回転シリンダ80
が接触しない状態)する。
【0035】次に、図4を用いて、上記の制御回路10
の動作、特に、記録時の動作について説明する。なお、
この図4は記録時における制御回路10の構成例を示す
回路ブロック図であり、この図において、符号51は第
一メモリ書き込み制御回路を、符号52は第1メモリ読
み出し制御回路を、符号53は第1メモリデータ量監視
回路を、符号54はHDD記録制御回路を、符号55は
モード決定回路を、符号56はHDD再生制御回路を、
符号57はハードディスク内データ量監視回路を、符号
58は第2メモリ書き込み制御回路を、符号59は第2
メモリ読み出し制御回路を、そして、符号60は第2メ
モリ内データ量監視回路を示している。
【0036】このような構成の制御回路10では、記録
時において、第1メモリ書き込み制御回路51は、第1
メモリ4に制御信号を送り、これにより書き込み動作を
させる。この時、第1メモリ書き込み制御回路51は、
上記圧縮符号化・復号化回路3のバッファ28からのデ
ータ量情報に応じて第1メモリ4の平均書き込み周波数
を制御することにより、バッファ28のオーバフローや
アンダフローが生じないようにする。これは、例えば、
平均書き込み周波数よりも高い周波数で書き込みを行
い、これによりバッファ28内のデータ数がゼロに近づ
いたら書き込みを一時停止させる、という制御により実
現することができる。また、第1メモリ読み出し制御回
路52は、モード決定回路55からのモード信号に応じ
て、第1メモリ4に制御信号を送って読み出し動作をさ
せる。
【0037】また、上記制御回路10の第1メモリ内デ
ータ量監視回路53は、第1メモリ4に書き込んだビッ
トストリームの累積データ量と、それから読み出した累
積データ量との差を監視するカウンタ回路を内蔵してお
り、そのカウント値に応じたMRR1(Memory
1 Read Request)信号を発生し、これを
モード決定回路55へ送る。このMRR1信号は、第1
メモリ4のオーバフローを防ぐための信号であり、例え
ば、上記カウント値が第一の所定量(例えば、15.5
Mbitとする)に達するまではロウレベルに、それ以
上になったら、ハイレベルにし、以後、上記カウント値
がゼロに近い値(例えば、0.5Mbitとする)以下
になるまでそのハイレベルを保持する。
【0038】上記制御回路10のHDD記録制御回路5
4、HDD再生制御回路56は、それぞれ、モード決定
回路55からのコマンドに応じて、上記HDD7の記録
及び再生に必要な制御信号を発生し、SCSIコントロ
ーラ5へ送る。すなわち、HDD記録制御回路54は、
書き込みアドレスをゼロから順次増加させ、最大値に達
したら再びゼロに戻るように制御する。また、HDD再
生制御回路56も、上記と同様に、書き込みアドレスの
後を追うように制御する。その結果、ハードディスク
(HDD)7は巡回的にデータを記録再生する手段、す
なわち、FIFO(First In First O
ut)として動作する。なお、記録時におけるハードデ
ィスク内データ量監視回路57は、上記ハードディスク
(HDD)7に記録したデータの累積データ量と、上記
ハードディスク(HDD)7から再生したデータの累積
データ量との差を監視するカウンタ手段を内蔵してお
り、このカウンタ手段のカウント値に応じたHRR(H
ard Disc ReadRequest)信号を発
生し、これをモード決定回路55に送る。すなわち、こ
のHRR信号はHDD7のオーバフローを防止する信号
で、例えば、上記カウント値が第二の所定量(例えば、
1GB(ギガバイト)とする)に達するまではロウレベ
ルとし、それ以上になったらハイレベルとし、それ以後
は、上記カウント値がゼロに近い値(例えば、0.5M
bitとする)以下になるまでハイレベルを保持する。
【0039】さらに、第2メモリ書き込み制御回路5
8、第2メモリ読み出し制御回路59は、それぞれ、モ
ード決定回路55からのコマンドに応じて、第2メモリ
8の書き込み、読み出しに必要な制御信号を発生し、こ
の制御信号を第2メモリ8へ送る。一方、第2メモリ内
データ量監視回路60は、上記第2メモリ8に書き込ん
だビットストリームの累積データ量と、それから読み出
した累積データ量との差を監視するカウンタ回路を内蔵
しており、そのカウント値に応じたMWR2(Memo
ry 2 Write Request)信号及びMR
R2(Memory 2 Read Request)
信号を発生し、これらの信号をモード決定回路55へ送
る。なお、ここで、このMWR2信号は、第2メモリ8
内のデータ量が少なくなってきた時に第2メモリ8への
データ入力を要求する信号で、例えば、上記カウント値
が第2メモリ8のメモリ容量(例えば、16Mbit)
の1/4(4Mbit)以下になったらハイレベルに
し、それ以後、上記カウント値が第2メモリのメモリ容
量(16Mbit)の3/4(12Mbit)以上にな
るまでこのハイレベルを保持し、そして、3/4以上に
なったら再びロウレベルにする。また、MRR2信号
は、第2メモリ8から一定のデータレートでデータを読
み出すことが可能なだけ十分なデータ量が書き込まれた
ことを示す信号であり、例えば、上記カウント値が第2
メモリ8のメモリ容量(16Mbit)の1/2以上に
なったらハイレベルになり、それ以後、上記カウント値
がゼロなるまでこのハイレベルを保持し、そして、上記
カウント値がゼロになったらロウレベルにする。
【0040】また、上記制御回路10のモード決定回路
55は、上記したMRR1信号、HRR信号、MWR2
信号、MRR2信号に応じて動作モードを決定し、上記
の第1メモリ読み出し制御回路52、HDD記録制御回
路54、HDD再生制御回路56、第2メモリ読み出し
制御回路59及びI/F回路14が、その決定したモー
ドに合った動作をするようにコマンドを送る。なお、こ
れら入力信号と出力コマンド及びモード切替との関係を
下記の表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】なお、この表2中、「−」は「Don′t
Care(その信号に依存しない)」を示す。
【0043】また、コマンド出力が「停止」の時、モー
ド決定回路55は、上記各部に「停止」コマンドを送
る。その結果、第1メモリ4の読み出し動作、HDD7
の記録再生動作、第二メモリ8の書き込み・読み出し動
作、及び、VTR9の記録動作が停止する。
【0044】コマンド出力が「HDD記録」の時には、
モード決定回路55は、第1メモリ読み出し制御回路5
2とHDD記録制御回路54とに該当コマンドを送って
動作させる。その結果、第1メモリ4内のデータが読み
出され、そのデータがSCSIコントローラ5を経由し
てHDD7内のハードディスクに記録される。
【0045】コマンド出力が「HDD再生」の時には、
モード決定回路55は、HDD再生制御回路56と第2
メモリ書き込み制御回路58に該当コマンドを送って動
作させる。その結果、ハードディスク(HDD)7内の
データが再生され、そのデータがSCSIコントローラ
5を経由して第2メモリ8に書き込まれる。
【0046】さらに、コマンド出力が「VTR記録」の
時には、モード決定回路55は、第2メモリ読み出し制
御回路59とI/F回路14とに該当コマンドを送って
動作させる。その結果、第2メモリ8からデータが読み
出され、そのデータがI/F回路14を経由してVTR
9内の磁気テープに記録される。
【0047】次に、上記に各構成部品の詳細を説明した
監視映像データの記録再生装置による映像の長時間記録
動作(すなわち、上記時間軸圧縮回路100による映像
データの時間軸上での圧縮動作)について、図5のタイ
ミングチャートを参照しながら、順を追って説明する。
【0048】まず、この装置による記録動作の開始後、
第1メモリ4の書き込みは、ほぼ連続的に行われる(但
し、この図では、この「第1メモリ書込み」信号の波形
が繁雑になるのを防ぐため、前述した一時書き込み停止
期間は示してない)。
【0049】その後、時間T1が経過すると、第1メモ
リ4内のデータ量が第一の所定量(15.5Mbit)
に達し、第1メモリ4からのデータ読み出しを要求する
MRR1信号がハイレベルになる。これにより、その後
の時間T2の期間だけ、第1メモリ4の読み出し動作と
HDD7の記録動作が行われる。すなわち、この第1メ
モリ内4のデータ量が0.5Mbitになるまで、換言
すれば、この第1メモリ4内の約15Mbit分のデー
タが、ハードディスク(HDD)7に記録される。以後
も同様に、第1メモリ4の読み出し動作とHDD7の記
録動作が断続的に行われる。
【0050】なお、実際の動作のイメージをつかむた
め、T1、T2の概略の時間を計算する。
【0051】ここで、上記の圧縮符号化・復号化回路3
が出力するビットストリームの平均データレートをR1
(例えばR1=1.5Mbps)とすると、第1メモリ
4内のデータ量が、ゼロ(0)から第一の所定量D1
(D1=15.5Mbit)に達するまでの時間T1
は、以下のようになる。
【0052】T1=D1/R1=15.5Mbit/
1.5Mbps=10.3秒 一方、HDD7の平均記録再生データレートをR2(例
えば、R2=30Mbps)とすると、上記第一の所定
量D1から0.5Mbitを差し引いたデータ量(D1
(=15.5Mbit)−0.5Mbit=15Mbi
t)を記録する時間T2は、以下のようになる。
【0053】T2=(D1−0.5)/(R2−R1)
=15Mbit/(30−1.5)Mbps≒0.5秒 従って、上記の動作モード、すなわち、第一動作モード
においては、HDD7は、装置が動作を開始した後、約
10秒間停止した後、約0.5秒間だけ記録するという
動作を繰り返すこととなる。
【0054】このように、上記第1メモリ4からHDD
7へのデータ書込み動作を繰り返した後、このハードデ
ィスク(HDD)7内へ記録されるデータ量は増加し、
第二の所定量(例えば、1GB(byte))に達する
と、HDD7のデータ読み出しを要求するHRR信号
(図4のハードディスク内データ監視回路57を参照)
がハイレベルになり、これ以後、第二動作モードとな
る。なお、この第二動作モード開始時においては、第2
メモリ8内のデータ量は最初はゼロ(0)なので、第2
メモリに読み込みを要求するMWR2信号(図4の第2
メモリ内データ量監視回路60を参照)はハイレベルに
なっている。従って、HDD7の再生動作と第2メモリ
8の書き込み動作が行われ、これにより、ハードディス
ク(HDD)7内のデータがSCSIコントローラ5を
経由して第2メモリ8に書き込まれる。なお、ここで、
上記HDD7の平均再生データレートは、前記記録時と
同じ30Mbpsとする。
【0055】このHDD7からのデータの書き込みによ
り第2メモリ8内のデータ量は増加し、その後、この第
2メモリ8内のデータ量が8Mbitに達すると、第2
メモリの読み出しを要求するMRR2信号がハイレベル
になり、これにより第2メモリ8の読み出し動作とVT
R9の記録動作が開始する。なお、この第2メモリ8の
読み出しデータレートは、上記D−VHS VTR9の
入力データレートと等しい14.1Mbpsに設定され
ており、この一定レートのデータは、上記第2メモリ8
からI/F回路14を経由してVTR9内の磁気テープ
79上に記録される。なお、この時のVTR9は、磁気
テープ79を一定速度(16.67mm/sec)で連
続送りする、通常の記録モードで動作させる。
【0056】また、上記第2メモリ8内のデータ量が1
2Mbitにまで達すると、上記第2メモリの書き込み
を要求するMWR2信号がロウレベルになり、HDD7
の再生動作と第2メモリ8の書き込み動作が停止する。
しかし、この期間中においても、上記第2メモリ8の読
み出し動作とVTR9の記録動作は上記と変わらずに続
いており、従って、この第2メモリ8内のデータ量は減
少し始める。
【0057】その後、この第2メモリ8内のデータ量が
8Mbitまで減少すると、第2メモリの書き込みを要
求するMWR2信号は、再び、ハイレベルに戻り、これ
により、HDD7の再生動作と第2メモリ8の書き込み
動作が再開され、この第2メモリ8内のデータ量は再び
増加し始める。ただし、図の波形(特に、HDD再生信
号を参照)からも明らかなように、HDD7の記録動作
とその再生動作は、時分割で行われるように制御されて
いる。
【0058】以後、同様の動作が繰り返し行われ、HD
D7内のデータ量は減少していく。そして、このHDD
7内のデータ量が0.5Mbit以下になると、HDD
の読み出しを要求するHRR信号はロウレベルになる。
しかしながら、その後も、上記第2メモリ8内に残って
いるデータを読み終えるまでは、第2メモリ8の読み出
し動作とVTR9の記録動作は継続させる。そして、第
2メモリ8内のデータ量がゼロ(0)になった時点で、
上記MWR2信号がハイレベルに、また、MRR2信号
がロウレベルになり、上記第二動作モードを終了する。
すなわち、その後は再び第一動作モードとなる。
【0059】このように、本発明になる監視映像データ
記録再生装置では、その記録時にはデータの時間軸上で
の圧縮が行われ、以上のように第一動作モードと第二動
作モードが繰り返され、この動作は、操作部11から
「停止」の指令を受け取るか、あるいは、データを記録
する磁気テープ79が終端部に達するまで継続して行わ
れることとなる。
【0060】次に、本発明になる監視映像データ記録再
生装置による映像記録時間と、時間軸圧縮動作により短
縮されるVTRの記録動作時間について説明する。
【0061】ここで、1本の磁気テープの容量をD3
(上記表1から、標準テープではD3=31.7GB)
とすると、本装置により記録可能な記録時間T3は、以
下のように表わされる。
【0062】T3=D3/R1=31.7GB/1.5
Mbps=(31.7×8×1000)Mbit/1.
5Mbps≒169067秒≒2818分≒47時間 すなわち、1本の磁気テープにより約47時間の記録が
可能になる。
【0063】しかしながら、VTR9が記録動作をする
時間の合計T4は、磁気テープ容量(D3)を上記表1
ののメインデータ入力レート(R3)で割ったものにな
るので、以下のようになる。
【0064】T4=D3/R3=31.7GB/14.
1Mbps=(31.7×8×1000)Mbit/1
4.1Mbps≒17986秒≒300分=5時間 すなわち、約5時間となる。
【0065】また、上記記録再生装置の記録時における
第一動作モードと第二動作モードとの周期(第一動作モ
ード:τ1,第二動作モード:τ2)は、以下のように
なる。
【0066】まず、第一動作モードの期間τ1は、圧縮
符号化・復号化回路3から出力される画像データ(ビッ
トストリームの平均データレート=1.5Mbps)が
HDD7内に記憶され、そのデータ量がその最小値0.
5Mbitから第二の所定量(例えば、1GB(b
y))にまで達する時間であるから、以下のように求め
られる。
【0067】τ1=(1GB−0.5Mbit)/R1
=(8×1000−0.5)Mbit/1.5Mbps
=5333秒≒89分=1時間29分 一方、第二動作モードの期間τ2は、第二の所定値に達
したHDD7内のデータが、VTR9の磁気テープ79
上に記録され(入力データレート=14.1Mbp
s)、その後、最小値0.5Mbitになるまで(1G
B−0.5Mbit)の時間であるから、以下のように
求められる。
【0068】τ2=(1GB−0.5Mbit)/R2
=(8×1000−0.5)Mbit/14.1Mbp
s≒567秒≒9分27秒 このことから、すなわち、上記記録再生装置では、D−
VHS規格のVTR9は、上述の時間軸圧縮回路100
による映像データの時間軸上での圧縮動作により、標準
磁気テープ(=31.7GB(byte))上に、約1
時間半停止した後(第一動作モード)、約10分だけ記
録動作(第二動作モード)することを繰り返しながら、
約47時間分の映像を約5時間の記録動作で記録するこ
とが可能になり(言い換えれば、磁気テープ79とヘッ
ド81、82、及び、磁気テープ79と回転シリンダ8
0が動きながら接触している時間は、従来のタイムラプ
スVTRの5/47となることを意味する)、この動作
条件は、通常の家庭用VTRの使用条件に比較しても決
して厳しいものではない。そのため、このVTR9とし
ては、一般家庭用のD−VHS規格のVTRを、特別な
対策を施すことなく、そのまま使用することが可能であ
り、かつ、使用される磁気テープも、長時間に渡ってロ
ーディングされたままで連続的にキャプスタンや記録ヘ
ッドと接触することもないことから、テープの損傷も少
なくなる。すなわち、本発明によれば、画像データを磁
気テープ上に記録するD−VHS規格のVTR9は、監
視用のための特殊な使用条件である長期間に渡る連続的
な記録動作が不要となることから、家庭用の比較的安価
なVTRを使用することが可能となり、また、故障する
確率も低く、さらに、使用する磁気テープの損傷や磨耗
もあまりなくなる。ところで、本実施の形態におけるV
TR9では、停止時にテープがアンローディングされる
としたが、停止時に回転シリンダを停止させ、テープの
張力を若干弱めるだけにしても良い。このようにして
も、停止中はテープと回転シリンダ及び磁気ヘッドとの
摩擦はほとんどなくなるので、上述の効果と同様の効果
が得られる。
【0069】なお、上記の本発明になる監視映像データ
記録再生装置全体の再生時の動作について説明すると、
この再生時においては、VTR9は磁気テープを通常の
連続送り速度(16.67mm/sec)で送り、映像
データを再生する。従って、VTR9の出力データレー
トは14.1Mbpsである。また、この再生時のデー
タの流れは、上記の記録時の逆であり、VTR9で再生
されたデータはI/F14、第二メモリ8、SCSIコ
ントローラ、HDD7、及び、第一メモリ4を経由して
圧縮符号化復号化回路3に送られ、MPEG復号された
後、D/Aコンバータ13でアナログ信号に戻されて端
子2から出力される。
【0070】また、この再生時においても、上記の記録
時と同様に、各メモリやバッファ、あるいはハードディ
スクがオーバフローやアンダフローしないように制御さ
れる。また、再生時において上記圧縮符号化・復号化回
路3に入力されるデータの転送レートは、記録時と同じ
1.5Mbpsであるので、VTR9は、ハードディス
ク内に所定量のデータが記録される間だけ通常再生動作
をし、それ以外の期間は停止している。しかしながら、
このVTR停止期間においても、ハードディスク内のデ
ータが読み出されて圧縮符号化復号化回路3に送られる
ので、出力映像が途切れることはない。なお、この再生
時の制御方法は、やはり、上記記録時と類似しているの
で、詳細な動作タイミングの説明は省略する。従って、
この場合においても、標準の磁気テープ1本分に記録可
能な47時間分の映像を再生するために、VTR9が再
生動作をする時間は約5時間だけということになる。
【0071】次に、本発明第二の実施の形態になる監視
映像データの記録再生装置について説明する。
【0072】なお、この第二の実施例においては、さら
に、入力映像の時間軸を間引きして、より小さいデータ
レートの映像データを記録することにより、映像の超長
時間の連続記録を達成しようとするものである。
【0073】まず、図6は、上記時間軸の間引きを実現
するための圧縮符号化・復号化回路(図1の符号3及び
図2を参照)の回路ブロック図であり、この圧縮符号化
・復号化回路は、上記図2に示した圧縮符号化・復号化
回路3とは、間引き回路45が追加されていること、そ
して、圧縮符号化メイン処理部(破線で囲まれた部分)
の動作速度を上記間引き回路45からのモード信号に応
じて可変にしたところにおいて異なっている。なお、こ
の間引き回路45は、デコーダ21からの映像データを
1フレーム期間分、メモリに書き込み、1/k(kは2
以上の自然数)の読み出し速度でkフレーム期間、読み
出す。
【0074】図7には、上記k=3の場合の間引き回路
45の入出力タイミングを示す。この場合、圧縮符号化
メイン処理部の動作速度を1/3にする。これにより、
入力信号の時間軸を1/3に間引きして圧縮符号化した
ビットストリームが、間引きをしない場合の1/3のデ
ータレート(量子化等の他の条件が第一の実施例と同じ
であるとすれば、0.5Mbps)でバッファ28から
出力されることとなる。そして、この場合、磁気テープ
1本に記録できるデータ量は、上記の47時間の3倍で
ある、141時間分となる。
【0075】このように、上記第二の実施例によれば、
量子化等、他の条件が第一の実施例と同じであるとすれ
ば、圧縮符号化回路3からのデータレートは1/kにな
るので、標準の磁気テープ1本で記録可能な監視時間は
k倍(47・k時間)になるが、しかしながら、VTR
9が記録動作をする時間は、上記第一の実施の形態と同
様に、すなわち、同じ計算式により、5時間となる。ま
た、その動作は、1.5・k時間停止した後(第一動作
モード)、約10分だけ記録動作(第二動作モード)す
ることを繰り返す。従って、VTR9内の磁気テープ7
9、ヘッド81、82及び回転シリンダ80の磨耗、損
傷やモータ、ベルト等の劣化は、第一の実施の形態(監
視記録時間を同じにした場合)のさらに1/kに抑えら
れるという効果がある。
【0076】次に、本発明の第三の実施の形態について
説明する。図8は、この本発明第三の実施の形態になる
監視映像データの記録再生装置を示すブロック図であ
り、図中の符号15は第二のSCSIコントローラ(S
CSIコントローラ2)を、16は第二のハードディス
ク装置を、17は制御回路を示しており、その他の図1
と同じ符号が付された構成は上記図1におけると同様で
ある。また、上記の構成において、第1メモリ4の出力
データは、第一のハードディスク装置7(以後、HDD
1と省略する)と第二のハードディスク装置16(以
後、HDD2と省略する)に交互に記録される。また、
HDD1とHDD2で交互に再生したデータは、第2メ
モリ8に書き込む。なお、この第三の実施の形態でも、
上記第一の実施の形態と同様に、いずれの場合もハード
ディスクへのデータの記録再生はSCSIコントローラ
5または15を経由して行われる。
【0077】以上にその構成を述べた図8の装置の制御
回路17の、特に、記録時における回路ブロックが、図
9に示される。この図において、符号63はHDD2記
録制御回路を、64はHDD1再生制御回路を、65は
HDD2再生制御回路を、66はHDD1内データ量監
視回路を、67はHDD2内データ量監視回路を、6
8、69はスイッチを、70はモード決定回路を示して
おり、さらに、その他図6と同じ符号が付された構成は
上記図4におけると同様である。
【0078】この制御回路17の記録時の動作について
説明すると、まず、HDD記録制御回路62、63は、
上記図6のHDD記録制御回路54と同様の動作をす
る。また、HDD再生制御回路64、65も、上記図6
のHDD再生制御回路56と同様の動作をする。さら
に、HDD1内データ量監視回路66も、上記図4のハ
ードディスク内データ量監視回路57と同様の動作を
し、すなわち、HRR1(Hard Disc 1 R
ead Request)信号を発生し、この信号をモ
ード決定回路70に送る。また、HDD2内データ量監
視回路67も、上記図4のハードディスク内データ量監
視回路57と同様の動作をし、HRR2(Hard D
isc 2 Read Request)信号を発生し
てモード決定回路70に送る。
【0079】そして、モード決定回路70は、入力され
るMRR1信号、HRR1信号、HRR2信号、MWR
2信号及びMRR2信号に応じて、各部にコマンドを出
力すると共に、スイッチ68、69を制御する。以下の
表3に、これら入力信号と出力コマンド及びスイッチ制
御との関係を示す。
【0080】
【表3】
【0081】すなわち、「HDD記録」のコマンドはス
イッチ68を経由してHDD1記録制御回路62、また
は、HDD2記録制御回路63に送られる。「HDD再
生」のコマンドは、スイッチ69を経由してHDD1再
生制御回路64、またはHDD2再生制御回路65に送
られる。
【0082】以下、上記にその構成を説明した監視映像
データの記録再生装置の、特に、記録時の動作につい
て、図10のタイミングチャートを参照しながら、しか
も、主に上記第一の実施の形態と異なる動作を中心にし
て説明する。
【0083】まず、記録開始時は、第一の動作モード
(図中では第1モード)で動作する。なお、この時、モ
ード決定回路70からの制御信号により、スイッチ68
はHDD1側を、スイッチ69はHDD2側を選択す
る。したがって、この第一の動作モードにおける動作
は、上記第一の実施の形態の第一動作モードと同じであ
る。そして、ハードディスク1内のデータ量が増加して
HRR1信号がハイになると、第二動作モード(第2モ
ード)となる。
【0084】この第二動作モードになったら、モード決
定回路70はスイッチ68をHDD2側にする。その結
果、第二の動作モードにおいては「HDD記録」コマン
ドはHDD2に入力される。したがって、第一メモリ4
から読み出されたデータは第二のハードディスク(HD
D2)に記録される。一方、スイッチ69はHDD1側
に切り替えられる。その結果、この第二の動作モードに
おいては、「HDD再生」コマンドはHDD1に入力さ
れる。したがって、HDD1で再生されたデータが第2
メモリ8に書き込まれる。すなわち、この第三の実施の
形態では、上述の第一の実施例とは異なり、HDD1の
再生動作は、常に、MWR2信号に応じて行われ、MR
R1信号によってHDD1記録動作が割り込むことはな
い。この再生動作によりHDD1内のデータ量が少なく
なり、例えば0.5Mbit以下になると、HRR1が
ロウレベルになる。その後、さらに、第2メモリ8内の
データ量がゼロになると、MRR2信号がロウレベルに
なり、その結果、動作は第三動作モード(第3モード)
に移行する。
【0085】この第三動作モードにおけるスイッチ6
8、69の設定は上記第二動作モードと同じである。し
たがって、第一メモリ4から読み出されたデータは第二
のハードディスク(HDD2)に記録され、このHDD
2の再生動作は行われない。そのため、HDD2内のデ
ータ量が増加し、HRR2信号がハイレベルになった
ら、第四動作モード(第4モード)になる。
【0086】この第四動作モードにおけるスイッチ6
8、69の設定は上記第一動作モードと同じである。ま
た、第四動作モードにおける動作は、第二動作モードに
おけるHDD1とHDD2の記録と再生が互いに入れ代
わった動作となる。すなわち、HDD2内のデータ量が
少なくなり、HRR2信号がロウレベルになり、その
後、第2メモリ8内データ量がゼロになってMRR2信
号がロウレベルになったら、上記第一動作モードに戻
る。
【0087】以上に述べた本発明の第三の実施の形態に
なる監視映像データの記録再生装置によれば、ハードデ
ィスク装置7または16の再生動作は、MRR1信号に
よる割り込みを受けることない。すなわち、記録と再生
を時分割で行わない。そのため、記録または再生のデー
タレートの比較的小さいハードディスク装置を使用する
ことが可能になるという効果がある。すなわち、圧縮符
号化・復号化回路3の出力データレートが1.5Mbp
sならば、記録データレートは1.5Mbps以上あれ
ばよい。また、VTR9の入力データレートが14.1
Mbpsならば、再生データレートは14.1Mbps
以上あればよい。また、磁気テープ79、ヘッド81、
82、その他メカ部分の磨耗や劣化が少ないという効果
は、上記第一の実施の形態と同様である。
【0088】さらに、本発明の他の実施の形態について
説明する。添付の図11は、本発明の第四の実施の形態
になる監視映像データの記録再生装置の回路ブロック図
であり、図中の符号18はデータ順序入替え回路を、1
9は制御回路を、そしてその他の同符号で示される構成
部品は上記図1と同じである。
【0089】図12は、上記データ順序入替え回路18
の一構成例を示す回路ブロック図であり、図中の符号1
01はタイプ判別回路を、102、103、109、1
10はFIFOメモリを、104、111はメモリ制御
回路を、105は順序コード付加回路を、106、10
7はFIFOによるバッファを、108はコード判別回
路を、112、114はスイッチ回路を、押して、11
3は順序コード削除回路を示している。
【0090】上記データ順序入替え回路18の回路構成
において、記録時、タイプ判別回路101は、圧縮符号
化・復号化回路3からのMPEGビットストリームから
ピクチャ層開始の同期コード(Picture Sta
rt Code。以下、PSTと省略する。)と映像タ
イプコード(Picture Coding Typ
e。以下、PCTと省略する。)を検出し、映像タイプ
(Iピクチャ、Pピクチャ、または、Bピクチャ)を判
別し、それらの情報をメモリ制御回路104と順序コー
ド付加回路105に送る。順序コード付加回路105
は、各ピクチャに順序コードを付加する。この順序コー
ドは、MPEGビットストリームにおける各ピクチャ層
データの順序を示すもので、例えば、上記PST検出毎
にカウントアップするカウンタ回路で発生させる。メモ
リ制御回路104は、圧縮符号化・復号化回路3から出
力されるバッファ28内のデータ量の情報を制御回路1
9を通して受け取り、その情報に応じて(バッファ28
をオーバフロー、アンダフローさせないように)、メモ
リ102、103に書き込み動作をさせる制御信号を発
生させる。この時、タイプ判別回路101からの映像タ
イプ情報に応じて、Pピクチャ及びBピクチャのデータ
は、PBメモリ103に書き込むように制御する。それ
以外のデータ、すなわち、ビデオシーケンス層における
各種同期コードや画素数、ライン数等のデータ、及び、
Iピクチャは、Iメモリ102に書き込む。また、メモ
リ制御回路104は入力される映像タイプ情報を用いて
PピクチャとBピクチャのデータ量をカウントし、その
カウント値が所定の値(例えば磁気テープ上の600ト
ラック分)に達したら、カウント値をリセットし、それ
までの期間にIメモリ102に書き込んだデータを読み
出してスイッチ114を通してバッファ106に転送す
るように、制御信号を発生する。その後、上記同一期間
にPBメモリ103に書き込まれたデータを読み出して
スイッチ114を通してバッファ106に転送するよう
に、制御信号を発生する。
【0091】さらに、図13には、上記データ順序入替
え回路18の記録時のタイミングチャートを示す。この
チャートからも明らかなように、Iメモリ102、PB
メモリ103の書き込み・読み出し動作を上述したよう
に制御することにより、この図13の最下部に示すよう
な出力ビットストリームが得られる。すなわち、Iピク
チャデータ(ビデオシーケンス層における各種同期コー
ドや画素数、ライン数等のデータも含むもの)が先に出
力され、次に、600トラック分のP、Bピクチャデー
タが出力される。図には各々1回分(P、Bピクチャが
600トラック分)のデータ出力のみ示してあるが、実
際はこれが繰り返され、Iピクチャのみのビットストリ
ームとP、Bピクチャのビットストリームが交互に出力
される。
【0092】また、データ順序入替え回路18から出力
される図13のビットストリームは、第一の実施の形態
と同様に、第1メモリ4、SCSIコントローラ5、H
DD7、第2メモリ8、及び、I/F回路14を経由し
てVTR9に転送され、磁気テープ79上に記録され
る。したがって、磁気テープ79上のトラックパターン
としても、Iピクチャデータのみ記録された部分とP、
Bピクチャデータが記録された部分とが交互に存在する
ようになる。ここで、P、Bピクチャデータが記録され
た部分は600トラック分となる。
【0093】この第四の実施の形態になる監視映像デー
タの記録再生装置では、通常再生時、VTR9で再生さ
れたデータは、I/F回路14、第2メモリ8、SCS
Iコントローラ5、HDD7、及び、第1メモリ4を経
由して、データ順序入替え回路18に入力される。この
入力された再生データはバッファ107を通して順序コ
ード削除回路113及びコード判別回路108に入力さ
れる。コード判別回路108は、PCT(Pictur
e Coding Type)と記録時に順序コード付
加回路105で付加された順序コードを検出し、メモリ
制御回路111と順序コード削除回路113にその情報
を送る。この順序コード削除回路113は、コード判別
回路108からの順序コードのタイミング情報を用い
て、再生データから順序コードを取り除く。また、メモ
リ制御回路111は、コード判別回路108からの映像
タイプ(I、P、Bピクチャ)情報に従って、Iピクチ
ャデータはIメモリ109に、P、Bピクチャデータは
PBメモリ110に書き込むように制御信号を発生す
る。また、メモリ制御回路111は、コード判別回路1
08からの順序コードが示す順序に従って、Iメモリ1
09およびPBメモリ110からデータが読み出される
ように制御信号を発生する。この読み出されたデータは
スイッチ112を介して出力され、圧縮符号化・復号化
回路3に送られる。なお、通常再生時にはスイッチ11
2は読み出し動作をしているメモリ側が選択される。以
上のように、通常再生時には、記録時に入れ替えたデー
タ順序が元に戻され、通常のMPEGビットストリーム
が圧縮符号化・復号化回路3に送られる。また、圧縮符
号化・復号化回路3は、第一の実施例の場合と同様に通
常のMPEG復号化処理を行い、NTSC信号が再現さ
れる。
【0094】次に、この第四の実施の形態になる監視映
像データの記録再生装置の高速再生動作について説明す
る。操作部11から「高速再生」が指示されると、制御
回路19はI/F回路14を通してVTR9に「通常再
生」コマンドを送る。それに従って、VTR9は磁気テ
ープの再生を行う。再生データはI/F回路14を介し
て第二メモリに送られ、同時に、制御回路19にも送ら
れる。制御回路19は再生データの中からPCT(Pi
cture Coding Type)を検出し、再生
データの映像タイプを判別する。ここで、映像タイプが
Iタイプと判別される場合には「通常再生」を続けるよ
うにする。また、再生されたデータは、第2メモリ8、
SCSIコントローラ5、HDD7、第1メモリ4を経
由して、データ順序入替え回路18に入力される。デー
タ順序入替え回路18に入力された再生データは、通常
再生時と同様に、順序コード削除回路113で順序コー
ドが削除され、Iメモリ109に書き込まれる。このI
メモリ109からのデータの読み出しは、図14のタイ
ミングチャートに示すように、間欠的に行う。Iメモリ
109の読み出し動作をしていない期間は、メモリ制御
回路111がフリーズ信号を発生する。このフリーズ信
号は、制御回路19を通して圧縮復号化回路3に送られ
る。圧縮復号化回路3は、復号化に要する時間だけフリ
ーズ信号を遅延させ、画像メモリ41の書き込みを停止
させる。同時に、スイッチ44を画像メモリ41の出力
側に切り替える。この動作により、圧縮復号化した映像
とそれをフリーズした信号が交互に出力される。図14
のタイミング例では、1枚の復号映像に対して2回分フ
リーズさせている。また、この図14においては、符号
化するときのIピクチャの間隔が15フレームであると
仮定し、出力映像に番号をつけている。図にも示すよう
に、1番目の映像が3枚(フレーム)出力された後、1
6番目の映像が3枚、次に31番目の映像が3枚、とい
うように出力される。したがって、出力映像の平均変化
速度は15/3=5倍、すなわち、5倍速の映像が得ら
れる。
【0095】かかる通常再生を続けていくと、磁気テー
プはPピクチャとBピクチャが記録された領域になる。
そこで、制御回路19は、再生データの映像タイプがP
ピクチャまたはBピクチャと判定したら、「600トラ
ック分早送り」コマンドをI/F回路14を通してVT
R9に送る。VTR9は磁気テープのコントロールトラ
ックに記録されたCTL信号を再生し、CTLをカウン
トしながら磁気テープを早送りする。そして、CTLの
カウント値が600トラック分に達したら、I/F回路
14を通して「早送り終了」情報を制御回路19に送
る。制御回路19は、ハードディスク内のデータ量に応
じて、「通常再生」または「停止」のコマンドをI/F
回路14を通してVTR9に送る。すなわち、データ量
が少ない場合には「通常再生」とし、データ量が多くて
ハードディスクがオーバフローする可能性がある場合に
は「停止」とする。
【0096】以上のように、本発明の第四の実施の形態
によれば、Iピクチャのみを選択的に再生して出力する
ことができるので、再生映像を高速で見ることができ
る。しかも、このIピクチャを再生する時のVTR9の
動作モードは通常再生なので、ヘッド81、82のトレ
ース角度は磁気テープ79上の記録トラックパターンの
角度と一致しているので、S/N劣化等のない、完全な
映像が再生できる。なお、上記の例では、2枚分フリー
ズしているので5倍速の映像となっているが、1枚分だ
けをフリーズすれば10倍速、さらには、フリーズなし
なら15倍速等、速度を自在に選択することができる。
【0097】
【発明の効果】以上の詳細な説明からも明らかなよう
に、本発明になる監視映像データの記録再生装置及びそ
こで実施されている監視映像データの記録再生方法によ
れば、記録される映像データは、時間軸上の圧縮動作に
より、映像信号が連続的に発生している期間よりも短く
なることから、VTRにより記録媒体である磁気テープ
上に記録ヘッドを接触させながら回転して記録する記録
動作を、従来のタイムラプスVTRのように、記録動作
期間中、長期間に渡って、連続的に行うことなく、これ
を断続的に記録すれば足ることから、テープの超低速走
行や間欠送りのための機構を必要とせず、一般家庭用の
磁気テープ記録装置を利用して監視映像データの記録再
生装置を安価に構成することができ、また、監視用とし
て十分長期間の映像データ記録が可能であるにもかかわ
らず、磁気テープの劣化やヘッドの磨耗、あるいは、駆
動ベルト等の機構部分の劣化を大幅に抑制することが出
来る。しかも、上記に加え、入力映像の時間軸の間引き
を行った場合には、監視記録時間に対する第二の記録再
生装置の動作時間の割合がさらに小さくなり、上記の効
果はさらに大きくなる。
【0098】また、本発明の監視映像データの記録再生
装置によれば、VTRの記録・再生動作は、共に、通常
のテープ送り速度によって実行可能であるため、従来の
タイムラプスVTRに必要な高精度なテープ間欠送り制
御が不要であり、装置の製造コストを低く抑えることが
でき、磁気テープ上のトラック角度とヘッドのトレース
角度の不一致によるS/N劣化がなく、良好な再生画を
出力することができるという効果をも生じる。
【0099】さらに、上記本発明の一の監視映像データ
の記録再生装置によれば、mフレームの時間間隔のフレ
ーム内圧縮符号化された映像データのみが、nフレーム
分まとまって磁気テープ上に記録されるため、その部分
のみを通常再生し、それ以外の部分を早送りすることに
より、磁気テープ上のトラック角度とヘッドのトレース
角度の不一致によるS/N劣化のない、高速再生画を出
力することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一の実施の形態になる監視映像データ
の記録再生装置の構成を示すブロック図。
【図2】上記監視映像データの記録再生装置における圧
縮符号化・復号化回路の一回路構成例を示すブロック
図。
【図3】上記監視映像データの記録再生装置におけるV
TRの一回路構成例を示すブロック図。
【図4】上記監視映像データの記録再生装置における制
御回路の一回路構成例を示すブロック図。
【図5】上記図1に示した監視映像データの記録再生装
置、特に、その制御回路の動作を説明するタイミングチ
ャート。
【図6】本発明の第二の実施の形態になる監視映像デー
タの記録再生装置における圧縮符号化・復号化回路の一
回路構成例を示すブロック図。
【図7】上記図6の第二の実施の形態における間引き回
路の動作を示すタイミングチャート。
【図8】本発明の第三の実施の形態になる監視映像デー
タの記録再生装置の回路構成を示すブロック図。
【図9】上記第三の実施の形態になる監視映像データの
記録再生装置における制御回路の構成例を示す回路ブロ
ック図。
【図10】上記第三の実施の形態になる監視映像データ
の記録再生装置における制御回路の動作を示すタイミン
グチャート。
【図11】本発明の第四の実施の形態になる監視映像デ
ータの記録再生装置の回路構成を示すブロック図。
【図12】上記図11の記録再生装置におけるデータ順
序入れ替え回路の構成例を示す回路ブロック図。
【図13】上記図11の記録再生装置におけるデータ順
序入れ替え回路の動作を示すタイミングチャート。
【図14】上記図11の本発明の第四の実施の形態にな
る監視映像データの記録再生装置の動作を示すタイミン
グチャート。
【符号の説明】
1:映像入力端子、2:映像出力端子、3:圧縮符号化
・復号化回路、4,8:メモリ、5,15:SCSIコ
ントローラ、7,16:ハードディスク装置、9:VT
R、10,17:制御回路、11:操作部、12:A/
Dコンバータ、13:D/Aコンバータ、14:IEE
E1394インタフェース回路、18:データ順序入替
え回路、19:制御回路、21:ビデオデコーダ回路、
22:画面並べ変え回路、23:減算回路、24,3
4,44:スイッチ回路、25:DCT変換回路、2
6:量子化回路、27:可変長符号化回路、28,3
5:バッファ回路、29,37:逆量子化回路、30,
38:逆DCT変換回路、31,39:加算回路、3
2,41:画像メモリ、33:動き補償予測回路、3
6:可変長復号回路、40:動き補償回路、42:ビデ
オエンコーダ回路、43:フリーズ制御回路、45:間
引き回路、51:第一メモリ書き込み制御回路、52:
第一メモリ読み出し制御回路、53:第一メモリ内デー
タ量監視回路、54:HDD記録制御回路、55:モー
ド決定回路、56:HDD再生制御回路、57:ハード
ディスク内データ量監視回路、58:第二メモリ書き込
み制御回路、59:第二メモリ読み出し制御回路、6
0:第二メモリ内データ量監視回路、62:HDD1記
録制御回路、63:HDD2記録制御回路、64:HD
D1再生制御回路、65:HDD2再生制御回路、6
6:ハードディスク1内データ量監視回路、67:ハー
ドディスク2内データ量監視回路、68,69:スイッ
チ回路、70:モード決定回路、71:IEEE139
4インタフェース回路、72:誤り訂正符号器、73:
変調回路、74:制御回路、75:サーボ回路、76:
誤り訂正復号器、77:復調回路、78:波形等価・識
別回路、79:磁気テープ、80:回転シリンダ81,
82:回転磁気ヘッド、83:キャプスタン、100:
時間軸圧縮回路、101:映像タイプ判別回路、10
2,103,109,110:メモリ、104,11
1:メモリ制御回路、105:順序コード付加回路、1
06,107:バッファ回路、108:順序コード判別
回路、112:スイッチ回路、113:順序コード削除
回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西島 英男 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株 式会社 日立製作所 マルチメディアシ ステム開発本部内 (56)参考文献 特開 平8−7477(JP,A) 特開 平8−336120(JP,A) 特開 平6−78269(JP,A) 特開 平3−88486(JP,A) 特開 平9−326998(JP,A) 特開 平10−285543(JP,A) 特開 平9−224215(JP,A) 特開 平11−284987(JP,A) 国際公開96/33579(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/76 - 5/956 G11B 5/027,20/10

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長時間に渡って連続的に発生する映像
    ータを装置本体から挿抜可能な記録媒体上に記録再生
    るための映像データの記録再生方法であって、 続的に入力される映像データm個(mは2以上の整
    数)のフレーム毎にフレーム内圧縮符号化し、前記以外
    のフレームをフレーム間圧縮符号化したディジタル圧縮
    データとして第一のメモリに一時記憶し 前記第一のメモリから前記フレーム内圧縮符号化したデ
    ータと前記フレーム間圧縮符号化したデータとを分離し
    て、n個(nは2以上の整数)のフレームの連続したフ
    レーム内圧縮符号化したデータとそれ以外のフレーム間
    圧縮符号化したデータを交互に、前記第一のメモリへの
    入力データレートより高速な出力データレートで読み出
    し、該読み出したデータをハードディスク上に間欠的に
    記録し、 前記間欠記録期間の空き時間に前記出力データレートと
    実質的に等しいデータレートで前記ハードディスクから
    前記データを間欠的に再生し、該再生したデータを第二
    のメモリへ一時記憶し 前記第二のメモリから所定量を単位として連続的にデー
    タを読み出し装置本体から挿抜可能な記録媒体上に記録
    し、 前記挿抜可能な記録媒体からの再生時に、前記分離され
    たフレーム内圧縮符号化データとフレーム間圧縮符号化
    データの両方を用いて再生する通常再生モードと、前記
    フレーム内圧縮符号化データのみを用いて再生する特殊
    再生モードを有し、 前記映像データが連続的に入力される期間よりも、前記
    挿抜可能な記録媒体上に記録している期間の方が短くな
    っていることを特徴とする映像データの記録再生方法。
  2. 【請求項2】 求項1に記載した映像データの記録再
    生方法であって、 前記挿抜可能な記録媒体として、ディジタル記録方式の
    磁気テープを用いたことを特徴とする映像データの記録
    再生方法。
  3. 【請求項3】 求項1に記載した映像データの記録再
    生方法であって、 前記連続的に入力される映像データは、MPEG方式の
    データ圧縮処理を施されたディジタル映像データである
    ことを特徴とする映像データの記録再生方法。
  4. 【請求項4】 求項1に記載した映像データの記録再
    生方法であって、 前記連続的に入力される映像信号は、間引き手段によっ
    て毎秒当たりの映像枚数が制限されたディジタル映像デ
    ータであることを特徹とする映像データの記録再生方
    法。
  5. 【請求項5】 求項1に記載した映像データの記録再
    生方法であって、 前記ハードディスク上に記録したデータが所定のデータ
    量に達した時点毎に前記挿抜可能な記録媒体上に記録す
    ることを特徴とする映像データの記録再生方法。
  6. 【請求項6】 長期に渡って連続的に発生する映像デー
    タを装置本体から挿抜可能な記録媒体上に記録再生する
    映像データの記録再生装置であって、 連続的に入力される映像データをm個(mは2以上の整
    数)のフレーム毎にフレーム内圧縮符号化し、前記以外
    のフレームをフレーム間圧縮符号化したディジタル圧縮
    データとして 一時記憶する第一のメモリ手段と、 該第一のメモリ手段から前記フレーム内圧縮符号化した
    データと前記フレーム間圧縮符号化したデータとを分離
    して、n個(nは2以上の整数)のフレームの連続した
    フレーム内圧縮符号化したデータとそれ以外のフレーム
    間圧縮符号化したデータを交互に、前記第一のメモリへ
    入力データレートよりも高速な第一の転送レートで
    み出し、該読み出したデータをハードディスクに記録す
    るハードディスク記録再生手段と、 該ハードディスク記録再生手段から前記第一の転送レー
    トでデータを再生し、該再生したデータを一時記憶する
    第二のメモリ手段と、 該第二のメモリ手段から前記第一の転送レートより低速
    で前記入力データレートより高速な第二の転送レートで
    データを読み出し、装置本体から挿抜可能な記録媒体に
    記録する媒体記録再生手段と、 前記第一及び第二のメモリ手段のデータ書き込み及び読
    み出し動作と、前記ハードディスク及び挿抜可能な記録
    媒体の記録再生手段の記録再生動作を制御する制御手段
    とを有し、 入力映像データ記録時、前記第一のメモリ手段から前記
    第一の転送レートで実質的に所定のデータ量毎に繰り返
    しデータを読み出し、前記ハードディスク記録再生手段
    に記録する第一の記録動作モードと、 記第一のメモリ手段から前記第一の転送レートでデー
    タを読み出し、前記ハードディスク記録再生手段に間欠
    的に記録すると共に、前記ハードディスク記録再生手段
    から前記間欠記録期間の空き時間に時分割処理にて前記
    第一の転送レートでデータを再生し、前記第二のメモリ
    手段に書き込む第二の記録動作モードと、 前記挿抜可能な記録媒体からの再生時、前記分離された
    フレーム内圧縮符号化データと前記フレーム間圧縮符号
    化データの両方を用いて再生する通常再生モードと、前
    記フレーム内圧縮符号化データのみを用いて再生する特
    殊再生モードを備え、 連続する入力映像データ期間に対して、前記挿抜可能な
    記録媒体に記録再生手段で記録している期間の方が短く
    なっていることを特徴とする映像データの記録再生装
    置。
  7. 【請求項7】 求項6に記載した映像データの記録再
    生装置であって、 前記挿抜可能な記録媒体として、ディジタル記録方式の
    磁気テープを用いたことを特徴とする映像データの記録
    再生装置。
  8. 【請求項8】 求項6に記載した映像データの記録再
    生装置であって、 前記連続的に入力される映像データは、MPEG方式の
    データ圧縮処理を施されたディジタル映像データである
    ことを特徴とする映像データの記録再生鐘置。
  9. 【請求項9】 求項6に記載した映像データの記録再
    生装置であって、 前記連続的に入力される映像データは、間引き手段によ
    って毎秒当たりの映像枚数が制限されたディジタル映像
    データであることを特徴とする映像データの記録再生装
    置。
  10. 【請求項10】 求項に記載した映像データの記録
    再生装置であって、 前記ハードディスク上に記したデータが所定のデータ
    量に達した時点毎に前記挿抜可能な記録媒体上に記録す
    ることを特徴とする映像データの記録再生装置。
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