JP3340373B2 - プログラム可能な内部クロックを備える集積回路 - Google Patents

プログラム可能な内部クロックを備える集積回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路の製造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】多くの集積回路では、利用可能なクロッ
クを備えることが必要である。例えば、信号処理プロセ
ッサは、どのような場合でも、実施される処理動作の円
滑な逐次的動作のためのクロックを必要とする。クロッ
クは、集積回路の内部発振器によって生成されるか、ま
たは、クロック信号が集積回路の外部から、クロック信
号のために特に備えられた端子に印加される。外部のク
ロックを使用する場合には、集積回路のユーザがこのク
ロックを備えることが必要になり、これによって、間接
的だが、ユーザにとってクロックのコストが高くなる。
また、集積回路がクロック専用の端子を備えることが必
要になる。
【0003】発振器が集積回路上に作り込まている場合
は、所望の周波数を正確に得ることは困難である。実
際、使用した技術によって製造上のバラツキが生じるの
で、十分な精度で所与の周波数を得ることは不可能であ
る。同一製造ラインで製造された2つの同一発振器にお
けるそのままでの発振周波数のバラツキは、簡単に 100
%かそれ以上になる。これは、製造プロセスにドーピン
グ、高温での不純物拡散、薄膜絶縁体層の堆積等の段階
が含まれることを原因とする。1つの回路から次の回路
へとこれらの段階の再現性を完全に制御するのはあまり
容易ではない。更に、発振器が集積回路上に作り込まて
いる場合は、発振周波数は、製造上のバラツキだけでな
く、回路の電源電圧によっても変動する。その理由は、
発振器の周波数が、発振器を流れる電流に関係し、そし
て、その電流は、回路の電源電圧に関係するためであ
る。
【0004】発振周波数はあまり重要ではない場合に
は、クロック信号を受けるための外部端子を備えること
なく、集積回路内に発振器を完全に集積化することは容
認することができる。反対に周波数が極めて重要なパラ
メータである場合に通常使用される方法は、集積回路の
外部に、集積回路内に存在する発振器を調節するための
部品(通常、抵抗器またはコンデンサ)を接続すること
である。これらの調節部品は、製造上のバラツキがない
か、または、選択されているので、その値は極めて正確
に知られている。しかし、問題点は、これらの調節部品
を集積回路の発振器に直接接続しなければならず、従っ
て、集積回路が特にこの目的のための専用の追加の外部
ピンを備えることが必要になるということである。外部
ピンは集積回路のコストを高くする最大の要因なので、
できる限り避けるべきである。信号処理プロセッサ、す
なわち、命令による制御下で様々な信号処理作業を実施
することのできる電子回路では、マイクロプロセッサに
よって実施されるタスクを逐次的に実行させるクロック
は極めて重要な回路要素であり、その周波数は適切に決
定されなければならない。現在製造されている信号処理
回路では、クロックは、外付けであるか、内蔵されてい
る場合でも、外部の精密な部品(水晶素子、抵抗器、コ
ンデンサ等)によって調節される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、理論
では同一の回路間の製造上のバラツキによって生じる
発振周波数のバラツキを持たず、周波数が容易に且つ正
確に決定されるクロックを備え、外部調節部品を内部の
発振器に接続するための特殊なコネクタピンを備える必
要のない集積回路を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を果
たすために、同一集積回路基板内にプロセッサ(CP
U)と発振器(OSC)とが、発振器に接続される外付
け端子なく、完全に集積化された集積回路であって、上
記プロセッサによってロードすることができるデータレ
ジスタ(R1)を備え、上記発振器は、上記プロセッサ
のためのクロックとして機能し、上記発振器は、コンデ
ンサ(C)と、該コンデンサを充電するように互い並列
に接続された複数の充電用単位電流源と、上記コンデン
サを放電するように互い並列に接続された複数の放電用
単位電流源とを備えるし張発振器であり、上記データレ
ジスタは、上記同一集積回路基板に設けられ且つ周波数
訂正データを記憶している電気的にプログラム可能な不
揮発性メモリ(M1)から上記プロサッサによってロー
ドされ、上記データレジスタの各ビットは、上記複数の
充電用単位電流源の内の対応する充電用単位電流源と、
上記複数の放電用単位電流源の内の対応する放電用単位
電流源とを制御し、上記データレジスタに保持されるデ
ータに従って、上記複数の充電用単位電流源の内の動作
状態におかれた充電用単位電流源の充電電流の和により
上記コンデンサが充電され、上記データレジスタに保持
されるデータに従って、上記複数の放電用単位電流源の
内の動作状態におかれた放電用単位電流源の放電電流の
和により上記コンデンサが放電されることにより、上記
し張発振器の周波数を調節することを特徴とする集積回
を提供するものである。かかる構成により、クロック
の発振周波数をプログラムすることができる。
【0007】
【0008】
【0009】レジスタには、発振器の周波数か、また
は、発振器の基本発振周波数の補正を表す数値がロード
される。後述するように、この数値(デジタル値)は、
製造上のバラツキのために発振トランジスタの基本周波
数が不確かであるために必要な補正データを考慮するこ
とができる。単位電流源は、例えば純粋な2進コードに
より重み付けられた値を有し、レジスタの各ビットが対
応する重みを有している。
【0010】集積回路が信号処理プロセッサを内蔵する
場合そのプロセッサがレジスタに所望な値をロードでき
ることが好ましい。この値は、必要ならば、同一基板上
に形成された不揮発性メモリ(EPROMまたはEEP
ROM)の内容から与えられる。このメモリは、(封止
後の)電気的なテストの過程で集積回路ごとに設定され
る正確な周波数補正データを含むようにできる。
【0011】信号処理プロセッサの場合、周波数調整デ
ータは、プロセッサのデータ入/出力端子を介して与え
ることもできる。それらデータ入/出力端子は、集積回
路に必ず設けられている外部端子であり、周波数調整素
子(抵抗またはコンデンサ)の接続のために付加接続端
子を設ける必要はない。本発明は、発振器が、信号処理
プロセッサの動作のためのクロック信号を生成するため
に使用される場合に、特に効果的である。
【0012】発振器の好ましい実施例は以下のような構
成をとる。コンデンサの充放電電流は、2つのトランジ
スタとその間に接続された抵抗とからなる直列回路によ
って発生される電流をコピーすることにより生成され
る。比較器の閾値を設定するために、2つのトランジス
タの直列接続回路が使用される。それらトランジスタの
一方は、コンデンサを充電する(またと放電する)トラ
ンジスタに対する電流ミラーとして設けられている。他
方のトランジスタは、そのゲートがコンデンサに接続さ
れており、そして形状寸法が、コンデンサを放電(また
は充電)するための電流を与えるトランジスタのゲート
−ソース間電圧に実質的に等しい電圧を受けたとき一方
のトランジスタの電流と実質的に等しい値の電流を流す
ように選択されている。
【0013】上述した抵抗は、好ましくは、互いに電流
ミラーとして設けられているトランジスタを含む数個の
電流分路の並列接続により発生する電流が流れるように
接続されている。なお、電流分路のトランジスタは、ゲ
ートとドレインとが互いに接続されており、互いに対し
て重み付けした形状寸法を有しており、電流分路は、レ
ジスタによる制御により並列に接続される。その他の特
徴及び利点は、添付図面を参照して行う以下の実施例の
説明によってより明らかになろう。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の説明は、特に、マイクロ
プロセッサを備え、マイクロプロセッサによって実行さ
れるタスクを逐次実行させるために使用されるクロック
周波数を決定する発振器OSCを使用する集積回路の実
施例を参照して行う。発振器は、マイクロプロセッサと
同じ半導体基板上に完全に集積化されている。この発振
器は、周波数可変発振器である。その周波数は、レジス
タR1の制御の下で調節され、そのレジスタの内容はマ
イクロプロセッサによってロードされる。
【0015】図面には、マイクロプロセッサを極めて部
分的に図示した。標準的な場合は、このマイクロプロセ
ッサは、特にメモリ(RAM、ROMまたは不揮発性メ
モリ)とのデータ交換が可能なデータバスDB(または
アドレス及びデータバス)に接続された中央処理装置C
PU、集積回路の入力/出力ポート及び集積回路の内部
レジスタを備える。バスDBに接続されたメモリの中に
は、電気的にプログラム可能なメモリM1、好ましく
は、電気的に消去可能且つプログラム可能な読出し専用
メモリ(EEPROM)を備える。
【0016】メモリM1は、回路内で様々に使用され
る。すなわち、特に、本発明の周波数調節専用というわ
けではない。本発明によると、メモリの特定の区域を、
発振器が備えるべき周波数に関するデータを含むために
使用する。データバスDBに接続されたレジスタの中に
は、動作中メモリM1に含まれたデータを保持するため
の専用レジスタR1が備えられている。これは、発振器
の周波数の自動調節を制御するレジスタR1である。ま
た、この調節が実施される方法を以下に記載する。
【0017】集積回路の製造後、通常、テストを実施す
る。回路をパッケージ内に封止した後、外部アクセスピ
ンだけにアクセスできる時、特に、テストを実施する。
これらのテストの際、発振器OSCのそのままでの発振
周波数の測定を実施する。その測定値から、発振器の周
波数と望ましい周波数との差を求める。この差は、様々
な技術的な製造段階でのパラメータ(時間、温度、量
等)の制御できないバラツキによるものである。次に、
この差に対応する情報をメモリM1内に格納するための
命令が与えられる。マイクロプロセッサは、この格納自
体を実行することができる。
【0018】集積回路の使用の際して、この情報は、発
振器の周波数が所望の値になるように発振器の周波数を
系統的に補正するために使用される。例えば、集積回路
をパワーオンすることによって、メモリM1に含まれる
訂正情報をレジスタR1に転送する系統的なステップを
実行するようにすることができる。マイクロプロセッサ
に電力が供給されている限り、レジスタR1はこのデー
タを保持し、発振器OSCの周波数を恒久的に訂正す
る。
【0019】発振器が、マイクロプロセッサのクロック
信号をセットすることのできる発振器である場合、始動
時に比較的低い周波数で発振器を作動させるのが好まし
い。この目的のため、始動時には、パワーオンになる
と、レジスタR1が系統的に0にリセットされる(これ
は、通常、あらゆるマイクロプロセッサに設けられてい
る初期化により実行されていることである)。このレジ
スタの0の内容は、比較的低い周波数と対応するものと
考えられる。次に、プロセッサの起動プログラムは、レ
ジスタをロードして、所望の動作周波数を得る。1つの
訂正バイト(8ビット)では、例えば、約 200%の技術
的なバラツキの範囲内において2%づつ周波数を補正す
ることができる。
【0020】図1に図示した発振器OSCは、調節可能
な充電電流iによって充電され、好ましくは充電電流に
等しく且つコンデンサを逆方向に流れる放電電流によっ
て放電されるコンデンサCを使用する『し張発振器』で
ある。発振器全体は、2つの電源端子の間で電力供給さ
れている。その端子の1つの電位Vssは低く、もう一方
の端子の電位Vccは高い。充電電流は、例えば、(一端
がVssに接続された)コンデンサとVccとの間に接続さ
れた複数の電流源からなる1組の電流源によって生成さ
れる。これらの電流源は、並列に配置されており、レジ
スタR1内に含まれるデータに応じて、このレジスタR
1の制御下で様々な値の充電電流を与える。
【0021】放電電流も、同様に、コンデンサの端子に
接続された1組の電流源によって生成される。これらの
電流源も、並列に配置されており、レジスタR1内に含
まれるデータに応じて、このレジスタR1の制御下で様
々な値の放電電流を与える。最も簡単な方法は、二進重
み付けを使用することである。この方法では、レジスタ
R1内に格納されたビットは、その重みが多くなる順
に、すなわち、有意の順に配置され、各ビットは、それ
ぞれ対応する重み付け値を有する電流源を制御する。従
って、レジスタの第1番目のビット(最下位ビット)
は、値Iの充電電流源を制御し、同時に、同じ値Iの放
電電流源を制御する。レジスタの第2のビットは、値2
Iの充電電流源と値2Iの放電電流源を制御し、以下同
様に、第n番目のビットは、値2nIの充電電流源及び
放電電流源を制御する。
【0022】従って、レジスタの内容によって、0から
(2n+1−1)Iの範囲で値Iつづ変化する充電及び放
電電流iが得られる。この電流は、主充放電電流であっ
てもよいし、または、基本充放電電流I0 と並列に置か
れて、レジスタが、この基本の充放電電流I0を補正す
るために使用される(レジスタの内容が0の時充電電流
はI0である)ようにしてもよい。電流I0 と、レジスタ
によって個々に動作状態に置かれた電流との和によって
形成される充電電流iは、コンデンサの充電中だけ閉じ
ているスイッチKcによってコンデンサCに流れる。放
電電流iは、逆に、放電中だけ閉じているスイッチKd
によって流れる。
【0023】スイッチKc及びKdは、コンデンサに接
続された閾値比較器COMP1及びCOMP2によって
互いに逆相に切り変えられる。閾値比較器COMP1
は、その端子の電圧が高い閾値Vhに達すると、コンデ
ンサの充電を停止して放電を開始させる機能を有する。
閾値比較器COMP2は、コンデンサの端子の電圧が低
い閾値Vbになると、コンデンサの放電を停止して充電
を再開させる機能を有する。これらの比較器の出力を受
ける論理回路CL(RS型フリップフロップ回路)は、
スイッチKc及びKdの制御信号を出力する。この論理
回路CLの出力Sは、発振器OSCの出力でもある。こ
の出力は、レジスタR1によって調節可能な充放電電流
の値、コンデンサCの値、さらに、比較器COMP1及
びCOMP2の高い閾値Vhと低い閾値Vbとの間の差
の値に関係する周波数の矩形波パルスを与える。
【0024】技術的には一般に、電流I及びI0 が、電
源電圧Vccの値に関係するので、比較器COMP1及
びCOMP2は、充電電流源及び放電電流源I0、I、
2I等の同様に製造された電流源によって構成されるよ
うに設計される。さらに詳しく言えば、比較器COMP
1及びCOMP2は、閾値の差Vh−Vbが単位電流源
の電流Iに比例するようになるように構成される。従っ
て、充電期間及び放電期間は、電圧Vccには無関係にな
る。単位電流Iが小さくなりその結果ゆっくりと充電さ
れる場合、電圧Vh−Vbの差は、その電流で充電期間
を決定するので、比例して小さくなる。全体として、充
放電期間すなわち発振器の発振周波数は、一定してお
り、電源電圧の変動による電流の変動に関係しない。発
振器の発振周波数は、回路の製造上のパラメータ特に抵
抗R1及びコンデンサCの値だけに関係する。
【0025】集積回路の製造技術において、たとえ電流
の絶対値も電源電圧に対する関係も知ることはできなく
とも、正確な比例係数で互いに比例関係にある値を有す
る電流源を作成することは可能である。レジスタR1が
主に技術的なバラツキに関する周波数の補正のために使
用される時、このレジスタによって、コンデンサCの値
(技術的なバラツキの影響を受けている)を考慮するこ
とができる。
【0026】
【実施例】図2は、本発明による発振器の典型例を示す
詳細図である。構成の都合上、コンデンサCを充電する
電流は、本実施例では、レジスタR1により制御される
複数の電流源の並列接続によって直接得てはいない。そ
の充電電流は、基準電流をコピーする電流ミラーから得
る。しかし、その電流は、レジスタR1の内容に間接的
に関係している。その基準電流は、固定していない。基
準電流はレジスタの内容に関係して変化し、比較器CO
MP1及びCOMP2の比較用閾値を設定するトランジ
スタのゲート−ソース間電圧を規定するために使用され
る。
【0027】参照符号Irで示す基準電流は、以下の方
法により抵抗Rに生成される。レジスタR1により制御
される重み付けされた1組の単位電流源が、低電圧端子
Vssと抵抗Rの第1の端子との間に並列接続されてい
る。レジスタに制御されるこれら電流源は、Nチャネル
トランジスタM10、M11、M12等により構成されてい
る。それらNチャネルトランジスタM10、M11、M12等
は全て電流ミラーとして設けられ、そられの形状寸法
は、レジスタR1のビットの重みに対応する重みに従っ
て互いに正確に決定されている。トランジスタM10は、
基準電流IO を規定し、トランジスタM11は、値Iの単
位電流源に対応している。トランジスタM12は、2倍の
電流2Iの単位電流源に対応している。以下同様であ
る。実際、それらトランジスタの1つ1つは、そのゲー
トがドレインに接続されているトランジスタによって形
成されているスイッチによって、レジスタの対応するビ
ットの制御の下に導通状態に置かれまたは遮断状態に置
かれる。そのスイッチを構成するトランジスタは、互い
に別々にオンオフして、トランジスタM10、M11、M12
等のゲート−ソース間電圧を打ち消す。
【0028】対称的に、PチャネルトランジスタM20、
M21、M22等により構成されているもう1組の単位電流
源が、高電圧端子Vccと抵抗Rの第2の端子との間に
(レジスタの対応するビットの状態に応じて)並列接続
されている。それらPチャネルトランジスタM20、M2
1、M22等は全て電流ミラーとして設けられ、そられの
形状寸法は、それらを動作状態または非動作状態に置く
レジスタR1の対応するビットの重みと同じ重みに従っ
て互いに正確に決定されている。それらトランジスタの
1つ1つは、そのゲートがそのドレインに接続される。
ここで、『電流ミラー』接続とは、ソースを一緒に接続
し、ゲートも一緒に接続して、導通電流が、その形状寸
法すなわちゲート幅−ゲート長比に比例する非常に標準
的なトランジスタの接続方法を意味する。
【0029】回路が動作するとき、電流Ir は抵抗Rを
流れる。この電流Ir は、全電流源の電流の和である。
電流Iが、形状寸法が最も低い重みに対応し、レジスタ
R1の最下位ビットにより制御されるトランジスタM11
及びM21を流れる電流である場合、電流Ir は以下のよ
うになる。 Ir =(K + Ko ) I 但し、K(2進数)はレジスタの内容を表し、Ko (必
ずしも整数ではない)は、基本電流Io と最下位単位電
流源Iとの比を表す。
【0030】従って、電位差RIr が抵抗の両端間に生
じる。その結果、電位差VGNが、Nチャネルトランジ
スタM10、M11、M12等のゲートとソースとの間に生
じ、電位差VGPが、PチャネルトランジスタM20、M
21、M22等のゲートとソースとの間に生じる。従って、 Vcc−Vss−(VGN+VGP)=RIr =R(K +
Ko ) I かくして、電圧VGN及びVGPを基準電流Ir に関連
付ける式が導かれる。ゲート−ソース間電圧VGN及び
VGPは、正確な制御なしに、トランジスタの特性、抵
抗Rの値及び電源電圧Vcc−Vssに関係し、更に、レジ
スタの内容に既知の方法により直接関係する。電圧VG
N及びVGPは比較器の基準電圧としても機能する。
【0031】本発明による発振器の構成原理は、後述す
るように、(電流ミラーを使用して)電流Iに比例する
コンデンサCの充電電流を設定し、(同様にミラーを使
用して)Vcc−Vss−VGN−VGPにまさに等しい比
較器閾値差を設定することからなり、その結果として、
(既知の方法による調整可能である)レジスタの内容K
に関係する比例係数で電流Iに充電電流を比例させる。
Vh−Vbを充放電電流に比例させる図2の実施例で実
施されている原理は、充放電電流をレジスタR1で直接
制御するのではなく電流ミラーだけを介して制御するこ
とを必要とする。しかし、これにより、比較器COMP
1及びCOMP2がそれぞれたった2つのトランジスタ
で簡単に構成できる。
【0032】スイッチKcによる充電期間中に発生する
コンデンサCの充電電流は、電流源M20、M21、M22等
に対する電流ミラーとして設けられたPチャネルトラン
ジスタM4により与えられる。そのトランジスタは、I
に比例した充電電流、例えば単純に考えてその形状寸法
がトランジスタM21と同一であれば、Iに等しい充電電
流を与える。同一の方法により、スイッチKdによる放
電期間中に発生するコンデンサCの放電電流は、電流源
M10、M11、M12等に対する電流ミラーとして設けられ
たNチャネルトランジスタM3により与えられる。その
トランジスタは、Iに比例した放電電流、例えば単純に
考えてその形状寸法がトランジスタM11と同一であれ
ば、Iに等しい放電電流を与える。
【0033】図2から明らかなように、充電中、トラン
ジスタM4はコンデンサCの端子Aと電源端子Vccとの
間に接続される。コンデンサCの他端は接地(Vss)さ
れている。一方、トランジスタM3は切り離されてい
る。放電中は、トランジスタM4が端子Aから切り離さ
れ、トランジスタM3が端子AとVssとの間に接続され
る。かくして、単位電流源の基本電流Iのみに依存する
充放電電流が、コンデンサに与えられる。集積回路の様
々なトランジスタの寸法比の精度は、ここに開示する応
用例では十分に高いと考えられる。
【0034】比較閾値Vh及びVbは、Vh−VbがV
cc−Vss−VGN−VGPに等しい従ってIに比例して
いるように設定され保持される。高閾値Vhを規定する
第1の比較器COMP1は、VccとVssとの間に直列に
接続された2つのトランジスタM7及びM8で構成され
る。トランジスタM7は、既に述べた他のNチャネルト
ランジスタに対する電流ミラーとして設けられているN
チャネルトランジスタである。従って、Iに比例した電
流、好ましくは、形状寸法がトランジスタM11と同一で
あればIと等しい電流を流すように機能する。トランジ
スタM8はPチャネルトランジスタであり、そのゲート
はコンデンサの端子Aで制御される。従って、トランジ
スタM8は、コンデンサ充電電圧に関係して、導通しま
た遮断する。もしトランジスタM7の形状寸法が電流I
を流すように決定されているならば、トランジスタM8
の形状寸法は、トランジスタM8のゲート−ソース間電
圧がトランジスタM20、M21、M22などと実質的に同一
になったとき電流Iを流すように決定する。
【0035】低閾値Vbを規定する第2の比較器COM
P2は、VccとVssとの間に直列に接続された2つのト
ランジスタM5及びM6で構成される。トランジスタM
5はNチャネルトランジスタであり、そのゲートはコン
デンサの端子Aで制御される。トランジスタM6は、既
に述べた他のPチャネルトランジスタに対する電流ミラ
ーとして設けられているPチャネルトランジスタであ
る。従って、Iに比例した電流、好ましくは、形状寸法
がトランジスタM21と同一であればIと等しい電流を、
M5及びM6の分路に流すように機能する。もしトラン
ジスタM6の形状寸法が電流Iを流すように決定されて
いるならば、トランジスタM5の形状寸法は、トランジ
スタM5のゲート−ソース間電圧がトランジスタM10、
M11、M12などと実質的に同一になったとき電流Iを流
すように決定する。
【0036】比較器は以下のように動作する。(スイッ
チKc が閉成してスイッチKd が開放した)コンデンサ
の充電期間では、トランジスタM7は、電流ミラー効果
により電流Iを流し、一方、トランジスタM8は、その
ゲート−ソース間電圧が最初VGPより大きいので、電
流Iより大きな電流を流す。(トランジスタM8は、そ
のゲート−ソース間電圧がVGPであるとき、電流Iを
流すようにその形状寸法が決定されている。)その結
果、不平衡が生じ、(トランジスタM7とM8との間
の)ノードBの電位をVccに向かって上昇させる。同様
に、コンデンサの充電期間中、トランジスタM6は、電
流ミラー効果により電流Iを流し、一方、トランジスタ
M5は、そのゲート−ソース間電圧が最初VGNより大
きいので、電流Iより大きな電流を流す。(トランジス
タM5は、そのゲート−ソース間電圧がVGNであると
き、電流Iを流すようにその形状寸法が決定されてい
る。)その結果、不平衡が生じ、(トランジスタM5と
M6との間の)ノードDの電位をVssに向かって下降さ
せる。
【0037】決定論理回路CLは、ここではRS型フリ
ップフロップである。その入力はノードB及びDに接続
されている。入力Dが起動入力であり、入力Bが復帰入
力であると考えることができる。フリップフロップは、
入力Dが低論理状態から高論理状態に変化するときだけ
スイッチKc を閉成しスイッチKd を開放するように状
態を反転する。そして、フリップフロップは、入力Bが
低論理状態に変化するときだけスイッチKd を閉成しス
イッチKc を開放するように状態を反転する。ノードB
及びDのその他の方向の変化はフリップフロップの状態
をなんら変化させない。従って、コンデンサの充電期間
中、充電スイッチKc の閉成状態は、ノードBの高論理
状態により確保される。
【0038】ノードAの電位が値Vcc−VGPに到達す
ると、トランジスタM8は電流Iを流すようにバイアス
される。ノードBはVssに向かって降下しその論理状態
を変化する。これは、決定論理回路CLを反転させ、ス
イッチKc 及びKd の状態を逆転させる。値Vcc−VG
Pは、比較器COMP1の高閾値Vhを表している。
【0039】かくして、コンデンサの放電が開始する。
まず、トランジスタM8の電流が値I以上に上昇し始め
る。これにより、ノードBを高論理状態にリセットす
る。しかし、この時はノードDの作用だけにより状態を
変化できるので、これはフリップフロップの状態になん
ら影響しない。その後、トランジスタM6が電流Iを流
し、トランジスタM5が電流I以上の電流を流し、ノー
ドDがVssに向かって降下する。ノードAの電位が値V
ss+VGNに到達すると、トランジスタM5のゲート−
ソース間電圧が、トランジスタM6と同様な電流Iを流
すに必要な電圧にちょうどなる。かくして、ノードDの
論理状態が高論理状態に変化する。従って、フリップフ
ロップの決定論理回路CLは、再び充電期間を開始する
ように状態を反転する。比較器COMP2の低閾値Vb
は従ってVss+VGNである。高閾値Vhと低閾値Vb
との差Vh−Vbは、Vcc−Vss−VGN−VGPに等
しい。これが正に望んだそのものである。
【0040】この結果、コンデンサCの充放電電流は、
Iに等しく、従って、上述したように、Ir/(K+Ko)
に、それ故、(Vcc−Vss−VGN−VGP)/R(K
+Ko) に等しく、従って、Vcc−Vss−VGN−VG
P)にそれ故Vh−Vbに比例している。発振器の周期
Tは、電流Iは、単位時間当たりの移動電荷量であるの
で、時間をT、電荷をQで表せば、Q=ITであり、一
方、Q=CVであり、すなわち、IT=CV、書き換え
るならば、T=(CV)/Iであり、定電流源を介して
コンデンサCを充放電する本件出願発明に適用するなら
ば、以下のようになる。 T=2C(Vh−Vb)/I
【0041】それ故、T=2C(Vcc−Vss−VGN−
VGP)/Iとなり、I=(Vcc−Vss−VGN−VG
P)/R(K+Ko)であるので、周期Tは、 T=2CR(K+Ko) となる。
【0042】かくして、周期Tは、電源電圧に独立して
いる。周期Tは、抵抗R及びコンデンサの容量Cとレジ
スタの内容にのみ関係する。ここで、抵抗R及びコンデ
ンサの容量Cは、製造技術とそのバラツキに関係する
が、係数Ko は、トランジスタの形状寸法の比であるの
で、正確に知ることができる。Kは、意図的に選択され
るレジスタの内容であり、抵抗R及びコンデンサの容量
Cの制御できない技術的なバラツキに対応して周波数を
調整するために利用できるものである。
【0043】
【発明の効果】本発明による集積回路は、困難な伴うこ
となく、そして、従来技術の問題点もなく、特に、電源
電圧に独立した周波数を有する純粋な内部発振器を集積
回路内に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による集積回路の1実施例の概略図で
ある。
【図2】 CMOS技術による発振器の典型例を示す詳
細図である。
【符号の説明】
R1・・・レジスタ M1・・・メモリ DB・・・データバス C・・・コンデンサ OSC・・・発振器 Kc、Kd・・・スイッチ COMP1、COMP2・・・閾値比較器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−136711(JP,A) 特開 昭63−27915(JP,A) 特開 昭63−1993(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一集積回路基板内にプロセッサ(CP
    U)と発振器(OSC)とが、発振器に接続される外付
    け端子なく、完全に集積化された集積回路であって、上
    記プロセッサによってロードすることができるデータレ
    ジスタ(R1)を備え、上記発振器は、上記プロセッサ
    のためのクロックとして機能し、上記発振器は、コンデ
    ンサ(C)と、該コンデンサを充電するように互い並列
    に接続された複数の充電用単位電流源と、上記コンデン
    サを放電するように互い並列に接続された複数の放電用
    単位電流源とを備えるし張発振器であり、上記データレ
    ジスタは、上記同一集積回路基板に設けられ且つ周波数
    訂正データを記憶している電気的にプログラム可能な不
    揮発性メモリ(M1)から上記プロサッサによってロー
    ドされ、上記データレジスタの各ビットは、上記複数の
    充電用単位電流源の内の対応する充電用単位電流源と、
    上記複数の放電用単位電流源の内の対応する放電用単位
    電流源とを制御し、上記データレジスタに保持されるデ
    ータに従って、上記複数の充電用単位電流源の内の動作
    状態におかれた充電用単位電流源の充電電流の和により
    上記コンデンサが充電され、上記データレジスタに保持
    されるデータに従って、上記複数の放電用単位電流源の
    内の動作状態におかれた放電用単位電流源の放電電流の
    和により上記コンデンサが放電されることにより、上記
    し張発振器の周波数を調節することを特徴とする集積回
    路。
  2. 【請求項2】 上記不揮発性メモリは、上記集積回路の
    訂正用の複数のデータを含み、これらのデータは、該集
    積回路の製造後のテストによって得られたものであり、
    集積回路の製造パラメータの変動を考慮することができ
    ることを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
  3. 【請求項3】 上記単位電流源は、純粋な2進コードに
    よる重み付けられた値を有し、該重み付けは、上記デー
    タレジスタのビットの位に対応することを特徴とする請
    求項1又は2に記載の集積回路。
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