JP3339099B2 - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents

助手席用エアバッグ装置

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JP3339099B2 JP08440493A JP8440493A JP3339099B2 JP 3339099 B2 JP3339099 B2 JP 3339099B2 JP 08440493 A JP08440493 A JP 08440493A JP 8440493 A JP8440493 A JP 8440493A JP 3339099 B2 JP3339099 B2 JP 3339099B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のインストルメント
パネルに設けられ、車両衝突時にエアバッグを展開させ
て助手席の乗員の保護を行なうための助手席用エアバッ
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の助手席用エアバッグ装置におい
ては、容器形状のコンテナに折り畳まれたエアバッグと
インフレータが取り付けられ、さらにエアバッグを被う
ようにリッドが取り付けられている。車両衝突時にはイ
ンフレータが作動してエアバッグが室内に向かって大き
く展開し、乗員の保護がなされる。
【0003】従来の助手席用エアバッグ装置の一例につ
いて第7図及び第8図を参照して説明する。なお、第7
図はエアバッグ装置の設置構造を示す縦断面図、第8図
はシリンダ型インフレータの斜視図である。
【0004】この助手席用エアバッグ装置110は、コ
ンテナ112内にエアバッグ114が挿入され、このコ
ンテナ112の前面開口がリッド116で覆われた構成
のものである。このエアバッグ114を展開させるため
のシリンダ型インフレータ118がコンテナ112の後
部に取り付けられている。
【0005】この従来例では、コンテナ112は、コン
テナアッパー120と、コンテナロワー122と、イン
フレータカバー124とから構成されている。コンテナ
ロワー122には、インフレータ118が係合する半円
形の凹部よりなるインフレータ係合部122aが設けら
れており、このインフレータ係合部122aにインフレ
ータ118の約半分が係合している。インフレータ11
8の後部が前記インフレータカバー124によって覆わ
れており、このインフレータカバー124はボルト12
6によってコンテナロワー122に固定されている。な
お、コンテナロワー122はリベット128によってコ
ンテナアッパー120に固定されている。
【0006】インフレータ118は、第4図にも示す通
り、円筒状のケーシング130と、該ケーシング130
内に充填されたガス発生剤132と、ケーシング130
に穿設されたガス噴出孔134と、ケーシング130か
ら突設されたボルト136とを備えている。このボルト
136は、前記インフレータカバー124の後面部分を
貫通し、ナット138がねじ込まれている。これにより
インフレータ118がコンテナ112に固定されてい
る。なお、前記コンテナロワー122には、ガス噴出孔
134から噴出したガスをコンテナアッパー120内に
導入するためのスリット140が設けられている。
【0007】コンテナ112を車体に対し固定するため
に、コンテナアッパー120にフロントブラケット14
2が固着され、インフレータカバー124にリヤブラケ
ット144が固着されている。これらフロントブラケッ
ト142、リヤブラケット144が車体側メンバ14
6、148に対しボルト150、152によって固定さ
れている。
【0008】なお、前記リッド116は、その裏面側に
脚片部150、152が突設されており、これら脚片部
150、152がリベット154、156によってコン
テナアッパー120に止め付けられている。
【0009】このように構成された助手席用エアバッグ
装置110においては、インフレータ118が作動され
ると、ガスが噴出し、エアバッグ114が展開される。
そうすると、脚片部152の付根部が断裂し、リッド1
16は矢印Aの如く開放方向に回動し、エアバッグ11
4が車両室内に大きく展開される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】助手席用エアバッグ装
置のコンテナは、自動車の車種に応じてエアバッグの容
量、形状のほか、コンテナの大きさ、形状が種々変更さ
れる。また、これらに応じてインフレータも種々変更さ
れる。多くの場合、シリンダ型インフレータの直径は、
インフレータのメーカーやインフレータの品番が変わっ
ても大体は同じであり、シリンダ型インフレータの長さ
が主として異なる。
【0011】従って、従来にあっては、エアバッグ装置
を車種に合わせて設計、製作する場合、採用するインフ
レータに応じてコンテナのインフレータ係合部122a
の形状や大きさ、あるいはインフレータカバー124の
形状や大きさを変えなければならず、コンテナ設計に手
間がかかっていた。また、コンテナやインフレータカバ
ーが多品種少量生産となり、製作コストが嵩んでいた。
【0012】本発明は、長さの異なるシリンダ型インフ
レータであっても、ほぼすべての助手席用エアバッグ装
置に装着させることができるようにすることを目的とす
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の助手席用エア
バッグ装置は、前面が開放し、後部の側面にインフレー
タ差込孔が設けられた箱形のコンテナと、折り畳まれて
該コンテナ内に収納されたエアバッグと、前記インフレ
ータ差込孔からコンテナ内部に挿入され、長手方向の両
端部を該インフレータ差込孔から外部に突出させて該コ
ンテナに取り付けられたシリンダ型インフレータと、前
記コンテナの前面を被っているリッドと、を備えてなる
助手席用エアバッグ装置であって、該インフレータの外
周面の該インフレータの軸心線と平行な直線上に複数個
のボルトが立設され、前記コンテナの背面のボルト孔に
該ボルトが挿通され、インフレータ外部から該ボルトに
ナットが締め込まれることにより該インフレータとコン
テナとが固着されていることを特徴とするものである。
【0014】請求項2の助手席用エアバッグ装置は、請
求項1において、前記インフレータ差込孔に前記ボルト
を通過させる切欠部が設けられており、前記コンテナの
下面又は上面から背面にかけて、前記ボルト孔に連なる
ボルト通過用スリットが設けられていることを特徴とす
るものである。
【0015】
【作用】請求項1の助手席用エアバッグ装置において
は、インフレータの両端がコンテナ側面から突出してい
るため、インフレータのボルト同志の間隔さえ全インフ
レータで共通にしておけば、どのインフレータであって
も本発明のタイプの助手席用エアバッグ装置に取り付け
ることが可能となる。
【0016】請求項2の助手席用エアバッグ装置では、
シリンダ型インフレータの先端をコンテナの一方の側面
のインフレータ差込孔からコンテナ内に差し込む。そし
て、インフレータの先端を他方の側面のインフレータ差
込孔からコンテナ外に突出させる。なお、この際、イン
フレータ周面から突設されたボルトは、インフレータ差
込孔の切欠部を通過される。
【0017】インフレータの両端がコンテナから突出す
るようにインフレータをコンテナ内に差し込んだ後、イ
ンフレータを回転させる。そして、インフレータのボル
トを、コンテナのスリットを経由してコンテナ背面のボ
ルト孔に係合させる。この状態では、ボルトの先端はコ
ンテナ背面のボルト孔を通過してコンテナ外に突出して
いる。そこで、このボルトの先端にナットを締め込むこ
とにより、インフレータがコンテナに堅固に固定され
る。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して実施例について説明す
る。第1図は本発明の実施例装置に用いられるコンテナ
及びインフレータの斜視図であり、インフレータがコン
テナに挿入されようとしている状態を示している。第2
図は実施例装置の縦断面図、第3図は第2図のIII-III
線に沿う断面図である。第4図は実施例装置の側面図、
第5図はそれぞれコンテナの構成を説明する側面図であ
る。
【0019】この実施例に係る助手席用エアバッグ装置
10は、コンテナ12の内部にエアバッグ14が折り畳
まれて収容され、コンテナ12の前面開口をリッド16
で覆い、コンテナ12の後部にシリンダ型インフレータ
18を設置した構成のものである。コンテナ12の後部
の両側面にはそれぞれインフレータ差込孔(以下、開口
という。)20、22が設けられ、シリンダ状のインフ
レータ18が開口20、22を通ってコンテナ12内に
挿入されている。インフレータ18の両端はそれぞれコ
ンテナ12の側面から外方に突出している。
【0020】このインフレータ18には、外周面の後部
側に2個のボス部24が軸心線と平行な同一直線上に設
けられ、該ボス部24からボルト26が立設されてい
る。このボルト26は、コンテナ12の背面に設けられ
たボルト孔28を通ってコンテナ12外に突出し、ナッ
ト30が締め込まれている。このナット30を十分に締
め込むことにより、インフレータ18がコンテナ12に
堅固に固定されている。
【0021】リッド16の背面からは、コンテナ12の
上面に被さる取付部40と、コンテナ12の下面に被さ
る取付部42が突設されている。これら取付部40、4
2はボルト44、46によってコンテナ12に固着され
ている。なお、ボルトの代わりにリベットを用いても良
い。取付部42には溝48が設けられており、この溝4
8はコンテナ12の前面のフランジ部50に係合してい
る。リッド16の長手方向の側面は取付部材52、54
によってコンテナ12の前縁側面に連結されている。取
付部材52、54にも溝が設けられ、この溝がコンテナ
12の前縁側部のフランジ部と係合している。前記エア
バッグ14は、押え金具56、58、60、62によっ
てコンテナ12の前縁部に連結されている。この押え金
具56、58は、前記ボルト44、46によって取付部
40、42とコンテナ12に共締めされている。
【0022】なお、コンテナ12の内部はプレート64
によって前後に区画されており、プレート64の背後側
にインフレータ18が配置されている。プレート64に
は、インフレータ18のガス噴出口66からの噴出ガス
を通過させるためのスリット状の開口68が設けられて
いる。
【0023】コンテナ12の側面においては、開口2
0、22から下向きに切欠部70が設けられている。こ
の切欠部70は、インフレータ18をコンテナ12内に
差し込む際に、ボルト26を通過させるためのものであ
る。また、コンテナ12の後部の下面には、コンテナ1
2の前後方向に延在するスリット72が設けられてい
る。このスリット72は、コンテナ12内に差し込まれ
たインフレータ18をその軸心回りに回転させる際にボ
ルト26をボルト孔28まで案内するためのものであ
る。即ち、スリット72の後端は前記ボルト孔28に連
なっている。
【0024】コンテナ12の上面及び下面には多数の吸
気孔74が設けられている。
【0025】なお、このコンテナ12は、第5図の如
く、上半体12A、下半体12B及びプレート64の3
点だけの部品を組み合わせることにより構成されてい
る。図示の形状の上半体12A、下半体12B及びプレ
ート64は、金属平板を打ち抜き及びプレス加工するだ
けで製作でき、製作コストが低廉である。また、これら
の連結もスポット溶接で十分であり、コンテナ部品点数
が3個だけであることも相挨って、コンテナの製作コス
トが著しく低廉になる。
【0026】ところで、インフレータ18は、高いガス
圧に十分に絶えるように頑丈にできている。このインフ
レータを複数のボルト26及びナット30でコンテナ1
2の背面にしっかりと固定することにより、コンテナ1
2の後部の強度及び剛性が高いものとなる。
【0027】このように、インフレータ18をコンテナ
12に組み付けた場合、インフレータ18の両端が開口
20、22からコンテナ12外に突出しているため、長
さが種々異なるインフレータであってもこのコンテナ1
2内に差し込むことができる。そして、このインフレー
タの周面のボルトの間隔がボルト孔28、28の間隔に
合致している限り、このボルトをボルト孔28、28に
挿通させることができる。従って、シリンダ型インフレ
ータのボルト間隔とコンテナ背面のボルト孔間隔のみを
規格化(一定化)することにより、インフレータのメー
カの異同や、コンテナの寸法、形状等の異同にかかわら
ず、いずれのインフレータをいずれのコンテナにも装着
することが可能となる。
【0028】この助手席用エアバッグ装置を組み立てる
に際しては、シリンダ型インフレータ18の先端をコン
テナ12の一方の側面の開口(インフレータ差込孔)2
0からコンテナ12内に差し込む。そして、インフレー
タ18の先端を他方の側面の開口(インフレータ差込
孔)22からコンテナ12外に突出させる。なお、この
際、インフレータ18周面から突設されたボルト26
は、開口20の切欠部70を通過される。
【0029】インフレータ18の両端がコンテナ12か
ら突出するようにインフレータ18をコンテナ12内に
差し込んだ後、インフレータ18を回転させる。そし
て、ボルト26をスリット72を経由してコンテナ12
背面のボルト孔28に係合させる。この状態では、ボル
ト26の先端はボルト孔28を通過してコンテナ12外
に突出している。そこで、このボルト26の先端にナッ
ト30を締め込むことにより、インフレータ18がコン
テナ12に堅固に固定される。
【0030】このように、インフレータ18をコンテナ
12に組み付けた場合、インフレータ18の両端が開口
20、22からコンテナ12外に突出しているため、長
さが種々異なるインフレータであってもこのコンテナ1
2内に差し込むことができる。そして、このインフレー
タの周面のボルトの間隔がボルト孔28、28の間隔に
合致している限り、このボルトをボルト孔28、28に
挿通させることができる。従って、シリンダ型インフレ
ータのボルト間隔とコンテナ背面のボルト孔間隔のみを
規格化(一定化)することにより、インフレータのメー
カの異同や、コンテナの寸法、形状等の異同にかかわら
ず、いずれのインフレータをいずれのコンテナにも装着
することが可能となる。
【0031】このエアバッグ装置10は、助手席前方の
インストルメントパネルに取り付けられる。自動車が衝
突した場合、インフレータ18が作動され、噴出ガスに
よってエアバッグ14が展開される。展開しようとする
エアバッグ14によってリッド16が前方に押され、取
付部42及び取付部材52、54がそれらの溝部分にお
いて断裂し、リッド16が取付部40を回動中心として
第2図の矢印Aの如く開放する。これにより、エアバッ
グ14が車両室内に大きく展開される。なお、エアバッ
グ14が展開するときには、吸気孔74を介して空気が
エアバッグ14内に吸い込まれる。
【0032】上記実施例ではスリット72をコンテナ1
2の下面側に設けているが、本発明ではスリット72を
コンテナ12の上面側に設けても良い。
【0033】上記実施例はアスピレートタイプの助手席
用エアバッグ装置に関するものであるが、本発明はアス
ピレートタイプ以外のエアバッグ装置にも適用できるこ
とは明らかである。ただし、アスピレートタイプのエア
バッグ装置にあっては、コンテナに多数の吸気孔を設
け、コンテナ内に積極的に空気を流入させるよう構成し
ているものである。従って、インフレータ18の外周面
と開口20、22の内周面との間の隙間は封じることが
不要であり、その分だけ本発明をアスピレートタイプの
エアバッグ装置に適用した場合、装置の組立が容易であ
る。
【0034】
【発明の効果】以上の通り、請求項1の助手席用エアバ
ッグ装置によれば、長さの異なるシリンダ型インフレー
タであっても、インフレータ周面のボルトの間隔さえ規
格値である限り、本発明の助手席用エアバッグ装置に装
着できる。従って、コンテナの設計が容易になる。ま
た、コンテナを構成する部材数を少なくすることも可能
であり、コンテナの製作コストを著しく減少させること
ができる。
【0035】請求項2の助手席用エアバッグ装置によれ
ば、インフレータをコンテナにきわめて容易に組み付け
ることができる。
【0036】なお、本発明では、強度の高いインフレー
タをボルト及びナットによってコンテナに固着させてい
るから、コンテナ後部の強度がきわめて高い。従って、
コンテナ後部を車体側メンバに固定取り付けしておくこ
とにより、コンテナを脆弱に構成しても、エアバッグ展
開時にコンテナに加えられる応力に十分に対抗できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例装置のコンテナ及びインフレータの斜視
図である。
【図2】実施例装置の縦断面図である。
【図3】図2のIII-III 線に沿う断面図である。
【図4】実施例装置の側面図である。
【図5】実施例装置のコンテナの分解断面図である。
【図6】実施例装置のコンテナの後方からの斜視図であ
る。
【図7】従来の助手席用エアバッグ装置の縦断面図であ
る。
【図8】従来のインフレータの斜視図である。
【符号の説明】
10 助手席用エアバッグ装置 12 コンテナ 14 エアバッグ 16 リッド 18 インフレータ 20,22 インフレータ差込孔(開口) 26 ボルト 28 ボルト孔 70 切欠部 72 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面が開放し、後部の側面にインフレー
    タ差込孔が設けられた箱形のコンテナと、 折り畳まれて該コンテナ内に収納されたエアバッグと、 前記インフレータ差込孔からコンテナ内部に挿入され、
    長手方向の両端部を該インフレータ差込孔から外部に突
    出させて該コンテナに取り付けられたシリンダ型インフ
    レータと、 前記コンテナの前面を被っているリッドと、を備えてな
    る助手席用エアバッグ装置であって、 該インフレータの外周面の該インフレータの軸心線と平
    行な直線上に複数個のボルトが立設され、前記コンテナ
    の背面のボルト孔に該ボルトが挿通され、インフレータ
    外部から該ボルトにナットが締め込まれることにより該
    インフレータとコンテナとが固着されていることを特徴
    とする助手席用エアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記インフレータ差
    込孔に前記ボルトを通過させる切欠部が設けられてお
    り、前記コンテナの下面又は上面から背面にかけて、前
    記ボルト孔に連なるボルト通過用スリットが設けられて
    いることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
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