JP3338753B2 - デルタシグマ変調回路 - Google Patents

デルタシグマ変調回路

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JP3338753B2
JP3338753B2 JP16564696A JP16564696A JP3338753B2 JP 3338753 B2 JP3338753 B2 JP 3338753B2 JP 16564696 A JP16564696 A JP 16564696A JP 16564696 A JP16564696 A JP 16564696A JP 3338753 B2 JP3338753 B2 JP 3338753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響信号に関して
好適に実施され、該音響信号を1ビットのデジタル信号
で記録、再生および伝送等を行うにあたって、コンパク
トディスクを再生して得られるPCM(パルス符号変
調)信号などの入力デジタル信号を、デルタシグマ変調
して、前記1ビットの出力信号を作成するためのデルタ
シグマ変調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、基本的なデルタシグマ変調回路
1の電気的構成を示すブロック図である。このデルタシ
グマ変調回路1は、入力端2から入力された信号を積分
器3において積分し、量子化器4において、所定のサン
プリング周期毎に、その積分値が0以上であるか否かに
対応して、「1」または「0」の1ビットの出力信号を
発生し、この出力信号は、出力端5より出力される。
【0003】また、前記量子化器4からの出力信号は、
遅延器6に入力され、この遅延器6は、1サンプリング
周期だけ以前の出力信号に応答して、該出力信号が
「1」であるときには+Δ、「0」であるときには−Δ
であり、予め定める一定レベルで固定の振幅を有する振
幅値を発生する。前記振幅値±Δは、入力端2と積分器
3との間に介在される減算器7において入力信号から減
算され、こうして負帰還が行われている。
【0004】図7は、上述のようなデルタシグマ変調動
作を説明するための波形図である。この図7は、横軸方
向に時間を取っており、該横軸方向に所定間隔に形成さ
れる縦軸方向の1点鎖線は、それぞれサンプリングタイ
ミングを表す。
【0005】図7(a)において、参照符α1は、入力
信号をアナログ的に示している。また、図7(a)にお
いて、白矢印は振幅値Δを表し、上向きの白矢印は−Δ
の減算、すなわちΔの加算を表し、下向きの白矢印は+
Δの減算を表す。さらにまた、黒矢印は前記サンプリン
グタイミングでの入力信号成分を表し、上向きの黒矢印
は正の成分であることを表し、下向きの黒矢印は負の成
分であることを表し、かつ矢印の長さは波高値に対応し
ている。
【0006】したがって、白矢印の振幅値の到達点に、
黒矢印の今回の入力信号成分を加算したものが積分器3
の出力情報となり、前記到達点の存在する領域が量子化
器4の量子化出力となる。すなわち、前記量子化器4
は、0VのグランドレベルGNDを境に、負側を「0」
領域とし、正側を「1」領域とし、積分器3からの出力
信号がいずれの領域にあるのかを図7(b)で示すよう
に判定し、その判定結果に対応した図7(c)で示す1
ビットの出力信号を導出する。
【0007】したがって、たとえばサンプリングタイミ
ングS1についてみると、前回のサンプリングタイミン
グS0での到達点P0が起点となって、前回のサンプリ
ングタイミングS0における出力信号「0」に対応した
振幅値−Δの減算が行われ、白矢印の終点P1が求めら
れる。この終点P1を起点として、波高値に対応した黒
矢印F1が加算され、その到達点P2の存在する領域が
今回のサンプリングタイミングS1での出力信号「1」
となる。また、次回のサンプリングタイミングS2で
は、今回の到達点P2が起点とされ、今回の出力信号
「1」に対応した振幅値+Δの減算が行われる。このよ
うに1ビットの出力信号に対応した振幅値±Δの負帰還
が行われることによって、入力信号に対応した高精度な
1ビット出力信号が作成される。
【0008】図8は、マルチビットの入力信号から1ビ
ットの出力信号を得るための典型的な従来技術のデルタ
シグマ変調回路11の電気的構成を示すブロック図であ
る。このデルタシグマ変調回路11は、デジタル音響信
号の記録、再生および伝送等を行う機器に搭載され、前
記入力信号は、コンパクトディスクの再生信号などで得
られるマルチビットのPCM信号である。
【0009】入力端12からのマルチビットの入力信号
は、減算器13において、振幅値発生回路14からの振
幅値±Δが減算された後、積分器・加算器群15に入力
される。積分器・加算器群15は、縦続接続された複数
段の積分器および加算器等を備えて構成されており、マ
ルチビットの入力信号を積分して出力する。積分器・加
算器群15からの出力は、量子化器16において、前記
サンプリングタイミング毎に1ビットの出力信号に量子
化され、出力端17に導出されるとともに、遅延器18
に入力される。
【0010】前記振幅値発生回路14は、レジスタ19
a,19bと、スイッチ20とを備えて構成されてい
る。レジスタ19aは振幅値−Δをストアしており、レ
ジスタ19bは振幅値+Δをストアしている。スイッチ
20は、前記レジスタ19aまたは19bからの振幅値
−Δまたは+Δのいずれかを減算器13へ出力するため
に設けられており、レジスタ19aに接続される個別接
点20aと、レジスタ19bに接続される個別接点20
bと、減算器13に接続される共通接点20cとを備え
て構成されている。
【0011】前記遅延器18は、前記1ビットの出力信
号が「1」であるときにはスイッチ20を個別接点20
bに導通し、前記出力信号が「0」であるときにはスイ
ッチ20を個別接点20aに導通する。これによって、
前述のように、前記出力信号が、「1」であるときには
振幅値+Δが減算され、「0」であるときには振幅値−
Δが減算、すなわち+Δが加算されることになる。
【0012】しかしながら、このようなデルタシグマ変
調回路11では、前記振幅値±Δが固定値であるため
に、マルチビットの入力信号の振幅値に追従した出力信
号しか得ることができないという問題がある。また、前
記振幅値±Δを小さくしておくと、入力信号レベルが大
きいときには、発振してしまうという問題がある。すな
わち、前記図7(a)において、入力信号レベルが大き
くなる程、白矢印に比べて逆方向の黒矢印が長くなって
しまい、その状態が継続されると、積分器・加算器群1
5からの出力、すなわち黒矢印の到達点が「1」領域ま
たは「0」領域で飽和してしまい、該デルタシグマ変調
回路11が発振状態となってしまう。
【0013】また、PCM信号源からの入力信号の最大
値、たとえば前記コンパクトディスクの場合には記録レ
ベルが不揃いであり、該デルタシグマ変調回路11の前
記ダイナミックレンジおよびS/Nを生かした効率の良
いデルタシグマ変調を行うためには、前記最大値が該デ
ルタシグマ変調回路11の発振限界値未満で、かつ略一
致するように、入力信号レベルを制御する必要がある。
このような入力信号レベルを制御可能な他の従来技術
は、図9で示される。
【0014】図9は、他の従来技術のデルタシグマ変調
回路21の電気的構成を示すブロック図である。このデ
ルタシグマ変調回路21において、上述のデルタシグマ
変調回路11に類似し、対応する部分には同一の参照符
号を付してその説明を省略する。
【0015】注目すべきは、このデルタシグマ変調回路
21では、入力端12と減算器13との間に、乗算器2
2が介在されていることである。この乗算器22によっ
て、減算器13に入力される入力信号の最大値が前記発
振限界値に略等しくなるように、入力信号に係数が乗算
されて入力信号の振幅が制御されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなデルタシ
グマ変調回路21では、減算器13への入力信号の振幅
成分を制御するために乗算器22が設けられている。こ
の乗算器22は、構成の複雑なデジタル乗算器と、その
制御用のマイクロプロセッサとなどによって構成されて
おり、構成が煩雑になり、コストが嵩むとともに、電力
消費が増大するという問題がある。また、入力端12へ
の入力信号のデジタル信号処理によって振幅が制御され
ると、原信号に対して、有限語長で信号処理が行われる
ので、乗算器22からの乗算後の出力信号には量子化誤
差が生じ、忠実性に欠けるという問題がある。
【0017】本発明の目的は、低コスト化および低消費
電力化を図ることができるとともに、高い忠実度を得る
ことができるデルタシグマ変調回路を提供することであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】発明にかかるデルタシ
グマ変調回路は、入力信号を、高速標本化してデルタシ
グマ変調を行い、1ビットの出力信号を作成して出力す
るとともに、前記出力信号に応答して予め定める振幅値
を前記入力信号から減算し、前記出力信号を負帰還する
ようにしたデルタシグマ変調回路において、前記入力信
号を一旦保持するメモリと、前記メモリに保持された
記入力信号のレベルを検知するレベル検知手段とを含
み、前記振幅値を発生する振幅値発生手段は、前記レベ
ル検知手段からの出力に応答して、前記振幅値のレベル
を変化することを特徴とする。
【0019】また発明にかかるデルタシグマ変調回路
は、前記レベル検知手段の出力に応答し、振幅値を入力
信号から減算する減算器からの出力信号の最大値が、該
デルタシグマ変調回路の発振限界値未満となるように前
記振幅値の変化幅を設定する制御手段を備えることを特
徴とする。
【0020】したがって、入力信号に係数を乗算する場
合に比べて、演算処理を簡略化することができ、低コス
ト化を図ることができるとともに、電力消費を低減する
こともできる。また、入力信号に乗算を行うときには、
乗算によって量子化誤差が発生してしまう場合があるの
に対して、そのような不具合がなく、入力信号を高い忠
実度で1ビットの出力信号に変換することができる。
【0021】また請求項2の発明にかかるデルタシグマ
変調回路は、前記レベル検知手段の出力に応答し、振幅
値を入力信号から減算する減算器からの出力信号の最大
値が、該デルタシグマ変調回路の発振限界値未満となる
ように前記振幅値の変化幅を設定する制御手段を備える
ことを特徴とする。
【0022】上記の構成によれば、減算器から積分器へ
入力される信号の最大値が発振限界値未満に抑制され
る。
【0023】したがって、発振を確実に抑えつつ、前記
発振限界値付近までの入力レンジを充分に使用して、ダ
イナミックレンジが広く、かつS/Nの良好な変調を行
うことができる。
【0024】さらにまた発明にかかるデルタシグマ変
調回路は、前記減算器からの出力信号が入力される積分
器の乗算係数を検知する乗算係数検知手段をさらに備
え、前記制御手段が、前記乗算係数検知手段からの出力
に応答し、前記乗算係数の変化に伴って変化する前記発
振限界値に対応して、前期振幅値の変化幅を設定するこ
とを特徴とする。
【0025】上記の構成によれば、前記発振限界値を決
定するパラメータである乗算係数の変化に応答して、前
記振幅値をさらに変化する。
【0026】したがって、乗算係数の変化に対しても発
振が生じることなく、常に最も良好なダイナミックレン
ジおよびS/Nを確保することができる。
【0027】さらにまた発明にかかるデルタシグマ変
調回路は、音量値を設定する音量設定手段をさらに備
え、前記制御手段が、前記音量設定手段からの音量値に
応答して、前記振幅値の変化幅を設定することを特徴と
する。
【0028】上記の構成によれば、音量値に追従させて
前記振幅値をさらに変化する。
【0029】したがって、音量設定手段によって設定さ
れた音量値に合わせて、出力される1ビット信号の音量
成分のコントロールを可能とすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1乃至図3に基づいて説明すれば以下のとおりであ
る。
【0031】図1は、本発明の実施の一形態のデルタシ
グマ変調回路31の電気的構成を示すブロック図であ
る。このデルタシグマ変調回路31は、メモリ32と、
減算器33と、積分器・加算器群34と、量子化器35
と、遅延器36と、振幅値発生回路37と、レベル検知
回路38と、コントロール信号生成回路53とを備えて
構成されている。
【0032】コンパクトディスクの再生信号などのマル
チビットの入力信号は、入力端39からメモリ32へ入
力されて一旦保持された後、減算器33に入力される。
減算器33は、前記入力信号から振幅値±Δを減算し
て、積分器・加算器群34へ出力する。積分器・加算器
群34は、減算器33からの入力を積分して量子化器3
5へ出力する。量子化器35は、1サンプリング周期毎
に、積分器・加算器群34からの出力信号が前記グラン
ドレベルGNDの負側にあるかまたは正側にあるかに対
応して、1ビットの出力信号を出力端40および遅延器
36へ出力する。
【0033】図2は、前記積分器・加算器群34の具体
的な一構成例を示すブロック図である。この積分器・加
算器群34は、積分器M1,M2,…,M7と、アンプ
A2,A3,…,A7と、アンプB1,B2,B3と、
加算器C0,C1,C2,C3とを備えて構成される7
次の積分回路である。積分器M1〜M7は縦続接続さ
れ、積分器M2〜M7に関して、その前段に、それぞれ
ゲイン設定用のアンプA2〜A7が介在されている。ま
た、積分器M3からの出力は、帰還用のアンプB1を介
して、加算器C1から積分器M2の入力側に帰還され、
同様に積分器M5からの出力は、アンプB2を介して、
加算器C2から積分器M4の入力側に帰還され、積分器
M7からの出力は、アンプB3を介して、加算器C3か
ら積分器M6の入力側に帰還される。各積分器M1〜M
7からの出力は、加算器C0で相互に加算されて、量子
化器35へ出力される。
【0034】したがって、周波数帯域の高域側になるに
つれて増加する量子化ノイズの分布を、前記各アンプB
1,B2,B3による部分帰還ループ毎にそれぞれ異な
る周波数を中心としてディップを生じさせることがで
き、所望とする周波数帯域に亘って、所望とするダイナ
ミックレンジが確保されている。
【0035】前記振幅値発生回路37は、レジスタ41
a,41bと、スイッチ42とを備えて構成されてい
る。レジスタ41aには振幅値−Δがストアされてお
り、レジスタ41bには振幅値+Δがストアされてい
る。これに対応して、スイッチ42は2つの個別接点4
2a,42bと共通接点42cとを有し、個別接点42
aはレジスタ41aに接続され、個別接点42bはレジ
スタ41bに接続され、共通接点42cは減算器33に
接続される。
【0036】遅延器36からは前記1ビットの出力信号
が1サンプリング周期だけ遅延されて出力され、この遅
延された出力信号が、「0」であるときには、スイッチ
42が個別接点42aに導通して振幅値−Δが減算器3
3に入力され、これに対して前記遅延された出力信号が
「1」であるときには、スイッチ42が個別接点42b
に導通し、振幅値+Δが減算器33に入力される。
【0037】注目すべきは、本発明では、前記振幅値±
Δのレベルは、レベル検知回路38によって検知された
入力信号レベルに対応してコントロール信号生成回路5
3で作成されるコントロール信号に応答して変化される
ことである。前記メモリ32、レベル検知回路38およ
びコントロール信号生成回路53は、レベル検知手段を
構成している。
【0038】メモリ32は、シフトレジスタ等の小容量
のメモリで実現され、入力端39からの入力信号を減算
器33へ出力するとともに、レベル検知回路38へ出力
する。レベル検知回路38は、たとえば16ビットの入
力信号の上位5〜6ビットを検知し、その検知結果に対
応した出力をコントロール信号生成回路53へ出力す
る。コントロール信号生成回路53は、前記入力信号レ
ベルを監視し、積分器・加算器群34に入力される信号
レベルが、該デルタシグマ変調回路31の発振限界値未
満で、かつ略等しくなるようなコントロール信号をレジ
スタ41a,41bへ出力する。
【0039】前記コントロール信号に応答して、振幅値
発生回路37では、入力信号レベルが大きくなる程、前
記振幅値±Δを大きな値とする。これによって、減算器
33から積分器・加算器群34への入力信号の振幅は、
見掛け上小さくなる。これに対して、入力信号レベルが
小さいときには、前記振幅値±Δが小さくなり、これに
よって減算器33から積分器・加算器群34への入力信
号の振幅は、見掛け上大きくなる。
【0040】このようにして、前述の乗算器などのよう
な繁雑な構成を用いることなく、入力信号のレベルを検
知するための簡単な構成のメモリ32、レベル検知回路
38およびコントロール信号生成回路53を設けるだけ
で、積分器・加算器群34への入力信号レベルを発振限
界値未満にレベル抑制することができ、低コスト化およ
び低消費電力化を図ることができる。また、そのような
レベル抑制を行っても、入力信号には抑制に伴うノイズ
が生じることはなく、高い忠実度でデルタシグマ変調を
行うことができる。
【0041】また、コントロール信号生成回路53は、
前記振幅値±Δを変化するにあたって、ふらつきなどの
聴感上の問題が生じない程度の変化幅で変化を行わせる
ようなコントロール信号を生成する。すなわち、前記乗
算係数および入力信号レベルに対応して決定されるべき
振幅値±Δは予め定める値以上とする。さらに、前記聴
感上の問題を無くすために、コントロール信号生成回路
53は、前記振幅値±Δの減少開始時には、予め定める
時間T、たとえば50msecだけ、減少開始時点の値
を保持した後、該振幅値±Δを減少するように、前記コ
ントロール信号を生成する。
【0042】したがって、該デルタシグマ変調回路31
への入力信号波形と前記振幅値±Δとは、アナログ的に
表すと、図3においてそれぞれ参照符β1,β2で示す
ようになり、入力信号のエンベローブを描くように、減
算器33へ帰還される振幅値±Δが追従して変化する。
【0043】本発明の実施の他の形態について、図4に
基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0044】図4は、本発明の実施の他の形態のデルタ
シグマ変調回路51の電気的構成を示すブロック図であ
る。このデルタシグマ変調回路51は、前述のデルタシ
グマ変調回路31に類似し、対応する部分には同一の参
照符号を付してその説明を省略する。
【0045】このデルタシグマ変調回路51では、積分
器・加算器群34に関連して、乗算係数検知回路52が
設けられている。デルタシグマ変調における量子化ノイ
ズの分布は、積分器・加算器群の乗算係数によって決定
されることが知られており、たとえば特定の周波数のみ
のダイナミックレンジを大きくするなどの使用目的に応
じて、該乗算係数は変更される。またこの乗算係数によ
って、前記発振限界値も決定される。前記乗算係数検知
回路52は、予め決定されている複数種類の各乗算係数
の設定パターンのうち、どのパターンに設定されている
かを検知し、前記コントロール信号生成回路53へ出力
する。
【0046】コントロール信号生成回路53は、減算器
33から積分器・加算器群34への入力信号レベルを、
前記乗算係数によって決定される発振限界値未満で、か
つ略等しくなるように、入力信号レベルに対応した振幅
値±Δを発生させることができるコントロール信号を振
幅値発生回路37へ出力する。
【0047】このようにして、乗算係数の変化に対して
も、積分器・加算器群34への入力信号レベルを常に発
振限界値未満に保持しつつ、ダイナミックレンジおよび
S/Nの良好な効率の良いデルタシグマ変調を行うこと
ができる。
【0048】なお、上述の例では、乗算係数検知回路5
2によって乗算係数の変化を自動的に検知して、振幅値
±Δを変化するようにしたけれども、たとえば前記乗算
係数が音楽の種類の切換スイッチなどに連動して変化す
る場合には、その切換スイッチの手動操作に応答して、
変化するようにしても良い。
【0049】また、前記図3において、振幅値±Δは、
最小値Δdから、入力信号の振幅の最大値まで変化する
ように、すなわちたとえば16ビットの入力信号に対し
て、前述のように上位5ビット程度が追従した値であっ
たけれども、本発明の実施のさらに他の形態として、こ
の振幅値±Δの最小値を前記発振限界値とし、前記16
ビットの入力信号に対して32ビットの振幅値±Δを制
御するようにしても良い。このように振幅値±Δの制御
範囲を拡げることによって、該デルタシグマ変調回路3
1,51から出力される1ビットの出力信号の振幅を、
前記発振限界値に対応した最大値から、最小値の0レベ
ルまで制御することが可能になる。こうして、音量調整
を行うこともできるようになる。
【0050】このような音量調整を行うための実施の形
態について、図5に基づいて説明すれば以下のとおりで
ある。
【0051】図5は、本発明の実施のさらに他の形態の
デルタシグマ変調回路61の電気的構成を示すブロック
図である。このデルタシグマ変調回路61は、前述のデ
ルタシグマ変調回路31に類似し、対応する部分には同
一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0052】このデルタシグマ変調回路61では、デル
タシグマ変調回路61から出力される1ビット信号の音
量成分を調整する音量設定部62が設けられ、この音量
設定部62は設定された音量値を前記コントロール信号
生成回路63へ出力する。
【0053】コントロール信号生成回路63は、前記音
量設定部62によって設定された音量値が最大値である
とき、減算器33から積分器・加算器群34への入力信
号レベルがデルタシグマ変調回路61の発振限界値未満
で略等しくなるように、入力信号レベルに対応した振幅
値±Δを発生させ、以下前記音量設定部62によって設
定された音量値に対応した32ビットの振幅値±Δを発
生させることができるコントロール信号を振幅値発生回
路37へ出力する。
【0054】このようにして、デルタシグマ変調回路6
1から出力される1ビット信号の音量成分を、音量設定
部62によって設定された音量値に合わせてコントロー
ルすることができる。
【0055】
【発明の効果】発明に係るデルタシグマ変調回路は、
以上のように、入力信号を高速標本化してデルタシグマ
変調を行うにあたって、入力信号自体の振幅を制御する
のではなく、該入力信号のレベルに応じて、負帰還用の
振幅値のレベルを変化する。
【0056】それゆえ、入力信号に係数を乗算する場合
に比べて、演算処理を簡略化することができ、低コスト
化を図ることができるとともに、電力消費を低減するこ
ともできる。また、入力信号に乗算を行うときには、乗
算によって量子化誤差が発生してしまう場合があるのに
対して、そのような不具合がなく、入力信号を、高い忠
実度で1ビットの出力信号に変換することができる。
【0057】また発明に係るデルタシグマ変調回路
は、以上のように、減算器から積分器へ入力されるデー
タの最大値を発振限界値未満に抑制する。
【0058】それゆえ、発振を確実に抑えつつ、前記発
振限界値付近までの入力レンジを充分に使用して、ダイ
ナミックレンジが広く、かつS/Nの良好な変調を行う
ことができる。
【0059】さらにまた発明に係るデルタシグマ変調
回路では、以上のように、前記発振限界値を決定するパ
ラメータである積分器の乗算係数の変化に応答して、前
記振幅値をさらに変化する。
【0060】それゆえ、乗算係数の変化に対しても発振
が生じることなく、常に最も良好なダイナミックレンジ
およびS/Nを確保することができる。
【0061】さらにまた発明に係るデルタシグマ変調
回路では、以上のように、音量値に追従させて前記振幅
値をさらに変化する。
【0062】それゆえ、デルタシグマ変調回路から出力
される1ビット信号の音量成分を、設定された音量値に
合わせてコントロールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のデルタシグマ変調回路
の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1で示すデルタシグマ変調回路における積分
器・加算器群の具体的な一構成例を示すブロック図であ
る。
【図3】図1で示すデルタシグマ変調回路の動作を説明
するための波形図である。
【図4】本発明の実施の他の形態のデルタシグマ変調回
路の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施のさらに他の形態のデルタシグマ
変調回路の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】基本的なデルタシグマ変調回路の電気的構成を
示すブロック図である。
【図7】デルタシグマ変調動作を説明するための波形図
である。
【図8】典型的な従来技術のデルタシグマ変調回路の電
気的構成を示すブロック図である。
【図9】他の従来技術のデルタシグマ変調回路の電気的
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
31 デルタシグマ変調回路 32 メモリ(レベル検知手段) 33 減算器 34 積分器・加算器群 35 量子化器 36 遅延器 37 振幅値発生回路(振幅値発生手段) 38 レベル検知回路(レベル検知手段) 41a,41b レジスタ 42 スイッチ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を、高速標本化してデルタシグ
    マ変調を行い、1ビットの出力信号を作成して出力する
    とともに、前記出力信号に応答して予め定める振幅値を
    前記入力信号から減算し、前記出力信号を負帰還するよ
    うにしたデルタシグマ変調回路において、前記入力信号を一旦保持するメモリと、 前記メモリに保持された 前記入力信号のレベルを検知す
    るレベル検知手段とを含み、 前記振幅値を発生する振幅値発生手段は、前記レベル検
    知手段からの出力に応答して、前記振幅値のレベルを変
    化することを特徴とするデルタシグマ変調回路。
  2. 【請求項2】 入力信号を、高速標本化してデルタシグ
    マ変調を行い、1ビットの出力信号を作成して出力する
    とともに、前記出力信号に応答して予め定める振幅値を
    前記入力信号から減算し、前記出力信号を負帰還するよ
    うにしたデルタシグマ変調回路において、 前記入力信号のレベルを検知するレベル検知手段を含
    み、 前記振幅値を発生する振幅値発生手段は、前記レベル検
    知手段からの出力に応答して、前記振幅値のレベルを変
    化するとともに、当該変化後の振幅値を予め定める値以
    上とすることを特徴とするデルタシグマ変調回路。
  3. 【請求項3】 入力信号を、高速標本化してデルタシグ
    マ変調を行い、1ビットの出力信号を作成して出力する
    とともに、前記出力信号に応答して予め定める振幅値を
    前記入力信号から減算し、前記出力信号を負帰還するよ
    うにしたデルタシグマ変調回路において、 前記入力信号のレベルを検知するレベル検知手段を含
    み、 前記振幅値を発生する振幅値発生手段は、前記レベル検
    知手段からの出力に応答して、前記振幅値のレベルを変
    化するとともに、前記振幅値の減少開始時には、予め定
    める時間だけ、減少開始時点の値を保持した後、該振幅
    値を減少することを特徴とするデルタシグマ変調回路。
  4. 【請求項4】 入力信号を、高速標本化してデルタシグ
    マ変調を行い、1ビ ットの出力信号を作成して出力する
    とともに、前記出力信号に応答して予め定める振幅値を
    前記入力信号から減算し、前記出力信号を負帰還するよ
    うにしたデルタシグマ変調回路において、 前記入力信号のレベルを検知するレベル検知手段と、 前記減算器からの出力信号が入力される積分器の乗算係
    数を検知する乗算係数検知手段、 前記レベル検知手段および前記乗算係数検知手段の出力
    に応答し、振幅値を入力信号から減算する減算器からの
    出力信号の最大値が、前記乗算係数の変化に伴って変化
    する該デルタシグマ変調回路の発振限界値未満となるよ
    うに前記振幅値の変化幅を設定する制御手段とを含み、 前記振幅値を発生する振幅値発生手段は、前記制御手段
    からの出力に応答して、前記振幅値のレベルを変化する
    ことを特徴とするデルタシグマ変調回路。
  5. 【請求項5】 入力信号を、高速標本化してデルタシグ
    マ変調を行い、1ビットの出力信号を作成して出力する
    とともに、前記出力信号に応答して予め定める振幅値を
    前記入力信号から減算し、前記出力信号を負帰還するよ
    うにしたデルタシグマ変調回路において、 前記入力信号のレベルを検知するレベル検知手段と、 前記レベル検知手段の出力に応答し、振幅値を入力信号
    から減算する減算器からの出力信号の最大値が、該デル
    タシグマ変調回路の発振限界値未満となるように前記振
    幅値の変化幅を設定する制御手段と、 音量値を設定する音量設定手段とを含み、 前記制御手段は、前記音量設定手段からの音量値に応答
    して、前記振幅値の変化幅を設定することを特徴とす
    ルタシグマ変調回路。
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