JP3338661B2 - 発酵乳 - Google Patents

発酵乳

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一定量の尿素を含
有する安定な組織を有する発酵乳に関する。本発明の発
酵乳は、安定剤等を添加しなくても、硬度や粘度の低
下、あるいは離水や分離の発生がない安定な組織を有す
るものである。
【0002】
【従来の技術】発酵乳は、牛乳等の獣乳を原料とし、乳
酸菌及び/又は酵母により発酵させたものである。近
年、消費者の健康志向の高まりと共に、発酵乳の消費は
堅調に伸びており、また、消費者の嗜好のバラエティー
化により、多種類の発酵乳製品が製造され、販売されて
いる。
【0003】一般に、発酵乳をその性状と製造法により
分類すると、静置型発酵乳、撹拌型発酵乳及び液状発酵
乳となる。静置型発酵乳は、ハードタイプの発酵乳と称
されており、小売容器に充填して発酵させたプリン状の
組織を有する発酵乳であり、次のような方法で製造され
る。
【0004】まず、全脂乳、脱脂乳、脱脂粉乳、ショ
糖、バター、ゼラチンや寒天等の安定剤等の原材料を混
合して原料ミックスを調製し、この原料ミックスを50〜
60℃に加温して溶解し、均質化した後、加熱殺菌し、冷
却して、乳酸菌スターターを接種し、容器に充填して密
封してから培養室や発酵トンネル内で発酵させ、適度な
酸度になったところで直ちに5℃に冷却して発酵を終了
させ、最終製品とする。
【0005】また、撹拌型発酵乳は、ソフトタイプの発
酵乳と称されており、原料ミックスに乳酸菌スターター
を添加し、タンクで発酵させた後、生成したカードを破
砕して容器に充填したものであり、必要に応じて、フル
ーツ、香料等を添加し、容器に充填して、最終製品とす
る。
【0006】さらに、液状発酵乳は、撹拌型発酵乳と同
様の方法で原料ミックスを発酵させた後、生成したカー
ドを破砕し、必要に応じて、糖液を混合し、均質化し
て、最終製品とする。
【0007】本発明では、上記した静置型発酵乳、撹拌
型発酵乳及び液状発酵乳を総称して発酵乳と称する。
【0008】ところで、発酵乳を製造するに際しては、
寒天やゼラチン等の安定剤を使用しないと、硬度や粘度
の低下、あるいは離水や分離の発生等の問題が生じる。
すなわち、静置型発酵乳では、硬度の低下や離水の発生
の問題があり、撹拌型発酵乳では、発酵により得られた
カードを剪断力により破砕するので、粘度が著しく低下
するという問題があり、液状発酵乳では、発酵により得
られたカードを均質化すると分離が生じるといった問題
があった。
【0009】このような発酵乳における硬度や粘度の低
下、あるいは離水や分離の発生等の問題を解決するため
に、寒天、ゼラチン、ペクチン、増粘多糖類等の安定剤
を添加することが行われているが、発酵乳に安定剤を添
加すると、ヨーグルト様の風味が損なわれるという問題
が新たに発生しており、また、天然嗜好の高まりから安
定剤の使用をできるだけ少なくしたいという要望もあ
る。そこで、天然物である乳由来のホエータンパク質を
安定剤として使用したり、原料ミックス中の乳の無脂乳
固形分を高めることにより発酵乳の組織を安定化させ、
硬度や粘度の低下を防止し、離水の発生を防止する試み
もなされている。しかし、原料ミックスにホエータンパ
ク質を大量に添加すると、やはり風味が損なわれるとい
う問題が発生し、また、乳の無脂乳固形分を高めると、
発酵乳中のミネラル含量が増加して塩味が強くなると共
に、コストの増大につながるといった問題もあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、安定剤
を添加しなくても適度な硬度及び粘度を有していて、離
水や分離の発生がない安定な組織を有しており、かつ風
味が優れていて、しかも安価に製造することができる発
酵乳を得るべく、鋭意研究を進めてきたところ、発酵乳
を製造する際に使用する原料ミックスに尿素を配合して
一定量含有させることにより、安定剤を添加しなくて
も、硬度や粘度の低下、あるいは離水や分離の発生がな
い安定な組織を有する発酵乳を得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。したがって、本発明は、尿
素を一定量含有した安定な組織を有する発酵乳を提供す
ることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、好ましくは
製品中のタンパク質に対して 0.3〜 2.5重量%の尿素を
含有するよう尿素を原料ミックスに配合して発酵乳を製
造する。このようにして尿素を一定量含有させることに
より、硬度や粘度の低下、あるいは離水や分離の発生が
ない安定な組織を有する発酵乳を得ることができる。な
お、含有する尿素が製品中のタンパク質に対して 0.3重
量%未満であると、硬度や粘度の低下、あるいは離水や
分離の発生を防ぐことができず安定な組織を有する発酵
乳を得ることができない。また、含有する尿素が製品中
のタンパク質に対して 2.5重量%を越えてしまうと、安
定な組織を有する発酵乳を得ることはできるが、風味に
影響するので好ましくない。
【0012】なお、本発明でいう「安定な組織」とは、
硬度が40〜60g/cm2 、粘度が50〜60poiseという値を有
しており、離水量や分離量が少ないという性質を有する
組織である。通常、安定剤を添加せずに製造した発酵乳
の場合、硬度は5〜30g/cm2であり、粘度は10〜40 pois
eである。
【0013】本発明で使用する尿素は、化成品の尿素を
使用してもよいし、あるいは限外濾過(UF)膜、ナノ
フィルトレーション(NF)膜、逆浸透(RO)膜等を
利用して、乳や乳素材等の尿素を含む天然物から調製し
た尿素含有組成物を使用してもよい。
【0014】また、本発明で使用する原料ミックスは、
通常の発酵乳を製造する際に使用するものでよく、全脂
乳、脱脂乳、脱脂粉乳等を主原料とし、必要に応じて、
糖類や人工甘味料、その他の原料を使用すればよい。
【0015】さらに、本発明で使用する乳酸菌スタータ
ーとしては、例えば、ラクトバチルス・ブルガリクス(L
actobacillus bulgaricus) 、ラクトバチルス・アシド
フィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトコッカ
ス・ラクチス(Lactococcus lactis) 及びストレプトコッ
カス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)
等、通常の発酵乳を製造する際に使用される乳酸菌スタ
ーターであれば特に限定されるものではなく、市販の乳
酸菌スターターを使用してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、原料ミックスを調製する。
この原料ミックスは、全脂乳、脱脂乳、脱脂粉乳等を主
原料とし、必要に応じて、糖類や人工甘味料、その他の
原料を混合したものである。
【0017】この原料ミックスに尿素を配合して一定量
含有させる。尿素又は尿素含有組成物は、粉末や溶液の
状態で原料ミックスに配合すればよい。また、尿素又は
尿素含有組成物を原料ミックスに添加する方法として
は、原料ミックスを調製する際に他の原料と一緒に溶解
する方法や原料ミックスを調製した後に添加して溶解す
る方法等がある。尿素を添加した後は、撹拌して混合す
るだけでもよいが、500kg/cm2 程度までの圧力で均質処
理を行うことが好ましい。
【0018】次に、原料ミックスを加熱殺菌する。加熱
殺菌は、プレート式殺菌機、チューブラー式殺菌機、ジ
ャケット付きタンク等を使用して行えばよく、70〜 140
℃で1秒間〜30分間、好ましくは90〜95℃で1〜10分間
加熱殺菌を行った後、プレート式熱交換機、チューブラ
ー式冷却機、ジャケット付きタンク等を使用して、40〜
50℃まで冷却する。
【0019】そして、この原料ミックスに乳酸菌スター
ター1〜8重量%を添加し、32〜43℃前後の乳酸菌が生
育するのに好適な温度に保持して、1〜24時間程度、好
ましくは2〜4時間程度発酵させ、乳酸酸度が 0.7〜
1.1%に達した時点で発酵を終了させて、安定な組織を
有する静置型発酵乳を得ることができる。
【0020】また、上記のようにして得られるカードを
撹拌して破砕し、100kg/cm2 以下の圧力で均質処理する
ことにより、安定な組織を有する撹拌型発酵乳を得るこ
とができる。
【0021】さらに、上記のようにして得られるカード
を撹拌して破砕し、必要に応じて、10〜40%濃度の糖液
を混合して、 100〜250kg/cm2 の圧力で均質処理するこ
とにより、安定な組織を有する液状発酵乳を得ることが
できる。
【0022】次に実施例を示し、本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例では、ウレア−ゼインドフェノ
ール法により尿素量を定量した。
【0023】
【参考例1】10.9mg/100g(全固形当たり 0.1%) の割合
で尿素を含んでいる脱脂乳 150kgについて、食塩阻止率
が50%のNF膜(Desal-5、Desalination社製) を使用
し、 2.5倍濃縮を行なった。なお、膜処理は、操作温度
50℃、圧力1.3MPaの条件で行った。このNF膜での処理
により透過液を分離、回収して、乳由来の尿素含有組成
物の溶液とした。なお、この乳由来の尿素含有組成物の
溶液は、10.0mg/100g(全固形当たり45.5%) の割合で尿
素を含んでいた。
【0024】
【参考例2】10.9mg/100g(全固形当たり 0.1%) の割合
で尿素を含んでいる脱脂乳 100kgについて、食塩阻止率
が50%のNF膜(Desal-5、Desalination社製) を使用
し、 2.5倍濃縮を行なった。なお、膜処理は、操作温度
50℃、圧力1.3MPaの条件で行った。このNF膜での処理
により透過液を分離、回収した後、この透過液を陽イオ
ン交換樹脂(IR-120B、オルガノ社製) 及び陰イオン交換
樹脂(IRA-410、オルガノ社製) を充填したカラムへ順次
通液して、尿素含有画分を分画し、回収して、乳由来の
尿素含有組成物の溶液とした。なお、この乳由来の尿素
含有組成物の溶液は、9.8mg/100g (全固形当たり80%)
の割合で尿素を含んでいた。
【0025】
【実施例1】脱脂粉乳 9.5kg、無塩バター3kg、上白糖
10.5kg、水77kg及び尿素 10gをホモミキサーで混合し、
原料ミックスを調製した。
【0026】この原料ミックスを50℃まで加温し、80kg
/cm2で均質処理した後、プレート式殺菌機で90℃、10分
間加熱殺菌し、プレート式熱交換機で42℃まで冷却し
た。そして、発酵乳製造用の乳酸菌スターター(MRC
32、雪印乳業社製)4重量%を添加した後、 100ml容
の容器に充填し、42℃で発酵を行い、乳酸酸度が0.75%
になったところで5℃まで冷却して、静置型発酵乳 (本
発明品1)を製造した。
【0027】
【実施例2】脱脂粉乳 9.5kg、無塩バター3kg、上白糖
10.5kg及び参考例1で得られた乳由来の尿素含有組成物
の溶液77kgをホモミキサーで混合し、原料ミックスを調
製した。
【0028】この原料ミックスを50℃まで加温し、80kg
/cm2で均質処理した後、プレート式殺菌機で90℃、10分
間加熱殺菌し、プレート式熱交換機で42℃まで冷却し
た。そして、発酵乳製造用の乳酸菌スターター(MRC
32、雪印乳業社製)4重量%を添加した後、 100ml容
の容器に充填し、42℃で発酵を行い、乳酸酸度が0.75%
になったところで5℃まで冷却して、静置型発酵乳 (本
発明品2) を製造した。
【0029】なお、参考例1で得られた乳由来の尿素含
有組成物を溶液として配合することにより、本発明品中
の全固形当たりの尿素濃度は約 1.8倍となった。
【0030】
【実施例3】脱脂粉乳 9.5kg、無塩バター3kg、上白糖
10.5kg及び参考例2で得られた乳由来の尿素含有組成物
の溶液77kgをホモミキサーで混合し、原料ミックスを調
製した。
【0031】この原料ミックスを50℃まで加温し、80kg
/cm2で均質処理した後、プレート式殺菌機で90℃、10分
間加熱殺菌し、プレート式熱交換機で42℃まで冷却し
た。そして、発酵乳製造用の乳酸菌スターター(MRC
32、雪印乳業社製)4重量%を添加した後、 100ml容
の容器に充填し、42℃で発酵を行い、乳酸酸度が0.75%
になったところで5℃まで冷却して、静置型発酵乳 (本
発明品3) を製造した。
【0032】なお、参考例2で得られた乳由来の尿素含
有組成物を溶液として配合することにより、本発明品中
の全固形当たりの尿素濃度は約 1.8倍となった。
【0033】
【比較例1】脱脂粉乳 9.5kg、無塩バター3kg、上白糖
10.5kg及び水77kgをホモミキサーで混合し、原料ミック
スを調製した。
【0034】この原料ミックスを50℃まで加温し、80kg
/cm2で均質処理した後、プレート式殺菌機で90℃、10分
間加熱殺菌し、プレート式熱交換機で42℃まで冷却し
た。そして、発酵乳製造用の乳酸菌スターター(MRC
32、雪印乳業社製)4重量%を添加した後、 100ml容
の容器に充填し、42℃で発酵を行い、乳酸酸度が0.75%
になったところで5℃まで冷却して、静置型発酵乳 (比
較品1) を製造した。
【0035】
【試験例1】本発明品1〜3及び比較品1の静置型発酵
乳について、無脂乳固形分、脂肪及びタンパク質の含有
量を表1に示す。
【0036】
【表1】 ──────────────────────────────────── 本発明品1 本発明品2 本発明品3 比較品1 ──────────────────────────────────── 無脂乳固形分 9.0 9.0 9.0 9.0 脂肪 2.4 2.4 2.4 2.4 タンパク質 3.1 3.1 3.1 3.1 ──────────────────────────────────── (単位:重量%)
【0037】これによると、本発明品1〜3及び比較品
1については、同様の成分組成であることが判る。
【0038】また、本発明品1〜3及び比較品1の静置
型発酵乳について、硬度及び離水量を測定すると共に、
風味及び組織を官能評価した。その結果を表2に示す。
【0039】なお、硬度及び離水量の測定方法は、次の
通りである。硬度の測定は、レオナー(山電社製)を用
いて行った。すなわち、 100ml容の容器に充填した各試
料に、直径16mmのプランジャーを速度1mm/秒で陥入さ
せ、試料が破断したときの破断応力(g/cm2) を測定し、
この値を硬度とした。
【0040】離水量の測定は、5℃で1週間保存した各
試料をアイスクリームスクープ(直径45mm)を用いて半
球状にすくい、平らな面を下にしてステンレス製のメッ
シュ(編目幅0.4mm)上に載せ、10℃で2時間放置した時
に下に落ちた液体を漏斗で集めてその体積を測定し、こ
の値を離水量とした。なお、スクープですくった半球状
の各試料の体積は29mlであった。
【0041】また、風味及び組織の官能評価方法は、次
の通りである。10名の専門パネラーに各試料を食しても
らい、風味及び組織について、大変良い(4点)、良い
(3点)、悪い(2点)、全く悪い(1点)の評価基準
で点数化し、その平均点で示した。また、塩味を感じる
かについても官能評価した。
【0042】
【表2】 ──────────────────────────────────── 本発明品1 本発明品2 本発明品3 比較品1 ──────────────────────────────────── 硬度 (g/cm2) 55 52 54 22 離水量 (ml) 5 5 6 15 風味 4.0 3.9 3.8 2.8 組織 4.0 4.0 3.9 2.3 塩味 感じない 感じない 感じない 感じない ────────────────────────────────────
【0043】これによると、本発明品1〜3は比較品1
に比べると、硬度が高く、離水量も顕著に少ないものと
なっていた。また、官能評価においても、本発明品1〜
3は比較品1に比べ、風味及び組織共に良好な評価であ
った。なお、本発明品1〜3の間では、顕著な差は認め
られなかった。
【0044】
【実施例4】生乳10.5kg、無塩バター 2.5kg、上白糖
3.0kg、水42.0kg及び尿素 65gをホモミキサーで混合
し、原料ミックスを調製した。
【0045】この原料ミックスを50℃まで加温し、80kg
/cm2で均質処理した後、プレート式殺菌機で90℃、10分
間加熱殺菌し、プレート式熱交換機で42℃まで冷却し
た。そして、発酵乳製造用の乳酸菌スターター(AB
T、雪印乳業社製)7.0kg を添加した後、42℃で発酵を
行い、乳酸酸度が 0.7%になったところで5℃まで冷却
してカードを得、撹拌機を 30rpmで撹拌させながら、こ
のカードを破砕した。
【0046】一方、異性化糖(フラクトB−30、二村
化学工業社製)7.0kg及び温水28kgを混合し、プレート式
殺菌機で90℃に達するまで加熱殺菌し、プレート式熱交
換機で5℃まで冷却して、糖液を調製した。
【0047】そして、破砕したカードと糖液とを混合
し、150kg/cm2 で均質処理して、液状発酵乳 (本発明品
4) を製造した。
【0048】
【実施例5】生乳10.5kg、無塩バター 2.5kg、上白糖
3.0kg及び参考例1で得られた乳由来の尿素含有組成物
の溶液42.0kgをホモミキサーで混合し、原料ミックスを
調製した。
【0049】この原料ミックスを50℃まで加温し、80kg
/cm2で均質処理した後、プレート式殺菌機で90℃、10分
間加熱殺菌し、プレート式熱交換機で42℃まで冷却し
た。そして、発酵乳製造用の乳酸菌スターター(AB
T、雪印乳業社製)7.0kg を添加した後、42℃で発酵を
行い、乳酸酸度が 0.7%になったところで5℃まで冷却
してカードを得、撹拌機を 30rpmで撹拌させながら、こ
のカードを破砕した。
【0050】一方、異性化糖(フラクトB−30、二村
化学工業社製)7.0kg及び温水28kgを混合し、プレート式
殺菌機で90℃に達するまで加熱殺菌し、プレート式熱交
換機で5℃まで冷却して、糖液を調製した。
【0051】そして、破砕したカードと糖液とを混合
し、150kg/cm2 で均質処理して、液状発酵乳 (本発明品
5) を製造した。
【0052】なお、参考例1で得られた乳由来の尿素含
有組成物を溶液として配合することにより、本発明品中
の全固形当たりの尿素濃度は約 3.4倍となった。
【0053】
【比較例2】生乳10.5kg、無塩バター 2.5kg、上白糖
3.0kg及び水42.0kgをホモミキサーで混合し、原料ミッ
クスを調製した。
【0054】この原料ミックスを50℃まで加温し、80kg
/cm2で均質処理した後、プレート式殺菌機で90℃、10分
間加熱殺菌し、プレート式熱交換機で42℃まで冷却し
た。そして、発酵乳製造用の乳酸菌スターター(AB
T、雪印乳業社製)7.0kg を添加した後、42℃で発酵を
行い、乳酸酸度が 0.7%になったところで5℃まで冷却
してカードを得、撹拌機を 30rpmで撹拌させながら、こ
のカードを破砕した。
【0055】一方、異性化糖(フラクトB−30、二村
化学工業社製)7.0kg及び温水28kgを混合し、プレート式
殺菌機で90℃に達するまで加熱殺菌し、プレート式熱交
換機で5℃まで冷却して、糖液を調製した。
【0056】そして、破砕したカードと糖液とを混合
し、150kg/cm2 で均質処理して、液状発酵乳 (比較品
2) を製造した。
【0057】
【試験例2】本発明品4〜5及び比較品2の液状発酵乳
について、無脂乳固形分、脂肪及びタンパク質含量を表
3に示す。
【0058】
【表3】 ───────────────────────────── 本発明品4 本発明品5 比較品2 ───────────────────────────── 無脂乳固形分 8.6 8.6 8.6 脂肪 2.4 2.4 2.4 タンパク質 3.6 3.6 3.6 ───────────────────────────── (単位:重量%)
【0059】これによると、本発明品4〜5及び比較品
2については、同様の成分組成であることが判る。
【0060】また、本発明品4〜5及び比較品2の液状
発酵乳について、分離量を測定すると共に、風味及び組
織を官能評価した。その結果を表4に示す。
【0061】なお、分離量の測定は次の通り行い、官能
評価は試験例1と同様に行った。分離量の測定は、各試
料50mlを内径2cmの試験管に入れ、5℃で2週間静置後
の上澄液量を試料液量当りの容量%で表した。
【0062】
【表4】 ─────────────────────────────── 本発明品4 本発明品5 比較品2 ─────────────────────────────── 分離量(容量%) 2 3 16 風味 4.0 4.0 3.2 組織 4.0 3.9 3.8 塩味 感じない 感じない 感じない ───────────────────────────────
【0063】これによると、本発明品4〜5は比較品2
に比べると、分離量が顕著に少ないものとなっていた。
また、官能評価においても、本発明品4〜5は比較品2
に比べ、風味及び組織共に良好な評価であった。なお、
本発明品4〜5の間では、顕著な差は認められなかっ
た。
【0064】
【発明の効果】従来、安定剤を使用せずに硬度や粘度の
低下、あるいは離水や分離の発生を防止することは、非
常に難しい技術であった。しかし、本発明においては、
発酵乳を製造するに際して、尿素を配合することによ
り、硬度や粘度の低下、あるいは離水や分離の発生がな
く、安定な組織を有する発酵乳を容易に製造することが
できる。しかも、本発明の発酵乳は、風味が良好であ
り、また、安価に製造することができるという利点も有
している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−28056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23C 9/00 - 9/156

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製品中のタンパク質に対して 0.3〜 2.5
    重量%の尿素を含有する安定な組織を有する発酵乳。
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