JP3338430B2 - 切削装置及び切削加工方法 - Google Patents

切削装置及び切削加工方法

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JP3338430B2
JP3338430B2 JP2000564763A JP2000564763A JP3338430B2 JP 3338430 B2 JP3338430 B2 JP 3338430B2 JP 2000564763 A JP2000564763 A JP 2000564763A JP 2000564763 A JP2000564763 A JP 2000564763A JP 3338430 B2 JP3338430 B2 JP 3338430B2
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cutting
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oil spray
flank
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満 伊藤
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フジビーシー技研株式会社
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23B27/00Tools for turning or boring machines; Tools of a similar kind in general; Accessories therefor
    • B23B27/10Cutting tools with special provision for cooling
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23QDETAILS, COMPONENTS, OR ACCESSORIES FOR MACHINE TOOLS, e.g. ARRANGEMENTS FOR COPYING OR CONTROLLING; MACHINE TOOLS IN GENERAL CHARACTERISED BY THE CONSTRUCTION OF PARTICULAR DETAILS OR COMPONENTS; COMBINATIONS OR ASSOCIATIONS OF METAL-WORKING MACHINES, NOT DIRECTED TO A PARTICULAR RESULT
    • B23Q11/00Accessories fitted to machine tools for keeping tools or parts of the machine in good working condition or for cooling work; Safety devices specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, machine tools
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    • B23Q11/1038Arrangements for cooling or lubricating tools or work using cutting liquids with special characteristics, e.g. flow rate, quality
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、切削部にオイルスプレーを塗布しながら
被加工物を切削加工する切削装置及び切削加工方法に関
する。
背景技術 従来より旋盤等を用いた切削加工において、
切削バイトの切刃に切削油を給油しながら、被加工物を
切削加工することが行われている。このような給油は、
切削バイトの切刃の磨耗抑制による工具寿命の延長、切
削部の冷却、加工精度の向上等の効果がある。このよう
な効果をより最適なものとするために、現在までに種々
の切削バイトが提案されている。
例えば、噴射駒の交換や噴射穴の開口方向の調整によ
り、切削状況に応じた最適な給油が選択できるものや、
噴射駒の回転により給油方向の微調整ができるものが提
案されている(特開平7-266103号公報、特開平7-266104
号公報、特開平7-266105号公報参照)。
また、特開平7−60507号公報には、給油口と油
注入口とを近接させて給油路を短距離にすることによ
り、切削油中の不純物による給油路の目詰まりを防止で
きる切削バイトが提案されている。
さらに、特開平10−76404号公報には、板状部
材や給油ピースを設けることによって、切刃チップの逃
げ面に凹所を設けずに切刃部のすくい面や逃げ面に直接
正確に切削油を供給できる切削バイトが提案されてい
る。
しかしながら、前記のような従来の切削バイトによれ
ば、給油による工具寿命の延長等の効果をより最適、確
実なものとすることができるが、いずれも液体状のオイ
ルを直接、被加工物に向かって塗布するので、塗布量が
多くなり過ぎ、余分なオイルを除去するのに時間がかか
り、生産性を落とすという問題があった。
また、余分なオイルは、装置周辺に舞い上がるので、
作業環境悪化を防止する対策が別途必要であった。
発明の開示 本発明は前記のような従来の問題を解決するものであ
り、切削部にオイルスプレーを塗布しながら被加工物を
加工することにより、必要最低限の油量で切削加工がで
き、かつ作業環境悪化を防止できる切削装置及び切削加
工方法を提供することを目的とする。前記目的を達成す
るため本発明の切削装置は、切削刃を用いて加工対象物
の切削加工を行い、前記切削加工を前記加工対象物の切
削部に切削油を塗布をしながら行う切削装置であって、
前記切削刃のすくい面に吐出口を向けたすくい面用吐出
口と、前記切削刃の逃げ面に吐出口を向けた逃げ面用吐
出口と、オイルスプレー発生装置とを備え、前記すくい
面用吐出口と前記逃げ面用吐出口とは、前記オイルスプ
レー発生装置から流出したオイルスプレーの搬送通路の
径に対して口径が絞られており、前記オイルスプレー発
生装置から流出したオイルスプレーが、前記切削刃を固
定したバイトホルダー内に形成された流路を経て前記す
くい面用吐出口と前記逃げ面用吐出口とから粒径を増し
た状態で吐出することを特徴とする。
前記のような切削装置によれば、切削刃の磨耗抑制や
加工精度の向上に加えて、液体状のオイルを直接塗布す
る場合と比べて、すくい面、逃げ面に供給されるオイル
量はごく少量であるので、必要最小限のオイル量で切削
加工を行うことができる。すなわち、余分なオイルはほ
とんど供給されないので、被加工物の洗浄は容易または
不要であり、生産性の低下を防止できる。さらに、余分
なオイルが装置周辺に舞い上がることも防止でき、切り
くずに付着するオイル量も僅かであるので、作業環境悪
化を防止できる。また、オイルスプレーの粒径が増大す
るので、オイルスプレーが切削部に付着し易くなり円滑
な加工が行え、さらに粒径、流速の増大により、吐出後
のオイルスプレーの拡散を防止でき、オイルスプレーを
切削部に集中して塗布できる。
前記切削装置においては、前記オイルスプレー発生装
置は、容器内にオイルスプレーを供給するオイルスプレ
ー供給ノズルと、前記オイルスプレーを前記容器外に搬
送するスプレー搬送通路とを備えたことが好ましい。前
記のようなオイルスプレー発生装置であれば、大粒径の
オイルスプレーを容器内でトラップすることができ、ス
プレー搬送通路内のオイルスプレーの大半が細かいオイ
ルスプレーとなるので、即応性に優れ、高速にオイルス
プレーを搬送できる。
また、前記オイルスプレー発生装置は、ガス吐出口を
容器内に貯留したオイル中に有し、前記オイル内にガス
を吐出することにより前記オイルからオイルスプレーを
発生させる液中ノズルと、前記オイルスプレーを前記容
器外に搬送するスプレー搬送通路とを備えたことが好ま
しい。
前記のようなオイルスプレー発生装置であれば、簡単
な構造でオイルスプレーを発生させることができ、しか
も大粒径のオイルスプレーを容器内でトラップすること
ができ、スプレー搬送通路内のオイルスプレーの大半が
細かいオイルスプレーとなるので、即応性に優れ、高速
にオイルスプレーを搬送できる。
また、前記すくい面用吐出口は、交換可能なピンに形
成されていることが好ましい。前記のような切削装置に
よれば、吐出口径や吐出方向を容易に変えることができ
る。
また、前記逃げ面用吐出口の口径は、前記すくい面用
吐出口の口径に対して約1.5〜2倍の範囲であること
が好ましい。前記のような切削装置によれば、オイルス
プレー発生装置から発生する一定量のオイルスプレー
を、逃げ面への流量を大きくし、かつすくい面への流速
を速くするように配分することができるので、すくい
面、逃げ面双方の磨耗抑制を効果的に行うことができ
る。
また、前記切削装置がNC旋盤であることが好まし
い。
次に、本発明の切削加工方法は、切削刃を用いて加工
対象物の切削加工を行い、前記切削加工を前記加工対象
物の切削部に切削油を塗布をしながら行う切削加工方法
であって、前記切削加工に、切削刃のすくい面に吐出口
を向けたすくい面用吐出口と、前記切削刃の逃げ面に吐
出口を向けた逃げ面用吐出口と、オイルスプレー発生装
置とを備え、前記すくい面用吐出口と前記逃げ面用吐出
口とは、前記オイルスプレー発生装置から流出したオイ
ルスプレーの搬送通路の径に対して口径が絞られてお
り、前記オイルスプレー発生装置から流出したオイルス
プレーが、前記切削刃を固定したバイトホルダー内に形
成された流路を経て前記すくい面用吐出口と前記逃げ面
用吐出口とから粒径を増した状態で吐出する切削装置を
用いることを特徴とする。
前記のような切削加工方法によれば、切削刃の磨耗抑
制や加工精度の向上に加えて、液体状のオイルを直接塗
布するのと比べて、すくい面、逃げ面に供給されるオイ
ル量はごく少量であるので、必要最小限のオイル量で切
削加工を行うことができる。すなわち、余分なオイルは
ほとんど供給されないので、被加工物の洗浄は容易また
は不要であり、生産性の低下を防止できる。さらに、余
分なオイルが装置周辺に舞い上がることも防止でき、切
りくずに付着するオイル量も僅かであるので、作業環境
悪化を防止できる。また、オイルスプレーの粒径が増大
するので、オイルスプレーが切削部に付着し易くなり円
滑な加工が行え、さらに粒径、流速の増大により、吐出
後のオイルスプレーの拡散を防止でき、オイルスプレー
を切削部に集中して塗布できる。
また、前記オイルスプレー発生装置は、容器内にオイ
ルスプレーを供給するオイルスプレー供給ノズルと、前
記オイルスプレーを前記容器外に搬送するスプレー搬送
通路とを備えていることが好ましい。前記のような切削
加工方法によれば、大粒径のオイルスプレーを容器内で
トラップすることができ、スプレー搬送通路内のオイル
スプレーの大半が細かいオイルスプレーとなるので、即
応性に優れ、高速にオイルスプレーを搬送できる。
また、前記オイルスプレー発生装置は、ガス吐出口を
容器内に貯留したオイル中に有し、前記オイル内にガス
を吐出することにより前記オイルからオイルスプレーを
発生させる液中ノズルと、前記オイルスプレーを前記容
器外に搬送するスプレー搬送通路とを備えていることが
好ましい。
前記のような切削加工方法によれば、簡単な構造でオ
イルスプレーを発生させることができ、しかも大粒径の
オイルスプレーを容器内でトラップすることができ、ス
プレー搬送通路内のオイルスプレーの大半が細かいオイ
ルスプレーとなるので、即応性に優れ、高速にオイルス
プレーを搬送できる。
また、前記すくい面用吐出口は、交換可能なピンに形
成されていることが好ましい。前記のような切削加工方
法によれば、吐出口径や吐出方向を容易に変えることが
できる。
また、前記逃げ面用吐出口の口径は、前記すくい面用
吐出口の口径に対して約1.5〜2倍の範囲であること
が好ましい。前記のような切削加工方法によれば、オイ
ルスプレー発生装置から発生する一定量のオイルスプレ
ーを、逃げ面への流量を大きくし、かつすくい面へのの
流速を速くするように配分することができるので、すく
い面、逃げ面双方の磨耗抑制を効果的に行うことができ
る。
また、前記切削装置がNC旋盤であることが好まし
い。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の一実施形態の切削装置を用いた切削
加工を示す平面図。
図2は、図1のx方向からの矢視図。
図3は、本発明に係るオイルスプレー発生装置の一実
施形態の断面図。
図4は、本発明に係るバイトホルダーの一実施形態の
主要部の断面図。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の一実施形態について図面を参照しなが
ら説明する。本実施形態は本発明に係る切削装置を旋盤
として用いた実施形態であり、例えばNC旋盤である。
図1は、本実施形態に係る旋盤を用いた切削加工を示す
平面図で、図2は、x方向からの矢視図である。バイト
1は例えばねじ(図示せず)によって、交換可能なよう
にバイトホルダー2に固定されている。図示はしていな
いが、円柱状の被加工物3は主軸台によって回転を与え
られ、バイトホルダー2はバイト台に固定され、横送
り、縦送りが可能である。
図1に示したように円柱状の被加工物3は矢印a方向
に回転しながら、バイト1の切刃1aによって切削され
る。図2において、7はバイト1のすくい面であり、8
は逃げ面である。切削加工中は、すくい面7側に切くず
が発生する。また切削加工を継続するにつれて、すくい
面7、逃げ面8の双方には磨耗が進行する。すくい面7
の磨耗は切くずとすくい面7との圧着・拡散が主な原因
で、逃げ面8の磨耗は逃げ面8と被加工物3との摩擦が
主な原因の機械的な磨耗である。
磨耗抑制による工具寿命の延長、切削部の冷却、また
加工精度の向上等を図るため切削加工中は、すくい面
7、逃げ面8の双方にオイルスプレーを塗布する。
オイルスプレーとは、オイル微粒子のことである。オ
イルスプレーの粒径が小さくなるほど、オイルスプレー
は煙り状となり、空気中を漂える程度のものとなる。逆
に一定範囲内であれば粒径が大きくなるほど、オイルス
プレーは、被加工物や工具に付着し易くなる。
すくい面7へのオイルスプレーの塗布は、すくい面用
吐出口5から、オイルスプレーが吐出する(図1,2の
矢印b方向)ことにより行われる。すくい面用吐出口5
は、ピン4に形成されており、ねじ込み方式のピン4を
交換することにより、吐出口径や吐出方向を容易に変え
ることができる。
逃げ面8へのオイルスプレーの塗布は、逃げ面用吐出
口6から、オイルスプレーが吐出する(図2の矢印c方
向)ことにより行われる。逃げ面用吐出口6は、バイト
ホルダー2を加工することによりバイトホルダー2の側
面部に形成されている。
液体状のオイルを直接塗布するのと比べて、オイルス
プレーの塗布であれば、すくい面7、逃げ面8に供給さ
れるオイル量はごく少量であり、必要最小限のオイル量
で切削加工を行うことができる。すなわち、余分なオイ
ルはほとんど供給されないので、被加工物の洗浄は容易
または不要であり、生産性の低下を防止できる。さら
に、余分なオイルが装置周辺に舞い上がることも防止で
き、切りくずに付着するオイル量も僅かであるので、作
業環境悪化を防止できる。
このように、オイルスプレーを塗布しながら、切削加
工を行うことにより、バイト1の磨耗抑制や加工精度の
向上ができるばかりでなく、生産性の低下や作業環境悪
化を防止することができる。
以下、オイルスプレー発生装置について説明する。図
3は、オイルスプレー発生装置の一例の断面図である。
スプレー吐出ノズル21は、ガスチューブ24とこの中
を挿通するオイルチューブ25とで二重に形成されてい
る。ガスチューブ24はガス源26に接続され、ガス流
量調整バルブ27aによって、吐出流量を調整できる。
ノズル先端部25aにおいて、オイルポンプ28から供
給されたオイルと、ガス源26から供給されたガスとが
混合し、オイルスプレーとなって容器20内に吐出され
る。
ガス吐出ノズル22は、ガス源26に接続され、ガス
流量調整バルブ27bによって吐出流量を調整でき、最
終出口部におけるオイルスプレーの流速を調整できる。
容器20の必要な内圧が確保できる場合は、ガス吐出ノ
ズル22は設けなくてもよい。
液中ノズル30は、オイル29に浸漬しており、ガス
流量調整バルブ27cによって、吐出流量を調整でき
る。液中ノズル30からオイル29内にガスを吐出する
と、オイル29はこの吐出ガスによって飛沫同伴され、
液面上からオイルスプレーとして噴霧拡散される。
容器20内は、スプレー吐出ノズル21、ガス吐出ノ
ズル22、及び液中ノズル23からのエア圧によって加
圧されるので、容器20内に滞留している細かいオイル
スプレーは、この加圧の影響を受け、スプレー流入パイ
プ23内へ運ばれて行く。
大粒径のオイルスプレーや油滴はオイル29の液面方
向に重力落下しようとするので、エア圧の影響を受けに
くく、スプレー搬送チューブ31内を流動するオイルス
プレーは、大半が細かいオイルスプレーである。このた
め、オイルスプレーを高速で搬送することができ、チュ
ーブ内壁面へも付着しにくい。したがって、給油対象物
のまでの距離が長く搬送チューブ長が長くなっても、短
時間で搬送パイプ内を通過させることができる。このよ
うにして、スプレー搬送チューブ31のオイルスプレー
は、バイトホルダー2に向けて搬送される。
以下、バイトホルダー2に搬送された後のオイルスプ
レーの流動について、図4を用いて説明する。図4は、
バイトホルダー部の長手方向における主要部の断面図で
ある。オイルスプレー発生装置から流出したオイルスプ
レーは、矢印d方向に搬送され、オイルスプレー搬送チ
ューブ9を経て、バイトホルダー2内部のオイルスプレ
ー搬送通路10に至る。
さらに、オイルスプレーは、矢印e方向とf方向とに
分流し、それぞれすくい面用吐出口5及び逃げ面用吐出
口6から吐出する。ここで、すくい面用吐出口5及び逃
げ面用吐出口6の口径は、オイルスプレー搬送通路10
の口径に対して絞っている。このため、オイルスプレー
は、口径を絞った各吐出口5,6を通過することにより
流速が増す。この流速の増加によって、オイルスプレー
の粒径は増すことになる。
このように、オイルスプレーの粒径を増大させるの
は、前記のようなオイルスプレー発生装置から供給され
るオイルスプレーは、粒径が選別された細かいオイルス
プレーすなわち煙り状で空気中を漂う程度の大きさのも
のであり、そのまま吐出させても、そのほとんどは被加
工物に付着しないからである。したがって、各吐出口
5,6の口径を絞りオイルスプレーの粒径は増大させる
ことにより、被加工物及びバイトに付着し易くなり円滑
な加工が行える。
また、粒径、流速の増大により、吐出後のオイルスプ
レーの拡散を防止でき、オイルスプレーを切削部に集中
して塗布できる。ただし、オイルスプレー搬送通路の口
径自体が狭い場合や、吐出口に達する前に切削部に付着
できる程度の粒径が確保されている場合は、さらに吐出
口径を絞ることは必ずしも必要でない。
ここで、逃げ面用吐出口6の口径は、すくい面用吐出
口5の口径に対して約1.5〜2倍の範囲であることが
好ましい。以下、その理由について説明する。バイトは
一般的に超硬工具であり、この場合はバイトの逃げ面に
はフランク摩耗が、バイトのすくい面にはクレータ摩耗
が生ずる。
フランク摩耗は、逃げ面と被加工物との摩擦が主な原
因の機械的な磨耗である。クレータ摩耗は、熱摩耗また
は拡散摩耗といわれるもので、切くずとすくい面との圧
着・拡散が主な摩耗原因で、バイト切刃の温度の影響が
大きい。さらに、フランク摩耗幅は、クレータ摩耗深さ
より大きくなるのが、一般的である。
このようなことから、すくい面よりも摩耗量の大きい
逃げ面には、オイルスプレーの塗布量を増やし、バイト
切刃の温度の影響が大きいすくい面には、オイルスプレ
ーの塗布流速を速くして冷却効果を高める必要がある。
また、連続切削を行うと、すくい面には常に切くずが乗
った状態となるので、すくい面にオイルスプレーを有効
に塗布するためにも、すくい面へのオイルスプレーの塗
布流速を速くする必要がある。
前記のように、逃げ面用吐出口6の口径を、すくい面
用吐出口5の口径に対して約1.5〜2倍の範囲とする
ことにより、オイルスプレー発生装置から発生する一定
量のオイルスプレーを、逃げ面への流量を大きくし、か
つすくい面へのの流速を速くするように配分することが
できる。
なお、前記実施形態では、逃げ面用吐出口が1箇所の
例を示したが、前切刃と横切刃とを備えたバイトにおい
て、前逃げ面と横逃げ面の双方に吐出できるよう複数の
オイルスプレー吐出口を設けてもよい。
また、前記実施形態で説明したオイルスプレー発生装
置は、高速・重切削加工のように発生熱量が大きく多く
の給油量を必要とする場合には、前記のように、スプレ
ー吐出ノズルと、液中ノズルとの双方を設けた装置が好
ましいが、用途に応じて、スプレー吐出ノズル2を設け
ていない装置でもよく、逆に液中ノズル4を設けていな
い装置でもよい。
また、スプレー吐出ノズルへのオイル供給に、オイル
ポンプを用いた例を示したが、オイルポンプは用いず
に、サイホン方式を用いたものでもよい。
また、前記のようなオイルスプレー発生装置は、オイ
ルスプレー粒径選別のため、いったん容器内にオイルス
プレーを吐出または発生させた後、容器外に流出させる
ものであるが、サイホン方式や前記のような二重管方式
で発生させたオイルスプレーを、直接すくい面用吐出
口、逃げ面用吐出口に導くものでもよい。
以上のように本発明の切削装置及び切削加工方法によ
れば、切削刃のすくい面と逃げ面とに、オイルスプレー
を塗布をしながら切削加工を行うことにより、切削刃の
磨耗抑制や加工精度の向上に加えて、すくい面、逃げ面
に供給されるオイル量はごく少量であるので、必要最小
限のオイル量で切削加工を行うことができ、余分なオイ
ルはほとんど供給されないので、被加工物の洗浄は容易
または不要となり、生産性の低下を防止できる。さら
に、余分なオイルが装置周辺に舞い上がることも防止で
き、切りくずに付着するオイル量も僅かであるので、作
業環境悪化を防止できる。
産業上の利用可能性 以上のように、本発明の切削装置及び切削加工方法に
よれば、切削刃の磨耗抑制や加工精度の向上に加え、被
加工物の洗浄による生産性の低下、及び余分なオイルの
装置周辺への舞い上がりによる作業環境悪化を防止でき
るので、切削バイトの切刃に切削油を給油しながら、被
加工物を切削加工する旋盤等による切削加工に利用する
ことができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−51980(JP,A) 特開 平8−25111(JP,A) 特開 平8−257807(JP,A) 特開 昭59−73258(JP,A) 特開 平11−320317(JP,A) 特開 平11−320213(JP,A) 特開 平11−291101(JP,A) 実開 平6−39305(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 27/10 B23Q 11/10

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(補正後)切削刃を用いて加工対象物の切
    削加工を行い、前記切削加工を前記加工対象物の切削部
    に切削油を塗布をしながら行う切削装置であって、前記
    切削刃のすくい面に吐出口を向けたすくい面用吐出口
    と、前記切削刃の逃げ面に吐出口を向けた逃げ面用吐出
    口と、オイルスプレー発生装置とを備え、前記すくい面
    用吐出口と前記逃げ面用吐出口とは、前記オイルスプレ
    ー発生装置から流出したオイルスプレーの搬送通路の径
    に対して口径が絞られており、前記オイルスプレー発生
    装置から流出したオイルスプレーが、前記切削刃を固定
    したバイトホルダー内に形成された流路を経て前記すく
    い面用吐出口と前記逃げ面用吐出口とから粒径を増した
    状態で吐出することを特徴とする切削装置。
  2. 【請求項2】前記オイルスプレー発生装置は、容器内に
    オイルスプレーを供給するオイルスプレー供給ノズル
    と、前記オイルスプレーを前記容器外に搬送するスプレ
    ー搬送通路とを備えた請求の範囲第1項に記載の切削装
    置。
  3. 【請求項3】前記オイルスプレー発生装置は、ガス吐出
    口を容器内に貯留したオイル中に有し、前記オイル内に
    ガスを吐出することにより前記オイルからオイルスプレ
    ーを発生させる液中ノズルと、前記オイルスプレーを前
    記容器外に搬送するスプレー搬送通路とを備えた請求の
    範囲第1項に記載の切削装置。
  4. 【請求項4】(削除)
  5. 【請求項5】前記すくい面用吐出口は、交換可能なピン
    に形成されている請求の範囲第1項に記載の切削装置。
  6. 【請求項6】前記逃げ面用吐出口の口径は、前記すくい
    面用吐出口の口径に対して約1.5〜2倍の範囲である
    請求の範囲第1項に記載の切削装置。
  7. 【請求項7】前記切削装置がNC旋盤である請求の範囲
    第1項に記載の切削装置。
  8. 【請求項8】(削除)
  9. 【請求項9】(補正後)切削刃を用いて加工対象物の切
    削加工を行い、前記切削加工を前記加工対象物の切削部
    に切削油を塗布をしながら行う切削加工方法であって、
    前記切削加工に、切削刃のすくい面に吐出口を向けたす
    くい面用吐出口と、前記切削刃の逃げ面に吐出口を向け
    た逃げ面用吐出口と、オイルスプレー発生装置とを備
    え、前記すくい面用吐出口と前記逃げ面用吐出口とは、
    前記オイルスプレー発生装置から流出したオイルスプレ
    ーの搬送通路の径に対して口径が絞られており、前記オ
    イルスプレー発生装置から流出したオイルスプレーが、
    前記切削刃を固定したバイトホルダー内に形成された流
    路を経て前記すくい面用吐出口と前記逃げ面用吐出口と
    から粒径を増した状態で吐出する切削装置を用いること
    を特徴とする切削加工方法。
  10. 【請求項10】前記オイルスプレー発生装置は、容器内
    にオイルスプレーを供給するオイルスプレー供給ノズル
    と、前記オイルスプレーを前記容器外に搬送するスプレ
    ー搬送通路とを備えている請求の範囲第9項に記載の切
    削加工方法。
  11. 【請求項11】前記オイルスプレー発生装置は、ガス吐
    出口を容器内に貯留したオイル中に有し、前記オイル内
    にガスを吐出することにより前記オイルからオイルスプ
    レーを発生させる液中ノズルと、前記オイルスプレーを
    前記容器外に搬送するスプレー搬送通路とを備えている
    請求の範囲第9項に記載の切削加工方法。
  12. 【請求項12】(削除)
  13. 【請求項13】前記すくい面用吐出口は、交換可能なピ
    ンに形成されている請求の範囲第9項に記載の切削加工
    方法。
  14. 【請求項14】前記逃げ面用吐出口の口径は、前記すく
    い面用吐出口の口径に対して約1.5〜2倍の範囲であ
    る請求の範囲第9項に記載の切削加工方法。
  15. 【請求項15】前記切削装置がNC旋盤である請求の範
    囲第9項に記載の切削加工方法。
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