JPH11291101A - 油穴付きバイト - Google Patents

油穴付きバイト

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JPH11291101A
JPH11291101A JP10153298A JP10153298A JPH11291101A JP H11291101 A JPH11291101 A JP H11291101A JP 10153298 A JP10153298 A JP 10153298A JP 10153298 A JP10153298 A JP 10153298A JP H11291101 A JPH11291101 A JP H11291101A
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JP
Japan
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cutting
oil hole
oil
cutting edge
cutting tool
Prior art date
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Pending
Application number
JP10153298A
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English (en)
Inventor
Takamasa Shimano
高正 嶋野
Masayuki Okawa
昌之 大川
Kazuya Yamazaki
和哉 山崎
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削用媒体を刃先に高圧かつ集中的に供給す
る。 【解決手段】 バイト本体11に、切刃12の刃先に開
口15を向けた状態でノズル部13を着脱可能に取り付
ける。また、これらバイト本体11およびノズル部13
には、外部から供給された切削油剤,オイルミスト,冷
風等の切削用媒体を開口15から刃先に向けて吐出させ
るための油穴14を形成する。この油穴14は、全長に
わたり同一内径をなし、かつ軸線が互いに交差する複数
の直線部14a〜14eとそれらの端部同士を滑らかに
連結する曲線部14ab〜14deとから構成した。こ
れにより、油穴14内の切削用媒体の流通をスムーズに
するとともに、乱流および圧力損失の抑制を図ってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル部を介して
切刃の刃先に切削油剤,オイルミスト,冷風等の切削用
媒体を集中的に吐出するための油穴が形成された油穴付
きバイトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、この種の油穴付きバイトとして
は、図5および図6に示すように、切刃1とその刃先に
開口2を向けたノズル部3とを備えるバイト本体4に、
工作機械側から供給された切削油剤cを前記開口2から
刃先に向けて吐出させるための油穴5が形成されたもの
が知られている。
【0003】この油穴付きバイトは、切削油剤cを刃先
に向けて集中的に供給することができるため、すくい面
6での切屑の流れをスムーズにし、かつ切刃1および被
削材を冷却して工具寿命および加工精度を向上させると
ともに、切屑を折断してその円滑な排出を可能にすると
いった長所を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これら潤
滑,冷却,および切屑処理性の各作用をより高めるには、
切削油剤cを刃先に高圧かつ集中的に供給することが必
要である。しかしながら、従来の油穴付きバイトでは、
油穴5の内径がその穴加工の方向が種々異なるためもあ
って、流れの方向に急に拡大したり、逆に、急に縮小す
ることがあるため、乱流の発生が起き易い上に、バイト
本体4に供給された切削油剤の圧力損失が大きく、たと
え切削油剤cをバイト本体4に高圧(約70kg/mm
2)で供給したとしても、ノズル部3の開口2から吐出
される切削油剤cの吐出圧が低下するという問題があっ
た。
【0005】また、従来の油穴5は、エンドミルによっ
てバイト本体4の後端4Aから軸線方向に穿孔した加工
穴5aと、バイト本体4の下面から内部に向けて穿孔し
た加工穴5bとを連通させること等で形成され、しかも
その連通を確実にすべく、加工穴5a,5b同士が十字
に交差する構成であるため、切削油剤cが図5の破線矢
印で示すように分岐する等して乱流が生じたり、流れに
対する障害が多い。
【0006】しかもこの場合には、たとえ前記各作用を
高めるべく液状の切削油剤cに代えて、エアーとともに
超微細粒のオイルミストをバイト本体4に供給するよう
にしても、油穴5を流通する過程でオイルミストが凝縮
液化してしまい、期待通りの効果が得られないことがあ
る。
【0007】さらに、油穴5は、切削油剤cの流方向が
工具本体4内で何度も変わるため、その度に、交差部分
の内側を通る切削油剤cの流速v1と外側を通る流速v2
との間に差が生じて流れが乱れるため、乱流となった切
削油剤cがノズル部3の開口2から円錐状に広がるよう
に吐出され、切削油剤cの刃先への高圧かつ集中的な供
給が阻害されるという問題があった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、切削溶媒体を刃先に高圧
かつ集中的に供給できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、かか
る目的を達成するため、請求項1記載の油穴付きバイト
は、切刃とその刃先に開口を向けたノズル部とを備え、
外部から供給された切削用媒体を前記開口から刃先に向
けて吐出させるための油穴が形成されてなる油穴付きバ
イトにおいて前記油穴は、前記切削用媒体の流方向下流
側の内径が上流側の内径以下となるように形成されてい
ることを特徴とするものである。この油穴付きバイトで
は、油穴の内径が切削用媒体の流方向に拡大することが
ないため、流路断面が拡大・縮小を繰り返すことによっ
て生じる乱流の発生および圧力損失の増大が抑制され
る。
【0010】請求項2記載の油穴付きバイトは、請求項
1記載の油穴付きバイトにおいて、前記油穴は、その全
長にわたり同一内径となるように形成されていることを
特徴とするものである。この油穴付きバイトでは、油穴
の内径が流方向に拡大しないだけでなく、縮小もしない
ため、乱流および圧力損失のさらなる抑制が図られる。
【0011】請求項3記載の油穴付きバイトは、請求項
1または請求項2記載の油穴付きバイトにおいて、前記
油穴は、軸線が互いに交差する複数の直線部とこれら直
線部の端部同士を滑らかに連結する曲線部とから構成さ
れていることを特徴とするものである。この油穴付きバ
イトでは、切削用媒体の流方向が変わる際の流れをスム
ーズにすることで、乱流および圧力損失のさらなる抑制
が図られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一実施形態につ
いて、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は本実
施形態に係る油穴付きバイトの一部を断面にして示す正
面図、図2はその平面図、図3はその側面図であり、こ
れらの図中、符号11はバイト本体、12は切刃、13
はノズル部、14は油穴である。また、本実施形態で
は、切削用媒体として液状の切削油剤を使用する場合に
ついて説明する。
【0013】この油穴付きバイトは、シャンク部11a
と、その先端に設けられた刃部11bとからなるバイト
本体11に、刃部11bに形成された切刃12の刃先に
開口15を向けた状態でカートリッジ式のノズル部13
が着脱可能に装着されていて、工作機械側から供給され
た切削油剤を開口15から刃先に向けて吐出させるため
の油穴14が、これらバイト本体11およびノズル部1
3に形成された構成とされている。
【0014】バイト本体11側の油穴14は、図1〜図
3に示すように、シャンク部11aの下面から内部に向
けて延びた後(直線部14a)、曲線部14abを介し
てバイト本体11の軸線Oと同軸をなすように刃部11
b側に延び(直線部14b)、さらに曲線部14bcを
介して刃部11bの側面に開口するように延びるように
形成されている(直線部14c)。
【0015】他方、ノズル部13側の油穴14は、図3
に示すノズル部13の刃部11bへの装着状態におい
て、バイト本体11側の油穴14の一部を構成する直線
部14cと同軸をなすように延びた後、曲線部14cd
を介して上方に向けて延び(直線部14d)、さらにノ
ズル部13の上端面から幾らか手前で曲線部14deを
介して下方傾斜しながらノズル先端部13aの開口15
に連なるように形成されている(直線部14e)。
【0016】また、油穴14は、互いの軸線が交差する
直線部14a〜14eの端部同士が曲線部14ab〜1
4deによって途中で枝分かれすることなく滑らかに連
結され、かつ全長にわたって同一内径となるように、例
えばシャンク部11aおよび刃部11bを精密鋳造する
ことによって形成される。すなわち、本実施形態では、
図1〜図3に示す直線部14a〜14eの内径φa〜φ
eは、次式の関係を満たしている。 a=b=c=d=e。
【0017】このように構成された油穴付きバイトは、
シャンク部11aが工作機械の刃物台(図示略)に固定
され、当該工作機械側に設けられた切削油剤供給装置
(図示略)をシャンク部11aの下面に開口する直線部
14aに連結することによって旋削加工に供される。そ
して、切削油剤供給装置からバイト本体11に供給され
た切削油剤は、シャンク部11a,刃部11b,および
ノズル部13の順に油穴14を流通し、ノズル先端部1
3aの開口15から切刃12の刃先に向けて集中的に吐
出される。
【0018】ここで、本実施形態の油穴14は、直線部
14a〜14e同士が曲線部14ab〜14deを介し
て途中で枝分かれすることなく滑らかに連結された構成
であるため、切削油剤の流方向が変わる際の流れがスム
ーズになるとともに、乱流の発生を抑制することができ
る。このため、切削油剤がノズル先端部13aの開口1
5から円錐状に広がりながら吐出されるといったことが
をなく、切削油剤を刃先に集中的に供給することができ
る。
【0019】また、本実施形態の油穴14は、上述の構
成に加え、全長にわたって同一内径をなして延びるよう
に形成されているため、切削油剤の流方向に流路断面が
増減することによる圧力損失がなく、上述した乱流の抑
制と相まって圧力損失を大幅に減少させることができ
る。このため、切削油剤供給装置から高圧供給された切
削油剤の吐出圧の低下が抑制され、刃先への高圧供給も
可能になる。
【0020】以上説明したように、本実施形態の油穴付
きバイトによれば、切削油剤を刃先に向けて高圧かつ集
中的に供給することができるため、すくい面16での切
屑の流れをスムーズにし、かつ切刃12および被削材を
冷却して工具寿命および加工精度を向上させるととも
に、切屑を折断してその円滑な排出を可能にするといっ
た効果をより一層高めることができる。
【0021】なお、油穴14は、次のようにして形成す
ることも可能である。例えば、バイト本体11を例にと
って説明すれば、バイト本体11を図1における断面で
半分割し、これら半割体の各分割面にボールエンドミル
で直線部14a,14bおよび曲線部14ab,14b
cに対応する断面半円状の凹溝を形成する。
【0022】次いで、一方の半割体の側面からボールエ
ンドミルにて直線部14cを穿孔した後、これら半割体
を一体固定する。すると、各半割体の分割面に形成した
凹溝同士が合わさって円形断面の孔を構成し、これによ
り、直線部14a〜14cが曲線部14ab,14bc
を介して滑らかに連通してなる油穴14が形成される。
【0023】また、本実施形態では、切削用媒体として
液状の切削油剤を使用する場合について説明したが、こ
れに限らず、少量の超微細粒オイルミストを大量のエア
ーともに供給するようにしたり、約−30℃〜−40℃
の冷風を供給するようにしてもよい。
【0024】前者の場合には、本実施形態の油穴14
が、流れに対する障害が少なく、オイルミストをエアー
とともにスムーズに流通させることができるため、オイ
ルミストの凝縮液化を防止でき、切削用媒体としてオイ
ルミストを採用した際の実効性を高めることができる。
また、後者の場合にも、冷風を高圧かつ集中的に刃先に
供給することができる。
【0025】次に、本発明の第二の実施形態について、
図4を参照しながら説明する。本実施形態の油穴付きバ
イトは、油穴の構成に特徴を有しており、この油穴を除
く他の構成要素については前述した第一実施形態と同様
の構成であるため、かかる構成要素については説明を省
略し、以下、特徴部分についてのみ説明する。
【0026】本実施形態における油穴21は、図1〜図
3に示す直線部14a〜14eに対応する部分の内径φ
a〜φeが、次式の関係を満たすように設定されている
ことを特徴とするものである。 a>b>c>d>e。
【0027】また、図1の直線部14bに対応する直線
部21bは、ボールエンドミルを用いてシャンク部22
の後端面22Aからその軸線に沿って刃部側(図4にお
ける左側)に延びるように穿孔されている。さらに、シ
ャンク部22には、その下面22Bから軸線に向かう方
向に沿って、入れ子23を嵌め込むための嵌合穴24が
形成されている。
【0028】この入れ子23は、図1に示す直線部14
aおよび曲線部14abに対応する直線部21aおよび
曲線部21abを内部に備えるように、例えば精密鋳造
によって作製されている。そして、入れ子23が嵌合穴
24に嵌め込まれ、ロウ付けやねじ止め等によってシャ
ンク部22に一体固定されると、ボールエンドミル加工
による直線部21bと入れ子23内の直線部21aとが
曲線部21abを介して滑らかに連通され、これにより
油穴21が形成されるようになっている。
【0029】同様に、図2に示す直線部14cおよびこ
れと直線部14bとを連結する曲線部14bcについて
も、別の入れ子により形成される(図示略)。また、ノ
ズル部についても、図3に示す直線部14dに対応する
直線部をボールエンドミルを用いて穿孔するとともに、
この直線部に連通する他の直線部(直線部14c,14
eに対応)および曲線部(曲線部14cd,14deに
対応)をノズル部と別体をなす入れ子に形成しておき、
これらの入れ子をノズル部に形成した嵌合穴に嵌め込ん
で一体固定することで、工具本体およびノズル部の内部
に切削油剤を流通させ、これを開口から切刃に向けて吐
出させるための油穴21を構成することができる。
【0030】以上説明したように、本実施形態における
油穴付きバイトによっても、油穴21の内径が切削油剤
の流方向に拡大することがないため、内径が拡大・縮小
を繰り返すことによる圧力損失が抑制され、工具本体に
高圧供給した切削油剤を高圧状態のままでノズル部の開
口から吐出させることができる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、次のような効果を奏することができる。 (a)請求項1記載の油穴付きバイトにおいては、油穴
の内径が切削用媒体の流方向に拡大することがないた
め、流路断面が拡大・縮小を繰り返すことによる圧力損
失を減少させることができ、工具本体に高圧供給した切
削用媒体を高圧状態のままで刃先に向けて集中的に吐出
させることができる。よって、冷却,潤滑,および切屑
処理性の向上を図ることができる。
【0032】(b)請求項2記載の油穴付きバイトにお
いては、油穴の内径が流方向に拡大しないだけでなく縮
小もしないため、切削用媒体が油穴を流通する際に生じ
る乱流の抑制および圧力損失のさらなる減少を図ること
ができる。
【0033】(c)請求項3記載の油穴付きバイトにお
いては、切削用媒体の流方向が変わる際の流れをスムー
ズにすることで、乱流および圧力損失をより一層抑制す
ることができ、上述の冷却,潤滑,および切屑処理性を
更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる油穴付きバイトの第一実施形
態の一部を断面にして示す正面図である。
【図2】 図1に示す油穴付きバイトの平面図である。
【図3】 図1に示す油穴付きバイトの側面図である。
【図4】 本発明に係わる油穴付きバイトの第二実施形
態の要部を示す要部拡大断面図である。
【図5】 従来の油穴付きバイトの一例の一部を断面に
して示す側面図である。
【図6】 図5に示す油穴付きバイトの平面図である。
【符号の説明】
12 切刃 15 開口 13 ノズル部 14 油穴 14a、14b、14c、14d、14e 直線部 14ab、14bc、14cd、14de 曲線部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切刃とその刃先に開口を向けたノズル部
    とを備え、外部から供給された切削用媒体を前記開口か
    ら刃先に向けて吐出させるための油穴が形成されてなる
    油穴付きバイトにおいて、 前記油穴は、前記切削用媒体の流方向下流側の内径が上
    流側の内径以下となるように形成されていることを特徴
    とする油穴付きバイト。
  2. 【請求項2】 前記油穴は、その全長にわたり同一内径
    となるように形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の油穴付きバイト。
  3. 【請求項3】 前記油穴は、軸線が互いに交差する複数
    の直線部とこれら直線部の端部同士を滑らかに連結する
    曲線部とから構成されていることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の油穴付きバイト。
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