JP3337598B2 - 自動倉庫における荷物出し入れ装置 - Google Patents

自動倉庫における荷物出し入れ装置

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JP3337598B2
JP3337598B2 JP28357795A JP28357795A JP3337598B2 JP 3337598 B2 JP3337598 B2 JP 3337598B2 JP 28357795 A JP28357795 A JP 28357795A JP 28357795 A JP28357795 A JP 28357795A JP 3337598 B2 JP3337598 B2 JP 3337598B2
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邦治 松田
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株式会社イトーキクレビオ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動台車の走行方
向に沿って棚を設け、移動台車と棚との間に荷物を載せ
替えるように構成された自動倉庫において、棚と移動台
車とに荷物を載せ替える装置の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動倉庫において移動台車と棚との間に
荷物を載せ替える手段として、移動台車に、棚内に向け
て進退動自在な移動フレームを設け、この移動フレーム
の両端部にピッカーを回動自在に設け、ピッカーを横向
きに突出した姿勢にして移動フレームを進退動させるこ
とにより、荷物を棚から移動台車の荷物か載置部に引き
出したり移動台車から棚に押し込んだりする構造のもの
がある。
【0003】そして、この種の荷物出し入れ装置におい
て、移動フレームにピッカーを取付ける従来の手段とし
て、図20(A)に模式的に示すように、ピッカー90
を、起立姿勢と横向きに倒れた姿勢とに回動自在となる
ように移動フレーム91に取付けて、ピッカー90を横
向きに倒した状態で移動フレーム91を進退動させるこ
とにより、荷物Wの出し入れを行うようにしたものがあ
る。
【0004】しかし、この従来技術では、荷物Wが棚の
奥行き方向にずれていると、ピッカー90の倒れ回動に
よって荷物Wを傷付ける虞があると言った問題や、ピッ
カー90の横幅寸法が移動フレーム91によって規制さ
れるため、ピッカー90が荷物Wに当たる面積を大きく
できない等の問題があった。
【0005】この点について本願出願人は、特願平7−
133946号において、図20(B)に模式的に示す
ように、ピッカー90を移動フレーム91に対して水平
回動自在に装着することを提案した。
【0006】この先願発明によると、荷物Wが棚の奥行
き方向にずれていても、ピッカー90の回動によって荷
物を適正な位置にずらし移動させることができる利点
や、ピッカー90を板状に形成できるので、ピッカー9
0が荷物Wに当たる面積を大きくできる等の利点を有す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この先願発明
では、できるだけ奥行き寸法の大きい荷物を出し入れで
きるようにするためには、ピッカーを移動フレームの外
側に露出した状態にしなければならないため、出し入れ
装置が嵩張ると言う問題があった。
【0008】また、荷物を棚から引き出すに際しては、
荷物の後方にピッカーを水平回動させるためのスペース
が必要になるため、棚の奥行き寸法を大きくなしなけれ
ばならない(換言すると、棚に載せることができる荷物
Wの最大奥行き寸法が小さくなる)と言う点も問題であ
った。
【0009】本発明は、先願発明の問題を踏襲しつつ、
その問題を解消することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
請求項1の発明に係る出し入れ装置は、「前面を開口し
た棚装置と、該棚装置の前面に沿って走行自在な移動台
車とを備えており、前記移動台車に、棚装置との間に荷
物を載せ替えるための荷物載置部と、前記荷物載置部を
挟んだ両側でかつ荷物載置部よりも高い高さ位置におい
て棚内に進退動自在な移動フレームとを設け、前記移動
フレームの両端部に、荷物を棚装置から引き出したり押
し込んだりするためのピッカーを、平面視で移動フレー
ムと略同方向に延びる姿勢と、荷物載置面よりも上方に
おいて荷物の前面又は後面に当たるように横向き突出し
た姿勢とに変更自在となるよう水平回動自在に装着して
成る自動倉庫において、前記ピッカーを、移動フレーム
に対して、移動フレームの進退方向に沿って移動自在で
且つ、移動フレームの端部に向けて前進した状態で横向
き突出した姿勢となるように装着する」という構成にし
た。
【0011】また、請求項2の発明に係る出し入れ装置
は、請求項1の構成において、「記ピッカーを移動フ
レームに対して、前進しながら横向きに水平回動するよ
うに装着する」の構成にした。
【0012】
【発明の奏する効果】請求項1のように構成すると、
ッカーは、荷物を出し入れしない状態(平面視で移動フ
レームと略同じ方向に延びる収納姿勢)では移動フレー
ムの端部よりも内側に後退させておき、荷物を出し入れ
する横向き姿勢のときだけ移動フレームの端部に向けて
前進させれば良いから、後退した状態でピッカーが移動
フレーム内に収納されるようにしておくことにより、前
記先願と同じ奥行き寸法の荷物を出し入れできるもので
ありながら、出し入れ装置をコンパクト化することがで
る。
【0013】また、請求項1では、前記先願のようにピ
ッカーを露出させた状態で更に前進するように構成して
も良いのであり、このようにすると、ピッカーの前進距
離だけピッカーの進退距離を増大できるから、出し入れ
装置を大型化しなくても、従来よりも奥行きの大きい荷
物を出し入れできる。
【0014】求項2のように、ピッカーが前進しなが
ら横向きに回動するように構成すると、ピッカーが荷物
の後方において回動するために要するスペースの奥行き
寸法を小さくできるから、前記先願に比べて棚の奥行き
寸法を小さくすることができる。
【0015】更に請求項3のように構成すると、棚と移
動台車との間の荷物の載せ替え途中にピッカーが不測に
回動することを防止できるから、荷物の載せ替えミスを
防止できる。
【0016】
【発明の実施形態】次に、本発明の実施例を図面に基づ
いて説明する。図1〜図16は第1実施例を示してお
り、このうち図1は自動倉庫の全体の概略斜視図であ
る。
【0017】動倉庫は、移動台車1が走行する左右一
ずつのレール2を上下多段に多数段備えており、レー
ル2を挟んだ両側には、それぞれ各レール2の高さに対
応して棚3を設けており、多段の棚3からなる2つの棚
装置4が相対向して配置された状態になっている。
【0018】一方の棚装置4の端部近傍には、各段の移
動台車1との間に荷物Wを載せ替えるためのリフト5を
昇降自在に設けている。また、リフト5の近傍には、搬
出入用コンベヤ6の端部を位置させ、コンベヤ6とリフ
ト5との間に荷物Wを載せ替えるようになっている。
【0019】なお、各段の棚3は、移動台車1の走行方
向に沿って多数に仕切っている。この場合、仕切られた
各部位の間口寸法を一定に揃えても良いし、間口寸法を
大小異ならせても良い。また、一つの段の棚3に仕切り
を設けずに、1枚板状に構成しても良い。
【0020】図2は、レール2と移動台車1と棚3との
関係を示す概略斜視図であり、この図から明らかなよう
に、各棚3は金属板製の棚板7で構成されている。これ
は幅寸法が大小異なる荷物Wを載置できるようにするた
めである。図2に示されているように、レール2は断面
略下向きコ字状に形成されており、図しない機枠に固定
されている。
【0021】他方、移動台車1は、走行方向に沿って長
い平面視長方形の本体8を備えおり、本体8には、走行
方向に向かった一端部に偏るようにして荷物載置部9を
設けている。この荷物載置部9はレール2及び棚板7の
上面と同じ高さに設定されている。従って、レール2を
介して荷物Wを棚板7と荷物載置部9との間に滑り移動
させることができる。
【0022】また、本体8の前後両端部には、前記レー
ル2上を転動する前後車輪10を装架している。前後車
輪10のうち本体8の他端寄りに位置した一対の車輪1
0を車軸11で連結し、この車軸11に、本体8に設け
た走行用モータ12からタイミングベルト等の無端帯1
3にて動力を伝達している。従って、走行用モータ12
を正逆回転させることにより、移動台車1を棚3の任意
の部位に走行させることができる。
【0023】移動台車1における本体8のうち荷物載置
部9を挟んだ前後両側には、移動台車1の走行方向と直
交した方向(換言すると棚3の奥行き方向)に沿って延
びる固定フレーム15を固着し、これら前後固定フレー
ム15に第1移動フレーム16を移動自在に装着し、更
に、第1移動フレーム16に第2移動フレーム17を移
動自在に装着している。そして、第2移動フレーム17
の左右両端に、当該第2移動フレーム17の進退動にて
荷物Wを引いたり押したりするためのピッカー18を水
平回動自在に装着している。
【0024】次に、図3以下の図面を参照して移動台車
1における各部位の詳細を説明する。図3は移動台車1
の平面図、図4は移動フレーム16,17の駆動機構を
模式的に示す斜視図、図5は固定フレーム15の取付け
手段を示す図で、このうち分図(A)は斜視図、分図
(B)は平面図である。
【0025】図3及び図5に示すように、前記固定フレ
ーム15はブラケット21にボルト19及びナット20
によって固着されており、ブラケット21は、本体8を
構成する部材のうち走行方向に沿って延びる枠材8aに
ボルト19及びナット20で締結されている。
【0026】図6(A)は固定フレーム15と両移動フ
レーム16,17との関係を示す部分斜視図、同図
(B)は(A)のB−B視断面図、図7は図3の VII-V
II視図、図8(A)は図3のVIIIA-VIIIA 視断面図、図
9は図8(A)のIX−IX視図である。
【0027】図6及び図7に示されているように、固定
フレーム15は、その下端水平片15aが荷物載置部9
に向けて延びるように略L字状に形成されており、
下端水平片15aの先端縁を上向きに折り曲げることに
より、荷物Wに対するガイド片15bと成している。こ
のように構成すると荷物Wのガイド構造を簡単化できる
利点がある。
【0028】他方、第1移動フレーム16は固定フレー
ム15の内面に沿って延びるように配置されており、固
定フレーム15に向けて開口するような断面コの字状に
形成されている。また、第2移動フレーム17は、荷物
載置部9の方向に向けて開口する断面コ字状に形成され
ており、その上面は固定フレーム15の上面よりも極く
僅かな寸法だけ低くなるように設定している。
【0029】図8及び図9に示すように、第1移動フレ
ーム16の上下内面に、全長にわたって延びる断面山形
の第1ガイドレール23を相対向して固着する一方、固
定フレーム15には、前記第1ガイドレール23にきっ
ちり嵌合する第1ガイドローラ24を長手方向に沿って
適宜間隔で多数個設け、これにより、第1移動フレーム
16を固定フレーム15に対して移動自在に装着してい
る。
【0030】また、第2移動フレーム17のうち第1移
動フレーム16に対向した面に、上下両面を断面山形に
形成した第2ガイドレール25を固着する一方、第1移
動フレーム16に、前記第2ガイドレール25の上面と
下面とにきっちり嵌合する第2ガイドローラ26を長手
方向に沿って適宜間隔で多数個取付け、これにより、第
2移動フレーム17を第1移動フレーム16に対して移
動自在に装着している。
【0031】図8及び図9に明示するように、第1移動
フレーム16のうち固定フレーム15に臨んだ内面に、
その略全長にわたって延びるラック杆27を固着する一
方、固定フレーム15の外面に、第1ブラケット28及
び第1軸受け29を介してピニオンギヤ30を水平回転
自在に軸支し、このピニオンギヤ30を、固定フレーム
15に刻設した窓穴31から前記ラック杆27に噛合さ
せている。従って、ピニオンギヤ30を回転させると、
第1移動フレーム16は棚3の内部に向けて進退動す
る。
【0032】図6に明示するように、一方の固定フレー
ム15の外面のうちピニオンギヤ30の近傍に固着した
第2ブラケット32に、前記ピニオンギヤ30に噛合す
るアイドルギヤ33が第2軸受け34を介して水平回転
自在に軸支されており、このアイドルギヤ33の回転軸
35の下端にアイドルスプロケット37を固着してい
る。
【0033】また、両固定フレーム15のうち一方の固
定フレーム15の外面に固着した第3ブラケット38
に、フレーム駆動用モータ39を、その回転軸が下向き
に延びるようにして固着し、このフレーム駆動用モータ
39の回転軸に主動スプロケット40を固着している。
【0034】図4に模式的に示すように、フレーム駆動
用モータ39を取付けていない固定フレーム15に軸支
したピニオンギヤ30の回転軸41の下端には、従動ス
プロケット42を固着している。
【0035】そして、主動スプロケット40と従動スプ
ロケット42とアイドルスプロケット37とに、無端帯
の一例として、フレーム駆動用チェーン36を巻き掛け
している。従って、フレーム駆動用モータ39を正逆回
転すると、両ピニオンギヤ30が同じ方向に回転して、
前後両第1移動フレーム16は同期して同じ方向に同じ
距離だけ移動する。
【0036】図8及び図9に示すように、両第1移動フ
レーム16の下面に固着したブラケット片44の両端に
それぞれスプロケット45を固着し、これら両スプロケ
ット45に、無端帯の一例として、倍速用チェーン46
を巻き掛けし、更に、倍速用チェーン46の下部を、固
定フレーム15の左右中間部に突設した下ブロック体4
7に固着し、倍速用チェーン46の上部を、第2移動フ
レーム17の左右中間部に突設した上ブロック体48に
固着している。
【0037】従って、図9(B)に模式的に示すよう
に、ピニオンギヤ30によって第1移動フレーム16が
移動すると、第2移動フレーム17も第1移動フレーム
16に対して移動する。すると、第2移動フレーム17
は固定フレーム15に対して、第1移動フレーム16の
移動距離の2倍だけ移動するのであり、これにより、第
2移動フレーム17は棚3内に向けて大きく進退動す
る。
【0038】図7及び図8に示すように、ピニオンギヤ
30の回転軸41にはロータリーエンコーダ49を取付
けており、これにより、第2移動フレーム17の進退距
離を制御するようにしている。
【0039】また、図7に示すように、アイドルスプロ
ケット37は回転軸35に対してナット50で固着され
ている。また、従動スプロケット42も同様の構成にな
っている。このように構成すると、アイドルスプロケッ
ト37及び従動スプロケット42の歯の位置を円周方向
に微調整できるので、両第1移動フレーム16を正確に
位置合わせした状態で移動させることができる。
【0040】次に、ピッカー18の装着手段を、図10
〜図14に基づいて説明する。図10(A)及び図11
に示すように、第2移動フレーム17の左右中間部には
平断面コ字状のブラケット板52を固着し、両ブラケッ
ト板52に、第2移動フレーム17の長手方向に延びる
ねじ軸53を回転自在に装架し、このねじ軸53にスラ
イダー54を螺合している。
【0041】また、ブラケット板52にピッカー駆動用
モータ55を取り付け、このピッカー駆動用モータ55
の動力を一対のギヤ56にてねじ軸53に伝達してい
る。
【0042】従って、ピッカー駆動用モータ55を正逆
回転させるとねじ軸53が正逆回転し、これに連れてス
ライダー54が第2移動フレーム17の長手方向に移動
する。例えば図11(A)に示すように、前記スライダ
ー54の前面には、第2移動フレーム17の長手方向に
延びる連動杆58を固着している。
【0043】前記ピッカー18は、荷物当接部18aと
付け根部18bとが平面視で直角になるように形成され
ており、且つ、荷物当接部18aの基端部18cはく字
状に折り曲げている。このため、後退した状態では、荷
物当接部18aが第2移動フレーム17に対して平面視
で傾斜した状態で第2移動フレーム17内に収納され
る。
【0044】そして、ピッカー18の付け根部18aに
上下一対のブラケット片59を取り付け、上下ブラケッ
ト片59に上下長手の支軸60を取り付ける一方、第2
移動フレーム17の上下両内面に、固定部材61aと可
動部材61bから成るリニアガイド61を、第2移動フ
レーム17の長手方向に沿って延びるように取り付け、
このリニアガイド61の可動部材61bに前記支軸60
の上下両端を係止している。
【0045】従って、ピッカー18は、リニアガイド6
1により、第2移動フレーム17の長手方向に沿ってス
ライドさせることができる。リニアガイド61は、第2
移動フレーム17のうち荷物載置部9寄りに偏って設け
ている。また、第2移動フレーム17の上下内面には、
リニアガイド61の可動部材61bに対する後退規制用
ストッパー62を設けている。
【0046】図13に明示するように、第2移動フレー
ム17の上下内面においてリニアガイド61よりも奥側
に位置した部位には、断面コ字状の溝形ガイド体63を
相対抗するようにして固着しており、上下の溝形ガイド
体63の間の部位に、上下長手のロッド64を配置し、
このロッド64の上下両端部に、前記溝形ガイド体63
にきっちり嵌まるガイドローラ65と、前記ピッカー1
8の付け根部18bに当たる押圧用ローラ66とを水平
回転自在に取り付けている。
【0047】また、例えば図13に示すように、前記ロ
ッド64の背面に当て板67を固着して、この当て板6
7の上下両端に、溝形ガイド体63内を転動自在なロー
ラ68を取り付けている。また、図13及び図14に示
すように、前記当て板67には、第2移動フレーム17
の左右中央部の方向に向けて延びる可動ブラケット69
を固着し、この可動ブラケット69に、前記連動杆58
の左右両端を固着している。
【0048】更に、前記可動ブラケット59とピッカー
18の付け根部18bとの間には、引っ張りばね70を
装架している。従って、ピッカー駆動用モータ55を正
逆回転させると、連動杆58及び可動ブラケット69を
介して押圧用ローラ66が溝形ガイド溝63に沿って移
動し、これに伴って、ピッカー18も第2移動フレーム
17の長手方向に沿って移動する。
【0049】第2移動フレーム17の先端寄りの上下内
面には、リニアガイド61における可動部材61bに対
する前進規制用ストッパー72を設けている。この場
合、可動部材61bの先端面と前進規制用ストッパー7
2とが互いに嵌まり合うように形成して、前進位置を正
確に保持するようにしている。また、上下前進規制用ス
トッパー72の間には、ピッカー18の開き姿勢を規制
するための上下長手の規制ピン(ローラでも良い)73
を回転自在に取り付けている。
【0050】押圧用ローラ66の移動ストローク(換言
すると、スライダー54の移動ストローク)は、リニア
ガイド61における可動部材61bの移動ストロークL
1よりも長い寸法に設定されている。
【0051】以上の構成において、押圧用ローラ66が
後退した状態では、図14に示すように、可動ブラケッ
ト69とピッカー18の付け根部18bとの間に引っ張
りばね70が装架されていることにより、ピッカー18
は、その荷物当接部18aが第2移動フレーム17内に
収納された姿勢に保持されている。
【0052】そして、押圧用ローラ66が前進すると、
図15に示すように、ピッカー18は押圧用ローラ66
に押されて前進する。この場合、リニアガイド61の可
動部材61bが前進規制用ストッパー72に当たるまで
は、ピッカー18と可動ブラケット69との相対的な位
置関係は変わらないため、ピッカー18はその姿勢を変
えることなく前進する。
【0053】次いで、ピッカー18が前進し切った状態
で押圧用ローラ66が更に前進すると、ピッカー18の
付け根部18bが押圧用ローラ66によって押されるた
め、ピッカー18は支軸60を中心にして水平回動す
る。
【0054】そして、押圧用ローラ66が前進し切った
状態では、図16に示すように、ピッカー18は第2移
動フレーム17と平面視で直交した姿勢になる。この状
態では、ピッカー18は規制ピン73と押圧用ローラ6
6とによって回動不能に保持されている(押圧用ローラ
66は、ピッカー18を横向きに突出した状態に保持す
るロック手段の機能も有している)。
【0055】このように、ピッカー18を後退させた状
態で第2移動フレーム17を棚3内に前進させてから、
ピッカー18を横向きに回動させ、その状態だ第2移動
フレーム17を後退させると、荷物Wは棚3から移動台
車1に引き出される。また、ピッカー18を開いた状態
で荷物Wを押すと、荷物Wは移動台車1から棚3に載せ
替えられる。
【0056】前記したように、ピッカー駆動用モータ5
5でスライダ54を移動させることによってピッカー1
8の前後動と開閉動とを行うものであるが、スライダー
54に取り付けた1本の連動杆58の両端に可動ブラケ
ット69を介してロッド64を取り付けているから、一
対の押圧用ローラ66は互いに逆方向に移動することに
る。
【0057】従って、例えば図2に示すように、一方の
ピッカー18が後退した状態のときには他方のピッカー
18は前進して横向きに突出すると言うように、両ピッ
カー18は互いに逆向きに動くことになる。
【0058】このように両ピッカー18を互いに逆向き
に動かすと、例えば棚3から引き出した荷物Wをリフト
5に載せ替えるに際してピッカー18を再駆動する必要
がないので、制御系統を簡素化できる利点がある。
【0059】ところで、第2移動フレーム17は移動す
るから、ピッカー駆動用モータ55への電源用ケーブル
や制御用スイッチ(或いはセンサー)類に対するケーブ
ル類(或いはコード類)もフレキシブルな状態にする必
要があるが、この場合、ケーブル類が荷物Wの出し入れ
の邪魔にならないようにする必要がある。
【0060】この点については、図18に示すようにし
て対処している。すなわち、図18のうち(A)は図8
のVIII−VIII視図、(B)は部分斜視図であり、これら
に示すように、電源等の複数本のケーブル(コード)を
1枚のフレキシブルな合成樹脂板に埋設して変形自在な
フラットケーブル75と成し、このフラットケーブル7
5を、多数のカバー片76を屈曲自在に連結して成るフ
レキシブルカバー77内に抜け不能に挿入し、フレキシ
ブルカバー77の一端を固定フレーム15に係止する一
方、フレキシブルカバー77の他端を第2移動フレーム
17に係止している。
【0061】この場合、フレキシブルカバー77は、そ
れぞれ両フレーム15,17の長手中心Oよりも同じ方
向に偏った部位に係止している。第2移動フレーム17
が一方の方向に前進すると、フレキシブルカバー77
は、図18の分図(C)に示すように変形し、第2移動
フレーム17が反対方向に前進すると、フレキシブルカ
バー77は図18の分図(D)に示すように変形する。
【0062】この場合、(C)の状態ではフレキシブル
カバー77は棚板7によっても支持され、また、(D)
の上端では、フレキシブルカバー77は第2移動フレー
ム17によって吊り勝手になっているから、荷物Wの出
し入れを阻害することなくスムース且つ安全に変形す
る。
【0063】図18は、荷物Wの高さの違いへの対策を
示している。すなわち、ピッカー18の高さ位置は一定
であるため、荷物Wの高さ寸法が大きい場合は、荷物W
の出し入れを安全に行えない虞がある。このため、図1
8に示すように(図7の一点鎖線も参照)、固定フレー
ム15や両移動フレーム16,17等から成る出し入れ
装置を一つのユニット79として、このユニット79を
複数段にしてブラケット21に固着し、複数枚のピッカ
ー18で荷物Wの出し入れを行うようにしたものであ
る。
【0064】このような変更は、移動台車1の本体8に
螺着したブラケット21に固定フレーム15をねじ止め
したことによって可能になるもので、ブラケット21の
高さを変えることにより、ユニット79を任意の段だけ
取り付けることができる(ピッカー18の高さ及び大き
さの異なるユニット79を複数種類用意しておいて、荷
物Wの高さに応じて付け替えても良い)。
【0065】ユニット79を複数段にした場合には、各
ユニット79にフレーム駆動用モータ39を取付けて、
各ユニット79の移動フレーム16,17を同時且つ独
自に駆動しても良いし、下段のユニット79のみにフレ
ーム駆動用モータ39を設けて、図17に一点鎖線で示
すように、各ピニオンギヤ30を1本の回転軸41で回
させても良い。
【0066】また、実施例のように、フレーム駆動用モ
ータ39を固定フレーム15に取付けて、フレーム駆動
用モータ39と各フレーム15,16,17とを一つに
ユニット79に構成すると、移動台車1の組み立てが簡
単になると共に、上記のようなユニット79の段数の変
更作業が容易になる利点がある。
【0067】図19に示すのは請求項2を具体化したも
ので、ピッカー18が水平回動しながら前進するように
構成した第2実施例である。この実施例では、第2移動
フレーム17の背面に固定ブラケット80を設け、この
固定ブラケット80とピッカー18の付け根部18bと
の間に引張ばね70を装架している。
【0068】この実施例では、押圧用ローラ66によっ
てピッカー18が前進すると、引張ばね69のばね力が
強くなるから、ピッカー18は押圧用ローラ66の押圧
動によって回動する。そして、その回動は規制ピン73
で規制されるから、ピッカー18は、前進しつつ横向き
に回動して行くのである。
【0069】この図19のように構成すると、ピッカー
18は第2移動フレーム17に収納された状態で水平回
動しながら前進するから、ピッカー18が水平回動する
ためのスペースを荷物Wの後方に大きく空ける必要がな
く、従って、棚3のデッドスペースを縮小してその奥行
き寸法L2を小さくすることができる(図19(B)参
照)。
【0070】上記の各実施例は、レール2を多段に設け
た各レールに移動台車1を設けた場合であったが、本発
明は、スタッカクレーンタイプの移動台車を備えた自動
倉庫や、移動台車が昇降のみするように構成したリフト
タイプの自動倉庫などにも適用できることは言うまでも
ない。また、移動フレームは必ずしも2段式にする必要
はなく、1段式又は3段式以上であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動倉庫の概略斜視図である。
【図2】移動台車の概略斜視図である。
【図3】移動台車の平面図である。
【図4】移動フレームの駆動系統を模式的に示す斜視図
である。
【図5】固定フレームの取付け状態を示す図で、 (A)は
斜視図、 (B)は平面図である。
【図6】 (A)は移動フレームの駆動機構を示す斜視図、
(B)は (A)の B-B視断面図である。
【図7】図3の VII-VII視断面図である。
【図8】 (A)は図3のVIIIA −VIIIA 視断面図、 (B)は
倍速用チェーンの取付け状態を模式的に示す図である。
【図9】 (A)は図8のIXA−IXA視図、 (B)は移動フレ
ームの移動状態を模式的に示す図である。
【図10】 (A)は第2移動フレームの中央部の斜視図、
(B)は第2移動フレームの端部の斜視図である。
【図11】 (A)は第2移動フレームの中央部の断面図、
(B)は (A)の正面図である。
【図12】第2移動フレームの端部の正面図である。
【図13】 (A)は図12のXIIIA −XIIIA 視断面図、
(B)は (A)の B-B視断面図である。
【図14】図12のXIV-XIV 視平断面図である。
【図15】ピッカーの作用を示す図である。
【図16】ピッカーの作用を示す図である。
【図17】 (A)は図8のXVII−XVII視図、 (B)はフレキ
シブルカバーの斜視図、(C)及び (D)はフレキシブルカ
バーの作用を示す図である。
【図18】取り出し装置を2段式にした場合の断面図で
ある。
【図19】他の実施例を示す図で、 (A)は平断面図、
(B)は作用を示す図である。
【図20】(A)(B)ともに従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 移動台車 2 レール 3 棚 15 固定フレーム 16 第1移動フレーム 17 第2移動フレーム 18 ピッカー 53 ねじ軸 54 フライダー 55 ピッカー駆動用モータ 58 連動杆 61 リニアガイド 66 押圧用ローラ 69 可動ブラケット 72 前進位置規制ストッパー 73 規制ピン
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−171711(JP,A) 特開 平7−101508(JP,A) 特開 平6−345214(JP,A) 特開 昭49−116780(JP,A) 特開 昭62−56201(JP,A) 特開 昭63−277107(JP,A) 特開 平5−186011(JP,A) 特開 平8−324721(JP,A) 実開 昭60−117307(JP,U) 実開 昭50−124095(JP,U) 実開 平1−166619(JP,U) 実公 平5−18327(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65G 1/04 555

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前面を開口した棚装置と、該棚装置の前面
    に沿って走行自在な移動台車とを備えており、 前記 移動台車に、棚装置との間に荷物を載せ替えるため
    の荷物載置部と、前記荷物載置部を挟んだ両側でかつ荷
    物載置部よりも高い高さ位置において棚内に進退動自在
    な移動フレームとを設け、前記移動フレームの両端部
    に、荷物を棚装置から引き出したり押し込んだりするた
    めのピッカーを、平面視で移動フレームと略同方向に延
    びる姿勢と、荷物載置面よりも上方において荷物の前面
    又は後面に当たるように横向き突出した姿勢とに変更自
    在となるよう水平回動自在に装着して成る自動倉庫にお
    いて、 前記ピッカーを、移動フレームに対して、移動フレーム
    の進退方向に沿って移動自在で且つ、移動フレームの端
    部に向けて前進した状態で横向き突出した姿勢となるよ
    うに装着している、 自動倉庫における荷物出し入れ装置。
  2. 【請求項2】記ピッカーを移動フレームに対して、前
    進しながら横向きに水平回動するように装着している、 請求項1に記載した 自動倉庫における荷物出し入れ装
    置。
  3. 【請求項3】記移動フレームに、ピッカーを横向きに
    水平回動させたときにピッカーが戻り回動するのを阻止
    るロック手段を設けている、 請求項1又は請求項2に記載した 自動倉庫における荷物
    出し入れ装置。
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