JP3334524B2 - 無機質セメント板の製造方法 - Google Patents

無機質セメント板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窯業系の外装材、
瓦材、外構部材などの建材として用いられる無機質セメ
ント板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セメントと骨材と補強繊維とを主成分と
する水性スラリーをフェルト等の濾布上に供給し、これ
を濾布下側から吸引脱水する抄造法によりグリーンシー
トを形成する工程を有する無機質セメント板の製造方法
においては、濾布下側から吸引脱水して水性スラリー中
の余分な水を除く際に、セメントや骨材の比較的微細な
粒子の一部が濾布の目をすり抜け水と共に排出されてし
まうために歩留まりが悪く、また抄造により形成された
グリーンシートの下面部の材料の一部が濾布の目に引き
込まれた状態となるために、アンカー効果を生じて濾布
からのグリーンシートの剥離性が悪いものとなる。
【0003】これに対し、従来では水性スラリー中に凝
集剤を添加して材料を凝集させ、抄造時の吸引脱水によ
り材料の濾布からのすり抜けを防止して歩留まりや剥離
性を改善していた。しかしこの場合、水性スラリー中に
凝集剤を添加すると、強固なフロックが形成されるため
にスラリーの流動性が悪化し、また得られるグリーンシ
ートの地合も悪化する等の弊害もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたもので、水性スラリーの流動性、及び
得られるグリーンシートの地合を悪化させることなく、
歩留まり、及びグリーンシートの剥離性を改善した無機
質セメント板の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
無機質セメント板の製造方法は、セメントと骨材と補強
線にとを主成分とする水性スラリーを濾布上に供給し、
これを濾布下側から吸引脱水して抄造しグリーンシート
を形成する工程を含む無機質セメント板の製造方法にお
いて、水性スラリーを流し出す前の上記濾布上に凝集剤
を付着させることを特徴とするものである。
【0006】請求項2に係る無機質セメント板の製造方
法は、請求項1に係る無機質セメント板の製造方法にお
いて、水性スラリーを供給する前の上記濾布上に凝集剤
を散布して付着させることを特徴とするものである。
【0007】請求項3に係る無機質セメント板の製造方
法は、請求項1に係る無機質セメント板の製造方法にお
いて、水性スラリーを流し出す供給口の下側から上記濾
布上に凝集剤を供給することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0009】本発明に係る無機質セメント板の製造方法
では、セメントと骨材と補強繊維とを主成分とする水性
スラリーを濾布上に供給し、これを濾布下側から吸引脱
水して抄造することによりグリーンシートの形成が行わ
れるもので、この工程において、水性スラリーを流し出
す前の上記濾布上に凝集剤を付着させることに特徴があ
る。
【0010】まず、水性スラリーについて説明する。水
性スラリーはセメントと骨材と補強繊維とを主成分とす
る原材料を大量の水に投入し、攪拌混合することにより
調製される。この水性スラリーの固形分濃度は、特に限
定されず、材料配合に応じて最適な流動性等となるよう
に適宜調節すればよいものであって、例えば補強繊維と
してパルプを用いる場合には通常では20重量%までの
範囲で調製するのが一般的である。
【0011】原材料として用いる上記セメントとしては
特に限定はなく、ポルトランドセメント、高炉セメント
など、一般に用いられているものを用いることができ
る。また、上記骨材としては特に限定はなく、目的とす
る無機質セメント板の用途に応じて選択すればよいもの
であって、例えば一般に用いられている鉱物性骨材、無
機系骨材、並びに有機系骨材を用いることができ、具体
的には、珪石粉、フライアッシュ、珪砂、ミクロシリ
カ、砂利、パーライト、バーミキユライト、ベントナイ
ト、ワラストナイト、ガラスバルーン等が挙げられる。
上記セメントと骨材の配合比率は特に限定されるもので
はなく、無機質セメント板の用途に応じて適宜決定する
とよい。また、補強繊維としては特に限定はなく、例え
ばパルプ繊維、ポリエチレンやポリプロピレン、ビニロ
ン等の有機繊維、石綿等の鉱物繊維、ガラス繊維、炭素
繊維、金属繊維等が使用できる。
【0012】次にグリーンシートの作製方法について説
明する。調製した水性スラリーをフェルト等の濾布上方
に設置された供給口から濾布上に流し出し、濾布下側に
設けたサクションボックス等の減圧脱水機により濾布上
の水性スラリーの余剰水を脱水してグレーンシートが作
製される。このとき、本発明においては、水性スラリー
を流し出す前の上記濾布上に凝集剤を付着させておくこ
とにより、水性スラリーの流動性、及び得られるグリー
ンシートの地合を悪化させることなく、歩留まり、及び
グリーンシートの剥離性を改善することができるもので
ある。
【0013】すなわち、水性スラリーは凝集剤を付着さ
せた濾布上に流し出されることになるものであり、この
とき水性スラリーに含まれる原材料成分のうち、濾布上
に接する近傍部分のものだけが凝集剤の作用により凝集
する。そして、濾布上の水性スラリーを濾布下側から減
圧脱水するとき、凝集して粒が大きくなった濾布近傍の
原材料は濾布の目をすり抜け難いために余剰水とともに
流失するのが防止され、その結果、歩留まりが向上した
ものとなる。また、このとき濾布近傍の原材料は濾布の
目に入り込みにくくなることから、濾布上に形成された
グリーンシートの下面部の材料の一部が濾布の目に引き
込まれた状態となることに起因して生じるアンカー効果
が小さいものとなって、グリーンシートの剥離性が改善
されるものである。一方、凝集剤の作用により凝集する
のは水性スラリー中の原材料成分のうち濾布上に接する
近傍部分のものだけであることから、水性スラリー中の
大半の原材料には凝集剤の凝集作用が及ばず、その結
果、スラリーの流動性が悪化することが無く、またグリ
ーンシートの地合も悪化することがなくなる。
【0014】上記凝集剤としては、水性スラリー中の上
記原材料を凝集する作用を有するものであれば特に限定
されないが、例えば、アニオン系ポリアクリルアミド等
の高分子凝集剤を用いるとよい。
【0015】また、凝集剤を濾布上に付着させる方法と
しては、例えば、濾布上への水性スラリーの供給前にお
いて、スプレー散布、含浸、塗装等の手法により塗布す
るか、あるいは、水性スラリーの濾布上への供給口の下
側に凝集剤の供給口を形成してここから濾布上に供給す
るようにしてもよい。
【0016】上記のようにして得られたグリーンシート
は、プレス成形等により所望の厚みに調整するとともに
表面に所望の模様付けを行うことができ、さらに養生硬
化させることにより無機質セメント板が得られる。この
ときの養生方法は特に限定されるものではなく、たとえ
ば一般に行われている湿熱養生やオートクレーブ養生な
どの手法が行えるものである。そして、このようにして
得られた無機質セメント板は、歩留まりがよく、良好な
地合を有するものとなるものである。
【0017】
【実施例】以下に、本発明を実施例として具体的に実施
し、その効果の確認を行った。
【0018】−実施例l− ポルトランドセメント、珪石粉を4:3の割合で混合
し、これにパルプを6重量%となるように添加した原材
料に多量の水を添加し、固形分10重量%の水性スラリ
ーを調製した。これを図1に示す如き、小型テスト抄造
機にて抄造を行った。この小型テスト抄造機は、自動搬
送されるフェルト1の上方に水性スラリー2を供給する
ためのフローボックス3が設置され、フェルト1の下側
には減圧脱水用のサクションボックス4が設置され、さ
らに、フローボックス3のスラリー供給口31が設けら
れている位置よりも前のフェルト1の搬送位置には凝集
剤散布器5が設けられた構成となっている。そして、搬
送されるフェルト1上に凝集剤を散布した後、このフェ
ルト1上にフローボックス3のスラリー供給口31から
水性スラリー2を流し出し、さらにクションボックス4
により減圧脱水をおこなってグリーンシートを作製し
た。この過程において、スラリーの流動性、グリーンシ
ートの地合、歩留まり性、フェルトとグレーンシートと
の剥離性を評価した。
【0019】−実施例2− 図2に示す如き小型テスト抄造機にて抄造を行った以外
は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製した。
すなわち、この図2に示す小型テスト抄造機は、図1に
示す小型テスト抄造機において、凝集剤散布器5の代わ
りにフローボックス3のスラリー供給口3の下側に凝集
剤供給口6を設けた構成となっており、この凝集剤供給
口6から先にフェルト1上に凝集剤を供給した後にスラ
リー供給口31から水性スラリー2を流し出し、さらに
クションボックス4により減圧脱水をおこなってグリー
ンシートを作製した。この過程において、スラリーの流
動性、グリーンシートの地合、歩留まり性、フェルトと
グレーンシートとの剥離性を評価した。
【0020】−比較例l− 凝集剤を散布しない他は実施例1と同様にしてグリーン
シートを作製した。この過程において、スラリーの流動
性、グリーンシートの地合、歩留まり性、フェルトとグ
レーンシートとの剥離性を評価した。
【0021】−比較例2− 実施例1において、凝集剤をフェルト1に散布する代わ
りにフローボックス3内の水性スラリー2に凝集剤を添
加し混合した以外は、実施例1と同様にしてグリーンシ
ートを作製した。この過程において、スラリーの流動
性、グリーンシートの地合、歩留まり性、フェルトとグ
レーンシートとの剥離性を評価した。
【0022】実施例1、2及び比較例1、2の評価結果
を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】(表1)から、実施例1、2では、スラリ
ーの流動性、グリーンシートの地合、歩留まり性、フェ
ルトとグレーンシートとの剥離性のいずれもが良好であ
ったのに対し、凝集剤を用いなかった比較例1では歩留
まりとグレーンシートの剥離性が悪く、水性スラリーに
凝集剤を直接添加した比較例2ではスラリーの流動性と
グリーンシートの地合が悪いものとなった。
【0025】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の無機質
セメント板の製造方法によると、水性スラリーを流し出
す前の上記濾布上に付着させた凝集剤の作用により、水
性スラリーに含まれる原材料成分のうち濾布上に接する
近傍部分のものだけが凝集し、これにより、濾布上の水
性スラリーを濾布下側から減圧脱水するときに濾布の目
を原材料がすり抜け難くなって余剰水とともに流失する
のが防止され、その結果、歩留まりが向上したものとな
る。また、このとき濾布近傍の原材料は濾布の目に入り
込みにくくなることから、濾布上に形成されたグリーン
シートの下面部の材料の一部が濾布の目に引き込まれた
状態となることに起因して生じるアンカー効果が小さい
ものとなって、グリーンシートの剥離性が改善される。
その一方で、濾布近傍を除く水性スラリー中の大半の原
材料には凝集剤の凝集作用が及ばず、その結果、スラリ
ーの流動性が悪化することが無く、それに起因してグリ
ーンシートの地合が悪化することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る無機質セメント板の製造
方法を示す概略側面図である。
【図2】本発明の他の実施例に係る無機質セメント板の
製造方法を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 フェルト 2 水性スラリー 3 フローボックス 4 サクションボックス 5 凝集剤散布器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 1/52

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントと骨材と補強繊維とを主成分と
    する水性スラリーを濾布上に供給し、これを濾布下側か
    ら吸引脱水して抄造しグリーンシートを形成する工程を
    含む無機質セメント板の製造方法において、水性スラリ
    ーを流し出す前の上記濾布上に凝集剤を付着させること
    を特徴とする無機質セメント板の製造方法。
  2. 【請求項2】 水性スラリーを供給する前の上記濾布上
    に凝集剤を散布して付着させることを特徴とする請求項
    1記載の無機質セメント板の製造方法。
  3. 【請求項3】 水性スラリーを流し出す供給口の下側か
    ら上記濾布上に凝集剤を供給することを特徴とする請求
    項1記載の無機質セメント板の製造方法。
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