JP3334000B2 - 流動制御機器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、流動制御機器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の流動制御機器は、例えば栓体を有
するスピンドルに雄ねじが設けられ、スピンドル上端の
ハンドルを回すことにより雄ねじを筺体の雌ねじにねじ
合せて、栓体を栓座に押し付けあるいは逆に栓座から引
き離し、流体流路の開閉を行なっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の流動制御機器では、長期の使用による栓体シール
面の凹みによりハンドルの閉止位置がずれたり、またそ
うでなくても製作時の加工誤差によりハンドルの閉止位
置がずれたりして、機器の開閉操作に影響を与えるとい
う問題があるし、ハンドルの締めすぎにより栓体のシー
ル面が凹んだり、摩損したりし易く、上述の問題が一層
深刻なものとなった。

【０００４】この発明の目的は、上記の従来技術の問題
を解決し、スピンドルに備えられた栓体を常に一定の圧
力で栓座に圧接せしめることができて、流体流路の開閉
を確実に行なうことができ、また栓体のシール面の摩損
が少なく、長期間使用してもハンドルの閉止位置がずれ
たりするようなことがなく、耐久性にすぐれており、さ
らには、機器内の流体流路の完全なシールを果たし得
て、いわゆるサニタリー・バルブとしても使用すること
ができる流動制御機器を提供しようとすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、筺体の下部内に流体流路が設けられ
るとともに、流体流路の途中に栓座が設けられており、
筺体の内部に、栓座に対応するように栓体を下端に備え
たスピンドルが収められるとともに、スピンドルがスプ
リングにより付勢されて、栓体がダイアフラムを介しま
たは介さずに栓座に圧接せられるようになされ、スピン
ドルにスピンドル昇降用転動体が取り付けられ、筺体に
上端が筺体よりも外方に突出した回転軸が備えられると
ともに、回転軸の上端にハンドルが取り付けられてお
り、この回転軸に環状または欠環状の転動体水平受座が
設けられ、転動体水平受座の一側部上面に転動体昇降用
膨出部が上方突出状に設けられ、膨出部の頂部に転動体
一部嵌入用凹部が設けられ、かつ凹部の両側に傾斜案内
面が形成せられ、転動体水平受座の上面にスピンドルの
転動体がのせられており、回転軸の回転により転動体水
平受座の転動体昇降用膨出部が移動せしめられ、水平受
座上の転動体がこの膨出部により上昇せしめられて、該
転動体の一部が膨出部頂部の転動体一部嵌入用凹部内に
嵌まり込むことにより、転動体と一体のスピンドルが持
ち上げ状態にかつこれの下端の栓体が栓座より離れた状
態にそれぞれ保持されるようになされている、流動制御
機器を要旨としている。

【０００６】上記において、回転軸が筺体内に収められ
ているとともに、この回転軸の長さの中間部に、筐体に
形成されたレバーハンドル回動用窓を介して先端が筺体
よりも外方に突出したレバーハンドルが取り付けられて
いてもよい。

【０００７】

【作用】上記流動制御機器によれば、転動体が転動体水
平受座の上面における膨出部以外の部分にのせられてい
るときは、スピンドルに備えられた栓体がスプリングの
弾発力により栓座に圧接せしめられて、流体流路は閉じ
られているが、回転軸の回転により転動体水平受座が回
転すると、これの一側の転動体昇降用膨出部が移動し
て、この膨出部により転動体が上昇せしめられ、該転動
体の一部が膨出部頂部の凹部内に嵌まり込む。これによ
り、転動体と一体のスピンドルが持ち上げ状態にかつこ
れの下端の栓体が栓座より離れた状態にそれぞれ保持さ
れて、流体流路が開く。従って、スピンドルに備えられ
た栓体をスプリングの弾発力により常に一定の圧力で栓
座に圧接せしめることができるため、流体流路の開閉を
確実に行ない得るとともに、栓体のシール面の摩損が少
なく、長期間使用してもハンドルまたはレバーハンドル
の閉止位置がずれたりするようなことがない。

【０００８】また、筐体内の流体流路の途中に設けられ
た栓座の上側にダイアフラムを配置するか、あるいはま
た栓体を有するスピンドルおよびスプリングをじゃばら
形シール用筒体で覆うことにより、流体流路の完全なシ
ールを果たし得、従って流動制御機器は、サニタリー・
バルブとしても有利に使用し得る。

【０００９】

【実施例】つぎに、この発明の実施例を図面を参照して
説明する。

【００１０】この明細書において、前後、左右は図１、
図６、図７および図１１を基準とし、前とは図１、図
６、図７および図１１の各図面紙葉の表側、後とは同裏
側をいい、また左とは上記各図の左側、右とは同右側を
いうものとする。全図面を通じて、実質的に同一物およ
び同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。

【００１１】実施例１ この実施例は、図１〜図５に示すものであって、流動制
御機器(1) は、略直方体形の筺体(2) を有しており、こ
の筺体(2) が、高さの中央部と、上から４分の１の高さ
において、それぞれ水平方向に分割されていて、下部の
筺体本体(2a)と、上部の蓋部(2b)と、両者の間の中間筺
体部(2c)とによって構成されている。

【００１２】そして、下部の筺体本体(2a)内には、左右
に開口した流体流路(6) が設けられている。また筺体本
体(2a)には、流体流路(6) の中間部分が開口する凹陥部
(3)が設けられ、この凹陥部(3) の底部であって流体流
路(6) の途中に栓座(7) が配置されている。凹陥部(3)
の開口周縁部には、雌ねじ部(14)が設けられ、凹陥部
(3) の底部の栓座(7) の上側にダイアフラム(5) が配置
されている。

【００１３】筺体本体(2a)の凹陥部(3) には、栓体(11)
を下端に備えたスピンドル(9) が垂直状に収められ、こ
のスピンドル(9) の栓体(11)はダイアフラム(5) の上方
より栓座(7) にのぞませられている。また、スピンドル
(9) の下端には環状のスプリング受け(12)が設けられて
いる。

【００１４】筺体本体(2a)の凹陥部(3) には、上端に頂
壁(15)を有するスプリング収納用筒体(10)が、スピンド
ル(9) および環状のスプリング受け(12)に嵌め被せられ
るように収められ、このスプリング収納用筒体(10)の下
端部により、上記ダイアフラム(5) の周縁部が上から押
さえられている。このスプリング収納用筒体(10)の内部
において、スピンドル(9) にコイル状スプリング(13)が
嵌め被せられて、スプリング(13)が筒体(10)の頂壁(15)
とスプリング受け(12)との間に介在せられ、このスプリ
ング(13)によってスピンドル(9) が下方に、従ってスピ
ンドル(9) 下端の栓体(11)がダイアフラム(5) を介して
栓座(7) に圧接するように付勢されている。

【００１５】なお、スプリング収納用筒体(10)の下端寄
り部分の外周に環状段部(16)が設けられ、筺体本体(2a)
の凹陥部(3) の開口部に、先端に雄ねじ部(17)を有する
押さえ用筒体(18)が差し込まれて、該雄ねじ部(17)が凹
陥部(3) の開口周縁部の雌ねじ部(14)にねじ合わせら
れ、この押さえ用筒体(18)の先端部がスプリング収納用
筒体(10)の環状段部(16)を上から押さえることによっ
て、該筒体(10)が筺体本体(2a)の凹陥部(3) 内に固定さ
れている。

【００１６】一方、中間筺体部(2c)には、上部が狭くか
つ下部が広くなされた貫通孔(19)があけられていて、筺
体本体(2a)より上方に突出したスプリング収納用筒体(1
0)部分と押さえ用筒体(18)部分がこの貫通孔(19)に嵌ま
り込むように、中間筺体部(2c)が筺体本体(2a)の上面に
被せられている。

【００１７】スピンドル(9) の上端部は、スプリング収
納用筒体(10)の頂壁(15)を貫通して中間筺体部(2c)より
も上方に突出しており、スピンドル(9) の上端寄り部分
に、ベアリングよりなるスピンドル昇降用転動体(20)が
取り付けられている。

【００１８】中間筺体部(2c)の上面に、上方に開口した
軸差し込み孔(25)が設けられて、これの内周に軸受用ス
リーブ(26)が嵌め入れられ、このスリーブ(26)内に回転
軸(8) の下端部(8a)が差し込まれて、回転軸(8) は中間
筺体部(2c)の上壁に立上がり状に保持されている。この
回転軸(8) の下端寄りにおける図４の左半部に半径方向
外方に水平に張り出した転動体水平受座(4) が設けら
れ、転動体水平受座(4)の上面における両端部を除く部
分に転動体昇降用膨出部(21)が上方突出状に設けられて
いる。そして、膨出部(21)の頂部には転動体一部嵌入用
凹部(22)が設けられ、かつ膨出部(21)の両側に傾斜案内
面(23)(23)が形成せられていて、転動体水平受座(4) の
上面に、上記スピンドル(9) の転動体(20)が回転軸(8)
の左側に位置するようにのせられている。

【００１９】中間筺体部(2c)の上面前側にボール状スト
ッパ収納用孔(37)が設けられ、この孔(37)にコイルばね
(39)によって上方に付勢されたボール状ストッパ(38)が
収められている。これに対応して回転軸(8) の転動体水
平受座(4) の下面前側に、ボール状ストッパ一部嵌入用
凹部(40)が設けられている。

【００２０】筺体(2) 上部の蓋部(2b)には、回転軸(8)
の下半部、転動体水平受座(4) 、スピンドル(9) の上端
部、およびこれに取り付けられた転動体(20)をそれぞれ
収容し得る大きさの下方開口凹部(27)が設けられ、かつ
蓋部(2b)の右側部を上下に貫通してこの凹部(27)に通じ
る回転軸挿通孔(28)が設けられている。回転軸挿通孔(2
8)の内周にはスリーブ(29)が配置され、蓋部(2b)が中間
筺体部(2c)の上に被せられることにより、回転軸(8) の
上部のみが蓋部(2b)より上方に突出している。また、蓋
部(2b)の下方開口凹部(27)における回転軸(8) と対向す
る右側面部分に、横断面略台形の上下方向に延びる水平
受座回転規制用突条部(41)が形成されており、この突条
部(41)の前後両側面が、回転軸(8) の回転に伴う転動体
水平受座(4) の回転により、水平受座(4) の両端面と、
各々当接せしめられるようになされている。

【００２１】回転軸(8) の上端部にはハンドル取付用部
材(31)がピン(32)により固定され、このハンドル取付用
部材(31)に平面よりみて略楕円形のハンドル(30)が嵌め
被せられて、六角孔付きボルト(33)によってハンドル取
付用部材(31)に固定されている。

【００２２】筺体(2) の蓋部(2b)と中間筺体部(2c)と筺
体本体(2a)とは、これらの四隅に差し込まれたねじ(34)
により一体に結合されている。また、筺体本体(2a)の左
右両側壁には、ユニオン・ナット(35)を具備した短い配
管接続用パイプ(36)がそれぞれ取り付けられている。

【００２３】上記において、流動制御機器(1) の流体流
路(6) が閉じた状態では、スピンドル(9) 上端部の転動
体(20)は、図５に２点鎖線で示すように、回転軸(8) の
転動体水平受座(4) 上において転動体昇降用膨出部(21)
の両端部分のうちいずれか一方に位置している。なお、
このさい、転動体水平受座(4) の一端面と水平受座回転
規制用突条部(41)の前後いずれか一方の側面とが当接し
て、転動体水平受座(4) の回転範囲が規制されるように
なされており、したがって転動体(20)は転動体水平受座
(4) の上面から落ちることがない。

【００２４】この状態より、ハンドル(30)およびこれと
一体の回転軸(8) を時計回りまたは逆時計回りの方向に
所要角度回転させると、転動体水平受座(4) の転動体昇
降用膨出部(21)が移動せしめられて、水平受座(4) 上の
転動体(20)が膨出部(21)の傾斜状案内面(23)を上昇し
て、図５に実線で示すように、該転動体(20)の一部が膨
出部(21)頂部の転動体一部嵌入用凹部(22)内に嵌まり込
む。これにより、この転動体(20)と一体のスピンドル
(9) がスプリング(13)の弾発力に抗して上昇して持ち上
げ状態に保持されるとともに、該スピンドル(9) 下端の
栓体(11)がダイアフラム(5) を介して栓座(7) より離れ
た状態に保持され、流体流路(6) が開かれる。なおこの
とき、中間筺体部(2c)のコイルばね(39)によって上方に
付勢されたボール状ストッパ(38)の上部が、回転軸(8)
の転動体水平受座(4) 下面前側の嵌入用凹部(40)に嵌ま
り込み、回転軸(8) とハンドル(30)とが回転しないよう
に止められている。

【００２５】このように、この実施例の流動制御機器
(1) によれば、流体流路(6) の開閉を、従来のようなね
じの締付けによらず、スプリング(13)の弾発力により行
なっているため、栓体(11)および栓座(7) のシール面に
必要以上の力が働かず、シール面の摩損が非常に少ない
ものであるし、シール面の摩損による凹み、あるいは製
作誤差によってハンドル(30)の閉止位置がずれたりする
ようなことがない。

【００２６】また、特に、この実施例では、転動体(20)
がベアリングにより構成されているため、摩損が少な
く、長期の使用に耐えることができ、しかもスプリング
(13)を圧縮する方向にハンドル(30)を回すことにより流
体流路(6) が開くため、ハンドル(30)のトルクは開方向
の方が重くなり、従って栓座(7) の上側に配置されたダ
イアフラム(5) を損傷することもない。

【００２７】また、筺体(2) 内の流体流路(6) の栓座
(7) の上側に、ダイアフラム(5) を配置しているので、
流体流路(6) の完全なシールを果たし得、従って流動制
御機器(1) は、サニタリー・バルブとしても有利に使用
し得るものである。

【００２８】なお、上記実施例においては、転動体(20)
はボール・ベアリングにより構成されているが、これは
その他ローラにより構成されていてもよい。また、上記
実施例においては、転動体水平受座(4) の上面両端部は
平坦となされているが、同部分には転動体一部嵌入用凹
部(22)と同様の凹部を形成しておいてもよい。

【００２９】実施例２ この実施例は、図６に示すものであって、その構成は、
以下の点を除いて実施例１の流動制御機器(1) と同じで
あり、実施例１の流動制御機器(1) とほぼ同様の作用効
果を奏する。すなわち、流動制御機器(51)における筺体
(2) の下部を構成する筺体本体(2a)は、実施例１の流動
制御機器(1) のものに比べてかなり縦長となされ、従っ
て筺体本体(2a)内に設けられた凹陥部(3) も深いものと
なっている。なお、凹陥部(3) の底部の栓座(7) の上側
には、実施例１と違ってダイアフラムは配置されていな
い。

【００３０】そして、この凹陥部(3) に、上部スピンド
ル(52a) と、上部スピンドル(52a)の下端部に回転自在
に連結されかつ下端に栓体(11)を備えた下部スピンドル
(52b) とで構成されたスピンドル(52)が、垂直状に収め
られている。上部スピンドル(52a) の下端には環状のス
プリング受け(53)が設けられている。スプリング受け(5
3)の下面には、下向きに開口した差込み用凹部(54)が設
けられ、この凹部(54)内に下部スピンドル(52b) の頭部
(55)が差込まれている。下部スピンドル(52b)の頭部(5
5)には環状凹溝(56)が設けられ、この凹溝(56)に水平な
連結ピン(57)が一部嵌め入れられて、その両端部がスプ
リング受け(53)に渡し止められることにより、上部スピ
ンドル(52a) と下部スピンドル(52b) とが相互に回転自
在に連結されている。

【００３１】筺体本体(2a)の凹陥部(3) の高さの中央部
内側には、環状段部(58)が設けられ、この段部(58)にじ
ゃばら形シール用筒体取付用リング(59)がガスケット(6
0)を介して嵌め込まれている。そして、上端に頂壁(15)
を有するスプリング収納用筒体(10)が、凹陥部(3) 内に
おけるリング(59)よりも上方部分に収められ、このスプ
リング収納用筒体(10)の下端により、リング(59)の周縁
部が上から押さえられている。このスプリング収納用筒
体(10)の内部において、上部スピンドル(52a)にコイル
状スプリング(13)が嵌め被せられて、スプリング(13)が
筒体(10)の頂壁(15)とスプリング受け(53)との間に介在
せられ、このスプリング(13)によってスピンドル(52)が
下方に、従ってスピンドル(52)下端の栓体(11)が栓座
(7) に圧接するように付勢されている。

【００３２】また、下部スピンドル(52b) の下端寄り部
分にじゃばら形シール用筒体取付用環状凸部(61)が設け
られ、下部スピンドル(52b) に嵌め被せられたじゃばら
形シール用筒体(62)の上下両端部がそれぞれ上記リング
(59)および凸部(61)に固定されている。

【００３３】この実施例では、実施例１のようにダイヤ
フラム(5) を介して栓体(11)が栓座(7) に圧接されるよ
うにはなされていないが、下部スピンドル(52b) におけ
るリング(59)よりも下側部分がじゃばら形シール用筒体
(62)で覆われており、これによって流体流路(6) の完全
なシールを果たし得、従ってこの実施例の流動制御機器
(51)も、サニタリー・バルブとして有利に使用し得るも
のである。

【００３４】実施例３ この実施例は、図７〜図１０に示すものであって、その
構成は、以下の点を除いて、実施例１に示す流動制御機
器(1) と同じである。すなわち、流動制御機器(71)にお
いては、筺体(2) が、その右側前後隅部が大きく凸弧状
に面取りされた平面よりみて略Ｄ形のものである。この
流動制御機器(71)においては、回転軸(8) が、筺体(2)
上部の蓋部(2b)に形成された下方開口凹部(27)内に収ま
る短いものとなされており、蓋部(2b)の下方開口凹部(2
7)の右側部に有底筒状のスリーブ(72)が下方開口状に配
置されて、このスリーブ(72)内に回転軸(8) の上端部(8
b)が差込まれている。そして、蓋部(2b)の右側壁下側部
分を貫通して上記凹部(27)に通じるレバーハンドル回動
用窓(73)が設けられている。

【００３５】回転軸(8) の長さの中央部には、その左半
部に半径方向外方に水平に張り出した転動体水平受座
(4) が設けられるとともに、同右側部分に先端部がレバ
ー回動用窓(73)を通じて筺体(2) の右外方に突出したレ
バーハンドル(74)が設けられている。レバーハンドル(7
4)は、棒状のレバー部(75)と、レバー部(75)の先端にボ
ルト(76)によって固定された横円筒状のハンドル部(77)
とよりなる。

【００３６】上記において、流動制御機器(71)の流体流
路(6) が閉じた状態では、スピンドル(9) 上端部の転動
体(20)は、回転軸(8) の転動体水平受座(4) 上において
転動体昇降用膨出部(21)の両側の平坦部分のうちいずれ
か一方に位置している。なお、このさい、レバーハンド
ル(74)は、図９および図１０に２点鎖線で示す位置にあ
って、レバーハンドル(74)のレバー部(75)と、レバーハ
ンドル回動用窓(73)の前後いずれか一方の側面とが当接
して、転動体水平受座(4) の回転範囲が規制されるよう
になされている。したがって転動体(20)は転動体水平受
座(4) の上面から落ちることがない。

【００３７】この状態より、レバーハンドル(74)を、図
９および図１０に実線で示すように、レバー部(75)が筺
体(2) の前後側壁と平行になる位置まで回転させると、
回転軸(8) に設けられた転動体水平受座(4) の転動体昇
降用膨出部(21)が移動せしめられて、水平受座(4) 上の
転動体(20)が膨出部(21)の傾斜状案内面(23)を上昇し、
該転動体(20)の一部が膨出部(21)頂部の転動体一部嵌入
用凹部(22)内に嵌まり込む。これにより、この転動体(2
0)と一体のスピンドル(9) がスプリング(13)の弾発力に
抗して上昇して持ち上げ状態に保持されるとともに、該
スピンドル(9)下端の栓体(11)がダイアフラム(5) を介
して栓座(7) より離れた状態に保持され、該栓座(7) の
ある流体流路(6) が開かれる。

【００３８】特に、この実施例では、流体流路(6) の開
閉を行なうために必要な回転軸(8)の回転操作を、これ
と一体に設けられたレバーハンドル(74)で行なうことが
できるので、ハンドル操作がし易いという利点がある。

【００３９】実施例４ この実施例は、図１１に示すものであって、その構成
は、以下の点を除いて、実施例３の流動制御機器(71)と
同じであり、実施例３の流動制御機器(71)とほぼ同様の
作用効果を奏する。すなわち、流動制御機器(81)におけ
る筺体(2) の下部を構成する筺体本体(2a)は、実施例３
の流動制御機器(71)のものに比べてかなり縦長となさ
れ、従って筺体本体(2a)内に設けられた凹陥部(3) も深
いものとなっている。なお、凹陥部(3) の底部の栓座
(7) の上側には、実施例３と違ってダイアフラムは配置
されていない。

【００４０】そして、この凹陥部(3) に、上部スピンド
ル(52a) と、上部スピンドル(52a)の下端部に回転自在
に連結されかつ下端に栓体(11)を備えた下部スピンドル
(52b) とで構成されたスピンドル(52)が、垂直状に収め
られている。上部スピンドル(52a) の下端には環状のス
プリング受け(53)が設けられている。スプリング受け(5
3)の下面には、下向きに開口した差込み用凹部(54)が設
けられ、この凹部(54)内に下部スピンドル(52b) の頭部
(55)が差込まれている。下部スピンドル(52b)の頭部(5
5)には環状凹溝(56)が設けられ、この凹溝(56)に水平な
連結ピン(57)が一部嵌め入れられて、その両端部がスプ
リング受け(53)に渡し止められることにより、上部スピ
ンドル(52a) と下部スピンドル(52b) とが相互に回転自
在に連結されている。

【００４１】筺体本体(2a)の凹陥部(3) の高さの中央部
内側には、環状段部(58)が設けられ、この段部(58)にじ
ゃばら形シール用筒体取付用リング(59)がガスケット(6
0)を介して嵌め込まれている。そして、上端に頂壁(15)
を有するスプリング収納用筒体(10)が、凹陥部(3) 内に
おけるリング(59)よりも上方部分に収められ、このスプ
リング収納用筒体(10)の下端により、リング(59)の周縁
部が上から押さえられている。このスプリング収納用筒
体(10)の内部において、上部スピンドル(52a)にコイル
状スプリング(13)が嵌め被せられて、スプリング(13)が
筒体(10)の頂壁(15)とスプリング受け(53)との間に介在
せられ、このスプリング(13)によってスピンドル(52)が
下方に、従ってスピンドル(52)下端の栓体(11)が栓座
(7) に圧接するように付勢されている。

【００４２】また、下部スピンドル(52b) の下端寄り部
分にじゃばら形シール用筒体取付用環状凹部(61)が設け
られ、下部スピンドル(52b) に嵌め被せられたじゃばら
形シール用筒体(62)の上下両端部がそれぞれ上記リング
(59)および凸部(61)に固定されている。

【００４３】

【発明の効果】この発明による流動制御機器は、上記構
成よりなるので、転動体が転動体水平受座の上面におけ
る膨出部以外の部分にのせられているときは、スピンド
ルに備えられた栓体がスプリングの弾発力により栓座に
圧接せしめられて、流体流路は閉じられているが、回転
軸の回転により転動体水平受座が回転すると、これの一
側の転動体昇降用膨出部が移動して、この膨出部により
転動体が上昇せしめられ、該転動体の一部が膨出部頂部
の凹部内に嵌まり込む。これにより、転動体と一体のス
ピンドルが持ち上げ状態にかつこれの下端の栓体が栓座
より離れた状態にそれぞれ保持されて、流体流路が開
く。従って、スピンドルに備えられた栓体をスプリング
の弾発力により常に一定の圧力で栓座に圧接せしめるこ
とができるため、流体流路の開閉を確実に行ない得ると
ともに、栓体のシール面の摩損が少なく、長期間使用し
てもハンドルまたはレバーハンドルの閉止位置がずれた
りするようなことがない。

【００４４】また、筐体内の流体流路の途中に設けられ
た栓座の上側にダイアフラムを配置するか、あるいはま
た栓体を有するスピンドルおよびスプリングをじゃばら
形シール用筒体で覆うことにより、流体流路の完全なシ
ールを果たし得、従って流動制御機器は、サニタリー・
バルブとしても有利に使用し得る。

【００４５】さらに、流体流路の開閉を行なうための回
転軸の回転操作を、これに取り付けられたレバーハンド
ルで行なうことにより、ハンドル操作がし易いという利
点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１に示す本発明品の縦断面図である。

【図２】同平面図である。

【図３】実施例１に示す本発明品の筺体蓋部の要部拡大
垂直断面図である。

【図４】実施例１に示す本発明品の要部拡大水平断面図
であって、回転軸と転動体はそのまゝ図示されている。

【図５】回転軸の転動体水平受座の展開側面図である。

【図６】実施例２に示す本発明品の縦断面図である。

【図７】実施例３に示す本発明品の縦断面図である。

【図８】同平面図である。

【図９】同右側面図である。

【図１０】実施例３に示す本発明品の要部拡大水平断面
図であって、回転軸、転動体およびレバーハンドルはそ
のまゝ図示されている。

【図１１】実施例４に示す本発明品の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 流動制御機器 ２ 筺体 ４ 環状の転動体水平受座 ５ ダイアフラム ６ 流体流路 ７ 栓座 ８ 回転軸 ９ スピンドル １１ 栓体 １３ スプリング ２０ スピンドル昇降用転動体 ２１ 転動体昇降用膨出部 ２２ 転動体一部嵌入用凹部 ２３ 傾斜案内面 ３０ ハンドル ５１ 流動制御機器 ６２ じゃばら形シール用筒体 ７１ 流動制御機器 ７３ レバーハンドル回動用窓 ７４ レバーハンドル ８１ 流動制御機器

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−209084（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−246677（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−191476（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭64−18674（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−123865（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭52−9123（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−90863（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭49−77527（ＪＰ，Ｕ) 特公 平２−29910（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭60−23588（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭37−10849（ＪＰ，Ｙ１) 米国特許3260131（ＵＳ，Ａ) 米国特許4911412（ＵＳ，Ａ) 仏国特許出願公開978613（ＦＲ，Ａ １) 英国特許出願公開562477（ＧＢ，Ａ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筺体(2) の下部内に流体流路(6) が設け
   られるとともに、流体流路(6) の途中に栓座(7) が設け
   られており、筺体(2) の内部に、栓座(7) に対応するよ
   うに栓体(11)を下端に備えたスピンドル(9) が収められ
   るとともに、スピンドル(9) がスプリング(13)により付
   勢されて、栓体(11)がダイアフラム(5) を介しまたは介
   さずに栓座(7) に圧接せられるようになされ、スピンド
   ル(9)にスピンドル昇降用転動体(20)が取り付けられ、
   筺体(2) に上端が筐体(2) よりも外方に突出した回転軸
   (8) が備えられるとともに、回転軸(8) の上端にハンド
   ル(30)が取り付けられており、この回転軸(8) に環状ま
   たは欠環状の転動体水平受座(4) が設けられ、転動体水
   平受座(4) の一側部上面に転動体昇降用膨出部(21)が上
   方突出状に設けられ、膨出部(21)の頂部に転動体一部嵌
   入用凹部(22)が設けられ、かつ凹部(22)の両側に傾斜案
   内面(23)が形成せられ、転動体水平受座(4) の上面にス
   ピンドル(9) の転動体(20)がのせられており、回転軸
   (8) の回転により転動体水平受座(4) の転動体昇降用膨
   出部(21)が移動せしめられ、水平受座(4) 上の転動体(2
   0)がこの膨出部(21)により上昇せしめられて、該転動体
   (20)の一部が膨出部(21)頂部の転動体一部嵌入用凹部(2
   2)内に嵌まり込むことにより、転動体(20)と一体のスピ
   ンドル(9) が持ち上げ状態にかつこれの下端の栓体(11)
   が栓座(7) より離れた状態にそれぞれ保持されるように
   なされている、流動制御機器。
2. 【請求項２】回転軸(8) が筺体(2) 内に収められている
   とともに、この回転軸(8) の長さの中間部に、筺体(2)
   に形成されたレバーハンドル回動用窓(73)を介して先端
   が筺体(2) よりも外方に突出したレバーハンドル(74)が
   取り付けられている、請求項１記載の流動制御機器。