JP3332147B2 - アルカリ電池用セパレータ - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ

Info

Publication number
JP3332147B2
JP3332147B2 JP24083797A JP24083797A JP3332147B2 JP 3332147 B2 JP3332147 B2 JP 3332147B2 JP 24083797 A JP24083797 A JP 24083797A JP 24083797 A JP24083797 A JP 24083797A JP 3332147 B2 JP3332147 B2 JP 3332147B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
separator
alkaline battery
fiber
melting point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP24083797A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1186826A (ja
Inventor
俊雄 田中
敏 高瀬
敬一 宇野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17065447&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3332147(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP24083797A priority Critical patent/JP3332147B2/ja
Publication of JPH1186826A publication Critical patent/JPH1186826A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3332147B2 publication Critical patent/JP3332147B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Separators (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ二次電池用
セパレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルカリ電池の正極と負極の
短絡を防止すると共に、電解液を保持して、充放電反応
を円滑に進めるためにセパレータが使用されてきたが、
近年、電池のさらなる高容量化を目指してセパレータの
薄型化が図られている。
【0003】しかしながら、上記への対応のため単純に
繊維間空隙率を上げた不織布を用いると、電池組み立て
の際に加えられる圧力で繊維間空隙が消失してしまう問
題が生じていた。また、初期状態で空隙量が確保できて
も、圧縮されやすい組織体では長期間にわたる充放電サ
イクルにおいて、安定して電解液を保つことは困難とな
り、結果として電池の寿命が短くなるという問題が生じ
ていた。
【0004】かかる問題点に対しては、下記の2つの解
決策が考えられる。1.セパレータの繊維組織構造の保
液性を向上させる。2.セパレータの繊維表面に親水性
の高い官能基を高密度で付与する。
【0005】しかし、上記1に関しては、従来、実際に
電池等に組み込んだ実電池の状態において最適化されて
なく、また長期間にわたる充放電サイクルでの安定な保
液性についての考慮も十分になされていなかった。
【0006】また、上記2に関しては、親水性の高いス
ルホン酸基を、ポリオレフィン系の組織体に付与する方
法が特開昭58−175256等に記載されているが、
濃硫酸で100〜120℃という高温での処理が必要で
あり、組織体の強度が極度に低下する問題を生じてい
た。
【0007】さらに、別の解決手段として、特開平4−
174964にはポリオレフィン樹脂とポリスチレン樹
脂を樹脂レベルで混合した後に繊維にし、低温で濃硫酸
によりスルホン化する方法が示されているが、この方法
では繊維が混合樹脂からなり、ポリオレフィン単一成分
ではないため、組織体の強度が不十分となり、また、ス
ルホン化の効率が低くなる傾向にあった。
【0008】上記で説明した通り、組織体の強度が十分
で、且つ、高い電解液保持率を有するセパレータ厚みの
薄いアルカリ水溶液電池用セパレータは存在しないのが
現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかような現状
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、ポリオレフィン基体の強度を生かせつつ、大量の親
水性基が付与された薄型のアルカリ電池用セパレータを
提供する点にある。
【0010】即ち、本発明者らは、実際に使用中の高荷
重下での実電池におけるセパレータの電解液保液量及び
セパレータの厚みに着目し、種々検討した結果、セパレ
ータの電解液密度及び厚みを下記式で示されるH[g/
2 ]及びP[%]で表すことにより、使用中の実電池
の特性に極めて近い評価を行うことが可能であることを
見出し、さらにH値の範囲を特定することにより高い電
解液特性を付与し、P値の範囲を特定することによりセ
パレータの強度を十分とすることが可能となることを見
出した。
【0011】 H=(ρL/ρF)×((ρF×Th)−W) P=((Tl−Th)/Tl)×100 但し、Th:約3200kPaの荷重下での不織布の厚
み[μm] Tl:約320kPaの荷重下での不織布の厚み[μ
m] ρF:不織布を構成する繊維の密度[g/cc] ρL:セパレータに用いる電解液の密度[g/cc] W :不織布の目付[g/m2
【0012】また、スルホン酸基量を規定することによ
り、セパレータ特性をさらに向上させることが可能であ
ることを見出した。
【0013】本発明者らは、かかる知見に基づいて、さ
らに重ねて検討した結果、本発明を完成するに至ったも
のである。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は以下に記
載するアルカリ電池用セパレータを提供するものであ
る。下記のI、II、III を同時に満たす不織布からなる
ことを特徴とするアルカリ電池用セパレータ。 I:スルホン酸基量を、水酸化カリウムにより中和され
るイオン交換量Iで示すとき、Iが0.03〜0.5
[meq/g]である。 II:下記式で表される不織布の電解液保持量Hが、40
〜150[g/m2 ]である。 H=(ρL/ρ
F) ×((ρF×Th)−W) III :下記式で表される不織布の圧縮率Pが、1〜50
[%]である。 P=((Tl−Th)/Tl)×100 但し、Th:3000kPaの荷重下での不織布の厚み
[μm] Tl:300kPaの荷重下での不織布の厚み[μm] ρF:不織布を構成する繊維の密度[g/cc] ρL:セパレータに用いる電解液の密度[g/cc] W :不織布の目付[g/m2
【0015】本発明の好ましい実施態様は、前記Th
(3000kPaの荷重下での不織布の厚み)が50〜
150[μm]である。
【0016】本発明の好ましい実施態様は、前記不織布
がポリオレフィン系繊維とポリスチレン系繊維の混繊に
より得られた不織布をスルホン化した不織布である。
【0017】本発明の好ましい実施態様は、前記ポリオ
レフィン系繊維が低融点成分と高融点成分からなる。
【0018】本発明の好ましい実施態様は、前記低融点
成分がポリエチレンであり、前記高融点成分がポリプロ
ピレンである。
【0019】本発明の好ましい実施態様は、前記不織布
が、3次元的に架橋されている。
【発明の実施の形態】
【0020】本発明のアルカリ電池用セパレータに用い
られる不織布の下記式1で表される電解液保持量(H)
は、40〜150[g/m2 ]の範囲を満たすことが必
要であり、好ましくは60〜130[g/m2 ]の範囲
である。Hが40[g/m2 ]以下の場合は、電解液が
充填可能な空隙が不足し、十分な電解液が保持できず、
逆にHが150[g/m2 ]以上の場合はセパレータの
空隙量が上がり過ぎ、セパレータの強度が不足し、短絡
による充放電サイクル寿命の低下や、さらには電池組み
立て時に切断が多発する等の問題が生じる。
【0021】 H=(ρL/ρF)×((ρF×Th)−W) (式1) 但し、Th:3000kPaの荷重下での不織布の厚み
[μm] ρF:不織布を構成する繊維の密度[g/cc] ρL:セパレータに用いる電解液の密度[g/cc] W :不織布の目付[g/m2
【0022】なお、上記のHは、円筒巻き上げ型の実電
池におけるセパレータの繊維間の空隙量に電解液密度を
掛け合わせた値であり、電解液を最密充填した時の不織
布の単位面積あたりの電解液保持量に相当する値であ
る。
【0023】ここで重要なことは、不織布の厚みは、実
電池に相当する高荷重の圧力下において、高い厚みを保
つことが、保液率の向上に対する重要な条件となること
である。このように、不織布の厚みは、JIS−C23
13−1995にあるような、低荷重(19.6kP
a)での測定値で規定しても、実際に使用中の実電池の
保液性に関しては何等意味を有するものではない。
【0024】従って、本発明者らは、本発明を完成する
にあたり、不織布にプレス機で圧力をかけ保液量を測定
し、実電池での値と比較検討した。その結果、実電池に
おいて電解液を保持した状態で不織布にかかる圧力は、
千kPa〜数千kPaの範囲にあることが判明した。
【0025】本発明は、上記の考察及びかかる検討結果
に基づいてなされたもので、本発明においては、不織布
の厚みを3000kPaの高荷重下で測定することとし
て規定した。本発明者らは具体的には、測定力約10
N,測定面が2mmΦのマイクロメーター(Mitut
oyoSPM2−25型)を用いて測定した。
【0026】なお、上記の繊維密度(ρF[g/c
c])は、後述のスルホン化処理実施後の繊維に関し
て、メタノール溶剤を用いた比重瓶により測定した。
【0027】本発明のアルカリ電池用セパレータに用い
られる不織布の3000kPaの荷重下での厚み(T
h)は、50〜150μmが好ましい。セパレータ厚み
が50μmより小さい場合には、引っ張り強度を保つ事
が困難であり、短絡が生じやすくなり、また電池組み立
て時にセパレータの切断が多発し、150μmより高い
場合は、セパレータの薄型化という当初の目的を達成し
得ない。
【0028】一般的に、上記H値が最適値である組織体
を用いた場合にも、圧縮されやすい組織体を用いた場合
には、長期間にわたる充放電サイクルにおいて経時的に
安定して電解液を保持することは困難となる。
【0029】本発明者らは、かかる点に関して、圧縮性
の指標として、圧縮率,圧縮弾性率等について種々検討
した。その結果、圧縮率を規定することにより電解液の
保液性の安定化が可能となることを見出し、本発明にお
いて規定することとした。
【0030】本発明のアルカリ電池用セパレータに用い
られる不織布の下記式2で示される圧縮率Pは、1〜5
0%であることが必要であり、好ましくは5〜25%で
ある。Pが50%より大きい場合には、電解液を十分に
保持することができず。逆にPが1%より小さい場合に
は、先に示したH値を満たす空隙量を保持することが困
難となる。
【0031】 P=((Tl−Th)/Tl)×100 (式2) 但し、Th:3000kPaの荷重下での不織布の厚み
[μm] Tl:300kPaの荷重下での不織布の厚み[μm]
【0032】ここで、Tl[μm]は、上記の通り、3
00kPaの荷重で測定することとして規定し、具体的
には、測定力約10N,測定面が6mmΦである、マイ
クロメーター(MitutoyoM1102−25型)
を用いて測定した。
【0033】上記に述べたH値及びP値を満足する不織
布においても、電解液との親和性が不十分な場合には、
十分な保液性能を発現することができない。従って、セ
パレータの電解液との親和性を高める必要があるが、こ
のためにはスルホン酸基を導入することが最も適当であ
る。
【0034】本発明のアルカリ電池用セパレータに用い
られる不織布は、ポリスチレン系繊維を含むことが好ま
しい。不織布にスルホン酸基を導入する方法としては、
不織布を構成する繊維として、ポリスチレン系繊維を用
い、このポリスチレン系繊維をスルホン化する方法が最
も有効であるためである。
【0035】不織布にスルホン酸基を導入する具体的な
方法としては、例えば、ポリスチレン繊維を単独で紡糸
した後に、強度を保持するためのポリオレフィン系繊維
を混繊し、不織布を得る。ここで、不織布に3次元架橋
処理を実施することが望ましい。次に、濃硫酸を用いて
スルホン化を実施する方法等が挙げられる。この方法の
場合、ポリスチレン系繊維が容易にスルホン化されるの
で、濃硫酸による処理温度を100℃以下とすることが
可能であり、その結果、ポリオレフィン系等の補強繊維
の強度低下を押さえつつ、高いイオン交換量が得ること
が可能となる。
【0036】本発明のアルカリ電池用セパレータに用い
られる不織布を構成するポリスチレン系繊維の原料ポリ
マーとしては、より強度の大きいシンジオタクティック
ポリスチレンを使用することが好ましい。また、シンジ
オタクティックポリスチレンの平均分子量としては5万
〜50万が好ましく、JIS−K7210に基づくメル
トインデックス(MI)としては10〜200の範囲に
あることが好ましい。分子量が5万より小さいか、もし
くはMIが200より大きい場合には、紡糸や延伸行程
に支障が生じ、分子量が50万より大きいか、もしくは
MIは10より小さい場合には、繊維強度の低下が著し
い。
【0037】本発明のアルカリ電池用セパレータに用い
られる不織布のスルホン酸基量は、水酸化カリウムによ
る中和によるイオン交換量(I)で示した場合、Iは、
0.03〜0.5[meq/g]の範囲にあることが必
要であり、0.05〜0.3[meq/g]の範囲にあ
ることが好ましい。Iが0.03[meq/g]以下で
ある場合は、保液量の減少を招き、Iが0.5[meq
/g]より高い場合は、スルホン化処理によるポリスチ
レン繊維の強度低下の割合が高くなる。
【0038】本発明のアルカリ電池用セパレータに用い
られる不織布は、上記で説明した通り、ポリオレフィン
系繊維とポリスチレン系繊維の混繊により得られた不織
布をスルホン化した不織布であることが好ましい。な
お、不織布の作成方法は、公知の乾式法、湿式法のいづ
れの方法でもよく、特に限定されるものではない
【0039】また、本発明のアルカリ電池用セパレータ
に用いられる不織布は、3次元的に架橋された構造を持
つ不織布であることが好ましい。適度な強度と間隙を有
することが可能であるからである。
【0040】不織布を架橋する方法は、特に限定される
ものではなく、例えば不織布を構成する繊維を溶融押し
出した後に固化前に繊維同士を融着させる方法(メルト
ブロー法,フラッシュ紡糸法)や、高融点成分と低融点
成分を持つ材料を混合しておき、固化後に低融点成分の
みを融解し点接着する方法などが挙げられるが、本発明
においては、接着部分のより少ない後者の方法が好まし
い。より大きな間隙を有するセパレータが得られるから
である。
【0041】本発明のアルカリ電池用セパレータに用い
られる不織布を構成するポリオレフィン系繊維は、上記
の通り、高融点成分と低融点成分からなることが好まし
い。かかるポリオレフィン系繊維の形状は、何等限定さ
れるものではないが、例えばサイドバイサイドあるいは
芯鞘型の複合繊維等が挙げられる。
【0042】また、上記の高融点成分と低融点成分のポ
リオレフィン素材としては、例えば耐アルカリ性の観点
からポリプロピレン/ポリエチレンの組み合わせが好ま
しい。
【0043】本発明のアルカリ電池用セパレータに用い
られる上記複合繊維の繊度としては、0.3デニール〜
30デニールが好ましく、0.5デニール〜10デニー
ルがより好ましい。繊度が0.3デニールより小さい場
合には、セパレータの強度低下や圧縮率の上昇を招き、
繊度が30デニールより大きい場合には、セパレータの
厚み上昇を招く。
【0044】本発明のアルカリ電池用セパレータに用い
られる上記複合繊維の高融点成分と低融点成分の重量比
は、90:10〜50:50が好ましい。低融点成分が
10重量%より小さい場合には、3次元架橋性が低下
し、圧縮率の上昇や強度の低下を招き、低融点成分が5
0重量%より大きい場合には、強度の低下を招く。
【0045】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の説明に何等限定されるものではな
い。
【0046】[実施例1]スチレンポリマーの単独紡糸
により、繊度1デニール,平均繊維長5mmのポリスチ
レン繊維を得た。原料ポリマーは、シンジオタクティク
ポリスチレン、平均分子量20万、MI=14の物を使
用した。(以下ポリスチレン繊維には、すべて本ポリマ
ーを使用した。)さらに、芯がPP(ポリプロピレ
ン),鞘がPE(ポリエチレン)である芯鞘型の複合繊
維(繊度0.92デニール,PP:PE=60:40,
繊維長5mm)を混合したものを湿式抄紙による手法で
不織布化した。前者のポリスチレン繊維と、後者のポリ
オレフィン繊維の割合は重量比で1:1の割合で混合し
た。不織布は、130℃−1分間処理し、ポリエチレン
成分のみを融解することで3次元的に固定化した。
【0047】ついで、この不織布を濃硫酸98%にて、
75℃でスルホン化処理を実施し、目付37.3g/m
2 のセパータを得た。水酸化カリウムによる、イオン交
換量の測定により、スルホン酸基によるイオン交換量I
は0.10meq/gとなった。得られたセパレータの
特性を、表1に示す。電解液は、水酸化カリウム(電解
液密度ρL=1.3g/cc)を用いた。
【0048】さらに、このセパレータを使用し、容量2
500mAhのNi/MH電池を作成し、0.2Cにて
充放電を繰り返し、放電容量維持率を測定し、良好な性
能を示した。放電容量は、水素吸蔵合金の活性化のため
の1〜2回の予備的充放電を終えた後の、初期サイクル
での放電容量を100%とし、充放電サイクルを繰り返
した時の放電容量の維持率を測定した。結果、長期のサ
イクル数まで良好な放電容量を維持した。結果を図1に
示す。
【0049】[実施例2]スチレンポリマーの単独紡糸
により、繊度1デニール,平均繊維長6cmのポリスチ
レン繊維を得た。さらに、芯がPP,鞘がPEである芯
鞘型の複合繊維(繊度1.2デニール,PP:PE=7
0:30,繊維長4cm)を混合したものをカードを用
いた乾式法で不織布化した。前者のポリスチレン繊維
と、後者のポリオレフィン繊維の割合は重量比で1:1
の割合で混合した。
【0050】ついで、この不織布を濃硫酸98%にて、
70℃でスルホン化処理を実施し、目付48.8g/m
2 のセパータを得た。水酸化カリウムによる、イオン交
換量の測定により、スルホン酸基によるイオン交換量I
は、0.05meq/gとなった。得られたセパレータ
の特性を、表1に示す。電解液は、水酸化カリウム(電
解液密度ρL=1.3g/cc)を用いた。
【0051】さらに、このセパレータを使用し、実施例
1と同様の放電容量維持率を測定し、良好な性能を示し
た。結果を図1に示す。
【0052】[実施例3]スチレンポリマーの単独紡糸
により、繊度0.7デニール,平均繊維長5mmのポリ
スチレン繊維を得た。さらに、芯がPP,鞘がPEであ
る芯鞘型の複合繊維(繊度0.9デニール,PP:PE
=70:30,繊維長5mm)を混合したものを実施例
1と同様の方法で不織布化した。前者のポリスチレン繊
維と、後者のポリオレフィン繊維の割合は重量比で3:
2の割合で混合した。
【0053】ついで、この不織布を濃硫酸98%にて、
80℃でスルホン化処理を実施し、目付59.9g/m
2 のセパータを得た。水酸化カリウムによる、イオン交
換量の測定により、スルホン酸基によるイオン交換量I
は、0.28meq/gとなった。得られたセパレータ
の特性を、表1に示す。電解液は、水酸化カリウム(電
解液密度ρL=1.3g/cc)を用いた。
【0054】さらに、このセパレータを使用し、実施例
1と同様の放電容量維持率を測定し、良好な性能を示し
た。結果を図1に示す。
【0055】[比較例1]スチレンポリマーの単独紡糸
により、繊度1デニール,平均繊維長5mmのポリスチ
レン繊維を得た。さらに、PPとPEがサイドバイサイ
ド型に配置された複合繊維(繊度0.2デニール,P
P:PE=90:10,繊維長5mm)を混合したもの
を実施例1と同様の方法で不織布化した。前者のポリス
チレン繊維と、後者のポリオレフィン繊維の割合は重量
比で1:1の割合で混合した。不織布は、130℃−1
分間処理し、ポリエチレン成分のみを融解することで3
次元的に固定化した。
【0056】ついで、この不織布を濃硫酸98%にて、
80℃でスルホン化処理を実施し、目付50.9g/m
2 のセパータを得た。水酸化カリウムによる、イオン交
換量の測定により、スルホン酸基によるイオン交換量I
は、0.20meq/gとなった。得られたセパレータ
の特性を、表1に示す。電解液は、水酸化カリウム(電
解液密度ρL=1.3g/cc)を用いた。
【0057】さらに、このセパレータを使用し、実施例
1と同様の放電容量維持率を測定したが、望ましい特性
は得られなかった。結果を図1に示す。
【0058】[比較例2]スチレンポリマーの単独紡糸
により、繊度1.2デニール,平均繊維長5cmのポリ
スチレン繊維を得た。さらに、芯がPP,鞘がPEであ
る芯鞘型の複合繊維(繊度0.7デニール,PP:PE
=20:80,繊維長5cm)を混合したものを乾式法
で不織布化した。前者のポリスチレン繊維と、後者のポ
リオレフィン繊維の割合は重量比で1:1の割合で混合
した。不織布は、130℃−1分間処理し、ポリエチレ
ン成分のみを融解することで3次元的に固定化した。
【0059】ついで、この不織布を濃硫酸98%にて、
70℃でスルホン化処理を実施し、目付21.8g/m
2 のセパータを得た。水酸化カリウムによる、イオン交
換量の測定により、スルホン酸基によるイオン交換量I
は、0.03meq/gとなった。得られたセパレータ
の特性を、表1に示す。電解液は、水酸化カリウム(電
解液密度ρL=1.3g/cc)を用いた。
【0060】さらに、このセパレータを使用し、実施例
1と同様の放電容量維持率を測定したが、望ましい特性
は得られなかった。結果を図1に示す。
【0061】[比較例3]スチレンポリマーの単独紡糸
により、繊度0.7デニール,平均繊維長5mmのポリ
スチレン繊維を得た。さらに、芯がPP,鞘がPEであ
る芯鞘型の複合繊維(繊度25デニール,PP:PE=
96:4,繊維長4mm)を混合したものを実施例1と
同様の方法で不織布化した。前者のポリスチレン繊維
と、後者のポリオレフィン繊維の割合は重量比で2:3
の割合で混合した。
【0062】ついで、この不織布を濃硫酸98%にて、
75℃でスルホン化処理を実施し、目付40.3g/m
2 のセパータを得た。水酸化カリウムによる、イオン交
換量の測定により、スルホン酸基によるイオン交換量I
は、0.12meq/gとなった。得られたセパレータ
の特性を、表1に示す。電解液は、水酸化カリウム(電
解液密度ρL=1.3g/cc)を用いた。
【0063】さらに、このセパレータを使用し、実施例
1と同様の電池を作成しようとしたが、強度不足のため
組み込むことができなかった。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明は、電池の高容量化
を目的としたセパレーターの厚み低減において、従来避
けがたかったサイクル寿命の低下を防止しする事が可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例と比較例の、充放電サイクル
数に対する、放電維持率の変化を示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−199159(JP,A) 特開 昭55−105962(JP,A) 特開 平4−174964(JP,A) 特開 平8−325932(JP,A) 特開 平7−57715(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/16 H01M 10/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のI、II、III を同時に満たす不織
    布からなることを特徴とするアルカリ電池用セパレー
    タ。 I:スルホン酸基量を、水酸化カリウムにより中和され
    るイオン交換量(I)で示すとき、Iが0.03〜0.
    5[meq/g]である。 II:下記式で表される不織布の電解液保持量(H)が、
    40〜150[g/m2]である。 H=(ρL/ρF)×((ρF×Th)−W) III :下記式で表される不織布の圧縮率(P)が、1〜
    50[%]である。 P=((Tl−Th)/Tl)×100 但し、Th:3000kPaの荷重下での不織布の厚み
    [μm] Tl:300kPaの荷重下での不織布の厚み[μm] ρF:不織布を構成する繊維の密度[g/cc] ρL:セパレータに用いる電解液の密度[g/cc] W :不織布の目付[g/m2
  2. 【請求項2】 前記Th(3000kPaの荷重下での
    不織布の厚み)が、50〜150[μm]であることを
    特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池用セパレー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記不織布が、ポリオレフィン系繊維と
    ポリスチレン系繊維の混繊により得られた不織布をスル
    ホン化した不織布であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】 前記ポリオレフィン系繊維が、低融点成
    分と高融点成分からなることを特徴とする請求項3に記
    載のアルカリ電池用セパレーター。
  5. 【請求項5】 前記低融点成分がポリエチレンであり、
    且つ、前記高融点成分がポリプロピレンであることを特
    徴とする請求項4に記載のアルカリ電池用セパレータ
    ー。
  6. 【請求項6】 前記不織布が、3次元的に架橋されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至5に記載のアルカリ電
    池用セパレータ。
JP24083797A 1997-09-05 1997-09-05 アルカリ電池用セパレータ Ceased JP3332147B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24083797A JP3332147B2 (ja) 1997-09-05 1997-09-05 アルカリ電池用セパレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24083797A JP3332147B2 (ja) 1997-09-05 1997-09-05 アルカリ電池用セパレータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1186826A JPH1186826A (ja) 1999-03-30
JP3332147B2 true JP3332147B2 (ja) 2002-10-07

Family

ID=17065447

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24083797A Ceased JP3332147B2 (ja) 1997-09-05 1997-09-05 アルカリ電池用セパレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3332147B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3504207B2 (ja) * 2000-03-16 2004-03-08 Fdk株式会社 アルカリ電池
JP4740034B2 (ja) * 2006-05-23 2011-08-03 株式会社巴川製紙所 電気化学素子用セパレータ
JP2008028095A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Tomoegawa Paper Co Ltd 電気化学素子用セパレータおよびその製造方法
JP4740062B2 (ja) * 2006-08-03 2011-08-03 株式会社巴川製紙所 電気化学素子用セパレータおよびその製造装置と製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1186826A (ja) 1999-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101714811B1 (ko) 비수계 전지용 세퍼레이터 및 그것을 사용한 비수계 전지, 그리고 비수계 전지용 세퍼레이터의 제조 방법
JP4699899B2 (ja) アルカリ二次電池用セパレータ材料とその製造方法及びアルカリ二次電池用セパレータ
WO2003098720A1 (en) Non-woven fabric for separator of alkali cell and method for production thereof
JP2006222083A (ja) 不織布、繊維および電気化学的電池
JP4387951B2 (ja) 有機電解液電池用セパレータとその製造方法及びこれを組み込んだ有機電解液電池
JP2001155709A (ja) 電池用セパレータ
US6994935B2 (en) Process for producing separator for batteries, the separator for batteries, and alkaline storage batteries using the same
JP3332147B2 (ja) アルカリ電池用セパレータ
JP4372393B2 (ja) セパレータ材料とその製造方法および電池
JP2002203530A (ja) 電池セパレータ及びこれを用いたアルカリ蓄電池
JP4965039B2 (ja) 電池用セパレータ
JPH10125300A (ja) アルカリ二次電池用セパレ−タ
JP2003031200A (ja) セパレータ材料とその製造方法およびこれを組み込んだ電池
JP4061012B2 (ja) 電池用セパレータおよびこれを用いた電池
JP4651796B2 (ja) 電池用セパレーター及びその製造方法
JP3510156B2 (ja) 電池セパレータ並びに電池
JP3226363B2 (ja) アルカリ電池用セパレータ
JPH1167182A (ja) アルカリ電池用セパレータ及びその製造方法
JP2002198024A (ja) 電池用セパレータ
JPH10312786A (ja) アルカリ電池用セパレータ
JPH11297293A (ja) アルカリ電池用セパレータ及びその製造方法
JP4258682B2 (ja) アルカリ蓄電池
JP7313163B2 (ja) 電気化学素子用セパレータ
JP2001110389A (ja) 電池用セパレータ
JPH11288702A (ja) アルカリ電池用セパレータ

Legal Events

Date Code Title Description
RVOP Cancellation by post-grant opposition