JP4258682B2 - アルカリ蓄電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルカリ蓄電池に関するもので、さらに詳しく言えば、セパレータの機械的強度と地合(抄紙むらの程度)の改善により短絡発生率の抑制および高温雰囲気下でのアルカリ蓄電池の自己放電を抑制することができるとともに、その充放電サイクル寿命を向上させることができるニッケル−カドミウムやニッケル−水素蓄電池などのアルカリ蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポータブル機器用電源には、高エネルギー密度を有するニッケル−カドミウム蓄電池のようなアルカリ蓄電池が用いられてきた。近年はこれらのポータブル機器には携帯電話、ノートパソコン、ハンディービデオカメラといった高度で多機能なものが普及し、前述したアルカリ蓄電池の需要が急速に増加し、さらに高エネルギー密度を有する種々の蓄電池への期待が高まってきている。このような高エネルギー密度を有する蓄電池として実用化の最先端にあるものはニッケル−水素蓄電池である。
【0003】
一方、前述した高度で多機能なポータブル機器は、多機能であるためにその消費電力は大きく、しかも小型化されているために電源としての電池は、そのセル数が極力少なくされ、電池の電圧は昇圧回路によって数V〜十数Vの作動圧まで昇圧される。この昇圧回路は発熱部を有しているが、他の要素とともに機器の内部に高密度に実装されている。そのため、機器の内部は高温になり、電池もこのような高温の雰囲気下で使用されるのが通常である。
【0004】
従来、このようなポータブル機器に用いられてきたニッケル−カドミウム蓄電池は、そのセパレータに高い親水性を有するポリアミド系樹脂からなる不織布が用いられたり、耐酸化性にすぐれているポリオレフィン系樹脂からなる不織布に界面活性剤処理を施して親水性を付与したものが用いられてきた。
【0005】
ところが、上記したポリアミド系樹脂からなる不織布をセパレータとしたニッケル−カドミウム蓄電池は、高温の雰囲気下でポリアミド系樹脂が酸化分解され、その分解生成物である硝酸イオンや亜硝酸イオンが互いに酸化、還元を繰り返すシャトル効果によって自己放電が促進されるという問題がある。このようなセパレータをニッケル−水素蓄電池に用いると、上記した問題に加えて、高温の雰囲気下では負極の水素吸蔵合金から水素が放出されやすくなるため、この水素によってニッケル極が還元されて自己放電が促進されるという問題もあり、高温の雰囲気下でのニッケル−水素蓄電池への使用には適さないということがわかってきた。
【0006】
一方、ポリオレフィン系樹脂からなる不織布に界面活性剤処理を施して親水性を付与したセパレータは、ニッケル−カドミウム蓄電池においてもニッケル−水素蓄電池においても、その充放電サイクル寿命特性を向上することができないということがわかっていた。
【0007】
上記した問題に鑑み、特にニッケル−水素蓄電池に適したセパレータが種々提案されている。例えば、ポリオレフィン系樹脂からなる乾式抄紙した不織布に界面活性剤を施して親水性を付与するのに代えて、熱濃硫酸や発煙硫酸と反応させる方法などによってポリオレフィン系樹脂の構造式にスルホン酸基を付与して親水性を付与し、これをセパレータとする提案がある。
【0008】
また、ポリオレフィン系樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる分割性複合繊維を各構成成分ごとに分割して微細繊維化して交絡させて形成した不織布は、エチレン−ビニルアルコール共重合体が高い親水性を有し、しかも微細繊維化されることによってすぐれた電解液保持力を有しているので、セパレータとして使用できるという提案もなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したセパレータのうち、ポリオレフィン系樹脂からなる不織布に熱濃硫酸や発煙硫酸と反応させてポリオレフィン系樹脂の構造式にスルホン酸基を付加して親水性を付与したものは、高温の雰囲気下で耐酸化性を有し、ニッケル−水素蓄電池においてもスルホン酸基が負極表面で作用して負極の水素吸蔵合金からの水素の放出が抑制できて自己放電も抑制できるが、不織布の繊維表面のみを改質したものであるため、セパレータに保持できる電解液量は必ずしも十分でなく、充放電サイクル経過に伴ってニッケル極活物質の細孔容積が増大するとセパレータに保持された電解液がニッケル極側に移動してセパレータを枯渇化させ、ニッケル−水素蓄電池を早期に寿命に至らせるという問題があった。
【0010】
また、上記したセパレータの熱濃硫酸や発煙硫酸処理は繊維を劣化させ、機械的強度が低下するため、目付量を低下させた薄型化には適さないのでアルカリ蓄電池の高容量化に対応できないという問題もあった。
【0011】
さらに、ポリオレフィン系樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる分割性複合繊維を、各構成繊維ごとに分割して微細繊維化した後に交絡させて形成した不織布は、高温の雰囲気下におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体の耐酸化性が低いため、分割性複合繊維中のエチレン−ビニルアルコール共重合体の構成成分比率を高くすると、親水性を高めることはできるが高温の雰囲気下での耐酸化性が低下し、ポリオレフィン系樹脂の構成成分比率を高くすると、高温の雰囲気下での耐酸化性を高めることはできるが親水性が低下するという問題があった。
【0012】
また、上記分割性複合繊維の長繊維を用いて乾式抄紙し、各構成成分ごとに分割して交絡させて形成した不織布は、機械的強度は大であるが、目付を低下させ、セパレータの薄型化を図ろうとすると目が粗く、電池生産時の短絡発生率が増加するという問題もあった。
【0013】
さらに、上記分割性複合繊維の短繊維を用いて湿式抄紙し、各構成成分ごとに分割して交絡させて形成した不織布は、緻密で均一であるので低目付で薄型化が図れるが、機械的強度が小であるため、電池生産時切断による短絡発生率が増加するという問題点もあった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、複数の異なるポリオレフィン系樹脂を繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維と芯鞘複合繊維とを用いて乾式抄紙した不織布と、前記分割性複合繊維を用いて湿式抄紙した不織布とを重ね合わせた後、前記分割性複合繊維を分割して交絡させて不織布を形成し、電子線を照射した後、前記不織布を親水化処理したものである。複数の異なるポリオレフィン系樹脂を繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維の長繊維を用いて乾式抄紙した不織布により機械的強度を維持し、複数の異なるポリオレフィン系樹脂を繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維の短繊維を用いて湿式抄紙した不織布により緻密で均一性を持たせることで、低目付で薄型のセパレータを得ることができるため、アルカリ蓄電池の高容量化が可能である。
【0015】
なお、本発明で使用する分割性複合繊維の繊維長は特に限定するものではないが、乾式抄紙法によって形成する場合には20〜110mmであるのが好ましく、湿式抄紙法によって形成する場合には3〜25mmであるのが好ましい。
【0016】
また、上記不織布にビニルモノマーをグラフト重合して、親水化処理したセパレータであると電解液保持性がすぐれているため、アルカリ蓄電池のサイクル寿命特性が向上する。
【0017】
さらに、不織布の通気度が4〜14cc/cm2・sec になるようにすると、高温の雰囲気下で負極の水素吸蔵合金から放出された水素ガスがニッケル極に移動しにくいため、ニッケル−水素蓄電池の自己放電を抑制できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
【0019】
(実施形態1)ポリプロピレンとポリエチレンとの重量比が50:50で、それぞれが図1に示した如く繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維70重量部とポリプロピレンを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維30重量部とを用いて、目付23g/m2 となるように乾式抄紙して得た不織布と、ポリプロピレンとポリエチレンとの重量比が50:50で、それぞれが図1に示した如く繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維70重量部とポリプロピレンを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維30重量部とを用いて、目付23g/m2 となるように湿式抄紙して得た不織布とを重ね合わせた後、これに高圧水流を噴射して繊維を交絡させると同時に分割性複合繊維を分割して不織布とし、これに加速電圧2MeV、ビーム電流10mAにて電子線を空気中にて10Mrad照射した。この照射した不織布をあらかじめ窒素ガスにより脱酸素された、アクリル酸50重量部、水50重量部、モール塩0.5重量部よりなる溶液中に10分間連続的に浸漬し、10重量%のアクリル酸をグラフト重合させた。このグラフト重合により親水化処理した不織布をカレンダー処理して、目付51g/m2 、厚さ0.12mm、通気度14cc/cm2・sec のセパレータAを得た。なお、図1の中で、1はポリプロピレン構成成分、2はポリエチレン構成成分である。
【0020】
(実施形態2)目付25g/m2 となるように乾式抄紙して得た不織布と目付25g/m2 となるように湿式抄紙して得た不織布を重ね合わせた以外は、実施形態1と同様にして目付55g/m2 、厚さ0.12mm、通気度8cc/cm2・sec のセパレータBを得た。
【0021】
(実施形態3)目付27g/m2 となるように乾式抄紙して得た不織布と目付27g/m2 となるように湿式抄紙して得た不織布を重ね合わせた以外は、実施形態1と同様にして目付60g/m2 、厚さ0.12mm、通気度4cc/cm2・sec のセパレータCを得た。
【0022】
(比較形態1)比較のため、ポリプロピレンとポリエチレンとの重量比が50:50で、それぞれが図1に示した如く繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維70重量部と、ポリプロピレンを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維30重量部とを用いて、目付46g/m2 となるように乾式抄紙して得た以外は、実施形態1と同様にして、10重量%のアクリル酸をグラフト重合させた。このグラフト重合により親水化処理した不織布をカレンダー処理して、目付51g/m2 、厚さ0.12mmのセパレータDを得た。
【0023】
(比較形態2)ポリプロピレンとポリエチレンとの重量比が50:50で、それぞれが図1に示した如く繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維70重量部と、ポリプロピレンを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維30重量部とを用いて、目付46g/m2 となるように湿式抄紙して得た以外は、実施形態1と同様にして、10重量%のアクリル酸をグラフト重合させた。このグラフト重合により親水化処理した不織布をカレンダー処理して、目付51g/m2 、厚さ0.12mmのセパレータEを得た。
【0024】
(比較形態3)ポリプロピレンとポリエチレンとの重量比が50:50で、それぞれが図1に示した如く繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維70重量部とポリプロピレンを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維30重量部とを用いて、目付23g/m2 となるように乾式抄紙して得た不織布と、ポリプロピレンとポリエチレンとの重量比が50:50で、それぞれが図1に示した如く繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維70重量部とポリプロピレンを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維30重量部とを用いて、目付23g/m2 となるように湿式抄紙して得た不織布とを重ね合わせた後、これに高圧水流を噴射して繊維を交絡させると同時に分割性複合繊維を分割して不織布とし、この不織布をカレンダー処理して、目付51g/m2 、厚さ0.12mmのセパレータFを得た。
【0025】
(比較形態4)ポリプロピレンを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維のみから作製した目付60g/m2 の乾式不織布に、発煙硫酸を作用させてスルホン酸基を付与し、この不織布をカレンダー処理して厚さ0.12mmの比較セパレータGを得た。
【0026】
(比較形態5)ポリプロピレンとエチレンビニルアルコール共重合体との重量比が50:50で、それぞれが繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維70重量部と、ポリプロピレンを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維30重量部とを用いて目付51g/m2 になるように湿式抄紙した後、これに高圧水流を噴射して繊維を交絡させると同時に分割性複合繊維を分割した。この不織布をカレンダー処理して厚さ0.12mmの比較セパレータHを得た。
【0027】
上記したセパレータA、D、Eから5×20cmの試験片を採取し、JISL1096に準じ、つかみ間隔10cm、引っ張り速度300mm/分で測定し、試験片の切断したときの引っ張り加重を読んだ結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0004258682
【0029】
表1から本発明のセパレータAは、機械的強度が湿式抄紙したセパレータEよりも優れていることがわかる。
【0030】
次に、上記セパレータA、D、Eを用い、正極に水酸化ニッケルを主成分とするペースト式ニッケル電極を、負極に水素吸蔵合金からなる水素極を用い、水酸化カリウム水溶液を電解液とした公称容量1100mAhの密閉形ニッケル−水素蓄電池をそれぞれのセパレータを用いて100セルづつ作製した。このときの短絡発生数と短絡発生した電池を解体し、短絡発生箇所を調査した結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
Figure 0004258682
【0032】
表2から本発明のセパレータAは、機械的強度と緻密さを兼ね備えているため、短絡発生率を抑制できることがわかる。
【0033】
次に、上記セパレータA、B、C、F、G、Hを用い、正極に水酸化ニッケルを主成分とするペースト式ニッケル電極を、負極に水素吸蔵合金からなる水素極を用い、水酸化カリウム水溶液を電解液とした公称容量1100mAhの密閉形ニッケル−水素蓄電池をa、b、c、f、g、hを作製した。
【0034】
これらの電池a、b、c、f、g、hについて、20℃の温度下、充電電流0.1Cで15時間、放電電流0.2Cで打ち切り電圧1.0Vの条件で5サイクル充放電試験を行い、容量が安定したのを確認した。さらに、20℃の温度下、充電電流0.1Cで15時間充電し、80℃の温度下で24時間放置した後の残存容量を放電電流0.2Cで打ち切り電圧1.0Vの条件で確認した。また、上記電池に圧力センサーを取り付け、20℃の温度下、充電電流1.0Cで2時間充電したときの電池内部圧力を測定した。表3に示す結果が得られた。
【0035】
【表3】
Figure 0004258682
【0036】
表3から、本発明のセパレータBおよびCを用いた密閉型ニッケル−水素蓄電池b、cと比較セパレータGを用いた密閉形ニッケル−水素電池gと同等以上の容量維持率を有していたのに対し、本発明セパレータAと比較セパレータF、Hを用いた密閉形ニッケル−水素蓄電池a、f、hの順に容量保持率が低いことがわかった。
【0037】
このことは、比較セパレータF、Hではスルホン酸基やアクリル酸基が付与されていないので、自己放電が抑制できなかったことによるものと考える。
【0038】
また、本発明セパレータAでは、高温の雰囲気下で負極の水素吸蔵合金から放出された水素ガスの移動を抑制できなかったことによるものと考える。
【0039】
電池内部圧力測定結果から、本発明のセパレータAおよびBを用いた密閉型ニッケル−水素蓄電池a、bと比較セパレータF、G、Hを用いた密閉型ニッケル−水素蓄電池f、g、hとほぼ同等の電池内部圧力を有していたのに対し、本発明セパレータCを用いた密閉形ニッケル−水素蓄電池cは電池内部圧力が高いことがわかった。これは通気度が低く、充電末期にニッケル極より発生した酸素ガスがスムーズに負極に移動できず、ガス吸収ができなかったことによるものと考える。上記結果から、本発明セパレータの通気度は、4〜14cc/cm2・sec の間であることが望ましい。
【0040】
次に、上記したセパレータA、B、C、F、G、Hを用い、正極に水酸化ニッケルを主成分とするペースト式ニッケル電極を、負極に水素吸蔵合金からなる水素極を用い、水酸化カリウム水溶液を電解液とした公称容量1100mAhの密閉形ニッケル−水素蓄電池をa、b、c、f、g、hを作製した。
【0041】
これらの電池a、b、c、f、g、hについて、20℃の温度下、充電電流0.5C、放電電流1.0Cの条件で充放電試サイクル寿命試験を行ったところ、図2に示す結果が得られた。
【0042】
図2から、本発明のセパレータA、B、Cを用いた密閉形ニッケル−水素蓄電池a、b、cは、比較セパレータF、G、Hを用いた密閉形ニッケル−水素電池f、g、hに対して充放電サイクル寿命がすぐれていることがわかる。また、充放電サイクル寿命試験終了後、密閉形ニッケル−水素蓄電池f、g、hを解体したところ、比較セパレータF、Gには電解液が枯渇している部位があり、比較セパレータHには重量減少があり、親水性や電解液保持性が低下していることがわかった。
【0043】
このことは、比較セパレータF、Gでは充放電サイクルの経過に伴ってニッケル極活物質の細孔容積が増大してセパレータに保持された電解液がニッケル極側に移動し、比較セパレータHでは45℃の温度下でエチレン−ビニルアルコール共重合体が酸化分解されて親水性や電解液保持性が低下したことによるものと考える。
【0044】
【発明の効果】
上記したとおりであるから、本発明のアルカリ蓄電池は、すぐれた機械的強度と緻密で均一な地合であるセパレータを使用しているため、電池生産時の短絡発生率が抑制され、すぐれた親水性と電解液保持性とを有し、しかもこれを長期間持続させることができるので、アルカリ蓄電池のサイクル寿命特性を向上させることができるとともに、通気度を4〜14cc/cm2・sec にすることにより高温雰囲気下でニッケル−水素蓄電池に使用してもその自己放電を抑制することができるという効果があり、耐久性向上に寄与するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】分割性複合繊維の断面図である。
【図2】サイクル数と放電容量との関係図である。
【符号の説明】
1 ポリプロピレン構成成分
2 ポリエチレン構成成分

Claims (3)

  1. 複数の異なるポリオレフィン系樹脂を繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維と芯鞘複合繊維とを用いて乾式抄紙した不織布と、前記分割性複合繊維を用いて湿式抄紙した不織布とを重ね合わせた後、前記分割性複合繊維を分割して交絡させて不織布を形成し、電子線を照射した後、前記不織布を親水化処理してセパレータとして用いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
  2. 前記セパレータが、ビニルモノマーをグラフト重合して親水化処理したことを特徴とする請求項1記載のアルカリ蓄電池。
  3. 前記セパレータの通気度が4〜14cc/cm・secであることを特徴とする請求項1記載のアルカリ蓄電池。
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