JP3684558B2 - ニッケル−水素蓄電池用セパレータ - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明はニッケル−水素蓄電池用セパレータに関するもので、さらに詳しく言えば、高温の雰囲気下でのニッケル−水素蓄電池の自己放電を抑制することができるとともに、その充放電サイクル寿命特性を向上させることができるニッケル−水素蓄電池用セパレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポータブル機器用電源には、高エネルギー密度を有するニッケル−カドミウム蓄電池のようなアルカリ蓄電池が用いられてきたが、近年はこれらのポータブル機器には携帯電話、ノートパソコン、ハンディビデオカメラといった高度で多機能なものが普及し、前述したアルカリ蓄電池の需要が急速に増加し、さらに高エネルギー密度を有する種々の蓄電池への期待が高まってきている。
【0003】
このような高エネルギー密度を有する蓄電池として実用化の最先端にあるものはニッケル−水素蓄電池である。
【0004】
一方、前述した高度で多機能なポータブル機器は、多機能であるためにその消費電力は大きく、しかも小型化されているために電源としての電池はそのセル数は極力少なくされ、電池の電圧は昇圧回路によって数V〜十数Vの作動電圧まで昇圧される。この昇圧回路は発熱部を有しているが、他の要素とともに機器の内部に高密度に実装されている。そのため、機器の内部は高温になり、電池もこのような高温の雰囲気下で使用されるのが通常である。
【0005】
従来、このようなポータブル機器に用いられてきたニッケル−カドミウム蓄電池は、そのセパレータに高い親水性を有するポリアミド系樹脂からなる不織布が用いられたり、耐酸化性にすぐれているポリオレフィン系樹脂からなる不織布に界面活性剤処理を施して親水性を付与したものが用いられてきた。
【0006】
ところが、上記したポリアミド系樹脂からなる不織布をセパレータとしたニッケル−カドミウム蓄電池は、高温の雰囲気下でポリアミド系樹脂が酸化分解され、その分解生成物である硝酸イオンや亜硝酸イオンが互いに酸化、還元を繰り返すシャトル効果によって自己放電が促進されるという問題があり、このようなセパレータをニッケル−水素蓄電池に用いると、上記した問題に加えて、高温の雰囲気下では負極の水素吸蔵合金から水素が放出されやすくなるため、この水素によってニッケル極が還元されて自己放電が促進されるという問題もあり、高温の雰囲気下でのニッケル−水素蓄電池への使用には適さないということがわかってきた。
【0007】
一方、ポリオレフィン系樹脂からなる不織布に界面活性剤処理を施して親水性を付与したセパレータは、界面活性剤が電解液中に遊離して酸化分解されるため、ニッケル−カドミウム蓄電池においてもニッケル−水素蓄電池においても、その充放電サイクル寿命特性を向上することができないということがわかっていた。
【0008】
上記した問題に鑑み、特にニッケル−水素蓄電池に適したセパレータが種々提案されている。
【0009】
たとえば、ポリオレフィン系樹脂からなる不織布に界面活性剤処理を施して親水性を付与するのに代えて、熱濃硫酸や発煙硫酸と反応させる方法などによってポリオレフィン系樹脂の構造式にスルホン酸基を付加して親水性を付与し、これをセパレータとする提案がある。
【0010】
また、アクリル酸やメタクリル酸などの親水基を有するビニルモノマーをグラフト重合することによって得られる分枝ポリマーはきわめて高い電解液保持力を有していることに着目し、ポリオレフィン系樹脂からなる不織布に上記した親水基を有するビニルモノマーをグラフト重合することによって親水性を付与し、これをセパレータとする提案もある。
【0011】
さらに、ポリオレフィン系樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる分割性複合繊維を、各構成成分ごとに分割して微細繊維化して交絡させて形成した織布または不織布は、エチレン−ビニルアルコール共重合体が高い親水性を有し、しかも微細繊維化されることによってすぐれた電解液保持力を有しているので、セパレータとして使用できるという提案もなされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記したセパレータのうち、ポリオレフィン系樹脂からなる不織布を熱濃硫酸や発煙硫酸と反応させてポリオレフィン系樹脂の構造式にスルホン酸基を付加して親水性を付与したものは、高温の雰囲気下で耐酸化性を有し、ニッケル−水素蓄電池においてもスルホン酸基が負極として作用して負極の水素吸蔵合金からの水素の放出が抑制できて自己放電も抑制できるが、不織布の繊維表面のみを改質したものであるため、セパレータに保持できる電解液量は必ずしも十分ではなく、充放電サイクルの経過に伴ってニッケル極表面の細孔容積が増大するとセパレータに保持された電解液がニッケル極側に移動してセパレータを枯渇化させ、ニッケル−水素蓄電池を早期に寿命に至らせるという問題があった。
【0013】
また、上記したセパレータのうち、ポリオレフィン系樹脂からなる不織布にアクリル酸やメタクリル酸などの親水基を有するビニルモノマーをグラフト重合することによって親水性を付与したものは、硝酸イオンや亜硝酸イオンといった自己放電を促進するようなイオンが生成することはないが、ニッケル−水素蓄電池においては、本質的に上記した高温の雰囲気下での負極の水素吸蔵合金からの水素の放出を抑制するものではなく、自己放電を抑制する効果は必ずしも十分ではないという問題があり、一方でグラフト重合によって得られる分枝ポリマーが高温の雰囲気下での耐酸化性が十分でないため、グラフト率を低くして高温の雰囲気下での耐酸化性を高めようとすると十分な親水性が得られなくなり、グラフト率を高くして十分な親水性を得ようとすると高温の雰囲気下での耐酸化性が低下するという問題があった。
【0014】
さらに、ポリオレフィン系樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる分割性複合繊維を、各構成成分ごとに分割して微細繊維化した後交絡させて形成した織布または不織布をセパレータとして使用することは、ニッケル−水素蓄電池においては、本質的に上記した高温の雰囲気下での負極の水素吸蔵合金からの水素の放出を抑制するものではなく、自己放電を抑制する効果は必ずしも十分ではないという問題があり、一方で高温の雰囲気下におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体の耐酸化性が低いため、分割性複合繊維中のエチレン−ビニルアルコール共重合体の構成成分の比率を高くすると、親水性を高めることはできるが高温の雰囲気下での耐酸化性が低下し、ポリオレフィン系樹脂の構成成分の比率を高くすると、高温の雰囲気下での耐酸化性を高めることはできるが親水性が低下するという問題があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、少なくともポリオレフィン系樹脂を構成成分として含む分割性複合繊維を、各構成成分ごとに分割して交絡させて形成した織布または不織布に、スチレンをグラフト重合し、得られた側鎖ポリスチレンのベンゼン核にスルホン酸基を付加したニッケル−水素蓄電池用セパレータにおいて、前記織布または不織布にグラフト重合するスチレンの重量を、織布または不織布の重量に対する重量比率(グラフト率)で40%以上になるようにし、スルフォン化処理によって側鎖ポリスチレンのベンゼン核に付加されるスルフォン酸基のモル数を、側鎖ポリスチレンの単量体換算モル数に対するモル比率(スルフォン化率)で40%以下にしたことを特徴とするもので、これにより、親水性と電解液保持性にすぐれたセパレータを得ることができ、しかもポリスチレンはポリオレフィン系樹脂と同程度の優れた耐酸化性を有し、そのベンゼン核に付加されたスルホン酸基もベンゼン核との共鳴効果によって非常に安定であるので、長期間親水性と電解液保持性を持続させることができると同時に自己放電をも抑制することができるニッケル−水素蓄電池用セパレータを得ることができる。
【0016】
前記分割性複合繊維を各構成成分ごとに分割して交絡させて織布または不織布とする方法としては、分割性複合繊維を湿式または乾式抄紙した後、これに高圧水流を噴射して繊維を交絡させる方法がある。
【0017】
また、スチレンをグラフト重合する方法としては、前記織布または不織布に電子線、γ線などの放射線を照射して生成させた反応活性点にモノマーとしてのスチレンを接触させることによって行う方法があり、前記織布または不織布に放射線を照射した後モノマーと接触させる前照射法、織布または不織布とモノマーの共存下でこれに放射線を照射する同時照射法がある。
【0018】
また、スチレンのベンゼン核にスルホン酸基を付加する方法としては、スチレンのベンゼン核は反応性が高いため、スチレンをグラフト重合した織布または不織布を濃硫酸やクロロスルホン酸を含む溶液中で浸漬処理する方法であれば常温でも容易にスルホン酸基を付加することができ、上記した微細繊維を用いた場合でも繊維の機械的強度を低下させることはないので好ましい。なお、付加したスルホン酸基はアルカリ水溶液中で処理してアルカリ金属塩としてもよい。
【0019】
次に、請求項2記載の発明は、請求項1記載のニッケル−水素蓄電池用セパレータにおいて、分割性複合繊維は複数の異なるポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とするもので、これにより、分割性複合繊維の分割を容易に行うことができるとともに、得られた織布または不織布の耐酸化性をさらに向上させることができる。
【0020】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載のニッケル−水素蓄電池用セパレータにおいて、分割性複合繊維はポリオレフィン系樹脂と親水性樹脂とからなることを特徴とするもので、これにより、ポリスチレンは親水性樹脂を三次元的に包囲し、親水性樹脂の耐酸化性を向上させることができ、しかもポリスチレンにはスルホン酸基が付加されているので、その電解液保持性を低下させることはない。
【0021】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載のニッケル−水素蓄電池用セパレータにおいて、親水性樹脂はエチレン−ビニルアルコール共重合体であることを特徴とするもので、これにより、ポリスチレンは親水性樹脂を三次元的に包囲し、親水性樹脂の耐酸化性を向上させることができ、しかもポリスチレンにはスルホン酸基が付加されているので、その電解液保持性を低下させることはない。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
【0024】
(実施形態1)
ポリプロピレンとポリメチルペンテンとの重量比が50:50で、それぞれが図1に示した如く繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維70重量部と、ポリプロピレンを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維30重量部とを用いて目付36g/m2 になるように湿式抄紙した後、これに高圧水流を噴射して繊維を交絡させると同時に分割性複合繊維を分割して不織布とし、これに電子線加速装置により加速電圧を300kV、ビーム電流を10mAとした電子線を50kGy(キログレイ)照射した後、あらかじめ窒素によって脱酸素されたスチレン30重量部、エチルアルコール70重量部からなる温度30℃の反応液中に2時間浸漬してグラフト重合を行った。なお、湿式抄紙は繊維を水中に分散させたスラリーを網上に流して後に脱水するものである。前記スチレンをグラフト重合した不織布の目付は56g/m2 であり、目付の変化からグラフト率は56%と算出された。さらに、この不織布を温度20℃の濃硫酸中に1分間浸漬処理してスルホン酸基を付加して本発明セパレータAを得た。こうして得られた本発明セパレータAの目付は59g/m2 であり、目付の変化からスルホン化率は20%と算出された。なお、図1において、1はポリプロピレン、2はポリメチルペンテンである。
【0025】
(実施形態2)
前記セパレータAに用いた分割性複合繊維に代えてポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体との重量比が50:50で、それぞれが図2に示した如く繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維を用いて同様に目付36g/m2 の不織布を作製し、これに前記セパレータAと同様の方法でグラフト重合を行った。この不織布の目付は54g/m2 であり、目付の変化からグラフト率は50%と算出された。さらに、この不織布を前記セパレータAと同様の方法でスルホン酸基を付加して本発明セパレータBを得た。こうして得られた本発明セパレータBの目付は60g/m2 であり、目付の変化からスルホン化率は43%と算出された。前記セパレータAに比べてスルホン化率が高いのは、スルホン酸基がエチレン−ビニルアルコール共重合体にも付加されたことによる。なお、図2において、1はポリプロピレン、3はエチレン−ビニルアルコール共重合体である。
【0026】
(比較形態1)
比較のため、ポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体との重量比が50:50で、それぞれが繊維断面において交互に隣接するように複合紡糸された分割性複合繊維70重量部と、ポリプロピレンを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維30重量部とを用いて目付60g/m2 になるように湿式抄紙した後、これに高圧水流を噴射して繊維を交絡させると同時に分割性複合繊維を分割して作製した不織布からなる比較セパレータCを得た。
【0027】
(比較形態2)
同様に、ポリプロピレンを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維のみから作製した目付60g/m2 の乾式不織布に、発煙硫酸を作用させてスルホン酸基を付加して比較セパレータDを得た。なお、乾式不織布とは空気中に分散された繊維を接着剤などによって集積したウェブからなるものである。
【0028】
次に、上記したセパレータA,B,C,Dを用い、正極に水酸化ニッケル粉末を主成分とするペースト式ニッケル電極を、負極に水素吸蔵合金からなる水素極を用い、水酸化カリウム水溶液を電解液とした公称容量1100mAhの密閉形ニッケル−水素蓄電池a,b,c,dを作製した。
【0029】
これらの電池a,b,c,dについて、45℃の温度下、充電電流0.5C、放電電流1.0Cの条件で充放電サイクル寿命試験を行ったところ、図3に示す結果が得られた。
【0030】
図3から、本発明のセパレータA,Bを用いた密閉形ニッケル−水素蓄電池a,bは、比較セパレータC,Dを用いた密閉形ニッケル−水素蓄電池c,dに対して充放電サイクル寿命がすぐれていることがわかる。また、充放電サイクル寿命試験終了後、密閉形ニッケル−水素蓄電池c,dを解体したところ、比較セパレータCには重量減少があり、親水性や電解液保持性が低下していたことがわかり、比較セパレータDには電解液が枯渇化している部位があることがわかった。
【0031】
このことは、比較セパレータCでは45℃の温度下でエチレン−ビニルアルコール共重合体が酸化分解されて親水性や電解液保持性が低下し、比較セパレータDでは充放電サイクルの経過に伴ってニッケル極表面の細孔容積が増大してセパレータに保持された電解液がニッケル極側に移動したことによるものと考えられる。
【0032】
次に、上記した密閉形ニッケル−水素蓄電池a,b,c,dを充電電流0.1Cで充電した後、45℃の温度下で保存して保存日数と容量保持率との関係を調査したところ、図4に示す結果が得られた。なお、放電は放電電流0.2Cで終始電圧が1.0Vまでとした。
【0033】
図4から、本発明セパレータAおよびBを用いた密閉形ニッケル−水素蓄電池a,bと比較セパレータDを用いた密閉形ニッケル−水素蓄電池dとはほぼ同程度の容量保持率を有していたのに対し、比較セパレータCを用いた密閉形ニッケル−水素蓄電池cは容量保持率が低いことがわかった。
【0034】
このことは、比較セパレータCではスルホン酸基が付加されていないので、自己放電が抑制できなかったことによるものと考えられる。
【0035】
次に、本発明セパレータにおけるグラフト率とこれを用いた密閉形ニッケル−水素蓄電池の自己放電との関係を調査するため、本発明セパレータAと同じ不織布を用い、本発明セパレータAと同様の方法で重合時間のみを変化させてグラフト重合を行い、本発明セパレータAと同様のスルホン化処理を行い、比較セパレータA1 ,A2 ,A3 を得た。これらの比較セパレータA1 ,A2 ,A3 のグラフト率はそれぞれ23%,37%,75%であった。
【0036】
また、本発明セパレータにおけるスルホン化率とこれを用いた密閉形ニッケル−水素蓄電池の自己放電との関係を調査するため、本発明セパレータAと同じ不織布を用い、本発明セパレータAと同様のグラフト重合を行い、本発明セパレータAと同様の方法で処理時間のみを変化させてスルホン化処理を行い、比較セパレータA4 ,A5 ,A6 を得た。これらの比較セパレータA4 ,A5 ,A6 のスルホン化率はそれぞれ11%,42%,64%であった。
【0037】
上記したセパレータA1 ,A2 ,A3 ,A4 ,A5 ,A6 を用いて同様の密閉形ニッケル−水素蓄電池a1 ,a2 ,a3 ,a4 ,a5 ,a6 を作製した。
【0038】
これらの電池a1 ,a2 ,a3 ,a4 ,a5 ,a6 について、0.1Cで充電した後、45℃の温度下で10日間保存して容量保持率を調査したところ、表1に示す結果が得られた。なお、放電は放電電流0.2Cで終始電圧が1.0Vまでとした。
【0039】
【表1】
【0040】
表1から、実用上の問題にならない70%以上の容量保持率を確保するためには、グラフト率を40%以上にし、スルホン化率を40%以下にすることが好ましいことがわかる。このことは、グラフト重合されるスチレンの量が少ないと側鎖ポリスチレンに付加されるスルホン酸基も少なくなってスルホン化処理を行っても顕著な効果は得られず、高グラフト率の不織布を用いた場合であってもベンゼン核に付加されるスルホン酸基が多くなりすぎると顕著な効果は得られなくなるためであると考えられる。
【0041】
上記した実施例では、分割性複合繊維の構成成分としてポリプロピレンとポリメチルペンテンおよびポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体を選択したが、組み合わせはこれに限定されるものではなく、他のポリオレフィン系樹脂同士の組み合わせや、他のポリオレフィン系樹脂と親水性樹脂との組み合わせであってもよい。
【0042】
また、上記した実施例では、各構成成分ごとに分割した分割性複合繊維にポリポリプロピレンを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維を混合して交絡させて織布または不織布を形成しているが、このような芯鞘複合繊維を混合させるのは各構成成分ごとに分割した分割性複合繊維を交絡させて織布または不織布とする場合に繊維間が良好に結合できるようにするためであり、ポリエチレンのような低融点繊維を構成成分として含む分割性複合繊維の場合は分割性複合繊維のみであってもよい。
【0043】
【発明の効果】
上記したとおりであるから、本発明のニッケル−水素蓄電池用セパレータはすぐれた親水性と電解液保持性とを有し、しかもこれを長期間持続させることができるので、ニッケル−水素蓄電池のサイクル寿命特性を向上させることができるとともに、グラフト率とスルホン化率を適宜選択することにより高温の雰囲気下でニッケル−水素蓄電池に使用してもその自己放電を抑制することができるという効果があり、ニッケル−水素蓄電池の耐久性向上に寄与するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1で用いた分割性複合繊維の断面図である。
【図2】本発明の実施形態2で用いた分割性複合繊維の断面図である。
【図3】密閉形ニッケル−水素蓄電池のサイクル寿命特性を比較した図である。
【図4】密閉形ニッケル−水素蓄電池の容量保持率を比較した図である。
【符号の説明】
1 ポリプロピレン
2 ポリメチルペンテン
3 エチレン−ビニルアルコール共重合体
Claims (4)
- 少なくともポリオレフィン系樹脂を構成成分として含む分割性複合繊維を、各構成成分ごとに分割して交絡させて形成した織布または不織布に、スチレンをグラフト重合し、得られた側鎖ポリスチレンのベンゼン核にスルホン酸基を付加したニッケル−水素蓄電池用セパレータにおいて、前記織布または不織布にグラフト重合するスチレンの重量を、織布または不織布の重量に対する重量比率(グラフト率)で40%以上になるようにし、スルホン化処理によって側鎖ポリスチレンのベンゼン核に付加されるスルホン酸基のモル数を、側鎖ポリスチレンの単量体換算モル数に対するモル比率(スルホン化率)で40%以下にしたことを特徴とするニッケル−水素蓄電池用セパレータ。
- 請求項1記載のニッケル−水素蓄電池用セパレータ において、分割性繊維は複数の異なるポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とするニッケル−水素蓄電池用セパレータ。
- 請求項1記載のニッケル−水素蓄電池用セパレータ において、分割性複合繊維はポリオレフィン系樹脂と親水性樹脂とからなることを特徴とするニッケル−水素蓄電池用セパレータ。
- 請求項3記載のニッケル−水素蓄電池用セパレータ において、親水性繊維はエチレン−ビニルアルコール共重合体であることを特徴とするニッケル−水素蓄電池用セパレータ。
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