JPH117937A - 電池用セパレータの製造方法、電池用セパレータおよび電池 - Google Patents
電池用セパレータの製造方法、電池用セパレータおよび電池Info
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- JPH117937A JPH117937A JP9159673A JP15967397A JPH117937A JP H117937 A JPH117937 A JP H117937A JP 9159673 A JP9159673 A JP 9159673A JP 15967397 A JP15967397 A JP 15967397A JP H117937 A JPH117937 A JP H117937A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Nonwoven Fabrics (AREA)
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- Secondary Cells (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、親水性およびイオン交換能を
発現する官能基を容易に導入することが可能な電池用セ
パレータの製造方法と、該製造方法によって得られる高
性能の電池用セパレータおよび電池を提供することであ
る。 【解決手段】不織布の繊維表面に、エステル結合を有す
るビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴマーから
なる重合体を、物理的および/または化学的に結合さ
せ、かつ該エステル結合を加水分解させて酸基を生成さ
せる電池用セパレータの製造方法である。また、ポリオ
レフィン系分割型複合繊維を用いること、湿式抄造法お
よび/または水流交絡処理によって不織布を製造するこ
とで、より性能の優れた電池用セパレータおよび電池を
提供することができる。
発現する官能基を容易に導入することが可能な電池用セ
パレータの製造方法と、該製造方法によって得られる高
性能の電池用セパレータおよび電池を提供することであ
る。 【解決手段】不織布の繊維表面に、エステル結合を有す
るビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴマーから
なる重合体を、物理的および/または化学的に結合さ
せ、かつ該エステル結合を加水分解させて酸基を生成さ
せる電池用セパレータの製造方法である。また、ポリオ
レフィン系分割型複合繊維を用いること、湿式抄造法お
よび/または水流交絡処理によって不織布を製造するこ
とで、より性能の優れた電池用セパレータおよび電池を
提供することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用セパレータ
の製造方法、電池用セパレータおよび電池に関し、特に
ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッ
ケル−水素電池等のアルカリ二次電池用の電池用セパレ
ータの製造方法、電池用セパレータおよび電池に関す
る。
の製造方法、電池用セパレータおよび電池に関し、特に
ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッ
ケル−水素電池等のアルカリ二次電池用の電池用セパレ
ータの製造方法、電池用セパレータおよび電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、小型民生機器だけでなく、大型機
器の駆動電源として、ニッケル−カドミウム電池、ニッ
ケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池等のアルカリ二次
電池が普及している。アルカリ二次電池は、高出力、高
エネルギー密度、長寿命、高容量といった特性を有して
おり、広範囲の産業分野での利用が期待されている。
器の駆動電源として、ニッケル−カドミウム電池、ニッ
ケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池等のアルカリ二次
電池が普及している。アルカリ二次電池は、高出力、高
エネルギー密度、長寿命、高容量といった特性を有して
おり、広範囲の産業分野での利用が期待されている。
【0003】アルカリ二次電池は、少なくとも正極、負
極、電池用セパレータ、電解液とから構成されている。
アルカリ二次電池で使用されている電池用セパレータに
は、電解液(アルカリ性水溶液)との親和性が良く、吸
液速度、保液性が優れていること、長期間の充放電の繰
り返しに耐えることができる耐アルカリ性および耐酸化
性を有していること、内部抵抗が小さく、電池内部で発
生した気体、イオンの透過を妨げることがない充分な通
気性を有すること、電池の小型化に対応できるように薄
膜であり、かつ厚みが均一で、機械的強度にも優れるこ
と等の性能が要求されている。
極、電池用セパレータ、電解液とから構成されている。
アルカリ二次電池で使用されている電池用セパレータに
は、電解液(アルカリ性水溶液)との親和性が良く、吸
液速度、保液性が優れていること、長期間の充放電の繰
り返しに耐えることができる耐アルカリ性および耐酸化
性を有していること、内部抵抗が小さく、電池内部で発
生した気体、イオンの透過を妨げることがない充分な通
気性を有すること、電池の小型化に対応できるように薄
膜であり、かつ厚みが均一で、機械的強度にも優れるこ
と等の性能が要求されている。
【0004】上記特性を満たす電池用セパレータとし
て、一般に不織布が使用される。不織布を構成する繊維
としては、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポ
リビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、
ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等が用いられてい
る。アルカリ二次電池として、従来一般的であったニッ
ケル−カドミウム電池では、電解液との親和性に優れた
ポリアミド繊維からなる不織布が用いられることが多か
った。
て、一般に不織布が使用される。不織布を構成する繊維
としては、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポ
リビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、
ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等が用いられてい
る。アルカリ二次電池として、従来一般的であったニッ
ケル−カドミウム電池では、電解液との親和性に優れた
ポリアミド繊維からなる不織布が用いられることが多か
った。
【0005】アルカリ二次電池では、充電状態の電池を
高温下で保存すると、容量が低下していく自己放電現象
が問題となっている。この一原因として、電池用セパレ
ータの分解生成物による正極の還元反応が考えられてい
る。特に、ポリアミド繊維は、電解液によって加水分解
されるために、分解生成物が生じやすく、自己放電現象
が促進されるという欠点を有していた。この現象は、負
極として水素吸蔵合金を用いたニッケル−水素電池でよ
り問題となっている。
高温下で保存すると、容量が低下していく自己放電現象
が問題となっている。この一原因として、電池用セパレ
ータの分解生成物による正極の還元反応が考えられてい
る。特に、ポリアミド繊維は、電解液によって加水分解
されるために、分解生成物が生じやすく、自己放電現象
が促進されるという欠点を有していた。この現象は、負
極として水素吸蔵合金を用いたニッケル−水素電池でよ
り問題となっている。
【0006】このため、耐アルカリ性および耐酸化性に
優れたポリオレフィン繊維を主成分とする不織布が優位
に用いられるようになった。しかし、ポリオレフィン繊
維は電解液に対する親和性が低いので、スルホン化処
理、親水性単量体のグラフト重合処理、コロナ放電処
理、界面活性剤浸漬処理等の親水化処理を行う必要があ
る。
優れたポリオレフィン繊維を主成分とする不織布が優位
に用いられるようになった。しかし、ポリオレフィン繊
維は電解液に対する親和性が低いので、スルホン化処
理、親水性単量体のグラフト重合処理、コロナ放電処
理、界面活性剤浸漬処理等の親水化処理を行う必要があ
る。
【0007】上記親水化処理のうち、スルホン化処理お
よびグラフト重合処理は、スルホン酸基およびカルボン
酸基等のイオン交換能を有する官能基をポリオレフィン
繊維に導入することができ、かつこれらの官能基が不織
布を構成する繊維に結合しているので、遊離することが
ないという利点を有している。これらの官能基は、電池
内に含まれる窒素化合物、多価金属イオン等の不純物を
捕捉し、電池特性を向上させると考えられている。しか
しながら、スルホン化処理は、濃硫酸を使用するので、
繊維が劣化するという欠点があるほか、作業環境が良く
ない、製造コストが高いという欠点もある。グラフト重
合処理は、主にカルボン酸基を有するモノマーおよび/
またはオリゴマーを不織布を構成する繊維に結合させる
処理であるが、カルボン酸基を有するモノマーは刺激性
が強く、作業環境が悪化するという問題がある。
よびグラフト重合処理は、スルホン酸基およびカルボン
酸基等のイオン交換能を有する官能基をポリオレフィン
繊維に導入することができ、かつこれらの官能基が不織
布を構成する繊維に結合しているので、遊離することが
ないという利点を有している。これらの官能基は、電池
内に含まれる窒素化合物、多価金属イオン等の不純物を
捕捉し、電池特性を向上させると考えられている。しか
しながら、スルホン化処理は、濃硫酸を使用するので、
繊維が劣化するという欠点があるほか、作業環境が良く
ない、製造コストが高いという欠点もある。グラフト重
合処理は、主にカルボン酸基を有するモノマーおよび/
またはオリゴマーを不織布を構成する繊維に結合させる
処理であるが、カルボン酸基を有するモノマーは刺激性
が強く、作業環境が悪化するという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、親水
性およびイオン交換能を有する官能基を容易かつ安全に
導入することが可能な電池用セパレータの製造方法と、
該製造方法によって得られる高性能の電池用セパレータ
と、該電池用セパレータを用いてなる高性能の電池を提
供することである。
性およびイオン交換能を有する官能基を容易かつ安全に
導入することが可能な電池用セパレータの製造方法と、
該製造方法によって得られる高性能の電池用セパレータ
と、該電池用セパレータを用いてなる高性能の電池を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、次の発明を見出す
に至った。
を解決するために鋭意検討した結果、次の発明を見出す
に至った。
【0010】(1)不織布の繊維表面に、ビニルモノマ
ーおよび/またはビニルオリゴマーからなる重合体を、
物理的および/または化学的に結合させる電池用セパレ
ータの製造方法において、該ビニルモノマーおよび/ま
たはビニルオリゴマーがエステル結合を含有しており、
該エステル結合を加水分解させることを特徴とする電池
用セパレータの製造方法。
ーおよび/またはビニルオリゴマーからなる重合体を、
物理的および/または化学的に結合させる電池用セパレ
ータの製造方法において、該ビニルモノマーおよび/ま
たはビニルオリゴマーがエステル結合を含有しており、
該エステル結合を加水分解させることを特徴とする電池
用セパレータの製造方法。
【0011】(2)ビニルモノマーおよび/またはビニ
ルオリゴマーが2つ以上のビニル基を有することを特徴
とする上記(1)の電池用セパレータの製造方法。
ルオリゴマーが2つ以上のビニル基を有することを特徴
とする上記(1)の電池用セパレータの製造方法。
【0012】(3)ビニルモノマーおよび/またはビニ
ルオリゴマーがポリアルキレングリコール基を含有する
ことを特徴とする上記(1)または(2)の電池用セパ
レータの製造方法。
ルオリゴマーがポリアルキレングリコール基を含有する
ことを特徴とする上記(1)または(2)の電池用セパ
レータの製造方法。
【0013】(4)不織布の繊維がポリオレフィン系分
割型複合繊維であることを特徴とする上記(1)、
(2)または(3)の電池用セパレータの製造方法。
割型複合繊維であることを特徴とする上記(1)、
(2)または(3)の電池用セパレータの製造方法。
【0014】(5)不織布が湿式抄造法によって製造さ
れたことを特徴とする上記(1)〜(4)いずれかの電
池用セパレータの製造方法。
れたことを特徴とする上記(1)〜(4)いずれかの電
池用セパレータの製造方法。
【0015】(6)不織布が水流交絡処理を施されてい
ることを特徴とする上記(1)〜(5)いずれかの電池
用セパレータの製造方法。
ることを特徴とする上記(1)〜(5)いずれかの電池
用セパレータの製造方法。
【0016】(7)上記(1)〜(6)いずれかの方法
で製造されたことを特徴とする電池用セパレータ。
で製造されたことを特徴とする電池用セパレータ。
【0017】(8)上記(7)の電池用セパレータを用
いてなることを特徴とする電池。
いてなることを特徴とする電池。
【0018】本発明の電池用セパレータの製造方法
(1)は、不織布の繊維表面に、ビニルモノマーおよび
/またはビニルオリゴマーからなる重合体を、物理的お
よび/または化学的に結合させる。重合体が物理的に結
合させた状態とは、重合体が不織布の繊維表面に化学的
な結合無しに、付着した状態をいう。また、重合体が化
学的に結合させた状態とは、グラフト重合処理等によっ
て不織布の繊維表面に共有結合によって、重合体が結合
した状態をいう。本発明の電池用セパレータの製造方法
では、該ビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴマ
ーがエステル結合を含有し、このエステル結合を後処理
によって加水分解させて、酸基を生成させることで、親
水性やイオン交換能を不織布に持たせることが可能であ
る。
(1)は、不織布の繊維表面に、ビニルモノマーおよび
/またはビニルオリゴマーからなる重合体を、物理的お
よび/または化学的に結合させる。重合体が物理的に結
合させた状態とは、重合体が不織布の繊維表面に化学的
な結合無しに、付着した状態をいう。また、重合体が化
学的に結合させた状態とは、グラフト重合処理等によっ
て不織布の繊維表面に共有結合によって、重合体が結合
した状態をいう。本発明の電池用セパレータの製造方法
では、該ビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴマ
ーがエステル結合を含有し、このエステル結合を後処理
によって加水分解させて、酸基を生成させることで、親
水性やイオン交換能を不織布に持たせることが可能であ
る。
【0019】このような加水分解によって酸基を生成さ
せる方法では、カルボン酸等を分子内に有する刺激性化
合物を使用することなく、安全性の高い作業環境を保持
することができる。
せる方法では、カルボン酸等を分子内に有する刺激性化
合物を使用することなく、安全性の高い作業環境を保持
することができる。
【0020】本発明の電池用セパレータの製造方法
(2)は、本発明の電池用セパレータの製造方法(1)
において、ビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴ
マーが2つ以上のビニル基を有する。したがって、重合
体が架橋構造をとり、電解液に対する溶解性を低下させ
ることができる。したがって、重合体が化学的に結合さ
れていない状態であっても、重合体が電解液中に溶解し
て、不純物として電池反応を阻害することがない。
(2)は、本発明の電池用セパレータの製造方法(1)
において、ビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴ
マーが2つ以上のビニル基を有する。したがって、重合
体が架橋構造をとり、電解液に対する溶解性を低下させ
ることができる。したがって、重合体が化学的に結合さ
れていない状態であっても、重合体が電解液中に溶解し
て、不純物として電池反応を阻害することがない。
【0021】本発明の電池用セパレータの製造方法
(3)は、ビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴ
マーがポリアルキレングリコール基を含有することで、
親水性を有する電池用セパレータを得ることができる。
(3)は、ビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴ
マーがポリアルキレングリコール基を含有することで、
親水性を有する電池用セパレータを得ることができる。
【0022】本発明の電池用セパレータの製造方法
(4)では、不織布の主成分である繊維として微細なポ
リオレフィン系分割型複合繊維を用いることで、不織布
の比表面積を大きくすることができ、電解液の保液性に
優れた電池用セパレータを得ることができる。
(4)では、不織布の主成分である繊維として微細なポ
リオレフィン系分割型複合繊維を用いることで、不織布
の比表面積を大きくすることができ、電解液の保液性に
優れた電池用セパレータを得ることができる。
【0023】本発明の電池用セパレータの製造方法
(5)は、不織布が湿式抄造法によって製造されるが、
湿式抄造法によって製造された不織布は、乾式抄造法で
製造された不織布と比較して、地合が良好で、薄膜化が
可能であり、電池の小型化に有利に対応することができ
る。
(5)は、不織布が湿式抄造法によって製造されるが、
湿式抄造法によって製造された不織布は、乾式抄造法で
製造された不織布と比較して、地合が良好で、薄膜化が
可能であり、電池の小型化に有利に対応することができ
る。
【0024】本発明の電池用セパレータの製造方法
(6)は、不織布が水流交絡処理を施されているが、繊
維が3次元的に強度に交絡されるので、非常に高い機械
的強度を有する電池用セパレータを得ることができる。
(6)は、不織布が水流交絡処理を施されているが、繊
維が3次元的に強度に交絡されるので、非常に高い機械
的強度を有する電池用セパレータを得ることができる。
【0025】本発明の電池用セパレータ(7)は、上記
(1)〜(6)記載の電池用セパレータの製造方法によ
って製造されているので、電解液に対する良好な親和
性、耐アルカリ性、耐酸化性、小さい内部抵抗、通気
性、薄膜、厚みの均一性、良好な機械的強度等の優れた
性能を有する。
(1)〜(6)記載の電池用セパレータの製造方法によ
って製造されているので、電解液に対する良好な親和
性、耐アルカリ性、耐酸化性、小さい内部抵抗、通気
性、薄膜、厚みの均一性、良好な機械的強度等の優れた
性能を有する。
【0026】本発明の電池(8)は、電解液への親和
性、機械的強度、イオン交換能等の性能に優れた上記電
池用セパレータ(7)を用いてなるので、高容量で、自
己放電現象が抑制され、優れた電池特性を発現すること
が可能である。
性、機械的強度、イオン交換能等の性能に優れた上記電
池用セパレータ(7)を用いてなるので、高容量で、自
己放電現象が抑制され、優れた電池特性を発現すること
が可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0028】本発明の電池用セパレータの製造方法で
は、不織布の繊維表面に、ビニルモノマーおよび/また
はビニルオリゴマーからなる重合体を、物理的および/
または化学的に結合させる。ここでいう化学的に結合さ
せた状態とは、不織布の繊維表面に共有結合によって重
合体が結合している状態をいう。また、物理的に結合さ
せた状態とは、重合体が繊維表面に化学的な結合無しに
付着した状態をいう。
は、不織布の繊維表面に、ビニルモノマーおよび/また
はビニルオリゴマーからなる重合体を、物理的および/
または化学的に結合させる。ここでいう化学的に結合さ
せた状態とは、不織布の繊維表面に共有結合によって重
合体が結合している状態をいう。また、物理的に結合さ
せた状態とは、重合体が繊維表面に化学的な結合無しに
付着した状態をいう。
【0029】本発明の電池用セパレータの製造方法にお
いて、不織布の繊維表面にビニルモノマーおよび/また
はビニルオリゴマーからなる重合体を、物理的に結合さ
せる方法としては、重合体を不織布に塗布する方法が一
般的である。塗布方法としては、浸漬法、バーコート
法、ロールコート法、カーテンコート法、押し出しコー
ト法、グラビアコート法、スプレーコート法等の方法を
用いることができる。また、重合体は、適当な媒体に均
一溶解した状態もしくは分散したエマルジョン状態、乳
化状態、マイクロカプセル化状態の何れでも塗布するこ
とができる。
いて、不織布の繊維表面にビニルモノマーおよび/また
はビニルオリゴマーからなる重合体を、物理的に結合さ
せる方法としては、重合体を不織布に塗布する方法が一
般的である。塗布方法としては、浸漬法、バーコート
法、ロールコート法、カーテンコート法、押し出しコー
ト法、グラビアコート法、スプレーコート法等の方法を
用いることができる。また、重合体は、適当な媒体に均
一溶解した状態もしくは分散したエマルジョン状態、乳
化状態、マイクロカプセル化状態の何れでも塗布するこ
とができる。
【0030】本発明の電池用セパレータの製造方法にお
いて、不織布の繊維表面にビニルモノマーおよび/また
はビニルオリゴマーからなる重合体を、物理的に結合さ
せる他の方法としては、ビニルモノマーおよび/または
ビニルオリゴマーを含有する溶液もしくは分散液を不織
布に塗布した後、該ビニルモノマーおよび/またはビニ
ルオリゴマーを架橋重合する方法を挙げることができ
る。塗布方法としては、上述の方法を用いることができ
る。また、架橋重合方法としては、熱、放射線、紫外線
等を用いた方法を使用することができる。
いて、不織布の繊維表面にビニルモノマーおよび/また
はビニルオリゴマーからなる重合体を、物理的に結合さ
せる他の方法としては、ビニルモノマーおよび/または
ビニルオリゴマーを含有する溶液もしくは分散液を不織
布に塗布した後、該ビニルモノマーおよび/またはビニ
ルオリゴマーを架橋重合する方法を挙げることができ
る。塗布方法としては、上述の方法を用いることができ
る。また、架橋重合方法としては、熱、放射線、紫外線
等を用いた方法を使用することができる。
【0031】本発明の電池用セパレータの製造方法にお
いて、不織布の繊維表面にビニルモノマーおよび/また
はビニルオリゴマーからなる重合体を、化学的に結合さ
せる方法としては、グラフト重合法を挙げることができ
る。グラフト重合法としては、例えばビニルモノマーお
よび/またはビニルオリゴマーと重合開始剤を含む溶液
中に不織布を浸漬し、次いで加熱する方法、不織布にビ
ニルモノマーおよび/またはビニルオリゴマーを塗布し
た後、放射線を照射する方法、不織布に放射線を照射し
た後にビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴマー
を付着させる方法、ビニルモノマーおよび/またはビニ
ルオリゴマーを不織布に塗布した後に、紫外線を照射す
る方法等を挙げることができる。
いて、不織布の繊維表面にビニルモノマーおよび/また
はビニルオリゴマーからなる重合体を、化学的に結合さ
せる方法としては、グラフト重合法を挙げることができ
る。グラフト重合法としては、例えばビニルモノマーお
よび/またはビニルオリゴマーと重合開始剤を含む溶液
中に不織布を浸漬し、次いで加熱する方法、不織布にビ
ニルモノマーおよび/またはビニルオリゴマーを塗布し
た後、放射線を照射する方法、不織布に放射線を照射し
た後にビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴマー
を付着させる方法、ビニルモノマーおよび/またはビニ
ルオリゴマーを不織布に塗布した後に、紫外線を照射す
る方法等を挙げることができる。
【0032】本発明の電池用セパレータの製造方法に係
わるビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エス
テル、イタコン酸モノエステル、マレイン酸モノエステ
ル、フマル酸モノエステル等のエステル基を分子内に含
有するモノマーが挙げられる。例えば、「UV・EB効
果ハンドブック−原料編−」(加藤清視編、1985年
発刊、高分子刊行会刊行)「紫外線硬化システム」(加
藤清視編、1989年発刊、(株)総合技術センター刊
行)等に記載のビニルモノマーを使用することができ
る。
わるビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エス
テル、イタコン酸モノエステル、マレイン酸モノエステ
ル、フマル酸モノエステル等のエステル基を分子内に含
有するモノマーが挙げられる。例えば、「UV・EB効
果ハンドブック−原料編−」(加藤清視編、1985年
発刊、高分子刊行会刊行)「紫外線硬化システム」(加
藤清視編、1989年発刊、(株)総合技術センター刊
行)等に記載のビニルモノマーを使用することができ
る。
【0033】本発明の電池用セパレータの製造方法に係
わるビニルオリゴマーは、モノマー単位が2〜30程度
の重合体をいい、分子内にビニル基を含有している。例
えば、「UV・EB効果ハンドブック−原料編−」(加
藤清視編、1985年発刊、高分子刊行会刊行)「紫外
線硬化システム」(加藤清視編、1989年発刊、
(株)総合技術センター刊行)等に記載のビニルオリゴ
マーを使用することができる。また、分子内にエステル
基を含有するビニルオリゴマーを有利に用いることがで
きる。
わるビニルオリゴマーは、モノマー単位が2〜30程度
の重合体をいい、分子内にビニル基を含有している。例
えば、「UV・EB効果ハンドブック−原料編−」(加
藤清視編、1985年発刊、高分子刊行会刊行)「紫外
線硬化システム」(加藤清視編、1989年発刊、
(株)総合技術センター刊行)等に記載のビニルオリゴ
マーを使用することができる。また、分子内にエステル
基を含有するビニルオリゴマーを有利に用いることがで
きる。
【0034】これらのビニルモノマーおよび/またはビ
ニルオリゴマーは、単独でも、2種以上を混合して用い
ても良い。
ニルオリゴマーは、単独でも、2種以上を混合して用い
ても良い。
【0035】本発明の電池用セパレータの製造方法にお
いては、上記ビニルモノマーやビニルオリゴマーの他
に、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルエーテル等の
加水分解処理によって酸基を生成することがない化合物
を共重合させて重合体を形成し、重合体の電解液に対す
る耐性(耐アルカリ性)や耐酸化性、重合体の膨潤度等
を調整することができる。
いては、上記ビニルモノマーやビニルオリゴマーの他
に、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルエーテル等の
加水分解処理によって酸基を生成することがない化合物
を共重合させて重合体を形成し、重合体の電解液に対す
る耐性(耐アルカリ性)や耐酸化性、重合体の膨潤度等
を調整することができる。
【0036】本発明の電池用セパレータの製造方法にお
いて、ビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴマー
を架橋重合させて、繊維表面に重合体を物理的に結合さ
せる方法や、グラフト重合法によって繊維表面に重合体
を化学的に結合させる方法では、重合開始剤等の反応助
剤を用いても良い。
いて、ビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴマー
を架橋重合させて、繊維表面に重合体を物理的に結合さ
せる方法や、グラフト重合法によって繊維表面に重合体
を化学的に結合させる方法では、重合開始剤等の反応助
剤を用いても良い。
【0037】本発明の電池用セパレータの製造方法にお
いては、重合体が含有しているビニルモノマーおよび/
またはビニルオリゴマー由来のエステル基を加水分解し
て、酸基を生成する。エステル基を加水分解する方法と
しては、「第4版 実験化学講座22 有機合成IV−酸
・アミノ酸・ペプチド−」((社)日本化学会編、19
92年発刊、丸善刊行)、「新実験化学講座14 有機
化合物の合成と反応II」((社)日本化学会編、197
7年発刊、丸善刊行)等に記載されている方法を用いる
ことができる。
いては、重合体が含有しているビニルモノマーおよび/
またはビニルオリゴマー由来のエステル基を加水分解し
て、酸基を生成する。エステル基を加水分解する方法と
しては、「第4版 実験化学講座22 有機合成IV−酸
・アミノ酸・ペプチド−」((社)日本化学会編、19
92年発刊、丸善刊行)、「新実験化学講座14 有機
化合物の合成と反応II」((社)日本化学会編、197
7年発刊、丸善刊行)等に記載されている方法を用いる
ことができる。
【0038】本発明の電池用セパレータの製造方法に係
わる加水分解の具体的な方法としては、繊維表面に物理
的および/または化学的に重合体を結合させた不織布
を、酸またはアルカリの雰囲気下で処理し、エステル基
から酸基を生成する。酸加水分解では、鉱酸(塩酸、臭
酸、硫酸)、酢酸、トリフルオロ酢酸、蟻酸、パラトル
エンスルホン酸、ルイス酸、三塩化ホウ素、三臭化ホウ
素等を用いることができる。また、アルカリ加水分解で
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウ
ム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、イミダゾー
ル、アミジン等を用いる。媒体としては、水が一般的で
あるが、重合体の親水性が低い場合にはメタノール、エ
タノールを用いることができる。また、この反応は15
〜90℃で行うのが好ましい。本発明の電池用セパレー
タの製造方法においては、主に電池の電解液中に含まれ
る水酸化カリウムを用いた加水分解が好ましい。
わる加水分解の具体的な方法としては、繊維表面に物理
的および/または化学的に重合体を結合させた不織布
を、酸またはアルカリの雰囲気下で処理し、エステル基
から酸基を生成する。酸加水分解では、鉱酸(塩酸、臭
酸、硫酸)、酢酸、トリフルオロ酢酸、蟻酸、パラトル
エンスルホン酸、ルイス酸、三塩化ホウ素、三臭化ホウ
素等を用いることができる。また、アルカリ加水分解で
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウ
ム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、イミダゾー
ル、アミジン等を用いる。媒体としては、水が一般的で
あるが、重合体の親水性が低い場合にはメタノール、エ
タノールを用いることができる。また、この反応は15
〜90℃で行うのが好ましい。本発明の電池用セパレー
タの製造方法においては、主に電池の電解液中に含まれ
る水酸化カリウムを用いた加水分解が好ましい。
【0039】本発明の電池用セパレータの製造方法にお
いて、不織布の繊維表面に、ビニルモノマーおよび/ま
たはビニルオリゴマーからなる重合体を、物理的および
/または化学的に結合させ、次いで加水分解させるが、
これらの処理によって不織布に結合させる重合体量は、
処理前の不織布の重量に対して0.5〜100重量%が
好ましい。
いて、不織布の繊維表面に、ビニルモノマーおよび/ま
たはビニルオリゴマーからなる重合体を、物理的および
/または化学的に結合させ、次いで加水分解させるが、
これらの処理によって不織布に結合させる重合体量は、
処理前の不織布の重量に対して0.5〜100重量%が
好ましい。
【0040】この加水分解によって生成した酸基は、不
織布に親水性を付与すると共に、金属イオンや窒素化合
物等の不純物を捕捉する能力があり、自己放電特性や電
池容量等の性能を向上させることができる。本発明の電
池用セパレータの製造方法によって得られた本発明の電
池用セパレータのイオン交換量は、0.2〜2.5me
q/gが好ましい。
織布に親水性を付与すると共に、金属イオンや窒素化合
物等の不純物を捕捉する能力があり、自己放電特性や電
池容量等の性能を向上させることができる。本発明の電
池用セパレータの製造方法によって得られた本発明の電
池用セパレータのイオン交換量は、0.2〜2.5me
q/gが好ましい。
【0041】本発明の電池用セパレータの製造方法にお
いて、重合体の耐アルカリ性や耐酸化性、また重合体の
膨潤度を調整するためには、重合体が架橋点を有してい
ることが望ましい。このためには、記述のビニルモノマ
ーおよび/またはビニルオリゴマーのうち、2つ以上の
ビニル基を含有するものを用いることが好ましい。
いて、重合体の耐アルカリ性や耐酸化性、また重合体の
膨潤度を調整するためには、重合体が架橋点を有してい
ることが望ましい。このためには、記述のビニルモノマ
ーおよび/またはビニルオリゴマーのうち、2つ以上の
ビニル基を含有するものを用いることが好ましい。
【0042】本発明の電池用セパレータの製造方法にお
いて、加水分解によって酸基を生成せずに未反応で残存
するエステル基も存在するが、これらのエステル基も不
織布の親水性の向上に寄与することが好ましい。したが
って、ビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴマー
が親水性の高いポリアルキレングリコール基を含有する
ことが好ましい。
いて、加水分解によって酸基を生成せずに未反応で残存
するエステル基も存在するが、これらのエステル基も不
織布の親水性の向上に寄与することが好ましい。したが
って、ビニルモノマーおよび/またはビニルオリゴマー
が親水性の高いポリアルキレングリコール基を含有する
ことが好ましい。
【0043】本発明の電池用セパレータの製造方法に係
わる不織布に用いることができる繊維としては、ポリエ
ステル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ
ビニルアルコール系、ポリアクリロニトリル系、ポリア
ミド系、再生繊維、半合成繊維、天然繊維、複合繊維、
分割繊維等が挙げられる。電池用セパレータに必要な耐
アルカリ性、耐酸化性を考慮すると、ポリオレフィン系
繊維を好ましく用いることができる。また、電解液の保
液性を高いものとするためには、微細な分割型複合繊維
を用いることが好ましい。繊維の断面形状は特に制限が
無く、円形、楕円形、三角形、星形、T型、U型、Y
型、葉状等を用いることができる。また、繊維に空隙を
有するもの、枝分かれ構造を有するもの等を使用するこ
ともできる。
わる不織布に用いることができる繊維としては、ポリエ
ステル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ
ビニルアルコール系、ポリアクリロニトリル系、ポリア
ミド系、再生繊維、半合成繊維、天然繊維、複合繊維、
分割繊維等が挙げられる。電池用セパレータに必要な耐
アルカリ性、耐酸化性を考慮すると、ポリオレフィン系
繊維を好ましく用いることができる。また、電解液の保
液性を高いものとするためには、微細な分割型複合繊維
を用いることが好ましい。繊維の断面形状は特に制限が
無く、円形、楕円形、三角形、星形、T型、U型、Y
型、葉状等を用いることができる。また、繊維に空隙を
有するもの、枝分かれ構造を有するもの等を使用するこ
ともできる。
【0044】本発明の電池用セパレータの製造方法に係
わる不織布に用いることができるポリオレフィン系繊維
としては、ポリオレフィン単独からなる繊維、またはオ
レフィンとその他の単量体との共重合体とからなる繊維
をいう。また、ポリオレフィン系繊維と他の繊維の混紡
繊維であっても良い。(ポリ)オレフィンとしては、例
えば(ポリ)エチレン、(ポリ)プロピレン、(ポリ)
ブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブ
テン−プロピレン共重合体、(ポリ)メチルペンテン等
を挙げることができる。また、オレフィンと共重合が可
能な単量体としては、酪酸ビニル、酢酸ビニル、ビニル
アルコール(酢酸ビニルを重合後、鹸化)、塩化ビニル
等を挙げることができる。
わる不織布に用いることができるポリオレフィン系繊維
としては、ポリオレフィン単独からなる繊維、またはオ
レフィンとその他の単量体との共重合体とからなる繊維
をいう。また、ポリオレフィン系繊維と他の繊維の混紡
繊維であっても良い。(ポリ)オレフィンとしては、例
えば(ポリ)エチレン、(ポリ)プロピレン、(ポリ)
ブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブ
テン−プロピレン共重合体、(ポリ)メチルペンテン等
を挙げることができる。また、オレフィンと共重合が可
能な単量体としては、酪酸ビニル、酢酸ビニル、ビニル
アルコール(酢酸ビニルを重合後、鹸化)、塩化ビニル
等を挙げることができる。
【0045】本発明の電池用セパレータの製造方法に係
わる不織布は、カード法、エアレイ法、スパンボンド
法、メルトブロー法等の乾式抄造法、湿式抄造法を用い
ることができる。電池の小型化に対応するためには、電
池用セパレータは薄膜であることが好ましく、また厚み
の均一性も求められている。このため、湿式抄造法によ
って不織布が製造されることが好ましい。
わる不織布は、カード法、エアレイ法、スパンボンド
法、メルトブロー法等の乾式抄造法、湿式抄造法を用い
ることができる。電池の小型化に対応するためには、電
池用セパレータは薄膜であることが好ましく、また厚み
の均一性も求められている。このため、湿式抄造法によ
って不織布が製造されることが好ましい。
【0046】さらに、本発明の電池用セパレータの製造
方法に係わる不織布は、微細な分割型複合繊維を用いる
ことが好ましいが、微細繊維では不織布の機械的強度が
低くなることがある。したがって、水流交絡処理によっ
て、不織布の繊維を3次元的に強く交絡させることが好
ましい。
方法に係わる不織布は、微細な分割型複合繊維を用いる
ことが好ましいが、微細繊維では不織布の機械的強度が
低くなることがある。したがって、水流交絡処理によっ
て、不織布の繊維を3次元的に強く交絡させることが好
ましい。
【0047】本発明の電池用セパレータの製造方法に係
わる水流交絡処理は、乾式抄造法または湿式抄造法によ
って製造された不織布を、支持体上に単層または複層で
載せ、この不織布の上方から水流を噴射して、繊維を交
絡させる処理である。この水流交絡処理は、不織布の片
面のみに行っても、両面に行っても何れでも良い。
わる水流交絡処理は、乾式抄造法または湿式抄造法によ
って製造された不織布を、支持体上に単層または複層で
載せ、この不織布の上方から水流を噴射して、繊維を交
絡させる処理である。この水流交絡処理は、不織布の片
面のみに行っても、両面に行っても何れでも良い。
【0048】本発明の電池用セパレータの製造方法に係
わる不織布に用いることができる繊維は、繊維径が1〜
50μmである。繊維径が1μmより細いと、不織布が
緻密になりすぎて、気体透過性が低下する。また、逆に
50μmよりも大きくなると、比表面積が低下し、保液
性が低下する。また、繊維長は1〜50mmが好まし
い。繊維長が50mmを超えると、不織布を製造する際
に繊維のもつれが生じ、均一な電池用セパレータを製造
することができなくなる。
わる不織布に用いることができる繊維は、繊維径が1〜
50μmである。繊維径が1μmより細いと、不織布が
緻密になりすぎて、気体透過性が低下する。また、逆に
50μmよりも大きくなると、比表面積が低下し、保液
性が低下する。また、繊維長は1〜50mmが好まし
い。繊維長が50mmを超えると、不織布を製造する際
に繊維のもつれが生じ、均一な電池用セパレータを製造
することができなくなる。
【0049】本発明の電池用セパレータは、上述の方法
で製造されたものである。また、本発明の電池は、本発
明の電池用セパレータを用いてなる。
で製造されたものである。また、本発明の電池は、本発
明の電池用セパレータを用いてなる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳説するが、
本発明はその趣旨に反しない限り、下記実施例に限定さ
れるものではない。
本発明はその趣旨に反しない限り、下記実施例に限定さ
れるものではない。
【0051】実施例1不織布の製造 ポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体
とからなる繊度3デニール、繊維分割後0.2デニール
(3.9μm)、繊維長10mmの分割型複合繊維98
重量部をノニオン性界面活性剤1重量%溶液に含浸させ
たものと、熱水可溶性ポリビニルアルコール繊維(VP
W103;クラレ製)2重量部をノニオン性界面活性剤
1重量%溶液に含浸させたものとを、水中に投入し、高
速ミキサーで3分間撹拌して繊維を離解させた後、往復
回転式撹拌機(アジター、島崎製作所製)を装着したチ
ェスト内で緩やかに撹拌した。次いで、速やかにポリア
クリルアミド0.1重量%水溶液(粘剤)を適宜添加
し、引き続き緩やかに撹拌して、均一なスラリーを調製
した。該スラリーを用い、丸網抄紙機で幅50cm、坪
量50g/m2の不織布を製造した。
とからなる繊度3デニール、繊維分割後0.2デニール
(3.9μm)、繊維長10mmの分割型複合繊維98
重量部をノニオン性界面活性剤1重量%溶液に含浸させ
たものと、熱水可溶性ポリビニルアルコール繊維(VP
W103;クラレ製)2重量部をノニオン性界面活性剤
1重量%溶液に含浸させたものとを、水中に投入し、高
速ミキサーで3分間撹拌して繊維を離解させた後、往復
回転式撹拌機(アジター、島崎製作所製)を装着したチ
ェスト内で緩やかに撹拌した。次いで、速やかにポリア
クリルアミド0.1重量%水溶液(粘剤)を適宜添加
し、引き続き緩やかに撹拌して、均一なスラリーを調製
した。該スラリーを用い、丸網抄紙機で幅50cm、坪
量50g/m2の不織布を製造した。
【0052】水流交絡処理 上記不織布を100メッシュのステンレスワイヤーであ
る多孔質支持体上に搬送して、速度20m/分で搬送
し、表1のノズルヘッドを用いて、柱状水流で水流交絡
処理を行った。同様の条件で裏面からも水流交絡処理を
行った。水流交絡後にサクションスルードライヤーを用
いて130℃で乾燥を行い、不織布aを得た。
る多孔質支持体上に搬送して、速度20m/分で搬送
し、表1のノズルヘッドを用いて、柱状水流で水流交絡
処理を行った。同様の条件で裏面からも水流交絡処理を
行った。水流交絡後にサクションスルードライヤーを用
いて130℃で乾燥を行い、不織布aを得た。
【0053】
【表1】
【0054】グラフト重合処理 不織布aを表2の液に浸漬した後、脱酸素下で低圧水銀
灯を使用して、低波長紫外線を1分間照射して、グラフ
ト重合を行った。
灯を使用して、低波長紫外線を1分間照射して、グラフ
ト重合を行った。
【0055】
【表2】
【0056】加水分解 グラフト重合処理後の不織布aをエタノール900重量
部と80重量%水酸化カリウム溶液100重量部との混
合溶液に浸漬し、60℃で1時間保持して加水分解を行
った。続いて、イオン交換水で洗浄し、120℃のサク
ションドラムドライヤーで乾燥して、電池用セパレータ
Aを得た。グラフト重合処理および加水分解処理によっ
て、グラフト重合処理前の不織布重量に対して、22重
量%の重量増加が確認された。
部と80重量%水酸化カリウム溶液100重量部との混
合溶液に浸漬し、60℃で1時間保持して加水分解を行
った。続いて、イオン交換水で洗浄し、120℃のサク
ションドラムドライヤーで乾燥して、電池用セパレータ
Aを得た。グラフト重合処理および加水分解処理によっ
て、グラフト重合処理前の不織布重量に対して、22重
量%の重量増加が確認された。
【0057】実施例2重合体の塗布 不織布aを表3の組成を有する共重合体からなるエマル
ジョン水溶液に浸漬した後、120℃のサクションドラ
ムドライヤーで乾燥した。エマルジョン溶液の固形分濃
度は15重量%であった。
ジョン水溶液に浸漬した後、120℃のサクションドラ
ムドライヤーで乾燥した。エマルジョン溶液の固形分濃
度は15重量%であった。
【0058】
【表3】
【0059】加水分解 上記塗布処理後の不織布aを30重量%水酸化カリウム
溶液に浸漬し、60℃で1時間保持して加水分解を行っ
た。続いて、イオン交換水で洗浄し、120℃のサクシ
ョンドラムドライヤーで乾燥して、電池用セパレータB
を得た。重合体の塗布および加水分解処理によって、重
合体の塗布前の不織布重量に対して、17重量%の重量
増加が確認された。
溶液に浸漬し、60℃で1時間保持して加水分解を行っ
た。続いて、イオン交換水で洗浄し、120℃のサクシ
ョンドラムドライヤーで乾燥して、電池用セパレータB
を得た。重合体の塗布および加水分解処理によって、重
合体の塗布前の不織布重量に対して、17重量%の重量
増加が確認された。
【0060】実施例3不織布の抄造 ポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体
とからなる繊度3デニール、繊維分割後0.2デニール
(3.9μm)、繊維長10mmの分割型複合繊維80
重量部と、芯成分であるポリプロピレンと鞘成分である
ポリエチレンとからなる繊度1.5デニール、繊維長1
0mmの芯鞘繊維19重量部とを、ノニオン性界面活性
剤1重量%溶液に含浸させたものと、バクテリアセルロ
ース1重量部(乾燥重量)をノニオン性界面活性剤1重
量%溶液に含浸させたものとを、水中に投入し、高速ミ
キサーで3分間撹拌して繊維を離解させた後、往復回転
式撹拌機(アジター、島崎製作所製)を装着したチェス
ト内で緩やかに撹拌した。バクテリアセルロースは、特
開平9−25302号公報の実施例記載の方法で得られ
た精製バクテリアセルロースを使用した。次いで、速や
かにポリアクリルアミド0.1重量%水溶液(粘剤)を
適宜添加し、引き続き緩やかに撹拌して、均一なスラリ
ーを調製した。該スラリーを用い、丸網抄紙機で幅50
cm、坪量50g/m2の不織布を製造した。
とからなる繊度3デニール、繊維分割後0.2デニール
(3.9μm)、繊維長10mmの分割型複合繊維80
重量部と、芯成分であるポリプロピレンと鞘成分である
ポリエチレンとからなる繊度1.5デニール、繊維長1
0mmの芯鞘繊維19重量部とを、ノニオン性界面活性
剤1重量%溶液に含浸させたものと、バクテリアセルロ
ース1重量部(乾燥重量)をノニオン性界面活性剤1重
量%溶液に含浸させたものとを、水中に投入し、高速ミ
キサーで3分間撹拌して繊維を離解させた後、往復回転
式撹拌機(アジター、島崎製作所製)を装着したチェス
ト内で緩やかに撹拌した。バクテリアセルロースは、特
開平9−25302号公報の実施例記載の方法で得られ
た精製バクテリアセルロースを使用した。次いで、速や
かにポリアクリルアミド0.1重量%水溶液(粘剤)を
適宜添加し、引き続き緩やかに撹拌して、均一なスラリ
ーを調製した。該スラリーを用い、丸網抄紙機で幅50
cm、坪量50g/m2の不織布を製造した。
【0061】水流交絡処理 上記不織布を100メッシュのステンレスワイヤーであ
る多孔質支持体上に搬送して、速度20m/分で搬送
し、表1のノズルヘッドを用いて、柱状水流で水流交絡
処理を行った。同様の条件で裏面からも水流交絡処理を
行い、不織布bを得た。
る多孔質支持体上に搬送して、速度20m/分で搬送
し、表1のノズルヘッドを用いて、柱状水流で水流交絡
処理を行った。同様の条件で裏面からも水流交絡処理を
行い、不織布bを得た。
【0062】重合体の塗布 不織布bに表4の組成を有する重合体の均一なトルエン
溶液をカーテンコート法によって塗布し、次いで120
℃のサクションドラムドライヤーで乾燥した。重合体溶
液の固形分濃度は20重量%であった。
溶液をカーテンコート法によって塗布し、次いで120
℃のサクションドラムドライヤーで乾燥した。重合体溶
液の固形分濃度は20重量%であった。
【0063】
【表4】
【0064】加水分解 上記塗布処理後の不織布bを30重量%水酸化カリウム
溶液に浸漬し、60℃で1時間保持して加水分解を行っ
た。続いて、イオン交換水で洗浄し、120℃のサクシ
ョンドラムドライヤーで乾燥して、電池用セパレータC
を得た。重合体の塗布および加水分解処理によって、重
合体の塗布前の不織布重量に対して、27重量%の重量
増加が確認された。
溶液に浸漬し、60℃で1時間保持して加水分解を行っ
た。続いて、イオン交換水で洗浄し、120℃のサクシ
ョンドラムドライヤーで乾燥して、電池用セパレータC
を得た。重合体の塗布および加水分解処理によって、重
合体の塗布前の不織布重量に対して、27重量%の重量
増加が確認された。
【0065】実施例4グラフト重合処理 不織布bを表5の液に浸漬した後、脱酸素下で低圧水銀
灯を使用して、低波長紫外線を1分間照射して、グラフ
ト重合を行った。
灯を使用して、低波長紫外線を1分間照射して、グラフ
ト重合を行った。
【0066】
【表5】
【0067】加水分解 グラフト重合後の不織布bをエタノール900重量部と
80重量%水酸化カリウム溶液100重量部との混合溶
液に浸漬し、60℃で1時間保持して加水分解を行っ
た。続いて、イオン交換水で洗浄し、120℃のサクシ
ョンドラムドライヤーで乾燥して、電池用セパレータD
を得た。グラフト重合処理および加水分解処理によっ
て、グラフト重合処理の塗布前の不織布重量に対して、
19重量%の重量増加が確認された。
80重量%水酸化カリウム溶液100重量部との混合溶
液に浸漬し、60℃で1時間保持して加水分解を行っ
た。続いて、イオン交換水で洗浄し、120℃のサクシ
ョンドラムドライヤーで乾燥して、電池用セパレータD
を得た。グラフト重合処理および加水分解処理によっ
て、グラフト重合処理の塗布前の不織布重量に対して、
19重量%の重量増加が確認された。
【0068】比較例1不織布の製造 ポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体
とからなる繊度3デニール、繊維分割後0.2デニール
(3.9μm)、繊維長10mmの分割型複合繊維98
重量部をノニオン性界面活性剤1重量%溶液に含浸させ
たものと、熱水可溶性ポリビニルアルコール繊維(VP
W103;クラレ製)2重量部をノニオン性界面活性剤
1重量%溶液に含浸させたものとを、水中に投入し、高
速ミキサーで3分間撹拌して繊維を離解させた後、往復
回転式撹拌機(アジター、島崎製作所製)を装着したチ
ェスト内で緩やかに撹拌した。次いで、速やかにポリア
クリルアミド0.1重量%水溶液(粘剤)を適宜添加
し、引き続き緩やかに撹拌して、均一なスラリーを調製
した。該スラリーを用い、丸網抄紙機で幅50cm、坪
量50g/m2の不織布を製造した。
とからなる繊度3デニール、繊維分割後0.2デニール
(3.9μm)、繊維長10mmの分割型複合繊維98
重量部をノニオン性界面活性剤1重量%溶液に含浸させ
たものと、熱水可溶性ポリビニルアルコール繊維(VP
W103;クラレ製)2重量部をノニオン性界面活性剤
1重量%溶液に含浸させたものとを、水中に投入し、高
速ミキサーで3分間撹拌して繊維を離解させた後、往復
回転式撹拌機(アジター、島崎製作所製)を装着したチ
ェスト内で緩やかに撹拌した。次いで、速やかにポリア
クリルアミド0.1重量%水溶液(粘剤)を適宜添加
し、引き続き緩やかに撹拌して、均一なスラリーを調製
した。該スラリーを用い、丸網抄紙機で幅50cm、坪
量50g/m2の不織布を製造した。
【0069】上記不織布を100メッシュのステンレス
ワイヤーである多孔質支持体上に搬送して、速度20m
/分で搬送し、表1のノズルヘッドを用いて、柱状水流
で水流交絡処理を行った。同様の条件で裏面からも水流
交絡処理を行った。水流交絡後の不織布をサクションド
ラムドライヤーを用いて130℃で乾燥を行い、電池用
セパレータXを得た。
ワイヤーである多孔質支持体上に搬送して、速度20m
/分で搬送し、表1のノズルヘッドを用いて、柱状水流
で水流交絡処理を行った。同様の条件で裏面からも水流
交絡処理を行った。水流交絡後の不織布をサクションド
ラムドライヤーを用いて130℃で乾燥を行い、電池用
セパレータXを得た。
【0070】実施例5グラフト重合処理 芯成分であるポリプロピレンと鞘成分であるポリエチレ
ンとからなる繊度1.5デニール、繊維長20mmの芯
鞘繊維からなる乾式抄造不織布(坪量50g/m2)
を、熱カレンダー処理(150℃、20kg/cm2)
によって、繊維を熱圧着した不織布を表2の液に浸漬し
た後、脱酸素下で低圧水銀灯を使用して、低波長紫外線
を1分間照射して、グラフト重合を行った。
ンとからなる繊度1.5デニール、繊維長20mmの芯
鞘繊維からなる乾式抄造不織布(坪量50g/m2)
を、熱カレンダー処理(150℃、20kg/cm2)
によって、繊維を熱圧着した不織布を表2の液に浸漬し
た後、脱酸素下で低圧水銀灯を使用して、低波長紫外線
を1分間照射して、グラフト重合を行った。
【0071】加水分解 グラフト重合後の上記乾式抄造不織布をエタノール90
0重量部と80重量%水酸化カリウム溶液100重量部
との混合溶液に浸漬し、60℃で1時間保持して加水分
解を行った。続いて、イオン交換水で洗浄し、120℃
のサクションドラムドライヤーで乾燥して、電池用セパ
レータEを得た。グラフト重合処理および加水分解処理
によって、グラフト重合処理前の不織布重量に対して、
14重量%の重量増加が確認された。
0重量部と80重量%水酸化カリウム溶液100重量部
との混合溶液に浸漬し、60℃で1時間保持して加水分
解を行った。続いて、イオン交換水で洗浄し、120℃
のサクションドラムドライヤーで乾燥して、電池用セパ
レータEを得た。グラフト重合処理および加水分解処理
によって、グラフト重合処理前の不織布重量に対して、
14重量%の重量増加が確認された。
【0072】比較例2 芯成分であるポリプロピレンと鞘成分であるポリエチレ
ンとからなる繊度1.5デニール、繊維長20mmの芯
鞘繊維からなる乾式抄造不織布(坪量50g/m2)
を、熱カレンダー処理(150℃、20kg/cm2)
によって、繊維を熱圧着し、電池用セパレータYを得
た。
ンとからなる繊度1.5デニール、繊維長20mmの芯
鞘繊維からなる乾式抄造不織布(坪量50g/m2)
を、熱カレンダー処理(150℃、20kg/cm2)
によって、繊維を熱圧着し、電池用セパレータYを得
た。
【0073】電池用セパレータの評価 電池用セパレータA〜EおよびX、Yについて、次の特
性評価を行い、その結果を表6にまとめた。
性評価を行い、その結果を表6にまとめた。
【0074】(i)電解液吸液速度:各電池用セパレー
タから2.5×18cmの試験片を採取し、40±5℃
の下に予備乾燥を行い、公定水分率以下にした後、試験
片を標準温湿度状態の試験室に放置し、その後試験片を
1時間以上の間隔で計量し、その前後の質量差が後の質
量の0.1%以内になった状態(水分平衡状態)とす
る。次に試験片を20±2℃における比重1.3の水酸
化カリウム溶液を入れた水槽上に所定高さの水平棒に下
端を揃えて留めて垂れ下げ、水平棒を降下させて各試験
片の下端が5cmだけ液中に浸かった状態となし、30
分後に毛細管現象により水酸化カリウム溶液が上昇した
高さを測定した。
タから2.5×18cmの試験片を採取し、40±5℃
の下に予備乾燥を行い、公定水分率以下にした後、試験
片を標準温湿度状態の試験室に放置し、その後試験片を
1時間以上の間隔で計量し、その前後の質量差が後の質
量の0.1%以内になった状態(水分平衡状態)とす
る。次に試験片を20±2℃における比重1.3の水酸
化カリウム溶液を入れた水槽上に所定高さの水平棒に下
端を揃えて留めて垂れ下げ、水平棒を降下させて各試験
片の下端が5cmだけ液中に浸かった状態となし、30
分後に毛細管現象により水酸化カリウム溶液が上昇した
高さを測定した。
【0075】(ii)電解液保持率:各電池用セパレータ
から10×10cmの大きさの試験片を採取し、水分平
衡状態となしたときの重量をW(g)とする。次に、上
記水酸化カリウム溶液中に試験片を広げて浸漬し、1時
間以上放置した後、液中から取りだして試験片の一つの
角を吊り下げ、10分後に重量W1を測定し、次の式数
1より電解液保持率(%)を算出した。
から10×10cmの大きさの試験片を採取し、水分平
衡状態となしたときの重量をW(g)とする。次に、上
記水酸化カリウム溶液中に試験片を広げて浸漬し、1時
間以上放置した後、液中から取りだして試験片の一つの
角を吊り下げ、10分後に重量W1を測定し、次の式数
1より電解液保持率(%)を算出した。
【0076】
【数1】 電解液保持率(%)=[(W1−W)/W]×100
【0077】(iii)通気度:正極側から発生する酸素
が電池用セパレータを経て負極側への透過するしやすさ
の評価として、フラジール通気度(cc/cm2/se
c)を測定した。フラジール通気度は、JIS−L−1
096により、フラジール型通気度試験機を用いて、試
験片を通過する空気量を5回測定し、その平均値を示し
た。
が電池用セパレータを経て負極側への透過するしやすさ
の評価として、フラジール通気度(cc/cm2/se
c)を測定した。フラジール通気度は、JIS−L−1
096により、フラジール型通気度試験機を用いて、試
験片を通過する空気量を5回測定し、その平均値を示し
た。
【0078】(iv)引張強度:電極板に巻き付ける際
に、流れ方向に引っ張りながら巻き付けるために必要な
強度と、不織布製造時の取扱性の目安として、縦(抄造
流れ方向)の引張強度(kg/2cm幅)を測定した。
引張強度は、JIS−P−8113により、各電池用セ
パレータを幅2cm、長さ20cmに裁断し、テンシロ
ン測定機(オリエンテック社製;HTM−100)を用
いて、破断時の荷重を10回測定し、その平均値を示し
た。
に、流れ方向に引っ張りながら巻き付けるために必要な
強度と、不織布製造時の取扱性の目安として、縦(抄造
流れ方向)の引張強度(kg/2cm幅)を測定した。
引張強度は、JIS−P−8113により、各電池用セ
パレータを幅2cm、長さ20cmに裁断し、テンシロ
ン測定機(オリエンテック社製;HTM−100)を用
いて、破断時の荷重を10回測定し、その平均値を示し
た。
【0079】(v)電池自己放電特性:正極として発泡
式ニッケル極を、負極として水素吸蔵合金を、電解液と
して比重1.3の水酸化カリウム溶液を、セパレータと
して電池用セパレータA〜EおよびX、Yを各々用い
て、ニッケル−水素電池を作製した。これらの電池を1
Cで120%定電流充電した後、電池電圧が1.0Vに
なるまで1Cで定電流放電し、初期放電容量V1を測定
した。次いで、1Cで120%定電流充電した状態で6
0℃の恒温槽に3日間放置した後、1Cで定電流放電
し、放電容量V2を測定し、次式数2より、容量保存率
(%)を求めた。
式ニッケル極を、負極として水素吸蔵合金を、電解液と
して比重1.3の水酸化カリウム溶液を、セパレータと
して電池用セパレータA〜EおよびX、Yを各々用い
て、ニッケル−水素電池を作製した。これらの電池を1
Cで120%定電流充電した後、電池電圧が1.0Vに
なるまで1Cで定電流放電し、初期放電容量V1を測定
した。次いで、1Cで120%定電流充電した状態で6
0℃の恒温槽に3日間放置した後、1Cで定電流放電
し、放電容量V2を測定し、次式数2より、容量保存率
(%)を求めた。
【0080】
【数2】容量保存率(%)=(V2/V1)×100
【0081】(vi)イオン交換量:各電池用セパレータ
から、1gの試験片を採取し、1NのHCl溶液に、7
0℃で1時間含浸した後、イオン交換水でpHが6〜7
になるまで数回洗浄した。次いで、90℃の送風乾燥機
で2時間乾燥し、室温まで冷却した後の試験片の重量W
2を0.01mgまで測定した。重量測定後の試験片を
0.01NのKOH溶液約110gに、70℃で1時間
含浸した後、試験片を取り出し、溶液を室温まで冷却し
た。冷却後の溶液約100gを0.01gまで量り取り
(S1)、pH計(堀場製作所製)を用いて、0.02
NのHCl溶液で中和滴定した。ブランク溶液も同様に
滴定し、次式数3より、カリウムイオン交換量を算出し
た。
から、1gの試験片を採取し、1NのHCl溶液に、7
0℃で1時間含浸した後、イオン交換水でpHが6〜7
になるまで数回洗浄した。次いで、90℃の送風乾燥機
で2時間乾燥し、室温まで冷却した後の試験片の重量W
2を0.01mgまで測定した。重量測定後の試験片を
0.01NのKOH溶液約110gに、70℃で1時間
含浸した後、試験片を取り出し、溶液を室温まで冷却し
た。冷却後の溶液約100gを0.01gまで量り取り
(S1)、pH計(堀場製作所製)を用いて、0.02
NのHCl溶液で中和滴定した。ブランク溶液も同様に
滴定し、次式数3より、カリウムイオン交換量を算出し
た。
【0082】
【数3】
【0083】
【表6】
【0084】本発明の電池用セパレータA〜Eは、アク
リル酸のように分子内に酸基を有する刺激性の高い有害
化合物を使用することなく、親水性やイオン交換能を有
するカルボン酸基を導入することができた。
リル酸のように分子内に酸基を有する刺激性の高い有害
化合物を使用することなく、親水性やイオン交換能を有
するカルボン酸基を導入することができた。
【0085】本発明の電池用セパレータA〜Dは、比較
例の電池用セパレータXと比較して、高い吸液性、保液
性およびカリウムイオン交換量を示し、電池の自己放電
現象を抑制することができた。また、本発明の電池用セ
パレータEは、比較例の電池用セパレータYと比較し
て、高い吸液性、保液性およびカリウムイオン交換量を
示し、電池の自己放電現象を抑制することができた。
例の電池用セパレータXと比較して、高い吸液性、保液
性およびカリウムイオン交換量を示し、電池の自己放電
現象を抑制することができた。また、本発明の電池用セ
パレータEは、比較例の電池用セパレータYと比較し
て、高い吸液性、保液性およびカリウムイオン交換量を
示し、電池の自己放電現象を抑制することができた。
【0086】本発明の電池用セパレータA〜Dは、微細
な分割型複合繊維を含有し、かつ湿式抄造法および水流
交絡処理によって製造された不織布であるので、分割型
複合繊維を含有せずに、乾式抄造法で製造された不織布
を用いた電池用セパレータEと比較して、機械的強度、
均一性、保液性が優れていた。
な分割型複合繊維を含有し、かつ湿式抄造法および水流
交絡処理によって製造された不織布であるので、分割型
複合繊維を含有せずに、乾式抄造法で製造された不織布
を用いた電池用セパレータEと比較して、機械的強度、
均一性、保液性が優れていた。
【0087】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明の電池用セ
パレータの製造方法では、刺激性を有する化合物を使用
することなく、安全かつ容易に、親水性やイオン交換能
を不織布に持たせることが可能である。また、2つ以上
のビニル基を有するビニルモノマーおよび/またはビニ
ルオリゴマーを用いることで、重合体が架橋構造をとる
ことができ、重合体が電解液中に溶解して電池反応を阻
害することがない。さらに、ポリアルキレングリコール
基を含有するビニルモノマーおよび/またはビニルオリ
ゴマーを用いることで、電池用セパレータの親水性を高
いものとすることができる。
パレータの製造方法では、刺激性を有する化合物を使用
することなく、安全かつ容易に、親水性やイオン交換能
を不織布に持たせることが可能である。また、2つ以上
のビニル基を有するビニルモノマーおよび/またはビニ
ルオリゴマーを用いることで、重合体が架橋構造をとる
ことができ、重合体が電解液中に溶解して電池反応を阻
害することがない。さらに、ポリアルキレングリコール
基を含有するビニルモノマーおよび/またはビニルオリ
ゴマーを用いることで、電池用セパレータの親水性を高
いものとすることができる。
【0088】加えて、本発明の電池用セパレータの製造
方法では、ポリオレフィン系分割型複合繊維を用いるこ
と、不織布を湿式抄造法によって製造すること、水流交
絡処理によって繊維を3次元的に交絡させることによっ
て、電解液の保液性、機械的強度、均一性に優れた電池
用セパレータを得ることができる。
方法では、ポリオレフィン系分割型複合繊維を用いるこ
と、不織布を湿式抄造法によって製造すること、水流交
絡処理によって繊維を3次元的に交絡させることによっ
て、電解液の保液性、機械的強度、均一性に優れた電池
用セパレータを得ることができる。
【0089】本発明の電池用セパレータは、本発明の電
池用セパレータの製造方法によって得られたものであ
り、電解液との親和性、耐アルカリ性、耐酸化性、均一
性、機械的強度に優れている。したがって、該電池用セ
パレータを用いた電池は、自己放電現象を抑制すること
ができる等の良好な性能を示す。
池用セパレータの製造方法によって得られたものであ
り、電解液との親和性、耐アルカリ性、耐酸化性、均一
性、機械的強度に優れている。したがって、該電池用セ
パレータを用いた電池は、自己放電現象を抑制すること
ができる等の良好な性能を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 15/263 H01M 10/30 Z H01M 10/30 D06M 14/28 7/02 A
Claims (8)
- 【請求項1】 不織布の繊維表面に、ビニルモノマーお
よび/またはビニルオリゴマーからなる重合体を、物理
的および/または化学的に結合させる電池用セパレータ
の製造方法において、該ビニルモノマーおよび/または
ビニルオリゴマーがエステル結合を含有しており、該エ
ステル結合を加水分解させることを特徴とする電池用セ
パレータの製造方法。 - 【請求項2】 ビニルモノマーおよび/またはビニルオ
リゴマーが2つ以上のビニル基を有することを特徴とす
る請求項1記載の電池用セパレータの製造方法。 - 【請求項3】 ビニルモノマーおよび/またはビニルオ
リゴマーがポリアルキレングリコール基を含有すること
を特徴とする請求項1または2記載の電池用セパレータ
の製造方法。 - 【請求項4】 不織布の繊維がポリオレフィン系分割型
複合繊維であることを特徴とする請求項1、2または3
記載の電池用セパレータの製造方法。 - 【請求項5】 不織布が湿式抄造法によって製造された
ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の電池用セ
パレータの製造方法。 - 【請求項6】 不織布が水流交絡処理を施されているこ
とを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の電池用セパ
レータの製造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6記載のいずれか記載の方法
で製造されたことを特徴とする電池用セパレータ。 - 【請求項8】 請求項7記載の電池用セパレータを用い
てなることを特徴とする電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9159673A JPH117937A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 電池用セパレータの製造方法、電池用セパレータおよび電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9159673A JPH117937A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 電池用セパレータの製造方法、電池用セパレータおよび電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH117937A true JPH117937A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=15698842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9159673A Pending JPH117937A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 電池用セパレータの製造方法、電池用セパレータおよび電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH117937A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002151043A (ja) * | 2000-11-15 | 2002-05-24 | Asahi Kasei Corp | 電池セパレータ用湿式不織布およびその製造方法 |
DE10211647A1 (de) * | 2002-03-15 | 2003-10-16 | Endress & Hauser Gmbh & Co Kg | Verfahren zum Bestücken und Löten einer Leiterplatte, Reflowofen und Leiterplatte für ein solches Verfahren |
US6830782B2 (en) | 1999-12-28 | 2004-12-14 | Hitoshi Kanazawa | Hydrophilic polymer treatment of an activated polymeric material and use thereof |
JP2017027856A (ja) * | 2015-07-24 | 2017-02-02 | 日本ゼオン株式会社 | 非水系二次電池多孔膜用バインダー組成物、非水系二次電池多孔膜用組成物、非水系二次電池用多孔膜および非水系二次電池 |
JP2017027855A (ja) * | 2015-07-24 | 2017-02-02 | 日本ゼオン株式会社 | 非水系二次電池多孔膜用バインダー組成物、非水系二次電池多孔膜用組成物、非水系二次電池用多孔膜および非水系二次電池 |
-
1997
- 1997-06-17 JP JP9159673A patent/JPH117937A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6830782B2 (en) | 1999-12-28 | 2004-12-14 | Hitoshi Kanazawa | Hydrophilic polymer treatment of an activated polymeric material and use thereof |
JP2002151043A (ja) * | 2000-11-15 | 2002-05-24 | Asahi Kasei Corp | 電池セパレータ用湿式不織布およびその製造方法 |
DE10211647A1 (de) * | 2002-03-15 | 2003-10-16 | Endress & Hauser Gmbh & Co Kg | Verfahren zum Bestücken und Löten einer Leiterplatte, Reflowofen und Leiterplatte für ein solches Verfahren |
JP2017027856A (ja) * | 2015-07-24 | 2017-02-02 | 日本ゼオン株式会社 | 非水系二次電池多孔膜用バインダー組成物、非水系二次電池多孔膜用組成物、非水系二次電池用多孔膜および非水系二次電池 |
JP2017027855A (ja) * | 2015-07-24 | 2017-02-02 | 日本ゼオン株式会社 | 非水系二次電池多孔膜用バインダー組成物、非水系二次電池多孔膜用組成物、非水系二次電池用多孔膜および非水系二次電池 |
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