JP3372317B2 - アルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方法 - Google Patents
アルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方法Info
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Description
極間に介在させて両者の短絡を防止すると共に、電解液
を十分に保持し、起電反応を円滑に進行させるために使
用するアルカリ電池セパレ−タ用不織布において、低坪
量でありながら、特に、強度と電解液の吸液性及び保液
性に優れ、その他の諸性質も併せ持つアルカリ電池セパ
レ−タ用不織布の製造方法に関するものである。
放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるため、小
型軽量化の著しいエレクトロニクス機器に広く使用され
ている。このようなアルカリ電池の特性は、そのアルカ
リ電池セパレ−タ用不織布の特性にも大きく依存してい
る。
に、次の性能が必要とされている。 (1)正極と負極を物理的に分離できること。 (2)短絡を防ぐための電気的絶縁性を持つこと。 (3)耐電解液性を持つこと。 (4)耐電気化学的酸化性を持つこと。 (5)電解液を含んだ状態で低い電気抵抗を示すこと。 (6)電解液に対して濡れやすく、電解液保持量が大き
いこと。 (7)電池組立工程で耐え得る強度、剛性を持つこと。 (8)電池にとっての有害物質を出さないこと。 (9)充電時に陽極より発生する酸素ガス透過性に優れ
ること。
て、その保液量が大きく、しかも電解液を含んだ状態で
電気抵抗が低い、ポリアミド繊維不織布がアルカリ電池
セパレ−タ用不織布として使用されている。また、比較
的高温における耐久性の必要なアルカリ電池には、ポリ
オレフィン繊維不織布がアルカリ電池セパレ−タ用不織
布として使用されている。
らなるアルカリ電池セパレ−タ用不織布は、繰り返し使
用により、ポリアミド繊維から窒素酸化物が溶出し、ア
ルカリ電池の寿命を縮めるという欠点がある。更に、ポ
リアミド繊維不織布からなるアルカリ電池セパレ−タ用
不織布は、ポリアミド中に含まれている窒素の為に、酸
化されたときに硝酸根を生じ、このため、自己放電がし
やすい上、電極の腐食を招くという問題があった。 一
方、ポリオレフィン繊維不織布からなるアルカリ電池セ
パレ−タ用不織布は疎水性であるため、電解液に対して
濡れにくく、その保液量が少ないという欠点がある。
そこで、このアルカリ電池セパレ−タ用不織布に対し界
面活性剤処理等が施されることがあるが、界面活性剤は
耐電解液性に問題があり、電解液の吸液性や保液性を十
分に改善するに至っていない。
的酸化性と、電解液の濡れやすさ及びその保液量とを共
に向上させるため、例えば、特開平3−257755号
公報のアルカリ電池用セパレ−タが提案されている。こ
のアルカリ電池用セパレ−タは、ポリオレフィンとエチ
レンビニルアルコ−ル共重合体との分割型複合繊維を3
5%以上含有する。しかしながら、前記の分割型複合繊
維を35%以上含有し、水流交絡処理を施さないアルカ
リ電池用セパレ−タは、分割型複合繊維の含有量が多く
なるほど、通気性が非常に悪くなり、正極で発生する酸
素が負極側に透過しにくくなるため、電池内部圧力が上
昇しやすくなる。その他、分割型複合繊維の含有量が増
加するに連れて、強度が次第に弱くなるといった欠点が
ある。また、そのアルカリ電池用セパレ−タの電解液の
吸液速度及びその保液量等も不十分である。
は、織物等よりなる基布の少なくとも片面に、短繊維よ
りなる湿式抄造したウェブを積層し、基布の繊維格子間
に湿式抄造したウェブの繊維を三次元的に水流絡合させ
ることにより、基布と湿式抄造したウェブとを一体化す
るようにしたアルカリ二次電池用セパレ−タが開示され
ている。しかしながら、このアルカリ二次電池用セパレ
−タは、製造時に加わる引張力、巻回圧及び使用時にお
けるへたり等に起因する厚みの変化の防止には効果があ
るものの、基布を一体化しているため、電解液を吸液
し、保液する繊維量が減少し、その結果、電解液の吸液
性や保液量が不十分になり、電解液の吸液性及び保液量
を十分にするためには、ウェブの坪量を増加しなければ
ならないという欠点がある。
を併せ持たせつつ、アルカリ電池セパレ−タ用不織布を
薄型にすることができず、このようなアルカリ電池セパ
レ−タ用不織布を使用したアルカリ電池では、最近のコ
−ドレス機器用に必要な、高容量、長寿命、高信頼性等
の高度の特性を達成することができないという問題があ
る。
に、強度と電解液の吸液性及び保液性に優れ、その他の
諸性質も併せ持つアルカリ電池セパレ−タ用不織布の製
造方法を提供するものである。
を達成するために鋭意研究した結果、アルカリ電池セパ
レ−タ用不織布の製造方法を発明するに至った。即ち、
本発明のアルカリ電池セパレ−タ用不織布は、主成分が
ポリオレフィン重合体とエチレンビニルアルコ−ル共重
合体を接合した分割型複合繊維、及びポリオレフィン系
繊維である各有機繊維から成り、該分割型複合繊維と該
ポリオレフィン系繊維の配合比率が、それぞれ75〜1
00重量%と25〜0重量%であり、該各有機繊維を水
に分散してスラリ−とし、該スラリ−を湿式抄造法によ
り抄紙してウェブを形成し、該ウェブを水流交絡処理に
より交絡不織布を形成して後、該交絡不織布の片面又
は両面にコロナ放電処理を施し、カレンダ−処理する、
或は該交絡不織布をカレンダ−処理して後、片面又は
両面にコロナ放電処理を施すことを特徴とする。
総エネルギ−として8.0〜26.0KW分/m2 であ
ることを特徴とする。
不織布の製造方法について、詳細な説明を行う。まず、
本発明で用いる有機繊維の説明を行う。
オレフィン重合体とエチレンビニルアルコ−ル共重合体
とが接合された複合繊維である。
アルコ−ル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重
合体をケン化して得ることができる。保液性の点から
は、MFR(メルトフロレイト)20〜100のエチレ
ンを20〜45モル%含有するものが好ましく、紡糸性
の点からは、ケン化度98%以上であることが好まし
い。
重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィンが好ましく、特にMFR10〜100のポ
リオレフィンが好ましい。
て、エチレンビニルアルコ−ル共重合体とポリオレフィ
ン重合体のうちの一方の成分が、他方の成分の間に介在
して少なくとも2個以上に分割されて、各々が繊維断面
の構成単位となっており、隣接している各構成単位の一
部が繊維表面に露出している。エチレンビニルアルコ−
ル共重合体とポリオレフィン重合体の両成分の混合比率
は、目的に応じて変えることができ、保液性の大きい不
織布を欲するときにはエチレンビニルアルコ−ル共重合
体成分の比率を高め、逆に耐久性をより良くするにはポ
リオレフィン重合体成分の比率を大きくすると良い。
を製造した際の通気性と空隙径と電解液の保液性等の点
から、分割型複合繊維とポリオレフィン系繊維の配合比
率はそれぞれ75〜100重量%と25〜0重量%にし
て製造することが好ましい。
池セパレータ用不織布を製造しても、他にポリオレフィ
ン系繊維を混合してアルカリ電池セパレータ用不織布を
製造しても良いが、十分な吸液性と保液性を確保するた
めには、アルカリ電池セパレータ用不織布を構成する有
機繊維のうち、エチレンビニルアルコール共重合体成分
が占める表面積は20%以上とすることが好ましい。
ポリプロピレン、或はポリエチレン等の有機繊維を使用
できる。ポリプロピレン系繊維を混合することにより、
耐電解液性、強度等の特性を向上させることができる。
等のポリオレフィン系繊維を25重量%を超えて混合す
ると、坪量一定で、厚さ一定の場合、空隙径の制御が難
しくなる。また、コロナ放電処理をする際、アルカリ電
池セパレ−タ用不織布に十分な電解液の吸液性と保液性
を与えるには、より多くのエネルギ−を必要とする。
不織布を形成した際の坪量と厚さと空隙径の関係から、
分割型複合繊維の分割後の繊維径が3〜10μm、ポリ
オレフィン系繊維の繊維径が5〜12μmのものを使用
するのが好ましい。
は、有機繊維の分散性及び交絡不織布の強度の点から、
分割型複合繊維とポリオレフィン系繊維の両方とも5〜
15mmのものが好ましい。繊維長が15mmより長い
と、水中での分散工程が難しく、分散剤を選択し、適量
使用する必要があるばかりか、1度分散した後、再度凝
集して、よれ、もつれ、だま等が発生し易くなるという
問題が生じてくる。また、分散濃度を低くしなければな
らず生産性が劣る。
程は容易であるが、水流交絡時において、高圧柱状水流
により繊維が動き易いため、繊維を曲げ、絡み合わせる
ことが困難で、強度の大きいシ−トを得ることが困難で
ある。また、繊維全体が動くために、繊維間のずれが生
じ、シ−ト内部で歪が生じ、高圧柱状水を噴射した後、
シ−トに多くのしわが発生するという問題が生じる。
において、充分な通気性を確保すると共に短絡を防止す
るためには、空隙径について、最大空隙径が60μm以
下、平均空隙径が25μm以下、最大空隙径/平均空隙
径が3以下であることが好ましい。
不織布の製造方法について述べる。本発明のアルカリ電
池セパレ−タ用不織布の製造方法は、前記の分割型複合
繊維とポリオレフィン系繊維を主成分とした有機繊維を
用いて、湿式抄造法によりウェブを製造し、そのウェブ
に水流交絡処理を施して交絡不織布とし、その水流交
絡不織布にコロナ放電処理してからカレンダ−加工す
る、或はその水流交絡不織布にカレンダ−加工してか
らコロナ放電処理する4つの工程で製造することを必須
条件とする。
は、前記有機繊維を使用して、湿式抄造法、カード法、
クロスレイヤー法、ランダムウェバー法などの公知の方
法によって製造することができる。
の長い繊維を用いることができるが、均一なウェブ化が
困難で、高圧柱状水流で加工され得られた交絡不織布
も、地合が悪く、透過光で観察すると、斑点模様が見ら
れる。このため、短絡を防ぐために必要な空隙径を得る
には、高坪量にしなければならないという問題がある。
に比べて速く、同一装置で、繊維径の異なる繊維や複数
の種類の繊維を任意の割合で混合できる利点がある。即
ち、繊維の形態も、ステ−プル状、パルプ状等と選択の
幅は広く、使用可能な繊維径も、7μm以下の極細繊維
から太い繊維まで使用可能で、他の方法に比べ、極めて
良好な地合のウェブが得られる方法である。この様なこ
とから、極めて応用範囲が広く、空隙径を制御しやすい
ウェブ形成法である。
ン重合体とエチレンビニルアルコ−ル共重合体を接合し
た分割型複合繊維を75〜100重量%と、ポリオレフ
ィン系繊維を25〜0重量%とをパルパ−で界面活性剤
を添加して離解し、アジテ−タ−等の緩やかな攪拌のも
と、水中に分散して、均一なスラリーを形成する。この
スラリーを丸網、長網、傾斜式等のワイヤ−の少なくと
も1つを有する抄紙機を用いて抄紙し、例えば、厚み2
00μm以下となるように地合の良好なウェブを製造す
る。今回、湿式抄造法を用いる他の利点としては、分割
型複合繊維の離解、分散工程の中で、分割型複合繊維を
ほぼ完全に分割させ得ることで、このことは、乾式法で
ウェブを製造した場合よりも、次工程での水流交絡処理
の水圧を下げることができ、また、水流交絡処理により
完全に極細繊維に分割できる。
率40%以下、1つの開孔の大きさが0.04mm2 以
下の多孔質の支持体上に積載し、ウェブ上方から高圧柱
状水流を噴射し、高圧柱状水流とウェブを相対的に移動
させ、有機繊維を3次元的に交絡させる。ウェブと高圧
柱状水流を相対的に移動させる方法としては、コンベア
−式の支持体或はドラム式の支持体を回転運動させる方
法が簡便である。このとき支持体の搬送速度は、ウェブ
に与える印加エネルギ−により決定されるが、1〜10
0m/min以下の速度で用いることができる。
られる交絡不織布に開孔が生じ、空隙径の調整が困難に
なる。逆に、開孔率が小さいほど、得られた交絡不織布
の面質が良くなるが、余りに開孔率が小さいと、交絡に
要した水が支持体から下に抜けず、支持体に当たった
後、再びウェブに跳ね返り、跳ね返り水がウェブを突き
上げ、ウェブが破損する現象が生じ好ましくない。この
様な多孔質の支持体としては、平織り、綾織り等の織り
方で、ステンレス、ブロンズ等の金属ワイヤ−、或は強
化ポリエステル、ポリアミド等のプラスチックワイヤ−
が挙げられる。
るために、繊維同士をバインダ−繊維だけで結合させ
る、或は、芯鞘型の熱融着性繊維を用いて、繊維同士を
熱融着させる湿式抄造法だけ用いるよりも、湿式抄造法
で製造したウェブに水流交絡処理を施し、ウェブを構成
する有機繊維を3次元的に交絡させる方が、アルカリ電
池セパレータ用不織布の引張強度や破断伸度が格段と大
きくなることから、製造時に加わる引張力、巻回圧及び
使用時におけるへたり等に起因する厚み変化が防止で
き、さらには、短絡防止に非常に効果がある。また、水
流交絡処理は、バインダ−繊維や熱融着性繊維を完全に
熱融着させる必要が無いため、有機繊維の持つ電解液へ
の吸液性や保液性には、悪影響を及ぼさない。
に、コロナ放電処理を施してからカレンダ−加工を行
う、或はカレンダ−加工してからコロナ放電処理を行
う。ここで、前記の有機繊維を用いた場合、コロナ放電
処理をしなくても、交絡不織布自体は吸液性や保液性を
ある程度有するが、アルカリ電池セパレ−タ用不織布と
して使用するには、まだまだ不十分なため、さらなる電
解液への濡れ性を付与することを目的にコロナ放電処理
を行う。
続した電極と、ポリエステルフィルム、ハイバロン、E
Pラバ−などでカバ−した金属ロ−ル間に適度の間隔を
設け、高周波で数千〜数万Vの電圧をかけ、高圧コロナ
を発生させ、この間隔に前記の方法で得られた交絡不織
布を適度な速度で走らせ、交絡不織布面にコロナを生成
したオゾン、或は、酸化窒素を反応させて、カルボニル
基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ペルオキシド基
を生成させるものであり、この親水性基が交絡不織布に
対する親水性の持続性に寄与していると考えられる。
りの総エネルギ−として8.0KW分/m2〜26.0
KW分/m2であることが好ましく、更に好ましくは、
15.0KW分/m2〜20.0KW分/m2であること
が好ましい。
m2 より小さい場合は、親水性の持続性が悪く、また、
その交絡不織布をアルカリ電池セパレ−タ用不織布とし
て使用するには、吸液性が不十分である。一方、片面当
りの総エネルギ−が26.0KW分/m2 を超えた場合
は、親水性向上の効果に関して、片面当りの総エネルギ
−が26.0KW分/m2 の場合とほとんど変化がない
ばかりか、有機繊維の一部が分解するためか、交絡不織
布は焦げ臭い異臭を放つようになる。
前に行っても、また、コロナ放電処理をした後に行って
も、どちらでも良い。カレンダ−加工をする理由は、ア
ルカリ電池セパレ−タ用不織布として使用する際に厚
さを調整するため、空隙径を調整するため、交絡不
織布の表面を平滑にするため、硬さを出すためであ
る。カレンダ−加工を行わない交絡不織布は、布の様に
柔らかい為、電池組立の作業性が著しく悪くなる。な
お、交絡不織布をカレンダ−加工する前に、界面活性剤
等の濡れ剤で処理することが好ましい。また、コードレ
ス機器用のアルカリ電池セパレータ用不織布として好適
に使用しうるためには、アルカリ電池セパレータ用不織
布の厚みは、マイクロメ−タで測定して130μm以下
とすることが望ましい。
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中における、部、%はすべて重量によるも
のである。
が38モル%、MFRが40で、ケン化度99.6%の
エチレンビニルアルコ−ル共重合体とから成る繊度3デ
ニ−ル、繊維分割後0.2デニ−ル(3.9μm)、繊
維長10mmの分割型複合繊維を99部と繊度1デニ−
ル、繊維長3mmの熱水可溶性ポリビニルアルコ−ル繊
維(VPW103クラレ社製)1部を湿式抄造法により
丸網抄紙機で、坪量40g/m2 、幅50cmのウェブ
を作成した。次に、このウェブを100メッシュのステ
ンレスワイヤ−である多孔質支持体上に搬送し、高圧柱
状水流により水流交絡処理を行い、交絡不織布を得た。
水流交絡処理は、ノズルヘッドを2ヘッド用いて行い、
第1及び第2ヘッドの水圧は、それぞれ100kg/c
m2 で、搬送速度は10m/分である。水流交絡処理
は、まず片面に行い、次に同じ条件で裏面を行った。次
に、この様にして得られた交絡不織布の両面に、電極2
0mm×600mm、誘電体ハイパロン3.2mmを用
い、片面当りの総エネルギ−が17.5KW分/m
2で、コロナ放電処理を行った。最後に、常温でカレン
ダ−処理を行って、直径6.3mmのマイクロメ−タで
測定した厚さが122μmとなし、切断してアルカリ電
池セパレータ用不織布を得た。
割型複合繊維を85部、繊維径0.5(8.8μm)デ
ニ−ル、繊維長10mmのポリプロピレン繊維を14
部、実施例1で使用した熱水可溶性ポリビニルアルコ−
ル繊維(VPW103クラレ社製)を1部にした以外
は、実施例1と同様の方法でアルカリ電池セパレータ用
不織布を得た。
割型複合繊維を75部、繊維径0.5(8.8μm)デ
ニ−ル、繊維長10mmのポリプロピレン繊維を24
部、実施例1で使用した熱水可溶性ポリビニルアルコ−
ル繊維(VPW103クラレ社製)を1部にした以外
は、実施例1と同様の方法でアルカリ電池セパレータ用
不織布を得た。
割型複合繊維を85部、繊維径0.5(8.7μm)デ
ニ−ル、繊維長10mmのポリエチレン繊維を14部、
実施例1で使用した熱水可溶性ポリビニルアルコ−ル繊
維(VPW103クラレ社製)を1部にした以外は、実
施例1と同様の方法でアルカリ電池セパレータ用不織布
を得た。
分/m2 にした以外は、実施例1と同様の方法でアルカ
リ電池セパレータ用不織布を得た。
分/m2 にした以外は、実施例1と同様の方法でアルカ
リ電池セパレータ用不織布を得た。
W分/m2 にした以外は、実施例1と同様の方法でアル
カリ電池セパレータ用不織布を得た。
W分/m2 にした以外は、実施例1と同様の方法でアル
カリ電池セパレータ用不織布を得た。
に、サイズプレスでノニオン系の界面活性剤を0.15
g/m2 含浸させ、熱風乾燥機で乾燥させた以外は、実
施例1と同様の方法でアルカリ電池セパレータ用不織布
を得た。
型複合繊維を70部、繊維径0.5(8.8μm)デニ
−ル、繊維長10mmのポリプロピレン繊維を29部、
実施例1で使用した熱水可溶性ポリビニルアルコ−ル繊
維(VPW103クラレ社製)を1部にした以外は、実
施例1と同様の方法でアルカリ電池セパレータ用不織布
を得た。
た以外は、実施例1と同様の方法でアルカリ電池セパレ
ータ用不織布を得た。
例1と同様の方法でアルカリ電池セパレータ用不織布を
得た。
1と同様の方法でアルカリ電池セパレータ用不織布を得
た。
例1と同様の方法でアルカリ電池セパレータ用不織布を
得た。
イプ)をアルカリ電池セパレータ用不織布とした。
アルカリ電池セパレ−タ用不織布について、下記の評価
方法によって評価し、その性能評価結果を実施例につい
ては表1に、比較例については表2に示した。
流れ方向に引っ張りながら巻き付けるので、アルカリ電
池セパレ−タ用不織布の強度の評価としては、縦(流れ
方向)の引張強度(kg/2cm幅)を測定した。引張
強度は、JIS−8113により、セパレータを幅2c
m、長さ20cmに裁断し、テンシロン測定機(オリエ
ンテック社製、HTM−100)を用いて、フルスケー
ル10kgで破断時の荷重を10回測定し、その平均値
を示した。なお、アルカリ電池セパレ−タ用不織布にお
ける縦引張強度の実用レベルは、2.30kg/2cm
幅以上とした。
アルカリ電池セパレ−タ用不織布は流れ方向に引っ張ら
れると共に、電極板に圧縮された状態になるが、アルカ
リ電池セパレ−タ用不織布にある程度の伸びがなけれ
ば、穴が開き易くなり、短絡の原因となる。そこで、短
絡が起きない程度の伸びがあるかどうかの評価をするた
めに、流れ方向の破断伸度を測定した。破断伸度は、J
IS−P8132に従い、上述した引張強度試験で、試
験片が破断するまでに示した最大引張歪率を各々10回
測定し、その平均値を百分率で表し、破断伸度とした。
なお、アルカリ電池セパレ−タ用不織布における縦破断
伸度の実用レベルは8.7%以上とした。
酸素がアルカリ電池セパレ−タ用不織布を経て負極側へ
の透過するしやすさの評価としては、フラジール通気度
(cc/cm2 /sec)を測定した。フラジ−ル通気
度は、JIS−L−1096により、フラジール形通気
度試験機を用いて、試験片を通過する空気量を5回測定
し、その平均値を示した。なお、アルカリ電池セパレ−
タ用不織布におけるフラジール通気度の実用レベルは、
6.0cc/cm2 /sec以上とした。
の負極側への透過性とアルカリ電池用不織布の空隙径が
大きいために短絡するかどうかの評価としては、空隙径
(μm)を測定した。空隙径は、ASTM−F−316
記載のバブルポイント法及びミーンフロー法により、最
大空隙径、及び平均空隙径を求めた。なお、アルカリ電
池セパレ−タ用不織布における空隙径の実用レベルは、
最大空隙径について60μm以下である。
布への電解液の染み込み易さ(初期の濡れ性)の評価と
しては、電解液の吸液速度(1分当りの吸い上げ高さm
m)を測定した。電解液吸液速度は、各試料の流れ方向
から1.5cm×18cmの試験片を3枚採取し、40
±5℃のもとに予備乾燥を行い、公定水分率以下にした
後、試料を標準温室度状態の試験室に放置し、その後試
料を1時間以上の間隔で計量し、その前後の質量差が後
の質量の0.1%以内になった状態(この状態を水分平
衡状態という)とする。次に、試験片を20±2℃にお
ける比重1.3(20℃)の苛性カリ(KOH)溶液を
入れた水槽上に所定高さの水平棒を設置し、各試料をこ
の水平棒にその下端を揃えてピンで止めて各試料を垂れ
下げ、水平棒を降下して各試験片の下端が5mmだけ液
中に漬かった状態となし、1分後に毛細管現象によりK
OH溶液が上昇した高さを測定した。なお、アルカリ電
池セパレ−タ用不織布における吸液速度の実用レベル
は、8mm以上である。
布の電解液の保液性の評価としては、電解液保液率
(%)を測定した。電解液保液率は、各試料から10c
m×10cmの大きさの試験片を3枚採取し、水分平衡
状態となしたときの重量W(mg)を測定する。次に、
上記KOH溶液中に試験片を広げて浸漬し、1時間以上
放置したのち液中から取り出して試験片の一つの角をク
リップして吊り下げ、10分後に重量W1 (mg)を測
定し、次の数1により、電解液保液率(%)を算出し
た。
用不織布の耐アルカリ性の評価としては、アルカリ処理
後の減量率(%)を測定した。アルカリ処理後の減量率
は、各試料から10cm×10cmの大きさの試験片を
3枚採取し、水分平衡状態となしたときの重量W(m
g)を測定したのち、電解液に相当する30%濃度のK
OH溶液に浸漬して、80±2℃の雰囲気中で7日間保
存する。その後取り出した試料を中和点に達するまで水
洗乾燥し、再び水分平衡状態となした時の重量W2 (m
g)を測定し、次の数2によりアルカリ処理後の減量率
(%)を求めた。
2 )/W]×100
レ−タ用不織布は、表2の比較例6に示した現行品であ
るナイロン製乾式不織布と比較して、水流交絡処理を施
している為に、坪量が約20g/m2 少ないにも関わら
ず、引張強度と破断伸度に優れている。また、超極細繊
維を発生する分割型複合繊維を多く配合し、コロナ放電
処理を両面に、片面当りの総エネルギ−が8.0〜2
6.0KW分/m2 で施した場合、アルカリ電池セパレ
−タ用不織布の電解液の吸液速度と保液率は非常に優れ
ている。さらに、湿式抄造法で抄紙している為、地合が
均一であり、低坪量にしても空隙径が安定している。さ
らに、ポリオレフィン系繊維主体の有機繊維を使用して
いるため、耐アルカリ性にも優れている。
不織布は、ポリオレフィン系繊維の配合比率を0〜25
重量%の範囲で変えた場合であるが、分割型複合繊維の
分割後繊維径より太いポリオレフィン系繊維の配合比率
を多くするに連れて、縦の引張強度と破断伸度は増加し
た。また、空隙径が増加するために、通気性が向上し
た。また、ポリオレフィン系繊維は、耐アルカリ性が大
きいため、アルカリ処理後の減量率が低下した。しか
し、ポリオレフィン系繊維はエチレンビニルアルコ−ル
共重合体に比べ、コロナ放電処理により親水化しにくい
ため、ポリオレフィン系繊維の配合比率を多くするに連
れて、電解液の吸液速度及び保液率は低下した。
−タ用不織布は、ポリオレフィン系繊維として、それぞ
れポリプロピレン繊維とポリエチレン繊維を使用した場
合であるが、性能はほとんど同じであった。
パレ−タ用不織布は、交絡不織布に施すコロナ処理条件
を変えた場合であるが、片面当りの総エネルギ−が8.
0〜26.0KW分/m2 で変えた場合、片面当りの総
エネルギ−が増加するにつれて、電解液の吸液速度が上
昇し、電解液の保液率も向上した。一方、片面当りの総
エネルギ−が8.0KW分/m2 より小さい場合、電解
液の吸液速度及び保液率は著しく低下した。また、片面
当りの総エネルギ−が26.0KW分/m2 を超えた場
合、電解液の吸液速度及び保液率は、片面当りの総エネ
ルギ−が26.0KW分/m2 の場合と殆ど変化がな
く、むしろ、コロナ放電の熱により有機繊維自身が傷つ
くためか、電解液の吸液速度及び保液率はわずかに減少
しており、また、焦げ臭い異臭を発生するようになっ
た。
布は、実施例1のアルカリ電池セパレ−タ用不織布に界
面活性剤を含浸させたものであるが、界面活性剤を少量
含浸することにより、電解液の吸液速度を向上させるこ
とができる。
布は、ポリオレフィン系繊維の配合比率が25重量%を
超えた場合であるが、配合比率が25重量%を超える
と、最大空隙径が60μmを超えるようになり、短絡を
防ぐために必要な空隙径にコントロ−ルすることが難し
くなった。
布は、実施例1の製造方法に比較して、水流交絡処理と
コロナ放電処理の両方を施していない場合であるが、ア
ルカリ処理後の減量率を除き、全ての物性について現行
品であるナイロン製乾式不織布よりも非常に劣ってお
り、分割型複合繊維とポリオレフィン系繊維を主成分と
する有機繊維を湿式抄造しただけではアルカリ電池セパ
レ−タ用不織布として使用できないことが判った。
布は、実施例1の製造方法に比較して、コロナ放電処理
だけを施していない場合であるが、水流交絡処理を行っ
ているため、現行品であるナイロン製乾式不織布に比較
して、引張強度や破断伸度に優れているものの、アルカ
リ電池セパレ−タ用不織布として重要な特性である電解
液の吸液速度と保液率に劣ったものになった。
布は、実施例1の製造方法に比較して、水流交絡処理だ
けを施していない場合であるが、コロナ放電処理を行っ
ているため、現行品であるナイロン製乾式不織布に比較
して、セパレ−タとして重要な特性である電解液の吸液
速度と保液率には、非常に優れているものの、引張強度
や破断伸度が不足しており、製造時に加わる引張力、巻
回圧及び使用時におけるへたり等に起因する厚さ変化に
耐えられず、さらに、伸びがないため短絡しやすくな
る。
布は、実施例1の製造方法に比較して、カレンダ−処理
だけを施していない場合であるが、厚さを調整していな
いために、電解液の吸液速度及び保液率には、非常に優
れているものの、布のように柔らかく、アルカリ電池セ
パレ−タ用不織布として使用する場合、作業性に劣り、
また、厚さの規格外になるため使用できない。
パレ−タ用不織布の製造方法は、前記の各有機繊維を用
いて湿式抄造法によりウェブを製造し、このウェブに水
流交絡処理を施して交絡不織布とし、この交絡不織布
の片面または両面にコロナ放電処理を施して後、カレン
ダ−処理する、或はこの交絡不織布にカレンダ−処理
を施して後、片面または両面にコロナ放電処理を施すど
の工程が抜けてもアルカリ電池セパレ−タ用不織布とし
て使用することができないことが判った。
布は、主成分がポリオレフィン重合体とエチレンビニル
アルコ−ル共重合体を接合した分割型複合繊維、及びポ
リオレフィン系繊維である各有機繊維から成り、分割型
複合繊維とポリオレフィン系繊維の配合比率が、それぞ
れ75〜100重量%と25〜0重量%であり、さら
に、コロナ放電処理を施しているので、耐アルカリ性が
高く、また電解液への吸液性も優れている。そのため、
耐電解液性及び耐電気化学的酸化性が高く、電解液に濡
れやすく、その保液率が大きい。
明の製造方法により製造したアルカリ電池セパレ−タ用
不織布は、低坪量で、且つ空隙径が均一であり、さら
に、強度に優れるため、従来よりさらに薄型にし、軽量
化することができる。
パレータ用不織布に必要な諸性能を併せ持ち、特に、強
度と電解液の吸液性と保液性に優れたアルカリ電池セパ
レータ用不織布の製造方法を提供することが可能にな
り、本発明の製造方法で製造したアルカリ電池セパレー
タ用不織布は、高容量、長寿命、高信頼性等の高度な特
性が必要なコードレス機器用として好適に使用すること
ができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 主成分がポリオレフィン重合体及びエチ
レンビニルアルコ−ル共重合体を接合した分割型複合繊
維、及びポリオレフィン系繊維である各有機繊維から成
り、該分割型複合繊維と該ポリオレフィン系繊維の配合
比率が、それぞれ75〜100重量%と25〜0重量%
であり、該各有機繊維を水に分散してスラリ−とし、該
スラリ−を湿式抄造法により抄紙してウェブを形成し、
該ウェブを水流交絡処理により交絡不織布を形成して
後、該交絡不織布の片面又は両面にコロナ放電処理を
施し、カレンダ−処理する、或は該交絡不織布をカレ
ンダ−処理し、片面又は両面にコロナ放電処理を施すこ
とを特徴とするアルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造
方法。 - 【請求項2】 コロナ放電処理条件が、片面当りの総エ
ネルギ−として8.0〜26.0KW分/m2 であるこ
とを特徴とする請求項1記載のアルカリ電池セパレ−タ
用不織布の製造方法。
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JP28382293A JP3372317B2 (ja) | 1993-11-15 | 1993-11-15 | アルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07142047A JPH07142047A (ja) | 1995-06-02 |
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CN103469353A (zh) * | 2013-09-07 | 2013-12-25 | 河北联合大学 | 磷钼酸/聚丙烯酸/聚乙烯醇复合纤维的制备工艺 |
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1993
- 1993-11-15 JP JP28382293A patent/JP3372317B2/ja not_active Expired - Fee Related
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