JPH07238463A - アルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方法 - Google Patents
アルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方法Info
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Abstract
び保液性に優れたアルカリ電池セパレ−タ用不織布の製
造方法を提供する。 【構成】 有機繊維の主成分が、ポリオレフィン重合体
とエチレンビニルアルコ−ル共重合体を接合した分割型
複合繊維、又は該分割型複合繊維とポリオレフィン系繊
維であり、該有機繊維内の該分割型複合繊維を離解機に
より水中で分割して極細繊維とした分散液、或はこれと
該ポリオレフィン系繊維の水分散液との混合液を抄紙用
スラリーとし、湿式抄造法により該スラリ−を用いて抄
紙し、ウェブを形成して後、該ウェブの少なくとも片面
にα−プラズマ放電処理を施すことを特徴とするアルカ
リ電池セパレ−タ用不織布の製造方法。
Description
極間に介在させて両者の短絡を防止すると共に、電解液
を十分に保持し、起電反応を円滑に進行させるために使
用するアルカリ電池セパレ−タ用不織布において、低坪
量でありながら、特に電解液の吸液性及び保液性に優れ
たアルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方法に関する
ものである。
放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるため、小
型軽量化の著しいエレクトロニクス機器に広く使用され
ている。このようなアルカリ電池の特性は、そのアルカ
リ電池セパレ−タ用不織布の特性にも大きく依存してい
る。
て、その保液量が大きく、しかも電解液を含んだ状態で
電気抵抗が低い、ポリアミド繊維不織布がアルカリ電池
セパレ−タ用不織布として使用されている。又、比較的
高温における耐久性の必要なアルカリ電池には、ポリオ
レフィン繊維不織布がアルカリ電池セパレ−タ用不織布
として使用されている。
らなるアルカリ電池セパレ−タ用不織布は、繰り返し使
用により、ポリアミド繊維から窒素酸化物が溶出し、ア
ルカリ電池の寿命を縮めるという欠点がある。更に、ポ
リアミド繊維不織布からなるアルカリ電池セパレ−タ用
不織布は、ポリアミド中に含まれている窒素の為に、酸
化されたときに硝酸根を生じ、このため、自己放電がし
やすい上、電極の腐食を招くという問題があった。一
方、ポリオレフィン繊維不織布からなるアルカリ電池セ
パレ−タ用不織布は、疎水性であるため電解液に対して
濡れにくく、その保液量が少ないという欠点がある。こ
のアルカリ電池セパレ−タ用不織布に対しては、界面活
性剤処理等が施されることがあるが、界面活性剤は耐電
解液性に問題があり、又、サイクル使用していると、あ
る期間を過ぎたところでその界面活性剤が遊離するため
に、電解液の吸液性や保液性を十分に改善するに至って
いない。
化性と、電解液の濡れやすさ及びその保液量とを共に向
上させることを目的として、エチレンビニルアルコ−ル
系共重合体成分を具備した有機繊維が用いられてきてい
る。その代表例として、特開平3−257755号公報
には、ポリオレフィン重合体とエチレンビニルアルコ−
ル共重合体との分割型複合繊維を35%以上含有するア
ルカリ電池用セパレ−タが提案されている。この分割型
複合繊維は、分割後に極細繊維を発生して、ウェブの比
表面積が増大するために、この分割型複合繊維を使用し
たアルカリ電池用セパレ−タは、電解液の保液性が向上
する可能性があるものの、製造時に、具体的には、湿式
抄造法では湿紙乾燥時に、又は乾式法では熱カレンダ−
等の熱融着時に、分割後発生するエチレンビニルアルコ
−ル共重合体繊維が融けて膜を作るため或は分割後にポ
リオレフィン重合体繊維も発生するために、電解液の吸
液性が大きく損なわれる。その結果、これらの分割型複
合繊維のみからなるアルカリ電池用セパレ−タでは、界
面活性剤の含浸等を施さなければ、電解液への親和性が
なく、電解液の吸液性及びその保液量が不十分になる欠
点がある。
るアルカリ電池セパレ−タ用不織布の電解液親和性を向
上させる方法としては、従来から真空プラズマ放電処理
が行われてきている。この真空プラズマ放電処理は、真
空(1×10-5〜1×10-3Torr程度)が保持され
る反応器内にプラズマ発生電極を配置し、この反応器内
にヘリウムやアルゴン等の不活性ガスを供給すると共に
電極に、例えば、13.56MHzの高周波を給電する
ことにより反応器内にグロ−放電を発生させ、その際高
真空中に微量に発生するアルゴンイオンを利用する。そ
のため、この真空プラズマ放電処理を連続的に実施する
には、アルカリ電池セパレ−タ用不織布の供給装置、巻
き取り装置等の一連の付帯設備もプラズマ反応装置と共
に高真空下に置くことが必要であり、設備及び処理コス
トが膨大に高くなる欠点がある。
とエチレンビニルアルコ−ル共重合体とが接合した分割
型複合繊維だけから成るアルカリ電池セパレ−タ用不織
布のままでは、十分な電解液の吸液性と保液性を持たせ
ることができず、これを使用したアルカリ電池は、最近
のコ−ドレス機器用に必要な高容量、長寿命、高信頼性
等の高度の特性を達成することができないという問題が
ある。
低坪量でありながら、特に電解液の吸液性及び保液性に
優れたアルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方法を提
供するものである。
的を達成するために鋭意研究した結果、アルカリ電池セ
パレ−タ用不織布の製造方法を発明するに至った。即
ち、本発明のアルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方
法は、有機繊維の主成分が、ポリオレフィン重合体とエ
チレンビニルアルコ−ル共重合体を接合した分割型複合
繊維、又は該分割型複合繊維とポリオレフィン系繊維で
あり、該有機繊維内の該分割型複合繊維を離解機により
水中で分割して極細繊維とした分散液、或はこれと該ポ
リオレフィン系繊維の水分散液との混合液を抄紙用スラ
リーとし、湿式抄造法により該スラリ−を用いて抄紙
し、ウェブを形成して後、該ウェブの少なくとも片面に
α−プラズマ放電処理を施すことを特徴とする。
不織布の製造方法について、詳細な説明を行う。まず、
本発明で用いる各有機繊維の説明を行う。
オレフィン重合体とエチレンビニルアルコ−ル共重合体
とが接合された複合繊維である。分割型複合繊維を形成
するエチレンビニルアルコ−ル共重合体は、エチレンと
酢酸ビニルとの共重合体をケン化して得ることができ
る。保液性の点からは、MFR(メルトフロレイト、J
IS−K7210、温度210℃にて測定)20〜10
0のエチレンを20〜45モル%含有するものが好まし
く、紡糸性の点からは、ケン化度98%以上であること
が好ましい。又、分割型複合繊維を形成するポリオレフ
ィン重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィンが好ましく、特にMFR10〜100
のポリオレフィンが好ましい。
チレンビニルアルコ−ル共重合体とポリオレフィン重合
体のうちの一方の成分が、他方の成分の間に介在して少
なくとも2個以上に分割されて、各々が繊維断面の構成
単位となっており、隣接している各構成単位の一部が繊
維表面に露出している。ポリオレフィン重合体とエチレ
ンビニルアルコ−ル共重合体の両成分の混合比率は、目
的に応じて変えることができ、保液性の大きい不織布を
欲するときにはエチレンビニルアルコ−ル共重合体成分
の比率を高め、逆に耐久性をより良くするにはポリオレ
フィン重合体成分の比率を大きくすると良い。両成分の
割合には特に限定を要するものではないが、紡糸工程に
おける紡糸作業性や電解液に対する親和性を考慮する
と、ポリオレフィン重合体:エチレンビニルアルコ−ル
共重合体の両成分の混合比率は、35:65〜65:3
5程度が好ましい。
リオレフィン系重合体を芯成分としエチレンビニルアル
コ−ル共重合体を鞘成分とした芯鞘型複合繊維、或いは
ポリオレフィン系重合体とエチレンビニルアルコ−ル共
重合体を並列に並べた並列型複合繊維、ポリオレフィン
系重合体を島成分としエチレンビニルアルコ−ル共重合
体を海成分とした海島型複合繊維、ポリプロピレン繊維
やポリエチレン繊維である。
維、海島型複合繊維を形成するエチレンビニルアルコ−
ル共重合体は、分割型複合繊維と同様の物であることが
好ましい。又、芯鞘型複合繊維、並列型複合繊維、海島
型複合繊維を形成するポリオレフィン重合体も同様に、
分割型複合繊維と同様の物であることが好ましい。
を製造した際に、電解液の吸液性や保液性の点から、分
割型複合繊維と前記のポリオレフィン系繊維の配合比率
は、それぞれ80〜100重量%と20〜0重量%にし
て製造することが好ましい。
ブを形成した際の坪量と厚さと保液性の関係から、分割
型複合繊維の分割後の繊維径が1〜8μm、その他の複
合繊維、或いはポリプロピレンやポリエチレン等のポリ
オレフィン系繊維の繊維径が20μm以下のものを使用
することが好ましい。
は、分散性及びアルカリ電池セパレ−タ用不織布の強度
の点から、3〜20mmのものが好ましい。繊維長が2
0mmより長いと、水中での分散工程が難しく、分散剤
を選択し、適量使用する必要があるばかりか、1度分散
した後、再度凝集して、よれ、もつれ、だま等が発生し
易くなるという問題が生じてくる。又、分散濃度を低く
しなければならず生産性が劣る。一方、繊維長が3mm
より短いと、分散工程は容易であるが、強度が大きく、
剛度の強いアルカリ電池セパレ−タ用不織布を得ること
は困難である。
不織布の製造方法について述べる。本発明のアルカリ電
池セパレ−タ用不織布の製造方法は、有機繊維内の分割
型複合繊維を離解機により水中で分割して極細繊維とし
た分散液、或はこれと該ポリオレフィン系繊維の水分散
液との混合液を抄紙用スラリーとし、湿式抄造法により
該スラリ−を用いて抄紙し、ウェブを形成して後、該ウ
ェブの少なくとも片面にα−プラズマ放電処理を施すこ
とからなるものである。
は、前記の各有機繊維を使用して、湿式抄造法、カ−ド
法、クロスレイヤ−法、ランダムウェバ−法などの公知
の方法によって製造することができる。
ンダムウェバ−法は、繊維長の長い繊維を用いることが
できるが、均一なウェブ化が困難で、地合が悪く、透過
光で観察すると、斑点模様が見られる。このため、短絡
を防ぐためには、高坪量にしなければならないという問
題がある。さらに、湿式抄造法では抄紙工程の中で分割
型複合繊維を分割することができるが、カ−ド法、クロ
スレイヤ−法、ランダムウェバ−法では、ニ−ドルパン
チ法、水流交絡法等の手段を用いて分割する必要があ
る。しかも、ニ−ドルパンチ法では、低坪量では使用で
きず、水流交絡法においても、前記乾式法の場合、繊維
長が長いために、分割しにくいといった問題がある。
に比べて速く、同一装置で、繊維径の異なる繊維や複数
の種類の繊維を任意の割合で混合できる利点がある。即
ち、湿式抄造法は、繊維の形態も、ステ−プル状、パル
プ状等と選択の幅は広く、使用可能な繊維径も、7μm
以下の極細繊維から太い繊維まで使用可能であり、ま
た、分割型複合繊維を分割する場合でも、パルパ−や高
速ミキサ−やビ−タ−等の離解機での離解工程、及び分
散工程で分割型複合繊維をほぼ完全に分割させることが
でき、極めて応用範囲が広く、地合の良好なウェブが得
られる方法である。
ウェブを製造した。例えば、ポリオレフィン重合体とエ
チレンビニルアルコ−ル共重合体を接合した分割型複合
繊維を高速ミキサ−により水中で分割して極細繊維を発
生させ、アジテ−タ−等の緩やかな攪拌のもと、均一な
抄紙用スラリ−とし、或は、これとポリオレフィン系繊
維の水分散液と一緒に混合して、アジテ−タ−等の緩や
かな攪拌のもと、均一な抄紙用スラリーとし、この抄紙
用スラリ−を丸網、長網、傾斜式等のワイヤ−の少なく
とも1つを有する抄紙機を用いて抄紙し、例えば、厚み
200μm以下となるように地合の良好なウェブを製造
する。分割型複合繊維を離解機により水中で分割させる
場合、適当量の界面活性剤と消泡剤を添加しても良い。
くとも片面にα−プラズマ放電処理を施す。ここで、前
記の各有機繊維を用いた場合、α−プラズマ放電処理を
しなくても、ウェブ自体は吸液性や保液性をわずかに有
するが、アルカリ電池セパレ−タ用不織布として使用す
るには不十分なため、更なる電解液の吸液性及び保液性
を付与することを目的にα−プラズマ放電処理を施す。
電極の少なくとも一方の電極表面にポリイミド、雲母、
セラミック、ガラス等の固体誘電体を配設した誘電体被
覆電極を有するプラズマ反応装置に、ヘリウム及びアル
ゴンと酸素から本質的になる気体組成物を導入し、大気
圧下でプラズマ励起を行って、対向する電極の間に位置
するアルカリ電池セパレ−タ用不織布表面の電解液親和
性を高める表面改質処理法である。このようなα−プラ
ズマ放電処理により、アルカリ電池セパレ−タ用不織布
は、その表面が酸化及びエッチングされるため、電解液
親和性が向上するものと考えられる。
成物としては、アルゴン及びヘリウムと酸素から本質的
になるが、アルゴン及びヘリウムの他に酸素以外の気体
を本発明の効果を損なわない量的範囲で含有していても
良い。そのような気体としては、従来の真空プラズマ放
電処理で用いられたような下記の気体を例示する事がで
きる。即ち、不活性気体としては、ネオン、窒素等を例
示することができる。活性気体としては、オゾン、二酸
化炭素、三酸化硫黄、アセトン、エチレン、プロピレ
ン、アセチレン、ハロゲン、モノシラン、フルオロエチ
レン化合物等を例示することができる。
としては、上部電極及び下部電極には誘電体被覆がそれ
ぞれ貼付されている。αプラズマ放電処理されるウェブ
は、供給ロ−ルから連続的に供給されて入口スリットよ
りプラズマ反応装置に入り、上下両電極間を通過して出
口スリットからプラズマ反応装置を出て、巻取ロ−ルに
巻き取られる。プラズマ反応装置内には、気体供給口か
ら不活性気体と活性気体の混合気体が連続して供給さ
れ、入口スリット及び出口スリットから外部へ流出す
る。プラズマ反応装置内は、大気圧に対して適当に弱い
プラズマ圧に保持されるので、入口スリット及び出口ス
リットから外部の大気がプラズマ反応装置内に流入する
ことはない。
プラズマ励起するために、グロ−放電が行われる。この
際に用いられる交流電源の周波数は特に制限されるもの
ではないが、好ましくは1〜10KHzである。グロ−
放電を行う際の電圧、電流、出力等の条件は、ウェブを
構成する有機繊維の種類に応じて適宜選択されるが、一
般に電圧は2000〜4000V、電流は10〜30m
A、出力は10〜500Wが好適である。ウェブが処理
される時間もウェブを構成する有機繊維の種類に応じて
適宜選択されるが、一般に5〜120秒の処理時間が採
用される。
プラズマ放電処理に比べて格段に簡略化された装置であ
り、上記ウェブをα−プラズマ放電処理することによ
り、連続的且つ迅速に電解液の親和性を高めることがで
きる。しかも、その電解液の親和効果の持続性を極めて
大きいものとすることができる。さらに、α−プラズマ
放電処理では、プラズマ表面処理中の発熱量が少ないの
で、ウェブの変形、収縮、ダメ−ジ等がほとんど無いと
いう長所を有する。
カリ電池セパレ−タ用不織布は、一般的にカレンダ−処
理が施される。カレンダ−処理をする理由は、ウェブを
アルカリ電池セパレ−タ用不織布として使用する際、
厚さ調整、ウェブ表面の平滑化、剛さの出現、とい
う3つの点を持たせるためである。カレンダ−処理を行
なっていないウェブは、アルカリ電池セパレ−タ用不織
布として使用するには、厚さが厚く、柔らかく、ふかふ
かしているため為、電池組立の作業性が著しく悪くな
る。なお、ウェブをカレンダ−処理する前に、ノニオン
系の界面活性剤等の濡れ剤で塗布或いは含浸処理するこ
とが好ましい。又、コードレス機器用のアルカリ電池セ
パレータ用不織布として好適に使用しうるためには、ア
ルカリ電池セパレータ用不織布の厚みは、マイクロメ−
タで測定して130μm以下とすることが望ましい。
りウェブを製造後、水流交絡処理を施しても良い。水流
交絡処理を施した場合、アルカリ電池セパレータ用不織
布の強度及び伸びを非常に大きくできる利点がある。水
流交絡処理を施す方法としては、ウェブを多孔質の支持
体上に積載し、ウェブ上方から高圧柱状水流を噴射し、
高圧柱状水流とウェブを相対的に移動させ、分割型複合
繊維、或いはポリオレフィン系有機繊維を3次元的に交
絡させる方法がある。ウェブと高圧柱状水流を相対的に
移動させる方法としては、コンベア−式の支持体、或は
ドラム式の支持体を回転運動させる方法が簡便である。
このとき支持体の搬送速度は、ウェブに与える印加エネ
ルギ−により決定されるが、1〜100m/min以下
の速度で用いることができる。
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中における、部、%はすべて重量によるも
のである。
が38モル%、MFRが40で、ケン化度99.6%の
エチレンビニルアルコ−ル共重合体とから成り、結晶性
ポリプロピレン成分とエチレンビニルアルコ−ル共重合
体成分の容積比率が50:50である繊度3デニ−ル、
繊維分割後0.2デニ−ル(3.9μm)、繊維長10
mmの分割型複合繊維100部を高速ミキサ−を用いて
水中で分割し、極細繊維を発生させ分散してから湿式抄
造法により丸網抄紙機で、坪量41.9g/m2、幅5
0cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られ
たウェブの両面にα−プラズマ放電処理を施した。α−
プラズマ放電処理は、プラズマ反応装置内の上下電極板
に厚み0.8mmのミカタイトD581を極板よりやや
大きく切ってシリコングリ−スで貼着し、ガス流入口か
らプラズマ反応装置内にヘリウムガス70容量%、アル
ゴンガス20容量%、酸素10容量%の混合ガス(但
し、ヘリウムとアルゴンと酸素の合計が100容量%と
なる。)を流入させて、プラズマ反応装置内の空気が完
全に混合ガスと置換した時に、周波数3KHz、電圧4
000V、電流25mA、出力電力100Wの高周波電
圧を20秒間照射させた。最後に、常温でカレンダ−処
理を行って、直径6.3mmのマイクロメ−タで測定し
て厚さを122μmとなし、アルカリ電池セパレータ用
不織布を得た。
以外は、実施例1と同様の方法でアルカリ電池セパレー
タ用不織布を得た。
00V、電流20mA、出力電力50Wにして20秒間
照射させた以外は、実施例1と同様の方法でアルカリ電
池セパレータ用不織布を得た。
混合ガスをヘリウムガス65容量%、アルゴンガス20
容量%、二酸化炭素15容量%(但し、ヘリウムとアル
ゴンと二酸化炭素の合計が100容量%となる。)にし
た以外は、実施例1と同様の方法でアルカリ電池セパレ
ータ用不織布を得た。
放電処理をする前に、このウェブを100メッシュのス
テンレスワイヤ−である多孔質支持体上に搬送し、高圧
柱状水流により水流交絡処理を行った以外は、実施例1
と同様の方法でアルカリ電池セパレータ用不織布を得
た。水流交絡処理は、ノズルヘッドを2ヘッド用いて行
い、第1及び第2ヘッドの水圧は、それぞれ100kg
/cm2で 、搬送速度は10m/分である。水流交絡処
理は、まず片面に行い、次に同じ条件で裏面を行った。
型複合繊維を90部、ポリプロピレン重合体を芯成分と
し、エチレン含有量が38モル%、MFRが40で、ケ
ン化度99.6%のエチレンビニルアルコ−ル共重合体
を鞘成分とした繊維径2デニ−ル(17.5μm)、繊
維長10mmの芯鞘型複合繊維(芯鞘の容積比率50:
50)を10部にし、分割型複合繊維を水中で高速ミキ
サ−を用いて分割し極細繊維を発生させてから分散した
分散液と芯鞘型複合繊維の水分散液を混合して抄紙用ス
ラリ−とした以外は、実施例1と同様の方法でアルカリ
電池セパレータ用不織布を得た。
型複合繊維を80部、繊維径0.5デニ−ル(8.8μ
m)、繊維長10mmのポリプロピレン繊維を20部に
した以外は、実施例3と同様の方法でアルカリ電池セパ
レータ用不織布を得た。
型複合繊維を75部、繊維径0.5(8.8μm)デニ
−ル、繊維長10mmのポリプロピレン繊維を25部に
した以外は、実施例3と同様の方法でアルカリ電池セパ
レータ用不織布を得た。
の界面活性剤を0.15g/m2含浸させて 、熱風乾燥
機で乾燥させる界面活性剤処理を行った以外は、実施例
1と同様の方法でアルカリ電池セパレータ用不織布を得
た。
りにアジテ−タ−を用いて、分割型複合繊維をあまり分
割させないように緩やかな攪拌のもとで分散させ(SE
M写真での観察から、分割程度は約3分の1であっ
た。)、ウェブを作製した以外は、実施例1と同様の方
法でアルカリ電池セパレータ用不織布を得た。
は、実施例1と同様の方法でアルカリ電池セパレータ用
不織布を得た。
処理をする前に、サイズプレスでノニオン系の界面活性
剤を0.15g/m2含浸させて 、熱風乾燥機で乾燥さ
せる界面活性剤処理を行った以外は、実施例1と同様の
方法でアルカリ電池セパレータ用不織布を得た。
のポリプロピレン繊維を95部、繊度1デニ−ル、繊維
長3mmの熱水可溶性ポリビニルアルコ−ル繊維(VP
W103クラレ社製)を5部にした以外は、実施例1と
同様の方法でアルカリ電池セパレータ用不織布を得た。
放電処理を行った以外は、実施例1と同様の方法でアル
カリ電池セパレータ用不織布を得た。真空プラズマ放電
処理としては、アルゴン雰囲気にしてその真空度を1.
0Torrに保ち、周波数13.56MHzのマイクロ
波を実施例1で得られたウェブの両面にそれぞれ1分間
照射した。
イプ)をアルカリ電池セパレータ用不織布とした。
アルカリ電池セパレ−タ用不織布について、下記の評価
方法によって評価し、その性能評価結果を実施例につい
ては表1に、比較例については表2に示した。
て、10枚の試料のそれぞれ異なる6箇所で厚さ(μ
m)を測定し、その平均値を示した。
流れ方向に引っ張りながら巻き付けるので、アルカリ電
池セパレ−タ用不織布の強度の評価としては、縦(流れ
方向)の引張強度(kg/2cm幅)を測定した。引張
強度はJIS−8113により、アルカリ電池セパレ−
タ用不織布を幅2cm、長さ20cmに断裁し、テンシ
ロン測定機(オリエンテック社製、HTM−100)を
用いて、フルスケ−ル10kgで破断時の荷重を10回
測定し、その平均値を示した。なお、アルカリ電池セパ
レ−タ用不織布における縦引張強度の実用レベルは、
2.30kg/2cm幅以上とした。
アルカリ電池セパレ−タ用不織布は流れ方向に引っ張ら
れると共に、電極板に圧縮された状態になるが、アルカ
リ電池セパレ−タ用不織布にある程度の伸びがなけれ
ば、穴が開き易くなり、短絡の原因となる。そこで、短
絡が起きない程度の伸びがあるかどうかの評価をするた
めに、流れ方向の破断伸度を測定した。破断伸度は、J
IS−P8132に従い、前記した引張強度試験で、試
験片が破断するまでに示した最大引張歪率を各々10回
測定し、その平均値を百分率で表し、破断伸度とした。
なお、アルカリ電池セパレ−タ用不織布における縦破断
伸度の実用レベルは8.7%以上とした。
ては、電解液の吸液速度(1分当りの吸い上げ高さm
m)を測定した。電解液の吸液速度は、各試料の流れ方
向から1.5cm×18cmの試験片を3枚採取し、4
0±5℃のもとに予備乾燥を行い、公定水分率以下にし
た後、試料を標準温室度状態の試験室に放置し、その後
試料を1時間以上の間隔で計量し、その前後の質量差が
後の質量の0.1%以内になった状態(この状態を水分
平衡状態という)にし、次に、試験片を20±2℃にお
ける比重1.3(20℃)の苛性カリ(KOH)溶液を
入れた水槽上に所定高さの水平棒を設置し、各試料をこ
の水平棒にその下端を揃えてピンで止めて各試料を垂れ
下げ、水平棒を降下して各試験片の下端が5mmだけ液
中に漬かった状態となし、1分後に毛細管現象によりK
OH溶液が上昇した高さを測定した。なお、アルカリ電
池セパレ−タ用不織布における吸液速度の実用レベル
は、2mm/min以上である。
ては 、水の保持量(g/m2)を測定した。水の保持量
は、各試料から10cm×10cmの大きさの試験片を
3枚採取し、水分平衡状態となしたときの重量W(g)
を測定し、次に、20±1℃の蒸留水中に試験片を広げ
て浸漬し、1分間放置したのち蒸留水中から取り出し、
直ちに濾紙(アドバンテックNo.26)で挟み、軽く
押さえて表面の水を吸い取り、次に、その試験片の重量
W1(g)を測定して、次の数1により算出した。な
お、アルカリ電池セパレ−タ用不織布における初期保液
性の実用レベルは、95g/m2以上である。
(0.1×0.1)]
より、アルカリ電池セパレ−タ用不織布には大きな圧力
が掛かるため、アルカリ電池セパレ−タ用不織布中の電
解液は、正極或は負極側に次第に移行して行く。この場
合のアルカリ電池セパレ−タ用不織布の持つ電解液の保
液性の評価として 、加圧後の水の保持量(g/m2)を
測定した。加圧後の水の保持量は、各試料から10cm
×10cmの大きさの試験片を3枚採取し、水分平衡状
態となしたときの重量W(g)を測定し、次に、20±
1℃の蒸留水中に試験片を広げて浸漬し、1分間放置し
たのち蒸留水中から取り出し、直ちに濾紙(アドバンテ
ックNo.26)で挟み、線圧50kg/cmのロ−ル
プレスに通し 、その試験片の重量W1(g)を測定し
て、次の数2により算出した。なお、アルカリ電池セパ
レ−タ用不織布における末期保液性の実用レベルは、1
7g/m2以上である 。アルカリ電池セパレ−タ用不織
布における末期保液性が17g/m2より低い場合 、充
放電による電極の膨潤により、アルカリ電池セパレ−タ
用不織布内から電解液が、電極側に次第に移行して漸次
枯渇するため、電池の内部抵抗が増大し、又、内部圧力
が上昇するために、電池の放電特性が低下する。
W)/(0.1×0.1)]
用不織布の耐アルカリ性の評価としては、アルカリ処理
後の減量率(%)を測定した。アルカリ処理後の減量率
は、各試料から10cm×10cmの大きさの試験片を
3枚採取し、水分平衡状態となしたときの重量W(m
g)を測定したのち、電解液に相当する30%濃度のK
OH溶液に浸漬して、80±2℃の雰囲気中で7日間保
存する。その後取り出した試料を中和点に達するまで水
洗乾燥し 、再び水分平衡状態となした時の重量W2(m
g)を測定し、次の数3によりアルカリ処理後の減量率
(%)を求めた。なお、アルカリ電池セパレ−タ用不織
布におけるアルカリ処理後の減量率の実用レベルは、
1.2%以下である。
W2)/W]×100
発生する分割型複合繊維を多く配合し、ウェブの少なく
とも片面にα−プラズマ放電処理を施したアルカリ電池
セパレ−タ用不織布は、表2の比較例6に示した現行品
であるナイロン製乾式不織布と比較して、坪量が約20
g/m2少ないにも関わらず 、アルカリ電池セパレ−タ
用不織布の電解液の吸液性と保液性に優れ、特に吸液性
が非常に優れている。さらに、湿式抄造法で抄紙してい
る為、地合が均一であり、耐アルカリ性にも優れてい
る。
レ−タ用不織布に水流交絡処理を施した場合であるが、
水流交絡処理により流れ方向の引張強度が非常に強くな
り、又、破断伸度も大きくなる。さらに、水流交絡処理
を施し、有機繊維を3次元的に交絡させることで、アル
カリ電池セパレ−タ用不織布の保液性が向上する。
パレ−タ用不織布は、ポリオレフィン系繊維の配合比率
を0〜25重量%の範囲で変えた場合であるが、分割型
複合繊維の分割後繊維径より太いポリオレフィン系繊維
の配合比率を多くするに連れて、アルカリ処理後の減量
率が低下するものの、ポリオレフィン系繊維はエチレン
ビニルアルコ−ル共重合体繊維に比べ、α−プラズマ放
電処理により電解液への親和性を向上しにくいため、ポ
リオレフィン系繊維の配合比率を多くするに連れて、電
解液の吸液性及び保液性は低下する。
布は、実施例1のアルカリ電池セパレ−タ用不織布に界
面活性剤を含浸させたものであるが、界面活性剤を少量
含浸することにより、電解液の吸液性をさらに向上させ
ることができる。
布は、実施例1の製造方法に比較して、分割型複合繊維
の分割程度を約3分の1にした場合であるが、分割させ
た実施例1に比較すると、電解液の吸液性及び保液性が
非常に劣る。この場合と同様に、カ−ド法により分割型
複合繊維のウェブを作製し、水流交絡法により分割処理
及び絡合処理した場合を想定すると、繊維長が長いた
め、分割型複合繊維が完全には分割せず、電解液の吸液
性及び保液性が劣ると考えられる。又、分割型複合繊維
を完全に分割させるためには、ウェブ上方から非常に強
い高圧柱状水流を噴射しなければならず、その場合、ウ
ェブの破損が起きたり、低坪量の場合には、空隙径の制
御ができない程度に穴が開くようになると考えられる。
そのため、乾式法では、低坪量で、しかも、電解液の吸
液性及び保液性が非常に優れたアルカリ電池セパレ−タ
用不織布は製造しにくいと考えられる。
布は、実施例1の製造方法に比較して、α−プラズマ放
電処理を施していない場合であるが、湿式抄造時にウェ
ブの乾燥で、エチレンビニルアルコ−ル共重合体繊維が
融け膜を作るために、エチレンビニルアルコ−ル共重合
体成分の持つ電解液の吸液性と保液性が損なわれて、そ
の結果、前記の評価方法では保液性が評価できないほ
ど、電解液の吸液性と保液性が非常に劣っており、分割
型複合繊維を湿式抄造しただけではアルカリ電池セパレ
−タ用不織布として使用できないことが判る。
布は、実施例1の製造方法に比較して、α−プラズマ放
電処理を行う代わりに、ノニオン系の界面活性剤を含浸
して、電解液への親和性を付与した場合であるが、界面
活性剤を含浸した場合、初期での電解液の吸液性は良い
ものの、ある期間経過すると、界面活性剤が遊離してく
る問題があることや実施例1に比較すると電解液の保液
性に劣り、やはりアルカリ電池セパレ−タ用不織布とし
て使用できないことが判る。
布は、ポリプロピレン繊維だけから成る不織布にα−プ
ラズマ放電処理を施した場合であるが、ポリプロピレン
繊維単独であるため、耐アルカリ性には優れるものの、
α−プラズマ放電処理により電解液への親和性を向上さ
せ難くく、電解液の吸液性及び保液性が非常に悪い結果
となった。従って、アルカリ電池セパレ−タ用不織布と
して使用できない。
布は、α−プラズマ放電処理の代わりに従来の真空プラ
ズマ放電処理を実施例1のウェブに施した場合である
が、α−プラズマ放電処理に比較すると、処理中のウェ
ブ表面温度が非常に高くなるため、処理後のアルカリ電
池セパレ−タ用不織布は、焦げ臭くなった。又、電解液
への親和性向上効果も、α−プラズマ放電処理よりも劣
るため、電解液の吸液性及び保液性も実施例に比較して
悪い結果となった。
パレ−タ用不織布の製造方法は、有機繊維の主成分がポ
リオレフィン重合体とエチレンビニルアルコ−ル共重合
体を接合した分割型複合繊維、又は該分割型複合繊維と
ポリオレフィン系繊維であり、該有機繊維内の該分割型
複合繊維を離解機により水中で分割して極細繊維とした
分散液、或いはこれと該ポリオレフィン系繊維の水分散
液との混合液を抄紙用スラリ−とし、湿式抄造法により
該スラリ−を用いて抄紙し、ウェブを形成して後、該ウ
ェブの少なくとも片面にα−プラズマ放電処理を施すど
の工程が抜けてもアルカリ電池セパレ−タ用不織布とし
て使用することができない。
池セパレ−タ用不織布は、有機繊維の主成分がポリオレ
フィン重合体とエチレンビニルアルコ−ル共重合体を接
合した分割型複合繊維、又は該分割型複合繊維とポリオ
レフィン系繊維であり、該有機繊維の内、該分割型複合
繊維を離解機により水中で分割して極細繊維を発生させ
た後ウェブとし、さらに、α−プラズマ放電処理を施し
ているので、耐アルカリ性が高く、又、低坪量でありな
がら、地合が良く、電解液の吸液性と保液性も優れてい
る。
がら、特に電解液の吸液性と保液性に優れたアルカリ電
池セパレータ用不織布の製造方法を提供することが可能
になり、本発明の製造方法で製造したアルカリ電池セパ
レータ用不織布は、高容量、長寿命、高信頼性等の高度
な特性が必要なコードレス機器用として好適に使用する
ことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 有機繊維の主成分が、ポリオレフィン重
合体とエチレンビニルアルコ−ル共重合体を接合した分
割型複合繊維、又は該分割型複合繊維とポリオレフィン
系繊維であり、該有機繊維内の該分割型複合繊維を離解
機により水中で分割して極細繊維とした分散液、或はこ
れと該ポリオレフィン系繊維の水分散液との混合液を抄
紙用スラリーとし、湿式抄造法により該スラリ−を用い
て抄紙し、ウェブを形成して後、該ウェブの少なくとも
片面にα−プラズマ放電処理を施すことを特徴とするア
ルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6028095A JPH07238463A (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | アルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6028095A JPH07238463A (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | アルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07238463A true JPH07238463A (ja) | 1995-09-12 |
Family
ID=12239237
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6028095A Pending JPH07238463A (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | アルカリ電池セパレ−タ用不織布の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07238463A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001039652A1 (fr) * | 1999-11-30 | 2001-06-07 | Unitika Ltd. | Chiffon d'essuyage a base de textile non-tisse et son procede de fabrication |
JP2004207333A (ja) * | 2002-12-24 | 2004-07-22 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | セパレータ及びそれを用いてなる巻回型電気二重層キャパシタ |
-
1994
- 1994-02-25 JP JP6028095A patent/JPH07238463A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001039652A1 (fr) * | 1999-11-30 | 2001-06-07 | Unitika Ltd. | Chiffon d'essuyage a base de textile non-tisse et son procede de fabrication |
JP2004207333A (ja) * | 2002-12-24 | 2004-07-22 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | セパレータ及びそれを用いてなる巻回型電気二重層キャパシタ |
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