JP3331248B2 - 枚葉紙を両面印刷するための輪転印刷機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、枚葉紙を両面印刷する
ための両面印刷機であって、枚葉紙が、唯１つの枚葉紙
連続運動（Ｂｏｇｅｎｌａｕｆ）において、両面に多色
印刷を行なうことが可能であり、しかも表面・裏面印刷
切換え装置と、枚葉紙に用いられる裏返し装置とが設け
られていないような形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】このような切換え不能な両面印刷機は主
にゴム・ゴム原理に従って作業する。したがって、オフ
セット印刷に用いられる印刷機構は、２つの版胴と２つ
のゴムブランケット胴とから成っており、これらのゴム
ブランケット胴のうちの一方が他方に対して圧胴として
役立つ。多色両面印刷が行なわれる場合には、複数の印
刷機構を列状に互いに前後に接続することができる。最
初の印刷機構の手前には給紙装置が配置されていて、最
後の印刷機構の後ろには排紙装置が配置されている。列
状に構成された印刷機は嵩が大きく、材料が極めて多く
かかり、しかもコストが高い。

【０００３】これに対して、オフセット印刷に用いられ
るサテライト形印刷機構は、コンパクトに構成されてい
る。共通の１つの圧胴の周りに、３組以上のゴム胴・版
胴対が配置されていることにより、枚葉紙を搬送する胴
の数、もしくは他の装置の数が、列状に構成された印刷
機に比べて減じられる。

【０００４】公知のサテライト形印刷機の場合、１つの
圧胴の周りに設けられたゴム胴・版胴対は、印刷機構に
対するアクセス可能性の理由から、４つに制限されてい
るので、１つのサテライト形印刷機構において、１枚の
枚葉紙の片面に、４色の印刷を行なうことができる。
（ドイツ連邦共和国特許出願公告第１２３５９５３号明
細書、ドイツ連邦共和国特許第４４１３２９号明細書、
同第４４３３９９号明細書、および米国特許第４９３６
２１１号明細書）ドイツ連邦共和国特許出願公告第１２
３５９５３号明細書には、選択的な両面印刷または純然
たる片面印刷に用いられる、サテライト形に構成された
枚葉紙オフセット輪転印刷機が開示されている。この枚
葉紙オフセット輪転印刷機においては、ゴム胴の胴入れ
を変えることにより、２色両面印刷か、４色片面印刷
か、３色表面印刷と単色裏面印刷とが可能である。

【０００５】枚葉紙を印刷するための公知のサテライト
形印刷機では、４色両面印刷または５色以上の両面印刷
が、１つの枚葉紙連続運動において行なわれることはな
い。ウェブ印刷機の場合にのみ、２つのサテライト形印
刷機構をタワー状に互いに上下に配置することが公知で
ある。ドイツ連邦共和国特許出願公開第３９３９４３２
号明細書に開示された印刷機構タワーは、１つの印刷材
料ウェブに４色両面印刷を行なうことを可能にする。し
かしながら、タワー状に構成された印刷機は比較的大き
な生産スペースを必要とする。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭
で述べた形式の、枚葉紙を両面印刷するための輪転印刷
機を改良して、１つの枚葉紙連続運動において枚葉紙の
両面に、選択的に４色以上の印刷を行なうことが可能と
なり、しかも輪転印刷機のための所要スペースができる
限り小さくなるような、サテライト状に構成された、枚
葉紙を両面印刷するための輪転印刷機を提供することで
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、両印刷機構が、水平方向において
相前後して配置されたサテライト形印刷機構として形成
されており、それぞれ所属の圧胴の周りに複数の印刷装
置が配置されており、給紙装置と排紙装置とが、両サテ
ライト形印刷機構の間に配置されているようにした。

【０００８】

【発明の効果】本発明による輪転印刷機は、コンパクト
な構造を保証し、経済的に製造可能である。しかも、本
発明による輪転印刷機は、良好な印刷品質をもたらすと
共に、極めて多目的に使用可能である。

【０００９】サテライト印刷機構に設けられた両圧胴
は、共通の１水平平面内で軸平行に配置されていてよ
い。これらの印刷機構は、両印刷機構の間に延びる仮想
の中心鉛直平面に対して対称的に構成されていてよい。
給紙パイルの上面が、前記水平平面の上方に位置してお
り、排紙パイルの上面が前記水平平面の下方に位置して
いると、特にコンパクトな構造が得られる。この排紙パ
イルは側方で、枚葉紙の搬送方向に対して横方向に取り
出されてよい。両サテライト印刷機構の圧胴の周りに配
置された印刷装置は、それぞれ所属の圧胴から個別に胴
抜きすることができるので、印刷のために使用されるイ
ンクの数を変えることができる。

【００１０】圧胴の駆動は、１つの歯車伝動装置によっ
て同期的に行なわれてよい。さらに、このような同期的
な駆動とは別に、両圧胴がそれぞれ別体のモータによっ
て、個別に駆動されてもよい。この場合、同期性を調整
するために、これらのモータは共通の１つの制御兼調整
装置に接続されている。

【００１１】両圧胴の周りにそれぞれ、４つの印刷装
置、特にオフセット印刷のためのゴム胴・版胴対が配置
されていてよい。版胴に配置された版を形成するための
装置が、両版胴に配属されていると特に有利である。こ
の装置にはデジタル化された画像データが供給可能であ
る。高い印刷品質を得るためには、排紙装置に対応する
圧胴が、インク反発性の表面を有していると有利であ
る。やはり高い印刷品質を得るために、サテライト形印
刷機構のそれぞれ最後の印刷装置に続いて、印刷された
面を処理するための遮断可能な装置、例えば乾燥装置、
冷却装置、またはパウダを塗布するための塗布装置が設
けられていると有利である。同じく、第１の圧胴から第
２の圧胴への枚葉紙の搬送路に、乾燥装置が設けられて
いてよい。第１の圧胴から第２の圧胴に枚葉紙を搬送す
るために、チェーングリッパシステムと、このチェーン
グリッパに後置された引渡しグリッパとが設けられてい
てよい。

【００１２】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面につき詳しく説
明する。

【００１３】図１は、枚葉紙１を両面印刷するための輪
転印刷機を示している。この輪転印刷機は８色（４色／
４色）両面印刷機として働く。この輪転印刷機は、それ
ぞれ圧胴４，５を備えた２つのサテライト形印刷機構
２，３から成っている。これらの圧胴４，５の周りに
は、それぞれ４対のゴム胴６，７および版胴８，９が配
置されている。版胴・ゴム胴対（６，８；７，９）は各
インク機構１０，１１にそれぞれ配属されている。両サ
テライト形印刷機構２，３の間には、給紙装置１２と排
紙装置１３とが配置されている。給紙パイル１４の上面
は、圧胴４，５の軸が位置する水平平面の上方に位置し
ており、排紙パイル１５の上面は、この水平平面の下方
に位置している。枚葉紙１を第１のサテライト形印刷機
構２から第２のサテライト形印刷機構３に搬送するため
に、チェーングリッパシステム１６と、このチェーング
リッパシステムに後置された引渡しグリッパ１７とが設
けられている。それぞれのサテライト形印刷機構２，３
は、固有のモータ１８，１９と各伝動装置２０，２１と
によって駆動される。それぞれ所属の最後の版胴・ゴム
胴対（６，８；７，９）に続いて、両圧胴４，５には、
インクを乾燥させるための乾燥装置２２，２３がそれぞ
れ配置されている。さらに、別の乾燥装置２４がチェー
ングリッパシステム１６の上側区分と下側区分との間に
位置している。版胴８，９に配置された版を形成するた
めに、パターン化ユニット（Ｓｔｒｕｋｔｕｒｉｅｒｕ
ｎｇｓｅｉｎｈｅｉｔ）２５，２６が設けられている。
これらのパターン化ユニットには、デジタル化された画
像データが供給可能である。モータ１８，１９、パター
ン化ユニット２５，２６、乾燥装置２２，２３，２４、
ならびに他の全ての調節エレメントおよび測定エレメン
トを制御する目的で、輪転印刷機全体のために制御兼調
整ユニット（図示せず）が設けられている。

【００１４】枚葉紙１が、給紙パイルから１枚ずつ個別
化されて、圧胴４に設けられた４つのグリッパシステム
のうちの１つに供給される。版胴・ゴム胴対（６，８）
と乾燥装置２２とは、枚葉紙の長辺の４倍に相当する円
周を備えた圧胴４の周りに配置されている。この場合、
１回転する間に、第１の枚葉紙１がグリッパシステム２
７によって把持され、第２および第３の枚葉紙１が、そ
れぞれの版胴・ゴム胴対（６，８）によって印刷され、
第４の枚葉紙１が乾燥させられる。サテライト印刷機構
２によって印刷された枚葉紙１は、チェーングリッパシ
ステム１６の上側区分において、第２のサテライト印刷
機構３に搬送され、同時に乾燥装置２４によってさらに
乾燥させられる。引渡しグリッパ１７によって、これら
の枚葉紙１は、第２の圧胴５に設けられた４つのグリッ
パシステム２８のうちの１つに引き渡される。これらの
枚葉紙１は、最初に印刷された面が圧胴５に接触するよ
うに、第２のサテライト形印刷機構３において印刷され
る。この圧胴５は、インク反発性の表面を有している。
第２の圧胴５における印刷過程は、第１の圧胴４におけ
る印刷過程と同じように行なわれる。このために、サテ
ライト形印刷機構２，３は仮想の中心鉛直平面３０に対
して対称的に配置されている。乾燥装置２３による乾燥
過程の後で、枚葉紙１はチェーングリッパシステム２９
によって排紙パイル１５に排紙される。この排紙パイル
１５は側方で、枚葉紙１の搬送方向に対して横方向に取
り出されるか、または別の処理装置に供給される。版胴
・ゴム胴対（６，８；７，９）は、それぞれ所属の各圧
胴４，５に対して胴入れもしくは胴抜き可能なので、選
択的に、枚葉紙１の各面に３色以下で印刷することもで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による輪転印刷機を概略的に示した図で
ある。

【符号の説明】

１ 枚葉紙、 ２，３ サテライト形印刷機構、 ４，
５ 圧胴、 ６，７ゴム胴、 ８，９ 版胴、 １０，
１１ インク機構、 １２ 給紙装置、 １３ 排紙装
置、 １４ 給紙パイル、 １５ 排紙パイル、 １６
チェーングリッパシステム、 １７ 引渡しグリッ
パ、 １８，１９ モータ、 ２０，２１ 伝動装置、
２２，２３，２４ 乾燥装置、 ２５，２６ パター
ン化ユニット、 ２７，２８ グリッパシステム、 ２
９ チェーングリッパシステム、３０ 中心鉛直平面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 江成 克己 (56)参考文献 特開 平２−18052（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−32847（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−118155（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−179741（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B41F 7/10 B41F 13/10

Claims (17)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 枚葉紙を両面印刷するための輪転印刷機
   であって、 パイルから枚葉紙を個別化するための装置と、個別化さ
   れた枚葉紙を第１の印刷機構に供給するための装置とを
   備えた給紙装置が設けられており、 さらに、第１の印刷機構に後置された第２の印刷機構
   と、枚葉紙を印刷機全体を通して搬送するための装置と
   が設けられていて、この場合、両印刷機構のうちの一方
   の印刷機構が、枚葉紙の表面を印刷するために働き、他
   方の印刷機構が、枚葉紙の裏面を印刷するために働き、 さらに、枚葉紙を搬送してパイルに排紙するための装置
   を備えた排紙装置が設けられており、 輪転印刷機で行なわれる作業過程のための制御兼調整装
   置が設けられている形式のものにおいて、 両印刷機構が、水平方向において相前後して配置された
   サテライト形印刷機構（２，３）として形成されてお
   り、それぞれ所属の圧胴（４，５）の周りに複数の印刷
   装置（６，７，８，９，１０，１１，２５，２６）が配
   置されており、 給紙装置（１２）と排紙装置（１３）とが、両サテライ
   ト形印刷機構（２，３）の間に配置されていることを特
   徴とする、枚葉紙を両面印刷するための輪転印刷機。
2. 【請求項２】 圧胴（４，５）が、共通の１水平平面内
   で軸平行に配置されている、請求項１記載の輪転印刷
   機。
3. 【請求項３】 給紙パイル（１４）の上面が、前記水平
   平面の上方に位置しており、排紙パイル（１５）の上面
   が、前記水平平面の下方に位置している、請求項２記載
   の輪転印刷機。
4. 【請求項４】 排紙パイル（１５）が側方で、枚葉紙
   （１）の搬送方向に対して横方向に取り出し可能であ
   る、請求項１から３までのいずれか１項記載の輪転印刷
   機。
5. 【請求項５】 各印刷装置（６，７，８，９）が、互い
   に個別に胴抜き可能であり、しかもそれぞれ所属の圧胴
   （４，５）からも胴抜き可能である、請求項１から４ま
   でのいずれか１項記載の輪転印刷機。
6. 【請求項６】 両圧胴（４，５）が同期的に駆動可能で
   ある、請求項１から５までのいずれか１項記載の輪転印
   刷機。
7. 【請求項７】 両圧胴（４，５）が歯車伝動装置によっ
   て連結されている、請求項６記載の輪転印刷機。
8. 【請求項８】 両圧胴（４，５）が機械的に互いに遮断
   されており、それぞれモータ（１８，１９）によって駆
   動可能であり、該モータ（１８，１９）が、両圧胴
   （４，５）の間の同期性を調整するために、前記制御兼
   調整装置に接続されている、請求項６記載の輪転印刷
   機。
9. 【請求項９】 両圧胴（４，５）の周りにそれぞれ、４
   つの印刷装置（６，７，８，９，１０，１１，２５，２
   ６）が配置されている、請求項１から８までのいずれか
   １項記載の輪転印刷機。
10. 【請求項１０】 各印刷装置が、オフセット印刷のため
    のゴム胴（６，７）と版胴（８，９）とを有している、
    請求項１から９までのいずれか１項記載の輪転印刷機。
11. 【請求項１１】 版胴（８，９）に、該版胴（８，９）
    に配置された版を形成するための装置（２５，２６）が
    それぞれ配属されていて、該装置が、デジタル化された
    画像データを入力するための入力装置を有しており、該
    入力装置が前記制御兼調整装置に配属されている、請求
    項１０記載の輪転印刷機。
12. 【請求項１２】 排紙装置(１３)に配属された圧胴(５)
    が、インク反発性の表面を有している請求項１から１１
    までのいずれか１項記載の輪転印刷機。
13. 【請求項１３】 サテライト形印刷機構（２，３）の最
    後の印刷装置（６，７，８，９）に続いて、枚葉紙
    （１）の印刷された面を処理するための遮断可能な装置
    （２２，２３）が設けられている、請求項１から１２ま
    でのいずれか１項記載の輪転印刷機。
14. 【請求項１４】 枚葉紙（１）の印刷された面を処理す
    るために、乾燥装置（２２，２３）、および／または冷
    却装置、またはパウダを塗布するための塗布装置が設け
    られている、請求項１３記載の輪転印刷機。
15. 【請求項１５】 第１の圧胴（４）から第２の圧胴
    （５）に枚葉紙（１）を搬送するために、チェーングリ
    ッパシステム（１６）と、該チェーングリッパシステム
    に後置された引渡しグリッパ（１７）とが設けられてい
    る、請求項１から１４までのいずれか１項記載の輪転印
    刷機。
16. 【請求項１６】 第１の圧胴（４）から第２の圧胴
    （５）への枚葉紙の搬送路に、枚葉紙（１）の最初に印
    刷された面におけるインクを乾燥させるための乾燥装置
    （２４）が設けられている、請求項１５記載の輪転印刷
    機。
17. 【請求項１７】 サテライト形印刷機構（２，３）が、
    両サテライト印刷機構（２，３）の間に延びる仮想の中
    心鉛直平面（３０）に対して対称的に形成されている、
    請求項１５記載の輪転印刷機。