JP3328973B2 - 異色シート - Google Patents
異色シートInfo
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Description
下L領域という)とカットパイル領域(以下C領域とい
う)とが濃淡差異色で、かつ鮮明な異色効果を発揮する
自動車内装用の異色シートに関する。
パイルの段階でケン縮を抑制する工夫がないまま、ただ
単にカットするだけで、ループパイルの側面とカットパ
イルの端面との、光の反射の大小などによって、濃淡差
異色を出す試みがなされている。しかしながら、これら
の方法によって得られた異色シートは、両領域間の明度
差(以下△L値という)が5未満で十分な異色効果が得
られておらず、特にL領域またはC領域のいずれかで柄
を出そうとした場合、両領域の境界がボケてしまい品位
の劣るものであった。また実用上では、使用回数を重ね
る内に、両パイル領域が更に不明瞭になり、例えばL領
域またはC領域のいずれかで細い線や文字を柄出しした
場合、線や文字が消失する問題があり、全体として品位
の劣るものであった。
ープパイル単独シートにおいては、異色を得るためにパ
イル長の長短で陰影模様を出したり、プリントによって
多色模様を出すことで、市場に提供している。陰影模様
によるシートは、パイル長の長短によって、光が直接当
たる部分と当たり難い部分との差によって模様を出そう
とするものであるが、△L値は5未満と低く、色調が単
調で品位の劣るものであった。また実用上においても使
用頻度が高くなるにつれてパイル長の長いほうがヘタ
リ、模様が消えてしまう。
色相などの異色を自由に表現することができ、品位も優
れたものが多いが、L領域とC領域の組合わせによる異
色効果は得られていない。パイルシートのプリントは、
工程が繁雑でありコストも高くなるという問題があっ
た。
技術の問題点に鑑み、L領域とC領域との明確な濃淡差
異色が極めて明確で、かつ高級感のある異色シートを提
供せんとするものである。
成するため、次の構成を有する。すなわち、基布とパイ
ルとからなるシートにおいて、該パイルがループパイル
領域とカットパイル領域を構成し、かつ、該パイルのケ
ン縮率が15%以下、該パイルの単繊維空隙率が5%以
上95%以下であることを特徴とする異色シートであ
る。
説明する。図1は、本発明に係る異色シートの一例を示
す模式図である。図1において、ループパイルBとカッ
トパイルCは、基材シート(基布)Aに面を成してタフ
ティングされ、それぞれL領域とC領域を形成してい
る。
イル布帛の断面を示す模式図である。図2では、カット
パイルCは先端で極端に屈曲した形状となっている。
イルを構成する単繊維の断面形状の一例を示す模式図で
ある。図3〜5は凹部を有する断面形状の繊維を示し、
図6は中空の丸断面形状の繊維を示し、図7〜9は凹部
を有する中空の断面形状の繊維を示している。
トにおいて、パイルのケン縮率を15%以下とし、パイ
ルの単繊維空隙率を5%以上95%以下にすると、L領
域とC領域との△L値が拡大される事実を究明し、それ
によって明確な濃淡差異色を達成することに成功したも
のである。本発明において異色シートを構成するパイル
は、同一シート上にループパイル部とカットパイル部と
がそれぞれ領域(L領域、C領域)を構成することが重
要である。これらの領域は、線(帯)状と面、面と面な
どの構成からなり、線(帯)状であれば太さが3mm以
上、面であれば9mm2 以上の面が好ましい。それに対
し、ループパイル1個の曲面とカットパイル1本の端面
とが交互に隣あってミックスされた場合は、視覚的には
混合されるため異色効果が得られない。上記パイルは、
基布の地肌が見えない程度に構成することが好ましい。
15%以下とすることが重要である。ケン縮率が11%
以下であることは好ましい。ケン縮を全く有しないスト
レート糸も本発明に含まれる。一方、パイルのケン縮率
が15%を越えると異色効果が小さくなるので好ましく
ない。
のようにして求めた値をいう。 ケン縮率(%)=100×(a−b)/a ここで、aは50cm長さの試料に0.1 g/dの荷重をか
けた時の繊維長(mm)、bは50cm長さの試料に2mg/dの
荷重をかけた時の繊維長(mm)を示す。
すように、パイルの先端が極端に屈曲して密集してい
る。このように屈曲した繊維は光を受けた時にその光を
反射する面が多いため反射光が多くなり、L領域とC領
域との十分な異色が得られない。本発明はケン縮率を1
5%以下とすることにより、C領域では単繊維単位で先
端が比較的屈曲することなく上方を向いているため、繊
維端面において光が反射される割合が少なく、効率的に
光が吸収され、深みのある濃色を呈する。
率を5%以上95%以下にすることが重要である。本発
明でいうパイルの単繊維空隙率とは、単繊維断面の外接
円において、外接円の面積に対する外接円の面積から単
繊維断面が占める面積を除いた残りの面積の割合をい
う。図10、図11は、本発明でいうパイルの単繊維空
隙率を説明するための説明図である。
は、単繊維断面の外接円の面積に対して、外接円の面積
から単繊維断面が占める面積を除いた残りの面積(斜線
部分)の面積の割合となり、約27%となる。
は、単繊維断面の外接円の面積に対して、外接円の面積
から単繊維断面が占める面積を除いた残りの面積(斜線
部分)の面積の割合となり、約75%となる。
真などによって求めることができる。
は、繊維の集束状態において先端が揃いすぎるため反射
光が多くなり好ましくない。95%を越える場合には、
光によって繊維が透けてしまうため明確な異色効果を得
られないので好ましくない。パイルの単繊維空隙率が1
0%以上90%以下であることは好ましい。単繊維空隙
率を上記範囲内に制御することによって、パイルの先端
においてパイルの先端が広がろうとするため光の反射が
抑えられループパイル部との明確な異色が実現されるも
のと考えられる。また、かかるパイル構成により、高級
感のある外観を得ることができる。
が淡色系で、カットパイル領域が濃色系の濃淡差異色シ
ートを構成し、両領域の△L値が5以上であると、特に
優れた異色効果を発揮する。
明する。ケン縮率15%以下であるパイルを得る方法
は、例えば、染色工程あるいは乾燥工程で潜在ケン縮が
発現しないように、パイルをチーズまたはドラムに巻い
た状態で染色前にスチーム熱処理する方法、染色と同時
に熱固定する方法などを用いることによって得ることが
できる。
温度は95℃以上130℃以下で行なうことが好まし
い。95℃未満であると後の染色工程あるいは乾燥工程
でケン縮発現により異色効果が低減する。130℃を越
えると繊維の風合いが損なわれ、製品の品位が低下す
る。
打ち込んでループパイルとなし、その一部をカットして
カット領域を形成し、ループパイル領域とカットパイル
領域とから構成されるシートとする。
5%以上95%以下とするためには、例えば、断面構造
が一か所以上の凹部を有する形状になるような口金を用
いることによって得ることができる。
のケン縮率が15%以下が保持されるように着色すれば
よい。着色の方法は、原着、糸染め、反染めなど特に限
定されず、適宜選択することができる。
維は、特に限定されないが、ポリアミド系、ポリエステ
ル系、ポリアクリルニトリル系およびこれらの改質繊維
などからなる合成繊維が好ましい。パイルを構成する単
繊維の太さ、長さ、断面形状は、最終目的の品位に合っ
たものを使用することができる。
るようになるとカットパイル、ループパイルとも風合い
が粗硬になるが、細くなりすぎるとヘタリが出るなど実
用上問題になることから、2〜50デニールが好まし
く、10〜30デニールがさらに好ましい。
ル長が揃っていることが好ましい。全体としての長さ
は、5〜20mmの範囲のものが好ましく使用される。パ
イル長が揃わない場合、例えば、ループパイル長に比べ
カットパイル長が極端に長い場合は、L領域とC領域と
の境界が不明瞭になるため、模様がボケてしまう傾向が
あり、また、長期間の使用によりパイルがヘタり、品位
の劣るものになり易い。また、逆にループパイル長が長
い場合には、表面のタッチが粗硬になるばかりでなく、
全体として白けた色合いになる傾向がある。従って、パ
イル長は、ループパイル長に比べカットパイル長は±5
mm程度のものが好ましく使用される。
も一つ凹部を有するものが好ましい。例えば、図3〜5
に示すように、曲玉形、多葉形、H形などが挙げられ
る。なかでも、三葉断面形状のものが好ましい。該繊維
を使用することによってループパイル部のふくらみとカ
ットパイル部の花火のごとき広がりとがうまく調和して
高級感が醸し出され、かつL領域とC領域との△L値が
明確に出すことができる。
形状は中空であることが好ましく、特に好ましい形状
は、多葉形の中空糸である。
って適宜選定すればよいが、木綿、絹、麻などの天然繊
維、または、ポリエステル、ポリアクリルニトリル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの合成繊
維からなる高分子シートを使用することができるが、敷
物の場合ではポリプロピレンが好ましい。
ープ側面で乱反射されるため淡色を呈し、C領域では繊
維がループを形成せず上方を向き、ケン縮率が低いため
先端が屈曲していないので繊維端面において光が吸収さ
れ、深みのある濃色を呈するのである。すなわち、L領
域とC領域における光の吸収と反射による色の違いが生
じるのである。
ける明度の差(△L値)が5以上であることが好まし
い。
に説明する。なお、実施例で使用する測色法は次の方法
で行なった。
って、異色シートのL領域とC領域のL値を測色比較し
て、△L値を求めた。
面形状が三葉であるポリアミドフィラメントをギヤケン
縮法によってケン縮をかけて、単糸繊度15デニールの
バルクド・コンティニュアス・フィラメント(BCF)
を得た。
り、100℃に熱しられた箱型のスチーマの中で30分
間処理し、ケン縮率5%のBCFとした。次に、得られ
たBCFを、L領域とC領域とを自動的に形成するよう
セットされた、タフトマシンを使ってポリプロピレンか
らなる基布に700g/m2 の目付けになるようにタフ
ティングしてL領域とC領域を構成し、単繊維空隙率が
50%のパイルシートを得た。パイル長は、ループパイ
ルが10mm、カットパイルが12mmであった。L領域と
C領域の模様の面積比は3:2で、C領域は全体の40
%であり、シート上で糸断面が占める割合(パイル密
度)は約60%であった。
(SANDZ社製のNylosan BlueN-GFL 167%)を
1%owf、染色助剤(日華化学株式会社製のニューボ
ンTS)を3%owf、硫酸アンモン3%owfをそれ
ぞれ配合した染浴中に投入し、100℃で30分間浴中
染色した。次いで、水洗いして、乾燥し、異色シート
(実施例1)を作成した。また、断面形状が三葉中空の
ポリアミドフィラメントからなるBCFを用いた以外は
実施例1と同様の方法により、単繊維空隙率が75%の
異色シート(実施例2)を得た。得られた異色シートの
△L値を表めた結果を表1に示す。表1に示すように、
本発明に係る異色シート(実施例1、2)は、△L値が
5以上であり、濃淡差が明確で高級感のある異色シート
が得られた。また、6ケ月間使用後の△L値を測定する
と、およそ1〜2%低下するものの△L値は5以上あ
り、耐久性にも優れていた。
ィラメントからなるBCFを、100℃スチーマの中で
30分間熱処理を施さない以外は、実施例1と同様の方
法により異色シートを作成した。ケン縮率は25%であ
った。得られた異色シートの△L値を求めたところ、表
1に示すように、パイルの段階でケン縮発現抑制を行わ
なかったBCF(比較例1)は△L値が4.5と低く異
色効果が小さいものであった。
BCF(単繊維空隙率0%)のパイルを用いた以外は、
実施例1と同様の方法により異色シートを作成した。得
られた異色シートの△L値を求めたところ、表1に示す
ように、空隙率が本発明の範囲外のものは、△L値が
3.2であり、十分な異色効果は得られず品粗なもので
あった。
色シートに比べ、著しく改良された濃淡差異色を有し、
かつ高級感を有するものを提供することができる。
ある。
面を示す模式図である。
繊維の断面形状の一例を示す模式図である。
繊維の断面形状の他の一例を示す模式図である。
繊維の断面形状の他の一例を示す模式図である。
繊維の断面形状の他の一例を示す模式図である。
繊維の断面形状の他の一例を示す模式図である。
繊維の断面形状の他の一例を示す模式図である。
繊維の断面形状の他の一例を示す模式図である。
るための説明図である。
るための他の説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】基布とパイルとからなるシートにおいて、
該パイルがループパイル領域とカットパイル領域を構成
し、かつ、該パイルのケン縮率が15%以下、該パイル
の単繊維空隙率が5%以上95%以下であることを特徴
とする異色シート。 - 【請求項2】パイルを構成する単繊維の断面形状が少な
くとも一つの凹部を有することを特徴とする請求項1記
載の異色シート。 - 【請求項3】パイルを構成する単繊維の断面形状が中空
であることを特徴とする請求項1または2記載の異色シ
ート。 - 【請求項4】ループパイル領域が淡色系であり、カット
パイル領域が濃色系であって、かつ両領域の明度差△L
値が5以上であることを特徴とする請求項1,2または
3記載の異色シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34277592A JP3328973B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-12-22 | 異色シート |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-313355 | 1992-11-24 | ||
JP31335592 | 1992-11-24 | ||
JP34277592A JP3328973B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-12-22 | 異色シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06211078A JPH06211078A (ja) | 1994-08-02 |
JP3328973B2 true JP3328973B2 (ja) | 2002-09-30 |
Family
ID=26567523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34277592A Expired - Fee Related JP3328973B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-12-22 | 異色シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3328973B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102172804B1 (ko) * | 2018-07-13 | 2020-11-02 | 주식회사 불스원 | 차량용 매트 |
-
1992
- 1992-12-22 JP JP34277592A patent/JP3328973B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06211078A (ja) | 1994-08-02 |
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