JPS63203847A - 立毛布帛およびその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、ポリエステルマルチフィラメント糸からな
る起立状のパイルを有し、かつその高さの差による凹凸
柄を備え、乗用車の内装材やインテリア用に好適なモケ
ット調の立毛布帛およびその製造方法に関する。

（従来の技術） ポリエステルマルチフィラメント糸をパイル糸に使用し
たモケット調の立毛布帛において、そのカットパイルで
凹凸柄を形成する方法として、編織物の組織による方法
、すなわち２段パイルまたは振り幅の変化による方法が
知られている。またパイルを形成した後、エンボス加工
または部分的なシャーリングを施す方法が知られている
。また、収縮率の異なる２種以上のパイル糸を用いて編
織し、カットパイルを形成した後、染色に伴う熱処理に
よって一方のカットパイルを他方よりも多く収縮させる
方法が知られている。

（発明が解決しようとする問題点） 従来の立毛布帛は、いずれもカットパイルを構成するフ
ィラメントが長さ方向の各部で同一の断面形状と同一の
染色性を備えていたので、風合および色調が単調で、渋
味に欠けるという問題があった。そして、編織の組織に
よって凹凸柄を形成したものは、凹凸感が単調であり、
シャーリングなどによってパイルをカットするので、得
られる凹凸の変化が小さく、またエンボス加工によるも
のは、凹部のカットパイルが押しつぶされた形となり、
またシャーリングによるものは、凹部のカットパイルが
削り取られ、そのためいずれも立毛布帛の外観となり得
なかった。

この発明は、１本のフィラメント中に細い延伸部と太い
未延伸部とがフィラメントの長さ方向に混在するフィラ
メントからなるマルチフィラメント糸をパイル糸に用い
ることにより、凹凸柄を有し、かつ渋味のある色調の立
毛布帛およびその製造法を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 第１発明は、表面を覆うパイルがパイル長さを異にする
少なくとも２種類のパイルで構成されており、その長い
パイルが延伸マルチフィラメント糸で形成され、短いパ
イルがフィラメントの長さ方向に未延伸部と延伸部とが
混在するフィラメントからなるマルチフィラメント糸で
形成されていることを特徴とする立毛布帛である。

また、第２発明は、ポリエステルマルチフィラメント糸
をパイル糸に使用して起立状のパイルを有する立毛布帛
を製造する方法において、上記のパイル糸として未延伸
部分と延伸部分がフィラメントの長さ方向に混在するフ
ィラメントからなり沸水収縮率３０〜６０％のポリエス
テルマルチフィラメント糸および延伸された通常タイプ
のポリエステルマルチフィラメント糸の少なくとも２種
類の糸を使用して編織し、パイルを形成した後、染色す
ることを特徴とする立毛布帛の製造法である。

（作用） 第１発明において、未延伸部と延伸部とが混在するフィ
ラメントは、太さ斑を有し、未延伸部が太く、延伸部が
細くなっており、かつ未延伸部と延伸部は染料の吸収速
度を異にし、未延伸部の方が延伸部よりも濃色に染色さ
れる。したがって、第１発明の立毛布帛においては、そ
の表面を覆うパイル中、パイル長さの長いパイルは、太
さ斑が無く、かつ比較的淡色を呈するのに対し、パイル
長さの短いパイルは、太さ斑を有し、かつ濃淡２色の混
合した霜降調を呈する。すなわち、パイルの低い凹部が
霜降調を呈し、この凹部に濃色部分が点在することにな
り、パイルの高さの差による凹凸が色調差によって強調
され、渋味のある色調となる。

第２発明において、パイルを形成した後、染色すること
により、１本のフィラメント中に未延伸部と延伸部とが
混在するポリエステルマルチフィラメント糸からなるパ
イルが通常のポリエステルマルチフィラメント糸からな
るパイルよりも多く収縮し、高さが低くなる。そして、
上記の未延伸部と延伸部が混在し太さに斑のあるフィラ
メント中の太い未延伸部は、細い延伸部よりも濃色に染
色される。

この場合、フィラメント中に未延伸部と延伸部が混在す
るポリエステルマルチフィラメント糸を分散染料に可染
性のポリエステルから紡糸し、通常のポリエステルマル
チフィラメント糸をカチオン染料に可染性のポリエステ
ルから紡糸したり。

反対に未延伸部と延伸部が混在するポリエステルマルチ
フィラメント糸をカチオン染料に可染性のポリエステル
から紡糸し１通常のポリエステルマルチフィラメント糸
を分散染料に可染性のポリエステルから紡糸したりする
など、両者の染色性を相違させることにより、色彩変化
が増大する。また、フィラメント中の未延伸部と延伸部
が混在するポリエステルマルチフィラメント糸および通
常タイプのポリエステルマルチフィラメント糸にそれぞ
れ異染色性のものを用いてもよく、この場合は色彩が一
層豊かになる。なお、この発明のパイルは、カットパイ
ルおよびループパイルのいずれでもよいが、カットパイ
ルの方が凹凸差を大きくできる点で好ましい。また、染
色の前に加熱を施すことにより、収縮による凹凸差の発
現が一層顕著になる。また、未延伸部は、延伸部に対し
て染着差を有するものであればよく、必ずしも完全な未
延伸部であることを要しない。

（実施例） 実施例１ 紡糸温度２９０でポリエステル未延伸糸を紡糸し１次い
で自然延伸比以下の延伸倍率で延伸し。

比較的太い未延伸部と比較的細い延伸部とがフィラメン
トの長さ方向に混在する平均繊度７５デニール、３６フ
イラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を得た
。このマルチフィラメント糸は、沸水収縮率３５％であ
り、フィラメントの太い部分が濃染化し、細い部分が淡
染化する性質のものであった。このマルチフィラメント
糸と、沸水収縮率５％、７５デニール、３６フイラメン
トの通常のポリエステルマルチフィラメント延伸糸とを
それぞれパイル糸とし、１００デニール、３６フイラメ
ントのポリエステルマルチフィラメント延伸糸を地糸と
してカールマイヤー社製ＲＤＳＤＰＬＭ型ダブルラッセ
ル機で４８コースＸ２２ウエールの編地を編成し、セン
ターカットを行ない、得られた生機にブラッシングを施
し、１８０℃×４０秒のプレセットを行ない、分散染料
（グレー、住友化学工業株式会社製）で高温染色（１３
０℃×６０分）をした後、乾燥、セットし、シャーリン
グ加工およびブラッシング処理を行なった。その結果、
パイル糸の外観を損なうことなく、自然な感じで濃淡差
のある凹凸柄が得られた。

実施例２ 実施例１で得た太さ斑のあるポリエステルマルチフィラ
メント糸（７５デニール、３６フイラメント、沸水収縮
率３５％）とカチオン染料可染性のポリエステルマルチ
フィラメント糸（７５デニール、３６フイラメント、沸
水収縮率８％）をパイル糸に用い、１００デニール３６
フイラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を地
糸としテカールマイヤー社製ＲＤ６ＤＰＬＭ型ダブルラ
ッセル機で４８コース×２２ウエールの編地を編成し。

センターカットの後、ブラッシング、１８０”ＣＸ４０
秒のプレセットを順に施し、次いで分散染料（グレー）
／カチオン染料（黒）による高温染色（１２０’ＣＸ６
０分）を行なったのち、乾燥、セット、シャーリング加
工およびブラッシング処理を順に施し、パイル糸の外観
を損なうことなく。

自然な感じの凹凸変化および霜降、異色効果が複合的に
組合わされた渋味のある編地が得られた。

（発明の効果） 第１発明は、フィラメントの長さ方向に未延伸部と延伸
部とが混在するフィラメントからなるポリエステルマル
チフィラメント糸および通常のタイプのポリエステルマ
ルチフィラメント糸をそれぞれパイル糸に用いてパイル
を形成し、しかも前者の未延伸部と延伸部が混在するポ
リエステルマルチフィラメント糸によって背の低いパイ
ルを形成し、通常タイプのポリエステルマルチフィラメ
ント糸によって背の高いパイルを形成するものであるか
ら、これらの混在によって凹凸柄が生じ、かつ前者のマ
ルチフィラメント糸からなるパイルの未延伸部が延伸部
よりも太く、この太い未延伸部が細い延伸部よりも濃色
に染色されるので、パイル表面の凹凸変化にパイルの断
面変化および色調の濃淡変化が加わって外観および風合
の変化に富んだ立毛布帛が得られる。

また、第２発明によれば、上記第１発明の立毛布帛を製
造することができる。しかも、パイルを形成した後の染
色処理によって２種のパイル糸を収縮させるので、未延
伸部と延伸部とが混在するフィラメントからなるパイル
が通常タイプのフィラメントからなるパイルよりも余計
に収縮してパイルの高低差が極めて容易に得られる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 〔１〕表面を覆うパイルがパイル長さを異にする少なく
   とも２種類のパイルで構成されており、その長いパイル
   が延伸マルチフィラメント糸で形成され、短いパイルが
   フィラメントの長さ方向に未延伸部と延伸部とが混在す
   るフィラメントからなるマルチフィラメント糸で形成さ
   れていることを特徴とする立毛布帛。 〔２〕ポリエステルマルチフィラメント糸をパイル糸に
   使用して起立状のパイルを有する立毛布帛を製造する方
   法において、上記のパイル糸として未延伸部分と延伸部
   分がフィラメントの長さ方向に混在するフィラメントか
   らなり沸水収縮率３０〜６０％のポリエステルマルチフ
   ィラメント糸および延伸された通常タイプのポリエステ
   ルマルチフィラメント糸の少なくとも２種類の糸を使用
   して編織し、パイルを形成した後、染色することを特徴
   とする立毛布帛の製造法。