JP3328649B2 - 耐塩性吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

耐塩性吸水性樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐塩性吸水性樹脂
の製造方法に関するものである。更に詳しくは、塩類、
特に二価以上の金属イオンを含む水性液体と接した時に
多量の水性液体を吸水する耐塩性吸水性樹脂の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】吸水性樹脂は近年、生理用品、紙おむつ
などの衛生関係、保水剤、土壌改良剤として農園芸関係
あるいは止水剤、結露防止剤として工業用関係に使われ
ており種々の用途に有用である。これらの中でも特に生
理用品、紙おむつなどの衛生関係で吸水性樹脂がさかん
に使用されるようになった。
【0003】この種の吸水性樹脂は、いずれも軽度に架
橋された高分子であり、その例としては、澱粉−アクリ
ロニトリルグラフト共重合体の加水分解物(特公昭49-4
3395号)、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物
(特開昭51-125468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エス
テル共重合体のケン化物(特開昭52-14689号)、ポリア
クリル酸部分中和物(特開昭62-172006 号、特開昭57-1
58209 号、特開昭57-21405号)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの吸水性樹脂は
多量の水もしくは水性液体を吸収する能力に優れている
ものの、汗、血液、尿、海水もしくは地下水等の特に二
価以上の金属イオンを含んだ水性液体を吸収する場合に
は吸水能が著しく低下するという問題点を有する。特に
こうした吸水性樹脂を農園芸用保水剤、土木用止水剤、
地下および海底電線ケーブル用止水剤、地下および海底
光ファイバーケーブル用止水剤に用いる場合、前記問題
点が大きな障害となっているのが実情である。
【0005】従って、本発明の目的は、二価以上の金属
イオンを含んだ水性液体に対してもすぐれた吸水能を有
する耐塩性吸水性樹脂の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。
【0007】即ち、本発明はアミノ基含有水溶性エチレ
ン性不飽和単量体50〜90モル%、およびアルカリ金
属による中和度が40〜100モル%であるアクリル酸
10〜50モル%からなる単量体水溶液を架橋剤、ソル
ビタンモノラウレートおよび水溶性ラジカル重合開始剤
の存在下に逆相懸濁重合させる耐塩性吸水性樹脂の製造
方法に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるアミノ基含有水溶
性エチレン性不飽和単量体としては、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタク
リルアミド、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエ
チルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノプロ
ピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレ
ート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチ
ルアミノプロピルメタクリルアミド等が挙げられ、これ
らの中から選ばれる1種または2種以上を用いることが
できる。好ましくは、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミドである。
【0009】アミノ基含有水溶性エチレン性不飽和単量
体は、50〜90モル%の範囲で使用する必要があり、
50モル%未満の少ない量では、得られる吸水性樹脂の
耐塩性が不充分となり好ましくない。また90モル%を
越えると、得られる吸水性樹脂の耐塩性は満足できる
が、吸水速度が遅く好適な吸水剤とは云い難い。
【0010】この点をさらに詳しく説明すると、吸水性
樹脂が水性液体を吸水する能力を表わす式は次式で示さ
れる。
【0011】
【数1】
【0012】Q:吸水倍率 i /Vu:網目に固定された電荷濃度 S* 外部溶液の電解質のイオン強度 (1/2 −X1) /V1:網目と水の親和力 Ve/Vo:橋かけ密度 (i/(2V u ・S* 1/2))2 :浸透圧
【0013】この式によるとイオン性の単量体の比率が
高い程吸水能が高くなるように思えるが、アクリル酸お
よびアクリル酸塩は海水などに多く含まれている二価以
上のカルシウム、マグネシウム、アルミニウムなどの金
属イオンとイオン架橋が生じ、極度に吸水能が低下し、
吸水性を失なってしまう。それに対し、非イオン性で親
水性が高いアミノ基含有水溶性エチレン性不飽和単量体
が50モル%以上含まれる本発明の吸水性樹脂はイオン
架橋が生じないため、二価以上の金属イオンが存在して
も吸水能が高い吸水性樹脂が得られる。しかし、アミノ
基含有水溶性エチレン性不飽和単量体が90モル%を越
えると、得られた吸水性樹脂が水性液体を吸水する際、
浸透圧が小さいかまたは全く働かないため、吸水性樹脂
と水との親和力だけで水性液体を吸水することになり、
吸水性樹脂の内部に水を引き付ける力が弱く吸水速度が
非常に遅くなる。
【0014】本発明におけるアクリル酸のアルカリ金属
による中和度は、40〜100モル%の範囲にする必要
がある。中和度が40モル%未満では、得られた吸水性
樹脂の浸透圧が小さく吸水速度が遅くなる。一方、アル
カリ金属の添加量として、中和度100 モル%当量を越え
る量を用いて、中和度を100 モル%とした場合、本発明
の耐塩性吸水剤としての性能は有するものの、余分なア
ルカリ金属の存在により得られた吸水性樹脂のpHが高
くなり安全性に問題が生じるのでこのような使用は避け
るべきである。
【0015】本発明におけるアルカリ金属としては、ナ
トリウム、カリウム、リチウム等が挙げられるが、好ま
しくはナトリウム、カリウムである。
【0016】本発明におけるアクリル酸は、10〜50
モル%の範囲で使用する必要がある。10モル%未満で
は得られた吸水性樹脂の吸水速度が遅くなり、50モル
%を越えると、得られた吸水性樹脂の耐塩性が不充分と
なり好ましくない。
【0017】本発明における単量体水溶液のモノマー濃
度は、20重量%〜飽和濃度とするのが望ましく、20
重量%未満では1つの重合槽当りの収量が低下するなど
経済的に不利となり好ましくない。
【0018】本発明における架橋剤は、重合性不飽和基
および/または反応性官能基を2個以上有する架橋剤で
あり、重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチロールプロパン、グリセリンポリオキシエチレング
リコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリ
セリン等のポリオール類のジまたはトリ(メタ)アクリ
ル酸エステル類、前記ポリオール類とマレイン酸、フマ
ール酸などの不飽和酸類とを反応させて得られる不飽和
ポリエステル類、N,N−メチレンビスアクリルアミド
などのビスアクリルアミド類、ポリエポキシドと(メ
タ)アクリル酸とを反応させて得られるジまたはトリ
(メタ)アクリル酸エステル類、トリレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのポリイソ
シアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを
反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエ
ステル類、アリル化デンプン、アリル化セルロース、ジ
アリルフタレート、N,N',N"−トリアリルイソシア
ヌレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。 (本明細
書においては、「アクリル酸」等と「メタアクリル酸」
等を合わせて「 (メタ) アクリル酸」等と表示する。)
【0019】これらの中でエチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレー
ト、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート、ジアリルフタレート、N,N',
N" −トリアリルイソシアヌレート、N,N' −メチレ
ンビスアクリルアミド等が通常使用される。
【0020】反応性官能基を2個以上有する架橋剤は、
例えば、ジグリシジルエーテル化合物、ハロエポキシ化
合物、イソシアネート化合物等であり、これらの中では
特にジグリシジルエーテル化合物が適している。ジグリ
シジルエーテル化合物の具体例としては、(ポリ)エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセ
リンジグリシジルエーテル等があり、中でもエチレング
リコールジグリシジルエーテルが最も好適な結果を与え
る(本明細書においては「エチレングリコール」等と
「ポリエチレングリコール」等を合わせて「(ポリ)エ
チレングリコール」等と表示する)。この他ハロエポキ
シ化合物としてはエピクロルヒドリン、エピブロムヒド
リン、α−メチルエピクロルヒドリン等が、イソシアネ
ート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート等があり、いずれ
も本発明で使用できる。架橋剤は一般に単量体1モルに
対して 0.000001 モル〜0.1モルであり、好ましくは0.
00001 モル〜0.01モルである。架橋剤が 0.000001 モル
未満では吸水性樹脂の吸水時のゲル強度が向上しないた
め好ましくなく、また0.1モルを越えると吸水量が極度
に低下するため好ましくない。
【0021】本発明におけるラジカル重合開始剤として
は、一般に使用される水溶性ラジカル重合開始剤である
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウ
ム等が適し、これらは亜硫酸塩等とを併用してレドック
ス系開始剤として用いることも可能である。
【0022】ラジカル重合開始剤の使用量は、単量体に
対して 0.005〜1.0モル%の範囲が適当であり、0.005
モル%未満では重合反応に多大な時間を要し、1.0モル
%を越えると、急激な重合反応が起こり危険であるので
好ましくない。
【0023】本発明における吸水性樹脂は、水溶液重合
あるいは界面活性剤および/または高分子保護コロイド
の存在下に石油系炭化水素溶媒中で逆相懸濁重合のいず
れでも製造できる。
【0024】このようにして得られた吸水性樹脂は、特
に農園芸用保水剤、土木用止水剤、地下および海底電線
ケーブル用止水剤、地下および海底光ファイバーケーブ
ル用止水剤等の土壌改良分野、工業用分野において優れ
た性能を発揮する。
【0025】耐塩性吸水剤としての使用方法は、通常の
吸水剤の場合と同様に例えば、本発明の吸水性樹脂をそ
のまま、あるいはこれをゴムおよび/または熱可塑性樹
脂等と混練したのち成形したものや、不織布あるいは紙
に保持させたもの等を上記の分野に有効に利用できる。
【0026】
【実施例】以下、実施例、参考例および比較例により本
発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
り限定されるものではない。
【0027】各実施例において、吸水性樹脂の性能は以
下に示す方法により測定した。 (1)人工海水吸水量 吸水性樹脂1gを200mLの人工海水(アクアマリン
(八洲薬品(株)製)に分散させ、1時間撹拌し、充
膨潤させたのち、200メッシュの金網で濾過し
た。得られた膨潤樹脂重量を測定し、吸水量とした。
【0028】(2)0.9%NaCl水溶液吸水量 吸水性樹脂1gを200mLの0.9%NaCl水溶液に分
散させ、1時間撹拌し、充分膨潤させたのち、200メ
ッシュの金網で濾過した。得られた膨潤樹脂重量を測定
し、吸水量とした。
【0029】(3)純水吸水量 吸水性樹脂0.5gを1Lの純水に分散させ、1時間撹拌
し、充分膨潤させたのち、200メッシュの金網で濾過
した。得られた膨潤樹脂重量を求め、Xgとし、(1) 式
により吸水量を算出した。 純水吸水量(g/g) =X/0.5 (1)
【0030】(4)pH 吸水性樹脂1gを200mLの0.9%NaCl水溶液に
分散させ、1時間撹拌し、充分膨潤させ、ミキサーにて
ゲルを粉砕後、その水溶液のpHを測定した。
【0031】(5)吸水速度 10×10cmのペーパータオル製の袋に吸水性樹脂1g
を入れ、ティーバッグを作製した。このティーバッグを
0.9%NaCl水溶液1Lを入れたビーカーに浸し、1
分、2分および5分後にそれぞれ取り出し、水滴が落ち
なくなるまで水きりし、重量測定をし、時間ごとの吸水
量を求め、Xgとした。
【0032】また別に吸水性樹脂を入れないティーバッ
グを作製し、同様に試験し、時間ごとの吸水量を求め、
Agとした。
【0033】そして、時間ごとの吸水速度は(2) 式によ
り求めた。 吸水速度(g/g) =(X) − (A) (2)
【0034】参考例1 撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管
を付した1Lの四つ口円筒型丸底フラスコにn−ヘプタ
ン550mLをとり、HLB13.1の界面活性剤ヘキサ
グリセリルモノベヘニレート(商品名:ノニオンGV−
106、日本油脂(株)製)1.38gを添加分散し、
50℃まで加温し、溶解した後、35℃まで空冷した。
別に、500mLの三角フラスコ中に80重量%アクリル
酸水溶液23gをとり、外部より氷冷しつつ、17.5
重量%水酸化ナトリウム水溶液52.7gを滴下して9
0モル%の中和を行った。次に、31重量%アクリルア
ミド水溶液175.6g、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル9.2mgおよび過硫酸カリウム0.11
gを加えて溶解した。このアクリル酸部分中和塩−アク
リルアミド混合水溶液を四つ口フラスコの中へ滴下し、
撹拌分散させた。次に、系内の窒素置換を行いながら昇
温を行い、浴温を70℃に保持して重合反応を行った。
水およびn−ヘプタンを蒸留で除去、乾燥することによ
って、82.5gの吸水性樹脂を得た。得られた樹脂に
ついて、前記(1)〜(5)の各種性能を測定し、その
結果を表1に示した。
【0035】参考例2 撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管
を付した1Lの四つ口円筒型丸底フラスコに80重量%
アクリル酸水溶液31.0gをとり、外部より氷冷しつ
つ、13.0重量%水酸化ナトリウム水溶液95.5g
を滴下して、90モル%の中和を行った。次に、25重
量%アクリルアミド水溶液293.9gとN,N’−メ
チレンビスアクリルアミド20.0mgを加え、30℃
以下でよく撹拌溶解する。そして、過硫酸アンモニウム
0.1gと亜硫酸水素ナトリウム0.025gを加え、
溶解し、30分間窒素でよく脱気する。50℃の温浴に
て昇温し、以後、内温にあわせ温浴の温度を90℃まで
加温する。その後、温浴を90℃にて1時間保持し、重
合を完結させる。
【0036】この重合物を粗砕、乾燥、粉砕することに
より、110.4gの吸水性樹脂を得た。得られた樹脂に
ついて、前記(1)〜(5)の各種性能を測定し、その
結果を表1に示した。
【0037】実施例 参考 例1と同じ装置にn−ヘプタン550mLをとり、H
LB8.6のソルビタンモノラウレート(商品名ノニ
オンLp−20R、日本油脂(株)製)1.84gを添
加分散した。別に、500mLの三角フラスコ中に80重
量%アクリル酸水溶液46gをとり、外部より氷冷しつ
つ、18.4重量%水酸化ナトリウム水溶液83.2g
を滴下して75モル%の中和を行った。次に35重量%
アクリルアミド水溶液103.7g、エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル2.0mgおよび過硫酸カリウム
0.11gを加えて溶解した。このアクリル酸部分中和
塩−アクリルアミド混合水溶液を四つ口フラスコの中へ
滴下し、撹拌分散させ、以後の操作は参考例1と同様に
行い、88.1gの吸水性樹脂を得た。得られた樹脂に
ついて、前記(1)〜(5)の各種性能を測定し、その
結果を表1に示した。
【0038】参考 参考 例1と同じ装置にn−ヘプタン550mLをとり、H
LB3.0 のショ糖ジ・トリステアレート (商品名:シ
ュガーエステルS−370、三菱化成食品(株)製)
2.76gを添加分散し、50℃まで加温し、溶解した
後、35℃まで空冷した。別に、500mLの三角フラス
コ中に80重量%アクリル酸水溶液23gをとり、外部
より氷冷しつつ、17.5重量%水酸化ナトリウム水溶
液52.7gを滴下して90モル%の中和を行った。次
に、31重量%アクリルアミド水溶液175.6g、
N,N’−メチレンビスアクリルアミド9.2mgおよび
過硫酸カリウム0.11gを加えて溶解した。このアク
リル酸部分中和塩−アクリルアミド混合水溶液を四つ口
フラスコの中へ滴下し、撹拌分散させた。次に、系内の
窒素置換を行いながら昇温を行い、浴温を70℃に保持
して重合反応を行った。水およびn−ヘプタンを蒸留で
除去、乾燥することによって、83.1gの吸水性樹脂
を得た。得られた樹脂について、前記(1)〜(5)の
各種性能を測定し、その結果を表1に示した。
【0039】参考 参考のN,N’−メチレンビスアクリルアミドの添
加量を23mgに増やした以外は、参考と同様に行
い、83.6gの吸水性樹脂を得た。得られた樹脂につ
いて、前記(1)〜(5)の各種性能を測定し、その結
果を表1に示した。
【0040】参考 参考 例1の17.5重量%水酸化ナトリウム水溶液5
2.7gの代わりに、11.2重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液45.4gで50モル%の中和を行った以外
は、参考例1と同様に行い、81.3gの吸水性樹脂を
得た。得られた樹脂について、前記(1)〜(5)の各
種性能を測定し、その結果を表1に示した。
【0041】参考 参考のアクリル酸部分中和塩−アクリルアミド混合
水溶液の代わりに、80重量%アクリル酸13.8gを
17.4重量%の水酸化ナトリウム水溶液31.6gで
90モル%の中和を行い、31重量%アクリルアミド水
溶液199.0gを用い、また、N,N’−メチレンビ
スアクリルアミド9.2mgの代わりに、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテルの添加量を46mgとした以外
は、参考と同様に行い、80.7gの吸水性樹脂を
得た。得られた樹脂について、前記(1)〜(5)の各
種性能を測定し、その結果を表1に示した。
【0042】参考 参考 例1のエチレングリコールジグリシジルエーテル
9.2mgの代わりに、(n=14)ポリエチレングリコ
ールジメタクリレート9.2mgを用いた以外は、参考
1と同様に行い、83.2gの吸水性樹脂を得た。得ら
れた樹脂について、前記(1)〜(5)の各種性能を測
定し、その結果を表1に示した。
【0043】実施例 実施例の18.4重量%水酸化ナトリウム水溶液8
3.2gの代わりに、13.6重量%水酸化ナトリウム
水溶液75.2gを用いて50モル%の中和を行った以
外は、実施例と同様に行い、84.8gの吸水性樹脂
を得た。得られた樹脂について、前記(1)〜(5)の
各種性能を測定し、その結果を表1に示した。
【0044】参考 参考の17.5重量%水酸化ナトリウム水溶液5
2.7gの代わりに、13.3重量%水酸化ナトリウム
水溶液57.8gを用い、31重量%アクリルアミド水
溶液175.6gの代わりに、28重量%メタクリルア
ミド水溶液230.0gを用いた以外は、参考と同
様に行い、82.6gの吸水性樹脂を得た。得られた樹
脂について、前記(1)〜(5)の各種性能を測定し、
その結果を表1に示した。
【0045】参考 参考 例1のアクリル酸部分中和塩−アクリルアミド混合
水溶液の代わりに、80重量%アクリル酸水溶液46.
0gを8.3重量%水酸化ナトリウム水溶液123.6
gで50モル%の中和を行い、25重量%N,N−ジメ
チルアクリルアミド202.0gを用いた以外は、参考
例1と同様に行い、99.4gの吸水性樹脂を得た。得
られた樹脂について、前記(1)〜(5)の各種性能を
測定し、その結果を表1に示した。
【0046】参考10 参考 例2の13.0重量%水酸化ナトリウム水溶液9
5.5gの代わりに、15.1重量%水酸化カリウム水
溶液115.4gを用いた以外は、参考例2と同様に行
い、116.9gの吸水性樹脂を得た。得られた樹脂に
ついて、前記(1)〜(5)の各種性能を測定し、その
結果を表1に示した。
【0047】参考例11 参考 例2の13.0重量%水酸化ナトリウム水溶液9
5.5gの代わりに、15.4重量%水酸化ナトリウム
水溶液を、中和度100モル%当量を越える量として9
8.5gを用いた以外は、参考例2と同様に行い、11
3.4gの吸水性樹脂を得た。得られた樹脂について、
前記(1)〜(5)の各種性能を測定し、その結果を表
1に示した。表1から明らかなように、吸水能、吸水速
度等は他の参考例と同等であるが、pH値が高いため、
粉体の取扱い時に安全上の問題が生ずる。
【0048】比較例1参考 例1のアクリル酸部分中和塩−アクリルアミド混合
水溶液の代わりに、80重量%アクリル酸水溶液92g
を15.4重量%水酸化ナトリウム水溶液199.8g
で75モル%の中和を行い、アクリル酸部分中和塩水溶
液とした以外は、参考例1と同様に行い、96.5gの
吸水性樹脂を得た。得られた樹脂について、前記(1)
〜(5)の各種性能を測定し、その結果を表1に示し
た。
【0049】比較例2参考のアクリル酸部分中和塩−アクリルアミド混合
水溶液の代わりに、31重量%アクリルアミド水溶液2
34.1gを用いた以外は、参考と同様に行い、7
6.2gの吸水性樹脂を得た。得られた樹脂について、
前記(1)〜(5)の各種性能を測定し、その結果を表
1に示した。
【0050】比較例3参考 例1のアクリル酸部分中和塩−アクリルアミド混合
水溶液の代わりに、80重量%アクリル酸水溶液73.
6gを15.4重量%水酸化ナトリウム水溶液159.
9gで75モル%の中和を行い、31重量%アクリルア
ミド水溶液46.8gを用いた以外は、参考例1と同様
に行い、91.5gの吸水性樹脂を得た。得られた樹脂
について、前記(1)〜(5)の各種性能を測定し、そ
の結果を表1に示した。
【0051】比較例4参考 例1のアクリル酸部分中和塩−アクリルアミド混合
水溶液の代わりに、80重量%アクリル酸水溶液46.
0gを5.1重量%水酸化ナトリウム水溶液80.0g
で50モル%の中和を行い、31重量%アクリルアミド
水溶液117.1gを用いた以外は、参考例1と同様に
行い、79.3gの吸水性樹脂を得た。得られた樹脂に
ついて、前記(1)〜(5)の各種性能を測定し、その
結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られた耐塩性吸水
性樹脂は工業用分野、土壌改良分野および衛生分野等に
好適である。
【0054】すなわち本発明の製造方法で得られた耐塩
性吸水性樹脂は、アミノ基含有水溶性エチレン性不飽和
単量体の非イオン性とアルカリ金属による中和度が40
〜100モル%であるアクリル酸のアニオン性をバラン
スよく持ち合せているため、第1に、汗、血液、尿、地
下水はもちろんのこと、海水のように二価以上の金属イ
オンを多く含む水性液体でも高い吸水能力を有するこ
と、第2に、水性液体を吸水する際に浸透圧および水と
の親和力が作用するため早い吸収速度を有することが挙
げられる。
【0055】そのうえ、一旦吸収した水は圧力下でも長
時間保持する性質を有することが挙げられる。以上の様
に本発明の製造方法で得られた耐塩性吸水性樹脂は種々
の利点により、特に農園芸用保水剤、土木用止水剤、地
下および海底電線ケーブル用止水剤、地下および海底光
ファイバーケーブル用止水剤等の土壌改良分野、工業用
分野において優れた性能を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B01F 17/56 A61F 13/18 307A (C08F 220/54 220:06) 審査官 中村 泰三 (56)参考文献 特開 平1−268701(JP,A) 特開 昭62−39608(JP,A) 特開 平1−141938(JP,A) 特開 平1−126314(JP,A) 特開 昭60−55011(JP,A) 特開 昭60−245608(JP,A) 特開 昭56−131608(JP,A) 特開 昭58−117222(JP,A) 特開 昭62−12655(JP,A) 特開 昭59−62665(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/32 A61F 13/53 A61L 15/60 B01J 20/26 C08F 220/54

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ基含有水溶性エチレン性不飽和単
    量体50〜90モル%、およびアルカリ金属による中和
    度が40〜100モル%であるアクリル酸10〜50モ
    ル%からなる単量体水溶液を架橋剤、ソルビタンモノラ
    ウレートおよび水溶性ラジカル重合開始剤の存在下に逆
    相懸濁重合させる耐塩性吸水性樹脂の製造方法
  2. 【請求項2】 アミノ基含有水溶性エチレン性不飽和単
    量体が、アクリルアミド、メタクリルアミドまたはN,
    N−ジメチルアクリルアミドである請求項1記載の耐塩
    性吸水性樹脂の製造方法
  3. 【請求項3】 アルカリ金属が、ナトリウムまたはカリ
    ウムである請求項1記載の耐塩性吸水性樹脂の製造方
  4. 【請求項4】 単量体水溶液のモノマー濃度が、20重
    量%〜飽和濃度である請求項1記載の耐塩性吸水性樹脂
    の製造方法
  5. 【請求項5】 架橋剤が、エチレングリコールジアクリ
    レート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
    レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
    ジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレー
    ト、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチ
    レングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコー
    ルジメタクリレート、ジアリルフタレート、N,N',
    N" −トリアリルイソシアヌレート、N,N' −メチレ
    ンビスアクリルアミド、エチレングリコールジグリシジ
    ルエーテル、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリ
    ン、α−メチルエピクロルヒドリン、2,4−トリレン
    ジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネー
    トからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項
    1記載の耐塩性吸水性樹脂の製造方法
  6. 【請求項6】 架橋剤の添加量が、単量体1モルに対し
    て、0.000001モル〜0.1モルである請求項1または5記
    載の耐塩性吸水性樹脂の製造方法
  7. 【請求項7】 水溶性ラジカル重合開始剤が、過硫酸カ
    リウム、過硫酸アンモニウムまたは過硫酸ナトリウムで
    ある請求項1記載の耐塩性吸水性樹脂の製造方法
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