JP3328359B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3328359B2 JP06878093A JP6878093A JP3328359B2 JP 3328359 B2 JP3328359 B2 JP 3328359B2 JP 06878093 A JP06878093 A JP 06878093A JP 6878093 A JP6878093 A JP 6878093A JP 3328359 B2 JP3328359 B2 JP 3328359B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置およびその
製造方法に関し、特に半導体基板または下層配線と上層
配線との間の接続孔を埋め込みながら、上層配線の優先
結晶配向性を制御しつつ上下層を接続する半導体装置お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体基板または下層配線
(以下、代表的に下層配線という)と上層配線とを接続
するために両層間に介在する層間絶縁膜に接続孔(コン
タクトホールまたはビュア)を開口し、この接続孔を直
接上層配線材料で埋め込んだり、あるいは導電膜で埋め
込んだ後に上層配線を積層することが行われている。こ
こで配線材料としてはアルミニウム(Al)がよく用い
られている。
【0003】一方、半導体装置の微細化、高集積化が進
むにつれて浅い拡散層において配線材料であるアルミニ
ウムの拡散層へのスパイクや基板シリコンのアルミニウ
ム配線への析出などの問題が生じてきている。そのた
め、電極配線材料としてアルミニウム中にあらかじめ1
%程度のシリコンが混入されたアルミニウム合金の使
用、および、アルミニウム合金とシリコン拡散層のコン
タクト部にアルミニウムとシリコンの相互拡散を防ぐた
めに拡散バリア層(バリアメタルと呼ぶ)を用いるよう
になっている。これは、接続孔の埋め込み、すなわちプ
ラグを形成する際においても同様である。
【0004】バリアメタルとして現在最も有望な材料と
考えられているのが窒化チタン(チタンナイトライド)
である。チタンナイトライド(TiN)は、バリア性に
優れているのみならず比較的低抵抗であること、および
同じチタン化合物であるチタンシリサイドによりシリコ
ン基板との低抵抗コンタクトを容易に実現できるため成
膜に連続性がもてること、さらにコンタクト孔にタング
ステンプラグを適用する場合タングステンとの密着性に
優れていること等がその理由である。
【0005】アルミニウムまたはアルミニウム合金配線
のエレクトロマイグレーション(EM)耐性には(11
1)に配向した膜が優れているといわれており、そのた
めの方法として特開平3−262127号公報には、T
iN膜を(111)に配向させてその上に(111)配
向のAl配線層を形成させる方法が開示されている。
【0006】一方、接続孔を埋め込むためのコンタクト
プラグとして、バリアメタルにTiNを用いたタングス
テン(W)プラグの代わりにCVD−TiNプラグを単
に埋め込む技術がAbstract of the 1991 International
Conference on Solid StateDevices and Materials, Y
okohama, 1991, pp.210−212に開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平3−
262127号公報においては、バリア性と高信頼性を
持つバリアメタルである(111)配向のTiN膜は、
Tiをスパッタ法で直接堆積することにより成膜した後
に窒化することにより、あるいは反応性スパッタリング
法によって成膜されており、コンタクトプラグ形成には
不向きであるという問題があった。
【0008】しかしながら、チタンナイトライドを従来
のCVD法で成膜した場合、配線に利用できるような膜
質が得られるのは(200)に配向した場合であり、
(111)に配向したチタンナイトライド膜はバリアメ
タルの本質的な目的である拡散バリア層として機能が悪
くなることが報告されている。
【0009】上述のCVD−TiNでコンタクトホール
を埋め込む方法では、埋め込み材料であるTiNの配向
性について何ら考慮されていないため、被覆性を考慮す
ると従来のCVD−TiNでは(200)に配向したT
iNで埋め込むこととなり、膜質は良好で配線に適した
ものとなるが、上層の配線材料であるAlの配向性も
(200)となってしまい、(111)に配向しないた
め配線の信頼性が低下するという問題があった。一方、
CVD法によって(111)に配向したTiNを形成
し、コンタクトホールを埋め込む場合、CVD−TiN
(111)は膜質が十分とはいえず、配線抵抗の上昇や
バリア性の低下を招く等の問題があった。
【0010】すなわち、従来のコンタクト用のCVD−
TiN技術では、積層するAlのEM耐性が良好な配向
膜の形成性を考慮した技術となっていなかった。この原
因は、Alの(111)配向性膜形成に有利な、(11
1)配向のCVD−TiNを実現する場合には、一般に
被覆性が劣化する傾向に有るからである。従って、(1
11)配向性のCVD−TiNにより良好な被覆性を実
現することは困難であった。
【0011】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、半導体基板もしくは下層配線と上層配線とを接
続するために、上下配線層間の接続孔を埋め込みなが
ら、アルミニウムまたはその合金からなる上層配線の下
地として拡散バリア性と配線の高信頼性を併せ持つバリ
アメタルとなる被覆性の良い(111)配向窒化チタン
膜を形成することにより、上層配線の優先結晶配向性を
制御して、配線層を平坦化するとともに高信頼の配線の
実現と工程の簡略化を図った半導体装置およびその製造
方法を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、上層のアルミニウムまたはその合金
配線の下地にバリアメタルとして用いられる窒化チタン
の配向性と被覆性について鋭意研究した結果、被覆性を
支配する表面反応と供給反応に於いて、表面反応領域の
プロセス条件に於いても、従来のシリコン、酸化シリコ
ン上では(200)配向となるが、Ti(002)上で
は(111)配向となることを見いだし、本発明に至っ
たものである。
【0013】すなわち、本発明の第1の態様は、半導体
基板上の導電性領域または下層配線と上層配線を接続す
る接続孔において、この接続孔の底面の導電性領域また
は下層配線上に形成された(200)に配向した第1の
窒化チタン膜と、この第1の窒化チタン膜上に表面被覆
率50%以上で形成された第2の窒化チタン膜の結晶配
向性を制御する薄膜もしくは粒と、この薄膜もしくは粒
上に積層されたこの薄膜もしくは粒によって(111)
に配向した第2の窒化チタン膜と、この第2の窒化チタ
ン膜上に積層された、前記上層配線層を構成するアルミ
ニウムまたはその合金膜とを有することを特徴とする半
導体装置を提供するものである。
【0014】また、本発明の第2の態様は、半導体基板
上の導電性領域または下層配線とアルミニウムまたはそ
の合金からなる上層配線との間の接続孔を介して前記半
導体基板または下層配線と上層配線とを接続して半導体
装置を製造するに際し、まず、前記接続孔の底面の前記
半導体基板の導電性領域または下層配線上に(200)
に配向する条件で(200)に配向した窒化チタンをC
VD法により堆積して、前記接続孔の全部を埋め込むま
たは前記接続孔の底表面および側表面を覆う、(20
0)に配向した第1の窒化チタン膜を形成し、次いで、
この第1の窒化チタン膜上に(111)に配向した第2
の窒化チタン膜の形成に有効な薄膜もしくは前記第1の
窒化チタン膜上に散在する第2の窒化チタン膜の核成長
中心となる粒を表面被覆率50%以上で被覆し、次い
で、CVD法により同一の条件で、上層配線層を構成す
るアルミニウムまたはその合金の配向性を(111)と
させるのに有効な(111)に配向した第2の窒化チタ
ン膜を形成した後、この第2の窒化チタン膜の上に前記
上層配線層を構成するアルミニウムまたはその合金膜を
積層することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供
するものである。
【0015】また、本発明の第3の態様は、半導体基板
上の導電性領域または下層配線とアルミニウムまたはそ
の合金からなる上層配線との間の接続孔を介して前記半
導体基板または下層配線と上層配線とを接続して半導体
装置を製造するに際し、まず、前記接続孔の底面の前記
半導体基板の導電性領域または下層配線上に(200)
に配向する条件でCVD法により(200)に配向した
窒化チタンを堆積して、前記接続孔の上縁部を超えて
(200)に配向した第1の窒化チタン膜を形成し、次
いで、前記接続孔の上縁上に積層された第1の窒化チタ
ン膜をエッチバックした後、続いて、この第1の窒化チ
タン膜上に(111)に配向した第2の窒化チタン膜の
形成に有効な薄膜あるいは散在する第2の窒化チタン膜
の核成長中心となる粒を表面被覆率50%以上で被覆
し、次いで、上層配線層を構成するアルミニウムまたは
その合金の配向性を(111)とさせるのに有効な(1
11)に配向した第2の窒化チタン膜を形成した後、こ
の第2の窒化チタン膜の上に前記上層配線を構成するア
ルミニウムまたはその合金膜を積層することを特徴とす
る半導体装置の製造方法を提供するものである。
【0016】ここで、前記薄膜あるいは粒、前記第2の
窒化チタン膜およびアルミニウムまたはその合金膜は、
スパッター法により形成されるのが好ましい。また、上
記各態様において、前記薄膜あるいは粒は、チタンであ
るのが好ましい。
【0017】また、本発明の第4の態様は、半導体基板
上の導電性領域または下層配線とアルミニウムまたはそ
の合金からなる上層配線との間の接続孔を介して前記半
導体基板または下層配線と上層配線とを接続半導体装置
の製造するに際し、まず、前記接続孔の底面の前記半導
体基板の導電性領域または下層配線上に(200)に配
向する条件で(200)に配向した窒化チタンをCVD
法により堆積して、前記接続孔の全部を埋め込むまたは
前記接続孔の底表面および側表面を覆う、(200)に
配向した第1の窒化チタン膜を形成し、次いで、この第
1の窒化チタン膜上に(111)に配向した第2の窒化
チタン膜の形成に有効なチタン膜を形成し、続いて、こ
のチタン膜の一部を窒化処理して(111)に配向した
第2の窒化チタン膜を形成した後、この第2の窒化チタ
ン膜の上に前記上層配線層を構成するアルミニウムまた
はその合金膜を積層することを特徴とする半導体装置の
製造方法を提供するものである。
【0018】
【発明の作用】本発明の半導体装置およびその製造方法
は、半導体基板上の導電性領域もしくは下層配線と上層
配線とを接続する接続孔を含むコンタクト部において、
予め被覆性に優れた(200)に配向した窒化チタン
(TiN)膜をコンタクト部分に被覆性良く形成した
後、TiNの配向性を(111)に変えるための薄膜層
を一旦形成し、再び、TiN(111)配向膜を形成す
ることにより、コンタクト部を埋め込み、上層のアルミ
ニウム(Al)またはその合金(以下、Al系合金とい
う)配線を形成することによりなる配線接続構造を持つ
半導体装置およびその製造方法である。この際、Al系
合金配線は(111)に配向する結果、優れたEM耐性
を実現することができる。このTiNの配向性を変える
ための薄膜層は表面被覆率50%以上であれば、薄膜状
のチタンでもよいし、チタン粒子(原子)が散在して被
着している場合でもよい。本発明は半導体基板とのコン
タクトだけでなく、多層金属配線間にも適用することが
できる。また、半導体基板表面がシリサイド化されてい
る場合にも、同様な効果がえられる。
【0019】本発明の第2の態様の半導体装置の製造方
法においては、コンタクト部の一部または全部をCVD
法によりTiN(200)で被覆または埋め込んだ後に
TiNの配向性を変える薄膜層を表面被覆率50%以上
で被覆し、再びCVD法により同一条件下でTiN(1
11)配向膜を形成し、例えば、CVD法またはスパッ
タ法によって上層Al系合金配線層を形成する。また、
本発明の第3の態様においては、コンタクト部の全部を
CVD法によりTiN(200)で埋め込んだ後、エッ
チバックして平坦化し、例えば、スパッター法等によっ
て、TiN配向性制御薄膜層、TiN(111)および
Al系合金配線層を形成する。さらに本発明の第4の態
様では、コンタクト部へのCVD法によるTiN(20
0)の堆積後、Ti膜を積層後、このTi膜の表面側の
一部を窒化処理してTiN(111)を形成後、Al系
合金配線層を堆積する。
【0020】
【実施例】本発明に係る半導体装置およびその製造方法
を添付の図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明す
る。
【0021】図1(a),(b),(c)および(d)
は、それぞれ本発明の第1の態様の半導体装置の実施例
を示す断面構造模式図である。以下の実施例において
は、下層の半導体基板として第一導電型シリコン基板、
TiNの配向性を(111)に変える薄膜の材料として
チタン(Ti)、上層配線としてアルミニウム(Al)
を用いる場合を代表例として説明するが、本発明はこれ
に限定されないことはいうまでもない。
【0022】図1(a)に示す本発明の半導体装置の一
実施例のコンタクト部の構造は、本発明の第2の態様の
半導体装置の製造方法によって得られるもので、この実
施例においては、第一導電型のシリコン基板1上に形成
された反対導電型の高濃度拡散層領域2があり、この高
濃度拡散層領域2上の層間絶縁膜(例えば、BPSGな
ど)3を開孔して、アルミニウム6と窒化チタン(11
1)5とチタン7と窒化チタン(200)4とを構成要
素とする上層配線層と高濃度拡散層2を電気的に接続す
るための接続孔がある。この接続孔の底面のシリコン高
濃度拡散層2および側面ならびに周辺の絶縁膜3表面上
には被覆性がよく、膜質が良好でバリア性が有効な(2
00)配向窒化チタン4が被覆、積層されている。ま
た、この接続孔は主に(111)に優先配向した窒化チ
タン5により埋め込まれており、接続孔部から絶縁膜3
上にわたって形成されている。この窒化チタン5上に
(111)配向のアルミニウム6が形成されている。ま
た、(200)配向窒化チタン4の上で、窒化チタン5
の下地には窒化チタンの(111)優先配向を促進する
のに有効なチタン7が少なくとも、(200)配向窒化
チタン4の表面上に少なくとも50%以上の被覆率で存
在する。ここでは、高濃度拡散層2について示したが、
あらかじめ、基板表面がシリサイド化されていても同様
な効果を得ることができる。また、チタン層7が連続す
る膜となっている場合には(002)結晶配向している
と、より窒化チタンの(111)結晶配向を促進する効
果がある。
【0023】図1(b)に示す本発明の半導体装置のコ
ンタクト部の構造は、本発明の第2および第4の態様の
半導体装置の製造方法によって得られるもので、この実
施例においては、第一導電型のシリコン基板1上に形成
された反対導電型の高濃度拡散層領域2があり、この高
濃度拡散層領域2上の絶縁膜3を開孔して、アルミニウ
ム6と窒化チタン(111)5とチタン7と窒化チタン
(200)4とを構成要素とする上層配線層と高濃度拡
散層2を電気的に接続するための接続孔がある。この接
続孔の底面のシリコン高濃度拡散層2および側面ならび
に周辺の絶縁膜3表面上には被覆性がよく、膜質が良好
でバリア性が有効な(200)配向窒化チタン4が被
覆、積層されている。この接続孔は主に(111)に優
先配向したアルミニウム6により埋め込まれており、接
続孔部から絶縁膜3上にわたって形成されている。この
アルミニウム6の下地には(111)配向の窒化チタン
5が形成されている。また、窒化チタン5の下地には窒
化チタンの(111)優先配向を促進するのに有効なチ
タン7が少なくとも、(200)配向窒化チタン4の表
面上に少なくとも50%以上の被覆率で存在する。ここ
では、高濃度拡散層2について示したが、あらかじめ、
基板表面がシリサイド化されていても同様な効果を得る
ことができる。また、チタン層7が連続する膜となって
いる場合には(002)結晶配向していると、より窒化
チタンの(111)結晶配向を促進する効果がある。
【0024】図1(c)に示すコンタクト部の構造は、
本発明の第2および第4の態様の半導体装置の製造方法
によって得られるもので、この実施例においては、第一
導電型のシリコン基板1上に形成された反対導電型の高
濃度拡散層領域2があり、この高濃度拡散層領域2上の
層間絶縁膜(例えば、BPSGなど)3を開孔して、ア
ルミニウム6と窒化チタン(111)5とチタン7と窒
化チタン(200)4を構成要素とする上層配線層と高
濃度拡散層2を電気的に接続するための接続孔があり、
その底面のシリコン高濃度拡散層2および側面および周
辺の絶縁膜3の表面上に対し被覆性がよく、膜質が良好
でバリア性が有効な(200)に配向した窒化チタン4
により完全に埋め込まれており、接続孔部から絶縁膜3
上にわたって形成されている。また、窒化チタン(20
0)4の上には窒化チタン(111)5の下地として窒
化チタンの(111)優先配向を促進するのに有効なチ
タン7が少なくとも、(200)配向窒化チタン4の表
面上に少なくとも50%以上の被覆率で存在している。
このチタン7の上には(111)に優先配向した窒化チ
タン5が形成され、この窒化チタン(111)5上に
(111)配向のアルミニウム6が形成されている。こ
こでは、高濃度拡散層について示したが、あらかじめ、
基板表面がシリサイド化されていても同様な効果を得る
ことができる。また、チタン層7が連続する膜となって
いる場合には(002)結晶配向していると、より窒化
チタンの(111)結晶配向を促進する効果がある。
【0025】次に、図1(a),(b),(c)および
(d)に示すコンタクト部の構造を持つ本発明の半導体
装置の各実施例についての製造方法の具体的実施例につ
いて、図2および図3に示す工程図を用いて具体的に説
明する。
【0026】図2(a)〜(d)および(e)は、図1
(a)に示すコンタクト部の構造を得るための本発明の
第2の態様の半導体装置の製造方法の一実施例につい
て、各工程をコンタクト部の断面構造模式図により示し
たものである。図2(a)に示すように、第一導電型の
シリコン基板1上には反対導電型の高濃度拡散層領域2
が形成されていた。酸化シリコンからなる層間絶縁膜3
を基板1上に約1μm形成し、この高濃度拡散層領域2
上の絶縁膜3をパターニングした後、ドライエッチング
により除去し、0.2μm径の接続孔を開孔した。
【0027】次いで、図2(b)に示すように、CVD
法により(200)に配向した窒化チタン4を、接続孔
の底面の高濃度拡散層2および接続孔側面の絶縁膜3の
表面ならびに接続孔外の絶縁膜3の上表面上に膜厚0.
02μmだけ形成した。この時窒化チタン5の成膜条件
は、真空度0.1Torr、基板加熱温度650℃、T
iCl4 蒸気が2sccm、アンモニアガスおよび水素
ガスの流量が共に10sccmであった。この条件はシ
リコン、酸化シリコン上に形成すると窒化チタン4の優
先結晶配向が(200)となる条件であった。(20
0)配向窒化チタン4の被覆性は良好であった。ところ
で、CVD法による(200)配向窒化チタン膜の膜厚
は5nm以上あればよい。続いて、図2(c)に示すよ
うに、スパッターによりチタン膜7を窒化チタン(20
0)4上に形成した。チタン7は接続孔外の平坦部では
窒化チタン(200)4上に膜厚5nmだけ形成した。
また、高濃度拡散層2上に相当する接続孔の底面部分で
は、チタン7は50%以上の被覆率で形成されていた。
【0028】続いて、図2(d)では窒化チタン5をチ
タン7上に形成した。この時の窒化チタン5の成膜条件
は真空度0.1Torr、基板加熱温度650℃、Ti
Cl 4 蒸気が2sccm、アンモニアガスおよび水素ガ
スの流量が共に10sccmであった。この条件は、酸
化シリコン上に形成すると窒化チタン5の優先結晶配向
が(200)となる条件であるが、予めチタン7を形成
しているので、チタン7の影響により(111)に優先
結晶配向した。また、被覆性は良好であり、形成膜厚を
0.1μmとすることにより、接続孔は窒化チタン5に
より埋め込むことができた。最後に、図2(d)ではア
ルミニウム6をスパッター法により窒化チタン5上に約
0.8μm形成した。窒化チタン5は(111)に優先
結晶配向しており、アルミニウム6は同様に(111)
に優先結晶配向した。このアルミニウム6/窒化チタン
5/チタン7からなる上層配線層はパターニングされ
て、上層配線となった。ここで、チタン7は連続膜でな
くても、上述の一定(50%)以上の被覆性を持って形
成されているならば、同様に窒化チタン5は(111)
に優先結晶配向する。
【0029】ここで、前記薄膜、もしくは核成長中心粒
または原子を前記半導体基板の導電性領域もしくは下層
配線上に被覆率50%以上で被覆するのは、50%以上
の被覆において、TiN(111)の良好な優先結晶配
向が得られるという理由による。
【0030】ここでは、高濃度拡散層2上について示し
たが、あらかじめ、基板表面がシリサイド化されていて
も同様な効果を得ることができる。また、チタン層が連
続する膜となっている場合には(002)結晶配向して
いると、より窒化チタンの(111)結晶配向を促進す
る効果がある。なお、アルミニウム6はCVD法によっ
て形成することができ、この場合にも(111)配向窒
化チタン5を下地としているので、(111)に配向す
る。
【0031】なお、図2(e)に示すように、本発明の
第2の態様においては、図2(c)に示すチタン7を形
成後、同一成膜条件でCVD法によって形成される窒化
チタン(111)5の膜厚を0.05μmとすること
で、十分な優先結晶配向を得ることができ、アルミニウ
ム6をCVD法により窒化チタン5上に全圧1Torr
で250℃(CH3 2 AlHをH2 キャリアーでチャ
ンバーに導入して約0.8μm形成し、接続孔をアルミ
ニウム6により完全に埋め込むことができた。この場合
にも、0.05μmの膜厚の窒化チタン5は十分に(1
11)に優先結晶配向しており、アルミニウム6は同様
に(111)に優先結晶配向した。このアルミニウム6
/窒化チタン5/チタン7からなる上層配線層をパター
ニングして、上層配線とすることができた。こうして、
図1(b)に示すコンタクト部の構造を得ることができ
た。なお、この場合には、(111)配向窒化チタン5
をスパッタ法によって成膜してもよい。
【0032】図3(a)〜(d)は、図1(c)に示す
コンタクト部の構造を得るための本発明の第1の配線接
続方法の別の実施例について、各工程をコンタクト部の
断面構造模式図により示したものである。図3(a)に
示すように、第一導電型のシリコン基板1上には反対導
電型の高濃度拡散層領域2が形成されていた。酸化シリ
コンからなる層間絶縁膜3を基板1上に約1ミクロン形
成し、この高濃度拡散層領域2上の絶縁膜3をパターニ
ングした後、ドライエッチングにより除去し、0.2μ
m径の接続孔を開孔した。
【0033】次いで、図3(b)に示すように、CVD
法により(200)に配向した窒化チタン4を、接続孔
の底面の高濃度拡散層2および接続孔側面の絶縁膜3の
表面ならびに接続外の絶縁膜3の上表面上に形成した。
膜厚0.1μmとすることにより、接続孔を完全に埋め
込むことができた。この時窒化チタン5の成膜条件は、
真空度0.1Torr、基板加熱温度650℃、TiC
4 蒸気が2sccm、アンモニアガスおよび水素ガス
の流量が共に10sccmであった。この条件はシリコ
ン、酸化シリコン上に形成すると窒化チタン4の優先結
晶配向が(200)となる条件であった。(200)配
向窒化チタン4の被覆性は良好であった。続いて、図3
(c)に示すように、スパッターによりチタン膜7を
(200)配向窒化チタン4上に形成した。チタン7は
窒化チタン4上に膜厚が5nmだけ形成した。ここで、
チタン7は接続孔底面においても50%以上の被覆率で
形成されていた。
【0034】次いで、図3(d)では窒化チタン5をチ
タン7上に形成した。この時の窒化チタン5の成膜条件
は真空度0.1Torr、基板加熱温度650℃、Ti
Cl 4 蒸気が2sccm、アンモニアガスおよび水素ガ
スの流量が共に10sccmであった。この条件は、酸
化シリコン上に形成すると窒化チタン5の優先結晶配向
が(200)となる条件であるが、予めチタン7を形成
しているので、チタン7の影響により(111)に優先
結晶配向した。また、被覆性は良好であり、形成膜厚を
0.05ミクロンとした。0.05ミクロンとすること
で十分な(111)優先結晶配向となった。図3(d)
ではアルミニウム6をスパッター法により窒化チタン5
上に約0.8ミクロン形成した。窒化チタン5は(11
1)に優先結晶配向しており、アルミニウム6は同様に
(111)に優先結晶配向した。このアルミニウム6/
窒化チタン5/チタン7からなる上層配線層はパターニ
ングされて、上層配線となった。ここで、チタン7は連
続膜でなくても、上述の一定(50%)以上の被覆性を
持って形成されているならば、同様に窒化チタン5は
(111)に優先結晶配向する。
【0035】ここでは、高濃度拡散層2上について示し
たが、あらかじめ、基板表面がシリサイド化されていて
も同様な効果を得ることができる。また、チタン層が連
続する膜となっている場合には(002)結晶配向して
いると、より窒化チタンの(111)結晶配向を促進す
る効果がある。
【0036】図3(a),(b),(e),(f)は、
図1(d)に示すコンタクト部の構造を得るための本発
明の第3の態様の配線接続方法の別の実施例について、
各工程をコンタクト部の断面構造模式図により示したも
のである。図3(a)および図3(b)に示す工程は、
本発明の第2の態様の配線接続方法において、説明した
ので省略する。図3(b)に示すように(200)配向
窒化チタン4を用いて接続孔を完全に穴埋めした後、図
3(e)に示すように窒化チタン4をCl2 ガスにより
エッチバックした後、スパッター法によりTi8/Ti
N9/Al10を積層した。スパッターTi8上のスパ
ッターTiN9は(111)に優先結晶配向しており、
スパッターAl(アルミニウム)10は同様に(11
1)に優先結晶配向した。このアルミニウム10/窒化
チタン9/チタン8からなる上層配線層11はパターニ
ングされて、上層配線となる。ここで、チタン8は連続
膜でなくても、50%以上の被覆性を持って形成されて
いるならば、窒化チタン9は(111)に優先結晶配向
する。
【0037】ここでは、高濃度拡散層2上について示し
たが、あらかじめ、基板表面がシリサイド化されていて
も同様な効果を得ることができる。また、チタン層8が
連続する膜となっている場合には(002)結晶配向し
ていると、より窒化チタン9の(111)結晶配向を促
進する効果がある。
【0038】なお、本発明の第4の態様の配線接続方法
は、図2(c)および図3(c)の工程において、チタ
ン膜7を0.05μmに成膜した後で、その表面側の一
部を窒化処理(窒素ガス中でRTA処理(急速加熱処
理))することにより、(111)配向窒化チタン5を
形成するもので、図2(e)すなわち図1(b)および
図3(d)すなわち図1(c)に示す構造のコンタクト
部を得ることができる。ここで、この窒化処理条件はN
3 1000sccm、800℃、30secのランプ
アニールとすることができる。
【0039】上述した実施例においては、半導体基板1
の導電性領域2と上層配線層を構成するアルミニウム6
または10との間の接続孔における配線接続方法につい
て説明したが、本発明はこれに限定されず、Al等から
なる多層金属配線における下層配線と上層配線間の接続
孔に適用するものであってもよい。また、上層配線およ
び下層配線を構成する金属としてAlを代表例として説
明したが、本発明はこれに限定されず、Al合金、C
u、Cu合金などを用いてもよい。
【0040】上記実施例においては、第1および第2の
TiN膜をCVD法によって成膜し、そのCVDの原料
系として、TiCl4 /NH3 /H2 系を用いている
が、本発明はこれに限定されず、TiN膜の成膜におい
ても、その原料系は、チタン化合物を含む系であれば、
特に制限的ではなく、例えば、TiBr4 、TiI4
どのハロゲン化チタンを用いるものやジエチルアミノチ
タンなどの有機化合物なども用いることができる。また
CVDのTiN成膜条件も、上記実施例に限定されず、
半導体基板上に直接成膜した時に膜質の良好なTiNを
成膜する条件であればよく、例えばTiCl4 /NH3
/H2 系で、基板温度を650〜750℃、TiCl4
とNH3 の分圧比を1:1〜1:25、NH3 とH2
分圧比を1:0〜1:1、全圧を10mTorr〜10
Torrとすることができる。また、CVD−Al(1
11)の成膜条件も上記実施例に限定されない。
【0041】上記実施例においては、(111)配向T
iN膜5および9の下地に薄膜としてスパッタ法によっ
てTi7および8を被覆したけれども、Ti7および8
を被覆する方法は、特に制限されず、(002)配向T
i7および8を(200)配向TiN膜4上に表面被覆
率50%以上に被覆できればどのような方法であっても
よい。また、上記実施例においては、この(002)配
向Ti7は、CVD−TiN5の配向性を決定する成膜
初期の核形成、すなわち将来(111)配向となるTi
Nの核形成に用いられるものである。
【0042】また、上述の例では、上記薄膜の材料とし
て、Tiを挙げているが、本発明はこれに限定されず、
TiN5または9の膜の配向性がアルミニウム系合金配
線の配向性を良好に制御する配向性となるようにするこ
とができれば、どのような材料であってもよい。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の半導体装
置およびその製造方法によれば、半導体基板または下層
配線と上層配線との間の接続孔を埋め込みながら、バリ
ア性の有効な(200)配向窒化チタン膜と上層アルミ
ニウム系合金配線の(111)配向を促進する(11
1)配向窒化チタン膜(特に、CVD−TiN(11
1)膜)を積層することができるので配線の平坦化がで
きるばかりか、高信頼性の極めて優れた配線を形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a),(b),(c)および(d)は、本
発明に係る半導体装置の接続孔部の各実施例の構造を示
す断面図である。
【図2】 (a)〜(d)および(e)は、本発明の半
導体装置の製造方法の実施例の工程図である。
【図3】 (a)〜(d)および(e),(f)は、本
発明の半導体装置の製造方法の別の実施例の工程図であ
る。
【符号の説明】
1 第1導電型シリコン基板 2 反対導電型高濃度拡散層 3 層間絶縁膜 4 CVD−TiN(200) 5 CVD−TiN(111) 6 Al(111) 7 Ti 8 スパッタTi 9 スパッタTiN 10 スパッタAl 11 上層配線(Ti/TiN/Al積層配線)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−264258(JP,A) 特開 平5−13366(JP,A) 特開 平3−262127(JP,A) 特開 平6−260445(JP,A) 特開 平5−190493(JP,A) 欧州特許出願公開525637(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/28 - 21/288 H01L 21/3205 - 21/3213 H01L 21/768

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上の導電性領域または下層配線
    とアルミニウムまたはその合金からなる上層配線との間
    の絶縁膜に開孔された接続孔を介して前記導電性領域ま
    たは下層配線と上層配線とを接続して半導体装置を製造
    するに際し、 まず、前記接続孔の底面の前記半導体基板の導電性領域
    または下層配線上から当該接続孔周辺の前記絶縁膜表面
    上にかけて(200)に配向する条件で(200)に配
    向した窒化チタンをCVD法により堆積して、前記接続
    孔の全部を埋め込むまたは前記接続孔の底表面および側
    表面を覆う、(200)に配向した第1の窒化チタン膜
    を形成し、 次いで、この第1の窒化チタン膜上に(111)に配向
    した第2の窒化チタン膜の形成に有効なチタン薄膜もし
    くは前記第1の窒化チタン膜上に散在する第2の窒化チ
    タン膜の核成長中心となるチタン粒を表面被覆率50%
    以上で被覆し、 次いで、CVD法によりシリコン、酸化シリコン上に形
    成すると優先結晶配向が(200)になる条件で、上層
    配線層を構成するアルミニウムまたはその合金の配向性
    を(111)とさせるのに有効な(111)に配向した
    第2の窒化チタン膜を形成した後、 この第2の窒化チタン膜の上に前記上層配線層を構成す
    るアルミニウムまたはその合金膜を積層することを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
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