JP3325508B2 - 射出成形機の金型取付け構造 - Google Patents

射出成形機の金型取付け構造

Info

Publication number
JP3325508B2
JP3325508B2 JP35270497A JP35270497A JP3325508B2 JP 3325508 B2 JP3325508 B2 JP 3325508B2 JP 35270497 A JP35270497 A JP 35270497A JP 35270497 A JP35270497 A JP 35270497A JP 3325508 B2 JP3325508 B2 JP 3325508B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
movable
key
fixed
platen
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35270497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11179759A (ja
Inventor
秀樹 中野
Original Assignee
山一精工株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 山一精工株式会社 filed Critical 山一精工株式会社
Priority to JP35270497A priority Critical patent/JP3325508B2/ja
Publication of JPH11179759A publication Critical patent/JPH11179759A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3325508B2 publication Critical patent/JP3325508B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、合成樹脂等を射
出成形して射出成品を製造する射出成形機の技術分野に
属し、特に、金型の振動や熱膨張に対しても位置ズレを
生じさせない射出成形機の金型取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂等を射出成形してプラス
チックス製品を作る装置として射出成形機が知られてい
る。この種の射出成形機の基本的な構成は、図7に示す
ように、金型を構成する固定部材102及び可動部材1
03と、固定部材102が取り付けられる固定側定盤1
04と、可動部材103が取り付けられる可動側定盤1
05とを備え、上記固定部材102と可動部材103と
の間に形成される射出空間Tに成形材料が射出されるも
のである。このような射出成形機101としては、上記
固定部材102と可動部材103とが水平方向に配置さ
れる射出成形機101の他、上下方向に配置される射出
成形機に大別される。
【0003】そして、上記固定部材102と固定側定盤
104、上記可動部材103と可動側定盤105とは、
位置決めピン106aとボルト107aを介して取り付
けられている。例えば、可動側定盤105の正面図であ
る図8のように、可動側定盤105の中心をずらした等
間隔の4ケ所にボルト107aを螺合するボルト穴10
7bを形成すると共に、この各ボルト穴107bの間に
位置決めピン106aを挿入するピン穴106bを4ケ
所に等間隔に形成することにより、上記位置決めピン1
06aにより位置決めした後、上記ボルト107aを介
して金型が取り付けられる。したがって、可動側定盤1
05を油圧シリンダー等を介して水平方向に可動させる
ことにより、金型の型締め、型開きが行われる。なお、
上記金型の位置決めによる取り付けは、固定部材2と固
定側定盤4との間が先に行われ、この際、ロケートリン
グ108によってセンター合わせが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、射出成形機
の特徴は、高い圧力で金型の隅々まで均一に成形材料を
充填し、精度の高い射出成品を高い生産性で連続的に成
形することにある。また、精密な温度コントロールも要
求される。したがって、金型を構成する固定部材102
と可動部材103とは、射出時の高い圧力や高い温度で
も高精度に保たれる必要があるが、これら固定部材10
2と可動部材103とを各々取り付ける固定側定盤10
4と可動側定盤105との間でも取り付け精度が厳しく
要求される。
【0005】しかしながら、従来の射出成形機101
は、上記ボルト107aや位置決めピン106aを介し
て取り付けられていたので、金型の取り付け精度を厳し
くするには限界があった。その理由としては、位置決め
ピン106aを使用すると、ボルト穴107bやピン穴
106bとの間でクリアランスをある程度大きく設計し
なければならないことにある。それは、ピン穴106b
の大きさにも言えることであるが、ピン穴106bとピ
ン穴106bとの間隔L5にも言えることである。例え
ば、図8に示す可動側定盤105の場合、ピン穴106
bピン穴106bとの寸法公差L5は、200mmであ
り、約±0.02mmに設計されている。また、上記ピ
ン穴106bは、直径約±0.01mmに設計されてい
る。
【0006】また、上記可動部材103と可動側定盤1
05とは、型締め、型開きのために一体となって可動す
るが、この可動の際の振動やエジェクター等の振動によ
ってクリアランス量の分だけ取り付け位置がズレてしま
うことにある。この場合の振動による位置ズレは、上記
可動側定盤105の上下方向のみならず、回転方向にも
生じる。特に、金型が水平方向に配置される射出成形機
101の場合には、可動部材103や可動側定盤105
等の荷重もその要因となる。さらに、加熱された金型の
温度と常温の可動側定盤105等との間に生じる熱膨張
差によって位置ズレが生じさせることが挙げられる。こ
れらの要因により、金型の取り付け精度を長期間維持で
きず、この結果、高精度な射出成品を製造できない問題
を有していた。
【0007】そこで、本発明は、金型の取り付け精度が
高く、しかも、金型等の振動や熱膨張に対しても位置ズ
レを生じさせない射出成形機の金型取付け構造を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
射出成形機の金型取付け構造は、上記課題を解決するた
めに、金型を構成する固定部材及び可動部材と、固定部
材が取り付けられる固定側定盤と、可動部材が取り付け
られ一体となって可動する可動側定盤とを備え、上記可
動部材と可動側定盤とが、これら可動部材と可動側定盤
の少なくとも一方においてその中心を基準として放射状
に形成されるキー溝と、この放射状のキー溝に嵌合する
キーにより位置決めされていることを特徴とする。
【0009】この請求項1に係る発明によれば、上記放
射状のキー溝にキーを嵌合させることにより、上記可動
部材と可動側定盤の中心を定めて位置決めされるため
に、高精度に取り付けることができる。また、この中心
を定めて位置決めされることにより、金型等の振動や加
熱温度による熱膨張差を効率よく吸収して、可動部材と
可動側定盤との位置ずれを生じさせることがなくなる。
【0010】本発明の請求項2記載の射出成形機の金型
取付け構造は、上記課題を解決するために、金型を構成
する固定部材及び可動部材と、固定部材が取り付けられ
る固定側定盤と、可動部材が取り付けられ一体となって
可動する可動側定盤とを備え、上記固定部材と固定側定
盤とが、これら固定部材と固定側定盤の少なくとも一方
においてその中心を基準として放射状に形成されるキー
溝と、この放射状のキー溝に嵌合するキーにより位置決
めされていることを特徴とする。
【0011】この請求項2に係る発明によれば、上記放
射状のキー溝とキーにより、上記固定部材と固定側定盤
とが隙間なく高い寸法精度で取り付けられる。また、こ
の中心を定めて位置決めされることにより、金型等の振
動や加熱温度による熱膨張差を効率よく吸収して、熱膨
張差を生じさせることなくなる。
【0012】本発明の請求項3記載の射出成形機の金型
取付け構造は、前記キーが、固定部材、可動部材、固定
側定盤、又は、可動側定盤に一体に設けられていること
を特徴とする。
【0013】この請求項3に係る発明によれば、上記キ
ーが一体に設けられた固定部材等を固定側定盤等のキー
溝に嵌合させるだけで、金型を容易に位置決めして取り
付けることができる。
【0014】本発明の請求項4記載の射出成形機の金型
取付け構造は、前記キーは、その上方側と下方側とで幅
をずらした変位させた構造とされていることを特徴とす
る。
【0015】この請求項4に係る発明によれば、上記キ
ー溝とキーにより可動部材等と可動側定盤等との位置決
めにズレが生じている場合、上記変位したキーを種々変
更して位置決めすることができるため、このズレを調整
することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照しながら説明する。本実施の形態は、図1に示
すように、固定部材2と可動部材3と固定側定盤4と可
動側定盤5を備え、これら固定部材2と可動部材3の間
に合成樹脂材等が射出される射出空間Tが形成され、こ
の射出空間Tに成形材料が射出充填される構成の射出成
形機1である。
【0017】上記固定部材2と可動部材3は、金型を構
成する部材であり、この固定部材2は、ベース板2aと
一体とされており、他方、上記可動部材3は、スペーサ
部材3bを介してベース板3aにボルトB3により固定
されている。そして、可動部材3に設けられるガイドピ
ン3dが固定部材2のガイドピン穴2hに嵌合されてい
る。また、上記可動部材3側には、ノックアウトピン7
aとこのノックアウトピン7aを保持する保持板7bと
受け板7cが設けられている。さらに、上記可動部材3
と保持板7bとの間にはバネ部材8が介在され、上記受
け板7cの背面側には、油圧式や機械式のエジェクター
のピストン部材9が貫通穴9aを介して押圧されるよう
になっている。したがって、この射出成形機1は、タイ
バー12を介して、上記可動部材3と可動側定盤5とが
一体となって水平方向に可動することにより、金型の型
締め、型開きが行われる。
【0018】本実施の形態の金型を構成する固定部材2
と可動部材3は、鋼材(例えば、SKD11)が使用さ
れ、取り付け端面の形状が正方形で全体がブロック状の
ものである。具体的には、固定部材2の取り付け端面の
一辺は、約250mmであり、厚さは約120mmであ
る。また、可動部材3の取り付け端面の一辺は、約25
0mmであり、厚さは約180mmである。本実施の形
態の金型は、1個の金型に1個の射出空間Tが形成され
るもので説明するが、1個の金型に多数個の射出空間T
が形成される多数個取りの金型でも良い。なお、図示し
ないが、上記固定部材2と可動部材3には加熱ヒータが
内蔵されていたり、温水或いは油が流れる穴が形成され
ている。
【0019】また、可動側定盤5は、可動部材3を取り
付けるもので、取り付け端面の形状が正方形で全体がブ
ロック状のものである。この可動側定盤5は、上記固定
側定盤4とともに、プラテンとも呼ばれるもので、これ
らの材質は、上記固定側定盤4とともに、鋼材が使用さ
れている。可動側定盤5の取り付け端面の一辺は、約3
50mmであり、厚さは約100mmである。この可動
側定盤5には、可動部材3を水平方向に可動させるため
の上記ピストン部材9が貫通する貫通穴9bが形成され
ている。また、この可動側定盤5の四隅には、ボルト止
めするためのボルト穴6bが形成されている。なお、こ
の可動側定盤5には、断熱部材が一体に設けられている
ものもあるが、ここでは省略する。
【0020】そして特に、上記可動部材3と可動側定盤
5とは、図2に示すように、キー溝10a,10bとキ
ー11Aにより位置決めされて取り付けられている。キ
ー溝10aは、キー11Aを嵌合させるものであり、可
動側定盤5の取り付け端面の中心から外周部に向かって
放射状に4本形成されている。すなわち、可動側定盤5
の中心を基準として、十字状になるように形成されてい
る。そして、可動側定盤5の中心では、上記貫通穴9a
が形成されているために、中心を外して形成されてい
る。一方、可動部材3のベース板3aの取り付け面に
も、上記キー溝10aに対応するキー溝10bが形成さ
れている。これらのキー溝10a,10bは、断面凹状
のもであるが、角部に面取りが施されたものでも断面半
円形状のものでも良い。
【0021】このような構成のキー溝10a,10b
は、十字状に形成されているために、上記中心を基準に
交差する直線状に形成されている。すなわち、可動側定
盤5の中心位置では形成されていないが、これらのキー
溝10a,10bの延長線上に上記可動側定盤5の中心
が位置することとなっている(図4に示す中心線S1,
S2参照)。
【0022】他方、キー11Aは、上記キー溝10a,
10bに嵌合するブロック状の部材である。このキー1
1Aは、鋼材(例えば、SKD11)で作られており、
上記十字状のキー溝10a,10bに各々嵌合させるた
めに4個設けられている。本実施の形態のキー11A
は、上記可動部材3や可動側定盤5とは別体のものであ
り、このため、このキー11Aとキー溝10aに形成さ
れる2つのボルトB2によりボルト止めされている。
【0023】上記キー11Aの長さは、キー溝10a,
10bの長さと同じでも、短いものでも、又、長いもの
でも良い。キー11Aがキー溝10a,10bの長さよ
りも短い場合には、キー溝10a,10bにキー11A
が嵌合されない空間部が形成されることとなるが、この
空間部は、金型2,3の熱や可動側定盤5に伝達する熱
を逃がす働きを有することとなる。上記キー11Aとし
ては、上記十字状のキー溝10a,10bに対応させた
十字状とするように、放射状のキー溝10a,10bの
形状に対応させた多数の放射状のものでも良い。このよ
うに、本実施の形態は、キー溝10a,10bにキー1
1Aを嵌合させるものであるから、クリアランスをでき
る限り小さくすることができる。具体的には、本実施の
形態のキー溝10a,10bの寸法公差L1は、約±
0.005mm、キー11Aの寸法公差L2は、約±
0.001mmに設計されている。
【0024】ここで、上記キー溝10a,10bとして
は、可動側定盤5等の中心を基準として放射状に形成さ
れるものであれば、図4(a)(b)に示すように、可
動側定盤5の対角線上に形成されるものであっても、上
記十字状と対角線上のものとを組み合わせたようなもの
でも良い。
【0025】また、上記キー11Aとしては、図5に示
すように、その厚さ方向の中央部で変位させたキー11
Bを使用することが可能である。このキー11Bは、嵌
合される可動部材3側と可動側定盤5側とで同じ幅間隔
L3,L4を保ちながら、上方側と下方側で幅を変位さ
せたものである。したがって、この変位させたキー11
Bを種々用意しておき、上記十字状のキー溝10a,1
0bの直線状の対向する位置に各々嵌合させることによ
り微妙な位置ズレZを調整できるようになっている。こ
のような、変位したキー11Bの使用は、上記放射状の
溝10a,10bを形成する際に、僅かなズレZが生じ
た場合に、このズレZを吸収することが可能である。
【0026】さらに、上記キー11Aは、図6に示すよ
うに、固定側定盤4又は可動側定盤5に一体に設けられ
ているものでも良い。すなわち、前記キー11Aは、上
記キー溝10a,10bに対応する位置において固定部
材2と可動部材3とに一体に設けられている。なお、上
記前記キー11Aを固定部材2又は可動部材3に一体に
設けられているものでも良い。このように、一体に形成
することにより、可動部材3と可動側定盤5とのいずれ
か一方にキー溝10a,10bを形成すれば足りること
となる。また、ボルトB2も不要となる。さらに、上記
キー11Aとしては、金型の熱の伝導を少なくするため
に、キー11Aの表面に凹凸を形成するなどして、その
形状に変化を持たせることも可能である。
【0027】したがって、このような構成のキー11A
を介して、固定部材2及び可動部材3に各々固定側定盤
4と可動側定盤5とを位置決めすることにより、位置決
めピンを使用せずとも、位置決めが容易に行われること
となる。また、このような構成により取り外しも容易と
なり、金型のスピーデイな交換が可能である。
【0028】次に、上記固定側定盤4は、固定部材2を
取り付けるもので、取り付け端面の形状が正方形で全体
がブロック状のものである。この固定側定盤4の取り付
け端面の一辺は、約350mmであり、厚さは約100
mmである。この固定側定盤4の中央には、図1に示す
ように、射出ノズル14が入ってくる円形状の穴4aが
形成されている。ただし、この円形状の穴4aには、通
常配されるロケートリングは設けられていない。ロケー
トリングは、固定側定盤5と金型の位置合わせ(センタ
ー合わせ)をするものであるが、後述するように敢えて
設ける必要はないからである。上記射出ノズル14は、
射出空間Tに接して成形材料を充填させるもので、図示
しない供給ホッパーから成形材料を供給して上記射出空
間Tに送り込む。
【0029】そして特に、図3に示すように、固定部材
2と固定側定盤4とは、上記可動部材3と可動側定盤5
と同じように、キー溝10a,10bとキー11Aによ
り取り付けられている。すなわち、固定側定盤4の中心
を基準として放射状にキー溝10aが4本形成されてい
る。一方、固定部材2のベース板2aの取り付け面にも
上記キー溝10aに対応するキー溝10bが形成されて
いる。そして、上記キー溝10a,10bに嵌合するキ
ー11AがボルトB2によりボルト止めされている。な
お、上記固定部材2と固定側定盤4とは、可動部材3側
と同じように、外周の四隅部に形成されるボルト穴6b
にボルトB1を螺合させて取り付けられるようになって
いる。
【0030】次に、本実施の形態の射出成形機の金型取
付け構造を使用して、金型を構成する固定部材2及び可
動部材3を固定側定盤4、可動側定盤5に取り付ける場
合には、以下のように位置決めして取り付ける。
【0031】まず、図1において、可動側定盤5を後退
位置に可動させて、可動側定盤5と固定側定盤4との間
を広く開け、この間に金型を構成する固定部材2及び可
動部材3をクレーン等で吊しながら引き込む。そして、
まず、固定部材2と固定側定盤4とを位置決めして取り
付ける。すなわち、図3に示すように、固定部材2に形
成されるキー溝10aにキー11Aを嵌合させるととも
に、このキー11Aに対して固定側定盤4に形成される
キー溝10aを嵌合させることにより位置決めをする
(図3参照)。このように位置決めすると、固定側定盤
4と固定部材2との中心を基準として位置決めするため
に、上記ロケートリングを用いなくとも、これらのセン
ター合わせが行われるようになり、上記射出ノズル14
が中央に位置するようになる。後は、ボルトB1により
ボルト止めして取り付ける。
【0032】次に、可動部材3と可動側定盤5とを位置
決めして取り付ける。すなわち、図2に示すように、可
動部材3に形成されるキー溝10bにキー11Aを嵌合
させるとともに、このキー11Aに対して可動側定盤5
に形成されるキー溝10aを嵌合させることにより位置
決めをする。このような位置決め場合、図5に示すよう
に、上記可動部材3と可動側定盤5との位置決めにズレ
Zが生じる場合には、上記変位した構造のキー11Bを
種々変更して位置決めすることができるため、このズレ
Zを調整することが可能である。
【0033】ところで、従来例で説明した射出成形機1
01の場合、ピン穴106bとピン穴106bとの寸法
公差L5は、200mmで、約±0.02mmを考慮し
て設計されている。また、上記ピン穴106bも直径約
±0.01mmに設計されている(図8参照)。このた
め、位置決めピン106aは、クリアランスを必要とす
る分だけその径が小さいものが使用されることが多い。
しかし、金型等の振動や熱膨張差によって、必要とされ
るクリアランス量の分だけ位置ズレが生じてしまう原因
となっていた。また、金型は、上記バネ部材8やピスト
ン部材9により激しく押圧されることも位置ズレの原因
として挙げられる。
【0034】これに対して、上記各実施の形態の射出成
形機1は、キー溝10a,10bの寸法公差L1は、約
±0.005mm、キー11Aの寸法公差L2は、約±
0.001mmに設計されている。すなわち、本実施の
形態によれば、従来の1/100単位から1/1000
単位に寸法精度を高めることが可能となる。これは、上
記可動部材3等と可動側定盤5等とを上記キー溝10
a,10bとキー11Aにより隙間をできる限り少なく
して高い寸法精度で位置決めされるからである。
【0035】しかも、本実施の形態の射出成形機1は、
可動側定盤5等の中心を基準として位置決めされるため
に、可動側定盤5等の荷重による下方への位置ズレや回
転方向の位置ズレも生じることがない。また、この中心
を定めて位置決めされることにより、金型2,3の加熱
による熱膨張差を効率よく吸収することとなる。
【0036】以上、本実施の形態の説明では、金型を構
成する固定部材と可動部材とが水平方向に配置される射
出成形機で説明したが、本発明は、固定部材と可動部材
とが上下方向に配置される射出成形機においても適用可
能である。また、固定部材、可動部材、固定側定盤及び
可動側定盤は、全体がブロック状のもので説明したが、
本発明は、固定部材等が円盤状のものにおいても適用可
能である。
【0037】
【発明の効果】本発明の請求項1又は請求項2に係る射
出成形機の金型取付け構造は、上記放射状のキー溝にキ
ーを嵌合させることにより、固定部材と固定側定盤、可
動部材と可動側定盤の中心を定めて位置決めされるため
に、高精度に取り付けることができるとともに、金型等
の振動や加熱温度による熱膨張差を効率よく吸収して、
可動部材と可動側定盤との位置ずれを生じさせることが
なくなる。したがって、高精度な射出成品を長期間製造
することが可能となる。
【0038】本発明の請求項3に係る射出成形機の金型
取付け構造は、キーが一体に設けられた固定部材等を固
定側定盤等のキー溝に嵌合させるだけで、固定部材等が
容易に取り付けられ、又、取り外しも容易となる。
【0039】本発明の請求項4に係る射出成形機の金型
取付け構造は、上記キー溝とキーにより可動部材等と可
動側定盤等との位置決めにズレが生じている場合、上記
変位したキーを種々変更して位置決めすることができる
ため、このズレを調整することが可能である。したがっ
て、一層精度の高い位置決めが可能となる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の射出成形機の金型取付
け構造を示す断面図である。
【図2】上記一実施の形態の可動部材と可動側定盤との
位置決め状態を示す斜視図である。
【図3】上記一実施の形態の固定部材と固定側定盤との
位置決め状態を示す斜視図である。
【図4】上記一実施の形態のキー溝とキーの他の例を示
す正面図である。
【図5】上記一実施の形態のキーの他の例を示す断面図
である。
【図6】上記一実施の形態のキーの他の例を示す断面図
である。
【図7】従来の射出成形機を示す断面図である。
【図8】従来の射出成形機の可動側定盤を示す正面図で
ある。
【符号の説明】
1 射出成形機、2 固定部材(金型)、2a 固定部
材のベース板、3 可動部材(金型)、3a 可動部材
のベース板、4 固定側定盤、5 可動側定盤、10
a,10b キー溝、11A,11B キー、S1,S
2 可動側定盤等の中心線、T 射出空間

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型を構成する固定部材及び可動部材
    と、固定部材が取り付けられる固定側定盤と、可動部材
    が取り付けられ一体となって可動する可動側定盤とを備
    え、 上記可動部材と可動側定盤とが、これら可動部材と可動
    側定盤の少なくとも一方においてその中心を基準として
    放射状に形成されるキー溝と、この放射状のキー溝に嵌
    合するキーにより位置決めされていることを特徴とする
    射出成形機の金型取付け構造。
  2. 【請求項2】 金型を構成する固定部材及び可動部材
    と、固定部材が取り付けられる固定側定盤と、可動部材
    が取り付けられ一体となって可動する可動側定盤とを備
    え、 上記固定部材と固定側定盤とが、これら固定部材と固定
    側定盤の少なくとも一方においてその中心を基準として
    放射状に形成されるキー溝と、この放射状のキー溝に嵌
    合するキーにより位置決めされていることを特徴とする
    射出成形機の金型取付け構造。
  3. 【請求項3】 前記キーが、固定部材、可動部材、固定
    側定盤、又は、可動側定盤に一体に設けられていること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の射出成形機の
    金型取付け構造。
  4. 【請求項4】 前記キーは、その上方側と下方側とで幅
    をずらした変位させた構造とされていることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の射出成形機の金型取付け
    構造。
JP35270497A 1997-12-22 1997-12-22 射出成形機の金型取付け構造 Expired - Fee Related JP3325508B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35270497A JP3325508B2 (ja) 1997-12-22 1997-12-22 射出成形機の金型取付け構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35270497A JP3325508B2 (ja) 1997-12-22 1997-12-22 射出成形機の金型取付け構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11179759A JPH11179759A (ja) 1999-07-06
JP3325508B2 true JP3325508B2 (ja) 2002-09-17

Family

ID=18425868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35270497A Expired - Fee Related JP3325508B2 (ja) 1997-12-22 1997-12-22 射出成形機の金型取付け構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3325508B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101474342B1 (ko) * 2008-04-04 2014-12-19 삼성전자 주식회사 사출성형장치
JP5704172B2 (ja) * 2010-07-30 2015-04-22 コニカミノルタ株式会社 成形装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11179759A (ja) 1999-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101835704B1 (ko) 복합 성형품 성형용의 사출 성형기
EP2111964B1 (en) Injection molding machine with coupling guide device
JP2010149450A (ja) 多色成形品の成形方法および多色成形用金型
JP2998553B2 (ja) 射出成形機
KR20110119550A (ko) 복합 성형품용 사출성형기 및 그 성형방법
JP3325508B2 (ja) 射出成形機の金型取付け構造
JPH05261776A (ja) 内径アンダーカットを有する円筒状物の成形金型
JP3138562B2 (ja) ディスク基盤射出成形金型
CN109803816B (zh) 模制器具
KR20150051702A (ko) 이중 사출 성형 금형
JP2870630B2 (ja) 成形装置
JPH08118404A (ja) 成形条件を異にする複数成形品の同時射出成形方法及び成形機
JP2517762Y2 (ja) 射出成形用金型の芯合わせ機構
JP2000141418A (ja) カセット式金型装置
EP0931634B1 (en) Method for injection molding synthetic polymeric/copolymeric articles
JPH03357Y2 (ja)
JP3112624B2 (ja) 多重射出成形装置
WO2009000058A1 (en) A linking member and a method of use
JPH054979Y2 (ja)
JPS5814729A (ja) 射出成形機の型締装置
JP3255201B2 (ja) 射出成形用金型
JPH0136584Y2 (ja)
JPH0320104Y2 (ja)
KR100649131B1 (ko) 사출물의 두께 조절이 가능한 금형 및 그 사용방법
KR20240054869A (ko) 사출성형기계용 회전장치

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees