JP3324667B2 - 金属張積層板用エポキシ樹脂組成物、および金属張積層板の製造方法 - Google Patents
金属張積層板用エポキシ樹脂組成物、および金属張積層板の製造方法Info
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Description
エポキシ樹脂組成物、更に詳しく言えば積層板(プリン
ト配線板)において、耐湿耐熱性(耐湿耐はんだ性)、
耐マイグレーション性(CAF)性、銅箔との密着性、
機械的強度などの諸特性にバランスのとれた金属張積層
板用エポキシ樹脂組成物、およびそのエポキシ樹脂組成
物を用いた積層板(プリント配線板・多層印刷配線板)
の製造法に関する。
性、熱的特性、耐薬品性、接着性、耐水性等の諸特性に
おいて優れており、積層板用として電気および電子分野
に広く利用されている。
成物(ワニス)としては、例えば難燃化されたFR−4
グレードでは、ハロゲン原子で置換されたビスフェノー
ル型のエポキシ樹脂を主成分とし、これに種々のノボラ
ック型エポキシ樹脂を混合したもの、或いは、前記ノボ
ラック型エポキシ樹脂にビスフェノールおよびビスフェ
ノール型エポキシ樹脂をグラフト共重合したものを主剤
とし、硬化剤として、アミン系硬化剤やノボラック樹脂
を配合する例が知られている。
金属張積層板を製造する際には、金属張積層板の加工工
程において、高温高湿のより厳しい条件下で処理された
後に、はんだ浴浸せき等の工程があるため、高度な耐熱
性が要求されるが、上記従来の組成物を用いた場合に
は、銅箔との密着性等の低下が著しく、耐湿耐熱性の条
件によっては、積層板にふくれ、はがれ等が発生するな
どの課題がある他、高温高湿条件での電気絶縁性に劣っ
て銅マイグレーションを発生させるという課題を有して
いる。
の金属層との密着性に優れ、高温高湿条件下でのふくれ
や剥がれを招来することがなく、さらに電気絶縁性にも
優れる金属張積層板用エポキシ樹脂組成物、及び、金属
張積層板を提供することにある。
決すべく検討した結果、エポキシ樹脂中の水酸基をβ−
ケトエステル化することによって、高温高湿条件下でも
耐食性や金属との密着性、並びに電気絶縁性に優れる金
属張積層板が得られることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
テル基を有するエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを
必須成分として使用することを特徴とする金属張積層板
用エポキシ樹脂組成物、および、エポキシ樹脂組成物を
基材に含浸、乾燥させてプリプレグを得、このプリプレ
グと銅箔とを加熱加圧成型することを特徴とするエポキ
シ樹脂積層板の製造方法に関する。
は、分子骨格中にβ−ケトエステル基を有するエポキシ
樹脂であり、その構造は特に限定されるものではない
が、通常、エポキシ当量100〜2000g/eqのも
のが溶剤溶解性に優れる点から好ましく使用できる。ま
た、エポキシ樹脂中のβ−ケトエステル基の含有量とし
ては、特に制限されるものではないが、その存在比率が
多い方が金属層との密着性並びに電気絶縁性が良好なも
のとなる他、溶剤との相溶性、耐食性も極めて優れたも
のとなる。具体的には、10〜500ミリ当量/100
gであることが好ましい。
の樹脂中に水酸基を有していてもよい。水酸基の含有量
は、特に制限されないが、上述したβ−ケトエステル基
の導入に伴う効果と、他積層板の特性バランスを考慮し
て、具体的には分子内の水酸基とβ−ケトエステル基と
の個数の合計に対する水酸基の個数の割合が95%以下
となる範囲が挙げられる。
トエステル基の構造は特に限定されるものではないが、
例えば、下記構造式(1)で表されるものが挙げられ
る。
10の炭化水素基;R2は水素原子または炭素原子数1
〜10の炭化水素基を示す。)
ステル基中のカルボニル基がケト型とエノール型の平衡
状態にある。このエノール化現象(下記、構造式(2)
参照)により、金属および、高温高湿下における溶出金
属類とキレート化し、それにより金属とのイオン的な密
着性が高められ、高温高湿下における密着性、更に電気
絶縁性を著しく向上せしめることができる。
10の炭化水素基;R2は水素原子または炭素原子数1
〜10の炭化水素基を示す。)
テル基を導入する方法としては、特に限定されるもので
はなく、例えば水酸基を有するエポキシ樹脂と、酸また
は塩基性触媒存在下でジケテンとを反応する方法、或い
は、前記エポキシ樹脂中の水酸基と、アルコールのβ−
ケトエステルとをエステル交換反応させる方法等が挙げ
られるが、前者の方法では、ジケテンは水分または酸等
で分解または重合しやすく、取扱いに細心の注意が必要
なことからエポキシ樹脂中の水酸基とアルコールのβ−
ケトエステルとをエステル交換反応させる方法が好まし
い。
シ樹脂としては、樹脂中に水酸基を有するものであれば
よく、その含有率は特に制限されないが、通常、水酸基
当量で10〜500ミリ当量/100gであることが前
述のβ−ケトエステル基の含有量を適性な範囲に調整す
る点から好ましい。
しては、原料モノマー中に水酸基を有するものであって
もよいが、通常、エポキシ樹脂自体を合成する過程で、
エピクロルヒドリンを介して、一部が高分子量化し、そ
の際に発生する水酸基であればよく、従ってモノマーの
構造に拘束されることなく、殆どのエポキシ樹脂におい
て適宜水酸基当量を調節して用いることができる。
属張積層板に用いられる殆どのエポキシ樹脂を用いてβ
−ケトエステル化が可能であり、当該エポキシ樹脂の具
体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、2,2’,6,
6’−テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、
2,2’,6,6’−テトラメチルビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビス
フェノールAD型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エ
ポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエーテル、ビ
スベ−タ−トリフルオロメチルジグリシジルビスフェノ
ールA、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹
脂、レゾルシノージグリシジルエーテル、1−6ジヒド
ロキシナフタレンのジグリシジルエーテル等のその他の
2官能型エポキシ樹脂、1,6−ジグリシジルオキシナ
フタレン型エポキシ樹脂、1−(2,7−ジグリシジル
オキシナフチル)−1−(2−グリシジルオキシナフチ
ル)メタン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキ
シナフチル)メタン、1,1−ビス(2,7−ジグリシ
ジルオキシナフチル)−1−フェニル−メタン等のナフ
タレン系エポキシ樹脂、
ルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD
ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールAノボラック
型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、
ボラック型エポキシ樹脂とを、ビスフェノール及び/又
はハロゲン化ビスフェノールを介して共重合させたエポ
キシ樹脂、
キシ樹脂、トリシクロデセンオキサイド基を有するエポ
キシ樹脂、シクロペンテンオキサイド基を有するエポキ
シ樹脂、ジシクロペンタジエンのエポキシ化物等の環式
脂肪族エポキシ樹脂、
ドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタ
ル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルp−オキシ安
息香酸、ダイマー酸グリシジルエステル、トリグリシジ
ルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、
ン、トリグリシジルp−アミノフェノール、テトラグリ
シジルm−キシリレンジアミン等のグリシジルアミン型
エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリ
シジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂、そ
の他、フロログリシノールトリグリシジルエーテル、ト
リヒドロキシビフェニルトリグリシジルエーテル、トリ
ヒドロキシフェニルメタントリグリシジルエーテル、グ
リセリントリグリシジルエーテル、2−[4−(2,3
−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,
1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニ
ル]エチル]フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−
[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニ
ル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロ
ポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エ
チル]フェノキシ]−2−プロパノール、テトラヒドロ
キシフェニルエタンテトラグリシジルエーテル、テトラ
グリシジルベンゾフェノン、ビスレゾルシノールテトラ
グリシジルエーテル、テトラグリシドキシビフェニル等
のエポキシ樹脂などが挙げられる。上記エポキシ樹脂は
それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上の混合物、
または、変性したエポキシ樹脂を併用しても良い。
強度或いは、耐熱性等に優れる点から、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂または臭素化ビスフェノール型エポキ
シ樹脂をそれぞれ単独で使用するか、ビスフェノール
型エポキシ樹脂または臭素化ビスフェノール型エポキシ
樹脂とノボラック型エポキシ樹脂とを前者が70重量%
以上となる割合で混合併用して用いるか、或いは、ビ
スフェノール型エポキシ樹脂または臭素化ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂と、ビスフェノール及び/または臭素
化ビスフェノールと、ノボラック型エポキシ樹脂とを共
重合した共重合型エポキシ樹脂が好ましく、特ににお
いて、ノボラック型エポキシ樹脂として、ビスフェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂を用いたものが耐熱性或い
は積層板にした場合の耐ハンダ性に優れる点から最も好
ましい。
上述した範囲になる様に適宜、分子量等を考慮するか、
或いは、複数種類併用して用いるのが好ましい。
に用いられるアルコールのβ−ケトエステルとしては、
具体的には、下記構造式(3)で表されるもの等が挙げ
られる。
0の炭化水素基、R2は水素原子または炭素数が1〜1
0の炭化水素基、R3:炭素数が1〜15の炭化水素基
である。)
ールのβ−ケトエステルの具体例としては、例えば、ア
セト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−
プロピル、アセト酢酸−iso−プロピル、アセト酢酸
−n−ブチル、アセト酢酸−iso−ブチル、アセト酢
酸−tert−ブチル、α−アセトプロピオン酸メチ
ル、α−アセトプロピオン酸エチル、α−アセトプロピ
オン酸−n−プロピル、α−アセトプロピオン酸−is
o−プロピル、α−アセトプロピオン酸−n−ブチル、
α−アセトプロピオン酸−tert−ブチル、α−メチ
ル−β−ケト吉草酸エチル、β−ケトカプロン酸エチ
ル、ベンゾイル酢酸エチルなどが挙げられる。この中で
も第3級アルコールのエステルは、第2級または第1級
アルコールのエステルより反応速度がはやい点で好まし
い。この第3級アルコールのエステルとしては、アセト
酢酸−tert−ブチル、α−アセトプロピオン酸−t
ert−ブチルなどが挙げられる。
β−ケトエステルとのエステル交換反応はエポキシ樹脂
とアルコールのβ−ケトエステルとを50〜200℃の
温度に加熱し、反応を進行させることが好ましい。
加してもよい。
脂や固形のエポキシ樹脂を使用する場合、溶剤を使用し
てもよい。使用できる溶剤としては非アルコール系の溶
剤ならばいずれも使用可であり、例えばトルエン、キシ
レン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノンなどが挙げられる。またアルコール系
溶剤でも第3級アルコールならば使用でき、tert−
ブタノール等が挙げられる。
β−ケトエステル基を有するエポキシ樹脂(A)に、更
に、硬化剤(B)を必須成分として含有するものであ
る。ここで用いる硬化剤としては、特に限定されるもの
ではないが、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ノボ
ラック樹脂、オリゴマー硬化剤等の硬化剤を各々の目的
に応じて使用することができる。
は、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチルペンタミン、ジプロピレントリアミ
ン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−
トリスアミノメチルヘキサン等のポリアミン、トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジ
エチルアミノプロピルアミン等のポリエチレンジアミ
ン、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス
(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、N
−アミノエチルピペラジン等の脂肪族ポリアミン、メタ
キシリレンジアミン等の芳香環を含む脂肪族アミン等々
の脂肪族第1アミン、メタフェニレンジアミン、ジアミ
ノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、
芳香族ジアミン共融混合物、その他の芳香族ジアミン等
々の芳香族第1アミン、3,9−ビス(3−アミノプロ
ピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウ
ンデカン等のスピロ環を含むジアミン、ヒダント環を持
つジアミン、イミド環を持つジアミン、主鎖にエーテル
結合を持つジ・トリアミン、ポリオキシエチレン鎖のジ
アミン、主査がシリコーンであるジアミン、ポリアミン
エポキシ樹脂アダクト、ポリアミン−エチレンオキシド
アダクト、ポリアミン−プロピレンオキシドアダクト、
シアノエチル化ポリアミン、ケチミン、等々の変性アミ
ン、長鎖状ジアミン、長鎖第3アミン、トリメチルグア
ニジン、グアニジン誘導体、アルキルtertモノアミン、
トリエタノールアミン、ピペリジン、N,N’−ジメチ
ルピペラジン、1,4−ジアザジシクロ(2,2,2)
オクタン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジアザビシク
ロウンデカン(DBU)、ベンジルジメチルアミン、2
−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−
トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,
6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ
−2−エチルヘキシル酸塩等々の第3及び第2アミン、
ポリアミノ樹脂、ポリアミドアダクト、イミダゾール類
として、2メチルイミダゾール、2エチル4メチルイミ
ダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデ
シルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベ
ンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル
体、1−シアノエチル体・トリメリット酸塩、アジン化
合物、4級塩、イソシアヌル酸塩、ヒドロキシメチル体
等々、その他の潜在性のアミン系硬化剤として3フッ化
ホウ素−アミンコンプレックス(錯体)、ジシアンジア
ミドとその誘導体有機酸ヒドラジッド、ジアミノマレオ
ニトリルとその誘導体。メラミンとその誘導体、アミン
イミド、ポリアミン塩等々が挙げられる。
ル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス
(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス
(アンヒドロトリメリテート)、無水ピロメリット酸、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
無水物等々の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コ
ハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケニル無
水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカル
ボン酸無水物、リノール酸・リノレン酸・エレオステア
リン酸などと無水マレイン酸との付加体等のメチルエス
テル・トリグリセライドと無水マレイン酸との付加体等
々の環状脂肪族酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリ
アゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等々の脂肪
族酸無水物、クロレンド酸無水物、テトラブロモ無水フ
タル酸等々のハロゲン化酸無水物が挙げられる。
ラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、BPAノボラ
ック樹脂、ビフェノールノボラック樹脂、およびそれら
のハロゲン置換ノボラック樹脂等々のノボラック型フェ
ノール樹脂、アミノ樹脂、レゾール型フェノール樹脂、
アニリン−ホルマリン樹脂、ポリビニルフェノール樹脂
等々が挙げられる。
アリルヨードニウム塩、トリアリルスルホニウム塩、ト
リアリルセレニウム塩、アクリジンオレンジ、ベンゾフ
ラビン、セトフラビンT等々の光・紫外線硬化剤、ポリ
メルカプタン、ポリスルヒド樹脂等々のポリメルカプタ
ン系硬化剤等が挙げられる。
れる点からアミン系硬化剤が好ましく、特にワニスの安
定性(潜在性硬化)に優れ、かつ、作業性、機械特性、
熱特性、電気特性のバランスに優れたジシアンジアミド
が好ましい。また、上記のオリゴマー硬化剤を使用する
場合は、その他の硬化剤例えばアミン系硬化剤との併用
することが好ましく、その使用割合は本発明の効果を損
なわない範囲、例えば組成物中30重量%以下、中でも
速硬化性と耐熱性とに優れる点から10〜20重量%で
あることが好ましい。
2種以上の併用でもよいことは勿論のことである。
脂(A)に混合してもよいし、また、硬化剤(B)をモ
レキュラシーブに含浸して用いるか、或いはマイクロカ
プセル化して用いてもよいが、金属張積層板用エポキシ
樹脂組成物としては、硬化剤(B)の均一分散すること
が好ましいため、通常、単に混合して用いられる。
もよい。硬化促進剤としては公知慣用のものがいずれも
使用できるが、例えば、ベンジルジメチルアミン等の第
3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール、有機
酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられ、これら
は単独のみならず2種以上の併用も可能である。また、
その使用割合としては特に制限されるものではないが、
通常組成物中0.1〜5重量%の範囲が挙げられる。
化剤(B)の場合と同様に単なる混合、モレキュラシー
ブ含浸、或いは、マイクロカプセル化等によって用いる
ことができる。
および硬化促進剤を、単に混合して用いてよいのは勿論
のこと、硬化性に優れ、かつ、組成物の貯蔵安定性に極
めて優れる点からエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)と
を単に混合し、かつ、硬化促進剤をマイクロカプセル化
して用いることが好ましい。
物においては、更に溶剤を併用してもよく、具体的に
は、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレ
ン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、エチレング
リコールモノメチルエーテル、N,N−ジメチルホルム
アミド、メタノール、エタノールなどが挙げられ、これ
らの溶剤は、適宜に2種または、それ以上の混合溶剤と
して使用することも可能である。溶剤の使用割合は特に
制限されるものではないが、例えば不揮発分10〜90
重量%、中でもワニス形成の面から40〜80重量%と
なる範囲で用いることが好ましい。
物においては、さらに必要に応じて種々の添加剤、難燃
剤、充填剤等を適宜配合することが出来る。また、難燃
剤としては、前記その他のエポキシ樹脂として例示した
もののなかで臭素を含有するエポキシ樹脂を使用できる
ことは勿論のことである。
物から金属張積層板を製造する方法としては、公知慣用
の方法によって製造することができ、例えば紙、ガラス
布またはガラス不織布等の基材に当該組成物を樹脂量3
0〜70重量%となる割合で含浸し、100〜200℃
の温度の乾燥装置中で0.5〜30分間乾燥し、半硬化
状態のエポキシ樹脂プリプレグを製造する。ここで、プ
リプレグの樹脂分は30〜70%が好ましい。さらに製
造したプリプレグの1〜10枚を使用し圧力10〜10
0kg/cm2、温度130〜180℃、時間30〜1
80分間加熱加圧し積層板を製造する。ついで得られた
樹脂積層板に金属泊若しくは金属基板を加熱加圧する
か、或いは金属メッキを施して目的とする金属張積層板
が得られる。また、金属泊を用いる場合には、半硬化し
たプリプレグを加熱加圧する際に金属泊を併用して積層
板としてもよい。これらの中でも、エポキシ樹脂組成物
を基材に含浸、乾燥させてプリプレグを得、このプリプ
レグと金属泊とを加熱加圧成型することを特徴とする本
発明の金属張積層板の製造方法が、製造が容易である点
から好ましい。
限定されず、例えば、銅、金、銀、アルミニウム等が挙
げられるが、通常、銅は銅泊として、金並びに銀はメッ
キ用として、また、アルミニウムは基板として用いられ
る。
重ね合わせ、多層積層板として用いてもよい。
樹脂として臭素化エポキシ樹脂「EPICLON 11
21」(大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量
490g/eq、臭素含有量21.4%)を450重量
部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂「EPICL
ON N−673」(大日本インキ化学工業(株)製、
エポキシ当量210g/eq)を50部供給し、メチル
イソブチルケトン167部に溶解した。これにアセト酢
酸−tert−ブチルを25重量部加え、100℃まで
加熱し、そのままこの温度で5時間攪拌し、エポキシ当
量が460のエポキシ樹脂[A−1]を得た。その後、
メチルイソブチルケトンを加え不揮発分が70%になる
ようにワニスを調整した。こうして得られた樹脂は、13
C−NMRの測定より当量比で約20%の水酸基がβ−
ケトエステル化されていることが確認された。また、樹
脂中のβ−ケトエステル基当量は、30ミリ当量/10
0gであった。
キシ樹脂「EPICLON 1121」(大日本インキ
化学工業(株)製、エポキシ当量490g/eq、臭素
含有量21.4%)を450重量部、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂「EPICLON N−673」
(大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量210
g/eq)を50部供給し、メチルイソブチルルケトン
167部に溶解した。これにアセト酢酸−tert−ブ
チルを110重量部加え、反応させて、エポキシ当量5
00のエポキシ樹脂[A−2]を得た。その後、メチル
イソブチルケトンを加え不揮発分が70%になるように
ワニスを調整した。こうして得られた樹脂は、13C−N
MRの測定より当量比で約100%の水酸基がβ−ケト
エステル化されていることが確認された。また、樹脂中
のβ−ケトエステル基当量は、120ミリ当量/100
gであった。
脂270重量部とエポキシ当量210で軟化点70℃の
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂50重量部
からなる混合物にテトラブロモビスフェノールAの18
0重量部を加えて、120℃に加熱、攪拌し、さらに2
−メチルイミダゾールの0.01部を添加して150℃
で4時間反応させ、エポキシ当量が500でかつ臭素含
有量が21%なる固型の目的樹脂500重量部を得た。
これに、メチルイソブチルケトン167部に溶解した。
これにアセト酢酸−ter−ブチルを21重量部加え、
反応させて、エポキシ当量が515のエポキシ樹脂[A
−3]を得た。その後、メチルイソブチルケトンを加え
不揮発分が70%になるようにワニスを調整した。こう
して得られた樹脂は、13C−NMRの測定より当量比で
約20%の水酸基がβ−ケトエステル化されていること
が確認された。また、樹脂中のβ−ケトエステル基当量
は、25ミリ当量/100gであった。
ェノールA型エポキシ樹脂270重量部とエポキシ当量
210で軟化点70℃のビスフェノールAノボラック型
エポキシ樹脂50重量部からなる混合物にテトラブロモ
ビスフェノールAの180重量部を加えて、120℃に
加熱、攪拌し、さらに2−メチルイミダゾールの0.0
1部を添加して150℃で4時間反応させ、エポキシ当
量が500でかつ臭素含有量が21%なる固型の目的樹
脂500重量部を得た。これに、メチルイソブチルケト
ン167部に溶解した。これにアセト酢酸−ter−ブ
チルを105重量部加え、反応させて、エポキシ当量が
550のエポキシ樹脂[A−4]を得た。
揮発分が70%になるようにワニスを調整した。こうし
て得られた樹脂は、13C−NMRの測定より当量比で約
100%の水酸基がβ−ケトエステル化されていること
が確認された。また、樹脂中のβ−ケトエステル基当量
は、125ミリ当量/100gであった。
ールA型エポキシ樹脂270重量部とエポキシ当量21
0で軟化点70℃のビスフェノールAノボラック型エポ
キシ樹脂50重量部からなる混合物にテトラブロモビス
フェノールAの180重量部を加えて、120℃に加
熱、攪拌し、さらに2−メチルイミダゾールの0.01
部を添加して150℃で4時間反応させ、エポキシ当量
が500でかつ臭素含有量が21%なる固型の目的のエ
ポキシ樹脂[B−1]を得た。
(A−4)、および、(B−1)に、次いで予めメチル
セロソルブに溶解させておいた硬化剤ジシアンジアミド
と硬化促進剤2エチル4メチルイミダゾールを加えた
後、メチルエチルケトンで不揮発分(NV)が55%な
る混合溶液を調製し、エポキシ樹脂組成物を得た。この
際の硬化剤の量としてはエポキシ樹脂中のエポキシ基に
対して0.5当量となるような割合にし、また、硬化促
進剤量はプリプレグのゲルタイムが170℃で120秒
になる割合にした。
基材であるガラスクロスWE−18K−104−BZ2
〔日東紡(株)製〕に含浸させ、160℃3分乾燥させ
て樹脂分40%のプリプレグを作製した。このプリプレ
グを40℃で7日間保存した後のゲルタイムを測定し、
プリプレグの安定性を試験した。次いで、得られたプリ
プレグを9枚重ね合わせ、圧力40kg/cm2、加熱温
度170℃、加熱時間120分の条件で硬化させて積層
板を作製した。
度、ピール強度、誘電率、耐湿耐はんだ性、電気絶縁性
の各物性を試験した。その結果を第1表に示す。尚、各
試験は以下の方法に従った。
は、JIS規格C6481に準じて測定した。 [Tg]DMA法(3℃/min昇温)により測定し
た。 [耐ハンダ性]120℃の加圧熱水中で4時間および6
時間処理した試験片を260℃の溶融ハンダ上に浮か
せ、その試験片の外観、とくに“ふくれ”の有無を目視
判定により評価した。
CAF性) スルーホール径:0.4mm ランド径 :0.8mm スルーホール 中心間距離:1.0mm の測定用パターンを作製し、 PCT :120℃/85%RH 印加電圧:300V で処理したときの絶縁抵抗が105以下になるまでの時
間[hr]を測定し、電 気絶縁性の試験とした。
着性に優れ、高温高湿条件下でのふくれや剥がれを招来
することがなく、さらに電気絶縁性にも優れる金属張積
層板用エポキシ樹脂組成物、及び、金属張積層板(プリ
ント配線板・多層印刷配線板)を提供できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 分子骨格中にβ−ケトエステル基を有す
るエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを必須成分とし
て使用することを特徴とする金属張積層板用エポキシ樹
脂組成物。 - 【請求項2】 β−ケトエステル基が、アセトアセチル
基である請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】 エポキシ樹脂中の水酸基に第3級アルコ
ールのβ−ケトエステルを反応させて得られるエポキシ
樹脂を使用してなる請求項1記載の組成物。 - 【請求項4】 エポキシ樹脂が、エポキシ当量100〜
2000のものである請求項1、2又は3記載の組成
物。 - 【請求項5】 エポキシ樹脂(A)が、ビスフェノール
型エポキシ樹脂である請求項4記載の組成物。 - 【請求項6】 硬化剤(B)が、アミン系硬化剤である
請求項5記載の組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1つに記載のエポ
キシ樹脂組成物を基材に含浸、乾燥させてプリプレグを
得、このプリプレグと金属泊とを加熱加圧成型すること
を特徴とする金属張積層板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02997194A JP3324667B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 金属張積層板用エポキシ樹脂組成物、および金属張積層板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP02997194A JP3324667B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 金属張積層板用エポキシ樹脂組成物、および金属張積層板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07238136A JPH07238136A (ja) | 1995-09-12 |
JP3324667B2 true JP3324667B2 (ja) | 2002-09-17 |
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JP02997194A Expired - Lifetime JP3324667B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 金属張積層板用エポキシ樹脂組成物、および金属張積層板の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3324667B2 (ja) |
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TW200602427A (en) * | 2004-03-30 | 2006-01-16 | Taiyo Ink Mfg Co Ltd | Thermosetting resin composition and multilayered printed wiring board comprising the same |
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CN114195984B (zh) * | 2021-12-23 | 2023-03-03 | 上海交通大学 | 一种含动态烯胺键的双酚a型环氧固化剂与可降解环氧树脂及其制备、重塑、降解方法 |
-
1994
- 1994-02-28 JP JP02997194A patent/JP3324667B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH07238136A (ja) | 1995-09-12 |
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