JPH11256011A - 積層板用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

積層板用エポキシ樹脂組成物

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JPH11256011A
JPH11256011A JP5801598A JP5801598A JPH11256011A JP H11256011 A JPH11256011 A JP H11256011A JP 5801598 A JP5801598 A JP 5801598A JP 5801598 A JP5801598 A JP 5801598A JP H11256011 A JPH11256011 A JP H11256011A
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JP
Japan
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epoxy resin
alkyl group
type epoxy
composition according
curing agent
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Application number
JP5801598A
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English (en)
Inventor
Koichi Fujimoto
恒一 藤本
Masakazu Yoshizawa
正和 吉澤
Kunihiro Morinaga
邦裕 森永
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication of JPH11256011A publication Critical patent/JPH11256011A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0326Organic insulating material consisting of one material containing O

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅箔等の金属層との密着性、耐水性に優れ、
半田浴浸漬による積層板のふくれや剥がれを良好に防止
できると共に、更に保存安定性に著しく優れる積層板用
エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂
90重量部と、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂10重量部、アセト酢酸エチル2重量部、及び、硬化
剤としてジシアンジアミド2.1重量部をメチルエチル
ケトンで不揮発分(NV)が55重量%になる様にワニ
スを調整(実施例1)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な積層板用エ
ポキシ樹脂組成物、更に詳しく言えば積層板において耐
熱性,耐湿耐熱性(耐湿耐半田性)、銅箔との密着性、
ワニスやプリプレグの保存安定性などの諸特性に優れた
積層板用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、機械的特性,電気的特
性,熱的特性,耐薬品性,接着性,耐水性等の諸特性に
おいて優れる点から積層板用として電気および電子分野
に広く利用されている。
【0003】エポキシ樹脂積層板における樹脂組成物
(ワニス)としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂若
しくは難燃性付与のためハロゲン原子で置換されたビス
フェノール型エポキシ樹脂を主成分とし、これに種々の
ノボラック型エポキシ樹脂を混合したエポキシ樹脂成
分、又は、前記ノボラック型エポキシ樹脂にビスフェノ
ールおよびビスフェノール型エポキシ樹脂をグラフト共
重合した共重合樹脂を主剤とし、アミン系化合物やノボ
ラック樹脂等を硬化剤として配合し、用いられている。
【0004】しかし、エポキシ樹脂積層板の製造時や電
子部品実装時においては、高温高湿の条件下で処理され
た後、半田浴浸漬等の工程があるため、高度な耐熱性が
要求されており、上記従来の組成物を用いた場合には、
積層板にふくれ、剥がれ等の発生や、銅箔のはがれ等の
発生を招くものであった。
【0005】そこで、これらの諸問題を改善する為に、
例えば、特開平7−238136号公報には、エポキシ
樹脂構造中にβ−ケトエステル基を導入することによ
り、銅箔との密着性を改善した技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平7
−238136号公報記載のβ−ケトエステル化された
エポキシ樹脂を用いる技術では、確かに銅箔との密着性
は改善されるものの、該β−ケトエステル構造部分が加
水分解、脱二酸化炭素反応を起こし易く、高温多湿下で
処理後、半田浴浸漬した際に膨れが生じ易い他、組成物
の長期保存時の吸湿により安定性に劣るものであった。
【0007】本発明が解決しようとする課題は、銅箔等
の金属層との密着性、耐水性に優れ、半田浴浸漬による
積層板のふくれや剥がれを良好に防止できると共に、更
に保存安定性に著しく優れる積層板用エポキシ樹脂組成
物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく検討した結果、エポキシ樹脂及び硬化剤を
必須成分とする積層板用エポキシ樹脂組成物において、
特定構造を有するエステル化合物を添加することによっ
て、銅箔との密着性や耐水性が飛躍的に向上し、半田性
及び保存安定性が改善できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、エポキシ樹脂(A)と硬
化剤(B)及び酸性物質(C)を必須成分とするエポキ
シ樹脂組成物において、前記酸性物質(C)として、α
位に水素原子、β位にカルボニル基を有する1級アルキ
ルエステル化合物を用いることを特徴とする積層板用エ
ポキシ樹脂組成物に関する。
【0010】本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、特
に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
2,2’,6,6’−テトラブロモビスフェノールA型
エポキシ樹脂、2,2’,6,6’−テトラメチルビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、テトラ
メチルビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノ
ール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエー
テル、ビス−β−トリフルオロメチルジグリシジルビス
フェノールA、レゾルシノージグリシジルエーテル等の
その他の2官能型エポキシ樹脂、
【0011】1,6−ジグリシジルオキシナフタレン型
エポキシ樹脂、1−(2,7−ジグリシジルオキシナフ
チル)−1−(2−グリシジルオキシナフチル)メタ
ン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシナフチ
ル)メタン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキ
シナフチル)−1−フェニル−メタン等のナフタレン系
エポキシ樹脂、
【0012】フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オ
ルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD
ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールAノボラック
型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、
【0013】前記ビスフェノール型エポキシ樹脂と、ノ
ボラック型エポキシ樹脂とを、ビスフェノール及び/又
はハロゲン化ビスフェノールを介して共重合させたエポ
キシ樹脂、
【0014】ジシクロペンタジエンとフェノールとの重
付加体のエポキシ化物に代表される環式脂肪族エポキシ
樹脂、
【0015】フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒ
ドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタ
ル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルp−オキシ安
息香酸、ダイマー酸グリシジルエステル、トリグリシジ
ルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、
【0016】テトラグリシジルアミノジフェニルメタ
ン、トリグリシジルp−アミノフェノール、テトラグリ
シジルm−キシリレンジアミン等のグリシジルアミン型
エポキシ樹脂、
【0017】ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリシ
ジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂、
【0018】その他、フロログリシノールトリグリシジ
ルエーテル、トリヒドロキシビフェニルトリグリシジル
エーテル、トリヒドロキシフェニルメタントリグリシジ
ルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、2−
[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2
−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロ
ポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、1,
3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポ
キシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−
エポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]
フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノール、
テトラヒドロキシフェニルエタンテトラグリシジルエー
テル、テトラグリシジルベンゾフェノン、ビスレゾルシ
ノールテトラグリシジルエーテル、テトラグリシドキシ
ビフェニル等のエポキシ樹脂などが挙げられる。上記エ
ポキシ樹脂はそれぞれ単独で使用してもよいし、2種以
上の混合物、または、変性したエポキシ樹脂を併用して
も良い。また、シクロヘキセンオキサイド、トリシクロ
デセンオキサイド、シクロペンテンオキサイド等のエポ
キシ系反応性希釈剤を併用してもよい。
【0019】これらの中でも、特に積層板にした場合の
強度及び耐熱性等に優れる点から、 ビスフェノール型エポキシ樹脂または臭素化ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂の単独使用、ビスフェノール型
エポキシ樹脂または臭素化ビスフェノール型エポキシ樹
脂とノボラック型エポキシ樹脂とを前者が70重量%以
上となる割合で併用した混合樹脂、或いは、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂または臭素化ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂と、ビスフェノール及び/または臭素化ビス
フェノールと、ノボラック型エポキシ樹脂との共重合体
が好ましく、中でも、積層板の強度及び耐熱性の点から
及びが好ましく、特にが耐熱性が飛躍的に向上す
る点から好ましい。また、において、ノボラック型エ
ポキシ樹脂として、ビスフェノールノボラック型エポキ
シ樹脂を用いたものが耐熱性或いは積層板にした場合の
耐ハンダ性に優れる点から最も好ましい。
【0020】また、硬化剤(B)としては、特に限定さ
れるものではないが、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化
剤、ノボラック樹脂、オリゴマー硬化剤等を各々の目的
に応じて使用することができる。
【0021】具体的には、先ず、アミン系硬化剤として
は、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチルペンタミン、ジプロピレントリア
ミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6
−トリスアミノメチルヘキサン、トリメチルヘキサメチ
レンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、メンセ
ンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ
−3−メチルシクロヘキシル)メタン等の脂肪族ポリア
ミン、
【0022】メタキシリレンジアミン、メタフェニレン
ジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェ
ニルスルフォン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメ
チルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ−2−
エチルヘキシル酸塩等の芳香族系ジアミン;
【0023】ジシアンジアミド、ジシアンジアミドの有
機酸ヒドラジッド、トリメチルグアニジン、ジメチルグ
アニジン等のグアニジン系化合物;
【0024】2−メチルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、
2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾ
ール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミ
ダゾール類;
【0025】ピペリジン、N−アミノエチルピペラジ
ン、N,N’−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリ
ン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,
8,10−テトラスピロ[5,5]ウンデカン、1,4
−ジアザジシクロ(2,2,2)オクタン、1,8−ジ
アザビシクロウンデカン(DBU)等のその他の環状ア
ミン;
【0026】ジオキシエチレンジアミン、トリオキシエ
チレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリア
ミン−エチレンオキシドアダクト、ポリアミン−プロピ
レンオキシドアダクト等のポリエーテル系アミン;
【0027】トリメタノールアミン、トリエタノールア
ミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン;
【0028】その他、主鎖にシリコーン骨格を有するジ
アミン、ポリアミンエポキシ樹脂アダクト、シアノエチ
ル化ポリアミン、ケチミン系化合物、1−シアノエチル
体、並びに、1−シアノエチル体のトリメリット酸塩、
4級塩、イソシアヌル酸塩及びヒドロキシメチル体等;
その他の潜在性のアミン系硬化剤として3フッ化ホウ素
−アミンコンプレックス(錯体)、ジアミノマレオニト
リルとその誘導体、メラミン、メラミン誘導体等が挙げ
られる。
【0029】次に酸無水物系硬化剤としては、例えば、
無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコー
ルビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールト
リス(アンヒドロトリメリテート)、無水ピロメリット
酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸無水物等の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水
コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケニル
無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキ
サヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカ
ルボン酸無水物、並びに、リノール酸、リノレン酸及び
エレオステアリン酸等と無水マレイン酸との付加体等の
メチルエステル、トリグリセライドと無水マレイン酸と
の付加体等の環状脂肪族酸無水物;ポリアジピン酸無水
物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等
の直鎖状脂肪族酸無水物;クロレンド酸無水物、テトラ
ブロモ無水フタル酸等々のハロゲン化酸無水物が挙げら
れる。
【0030】次にオリゴマー硬化剤として、フェノール
ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、BPAノ
ボラック樹脂、ビフェノールノボラック樹脂、および、
それらのハロゲン置換体等のノボラック型フェノール樹
脂、アミノ樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アニリン
−ホルマリン樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等が挙げ
られる。
【0031】その他として、芳香族ジアゾニウム塩、ジ
アリルヨードニウム塩、トリアリルスルホニウム塩、ト
リアリルセレニウム塩、アクリジンオレンジ、ベンゾフ
ラビン、セトフラビンT等の光、紫外線硬化剤、ポリメ
ルカプタン、ポリスルヒド樹脂等のポリメルカプタン系
硬化剤等が挙げられる。
【0032】これらの硬化剤のなかでも、後述する硬化
促進剤(D)として分類されるものは硬化速度が極めて
速く扱い辛い点から、硬化促進剤(D)として分類され
るものを除く化合物を硬化剤(B)として使用し、後述
する硬化促進剤(D)を一部併用することが好ましい。
【0033】上記した硬化剤(B)の中では、特に硬化
特性に優れる点からアミン系硬化剤が好ましく、特にワ
ニスの保存安定性に優れ、かつ、作業性、機械特性、熱
特性、電気特性のバランスに優れたジシアンジアミドが
好ましい。
【0034】これら硬化剤(B)は、単にエポキシ樹脂
(A)に混合してもよいし、また、硬化剤(B)をモレ
キュラーシーブに含浸して用いるか、或いはマイクロカ
プセル化してもよいが、積層板用エポキシ樹脂組成物と
しては、硬化剤(B)が均一分散することが好ましいた
め、通常、単に混合して用いられる。
【0035】また、本発明においては前述した通り、硬
化剤(B)と共に、硬化促進剤(D)を用いることが好
ましい。硬化促進剤(D)としては、公知慣用のものが
いずれも使用できるが、例えば、ベンジルジメチルアミ
ン等の第3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾー
ル類、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げら
れる。これらは単独のみならず2種以上の併用も可能で
ある。また、その使用割合としては特に制限されるもの
ではないが、組成物中0.01〜10重量%の範囲が挙
げられる。
【0036】また、硬化促進剤の使用方法としては、硬
化剤(B)の場合と同様に単なる混合、モレキュラーシ
ーブ含浸、或いは、アイクロカプセル化等によって用い
ることができるが、とりわけ本発明においては、硬化性
に優れ、組成物の貯蔵安定性に極めて優れる点から、エ
ポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを単に混合し、か
つ、硬化促進剤(D)をマイクロカプセル化して用いる
ことが好ましい。
【0037】次に、本発明で用いる酸性物質(C)は、
α位に水素原子、β位にカルボニル基を有する1級アル
キルエステル化合物であり、この様な分子構造により、
銅箔との優れた密着性と共に、積層板に優れた耐水性を
発現させることができる。更に、組成物保存時のゲル化
も良好に防止できる。この様なエステル化合物として
は、特に限定されるものではないが、β位のカルボニル
基がケトン基であるβ−ケトエステル化合物と、β位の
カルボニル基がエステル基であるβ−ジエステル化合物
が挙げられる。
【0038】このβ−ケトエステル化合物としては、具
体的には、下記一般式1
【0039】
【0040】(式中、R1は、C1〜C7のアルキル基、
2は、水素原子若しくはC1〜C5のアルキル基、又
は、R3は、水素原子またはC1〜C9のアルキル基を表
わす。)で表わされるものが挙げられ、具体的には、ア
セト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸アリ
ル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸イソプロピル、アセ
ト酢酸ヘキシル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸デシ
ル、メチル−2−ペンタノンアセテート、エチル−2−
オクタノンアセテート、エチル−2−デカノンアセテー
ト、オクチル−2−ブタノンアセテート、エチル−1−
メチル−2−ブタノンアセテート、メチル−1−ブチル
−2−ブタノンアセテート、ブチル−1−ペンチル−2
−オクタノンアセテートなどが好ましいものとして挙げ
られる。
【0041】これらのなかでも、特にアセト酢酸エステ
ル化合物が、酢酸を加熱して得られるジケテンとアルコ
ール類との反応により容易に製造できる点から特に好ま
しく、具体的には、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチ
ル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸
イソプロピル、アセト酢酸ヘキシル、アセト酢酸オクチ
ル、アセト酢酸デシル等が挙げられる。
【0042】また、β−ジエステル化合物としては、例
えば、下記一般式2
【0043】
【化3】
【0044】(式中、R4は、C1〜C7のアルキル基、
5は、水素原子若しくはC1〜C5のアルキル基、又
は、R6は、水素原子またはC1〜C9のアルキル基を表
わす。)で表わされるものが挙げられ、具体的には、マ
ロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチ
ル、マロン酸ジオクチル、ペンチルマロン酸ジメチル、
イソブチルマロン酸ジエチル等が好ましいものとして挙
げられる。
【0045】これらのなかでも、特にマロン酸エステル
化合物が、モノクロロ酢酸から得られるシアン酢酸ソー
ダをエステル化することにより容易に製造できる点から
好ましく、具体的には、マロン酸ジメチル、マロン酸ジ
エチル,マロン酸ジブチル,マロン酸ジオクチル等が挙
げられる。
【0046】詳述した、β−ケトエステル化合物及びβ
−ジエステル化合物は、何れも、保存安定性、銅箔との
密着性、耐水性、半田浸漬による積層板のふくれや剥が
れに優れた効果を発現するが、特に後者のβ−ジエステ
ル化合物は、保存安定性の改善効果が顕著なものとなり
好ましい。
【0047】この酸性物質(C)の配合量は、特に限定
されるものではないが、エポキシ樹脂(A)と硬化剤
(B)との合計100重量部に対して、0.01〜20
重量部となる割合で配合するのが好ましい。即ち、0.
01重量部以上用いることにより本発明の効果が顕著な
ものとなり、また、20重量部以下においては、耐熱性
や耐湿耐熱性が良好となって、耐半田性が飛躍的に向上
する。
【0048】本発明の積層板用エポキシ樹脂組成物にお
いては、上記各成分に加え、更に有機溶剤を併用しても
よい。使用し得る有機溶剤としては、特に限定されるも
のではないが、具体的には、アセトン、メチルエチルケ
トン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、
酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、
N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノー
ルなどが挙げられ、これらの溶剤は、適宜に2種または
それ以上の混合溶剤として使用することも可能である。
溶剤の使用割合は特に制限されるものではないが、例え
ば不揮発分10〜90重量%、中でもワニス形成の面か
ら30〜80重量%になる範囲で用いることが好まし
い。
【0049】本発明の積層板用エポキシ樹脂組成物にお
いては、さらに必要に応じて種々の添加剤、難燃剤、充
填剤等を適宜配合することが出来る。
【0050】本発明の組成物から積層板を製造する方法
としては、公知慣用の方法によって製造することができ
る。例えば紙、ガラス布またはガラス不織布等の基材に
当該組成物を樹脂量30〜70重量%となる割合で含浸
し、100〜200℃の温度の乾燥機中で0.5〜30
分間乾燥し、半硬化状態のエポキシ樹脂プリプレグを製
造する。更に製造したプリプレグの1〜10枚を使用
し、圧力10〜100kg/cm2、温度130〜20
0℃、時間30〜180分間加熱加圧し積層板を製造す
る。ついで、得られた樹脂積層板に金属箔若しくは金属
基板を加熱加圧するか、或いは金属メッキを施す。
【0051】また、金属箔を用いる場合には、半硬化し
たプリプレグを加熱加圧する際に金属箔を併用して積層
板としてもよい。これらの中でも、エポキシ樹脂組成物
を基材に含浸、乾燥させてプリプレグを得、このプリプ
レグと金属箔とを加熱加圧成形することを特徴とする本
発明の積層板の製造方法が、製造が容易である点から好
ましい。
【0052】樹脂基板に積層される金属としては、特に
限定されず、例えば、銅、金、銀、アルミニウム等が挙
げられるが、通常、銅は銅箔として、金並びに銀はメッ
キ用として、また、アルミニウムは基板として用いられ
る。このようにして得られる積層板は、更に複数重ね合
わせ、多層積層板として用いてもよい。
【0053】
【実施例】以下、実施例により更に本発明を説明する。
【0054】実施例1 ジシアンジアミド2.1重量部をメチルセロソルブに溶
解し、エポキシ樹脂として臭素化ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂「EPICLON 1121」(大日本イン
キ化学工業(株)製、エポキシ当量490g/eq、臭
素含有量21.4%)90重量部と、o−クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂「EPICLON N690」
(大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量220
g/eq)10重量部加え、アセト酢酸エチル2重量部
添加した後、メチルエチルケトンで不揮発分(NV)が
55重量%になる混合溶液を調整し、エポキシ樹脂組成
物を得た。その後、硬化促進剤として2−エチル−4−
メチルイミダゾールをプリプレグのゲルタイムが170
℃で120秒になる割合で配合した。このワニスを40
℃で14日間保存した後のゲルタイムを測定し、ワニス
の保存安定性を試験した。その結果を第1表に示す。
【0055】また調整した混合溶液を用い、基材である
ガラスクロス「WE−18K−104BZ2」(日東紡
績(株)製)に含浸させ、160℃で3分乾燥させて樹
脂分45%のプリプレグを作製した。このプリプレグを
40℃で7日間保存した後のゲルタイムを測定し、プリ
プレグの保存安定性を試験した。その結果も第1表に示
す。
【0056】また得られたプリプレグを8枚と、その外
側に35μ銅箔を重ね合わせ、圧力40kg/cm2、加熱温
度170℃、加熱時間60分の条件で硬化させて板厚
1.6mmの積層板を作製した。
【0057】得られた積層板について、耐水性、耐熱
性、耐湿耐熱性(耐半田性)、ピール強度を測定した。
その結果を第1表に示す。尚、各試験は以下の方法に従
った。 耐水性 :121℃の加圧熱水中で2時間、4時間及
び6時間処理した際の吸水率を測定した。 ピール強度:JIS規格K6481に準拠 Tg :DMA法(3℃/min)により測定。 耐半田性 :121℃の加圧熱水中で2時間,4時間お
よび6時間処理した試験片を260℃の溶融半田上に浮
かせ、その試験片の外観、とくに”ふくれ”の有無を目
視判定により評価した。尚、試験用積層板を、各実施例
及び比較例について夫々3つ用意し、実施例又は比較例
毎3回評価を行った。
【0058】 ○…全く異常なし △…ミーズリング発生 ×…”ふくれ”発生 なお、ピール強度以外は全て銅箔を溶解除去して試験を
おこなった。
【0059】実施例2 酸性物質としてアセト酢酸メチル4重量部使用する他
は、実施例1と同様にして評価した。その結果を第1、
2表に示す。
【0060】実施例3 酸性物質としてアセト酢酸アリル5重量部使用する他
は、実施例1と同様にして評価した。その結果を第1、
2表に示す。
【0061】実施例4 酸性物質としてマロン酸エチル2重量部使用する他は、
実施例1と同様にして評価した。その結果を第1、2表
に示す。
【0062】実施例5 エポキシ樹脂として、ビスフェノール型エポキシ樹脂と
臭素化ビスフェノールとノボラック型エポキシ樹脂との
共重合体である「EPICLON EXA−3279」
(大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量435
g/eq、臭素含有量18.5%)100重量部を使用
する他は、実施例1と同様にして評価した。その結果を
第1、2表に示す。
【0063】比較例1 実施例1において、酸性物質を添加せず、エポキシ樹脂
と硬化剤およびゲルタイム調整用の硬化促進剤のみで評
価した。その結果を第1,2表に示す。
【0064】比較例2 [β−ケトエステル変性エポキシ樹脂を使用した例]エ
ポキシ樹脂として、分子側鎖にβ−ケトエステル基を有
する臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂である「EP
ICLON EXA−3104」(大日本インキ化学工
業(株)製、エポキシ当量460g/eq、臭素含有量
20.5%)90重量部を使用し、かつ、酸性物質を添
加しない他は、実施例1と同様にして評価した。その結
果を第1、2表に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、銅箔等の金属層との密
着性、耐水性に優れ、半田浴浸漬による積層板のふくれ
や剥がれを良好に防止できると共に、更に保存安定性に
著しく優れる積層板用エポキシ樹脂組成物を提供でき
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)及び
    酸性物質(C)を必須成分とするエポキシ樹脂組成物に
    おいて、前記酸性物質(C)として、α位に水素原子、
    β位にカルボニル基を有する1級アルキルエステル化合
    物を用いることを特徴とする積層板用エポキシ樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 1級アルキルエステル化合物が、β−ケ
    トエステル化合物である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 β−ケトエステル化合物が、下記一般式
    1 【化1】 (式中、R1は、C1〜C7のアルキル基、R2は、水素原
    子若しくはC1〜C5のアルキル基、又は、R3は、水素
    原子またはC1〜C9のアルキル基を表わす。)で表され
    る請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 1級アルキルエステル化合物が、β−ジ
    エステル化合物である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 β−ジエステル化合物が、下記一般式2 【化2】 (式中、R4は、C1〜C7のアルキル基、R5は、水素原
    子若しくはC1〜C5のアルキル基、又は、R6は、水素
    原子またはC1〜C9のアルキル基を表わす。)で表され
    る請求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂(A)が、ビスフェノール
    型エポキシ樹脂または臭素化ビスフェノール型エポキシ
    樹脂と、ノボラック型エポキシ樹脂とを前者が70重量
    %以上となる割合で用いた混合樹脂、或いは、ビスフェ
    ノール型エポキシ樹脂または臭素化ビスフェノール型エ
    ポキシ樹脂と、ビスフェノール及び/若しくは臭素化ビ
    スフェノールと、ノボラック型エポキシ樹脂との共重合
    体である請求項1〜5の何れか1つに記載の組成物。
  7. 【請求項7】 硬化剤(B)が、アミン系硬化剤である
    請求項1〜6の何れか1つに記載の組成物。
  8. 【請求項8】 酸性物質(C)の配合割合が、エポキシ
    樹脂(A)と硬化剤(B)との合計100重量部に対し
    て0.01〜20重量部となる割合である請求項1〜7
    の何れか1つに記載の組成物。
  9. 【請求項9】 硬化剤(B)と共に、硬化促進剤(D)
    を併用する請求項1〜8の何れか1つに記載の組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007005606A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Hitachi Chem Co Ltd 多層プリント配線板用プリプレグの製造方法
WO2020175272A1 (ja) * 2019-02-26 2020-09-03 富士フイルム株式会社 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法

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