JP2000264956A - 積層板用エポキシ樹脂組成物及び積層板 - Google Patents

積層板用エポキシ樹脂組成物及び積層板

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JP2000264956A
JP2000264956A JP11066448A JP6644899A JP2000264956A JP 2000264956 A JP2000264956 A JP 2000264956A JP 11066448 A JP11066448 A JP 11066448A JP 6644899 A JP6644899 A JP 6644899A JP 2000264956 A JP2000264956 A JP 2000264956A
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epoxy resin
laminate
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organic solvent
phosphine
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JP11066448A
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Hiroshi Moriyama
博 森山
Yoshiyuki Takahashi
芳行 高橋
Masakazu Yoshizawa
正和 吉沢
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃効果、クロス状基材との密着性、ミーズ
リング防止効果を高める。 【解決手段】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(A)、下記一般式(1) (式中、R1、R2、R3は、水素原子、アルキル基を
表す)で表されるホスフィン類(B)、硬化剤(B)及
び有機溶剤(C)を含有。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板用
等の積層板に用いられる樹脂組成物および積層板に関
し、特に、ハロゲンフリーで優れた難燃効果を奏すると
共に、密着性、耐熱性および耐湿性にも優れた積層板用
組成物及び積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、その優れた密着性、電
気特性(絶縁性)ゆえにプリント配線板として使用され
る積層板用ワニスに広く用いられている。
【0003】このプリント配線板は、近年、高い難燃性
(UL:V−0)が求められる為、通常ハロゲン化され
たエポキシ樹脂が用いられている。例えば、ガラスエポ
キシ積層板では、難燃化されたFR−4グレードとし
て、一般に臭素で置換されたエポキシ樹脂を主原料成分
とし、これに種々のエポキシ樹脂を混合したエポキシ樹
脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とを配合して用いられてい
る。
【0004】しかし、このようなハロゲン化されたエポ
キシ樹脂の使用は、近年のダイオキシンに代表される環
境問題の一要因となっている他、高温環境下でのハロゲ
ン解離による電気的な長期信頼性への悪影響などから、
ハロゲンの使用量を低減するか、ハロゲンに代替できる
他化合物を使用した難燃剤、あるいは他の難燃処方が強
く求められている。
【0005】そこで、従来よりこの様なハロゲンによる
難燃処方に代わる技術として、例えばリン酸エステル系
化合物などを添加系難燃剤として使用する技術が種々検
討されているが、このような技術は何れも成形品の耐熱
性や耐水性等の低下、更にとりわけ電気積層板用途にお
ける密着性の低下を来すものであった。そこで、リン系
化合物を使用しながらも、成形品の耐熱性、耐水性等を
改善したものとして、例えば特開平4−11662号公
報には、ビスフェノール型エポキシ樹脂に特定のリン化
合物を変成させて、成形品の耐熱性等を図った技術が開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平4−1
1662号公報記載の発明は、組成物中のリン含有量が
著しく低いため、ハロゲン系エポキシ樹脂の併用が避け
られず、ハロゲンフリー難燃処方として実用化できない
他、電気積層板用途においてマトリックス樹脂と、ガラ
スクロス等のクロス状基材および銅箔との密着性に劣る
ため、積層板のピール強度や層間剥離強度に劣るもので
あった。また、難燃効果を高めるべくエポキシ樹脂への
リン化合物の変性量を増やすことは、変性エポキシ樹脂
の分子量を増大させることになるため、クロス状基材や
銅箔への含浸性が著しく劣り、積層板でのミーズリング
が発生し易くなる、という問題を招来していた。
【0007】従って、本発明が解決しようとする課題
は、ハロゲンによる難燃処方に代わるハロゲンフリーの
難燃処方として優れた難燃効果を発現させると共に、電
気積層板としてクロス状基材や銅箔との密着性に優れ、
またミーズリング発生を良好に抑制できる積層板用エポ
キシ樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂と特定構
造のリン化合物を硬化剤及び有機溶剤と共にワニス化す
ることにより、クロス状基材への含浸性に優れ、積層板
にした際のミーズリング性を良好に防止できると共に、
クロス状基材や銅箔との密着性も飛躍的に向上し、更に
ハロゲンフリーで優れた難燃効果を発現できることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】即ち、本発明は、エポキシ樹脂
(A)、フェノール性水酸基含有芳香族基とその他の芳
香族基とをリン原子上に有するホスフィン類(B)、硬
化剤(C)、及び有機溶剤(D)とを必須成分とするこ
とを特徴とする積層板用エポキシ樹脂組成物、および該
組成物をクロス状基材に含浸し、これらを複数枚積層
後、加熱加圧成形して得られることを特徴とする積層板
に関する。
【0010】本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、特
に制限されるものではないが、ハロゲンフリーで優れた
難然効果を発現することからハロゲン原子非含有のエポ
キシ樹脂が好ましい。ここで、ハロゲン原子非含有のエ
ポキシ樹脂とは、エポキシ樹脂を製造する際、エピクロ
ロヒドリンと反応させる原料フェノール樹脂中にハロゲ
ン原子が含まれていないか或いはハロゲン原子で実質的
に変性されていないエポキシ樹脂である。即ち、通常の
エピクロルヒドリンの使用により混入される微量の塩素
分は含んでいてもよく、具体的にはハロゲン原子量50
00ppm以下であることが好ましい。
【0011】この様なエポキシ樹脂(A)としては、具
体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキ
シ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノー
ル型エポキシ樹脂、レゾルシノールジグリシジルエーテ
ル、1−6ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエー
テル、ジメチルビスフェノールCジグリシジルエーテル
等の2官能型エポキシ樹脂、1,6−ジグリシジルオキ
シナフタレン型エポキシ樹脂、1−(2,7−ジグリシ
ジルオキシナフチル)−1−(2−グリシジルオキシナ
フチル)メタン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジル
オキシナフチル)メタン、1,1−ビス(2,7−ジグ
リシジルオキシナフチル)−1−フェニル−メタン等の
ナフタレン系エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビス
フェノールADノボラック樹脂等のノボラック型エポキ
シ樹脂、シクロヘキセンオキサイド基を有するエポキシ
樹脂、トリシクロデセンオキサイド基を有するエポキシ
樹脂、シクロペンテンオキサイド基を有するエポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂のエポキシ
化物等の環式脂肪族エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジ
ルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステ
ル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグ
リシジルp−オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエ
ステル、トリグリシジルエステル等のグリシジルエステ
ル型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン、テトラグリ
シジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジルp−ア
ミノフェノール、トリグリシジル−p−アミノフェノー
ル、テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、ジグリ
シジルトルイジン、テトラグリシジルビスアミノメチル
シクロヘキサン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、
ジグリシジルヒダントイン、グリシジルグリシドオキシ
アルキルヒダントイン等のヒダントイン型エポキシ樹
脂、トリアリルイソシアヌレート、トリグリシジルイソ
シアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂、フロログリシ
ノールトリグリシジルエーテル、トリヒドロキシビフェ
ニルトリグリシジルエーテル、トリヒドロキシフェニル
メタントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシ
ジルエーテル、2−[4−(2,3−エポキシプロポキ
シ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−
(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フ
ェニル]プロパン、1,3−ビス[4−[1−[4−
(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4
−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニ
ル]−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキ
シ]−2−プロパノール等の3官能型エポキシ樹脂、テ
トラヒドロキシフェニルエタンテトラグリシジルエーテ
ル、テトラグリシジルベンゾフェノン、ビスレゾルシノ
ールテトラグリシジルエーテル、テトラグリシドキシビ
フェニル等の4官能型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0012】これらのエポキシ樹脂(A)は、その使用
にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種
類以上の併用も可能である。また、上記の各エポキシ樹
脂(A)と共に、一部以下の化合物、即ち、n−ブチル
グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−
エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイ
ド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジル
エーテル、P.Sec−ブチルフェニルグリシジルエー
テル、グリシジルメタクリレート、ビニルシクロヘキセ
ンモノエポキサイド等の1官能性エポキシ化合物を併用
してもよい。
【0013】この様なエポキシ樹脂(A)は、特に積層
板にした際の耐熱性、耐水性等が良好となる点からエポ
キシ当量150〜5000g/eqであること、或い
は、150℃における溶融粘度が1〜50ポイズである
ことが好ましい。
【0014】また、上記エポキシ樹脂(A)の中でも、
特にワニス化する際のクロス状基材への含浸性が良好
で、ミーズリング性防止効果および積層板の密着性が良
好である点からビスフェノール型エポキシ樹脂、特にビ
スフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂が好ましい。
【0015】また、このビスフェノール型エポキシ樹脂
においては、特に密着性の効果が顕著になる点からエポ
キシ当量150〜4000g/eqであることが好まし
い。
【0016】次に、ホスフィン類(B)は、フェノール
性水酸基含有芳香族基とその他の芳香族基とをリン原子
上に有するものである。本発明においては、特にこのホ
スフィン類(B)を事前に前記エポキシ樹脂(A)と実
質的に反応させることなくワニス化し、積層板製造時に
おける硬化反応時には、エポキシ樹脂(A)/ホスフィ
ン類(B)/硬化剤(C)の架橋構造体となることか
ら、ワニスのガラスクロスへの高含浸性を維持し乍も、
エポキシ樹脂(A)−ホスフィン類(B)間の反応によ
って生じる水酸基に起因して、ガラスクロスや銅箔との
密着性が一層向上し、積層板のピール強度や、層間剥離
強度が特に優れたものとなる。
【0017】即ち、エポキシ樹脂(A)/ホスフィン類
(B)/硬化剤(C)の架橋構造体から構成される積層
板は、従来の、エポキシ樹脂とリン酸エステルとの反応
物において指摘されていた2級水酸基とリン原子の相互
作用に起因する密着性の低下を改善することができると
ともに、容易に加水分解することもないので耐水性も向
上する為、耐ハンダ性も飛躍的に向上することとなる。
【0018】従って、ハロゲンフリーの難燃性と共に、
耐水性が飛躍的に向上するほか、ガラスクロスや銅箔と
の密着性にも特に優れたものとなるため、高温高湿処
理、煮沸処理、PCT(フ゜レッシャークッカーテスト)処理に対して
優れた耐性を発現する。
【0019】このようなホスフィン類(B)としては、
具体的には、特に制限されるものではないが、例えば、
下記一般式(1)
【0020】
【化3】 (式中、R1、R2、R3は、水素原子、アルキル基を
表す)
【0021】又は、下記一般式(2)
【化4】 (式中、R4、R5、R6は、水素原子、アルキル基を
表す)であらわされる構造のものが、難燃効果及び耐水
性が顕著なものとなり好ましい。これらは単独で用いて
も、2種以上併用してもよい。
【0022】このような一般式(1)または一般式
(2)で表されるホスフィン類(B)のなかでも、特
に、一般式(1)で表されるものとしては、ジフェニル
ホスフィニルハイドロキノンが好ましく、また、一般式
(2)で表されるものとしては、10−(2,5−ジヒ
ドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ
−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイドが
好ましい。
【0023】以上詳述したホスフィン類(B)の使用割
合としては、特に制限されるものではないが、本発明に
おいては、該ホスフィン類(B)を事前に反応させるこ
となくワニス化することから比較的多く使用してもガラ
スクロスへの含浸性を落とすことがない。よって、ホス
フィン類(B)の使用量としては、組成物中の不揮発分
中5〜50重量%であることが好ましい。ここで、不揮
発分とは、組成物中の有機溶剤(D)を除く配合成分を
いう。即ち、5重量%以上用いることによって難燃効果
が高められる他、密着性の改善効果も顕著なものとな
る。また、ホスフィン類(B)とエポキシ樹脂(A)と
の反応によって生じる水酸基は、該ホスフィン類(B)
の構造的特徴に起因して従来汎用のホスフィン類を用い
た場合よりも密着性に大きく貢献するが、耐水性を低下
させることが殆どない。よって、5重量%以上使用する
ことにより難燃効果、密着性及び耐水性の何れも極めて
良好な積層板を得ることができる。また、50重量%以
下の範囲においては、ガラスクロスへの含浸性が一層良
好となってミーズリング防止の効果が顕著になる他、硬
化時におけるエポキシ樹脂(A)と硬化剤(C)との架
橋密度が高まることから得られる積層板の機械的強度が
より高まる。よって、これらの性能バランスがより良好
なものとなる点から、なかでも20〜35重量%である
ことが好ましい。
【0024】次に、本発明で用いられる硬化剤(C)と
しては、特に限定されるものではないが、例えば、ジシ
アンジアミド、イミダゾール、BF3 −アミン錯体、グ
アニジン誘導体等の潜在性アミン系硬化剤、メタフェニ
レンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジ
フェニルスルホンなどの芳香族アミン類、シクロホスフ
ァゼンオリゴマー、フェノール類とトリアジン環を有す
る化合物、或いはフェノール類とトリアジン環とアルデ
ヒド類の混合物または縮合物等の窒素原子含有化合物、
フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹
脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ポリアミド樹
脂、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロ
フタル酸、無水ピロメリット酸などの酸無水物系硬化剤
等をが挙げられる。これらの硬化剤は単独で使用して
も、2種以上併用してもよい。
【0025】これらのなかでも特に、密着性と難然効果
が相乗的に向上する点からジシアンジアミドに代表され
る窒素原子を含有する硬化剤、フェノール類とトリアジ
ン環とアルデヒド類の混合物または縮合物が好ましい。
【0026】また、本発明においては、この硬化剤
(C)と共に、硬化促進剤を併用することができる。硬
化促進剤についても公知慣用のものがいずれも使用でき
るが、例えば、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミ
ン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯
塩等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種
以上併用してもよい。
【0027】また、本発明の組成物は、上記した各成分
に加え、更に有機溶剤(D)が必須の成分となる。ここ
で、使用し得る有機溶媒(D)は、特に限定されるもの
ではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブタノール、メトキシプロ
パノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチ
ルカルビトール、酢酸エチル、キシレン、トルエン、シ
クロヘキサノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられ、これらの溶
剤は、適宜に2種または、それ以上の混合溶剤として使
用することも可能である。
【0028】有機溶媒の使用量は特に制限されるもので
はないが、特に電気積層板用としては、クロス状基材へ
の含侵性の点から、不揮発分換算で20〜80重量%と
なる範囲であることが好ましい。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物には、さらに
必要に応じて種々の添加剤、充填剤等を適宜配合するこ
とが出来る。また、本発明の効果を損なわない範囲で非
ハロゲン系の難燃剤を少量加えてもよい。
【0030】以上のエポキシ樹脂(A)と、フェノール
性水酸基含有芳香族基とその他の芳香族基とをリン原子
上に有するホスフィン類(B)とをワニス化する方法
は、特に制限されるものではなく、ホスフィン類(B)
を溶解する有機溶剤(D)を適宜選択すればよい。
【0031】上記した積層板用エポキシ樹脂組成物から
本発明の積層板を製造する方法としては、特に制限され
なく、公知慣用の方法によって製造することができる
が、例えばクロス状基材に前記組成物を樹脂量30〜7
0重量%となる割合で含浸してプリプレグとし、次いで
このプリプレグの複数枚、好ましくは1〜10枚を、銅
箔と共に加熱プレスして得る方法が挙げられる。
【0032】ここで、クロス状基材としては、特に限定
されるものではないが、ガラスクロスやアラミドクロス
が挙げられる。
【0033】また、加熱加圧成形する際の条件として
は、特に制限されないが、例えば温度条件として160
〜190℃の範囲、圧力条件として2〜5MPaの範囲
が好ましく適用できる。
【0034】
【実施例】次に本発明を参考例、実施例および比較例に
より具体的に説明する。尚、例中において「部」および
「%」は特に断りのない限りすべて重量基準である。
【0035】配合例1 ジフェニルホスフォニルハイドロキノン33部と硬化剤
としてジシアンジアミド2.4部を有機溶剤であるジメ
チルホルムアミド、メチルセロソルブ、N−メチル−2
−ピロリドン各20部の混合液に予め溶解させ、これに
エポキシ当量が188のビスフェノールA型エポキシ樹
脂100部を溶解させてワニス化し、リン含有量2.5
重量%の目的のエポキシ樹脂配合ワニスを得た。以下、
これを樹脂配合ワニス(A−1)と略記する。
【0036】配合例2 ジフェニルホスフォニルハイドロキノン43部と硬化剤
としてジシアンジアミド2.2部を有機溶剤であるジメ
チルホルムアミド、メチルセロソルブ、N−メチル−2
−ピロリドン各50部の混合液に予め溶解させ、これに
エポキシ当量が172のビスフェノールF型エポキシ樹
脂100部を溶解させてリン含有量3.0重量%の目的
のエポキシ樹脂配合ワニスを得た。以下、これを樹脂配
合ワニス(A−2)と略記する。
【0037】配合例3 10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン
−10−オキサイド37部と硬化剤としてジシアンジア
ミド2.4部を有機溶剤であるジメチルホルムアミド、
メチルセロソルブ、N−メチル−2−ピロリドン各50
部の混合液に予め溶解させ、これにエポキシ当量が18
8のビスフェノールA型エポキシ樹脂100部を溶解さ
せてワニス化し、リン含有量2.6重量%の目的のエポ
キシ樹脂配合ワニスを得た。以下、これを樹脂配合ワニ
ス(A−3)と略記する。
【0038】配合例4 10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン
−10−オキサイド46部と硬化剤としてジシアンジア
ミド2.4部を有機溶剤であるジメチルホルムアミド、
メチルセロソルブ、N−メチル−2−ピロリドン各50
部の混合液に予め溶解させ、これにエポキシ当量が17
2のビスフェノールF型エポキシ樹脂100部を溶解さ
せてワニス化し、リン含有量3.0重量%の目的のエポ
キシ樹脂配合ワニスを得た。以下、これを樹脂配合ワニ
ス(A−4)と略記する。
【0039】合成例1 エポキシ当量400のテトラブロムビスフェノールA型
エポキシ樹脂10054部とエポキシ当量188のビス
フェノールA型エポキシ樹脂46部の混合物に10−
(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒド
ロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10
−オキサイド26部とを触媒存在下で160℃にて5時
間反応させて、リン含有量2.0重量%でエポキシ当量
が548の目的樹脂を得た。この樹脂をメチルエチルケ
トンに溶解させ、ついで予めメチルセロソルブ、ジメチ
ルホルムアミドに溶解させておいたジシアンジアミドを
加えてワニス化し、リン含有量3.0重量%の目的のエ
ポキシ樹脂配合ワニスを得た。以下、これを樹脂配合ワ
ニス(A−5)と略記する。
【0040】実施例1〜4及び比較例1 配合例1〜4及び合成例1で得られたそれぞれのワニス
(A−1)〜(A−5)及びを各別に硬化促進剤2エチ
ル4メチルイミダゾールを加えた。硬化促進剤量はプリ
プレグのゲルタイムが170℃で120秒になる割合に
した。
【0041】しかるのち、それぞれの混合溶液を用い、
クロス状基材であるガラスクロスWEA 7628 H
258N〔日東紡(株)製(サイス゛300×300×0.018m
m)〕に含浸させ、160℃3分乾燥させて樹脂分40
%のプリプレグを作製した。次いで、得られたプリプレ
グを8枚重ね合わせ、圧力3.9MPa、加熱温度17
0℃、加熱時間120分の条件で硬化させて積層板を作
製した。
【0042】得られた各々の積層板について、ピール強
度、層間剥離強度、難燃性、Tg(ガラス転移温度)、
PCT吸水率、耐ハンダ性の各物性を試験した。その結
果を第1表に示す。尚、各試験は以下の方法に従った。 [ワニスの含浸性] 各実施例及び比較例で得られたワ
ニスに、ガラスクロス(「ガラスクロスWEA 762
8 H258N」日東紡(株)製(サイス゛300×300×0.01
8mm))を浮かべ、全体が含浸される迄の時間を測定
し、以下の基準で評価した。 ◎:2秒未満 △:2秒以上5秒未満 ×:5秒以
【0043】 [ピール強度] JIS−K6481に準拠した。 [層間剥離強度] JIS−K6481に準拠した。 [難燃性] UL規格に準拠 [Tg(ガラス転移温度)]DMA法にて測定。昇温ス
ピード3℃/min [吸水率]PCT(プレッシャークッカー試験)にて1
21℃/湿度100%で処理した前後の重量変化(wt
%)を吸水率として測定した。 [耐ハンダ性]常態およびPCT処理後の積層板を26
0℃のハンダ浴に30秒浸せきさせてその状態変化を観
察した。 判定基準:◎:外観変化なし、△:直径2mm以下のミー
ズリングあり、×:直径2mmより大きいフクレ発生
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲンによる難燃処
方に代わるハロゲンフリーの難燃処方として優れた難燃
効果を発現させると共に、電気積層板としてクロス状基
材や銅箔との密着性に優れ、またミーズリング発生を良
好に抑制できる積層板用エポキシ樹脂組成物、およびこ
れら性能を兼備した積層板を提供できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A)、フェノール性水酸
    基含有芳香族基とその他の芳香族基とをリン原子上に有
    するホスフィン類(B)、硬化剤(C)、及び有機溶剤
    (D)とを必須成分とすることを特徴とする積層板用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ホスフィン類(B)の含有量が、不揮発
    分中5〜50重量%となる割合である請求項1記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂(A)が、エポキシ当量1
    00〜500g/eqのものである請求項1又は2記載
    の組成物。
  4. 【請求項4】 ホスフィン類(B)が、下記一般式
    (1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3は、水素原子、アルキル基を
    表す) 又は、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R4、R5、R6は、水素原子、アルキル基を
    表す)である請求項1、2又は3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 硬化剤(C)が、窒素原子を含有するも
    のである請求項1〜4の何れか1つに記載の組成物。
  6. 【請求項6】 有機溶剤(D)の含有量が、不揮発分量
    10〜80重量%となる割合である請求項1〜5の何れ
    か1つに記載の組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1つに記載の組成
    物を、クロス状基材に含浸し、これらを複数枚積層後、
    加熱加圧成形して得られることを特徴とする積層板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002241473A (ja) * 2001-02-16 2002-08-28 Taiyo Ink Mfg Ltd 熱硬化性エポキシ樹脂組成物とその成形体および多層プリント配線板
WO2011152412A1 (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 日立化成工業株式会社 エポキシ樹脂組成物、このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、支持体付き樹脂フィルム、金属箔張り積層板及び多層プリント配線板

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