JP3324458B2 - 内燃機関の燃料噴射弁 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射弁

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JP3324458B2
JP3324458B2 JP24138097A JP24138097A JP3324458B2 JP 3324458 B2 JP3324458 B2 JP 3324458B2 JP 24138097 A JP24138097 A JP 24138097A JP 24138097 A JP24138097 A JP 24138097A JP 3324458 B2 JP3324458 B2 JP 3324458B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は内燃機関に燃料を
噴射供給するための燃料噴射弁に係り、詳しくはスリッ
ト状の噴口を有した内燃機関の燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】内燃機
関に設けられた燃料噴射弁はその先端部に形成された噴
口から吸気通路内部或いは燃焼室内部に向けて燃料を噴
射する。このように燃料噴射弁から噴射される燃料の噴
霧特性、即ち噴霧形状、噴霧貫徹力、噴霧の均一性や微
粒化度等々は噴口形状によって大きく変化する。従っ
て、噴口形状を調整することにより上記噴霧特性の改善
を図ることが可能である。噴霧特性の改善を図るため
に、例えば、噴口形状をスリット状に形成した燃料噴射
弁が従来より提案されている(例えば、特開平3−78
562号公報に記載された「燃料噴射弁」)。
【0003】このようなスリット状の噴口を有した燃料
噴射弁では、燃料噴霧が扁平な扇形状となって燃料噴霧
に多くの空気を巻き込まれるようになるため、燃料噴霧
の微粒化が促進される。しかしながら、この種の燃料噴
射弁にあっては、その微粒化の程度が不十分であり、ま
た、微粒化以外に関する噴霧特性、例えば、噴霧形状や
噴霧貫徹力等についても所望の特性に調整することが困
難であるという問題があった。このため、従来より燃料
噴射弁における噴霧特性の改善を図ることができる技術
が望まれていた。
【0004】この発明は上述した実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は燃料噴射弁における噴霧特性の
改善を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した発明は、筒状をなすハウジング
と、同ハウジングの内部に往復動可能に設けられたニー
ドル弁と、ハウジングの先端側内周部分に形成されニー
ドル弁が離着座する弁座と、ハウジングにおいて弁座よ
りも同ハウジングの先端側に形成されたサック部と、同
サック部に形成されニードル弁が弁座から離座したとき
にサック部内の燃料を外部に向けて噴射するためのスリ
ット状の噴口とを備えた内燃機関の燃料噴射弁におい
て、噴口がハウジングの軸線方向に対して傾斜した方向
から中空半球状をなすサック部の中心に向かって切り込
んだ態様で形成されており、且つサック部の先端部の外
周壁に同噴口の長手方向の中央部分が同サック部の中心
に向かって凸となった切欠部を形成することをその要旨
とするものである。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】上記構成によれば、噴口を通過する際に燃
料噴霧がサック部の内周壁から受ける抵抗の大きさを同
噴口の長手方向における位置に応じて変更することがで
きるようになる。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】請求項に記載した発明は、筒状をなすハ
ウジングと、同ハウジングの内部に往復動可能に設けら
れたニードル弁と、ハウジングの先端側内周部分に形成
されニードル弁が離着座する弁座と、ハウジングにおい
て弁座よりも同ハウジングの先端側に形成されたサック
部と、同サック部に形成されニードル弁が弁座から離座
したときにサック部内の燃料を外部に向けて噴射するた
めのスリット状の噴口とを備えた内燃機関の燃料噴射弁
において、サック部は、その内部側に形成された第1の
円球面と、その第1の円球面上からサック部の外部側に
向けて突出され、且つハウジングの軸線方向において断
面形状が変化しない内部空間を形成する円筒面と、その
円筒面のサック部の外部側の端部に形成された第2の円
球面とをその内壁面の一部として有し、噴口はサック部
をその外部側から内部側に向け前記円筒面に達するまで
ハウジングの軸線方向に切り込んで形成されていること
をその要旨とするものである。
【0019】上記構成によれば、ハウジングの軸線方向
における噴口の切込量が変化しても、サック部の内壁側
における噴口の開口形状は変化しない。従って、この切
込量のバラツキに起因した噴霧形状の変化が抑制され
る。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]以下、本発明を筒内噴射式ガソリン
エンジン(以下、「エンジン」と略記する)の燃料噴射
弁に適用した第1の実施形態について説明する。
【0021】図1〜3は本実施形態における燃料噴射弁
11を示している。図2は図1の2−2線に沿った断面
図であり、図3は図1の3−3線に沿った断面図であ
る。燃料噴射弁11はその先端部(図1及び図2の下端
部)が燃焼室(図示略)の内部に突出するようにエンジ
ン(図示略)のシリンダヘッド(図示略)に取り付けら
れる。燃料噴射弁11は略円筒状をなす金属製のハウジ
ング12と、このハウジング12の内部に往復動可能に
設けられたニードル弁13とを備えている。また、ハウ
ジング12の先端側内周部分にはニードル弁13の先端
部が離着座する弁座14が形成されている。更に、ハウ
ジング12には燃料デリバリパイプ(図示略)に接続さ
れる燃料通路15が形成されている。
【0022】ハウジング12はニードル弁13を収容す
る略円筒状をなすスリーブ16と前記弁座14よりも先
端側に形成された中空半球状をなすサック部17とから
構成されている。燃料デリバリパイプ内の燃料は前記燃
料通路15及びスリーブ16の内部を通じてサック部1
7の内部に導入されるようになっている。
【0023】サック部17の先端部分にはスリット状の
噴口20が形成されている。図1及び図3に示すよう
に、この噴口20はハウジング12の軸線方向に対して
傾斜した方向からサック部17の中心に向かって切り込
んだ態様で形成されており、この噴口20によってサッ
ク部17の内部と外部とが連通されている。
【0024】前記ハウジング12の基端側(図1の上端
側)内部にはニードル弁13を弁座14側に向けて付勢
するスプリング(図示略)と、同スプリングとの協働に
より同ニードル弁13をハウジング12内において往復
動させるソレノイドコイル(図示略)が設けられてい
る。
【0025】ソレノイドコイルが通電されると、ニード
ル弁13は同ソレノイドコイルに発生する電磁力によっ
て基端側に吸引される。その結果、ニードル弁13が弁
座14から離座して燃料噴射弁11は開弁状態となる。
従って、サック部17の内部にある燃料は噴口20を通
じて燃焼室内に噴射される。
【0026】これに対して、ソレノイドコイルに対する
通電が停止されると、ニードル弁13はスプリングの付
勢力によって先端側に付勢される。その結果、ニードル
弁13が弁座14に着座して燃料噴射弁11が閉弁状態
となる。従って、噴口20からの燃料の噴射は停止され
る。従って、燃料噴射量は燃料噴射弁11が開弁してい
る時間、換言すれば、ソレノイドコイルが通電されてい
る時間に応じて調節することができる。
【0027】本実施形態ではワイヤ放電加工により前記
噴口20を形成するようにしている。この噴口20の加
工手順の概略について図4及び5を参照して説明する。
この噴口20の加工に際しては同噴口20の幅(短辺の
長さ)B(図5に示す)よりも径の小さい放電ワイヤ
(以下、「ワイヤ」と略記する)Wが使用される。この
ワイヤWは電源装置(図示略)の陰極に電気的に接続さ
れるとともに、送りリール及び巻き取りリール(いずれ
も図示略)によって図4に示すA方向に所定速度で巻き
取られるようになっている。
【0028】一方、前記ハウジング12はサック部17
が加工液中に浸漬されるように放電加工機のXYテーブ
ル(いずれも図示略)に固定されるとともに、前記電源
装置の陽極に電気的に接続される。尚、本実施形態にお
いては前記加工液として石油を用いるようにしている。
【0029】放電加工中においては、ワイヤWとサック
部17との間にパルス状の電圧を印加しつつ、ハウジン
グ12を前記XYテーブルとともに移動させる。このハ
ウジング12の移動によって、ワイヤWは図5に実線で
示す軌跡のようにハウジング12に対して相対的に移動
する。この際、ワイヤWとサック部17との間にパルス
状の放電電流が流れることにより、サック部17の一部
が高温になって溶融する。一方、加工液は、サック部1
7の溶融と同時に局部過熱されて気化し急激に膨張す
る。この加工液の膨張によって溶融部分が母材(サック
部17)から除去される。そして、このようなサック部
17の部分的な除去がワイヤWの移動に伴って行われる
ことにより噴口20が形成される。
【0030】ここで噴口20の内周壁面における表面粗
さZ(最大高さ)はワイヤWとサック部17との間に流
れる放電電流の最大値Imax と放電継続時間Tとによっ
て調節することができる。従って、本実施形態において
は、これら各パラメータImax ,Tを制御することによ
って、表面粗さZの大きさを以下の条件を満たすように
設定している。
【0031】サック部17内の燃料が噴口20を通過す
る際に同噴口20の内周壁面近傍に形成される乱流境界
層の層厚δは次式(1)により求められる。
【0032】
【数1】 上式(1)において、「V」は噴口20を通過する燃料
の流速、「ν」は燃料の動粘度をそれぞれ示す。また、
「x」は図5に示すようにサック部17の肉厚方向にお
ける噴口20の内端からの距離である。
【0033】一方、上記流速Vは次式(2)に示すよう
に、サック部17内における燃料の圧力P及び燃料の密
度ρを用いて表すことができる。
【0034】
【数2】 従って、上記各式(1),(2)より乱流境界層の層厚
δは次式(3)のように表すことができる。
【0035】
【数3】 更に、この乱流境界層の層厚δの最大値δmax はサック
部17における肉厚を「t」とすると次式(4)のよう
に表される。
【0036】
【数4】 本実施形態では表面粗さZを前記層厚δの最大値δmax
よりも大きく設定することにより、同噴口20の内周壁
面に層厚δの最大値δmax よりも大きい突起を複数存在
させるようにしている。従って、この突起により噴口2
0を通過する燃料の微粒化を図ることができる。即ち、
噴口20の内周壁面表層には不規則な流れを含んだ乱流
境界層が形成され、更にその外側に乱れを殆ど含まない
主流が形成される。この乱れのない主流に対し前記突起
によって乱れを強制的に発生させることにより、キャビ
テーションの発生を促進させ、また、燃料噴霧粒子と空
気とを衝突し易くさせて燃料の微粒化を図ることができ
るのである。
【0037】その結果、本実施形態によれば燃料噴霧の
微粒化によって同噴霧の均一化が促進されるようにな
り、燃料噴射弁11における噴霧特性の改善を図ること
ができる。
【0038】また、本実施形態ではワイヤ放電加工法に
よって噴口20を形成するようにしている。ここで、通
常のワイヤ放電加工においては加工液として脱イオン水
が用いられるが、本実施形態においてはこの加工液とし
て石油を用いるようにしている。このため、放電の際に
石油の分解によって生じた炭素が噴口20の内周壁面表
層に浸炭され、同壁面には極めて硬度の大きい溶融再凝
固層が形成される。
【0039】燃料噴射弁11の噴口20においては、高
圧燃料の通過に伴いその内周壁が徐々に摩耗する傾向が
あり、この摩耗によって噴口20の形状が変化し燃料噴
射量や燃料噴霧の形状が変化するおそれがある。この
点、本実施形態では浸炭によって硬度が増大した溶融再
凝固層の存在により噴口20の内周壁における耐摩耗性
が向上しているため、上記のような噴口20の形状変化
を抑制することができる。その結果、燃料噴射量や噴霧
形状の変化といった噴霧特性の変化が抑制され、同噴霧
特性を所定の特性に長期間維持することができる。
【0040】ところで噴口20の形状は噴霧特性、特
に、燃料噴霧の均一性に対して大きな影響を及ぼす。特
に、サック部17の内壁面側の開口(以下、「内壁側開
口」という)の形状は、サック部17の外壁面側の開口
形状よりも噴霧特性に及ぼす影響が大きいといえる。そ
こで、本実施形態では以下の条件を満たすように内壁側
開口の形状を設定している。
【0041】この内壁側開口は本来、図6(a)に示す
ような形状をなすものであるが、加工条件や或いはサッ
ク部17における内壁面の状態によって、実際には図6
(b)に示すように、同開口の隅部が円弧状になってい
たり、或いは図6(c)に示すように、同開口の短辺に
凹凸部分が形成されていたりする。この内壁側開口にお
ける円弧状部分の長さRや凹凸部分の長さ△は燃料噴霧
の粗密度に影響を及ぼす。即ち、上記のような円弧状部
分や凹凸部分が形成されていると噴口20を流れる燃料
の量が部分的に異なるようになるためである。
【0042】前述した図7に示すように、燃料噴霧の粗
密度は、内壁側開口の長手方向に沿った長さLに対する
前記円弧状部分の長さRの比R/L、及び同じく前記長
さLに対する前記凹凸部分の長さΔの比Δ/Lの大きさ
が「1/6」より小さくなると、略「1」に近い一定値
になる。従って、燃料噴霧の均一化を図るうえでは、以
下の条件式(5),(6)を満たすように円弧状部分の
長さRと凹凸部分の長さΔを設定すればよいことにな
る。
【0043】
【数5】 本実施形態ではワイヤ放電加工によって噴口20を加工
するようにしているため、前記円弧状部分の長さRはワ
イヤWの半径(以下、「ワイヤ径」と略記する)rに依
存しており、ワイヤ径rが大きいほど大きくなる。
【0044】図8は図2に示すサック部17の一部を拡
大して示している。同図において、「R1」はサック部
17の内径、「D」はサック部17の内壁面からのワイ
ヤWの切込量、「L」はサック部17の内壁面に沿った
内壁側開口の長手方向の長さ、「θ」はサック部17の
中心Cから内壁側開口の隅部を結ぶ直線とハウジング1
2の中心線とがなす角度である。
【0045】同図より明らかなように、上記各値R1,
D,L,θの間には以下の関係が成立する。
【0046】
【数6】 更に、上記各式(7),(8)より前記長さLは次式
(9)のように表すことができる。
【0047】
【数7】 また、図9に示すように、サック部17の内壁面Sはワ
イヤWの延伸方向に対して角度θだけ傾斜していること
から、前記円弧状部分の長さRは次式(10)のように
表すことができる。尚、式(10)において「k」はワ
イヤWと噴口20の内周壁との間に形成される放電ギャ
ップの影響を考慮するための補正係数であり、「1」よ
り小さい値である。
【0048】
【数8】 上記各式(7),(10)より円弧状部分の長さRは次
式(11)のように表すことができる。
【0049】
【数9】 更に、この式(11)及び式(9)から上記条件式
(5)を満たすためにはワイヤ径rが次式(12)を満
たす範囲にあればよいことになる。
【0050】
【数10】 本実施形態では上式(12)に基づいて使用するワイヤ
径rの範囲を設定するようにしている。
【0051】また、上記条件式(6)を満たすために本
実施形態ではサック部17の内壁面における凹凸部分の
最大高さHを以下のように設定している。図10は噴口
20の加工前におけるサック部17の断面を示し、図1
1は噴口20の加工後における同サック部17の断面を
示している。図11に示すように、サック部17の内壁
面に凸部Eが形成されている場合、ワイヤWによる噴口
20の加工を行ってもこの凸部Eの一部はワイヤWによ
って除去されずに内壁面に残る。従って、この除去され
ない部分によって噴口20の内壁側開口における開口面
積が実質的に減少することになる。その結果、内壁側開
口の形状は例えば図6(c)に示すような凹凸部分を含
んだ開口形状となる。
【0052】以下、図6(c)に示す凹凸部分の長さ△
と前記凸部Eの高さHとの関係について説明する。図1
1から明らかなように、この凹凸部分の長さ△は前記角
度θと凸部Eの高さHを用いて次式(13)のように表
すことができる。
【0053】
【数11】 従って、上式(13)及び前述した各式(7)から凹凸
部分の長さ△は次式(14)のように表される。
【0054】
【数12】 更に、この式(14)及び式(9)から上記条件式
(6)を満たすためには凸部Eの高さHが次式(15)
を満たす範囲にあればよいことになる。
【0055】
【数13】 本実施形態ではサック部17の内壁面に形成される凸部
Eの高さHが上式(15)を満たすように所定の加工精
度をもって同内壁面の加工を行うようにしている。
【0056】以上説明したように、本実施形態では上記
条件式(5),(6)を満たすようにワイヤWの半径r
や前記凸部Eの高さHを設定するようにしている。従っ
て、燃料噴霧の粗密度の大きさを小さく抑えることがで
きる。その結果、本実施形態によれば燃料噴霧の均一化
を促進することができ、燃料噴射弁11における噴霧特
性の改善を図ることができる。特に、筒内噴射式エンジ
ンにあっては燃料噴霧の粗密度が大きくなるとスモーク
が発生する傾向があるが、本実施形態によればこのよう
なスモークの発生を防止することができる。
【0057】ところで、上記条件式(5),(6)を満
たすうえでは、ワイヤWの径rをより小さくし、また、
サック部17の内壁面を加工する際の加工精度をより向
上させればよいことになる。しかしながら、ワイヤ放電
加工においてはワイヤWの径rを小さくすると、加工速
度が低下するとともに同ワイヤWが加工中に頻繁に切れ
るようになるため加工時間の増大を招くことになる。ま
た、サック部の内壁面の加工精度を向上させた場合も同
様に加工時間の増大を招くこととなる。そこで、上記各
比R/L,△/Lが「1/6」と略等しくなるように、
ワイヤWの径rやサック部17の内周壁面における加工
精度を設定すれば、前述したような加工時間の増大を極
力抑制しつつ噴霧特性の改善を図ることができる。
【0058】[第2の実施形態]次に、本発明を具体化
した第2の実施形態について説明する。尚、燃料噴射弁
11に関して上記第1の実施形態と同様の構成について
は同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0059】本実施形態では噴口を加工する際の加工手
順が上記第1の実施形態と異なっている。以下、この加
工手順について説明する。図12は図1の3−3線に沿
った断面図である。まず、同図(a)に示すようにワイ
ヤWを所定方向Aに巻き取りながら、噴口20を所定形
状よりも若干小さい形状に粗加工する。次に、同図
(b)に示すように、ハウジング12をその軸線回りに
180°回転させる。そして、その状態で噴口20が所
定形状となるように仕上加工を行う。
【0060】このように、ハウジング12を回転させて
噴口20に対しワイヤWの巻取方向を相対的に逆にする
ことにより、前記内壁側開口をその中心線に対して対称
的な形状を有したものとすることができる。即ち、ワイ
ヤ放電加工においては、被加工物とワイヤWとの間に生
じる放電によりワイヤWの径が徐々に小さくなる。この
ため、図13に一点鎖線で示すように、上記粗加工を終
えた段階では内壁側開口はワイヤWの巻き取り側(同図
の右側)部分が幅狭となっており、その中心線Cに対し
て非対称な形状となっている。しかしながら、ワイヤW
が巻き取られる向きを相対的に逆にして仕上加工を行う
ことにより、図13に実線で示すように、内壁側開口を
その中心線Cに対して略対称的な形状に加工することが
できる。
【0061】更に、内壁側開口の周縁部分にはバリが形
成されることがあるが、上記のようにワイヤWの巻取方
向を相対的に逆にして仕上加工を行うことにより、この
バリの形成状態を中心線Cに対して対称的なものとする
ことができる。
【0062】内壁側開口の形状がその中心線に対して非
対称となっていると、燃料噴霧に濃淡の差が生じて均一
にならず、また、バリが非対称に形成されている場合も
同様に燃料噴霧の均一性は損なわれるようになる。この
点、本実施形態によれば、上記のように燃料噴霧の均一
性が損なわれてしまうことを抑制し、噴霧特性の改善を
図ることができる。
【0063】更に、本実施形態では、図14及び図15
(図14の15−15線に沿った断面図)に示すよう
に、噴口20においてサック部17の内壁側における周
縁部分を、その長辺と短辺とにおいて所定の曲率半径r
1,r2を有するように電解研磨或いは流体研磨によっ
て面取加工している。ここで、噴口20の長辺と短辺と
においてそれぞれ異なった曲率半径r1,r2を有する
ように加工する際には、長辺或いは短辺の周縁部分にマ
スキング処理を施した後に電解研磨或いは流体研磨を行
う。
【0064】以下、このように噴口20の周縁部分を面
取加工したことによる噴霧形状の変化について説明す
る。 [1]長辺に面取加工をしたことによる噴霧形状の変化 図16及び図17は噴口を通過する燃料の状態を模式的
に示しており、図16は噴口20の各長辺に面取加工を
行わない場合、図17は所定の曲率半径r1をもって面
取加工を行った場合をそれぞれ示している。
【0065】図16に示すように、各長辺に面取加工を
行わない場合、サック部17の内壁側から噴口20の内
部に進入した燃料は同噴口20の内周壁面からはく離し
て収縮し縮流となる。このように燃料が縮流となること
によりキャビテーションが発生し燃料流の内部には複数
の気泡が形成される。そして、このように気泡が含んだ
燃料は噴口20から流出すると同時に周囲の存在する空
気を多量に巻き込むため、燃料の霧化が急速に進行す
る。また、燃料が噴口20の内周壁面に再付着する場合
には、気泡が崩壊して燃料流に大きな乱れが発生するた
め燃料の霧化は更に急速に進行するようになる。
【0066】これに対して、図17に示すように、所定
の曲率半径r1を有するように各長辺を面取加工した場
合、燃料はサック部17の内壁面に沿って噴口20の内
部に流入するようになるため、その流れ方向が急激に変
化することがない。従って、上記のような燃料のはく離
が起こり難くなり、キャビテーションの発生が抑制され
ることから、噴口20から流出した燃料における霧化進
行は上記の場合と比較して遅れるようになる。
【0067】その結果、各長辺に面取加工を行わない場
合には、図18(a)に示すように燃料噴霧の側面噴霧
角(同図に示す角度φ)が相対的に大きくなるのに対
し、面取加工を行った場合には、図18(b)に示すよ
うに、同側面噴霧角φは相対的に小さくなる。また、側
面噴霧角φは前記曲率半径r1を増加させることにより
更に小さくすることができる。このように本実施形態に
よれば、前記曲率半径r1の大きさに応じて側面噴霧角
φを調整することによって噴霧形状を所望の形状に変更
することができる。
【0068】[2]短辺に面取加工をしたことによる噴
霧形状の変化 図19及び図20は噴口を通過する燃料の状態を模式的
に示しており、図19は噴口20の各短辺に面取加工を
行わない場合、図20は所定の曲率半径r2をもって面
取加工を行った場合をそれぞれ示している。
【0069】図19に示すように、各短辺に面取加工を
行わない場合、燃料は各短辺の周縁部分においてはく離
するようになるため、燃料噴霧の縁は略直線状に延びる
ようになる。
【0070】これに対して、図20に示すように、所定
の曲率半径r2を有するように各短辺を面取加工した場
合には、各短辺の周縁部分において燃料がはく離する
が、そのはく離点が明確に決まらず、そのときの燃料の
流速やはく離点近傍の燃料に巻き込まれる空気の状態等
によって不規則に変動するようになる。
【0071】このようにはく離点が不規則に変動してい
るため、燃料噴霧の縁の部分では中央部分と比較して燃
料の密度が相対的に小さくなり、燃料噴霧の運動量は比
較的小さなものとなる。そして、図21に示すように、
燃料噴霧の周囲には同燃料噴霧の中央部分に誘引される
空気流が生じているため、運動量の小さい燃料噴霧の縁
の部分がこの空気流によって中央側に引き寄せられるよ
うになる。従って、燃料噴霧の縁はその中央側に湾曲し
て延びるようになる。
【0072】その結果、各短辺に面取加工を行わない場
合には、図22(a)に示すように燃料噴霧は三角形状
にちかい扇形状となるのに対し、面取加工を行った場合
には、図22(b)に示すように、燃料噴霧は円形状に
ちかい扇形状をなすようになる。このように本実施形態
によれば、前記曲率半径r2の大きさに応じて燃料噴霧
の形状を所望の形状に変更することができる。
【0073】特に、燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料
噴射弁11にあっては、燃料噴霧の形状が図22(a)
に示すような三角形状となっていると、燃焼室の内壁
(同図に二点鎖線で示す)において燃料噴霧の両隅部分
が接触する領域、即ち、同図に示す領域A1,A2に燃
料噴霧が過剰に接触するようになり、同内壁に付着して
いるエンジンオイルが洗い流されてしまうおそれがあ
り、また、燃焼室内における燃料噴霧が均一性が低下す
るようになる。
【0074】この点、本実施形態によれば、噴霧形状を
略円形状にすることができるため、燃焼室内に向けて燃
料を略均等に噴射することができるようになり、上記の
ような不具合の発生を回避することができる。
【0075】このように、本実施形態では噴口20の長
辺と短辺とを面取加工することによって燃料噴霧の形状
を所望の形状に調節することができ、燃料噴射弁11に
おける噴霧特性の改善を図ることができる。特に、本実
施形態では、それぞれ所定の曲率半径r1,r2を有す
るように噴口20の長辺と短辺とを面取加工しているた
め、噴霧形状を大きな自由度をもって変更することがで
きる。従って、この点において燃料噴霧の噴霧特性をよ
り大きく改善することができる。
【0076】[第3の実施形態]次に、本発明を具体化
した第3の実施形態について説明する。尚、燃料噴射弁
11に関して上記第1の実施形態と同様の構成について
は同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0077】図23は本実施形態における燃料噴射弁1
1の先端側部分を示す断面図である。同図に示すよう
に、サック部17の先端部には切欠部17aが形成され
ている。従って、噴口20の内周壁となる部分でのサッ
ク部17の肉厚tが同噴口20の長手方向における位置
に応じて異なり、その両端側部分で厚く、逆に中央部分
で薄くなっている。
【0078】上記のようにサック部17の肉厚tを変更
することにより、噴口20の中央部分を通過する燃料噴
霧に関して、サック部17の内周壁から受ける抵抗の大
きさを減少させるとともに、その噴霧貫徹力を増大させ
ることができる。従って、サック部17の肉厚tを一定
にした場合(この場合における燃料噴霧の形状を図23
に二点鎖線で示す)と比較して燃料噴霧の到達距離をそ
の中央部分において増加させることができ、同燃料噴霧
の形状を図23に実線で示す形状に変化させることがで
きる。このように、本実施形態によれば、サック部17
の肉厚tを噴口20の長手方向における位置に応じて異
ならせて噴霧貫徹力を変更し、燃料噴霧を所望の形状に
調節することによって燃料噴霧の噴霧特性を改善するこ
とができる。
【0079】[第4の実施形態]次に、本発明を具体化
した第4の実施形態について説明する。尚、燃料噴射弁
11に関して上記第1の実施形態と同様の構成について
は同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0080】図24は本実施形態における燃料噴射弁1
1の断面を示し、図25は図24の25−25線に沿っ
た断面を示している。これら各図に示すように、本実施
形態における噴口20はサック部17の最先端部からハ
ウジング12の軸線方向に沿って同サック部17の中心
に向かい切り込んだ態様で形成されている。また、サッ
ク部17には、ハウジング12の軸線方向における略中
央部分に円筒部17bが形成されている。従って、図2
4に示すように、サック部17の内周壁には2つの円球
面S1,S2と、両円球面S1,S2との間に位置し円
筒面S3とが形成されている。噴口20は第1の実施形
態と同様、ワイヤ放電加工によって前記円筒部17bに
まで達するように切り込まれた状態で形成されている。
【0081】図26は噴口20から噴射される燃料噴霧
の状態を示している。同図に示すように、噴口20の短
辺が前記円筒面S3の部分に存在していることから、燃
料噴霧は噴口20の両端部分から略水平方向(ハウジン
グ12の軸線方向に対して略垂直な方向)に流出するよ
うになる。そして、同図に示すように、この略水平方向
に流出した燃料噴霧は同噴霧の中央部分に向かう空気流
によって中央側に引き寄せられるようになる。従って、
噴霧角は噴口20を同図に一点鎖線で示す位置までしか
切り込まなかった場合の噴霧角と殆ど等しくなる。ま
た、噴口20を同図に二点鎖線で示す位置まで更に切り
込んだ場合でも、上記と同様、略水平方向に流出した燃
料噴霧が中央側に引き寄せられることから、噴霧角は殆
ど変化しない。
【0082】図27は、噴口20の切込量D(図26参
照)と噴霧角との関係を示す実験結果である。同図に実
線で示すように、噴霧角は切込量Dの増加に伴って増加
するが、同切込量Dが図26に示す各所定値D1,D2
の間にあり、噴口20の両端部が前記円筒部17bの部
分に位置するようになると、切込量Dを更に増加させて
も噴霧角は増加せず一定値となる。
【0083】このように、サック部17に円筒部17b
を設けることにより、噴口20の切込量Dに関して噴霧
角が変化しない領域(D1<D<D2)が存在するよう
になる。従って、噴口20を加工する際に切込量Dにバ
ラツキが存在しても、同噴口20の両端部が前記円筒部
17bの部分に位置してさえいれば噴霧角は変化しない
ことになる。その結果、本実施形態によれば、切込量D
のバラツキに起因した噴霧角の変化を防止して噴霧形状
を所望の形状とすることができ、噴霧特性の改善を図る
ことができる。
【0084】尚、上記各実施形態は以下のように構成を
変更して実施することも可能である。 ・上記第1の実施形態では、ワイヤ放電加工により噴口
20を形成するようにしたが、噴口20を円盤状の研削
ディスクを用いた研削加工やレーザビーム加工によって
形成するようにしてもよい。この場合、研削ディスクの
隅部における曲率半径やレーザビーム径を前記ワイヤ径
rと同様、上式(12)に基づいて設定することによ
り、前記条件式(5)を満たすように噴口20の隅部に
おける円弧状部分の長さRを設定することができる。
【0085】・上記第1の実施形態では、放電加工を行
う際の加工液として石油を用いるようにしたが、この加
工液としては加工中に炭素が分離する液体であればよ
く、石油以外にも例えば灯油等を用いることができる。
【0086】
【0087】・上記各実施形態では、本発明を筒内噴射
式エンジンに用いられる燃料噴射弁に適用したが、吸気
管内に燃料を噴射する燃料噴射弁に適用することもでき
る。 ・上記各実施形態では、サック部17に噴口20を一つ
だけ設けるようにしたが、複数の噴口を同サック部17
に形成するようにしてもよい。
【0088】・上記各実施形態では、本発明をガソリン
エンジンに用いられる燃料噴射弁に適用するようにした
が、例えばディーゼルエンジンの燃料噴射弁に適用する
ようにしてもよい。
【0089】
【発明の効果】請求項1に記載した発明では、噴口がハ
ウジングの軸線方向に対して傾斜した方向から中空半球
状をなすサック部の中心に向かって切り込んだ態様で形
成されており、且つサック部の先端部の外周壁に同噴口
の長手方向の中央部分が同サック部の中心に向かって凸
となった切欠部を形成するようにしている。
【0090】
【0091】
【0092】って、噴口を通過する際に燃料噴霧がサ
ック部の内周壁から受ける抵抗の大きさを同噴口の長手
方向における位置に応じて変更することができる。その
結果、本発明によれば、燃料噴霧の貫徹力を調整してそ
の形状を所望形状に変更することができるようになるた
め、燃料噴射弁における噴霧特性の改善を図ることがで
きる。
【0093】
【0094】
【0095】請求項に記載した発明では、内部側に形
成された第1の円球面と、その第1の円球面上からサッ
ク部の外部側に向けて突出され、且つハウジングの軸線
方向において断面形状が変化しない内部空間を形成する
円筒面と、その円筒面のサック部の外部側の端部に形成
された第2の円球面とをサック部における内壁面の一部
として有し、更にサック部をその外部側から内部側に向
けて前記円筒面に達するまでハウジングの軸線方向に切
り込むことにより噴口を形成するようにしている。従っ
て、ハウジングの軸線方向における噴口の切込量が変化
しても、サック部の内壁側における噴口の開口形状は変
化しないため、切込量のバラツキに起因した噴霧形状の
変化が抑制される。その結果、燃料噴霧の形状を所定形
状とすることができようになるため、燃料噴射弁におけ
る燃料噴霧特性の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における燃料噴射弁の断面図。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図。
【図3】図1の3−3線に沿った断面図。
【図4】噴口の形成方法を説明するための斜視図。
【図5】噴口の形成方法を説明するための断面図。
【図6】噴口の開口形状を示す平面図。
【図7】噴口の開口形状と粗密度との関係を示すグラ
フ。
【図8】噴口の一部を拡大して示す断面図。
【図9】サック部の内壁面とワイヤとの関係を示す斜視
図。
【図10】噴口を加工する前のサック部を示す断面図。
【図11】噴口の一部を拡大して示す断面図。
【図12】図1の3−3線に沿った断面図。
【図13】噴口の開口形状を示す平面図。
【図14】第2の実施形態における燃料噴射弁を示す断
面図。
【図15】図14の15−15線に沿った断面図。
【図16】噴口を流れる燃料の状態を説明するための断
面図。
【図17】噴口を流れる燃料の状態を説明するための断
面図。
【図18】燃料噴霧形状を示す側面図。
【図19】噴口を流れる燃料の状態を説明するための断
面図。
【図20】噴口を流れる燃料の状態を説明するための断
面図。
【図21】噴口を流れる燃料の状態を説明するための断
面図。
【図22】燃料噴霧形状を示す側面図。
【図23】第3の実施形態における燃料噴射弁を示す断
面図。
【図24】第4の実施形態における燃料噴射弁を示す断
面図。
【図25】図24の25−25線に沿った断面図。
【図26】噴口の一部を拡大して示す断面図。
【図27】切込量と噴霧角との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
11…燃料噴射弁、12…ハウジング、13…ニードル
弁、14…弁座、17…サック部、20…噴口、W…放
電ワイヤ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B23H 7/02 B23H 7/02 K (56)参考文献 特開 平5−195892(JP,A) 特開 平5−231272(JP,A) 特開 平3−78562(JP,A) 特開 昭53−82907(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 61/18 360 F02M 61/18 320 F02M 61/18 330 F02M 61/18 350 B23H 7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状をなすハウジングと、同ハウジング
    の内部に往復動可能に設けられたニードル弁と、前記ハ
    ウジングの先端側内周部分に形成され前記ニードル弁が
    離着座する弁座と、前記ハウジングにおいて前記弁座よ
    りも同ハウジングの先端側に形成されたサック部と、同
    サック部に形成され前記ニードル弁が前記弁座から離座
    したときに前記サック部内の燃料を外部に向けて噴射す
    るためのスリット状の噴口とを備えた内燃機関の燃料噴
    射弁において、前記噴口がハウジングの軸線方向に対して傾斜した方向
    から中空半球状をなす前記サック部の中心に向かって切
    り込んだ態様で形成されており、且つ前記サック部の先
    端部の外周壁に同噴口の長手方向の中央部分が同サック
    部の中心に向かって凸となった切欠部を形成する ことを
    特徴とする内燃機関の燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 筒状をなすハウジングと、同ハウジング
    の内部に往復動可能に設けられたニードル弁と、前記ハ
    ウジングの先端側内周部分に形成され前記ニードル弁が
    離着座する弁座と、前記ハウジングにおいて前記弁座よ
    りも同ハウジングの先端側に形成されたサック部と、同
    サック部に形成され前記ニードル弁が前記弁座から離座
    したときに前記サック部内の燃料を外部に向けて噴射す
    るためのスリット状の噴口とを備えた内燃機関の燃料噴
    射弁において、前記サック部は、その内部側に形成された第1の円球面
    と、その第1の円球面上から前記サック部の外部側に向
    けて突出され、且つ前記ハウジングの軸線方向において
    断面形状が変化しない内部空間を形成する円筒面と、そ
    の円筒面の前記サック部の外部側の端部に形成された第
    2の円球面とをその内壁面の一部として有し、前記噴口
    は前記サック部をその外部側から内部側に向け前記円筒
    面に達するまで前記ハウジングの軸線方向に切り込んで
    形成されている ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射
    弁。
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JP2017031980A (ja) * 2016-10-05 2017-02-09 株式会社デンソー 燃料噴射弁
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