JP6024817B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に設けられた燃焼室内へ向けて燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
燃料噴射弁には、燃焼室内へ向けて燃料を噴射する複数の噴孔が形成されている。こうした燃料噴射弁の一種として、例えば特許文献1に開示の構成では、燃焼室の吸気側を指向する噴孔(以下、「吸気側噴孔」)の内径が、燃焼室の排気側を指向する噴孔(以下「排気側噴孔」)の内径よりも、小さくされている。こうした構成により、燃焼室内において空気及び燃料からなる混合気の均質化が図られている。
特許第4069750号公報
しかし、特許文献1に開示の燃料噴射弁のように、吸気側噴孔が排気側噴孔よりも小径とされる形態では、吸気側噴孔から噴射される燃料噴霧の貫徹力は、排気側噴孔による燃料噴霧の貫徹力よりも低くなる。故に、実際の内燃機関においては、燃焼室の吸気側を流れる流速の速い空気全体に、燃料が行き渡り難くなる。一方、吸気側噴孔よりも大径とされた排気側噴孔による燃料噴霧は、高い貫徹力を有することで、流速の遅い燃焼室排気側の空気を突き抜けてしまい得る。その結果、燃料は、空気と混ざり難くなってしまう。
加えて、特許文献1の燃料噴射弁では、吸気側噴孔及び排気側噴孔の各内径の変更により、燃料噴霧の貫徹力が調整されている。故に、吸気側噴孔を流れる燃料流量は、排気側噴孔を流れる燃料流量よりも少なくならざるを得ない。そのため、吸気側噴孔及び排気側噴孔の数及び配置の工夫によって噴射される燃料量の偏りを補正しようとしても、各噴孔の指向方向に最適な燃料量を供給することまでは、実現困難であった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、燃焼室内の各所に適切な量の燃料を空気と混ざり易い状態で供給することにより、燃焼室内の混合気の均質性を向上させることが可能な燃料噴射弁を提供することにある。
上記目的を達成するために、第一の発明は、内燃機関に設けられた燃焼室(90)内へ向けて複数の噴孔(155,255)から燃料を噴射する燃料噴射弁であって、複数の噴孔について、個々の指向方向を規定する各噴孔軸線(159,259)は、互いに異なる方向を向き、複数の噴孔のうちで、噴孔軸線(159b,259b)の姿勢により燃焼室の吸気側を指向する少なくとも一つの吸気側噴孔(157)は、基準となる基準内径(Dn_i)を維持しつつ、噴孔軸線に沿って内周壁面(157a)を延伸させるストレート形状であり、複数の噴孔のうちで、噴孔軸線(159a,259a)の姿勢により燃焼室の排気側を指向する少なくとも一つの排気側噴孔(156)は、燃焼室に露出する出口側の開口(155b_e)に向かうに従って当該噴孔軸線から内周壁面(156a)を離間させることで、基準となる基準内径(Dn_e)から出口側の開口に向かって流路面積を拡大させる拡大テーパ形状であり、吸気側噴孔の流路長さ(Ln_i)を当該吸気側噴孔の基準内径によって除算した値は、1.5以上であり、排気側噴孔の流路長さ(Ln_e)を当該排気側噴孔の基準内径によって除算した値は、2.0〜3.0の範囲内であり、複数の噴孔と連通するサック室(154)を形成するサック部(152)吸気側噴孔を貫通させる第一領域(167)、及び排気側噴孔を貫通させる第二領域(166)を形成する噴孔壁(160,260)と、をさらに備え、各噴孔の各入口側の開口(155a,255a)は、等間隔に並んでサック室に臨んでおり、吸気側噴孔及び排気側噴孔につき、それぞれの噴孔軸線を含む各縦断面において、各入口側の開口(155a,255a)を区画する各エッジ部(164)のコーナー半径は共に、10マイクロメートル以下であり、第一領域の壁厚及び第二領域の壁厚は、吸気側噴孔の流路長さ及び排気側噴孔の流路長さにそれぞれ対応するよう規定されることにより、互いに異なり、第一領域の壁厚は、第二領域の壁厚よりも薄いことを特徴としている。
この発明では、燃焼室の吸気側を指向する吸気側噴孔がストレート形状であることにより、吸気側噴孔から噴射される燃料の噴霧は、高い貫徹力を有する。こうして吸気側噴孔による燃料噴霧の貫徹力が高められることにより、燃焼室の吸気側を流れる流速の速い空気全体に燃料を行き渡らせることが可能となる。
一方で、燃焼室の排気側を指向する排気側噴孔が拡大形状であることにより、排気側噴孔から噴射される燃料噴霧の貫徹力は、吸気側噴孔による燃料噴霧の貫徹力よりも低くなる。故に、排気側噴孔から噴射された燃料噴霧は、吸気側よりも流速の遅い燃焼室排気側の空気を突き抜けることなく、空気全体と混ざり得る。
加えて上述の構成では、燃料噴霧の貫徹力は、吸気側噴孔及び排気側噴孔を互いに異なる形状に形成することによって、調整されている。故に、吸気側噴孔及び排気側噴孔のそれぞれを流れる燃料流量は、設計時に適宜調整し得る。複数の噴孔は、それぞれの指向方向に最適な燃料量を供給可能となる。
以上によれば、燃料噴射弁は、燃焼室内の各所に適切な量の燃料を空気と混ざり易い状態で供給できるため、燃焼室内における混合気の均質性を向上させることができる。
尚、上記括弧内の参照番号は、本発明の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
本発明の第一実施形態によるセンタ噴射を行う燃料噴射弁について、ガソリンエンジンに設置された状態を示す図である。 図1の矢印IIから燃焼室の天井面側を見た図であって、燃料噴射弁とその周囲の構成との位置関係を模式的に示す模式図である。 燃料噴射弁の構成を示す断面図である。 サック部の近傍を拡大して示す断面図であって、図5のIV−IV線断面図である。 図4のV−V線断面図である。 排気側噴孔の近傍をさらに拡大して示す断面図である。 吸気側噴孔の近傍をさらに拡大して示す断面図である。 拡大テーパ形状の噴孔におけるL/D値と噴霧の粒径との相関、及びL/D値と噴霧収縮率との相関、をそれぞれ示す図である。 図6の領域IXを拡大して示す断面図である。 噴孔の入口側開口を区画するエッジ部のコーナー半径と、噴霧の粒径との相関を示す図である。 本発明の第二実施形態によるサイド噴射を行う燃料噴射弁について、ガソリンエンジンに設置された状態を示す図である。 図11の矢印XIIから燃焼室の天井面側を見た図であって、燃料噴射弁とその周囲の構成との位置関係を模式的に示す模式図である。 各噴孔の配置及び指向方向を示す図である。 図2の変形例1を示す図である。 図2の変形例2を示す図である。 図2の変形例3を示す図である。 図2の変形例4を示す図である。 図2の変形例5を示す図である。 図2の変形例6を示す図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
図1及び図2に示す本発明の第一実施形態による燃料噴射弁10は、内燃機関としてのガソリンエンジンに設置されている。燃料噴射弁10は、ガソリンエンジンに設けられた燃焼室90内へ向けて複数の噴孔155から燃料を噴射する。燃焼室90は、シリンダブロック、シリンダヘッド、及びピストン94等によって区画されている。シリンダヘッドには、燃料噴射弁10と共に、二つの吸気バルブ93、二つの排気バルブ92、及び点火プラグ91等が設置されている。燃料噴射弁10及び点火プラグ91は、各吸気バルブ93及び各排気バルブ92の中央に、互いに隣り合う配置にて設置されている。燃料噴射弁10は、点火プラグ91よりも二つの吸気バルブ93に近接しており、噴孔155の形成された先端部分を燃焼室90内に露出させている。点火プラグ91は、燃料噴射弁10よりも二つの排気バルブ92に近接しており、火炎核を生じさせる先端部分を燃焼室90内に露出させている。尚、図1には、説明を容易にするため、閉弁時における吸気バルブ93及び排気バルブ92が示されている。
燃料噴射弁10は、図3に示すように、弁ボディ11、固定コア20、可動コア30、弁部材40、弾性部材50、及び駆動部60を備えている。
弁ボディ11は、コアハウジング12、入口部材13、ノズルホルダ14、及びノズルボディ15等から構成されている。コアハウジング12は円筒状に形成されており、軸方向の一端部側から他端部側へ向かって順に第一磁性部12a、非磁性部12b及び第二磁性部12cを有している。磁性材からなる各磁性部12a,12cと、非磁性材からなる非磁性部12bとは、レーザ溶接等によって結合されている。かかる結合構造によって非磁性部12bは、第一磁性部12aと第二磁性部12cの間において磁束の短絡を防止している。
第二磁性部12cにおいて非磁性部12bとは反対側の軸方向端部には、円筒状の入口部材13が固定されている。入口部材13は、燃料ポンプ(図示しない)から燃料が供給される燃料入口13aを形成している。燃料入口13aへの供給燃料を濾過して下流側のコアハウジング12内へ導くために第一実施形態では、入口部材13の内周側に燃料フィルタ16が固定されている。
第一磁性部12aにおいて非磁性部12bとは反対側の軸方向端部には、磁性材によって円筒状に形成されたノズルホルダ14を介して、ノズルボディ15が固定されている。ノズルボディ15は有底円筒状に形成されており、コアハウジング12及びノズルホルダ14と共同して燃料通路17を内周側に形成している。図4に示すようにノズルボディ15は、弁座部150及びサック部152を有している。
弁座部150は、軸方向のうち燃料下流側へ向かうに従って一定の縮径率で縮径するテーパ面状の内周面によって、弁座面151を形成している。サック部152は、弁座面151によって燃料通路17を形成する弁座部150の燃料下流側に隣接している。サック部152は、燃料上流側の燃料通路17へ向かって開口する円筒穴状の凹部153を形成している。この凹部153においてサック室154を形成する内面には、当該サック室154と連通する噴孔155が開口している。図4及び図5に示すように第一実施形態の噴孔155は、凹部153の中心軸線18周りに互いに間隔をあけて複数設けられている。各噴孔155の各入口側開口155aは、中心軸線18周りの同一仮想円19上に位置している。また各噴孔155は、燃料下流側となる各出口側開口155bへ向かうに従って凹部153の外周側に傾斜している。
図3に示す固定コア20は、磁性材によって円筒状に形成されており、コアハウジング12のうち非磁性部12b及び第二磁性部12cの内周面に同軸上に固定されている。固定コア20には、その径方向中央部を軸方向に貫通する貫通孔20aが設けられている。燃料入口13aから燃料フィルタ16を経て貫通孔20aへ流入する燃料は、その下流側となる可動コア30側へ向かって当該貫通孔20aから流出することとなる。
可動コア30は、磁性材によって段付円筒状に形成されており、コアハウジング12の内周側に同軸上に配置されて燃料上流側の固定コア20と軸方向に対向している。可動コア30は、コアハウジング12のうち非磁性部12bの内周壁によって案内されることで、軸方向両側への正確な往復移動が可能となっている。可動コア30には、その径方向中央部を軸方向に貫通する第一貫通孔30aと、軸方向中間部を径方向に貫通して第一貫通孔30aに連通する第二貫通孔30bとが、設けられている。固定コア20の貫通孔20aから流出した燃料は、その下流側において可動コア30の第一貫通孔30aへ流入し、第二貫通孔30bからコアハウジング12内の燃料通路17へと流出することになる。
弁部材40は、非磁性材によって横断面が円形のニードル状に形成されており、弁ボディ11のうち要素12,14,15が内周側に形成する燃料通路17内に同軸上に配置されている。弁部材40において燃料上流側の軸方向端部は、可動コア30の第一貫通孔30aの内周面に同軸上に固定されている。また図3及び図4に示すように、弁部材40において燃料下流側の軸方向端部は、軸方向のうち燃料下流側へ向かうに従って縮径する当接部41を形成しており、弁座面151に対して当該当接部41を当接可能に対向させている。弁部材40は、所定の中心軸線18に沿った変位によって弁座面151に対し当接部41を離着座させる。こうして、噴孔155からの燃料噴射が断続される。具体的には、弁部材40が当接部41を弁座面151から離座させる開弁作動時には、燃料が燃料通路17からサック室154へ流入して各噴孔155から燃焼室へ噴射される。また一方、弁部材40が当接部41を弁座面151に着座させる閉弁作動時には、各噴孔155から燃焼室への燃料噴射が遮断されるのである。
図3に示すように、弾性部材50は金属製の圧縮コイルスプリングからなり、固定コア20に設けられた貫通孔20aの内周側に同軸上に収容されている。弾性部材50の一端部は、貫通孔20aの内周面に固定されたアジャスティングパイプ22の軸方向端部に係止されている。弾性部材50の他端部は、可動コア30のうち第一貫通孔30aの内面に係止されている。かかる係止構造によって弾性部材50は、それを挟む要素22,30間にて圧縮されることによって弾性変形する。したがって、弾性部材50が弾性変形によって発生する復原力は、弁部材40と共に可動コア30を燃料下流側へ付勢する付勢力となる。
駆動部60は、コイル61、樹脂ボビン62、磁性ヨーク63、コネクタ64等から構成されている。コイル61は、樹脂ボビン62に金属線材を巻回してなり、その外周側に磁性ヨーク63が配置されている。コイル61は、コアハウジング12のうち固定コア20の外周側となる非磁性部12b及び第二磁性部12cの外周面に、樹脂ボビン62を介して同軸上に固定されている。コイル61は、コネクタ64に設けられたターミナル64aを介して外部の制御回路(図示しない)と電気接続されており、当該制御回路によって通電制御されるようになっている。
ここで、コイル61が通電によって励磁するときには、磁性ヨーク63、ノズルホルダ14、第一磁性部12a、可動コア30、固定コア20及び第二磁性部12cが共同して形成する磁気回路に、磁束が流れる。その結果、可動コア30と固定コア20との間に、可動コア30を燃料上流側の固定コア20へ向かって吸引する磁気吸引力が発生する。また一方、通電の停止によってコイル61が消磁するときには、上述の磁気回路に磁束が流れなくなるため、可動コア30と固定コア20との間において磁気吸引力が消失するのである。
このように構成された燃料噴射弁10の開弁作動では、コイル61への通電が開始されることで、磁気吸引力が可動コア30に作用する。すると、弁部材40と共に可動コア30は、弾性部材50の復原力に抗して固定コア20側へと移動することで、当該固定コア20と当接して停止する。その結果、弁座面151から当接部41が離座した状態となるので、各噴孔155から燃料が噴射されることとなる。
こうした開弁作動後における燃料噴射弁10の閉弁作動では、コイル61への通電が停止されることで、可動コア30に作用する磁気吸引力が消失する。すると、弁部材40と共に可動コア30は、弾性部材50の復原力による付勢側へと移動することで、当該弁部材40を弁座面151と当接させて停止する。その結果、弁座面151に当接部41が着座した状態となるので、各噴孔155からの燃料噴射が停止することとなる。
次に、図4及び図5に示す凹部153近傍の構成を詳細に説明する。凹部153の底壁160は、弁座面151に当接部41を着座させた弁部材40に対して、距離をあけて対向するよう形成されている。こうした対向構造によって、当接部41が弁座面151に着座したときの弁部材40の先端面42と底壁160との間には、各噴孔155と連通するサック室154が形成される。サック室154は、燃料中の混入異物(コンタミネーション)の噛み込みを抑制できるように容積を規定されている。
底壁160の底面には、中央面部161及びテーパ面部162が形成されている。さらに、底面の外周側には、接続面163が形成されている。中央面部161は、真円状に形成された平坦面であって、中心軸線18と同軸上に位置している。テーパ面部162は、軸方向のうち燃料下流側となる中央面部161へ向かうに従って一定の縮径率で縮径するテーパ面状に形成されている。接続面163は、燃料下流側ほど縮径率が大きくなる凹形曲面状に形成されており、テーパ面部162の外周側と弁座面151の内周側とを接続している。
以上の底壁160には、複数(六つ)の噴孔155が形成されている。各噴孔155は、各噴孔軸線159に沿って延伸している。各噴孔軸線159は、各噴孔155の中心軸線を示し、個々の噴孔155の指向方向、即ち、燃料噴霧の射出方向(図5の太線矢印を参照)を規定している。各噴孔軸線159は、互いに異なる方向を向けられており、且つ、サック室154の中心軸線18と交差するか又はねじれの位置関係にある。ガソリンエンジンに燃料噴射弁10が搭載された状態において、三つの噴孔軸線159aは、図1に示す燃焼室90にて中心軸線18よりも排気バルブ92側に傾斜している。これにより、三つの噴孔軸線159aは、燃焼室90のうちでピストン94の頂面と排気バルブ92との間の空間を通るよう姿勢を規定されている。図4及び図5に示す複数の噴孔155のうちで、これら噴孔軸線159aの姿勢によって燃焼室90(図1参照)の排気側に指向方向を規定された三つが、排気側を指向する排気側噴孔156(図6も参照)である。
一方、他の三つの噴孔軸線159bは、図1に示す燃焼室90において中心軸線18よりも吸気バルブ93側に傾斜している。これにより、三つの噴孔軸線159bは、燃焼室90のうちでピストン94の頂面と吸気バルブ93との間の空間を通るよう姿勢を規定されている。図4及び図5に示す複数の噴孔155のうちで、これら噴孔軸線159bの姿勢によって燃焼室90(図1参照)の吸気側に指向方向を規定された三つが、排気側を指向する吸気側噴孔157(図7も参照)である。
図6に示す排気側噴孔156は、燃焼室90の排気側の空間に燃料を供給する噴孔である。排気側噴孔156は、サック室154に露出する入口側開口155a_eから、燃焼室90に露出する出口側開口155b_eに向かうに従い、流路面積を拡大させる拡大テーパ形状の噴孔である。排気側噴孔156を区画する内周壁面156aは、燃料下流側に向かうに従って、流路内径の基準となる基準内径Dn_eから拡径するテーパ面状に形成されている。そのため内周壁面156aは、出口側開口155b_eに向かうに従って噴孔軸線159aから離間している。噴孔軸線159aを含む排気側噴孔156の縦断面において、内周壁面156aのテーパ角度θnは、10°〜30°の範囲内とされている。
以上の排気側噴孔156の流路長さをLn_eとすると、この流路長さLn_eを上述の基準内径Dn_eによって除算した値(以下「L/D値」)は、燃料噴射弁10における噴霧の微粒化特性及び噴霧の収縮率と関連している。以下、排気側噴孔156におけるL/D値の設定範囲を、図8に基づいて、図6を参照しつつ説明する。尚、排気側噴孔156における噴霧の収縮率は、噴孔軸線159aを含む縦断面において、中心軸線18から噴孔軸線159aまでの角度θ2_eを、中心軸線18から噴霧の外縁OBまでの角度θ1_eによって除算した値である。
図8(A)に示すように、噴霧の微粒化特性は、噴霧の粒径が最小となる特定のL/D値において、最良となる。排気側噴孔156のL/D値は、噴霧の粒径がガソリンエンジンの要求に基づく所定の最大粒径を上回らない範囲内にて、規定される。排気側噴孔156のような拡大テーパ形状の噴孔において、L/Dの上限値は3.0となる。
また、噴孔の流路が長くなるほど、噴孔内を流れる燃料は整流されるようになる。故に、噴射された噴霧は噴孔軸線に沿って飛び易くなる。その結果、図8(B)に示すように、噴霧の収縮率は、L/D値が大きくなるに従って増加する。そして、L/D値が特定の値を超えると、噴霧の収縮率はほぼ一定となる。排気側噴孔156のL/D値は、このように噴霧収縮率の増加が飽和する値以上に規定される。排気側噴孔156のような拡大テーパ形状の噴孔において、噴霧収縮率の増加が飽和する値は、2.0となる。
以上説明した理由に基づき、排気側噴孔156のL/D値は、2.0〜3.0の範囲内とされている。
図7に示す吸気側噴孔157は、燃焼室90の吸気側の空間に燃料を供給する噴孔である。吸気側噴孔157は、サック室154に露出する入口側開口155a_iから、燃焼室90に露出する出口側開口155b_iまで、流路面積を維持するストレート形状の噴孔である。吸気側噴孔157を区画する内周壁面157aは、基準内径Dn_iを有する円筒面状に形成されており、噴孔軸線159bに沿って延伸している。
以上の吸気側噴孔157の流路長さをLn_iとすると、この流路長さLn_iを上述の基準内径Dn_iによって除算した吸気側噴孔157のL/D値は、1.5以上とされている。このL/Dの下限値は、吸気側噴孔157のようなストレート形状の噴孔にて、噴霧収縮率の増加が飽和する値である。尚、吸気側噴孔157における噴霧の収縮率は、噴孔軸線159bを含む縦断面において、中心軸線18から噴孔軸線159bまでの角度θ2_iを、中心軸線18から噴霧の外縁OBまでの角度θ1_iによって除算した値である。
図7及び図8に示すように、第一実施形態では、吸気側噴孔157の基準内径Dn_iが、排気側噴孔156の基準内径Dn_eと実質同一とされている。これにより、吸気側噴孔157における入口側開口155a_iの面積A_iは、排気側噴孔156における入口側開口155a_eの面積A_eに揃えられている。これら吸気側噴孔157及び排気側噴孔156の各入口側開口155a_i,155a_eは、中心軸線18周りに規定された同一仮想円19(図5参照)上に等間隔で並んでいる。
また底壁160において、吸気側噴孔157を貫通させている部分を第一領域167とし、排気側噴孔156を貫通させている部分を第二領域166とする。上述したように、基準内径Dn_i,Dn_eを揃えたうえで各噴孔157,156の各L/D値を異なる値とした場合、それぞれの流路長さLn_i,Ln_eが、互いに異なる。こうした各流路長さの違いを補完するため、第一領域167の壁厚は、吸気側噴孔157の流路長さLn_iに対応するよう規定され、且つ、第二領域166の壁厚は排気側噴孔156の流路長さLn_eに対応するよう規定されている。具体的には、噴孔軸線159bに沿った第一領域167の壁厚は、噴孔軸線159aに沿った第二領域166の壁厚とは異なっており、当該第二領域166の壁厚よりも薄くされている。
以上の排気側噴孔156及び吸気側噴孔157は、レーザ加工によって底壁160に穿設されている。こうした加工方法の採用により、吸気側噴孔157及び排気側噴孔156につき、それぞれの噴孔軸線159b,159aを含む各縦断面において、各入口側開口155a_i,155a_eを区画する各エッジ部164(図9も参照)のコーナー半径が微小となる。同様に、各出口側開口155b_i,155b_eを区画する各エッジ部165のコーナー半径も、微小となる。具体的には、入口側及び出口側の各エッジ部164,165のコーナー半径は共に、10マイクロメートル以下となる。
ここまで説明した第一実施形態では、燃焼室90の吸気側を指向する吸気側噴孔157がストレート形状であることにより、吸気側噴孔157から噴射される燃料噴霧は、高い貫徹力(ペネトレーション)を有する。こうして吸気側噴孔157による燃料噴霧の貫徹力が高められることにより、燃焼室90の吸気側を流れる流速の速い空気全体に燃料を行き渡らせることが可能となる。
一方で、燃焼室90の排気側を指向する排気側噴孔156が拡大形状であることにより、排気側噴孔156から噴射される燃料噴霧の貫徹力は、吸気側噴孔157による燃料噴霧の貫徹力よりも低くなる。故に、排気側噴孔156から噴射された燃料噴霧は、吸気側よりも流速の遅い燃焼室90の排気側の空気を突き抜けることなく、空気全体と混ざり得る。
加えて上述の構成では、燃料噴霧の貫徹力は、吸気側噴孔157及び排気側噴孔156を互いに異なる形状に形成することによって、調整されている。故に、吸気側噴孔157及び排気側噴孔156のそれぞれを流れる燃料流量は、設計時に適宜調整可能となり、互いに揃えることも可能となる。故に、各噴孔155は、それぞれの指向方向に最適な燃料量を供給可能となる。
以上によれば、燃料噴射弁10は、燃焼室90内の各所に適切な量の燃料を空気と混ざり易い状態で供給できる。したがって、燃焼室90内における混合気の均質性が向上する。
加えて第一実施形態では、拡大テーパ形状の排気側噴孔156のL/D値が最適化されている。故に、排気側噴孔156から噴射される燃料噴霧は、微粒化された状態で拡がりを維持したまま飛翔し得るため、燃焼室90の排気側の空気全体といっそう混ざり易くなる。同様に、ストレート形状の吸気側噴孔157のL/D値が最適化されているため、吸気側噴孔157から噴射される燃料噴霧は、収縮を防がれ得る。故に、吸気側噴孔157からの燃料噴霧は、燃焼室90の吸気側の空気全体にいっそう行き渡り易くなる。
また第一実施形態では、底壁160における第一領域167と第二領域166の各壁厚に差異を設けることにより、排気側噴孔156及び吸気側噴孔157の各流路長さLn_i,Ln_eの違いが吸収されている。このように、各噴孔156,157における好適な流路長さLn_i,Ln_eが互いに異なる形態にあっては、第一領域167と第二領域166の各壁厚に違いを持たせる構成を採用することにより、各流路長さLn_i,Ln_eの補完が容易に実現できる。
さらに第一実施形態では、吸気側噴孔157及び排気側噴孔156それぞれの入口側開口155aの面積A_i,A_eが、互いに揃えられている。故に、吸気側噴孔157及び排気側噴孔156のそれぞれを流通する燃料の流量も、互いに揃い得る。その結果、各噴孔155の指向するそれぞれの方向に実質等しい量の燃料が供給されるようになる。したがって、燃焼室90の各所における混合気の均質性は、いっそう向上可能となる。
また加えて第一実施形態では、各入口側開口155aが等間隔で並ぶことにより、サック室154内の燃料は、各入口側開口155aに均等に流入可能となる。故に、各入口側開口155a_i,155a_eの面積A_i,A_eを揃える上述の構成と相俟って、各噴孔155から噴射される燃料量は、いっそう均一化され得る。したがって、燃焼室90の各所における混合気の均質性は、いっそう向上可能となる。
さらに加えて第一実施形態では、入口側のエッジ部164のコーナー半径が10マイクロメートル以下とされている。図10に示すように、エッジ部164のコーナー半径が小さくなるに従い、噴霧の粒径は小さくなる。故に、レーザ加工を用いてエッジ部164の角Rを微小にすることで、各噴孔155から噴射された燃料噴霧は、さらに空気と混ざり易くなる。
尚、第一実施形態において、底壁160が特許請求の範囲に記載の「噴孔壁」に相当する。
(第二実施形態)
図11〜図13に示す本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態による燃料噴射弁210は、燃焼室90に対する相対的な設置位置及び設置姿勢が第一実施形態の燃料噴射弁10(図1参照)とは異なっている。燃料噴射弁210は、図11及び図12に示すように、点火プラグ91を挟んで二つの排気バルブ92とは反対側に配置されている。燃料噴射弁210は、複数の噴孔255が形成された先端部分を、二つの吸気バルブ93の間に位置させている。燃料噴射弁210は、点火プラグ91に対し傾斜した姿勢にて燃焼室90の外周側に配置されており、燃焼室90に向けて側方から燃料を噴射する。
図13に示す底壁260は、噴孔軸線259の指向方向が互いに異なる六つの噴孔255を形成している。これら複数の噴孔255には、排気側噴孔156及び吸気側噴孔157に加えて中間噴孔258が含まれている。排気側噴孔156、吸気側噴孔157、及び中間噴孔258は、それぞれ二つずつ形成されている。各噴孔156,157,258の各入口側開口255aは、中心軸線18周りに規定された同一仮想円19上に、等間隔で並んでいる。加えて各入口側開口255aの面積A_e,A_i,A_mは、互いに揃えられている。
ここで、以下の説明では、二つの中間噴孔258の噴孔軸線259c及び中心軸線18を含む仮想平面を、燃焼室90(図11参照)の吸気側と排気側とを隔てる境界面BPとする。燃料噴射弁210がガソリンエンジンに搭載された状態において、境界面BPは、図11の如く燃焼室90に対して斜め方向の姿勢となる。
図11,図13に示す排気側噴孔156の噴孔軸線259aは、燃焼室90のうちで境界面BPよりも排気バルブ92に近接する空間を通るよう姿勢を規定されている。これにより排気側噴孔156は、燃焼室90の排気側を指向している。排気側噴孔156は、貫通力の抑制された燃料噴霧を燃焼室90の排気側の空間に向けて噴射する。
吸気側噴孔157の噴孔軸線259bは、燃焼室90のうちで境界面BPよりも排気バルブ92から離れた空間を通るよう姿勢を規定されている。これにより吸気側噴孔157は、燃焼室90の吸気側を指向している。吸気側噴孔157は、貫通力の確保された燃料噴霧をピストン94の頂面に向けて噴射することにより、燃焼室90の吸気側の空間に燃料を供給する。
図13に示す中間噴孔258の噴孔軸線259cは、上述の如く境界面BPと重なっている。中間噴孔258は、吸気側噴孔157と同様に、実質一定の流路面積を有するストレート形状の噴孔である。中間噴孔258は、貫通力の確保された燃料噴霧の噴射により、燃焼室90(図11参照)の中央領域に燃料を供給する。
以上説明した第二実施形態でも、吸気側噴孔157及び排気側噴孔156を互いに異なる形状に形成することで、各噴孔157,156から噴射される燃料噴霧の貫徹力が個々に調整されている。故に、第一実施形態と同様に、燃焼室90内の各所に適切な量の燃料を空気と混ざり易い状態で供給する効果が発揮可能となる。したがって第二実施形態でも、燃焼室90内における混合気の均質性が向上する。
尚、第二実施形態において、底壁260が特許請求の範囲に記載の「噴孔壁」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明による複数の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記第一実施形態において、燃料噴射弁10は、点火プラグ91と二つの吸気バルブ93に囲まれるように配置され、燃焼室90の天井面側の中央から燃料を噴射していた。しかし、このようなセンタ噴射方式の燃料噴射弁と、点火プラグ91、排気バルブ92、及び吸気バルブ93との相対的な位置関係は、以下に示す第一実施形態の変形例1〜6等のように適宜変更可能である。
図14に示す変形例1において、点火プラグ91は、二つの吸気バルブ93及び二つの排気バルブ92によって囲まれた領域の中央に配置されている。変形例1の燃料噴射弁310は、中央の点火プラグ91から排気バルブ92側にずれた位置に取り付けられ、当該点火プラグ91及び二つの排気バルブ92によって囲まれるように配置されている。また、図15に示す変形例2では、燃料噴射弁410が、二つの吸気バルブ93及び二つの排気バルブ92によって囲まれた領域の中央に配置されている。点火プラグ91は、中央の燃料噴射弁410から排気バルブ92側にずれた位置に取り付けられている。
図16に示す変形例3及び図17に示す変形例4では、燃料噴射弁510,610及び点火プラグ91は、同種のバルブが並ぶ方向、即ち、ガソリンエンジンのクランクシャフト(図示しない)の軸方向に沿って並べられている。変形例3及び変形例4では、二つの吸気バルブ93及び二つの排気バルブ92によって囲まれた領域の中央に配置された点火プラグ91に対し、燃料噴射弁510,610は、上述のクランクシャフトの軸方向に沿ってずれた位置に取り付けられている。
図18に示す変形例5及び図19に示す変形例6では、一つの燃焼室90に対して吸気バルブ93及び排気バルブ92が一つずつ設けられている。こうした燃焼室90に取り付けられる燃料噴射弁にも、本発明は適用可能である。具体的に、図18に示す変形例5では、吸気バルブ93及び排気バルブ92の間に点火プラグ91が配置されている。燃料噴射弁710は、中央の点火プラグ91に対し、クランクシャフトの軸方向に沿ってずれた位置に取り付けられている。一方で、図19に示す変形例6では、吸気バルブ93及び排気バルブ92の間には、燃料噴射弁810が取り付けられている。点火プラグ91は、中央の燃料噴射弁810に対し、クランクシャフトの軸方向に沿ってずれた位置に取り付けられている。
さらに別の変形例では、一つずつ設けられた吸気バルブ及び排気バルブの各中心位置が、クランクシャフトの軸方向に沿って互いにずられている。こうした構成において、点火プラグは、排気バルブをずらすことによって生じた空間に配置されている。一方、燃料噴射弁は、吸気バルブをずらすことによって生じた空間に配置されている。
上記第二実施形態において、中間噴孔は、吸気側噴孔と同様のストレート形状に形成されていた。しかし、中間噴孔は、排気側噴孔と同様の拡大テーパ形状とすることができる。こうした形態では、中間噴孔のテーパ角度及びL/D値は、排気側噴孔と同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
上記実施形態において、複数の吸気側噴孔は、互いに実質同一の形状であった。同様に、複数の排気側噴孔も、互いに実質同一の形状であった。しかし、複数設けられる吸気側噴孔及び排気側噴孔のそれぞれは、互いに異なる形状に形成可能である。また、吸気側を指向する複数の噴孔の中に、テーパ形状の噴孔や、L/D値につき1.5未満となるストレート形状の噴孔等が含まれていてもよい。同様に、排気側を指向する複数の噴の中に、ストレート形状の噴孔や、L/D値につき2.0〜3.0の範囲外となる拡大テーパ形状の噴孔等が含まれていてもよい。さらに、各吸気側噴孔及び各排気側噴孔においてそれぞれの噴孔軸線と直交する横断面は、上記実施形態のような円形状に限定されず、楕円形状や矩形状、或いは多角形状等に適宜変更可能である。
上記実施形態において、吸気側噴孔及び排気側噴孔における各流路長さの違いは、底壁の壁厚を各領域で変えることで調整されていた。こうした底壁各所における壁厚の違いは、ノズルボディの成形時に設けられてもよく、又は一旦成形したノズルボディの先端を切削することで設けられてもよい。さらに、テーパ面部と噴孔軸線との交差角度を寝かせ、底壁内にて噴孔を斜め方向に延伸させることによれば、噴孔軸線に沿った方向の壁厚を見かけ上で増加させることができる。
上記実施形態では、全ての入口側開口の面積が実質同一とされていた。しかし、入口側開口の面積は、互いに僅かに異なっていてもよい。さらに、各入口側開口の各中心は、同一仮想円から内周側又は外周側に僅かにずれていてもよい。また、各入口側開口の間の間隔は、実質一定でなくてもよい。各入口側開口は、サック室内の燃料流れの態様に対応して、同一仮想円の周方向に適宜ずらされていてもよい。
上記実施形態では、レーザ加工の採用により、入口側及び出口側の各エッジ部につきコーナー半径の微小化が図られていた。しかし、底壁に噴孔を穿設する方法は、レーザ加工に限定されない。各噴孔は、例えば機械加工又は放電加工、或いはこれら加工方法の組み合わせ等によって形成可能である。
上記実施形態では、燃料としてのガソリンを燃焼室内に噴射する燃料噴射弁に本発明を適用した例を説明したが、本発明は、ガソリンとは異なる燃料、例えばガス燃料及び軽油等を噴射する燃料噴射弁にも、適用可能である。
Dn_e,Dn_i 基準内径、Ln_e,Ln_i 流路長さ、A_e,A_i,A_m 入口側開口の開口面積、10,210 燃料噴射弁、18 中心軸線、90 燃焼室、152 サック部、153 凹部、154 サック室、155,255 噴孔、155a,155a_e,155a_i,255a 入口側開口、155b,155b_e,155b_i 出口側開口、156 排気側噴孔、157 吸気側噴孔、156a,157a 内周壁面、159,159a,159b,259,259a,259b,259c 噴孔軸線、160,260 底壁(噴孔壁)、166 第二領域、167 第一領域、164 エッジ部

Claims (2)

  1. 内燃機関に設けられた燃焼室(90)内へ向けて複数の噴孔(155,255)から燃料を噴射する燃料噴射弁であって、
    複数の前記噴孔について、個々の指向方向を規定する各噴孔軸線(159,259)は、互いに異なる方向を向き、
    複数の前記噴孔のうちで、前記噴孔軸線(159b,259b)の姿勢により前記燃焼室の吸気側を指向する少なくとも一つの吸気側噴孔(157)は、基準となる基準内径(Dn_i)を維持しつつ、前記噴孔軸線に沿って内周壁面(157a)を延伸させるストレート形状であり、
    複数の前記噴孔のうちで、前記噴孔軸線(159a,259a)の姿勢により前記燃焼室の排気側を指向する少なくとも一つの排気側噴孔(156)は、前記燃焼室に露出する出口側の開口(155b_e)に向かうに従って当該噴孔軸線から内周壁面(156a)を離間させることで、基準となる基準内径(Dn_e)から前記出口側の開口に向かって流路面積を拡大させる拡大テーパ形状であり、
    前記吸気側噴孔の流路長さ(Ln_i)を当該吸気側噴孔の前記基準内径によって除算した値は、1.5以上であり、
    前記排気側噴孔の流路長さ(Ln_e)を当該排気側噴孔の前記基準内径によって除算した値は、2.0〜3.0の範囲内であり、
    複数の前記噴孔と連通するサック室(154)を形成するサック部(152)
    前記吸気側噴孔を貫通させる第一領域(167)、及び前記排気側噴孔を貫通させる第二領域(166)を形成する噴孔壁(160,260)と、をさらに備え、
    各前記噴孔の各入口側の開口(155a,255a)は、等間隔に並んで前記サック室に臨んでおり、
    前記吸気側噴孔及び前記排気側噴孔につき、それぞれの前記噴孔軸線を含む各縦断面において、各入口側の開口(155a,255a)を区画する各エッジ部(164)のコーナー半径は共に、10マイクロメートル以下であり
    前記第一領域の壁厚及び前記第二領域の壁厚は、前記吸気側噴孔の流路長さ及び前記排気側噴孔の流路長さにそれぞれ対応するよう規定されることにより、互いに異なり、
    前記第一領域の壁厚は、前記第二領域の壁厚よりも薄いことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記吸気側噴孔における入口側の開口(155a_i)の面積(A_i)は、前記排気側噴孔における入口側の開口(155a_e)の面積(A_e)に揃えられることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
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