JP2015101978A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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浩毅 金田
Hiroki Kaneta
浩毅 金田
雅之 丹羽
Masayuki Niwa
雅之 丹羽
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Abstract

【課題】火花点火式の内燃機関に適した燃料噴霧の形成が可能な燃料噴射弁の提供。
【解決手段】燃料噴射弁10は、火花点火式の内燃機関に設けられた燃焼室に燃料としてのガソリンを噴射する。燃料噴射弁10は、燃料通路17を通じて燃料が供給される噴孔155を形成する弁ボディ11と、弁ボディ11に対して変位することにより、噴孔155からの燃料噴射を断続させる弁部材40とを備えている。噴孔155には、拡大噴孔部156及び縮小噴孔部157が設けられている。拡大噴孔部156は、入口側開口155aから縮小噴孔部157まで流路面積を拡大させている。縮小噴孔部157は、拡大噴孔部156から出口側開口155bまで流路面積を縮小させている。そして、拡大噴孔部156の区間の長さL1よりも、縮小噴孔部157の区間の長さL2が短くされている。
【選択図】図4

Description

本発明は、火花点火式の内燃機関に設けられた燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
従来、噴孔を形成する噴孔形成部材と、噴孔形成部材に対して変位することで噴孔から燃焼室への燃料噴射を断続させる弁部材と、を備えた燃料噴射弁が知られている。こうした燃料噴射弁のうちで特に圧縮着火式の内燃機関に用いられるものの一種として、特許文献1には、噴孔出口部に向けて流路面積を縮小させる噴孔縮小流路と、噴孔縮小流路に向けて流路面積を拡大させる噴孔拡大流路とを噴孔に設ける構成が開示されている。以上の構成において、噴孔拡大流路は、燃料噴霧の微粒化を促進するために形成されている。一方、噴孔縮小流路は、燃料噴霧に高い貫徹力を付与するために形成されている。
特開2005−315136号公報
さて、本発明の発明者は、特許文献1に開示のような流路面積を縮小させる縮小部、及び流路面積を拡大させる拡大部が設けられた噴孔を、火花点火式の内燃機関に用いられる燃料噴射弁に採用することを検討した。しかし、特許文献1に開示の噴孔形状をそのまま採用した燃料噴射弁から噴射される噴霧は、火花点火式の内燃機関に適さないものとなることが明らかとなった。
詳しく説明すると、特許文献1に開示の構成では、縮小部の区間の長さは、拡大部の区間の長さよりも長くされている。そのため、噴孔内を流通する燃料の流れが徐々に収束されて、出口側の開口から噴射される燃料噴霧に高い貫徹力が付与される。圧縮着火式の内燃機関では、高い貫徹力を付与された燃料噴霧がピストン頂面に沿って縦渦を形成することにより、円滑な圧縮着火が実現される。対して、火花点火式の内燃機関においては、高い貫徹力を有する燃料噴霧は、燃焼室内の空気と混ざり難く、火花点火を困難にするため、円滑な燃焼を妨げてしまうのである。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、火花点火式の内燃機関に適した燃料噴霧の形成が可能な燃料噴射弁を提供することにある。
上記目的を達成するための一つの発明は、火花点火式の内燃機関に設けられた燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁であって、燃料通路を通じて燃料が供給される噴孔を形成する噴孔形成部材と、噴孔形成部材に対して変位することにより、噴孔から燃焼室への燃料噴射を断続させる弁部材と、を備え、噴孔には、この噴孔の出口側の開口に向けて流路面積を縮小させる縮小部、及び縮小部に向けて流路面積を拡大させる拡大部、が設けられ、噴孔の中心軸を示す噴孔軸線に沿った縮小部の区間の長さは、噴孔軸線に沿った拡大部の区間の長さよりも短いことを特徴としている。
この発明によれば、出口側の開口に向けて流路面積を縮小させる縮小部の区間の長さが、縮小部に向けて流路面積を拡大させる拡大部の区間の長さよりも短くされている。故に、噴孔内を流通する燃料の流れが収束されることに起因して、噴孔から噴射される燃料噴霧に高い貫徹力が付与されてしまう事態は、回避され得る。
加えて、拡大部において噴孔の流路面積が拡大される構成では、噴孔に流入する燃料は、拡大部を形成している噴孔の内周壁面から剥離し得る。そのため、拡大部の内周壁面と主要な燃料の流れとの間には、負圧領域が形成されるようになる。この負圧領域は、噴孔内に燃料を吸引して、噴孔内を流れる燃料の流速を向上させる。その結果、噴孔内を流通する燃料に作用するせん断力が高められるため、噴射される燃料噴霧の微粒化が促進される。以上によれば、上述した貫徹力を抑制する作用と相俟って、燃料の噴霧は、燃焼室内の空気と混ざり易くなる。
さらに、噴孔の出口側の開口に向けて縮小部が形成される構成であれば、噴孔の縦断面において、縮小部を形成している噴孔の内周壁面から、出口側の開口周囲の壁面までの角度を大きくすることができる。すると、出口側の開口から噴射される燃料の噴霧から開口周囲の壁面までの距離が確保される。その結果、弁部材の変位によって噴孔からの燃料噴射が遮断される際において、開口周囲への燃料噴霧の付着を抑制する作用が発揮される。
以上のように、拡大部及び縮小部を噴孔に設けたうえで、さらに縮小部の区間長さを拡大部の区間長さよりも短くする構成によれば、燃料噴霧と空気との混合が容易となり、且つ、出口側開口周囲への噴霧の付着も抑制され得る。したがって、火花点火式の内燃機関に適した噴霧の形成が実現される。
尚、上記括弧内の参照番号は、本発明の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁を示す断面図である。 サック部の近傍を拡大して示す断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 噴孔の近傍をさらに拡大して示す断面図である。 噴孔内における燃料の流れの態様を模式的に示す図である。 図4の領域VIを拡大して示す図である。 第二実施形態による噴孔の近傍を拡大して示す断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
図1に示す本発明の第一実施形態による燃料噴射弁10は、火花点火式の内燃機関としてのガソリンエンジンに設置され、当該ガソリンエンジンの燃焼室内へ燃料を噴射する。燃料噴射弁10は、弁ボディ11、固定コア20、可動コア30、弁部材40、弾性部材50、及び駆動部60を備えている。
弁ボディ11は、コアハウジング12、入口部材13、ノズルホルダ14、及びノズルボディ15等から構成されている。コアハウジング12は、円筒状に形成されており、軸方向の一端部側から他端部側へ向かって順に第一磁性部12a、非磁性部12b及び第二磁性部12cを有している。磁性材からなる各磁性部12a,12cと、非磁性材からなる非磁性部12bとは、レーザ溶接等によって結合されている。かかる結合構造によって非磁性部12bは、第一磁性部12aと第二磁性部12cの間において磁束が短絡するのを防止している。
第二磁性部12cにおいて非磁性部12bとは反対側の軸方向端部には、円筒状の入口部材13が固定されている。入口部材13は、燃料ポンプ(図示しない)から燃料が供給される燃料入口13aを形成している。燃料入口13aへの供給燃料を濾過して下流側のコアハウジング12内へ導くために第一実施形態では、入口部材13の内周側に燃料フィルタ16が固定されている。
第一磁性部12aにおいて非磁性部12bとは反対側の軸方向端部には、磁性材によって円筒状に形成されたノズルホルダ14を介して、ノズルボディ15が固定されている。ノズルボディ15は有底円筒状に形成されており、コアハウジング12及びノズルホルダ14と共同して燃料通路17を内周側に形成している。図2に示すようにノズルボディ15は、弁座部150及びサック部152を有している。
弁座部150は、軸方向のうち燃料下流側へ向かうに従って一定の縮径率で縮径するテーパ面状の内周面によって、弁座面151を形成している。サック部152は、弁座面151によって燃料通路17を形成する弁座部150の燃料下流側に、隣接している。サック部152は、燃料上流側の燃料通路17へ向かって開口する凹部153を、カップ状に形成している。この凹部153においてサック室154を形成する内面には、当該サック室154と連通する噴孔155が開口している。
図1に示すように固定コア20は、磁性材によって円筒状に形成されており、コアハウジング12のうち非磁性部12b及び第二磁性部12cの内周面に同軸上に固定されている。固定コア20には、その径方向中央部を軸方向に貫通する貫通孔20aが設けられている。燃料入口13aから燃料フィルタ16を経て貫通孔20aへ流入する燃料は、その下流側となる可動コア30側へ向かって当該貫通孔20aから流出することとなる。
可動コア30は、磁性材によって段付円筒状に形成されており、コアハウジング12の内周側に同軸上に配置されて燃料上流側の固定コア20と軸方向に対向している。可動コア30は、コアハウジング12のうち非磁性部12bの内周壁によって案内されることで、軸方向両側への正確な往復移動が可能となっている。可動コア30には、その径方向中央部を軸方向に貫通する第一貫通孔30aと、軸方向中間部を径方向に貫通して第一貫通孔30aに連通する第二貫通孔30bとが、設けられている。固定コア20の貫通孔20aから流出した燃料は、その下流側において可動コア30の第一貫通孔30aへ流入し、第二貫通孔30bからコアハウジング12内の燃料通路17へと流出することになる。
弁部材40は、非磁性材によって横断面が円形のニードル状に形成されており、弁ボディ11のうち要素12,14,15が内周側に形成する燃料通路17内に同軸上に配置されている。弁部材40において燃料上流側の軸方向端部は、可動コア30の第一貫通孔30aの内周面に同軸上に固定されている。また図1,図2に示すように、弁部材40において燃料下流側の軸方向端部は、軸方向のうち燃料下流側へ向かうに従って縮径する当接部41を形成しており、弁座面151に対して当該当接部41を当接可能に対向させている。弁部材40は、ノズルボディ15に対し所定の中心軸線18に沿って変位することにより、弁座面151に対し当接部41を離着座させる。こうして、噴孔155から燃焼室内への燃料噴射が断続される。具体的には、弁部材40が当接部41を弁座面151から離座させる開弁作動時には、燃料が燃料通路17からサック室154へ流入して各噴孔155から燃焼室へ噴射される。また一方、弁部材40が当接部41を弁座面151に着座させる閉弁作動時には、各噴孔155から燃焼室への燃料噴射が遮断されるのである。
図1に示すように、弾性部材50は金属製の圧縮コイルスプリングからなり、固定コア20に設けられた貫通孔20aの内周側に同軸上に収容されている。弾性部材50の一端部は、貫通孔20aの内周面に固定されたアジャスティングパイプ22の軸方向端部に係止されている。弾性部材50の他端部は、可動コア30のうち第一貫通孔30aの内面に係止されている。かかる係止構造によって弾性部材50は、それを挟む要素22,30間にて圧縮されることによって弾性変形する。したがって、弾性部材50が弾性変形によって発生する復原力は、弁部材40と共に可動コア30を燃料下流側へ付勢する付勢力となる。尚、弾性部材50のセット荷重は、貫通孔20aへのアジャスティングパイプ22の圧入量に応じて調整されている。
駆動部60は、コイル61、樹脂ボビン62、磁性ヨーク63、コネクタ64等から構成されている。コイル61は、樹脂ボビン62に金属線材を巻回してなり、その外周側に磁性ヨーク63が配置されている。コイル61は、コアハウジング12のうち固定コア20の外周側となる非磁性部12b及び第二磁性部12cの外周面に、樹脂ボビン62を介して同軸上に固定されている。コイル61は、コネクタ64に設けられたターミナル64aを介して外部の制御回路(図示しない)と電気接続されており、当該制御回路によって通電制御されるようになっている。
ここで、コイル61が通電によって励磁するときには、磁性ヨーク63、ノズルホルダ14、第一磁性部12a、可動コア30、固定コア20及び第二磁性部12cが共同して形成する磁気回路に、磁束が流れる。その結果、可動コア30と固定コア20との間に、可動コア30を燃料上流側の固定コア20へ向かって吸引する磁気吸引力が発生する。また一方、通電の停止によってコイル61が消磁するときには、上述の磁気回路に磁束が流れなくなるため、可動コア30と固定コア20との間において磁気吸引力が消失するのである。
このように構成された燃料噴射弁10の開弁作動では、コイル61への通電が開始されることで、磁気吸引力が可動コア30に作用する。すると、弁部材40と共に可動コア30は、弾性部材50の復原力に抗して固定コア20側へと移動することで、当該固定コア20と当接して停止する。その結果、弁座面151から当接部41が離座した状態となるので、各噴孔155から燃料が噴射されることとなる。
こうした開弁作動後における燃料噴射弁10の閉弁作動では、コイル61への通電が停止されることで、可動コア30に作用する磁気吸引力が消失する。すると、弁部材40と共に可動コア30は、弾性部材50の復原力による付勢側へと移動することで、当該弁部材40を弁座面151と当接させて停止する。その結果、弁座面151に当接部41が着座した状態となるので、各噴孔155からの燃料噴射が停止することとなる。
次に、図2,図3に示すサック部152及び噴孔155の詳細な形状を順に説明する。
サック部152は、サック室154を形成する凹部153の内面として、接続面168及び底面160を有している。接続面168は、底面160の外周側且つ弁座面151の内周側にそれぞれ隣接することで、これら底面160及び弁座面151の間を接続している。底面160には、中央面部161及びテーパ面部162が形成されている。中央面部161は、中心軸線18と同軸上に位置する真円状の領域である。テーパ面部162は、中央面部161の外周側に隣接した円錐面状の領域である。テーパ面部162は、軸方向のうち燃料下流側の中央面部161へ向かうに従って縮径するテーパ面状の内周面である。底面160は、弁座面151に当接部41を着座させた弁部材40に対して、距離をあけて略平行に対向している。こうした対向構造によって、当接部41が弁座面151に着座したときの弁部材40の先端面42と底面160との間にサック室154が形成される。サック室154は、燃料中の混入異物(コンタミネーション)の噛み込みを抑制できるように容積を規定されている。
サック室154と連通する噴孔155は、例えばレーザ加工によって形成されている。噴孔155は、ノズルボディ15の中心軸線18周りに互いに間隔をあけて複数設けられている。噴孔155は、テーパ面部162に入口側開口155aを開口させると共に、サック部152の外壁面163に出口側開口155bを開口させている。各噴孔155の中心軸を示す噴孔軸線159aは、中心軸線18に対して傾斜しており、具体的には燃料下流側となる各出口側開口155bへ向かうに従って凹部153の外周側に傾斜している。各噴孔155の各入口側開口155aは、中心軸線18周りの同一仮想円19上に位置している。各噴孔155において噴孔軸線159aと直交する横断面は、円形状とされている。各噴孔155には、図4に示すように、拡大噴孔部156及び縮小噴孔部157が設けられている。
拡大噴孔部156を形成する内周壁面156aは、噴孔軸線159aに沿って入口側開口155aから出口側開口155bに向かうに従い拡径するテーパ面状に形成されている。これにより拡大噴孔部156は、入口側開口155aから縮小噴孔部157までの区間において、噴孔155の流路面積を拡大させている。噴孔軸線159aを含む縦断面において、テーパ面部162と内周壁面156aとの間に挟まれた部分には、入口側エッジ部164(図3も参照)が形成されている。
縮小噴孔部157を形成する内周壁面157aは、噴孔軸線159aに沿って入口側開口155aから出口側開口155bに向かうに従い縮径するテーパ面状に形成されている。これにより縮小噴孔部157は、拡大噴孔部156から出口側開口155bまでの区間において、噴孔155の流路面積を縮小させている。噴孔軸線159aを含む縦断面において、外壁面163と内周壁面157aとの間に挟まれた部分には、出口側エッジ部165が形成されている。この縦断面において、入口側エッジ部164及び出口側エッジ部165の角度は共に、鋭角とされている。レーザ加工による噴孔155の形成によれば、入口側エッジ部164及び出口側エッジ部165の各先端は、実質的にRの形成されない尖った縁部を形成する。
以上の噴孔155では、噴孔軸線159aに沿った縮小噴孔部157の区間の長さL2が、噴孔軸線159aに沿った拡大噴孔部156の区間の長さL1よりも短くされている。加えて、噴孔軸線159aを含む縦断面において、縮小噴孔部157を形成する内周壁面157aのテーパ角度θ2は、拡大噴孔部156を形成する内周壁面156aのテーパ角度θ1よりも大きくされている。また、入口側開口155aと噴孔軸線159aとの交差位置における横断面の直径をD1とし、出口側開口155bと噴孔軸線159aとの交差位置における横断面の直径をD2とする。そして、拡大噴孔部156と縮小噴孔部157との交差位置における横断面の直径をD3とすると、各直径は、D3>D2≧D1となるように規定されている。これにより、出口側開口155bの面積A2は、入口側開口155aの面積A1よりも広くされている。尚、拡大噴孔部156と縮小噴孔部157との交差位置における流路面積A3は、入口側開口155a及び出口側開口155bにおける各面積A1,A2よりも広くなっている。さらに、噴孔軸線159aに沿った噴孔155の長をLとすると、噴孔155の長さLと入口側開口155aの直径D1との比L/D1は、1.4〜1.8程度の範囲内となるように規定されている。
以上の噴孔155に、燃料通路17を通じて供給される燃料の流れの態様を、以下図5に基づいて詳細に説明する。
拡大噴孔部156において噴孔155の流路面積が拡大されることにより、サック室154から噴孔155に流入する燃料は、拡大噴孔部156の内周壁面156aから剥離し得る。入口側エッジ部164が鋭角的に形成されていることによれば、内周壁面156aからの燃料流れの剥離は、高い確実性を持って生じ得る。以上により、内周壁面156aと主要な燃料流れとの間には、この燃料流れよりも圧力の低い負圧領域NSが形成される。負圧領域NSは、サック室154に到達した燃料を噴孔155内に吸引して、当該噴孔155から射出させる吸い出し力を燃料に作用させる。吸い出し力は、噴孔155内を流れる燃料の流速を向上させる。その結果、噴孔155内を流通する燃料に作用するせん断力が高められるため、噴射される燃料噴霧の微粒化が促進される。
加えて、縮小噴孔部157の区間の長さL2は、拡大噴孔部156の区間の長さL1よりも短くされている。故に、噴孔155内を流通する燃料流れが内周壁面157aに沿って収束されることに起因し、噴孔155から噴射される燃料噴霧に高い貫徹力が付与されてしまう事態は、回避され得る。よって、燃焼室を区画する壁面への燃料噴霧の付着が抑制される。そして、貫徹力を抑制する作用と、上述した流速向上による微粒化促進作用とが相俟って発揮されることによれば、燃料の噴霧は、燃焼室内の空気と混ざり易くなる。
さらに、出口側開口155bまで縮小噴孔部157が形成される構成により、出口側開口155bの外縁には、鋭角的な出口側エッジ部165が形成されている。これにより、噴孔軸線159aを含む縦断面において、内周壁面157aから外壁面163までの角度φ2(図6参照)を、例えばストレート形状の噴孔を形成した場合と比較して、大きくすることができる。すると、噴孔155からの燃料噴射が遮断される際において、燃料流れの流速が低下したとき、出口側開口155bから噴射される燃料噴霧の外縁部分に、噴霧自身を収縮させようとする向きの流れを生じさせることができる。これにより、噴射される燃料噴霧の外縁から出口側開口155b周囲の外壁面163までの距離が確保され易くなる。その結果、燃料噴射が遮断される際に、外壁面163への燃料噴霧の付着を抑制する作用が発揮され、デポジットの発生が低減される。
ここまで説明したように第一実施形態では、拡大噴孔部156及び縮小噴孔部157を噴孔155に設けたうえで、さらに縮小噴孔部157の区間長さL2が拡大噴孔部156の区間長さL1よりも短くされている。こうした構成により、燃料噴霧と空気との混合が容易となり、且つ、出口側開口155b周囲への噴霧の付着も抑制され得る。したがって、火花点火式の内燃機関に適した燃料噴霧の形成が実現される。
加えて第一実施形態では、入口側開口155aから拡大噴孔部156が形成されているため、入口側開口155aの外縁に、鋭角的な入口側エッジ部164が形成されている。以上によれば、入口側開口155aから噴孔155に流入する燃料は、入口側エッジ部164によって拡大噴孔部156の内周壁面156aから剥離し易くなる。そのため、負圧領域NSが安定的に形成されるようになり、燃料の流速向上による燃料噴霧の微粒化の促進作用が確実に発揮されるようになる。
また第一実施形態では、出口側開口155bの面積A2が入口側開口155aの面積A1よりも広くされているため、出口側開口155bは、絞りの機能を実質発揮しない。故に、入口側開口155aによって、噴孔155から噴射される燃料量を規定することが可能となる。
さらに第一実施形態では、縮小噴孔部157の区間の長さL2が拡大噴孔部156の区間の長さL1よりも短くされているので、縮小噴孔部157のテーパ角度θ2を拡大噴孔部156のテーパ角度θ1よりも大きくすることが可能となっている。縮小噴孔部157のテーパ角度θ2の拡大によれば、出口側エッジ部165は、いっそう鋭角的な形状となる。そのため、噴孔155からの燃料噴射が遮断される際にて、出口側周囲の外壁面163への燃料噴霧の付着を抑制する作用がさらに発揮され易くなる。
尚、第一実施形態において、弁ボディ11が特許請求の範囲に記載の「噴孔形成部材」に相当し、拡大噴孔部156が特許請求の範囲に記載の「拡大部」に相当し、縮小噴孔部157が特許請求の範囲に記載の「縮小部」に相当する。
(第二実施形態)
図7に示す本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態による噴孔255には、第一実施形態の各噴孔部156,157(図5参照)に相当する拡大噴孔部256及び縮小噴孔部257に加えて、流量調整部258が設けられている。流量調整部258は、入口側開口255aから流路面積を維持しつつ拡大噴孔部256まで円筒孔状に延伸している。そのため、第二実施形態の拡大噴孔部256は、流量調整部258から縮小噴孔部257までの間に形成され、流路面積を拡大させている。噴孔軸線159aに沿った流量調整部258の区間の長さL3は、拡大噴孔部256の区間の長さL1及び縮小噴孔部257の区間の長さL2の合計長さL4と同程度とされている。流量調整部258の区間の長さL3と、流量調整部258の内径D201との比L3/D201は、1.4〜1.8程度の範囲内となるように規定されている。同様に、二段テーパ孔状に形成された各噴孔部256,257の区間の長さL4と、流量調整部258の内径D201との比L4/D201も、1.4〜1.8程度の範囲内となるように規定されている。そして、出口側開口255bの面積A202は、入口側開口255aの面積A201よりも広くされている。さらに拡大噴孔部256と縮小噴孔部257との交差位置における流路面積A203は、入口側開口255a及び出口側開口255bにおける各面積A201,A202よりも広くなっている。
以上の噴孔255内に流入する燃料は、流量調整部258を流通した後、拡大噴孔部256に流入する。流路面積を維持しつつ入口側開口255aから延伸する流量調整部258の形状によれば、拡大噴孔部256に流入する燃料の流量が安定化する。そして、拡大噴孔部256に流入した燃料は、拡大するテーパ孔状に形成された内周壁面256aから剥離し得る。以上により、内周壁面256aと燃料流れとの間に負圧領域NSが形成されることで、燃料には吸い出し力が作用するようになる。その結果、噴孔255内を流れる燃料の流速が向上し、噴射される燃料噴霧の微粒化が促進される。
加えて第二実施形態でも、縮小噴孔部257の区間の長さL2の短縮化が図られているため、噴孔255から噴射される燃料噴霧に高い貫徹力が付与されてしまう事態は、回避され得る。このように、貫徹力を抑制する作用と、上述した微粒化促進作用とが相俟って発揮されることにより、燃料の噴霧は、燃焼室内の空気と混ざり易くなる。
さらに第二実施形態でも、出口側開口255bまで縮小噴孔部257が形成されているため、縮小噴孔部257を形成する内周壁面257aから外壁面163までの角度φ2(図6参照)も、270°より大きくされている。故に、燃料噴射が遮断される際において、出口側開口255bから噴射される燃料噴霧の外縁部分に噴霧自身を収縮させようとする向きの流れを生じさせることができる。故に、燃料噴射が遮断される際に、外壁面163への燃料噴霧の付着を抑制する作用が発揮され、デポジットの発生が低減される。
ここまで説明した第二実施形態のように、二段テーパ状に形成される区間の燃料上流側に流量調整部258が形成されていても、燃料噴霧と空気との混合が容易となり、且つ、出口側開口255b周囲への噴霧の付着も抑制され得る。したがって、火花点火式の内燃機関に適した燃料噴霧の形成が実現される。
加えて第二実施形態では、拡大噴孔部256の燃料上流側に流量調整部258を設けることで、出口側開口255bから噴射される燃料量の変動が抑制される。そのため、噴射される燃料量の不安定化を回避しつつ、火花点火式の内燃機関に燃料噴霧を最適化することができる。
尚、第二実施形態において、拡大噴孔部256が特許請求の範囲に記載の「拡大部」に相当し、縮小噴孔部257が特許請求の範囲に記載の「縮小部」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明による複数の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態において、出口側開口の面積は、入口側開口の面積よりも大きくされていた。しかし、出口側開口の面積は、入口側開口の面積と同じ、又は入口側開口の面積より狭くすることができる。こうした形態では、噴孔から噴射される燃料量は、出口側開口によって規定される。
上記実施形態において、拡大噴孔部におけるテーパ角度θ1は、縮小噴孔部におけるテーパ角度θ2よりも小さくされていた。しかし、拡大噴孔部のテーパ角度θ1は、縮小噴孔部のテーパ角度θ2と同一、又はこのテーパ角度θ2より大きくすることができる。
上記第二実施形態において、ストレート孔形状に形成された流量調整部の区間の長さL3と、二段テーパ孔状の区間の長さL4とは、概ね同程度とされていた。しかし、これらの区間長さL3,L4は、適宜変更可能である。さらに、上述したような流路長さと流路径との比L/Dも、適宜変更可能である。
上記実施形態では、円筒孔状の噴孔について、内周壁面を二つの円錐状に形成することによって二段テーパ状とした構成が示されていた。しかし、噴孔は、噴孔軸線を含む縦断面の形状がひし形状となれば、横断面の形状を適宜変更可能である。具体的には、噴孔軸線と直交する噴孔の横断面は、楕円形等の扁平形状とすることができる。
さらに、サック室に連通する複数の噴孔において、中心軸線に対する噴孔軸線の傾きは、燃料噴射弁が取り付けられる内燃機関に応じて適宜変更されてよい。加えて、噴孔の数及び配置についても、適宜変更可能である。さらに、複数設けられた噴孔の全てが二段テーパ孔状に形成されていなくてもよい。また、ノズルボディに噴孔を形成する加工方法は、レーザ加工に限定されず、機械加工等を採用できる。
上記実施形態では、燃料としてのガソリンを燃料室内に噴射する燃料噴射弁に本発明を適用した例を説明した。しかし、本発明は、例えばエチルアルコール等のアルコール系燃料やガソリンにエチルアルコールを混合したエタノール混合ガソリン燃料等、種々の燃料を噴射する燃料噴射弁に適用可能である。
10 燃料噴射弁、11 弁ボディ(噴孔形成部材)、17 燃料通路、40 弁部材、155,255 噴孔、155a,255a 入口側開口(入口側の開口)、155b,255b 出口側開口(出口側の開口)、156,256 拡大噴孔部(拡大部)、156a,256a 内周壁面、157,257 縮小噴孔部(縮小部)、157a,257a 内周壁面、258 流量調整部、159a 噴孔軸線、A1,A201 入口側開口の面積、A2,A202 出口側開口の面積、L1 拡大噴孔部の区間の長さ、L2 縮小噴孔部の区間の長さ、θ1,θ2 テーパ角度

Claims (5)

  1. 火花点火式の内燃機関に設けられた燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁であって、
    燃料通路(17)を通じて燃料が供給される噴孔(155,255)を形成する噴孔形成部材(11)と、
    前記噴孔形成部材に対して変位することにより、前記噴孔から前記燃焼室への燃料噴射を断続させる弁部材(40)と、を備え、
    前記噴孔には、当該噴孔の出口側の開口(155b,255b)に向けて流路面積を縮小させる縮小部(157,257)、及び前記縮小部に向けて流路面積を拡大させる拡大部(156,256)、が設けられ、
    前記噴孔の中心軸を示す噴孔軸線(159a)に沿った前記縮小部の区間の長さ(L2)は、前記噴孔軸線に沿った前記拡大部の区間の長さ(L1)よりも短いことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記拡大部は、前記噴孔の入口側の開口(155a)から前記縮小部まで形成されることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記噴孔には、当該噴孔の入口側の開口(255a)から流路面積を維持しつつ延伸する流量調整部(258)が設けられ、
    前記拡大部は、前記流量調整部から前記縮小部まで形成されることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記噴孔において、出口側の開口の面積(A2,A202)は、入口側の開口の面積(A1,A201)よりも広いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記縮小部を形成する内周壁面(157a,257a)のテーパ角度(θ2)は、前記拡大部を形成する内周壁面(156a,256a)のテーパ角度(θ1)よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108638463A (zh) * 2018-05-16 2018-10-12 苏州市职业大学 一种注塑模具型芯冷却装置

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