JP4529950B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射弁に関し、例えば内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁に適用して好適なものである。
燃料噴射弁としては、例えば内燃機関の筒内すなわち燃焼室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁が知られている。この種の燃料噴射弁から供給された燃料は、燃焼室において空気と混合され、燃焼室内に混合気を形成する。混合気は点火プラグにより着火燃焼し、内燃機関の動力として利用されている。
特許文献1の開示する技術は、燃料噴射弁は複数の噴孔を有しており、これらの噴孔のうち一部の噴孔が点火プラグに向けられている。この技術では、燃料噴射弁の各噴孔より噴射される燃料噴流群の一部を点火プラグに導くことで着火性向上を狙っている。
特許文献2の開示する技術は、点火プラグに向けられている噴孔を縦孔に形成している。この技術では、点火プラグを囲む噴孔の形状を細長い縦孔に形成することで、安定した火炎コアの形成を助成することを狙っている。
特許文献3の開示する技術は、弁ボディの内周と噴孔軸とがなす取付角を、点火プラグに近い噴孔は小さく、点火プラグから遠い噴孔では大きくなるように設定している。この技術では、ニードルとこれを収容する弁ボディの内周の間の間隙流路に、周方向の圧力不均衡を生じさせることで、点火プラグへ向かう噴孔の燃料噴射量を増やし、点火プラグ近傍に良好な混合気の形成を狙っている。なお、点火プラグに近い噴孔ほど取付角を小さく設定するため、間隙流路の圧力不均衡により点火プラグへ向かう噴孔での燃圧が増大する。
特開2003−161224号公報 特表2003−534495号公報 特開2004−143946号公報
上記特許文献による従来技術では、点火プラグに燃料噴流を安定して導くことはできるが、その燃料噴流もしくはその燃料噴流による混合気の流れに曝される点火プラグの火炎コアの消炎を防止する配慮が十分になされていない。
具体的には、特許文献1による従来技術では、点火プラグに向かう燃料噴流と他の方向に向かう燃料噴流の速度を変化させておらず、燃圧、燃料噴射量等が増大した場合に、火炎コアを形成する火花放電部での流速が増大するため、失火するおそれがある。
また、特許文献2による従来技術では、点火プラグに向かう噴孔は、縦孔にすることで他の噴孔に比べて噴孔面積が大きくなっており、点火プラグの火花放電部への流速が増大することはあっても抑制することはできず、失火が発生する可能性がある。
また、特許文献3による従来技術では、点火プラグに向かう噴孔は噴孔入口側の燃料圧が増大しているため、点火プラグの火炎発光部への流速を増大させるようにしており、逆に流速増大により失火する可能性がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、点火プラグの火花放電部での火炎コアの消炎を生じることなく、着火の安定化が図れる燃料噴霧を形成することを目的とする。
また、別の目的は、点火プラグの火花放電部での火炎コアの消炎を生じることなく、着火の安定化が図れるとともに、出力向上、エミッション改善などを図るための混合気形成促進が可能となる燃料噴霧を形成する燃料噴射弁を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。
即ち、請求項1乃至12記載の発明では、気筒内に燃焼室(106)と、燃焼室(106)に臨んで設けられ、空気と燃料が混合した可燃混合気または燃料噴流に着火する点火プラグ(105)を有する内燃機関に用いられ、
燃焼室(106)に燃料を直接噴射する複数の噴孔(21)が形成されている噴孔プレート(20)を有する燃料噴射弁(10)において、
複数の噴孔(21)は、点火プラグ(105)に向けて燃料を噴射する第1の噴孔(23)と、第1の噴孔(23)とは異なる方向に向けて燃料を噴射する第2の噴孔(22)を備え、
各噴孔(22、23)が形成される噴孔プレート(20)の全面領域が、噴孔プレート(20)の面領域の中心である基点(O)から噴孔プレート(20)の周縁部とを繋ぐ扇状の面領域となる第1噴孔領域(A1)と第2噴孔領域(A2)とに区分けされ、この区分けされた第1噴孔領域(A1)と第2噴孔領域(A2)とに、第1の噴孔(23)と第2の噴孔(22)とが分けて配置されており、
第1噴孔領域(A1)および第2噴孔領域(A2)には、基点(O)を中心とし、異なる径の大きさを有し、それぞれ第1の噴孔(23)または第2の噴孔(22)を配置させるための複数の仮想円(221a、221b、231a、231b、231c)が設定され、
第1の噴孔(23)が配置される第1噴孔領域(A1)内の仮想円(231a、231b、231c)の数は、第2の噴孔(22)が配置される第2噴孔領域(A2)内の仮想円(221a、221b)の数よりも多くなっており、
第1噴孔領域(A1)内の仮想円(231a、231b、231c)のうち、最も径方向内側に位置する仮想円(231a)と最も径方向外側に位置する仮想円(231c)との径方向間隔は、第2噴孔領域(A2)内の仮想円(221a、221b)のうち、最も径方向内側に位置する仮想円(221a)と最も径方向外側に位置する仮想円(221b)との径方向間隔よりも広くなっており、
第1の噴孔(23)は、第1の噴孔(23)からの燃料噴流流速を第2の噴孔(22)に比べて減ずるように第1の噴孔(23)の噴孔径を第2の噴孔(22)の噴孔径よりも小径化し、この小径化による噴射流量の低下を修正するように第1の噴孔(23)の噴孔数を増加して、第1噴孔領域(A1)内の仮想円(231a、231b、231c)の周上に配置されていることを特徴とする。
これによると、燃焼室(106)に燃料を直接噴射する複数の噴孔(21)のうち、点火プラグ(105)に向けて燃料を噴射する第1の噴孔(23)は、点火プラグ(105)の火花放電部を通過する方向に燃料を噴射し、その燃料噴流の流速を、他の第2の噴孔(22)に比べて遅くする。これにより、燃料噴流と接する燃焼室(106)内の空気を巻き込み生成される燃料噴霧の点火プラグ(105)の着火領域への侵入速度が弱められるので、点火プラグ(105)の火花放電部での火炎コアの消炎を生じることなく、着火の安定化が図れる燃料噴霧を形成することができる。
1の噴孔(23)を第2の噴孔(22)より小径化するとともに、この小径化による噴射流量低下を修正するように噴孔数を増加させて調整することが好ましい。これにより、点火プラグ(105)の火花放電部を通過する時の燃料噴流の流速を抑制することができるとともに、この小径化による噴射流量低下につき、噴孔数を増加調整することで小径化する前の狙いの噴射流量に設定することができる。
また、噴孔数を増加設定された第1の噴孔(23)は、第2の噴孔(22)が配設される仮想円(221a、221b)の数よりも多く仮想円(231a、231b、231c)の数が設定されているので、第2の噴孔(22)間の間隔を狭めることなく、第2の噴孔(22)の噴孔プレート(20)への配設を容易にすることができる。
また、請求項に記載の発明では、第1の噴孔(23)および第2の噴孔(22)より噴射される燃料噴霧の噴射方向と直交する仮想平面(A)において、噴孔プレート(20)に設定した、第1の噴孔(23)および第2の噴孔(22)の各仮想円(221a、221b、231a、231b、231c)の数と同じ数の噴霧仮想円(321a、321b、311a、311b、311c)が設定され、噴霧仮想円(321a、321b、311a、311b、311c)の周上には、仮想円(221a、221b、231a、231b、231c)の周上に配置した第1の噴孔(23)および第2の噴孔(22)の配置順に従って、各噴孔(22、23)よりの燃料噴流の中心軸線(31、32)が配設されることを特徴とする。
これによると、第1の噴孔(23)および第2の噴孔(22)より噴射される燃料噴霧の形状を例えば中空円錐状に形成する場合において、第1の噴孔(23)および第2の噴孔(22)が配設される仮想円(221a、221b、231a、231b、231c)の数および順序と、第1の噴孔(23)および第2の噴孔(22)より噴射される燃料噴流の中心線軸(31、32)が配設される噴霧仮想円(321a、321b、311a、311b、311c)の数および順序を一致させる。これにより、隣り合う噴孔から噴射された燃料噴流間の干渉を抑制することができ、噴射毎の燃料噴霧のばらつきを低減することが可能である。
また、請求項に記載の発明では、噴霧仮想円(321a、321b、311a、311b、311c)は、第1の噴孔(23)に対応する複数の第1噴霧仮想円(311a、311b、311c)と、第2の噴孔(22)に対応する複数の第2噴霧仮想円(321a、321b)と、を有し、
複数の第1噴霧仮想円(311a、311b、311c)のうちの、最内周側の第1噴霧仮想円(311a)と最外周側の第1噴霧仮想円(311c)との径方向間の寸法(R1)は、複数の第2噴霧仮想円(321a、321b)のうちの、最内周側の第2噴霧仮想円(321a)と最外周側の第2噴霧仮想円(321b)との径方向間の寸法(R2)よりも大きく設定されていることを特徴とする。
これによると、点火プラグ(105)に向けて燃料を噴射する複数の第1噴霧仮想円の径方向間隔(R1)が比較的大きく設定されるので、点火プラグ(105)の火花放電部に適正な濃度を有する混合気領域を大きく配置することが可能となる。
また、請求項乃至請求項に記載の発明では、第1の噴孔(23)乃至第2の噴孔(22)より噴射される燃料噴霧の噴射方向と直交する仮想平面(A)に設定される噴霧仮想円の数を、第1の噴孔(23)乃至第2の噴孔(22)が配設される仮想円の数よりも少なく設定し、かつ各噴孔(22、23)の配置順よりの移動修正量が最も小さくなる規定に従って各噴孔(22、23)の中心軸線(31、32)を配設するので、各噴孔から噴射された燃料噴流間の干渉を抑制するとともに、これら燃料噴流間の距離を小さくすることが可能になることにより、例えば中空円錐状の燃料噴霧の周方向に沿って、噴霧蒸発により形成される混合気の連続性を向上することが可能である。
具体的には、請求項に記載の発明では、請求項に記載の燃料噴射弁において、第1の噴孔(23)より噴射される燃料噴霧の噴射方向と直交する仮想平面(A)において、噴孔プレート(20)に設定した、第1の噴孔の仮想円(231a、231b、231c)の数よりも少ない数の噴霧仮想円(311d、311e)が設定され、噴霧仮想円(311d、311e)の周上には、仮想円(231a、231b、231c)の周上に配置した第1の噴孔(23)の配置順よりの移動修正量が最も少なくなる規定に従って、各噴孔(22、23)よりの燃料噴流の中心軸線(31、32)が配設されることを特徴とする。また、請求項に記載の発明では、請求項に記載の燃料噴射弁において、第2の噴孔(22)より噴射される燃料噴霧の噴射方向と直交する仮想平面(A)において、噴孔プレート(20)に設定した、第2の噴孔(22)の仮想円(221a、221b)の数よりも少ない数の噴霧仮想円(321d)が設定され、噴霧仮想円(321d)の周上には、仮想円(221a、221b)の周上に配置した第2の噴孔(22)の配置順よりの移動修正量が最も少なくなる規定に従って、各噴孔(22、23)よりの燃料噴流の中心軸線(31、32)が配設されることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明では、第2の噴孔(22)は、周方向に略等間隔でほぼ環状に配置され、第1の噴孔(23)は、少なくとも3個の噴孔を一組として構成されており、一組の第1の噴孔に囲まれる噴孔領域を、第2の噴孔(22)の間に配置するにあたり、第2の噴孔(22)を全周にわたって略等間隔で環状に配置予定にない仮想の第2の噴孔の噴孔面積重心の位置に、一組の第1の噴孔(23)に囲まれる噴孔領域の噴孔面積重心を配置していることを特徴とする。
これによると、周方向に略等間隔でほぼ環状に配置される第2の噴孔(22)であって、周方向に略等間隔とは異なる間隔にある第2の噴孔の間において、第2の噴孔(22)を全周にわたって略等間隔で環状に配置予定にない仮想の第2の噴孔よりの燃料噴流に代えて、一組の第1の噴孔(23)よりの燃料噴流群とするので、第1の噴孔(22)よりの第1の燃料噴流群と、第2の噴孔よりの第2の燃料噴流群による燃料噴霧群とにより、全体として、略中空円錐状の燃料噴霧を形成することができる。
また、請求項に記載の発明では、一組の第1の噴孔(23)における隣り合う噴孔同士の間隔は、第2の噴孔における略等間隔とは異なる間隔で等間隔に配置されていることを特徴とする。
これによると、一組の第1の噴孔(23)における隣り合う噴孔同士の間隔は、第2の噴孔における略等間隔とは異なる間隔で等間隔に配置されていることが好ましい。これにより、第1の噴孔(23)から噴射された燃料噴流群自体を、下流側空間で互いの重複抑制を図るとともに、例えば略中空円錐状の燃料噴霧に形成することが可能である。したがって、第1の噴孔(23)よりの燃料噴流は、混合気形成の促進を図れるとともに、燃料噴霧の点火プラグ(105)の着火領域への侵入速度が確実に弱められる。
また、請求項乃至10に記載の発明では、第1の噴孔(22d、22k、22j)における噴孔入口(221)から噴孔出口(222)間の噴孔長さ(L2)、第2の噴孔(22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22m)における噴孔入口(221)から噴孔出口(222)間の噴孔長さ(L1)より短く設定されていることを特徴とする。
これにより、燃焼室(106)に燃料を直接噴射する複数の噴孔(22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22i、22j、22k、22m)のうち、点火プラグ(105)に向けて燃料を噴射する第1の噴孔(22d、22k、22j)の噴孔長さ(L2)を、他の第2の噴孔(22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22m)の噴孔長さ(L1)より短く設定するので、点火プラグ(105)の火花放電部を通過する時の燃料噴流の流速を抑制することができる。
また、請求項乃至10に記載の発明では、各噴孔(22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22i、22j、22k、22m)を形成する部位の肉厚(Lt)は、第1の噴孔(22d、22k、22j)の第1部位の肉厚(Lt2)と第2の噴孔(22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22m)の第2部位の肉厚(Lt1)とで異なっており、
第1の噴孔(22d、22k、22j)の肉厚(Lt2)を、第2の噴孔(22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22m)の肉厚(Lt1)より薄く形成していることを特徴とする。
これにより、第1の噴孔(22d、22k、22j)の第1部位の肉厚(Lt2)を第2の噴孔(22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22m)の第2部位の肉厚(Lt1)より薄くするので、上記第1の噴孔(22d、22k、22j)の噴孔長さ(L2)を他の第2の噴孔(22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22m)の噴孔長さ(L1)より短くする噴孔形成が容易に行なえる。
また、請求項10に記載の発明では、第1部位には、第2部位に対して段差(25)が形成されていることを特徴とする。
これにより、上記第1の噴孔(22d、22k、22j)の噴孔長さ(L2)を他の第2の噴孔(22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22m)の噴孔長さ(L1)より短く形成する方法として、段差(25)を形成するだけでよいので生産性向上が図れる。
また、請求項11に記載の発明では、第1噴孔領域(A1)から第2噴孔領域(A2)の方向に向けて、厚さを徐々に変化させた噴孔プレート(20)を備えていることを特徴とする。
これによると、噴孔プレート(20)の厚さを第1噴孔領域(A1)から第2噴孔領域(A2)の方向に向けて徐々に変化させることにより、燃料噴流の流速を、第1噴孔領域(A1)から第2噴孔領域(A2)へ徐々に変化させることが可能である。これにより、例えば噴霧蒸発により形成される混合気の連続性を向上することが可能である。
また、請求項12に記載の発明では、噴孔入口(221)から噴孔出口(242)に向かって内径(d1、d3)が2段に異なり、当該内径(d1、d3)は、噴孔出口(242)を噴孔入口(221)よりも大きく設定した第1の噴孔(23)を備えていることを特徴とする。
第1の噴孔より噴射の燃料噴流の流速を第2の噴孔の流速に比べて遅くする方法として、第2の噴孔の第2噴孔領域(A2)に比べて第1の噴孔の第1噴孔領域(A1)全体の肉厚を薄くする場合には、噴孔プレート(20)の第1噴孔領域(A1)の強度低下を招くため、第1噴孔領域(A1)全体を薄肉化するのに制限がある場合がある。
これに対して請求項12に記載の発明では、第1噴孔領域(A1)のうちの、第1の噴孔(23)の噴孔出口(242)の内径(d3)を噴孔入口(221)の内径(d1)よりも大きく設定にことにより、薄肉化する部位を第1の噴孔(22d、22k、22j)の下流側部に限定する。これにより、第1の噴孔(23)の第1噴孔領域(A1)全体の肉厚化することによる強度低下を防止するとともに、第1の噴孔(23)よりの燃料噴流の流速を小さくすることが可能である。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の燃料噴射弁を、内燃機関の燃焼室に燃料を直接噴射供給する燃料噴射弁に適用して、具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係わる燃料噴射弁の先端に配置されている噴孔プレートを示す図であって、図1(a)は断面図、図1(b)は燃料下流側からみた平面図である。図2は、本実施形態の燃料噴射弁の概略構成を示す断面図である。図3は、本実施形態の燃料噴射弁を適用した直噴式内燃機関を示す図であって、噴孔プレートより燃焼室へ噴射する燃料噴霧を示す模式的断面図である。
図3に示すように、燃料噴射弁10は、内燃機関、特にガソリンエンジンに用いられ、例えば多気筒(例えば4気筒)ガソリンエンジン(以下、エンジンと呼ぶ)の各気筒の筒内(以下、燃焼室)に燃料を噴射する。エンジン100は、各気筒に燃焼室106と、ピストン104と、点火装置としての点火プラグ105と、燃料噴射弁10とを備える周知の内燃機関である。なお、図3では、図面作成上、4気筒のうちの1気筒のみを示している。
燃焼室106は、シリンダ101の内壁101hと、ピストン104の上端面104pと、シリンダヘッド102の天井内壁とで区画されており、ピストン104の往復移動により容積が増減する。燃焼室106は、吸気弁107を介して図示しない吸気管に接続し、吸入空気等の吸気が導かれる。また、燃焼室106は、排気弁109を介して図示しない排気管に接続し、燃焼ガス等の排気を排出する。詳しくは、シリンダヘッド102は、吸気管に接続し、吸気を燃焼室106へ導く吸気ポート102iと、排気管に接続し、燃焼室106から排気を排出する排気ポート102eとを備えている。なお、吸気ポート102iと吸気管は、燃焼室106へ吸気を導く吸気通路を構成する。排気ポート102eと排気管は、燃焼室106から燃焼ガス等の排気を排出する排気通路を構成する。
吸気弁107は、吸気ポート102iの内壁に着座および離座することで、吸気ポート102iに導かれた吸気の燃焼室106への流れを遮断および許容する。なお、吸気バルブ107は、例えば図示しない吸気カムシャフトにより往復軸移動する軸部107bと、軸部107bに固定され、吸気ポート102iの内壁のシート部に着座および離座するフェイス部107aとを有しており、吸気バルブ107の軸移動するバルブリフト量に応じて、シート部とフェイス部107aの間に所定の隙間が形成される。
また、排気弁(以下、排気バルブと呼ぶ)109は、同様に、図示しない排気カムシャフトにより往復軸移動する軸部109bと、軸部109bに固定され、排気ポート102eの内壁のシート部に着座および離座するフェイス部109aとを有している。
点火プラグ105は、点火対象の可燃混合気もしくは燃料に点火するための点火栓であり、点火電極105aと、絶縁硝子105bと、接地電極105cを有する周知の構造である。この点火プラグ105は、例えばシリンダヘッド102の天井内壁に中央に燃料噴射弁10に横並びして配置されている。点火電極105aと接地電極105cは、放電ギャップを隔てて対向するように配置されている。点火電極105aと接地電極105cは、燃料噴流または燃料噴霧中にある放電ギャップを隔てて火花放電すると、火炎コアができ、この火炎コアが周囲の混合気に広がって火炎に成長して燃焼が開始される。なお、一般に、両電極105a、105cおよび燃料は火炎コアに比べて温度が低く、火炎コアの熱が吸収され易い。
なお、ここで、点火電極105aと接地電極105cは、火花放電部を構成する。
燃料噴射弁10は、図3に示すように、気筒上面中央、例えば筒内上面としてのシリンダヘッド102の天井内壁の中央部に配置されている。なお、エンジン100の気筒への燃料噴射弁2の搭載位置は、シリンダヘッド102の天井内壁の中央部に配置されるものに限らず、シリンダヘッド102の天井内壁(例えば吸気ポート102i側)の角部等の気筒上面角部に配置されるものであってもよい。
燃料噴射弁10は、図示しない燃料ポンプにより加圧された燃料が、燃料分配管(図示せず)を介して供給される。燃料噴射弁10は図2および図3に示すように略円筒状体であり、一端から燃料を受け、他端から燃料を噴射する。
燃料噴射弁10は、図2に示すように、燃料の噴射を遮断および許容する弁部12、30と、弁部12、30を駆動する電磁駆動部50、54、60とを含んで構成されている周知構造の燃料噴射弁である。なお、エンジン100が直噴用エンジンの場合には、燃料噴射弁10は燃焼室106に燃料を直接噴射供給する。この場合、燃焼室106へ供給する燃料の圧力を約2MPa以上とするために、燃料ポンプによって燃料タンクから吸上げられた所定圧(例えば0.2MPa)の燃料を、図示しない高圧ポンプでさらに加圧し、この加圧された高圧燃料(例えば、2〜20MPaの範囲内の所定圧の燃料)が、燃料分配管を介して燃料噴射弁10に供給される。燃料ポンプから吐出される燃料、高圧ポンプからさらに加圧されて吐出される燃料は、それぞれ図示しない燃料調圧装置としてのプレッシャレギュレータによって所定の圧力に調圧されている。
弁部12、30は、弁部材としてのノズルニードル30と、内部にノズルニードル30を軸方向移動可能に収容する弁ボディ12とを有する周知構造の弁部である。
弁部の先端側には、燃料を噴射し、噴霧化する噴孔21を有する略薄板状の噴孔プレート20(図2および図3参照)が配置されている。なお、噴孔21は、略薄板状の噴孔プレート20に形成されるものに限らず、弁ボディの先端部に内外に貫通する噴孔が設けられているものであってもよい。なお、ここで、ノズルニードル30は弁ボディ12の弁座14に離座および着座することで弁部12、30が開弁および閉弁する。弁部12、30が開弁および閉弁すると、燃料噴射弁10は、内部に供給される燃料の流れ(燃料噴流の流れ)を遮断および許容する。また、弁部12、30および噴孔21は、燃料噴射弁10の燃料を噴射する先端部を構成している。
噴孔21は、要求される燃料の噴霧の形状、方向、数などに応じて、その大きさ、噴孔軸線の方向、噴孔配列等が決定される。また、噴孔21の開口面積は、開弁時の流量を規定する。なお、燃料噴射弁10の燃料噴射量は、開弁している噴孔21の開口面積と、ノズルニードル30のリフト量(以下、ニードルリフト量と呼ぶ)と、開弁期間とによって計量されている。ノズルニードル30が弁ボディ12に着座し、弁部12、30が閉弁すると噴孔21からの燃料噴射が遮断され、ノズルニードル30が弁ボディ12から離座し、弁部12、30が開弁すると噴孔21からの燃料噴射が許容され燃料が噴射される。
なお、以下本実施形態で説明する噴孔21の形状は、噴孔径が一定のストレート孔(ストレート状の円筒)とする。なお、噴孔形状は、ストレート状の円筒に限らず、噴射方向に先細のテーパ状の円筒、あるいは先太のテーパ状の円筒等のテーパ状の円筒であってもよい。
なお、ここで、噴孔21は燃料を微粒化し、噴霧を形成する燃料噴霧形成手段を構成する。本実施形態に係わる燃料噴霧の形成手法については後述する。
電磁駆動部50、54、60は、図2に示すように、ノズルニードル30と協働する可動コア50、内部に可動可能に可動コア50を収容する固定コア54、40、および可動コア50および固定コア54に電磁力を作用するコイル60とを有する周知構造の電磁駆動部である。なお、電磁駆動部50、54、60には、可動コア50と固定コア54の間の軸方向隙間(以下、エアギャップ)等を調整するなど、ニードルリフト量の最大移動量を規制するためのリフト調整機構56を備えている。
ノズルニードル30は、可動コア50を噴孔21側に付勢するスプリング等の付勢部材58によって閉弁方向に付勢されており、コイル60に通電されない状態ではノズルニードル30つまり燃料噴射弁10は付勢部材58の付勢力により閉弁する。なお、燃料噴射弁2には、付勢部材の付勢力を調整する付勢力調整機構(図示せず)を備えている。
コイル60に通電すると、コイル60に電磁力が発生し、固定コア54と可動コア50との間に電磁吸引力が作用するので、可動コア50は、付勢部材58の付勢力に抗してニードルリフト量が増加する側に引寄せられ、ノズルニードル30つまり燃料噴射弁10が開弁する。一方、コイル60への通電を停止すると、コイル60の電磁力が消失するので、付勢部材58の付勢力によりノズルニードル30が閉弁方向に移動し、弁座14に着座することにより燃料噴射弁10が閉弁する。そして、コイル60への通電期間を調節することにより、燃料噴射弁10から噴射される燃料噴霧の燃料噴射量が調節される。
次に、本発明の燃料噴射弁10の燃料噴霧の形成手法について、図1および図3に従って説明する。図1および3において、図中の矢印方向Xは、燃料噴射弁10と点火プラグ105が横並びする横並び方向を示しており、第1方向と呼ぶ。また、図1(b)の噴孔プレート20の平面図において、図中の矢印方向Yは、第1方向Xに対して直交しており、第2方向と呼ぶ。
また、図示するのは省略するが、後述する噴孔プレート20に形成された、第1の噴孔23および第2の噴孔22において、第1の噴孔23より点火プラグ105に向けて噴射の燃料噴流を第1の燃料噴流202、また第2の噴孔22より噴射の燃料噴流を第2の燃料噴流201とも呼ぶ。また、第1の噴孔23および第2の噴孔22より噴射の燃料噴流群が全体として形成する燃料噴霧は、例えば中空円錐状の噴霧形状である。
図1(a)および図1(b)に示すように、噴孔プレート20に形成されている噴孔21は、点火プラグ105(図4参照)に向けて燃料を噴射する第1の噴孔23と、第1の噴孔23とは異なる方向(本実施例では、ピストン104の上端面104p)に向けて燃料を噴射する第2の噴孔22を備えている。具体的には、図1(b)に示すように、噴孔プレート20には、複数(本実施例では、7個)の第1の噴孔23と、複数(本実施例では、9個)の第2の噴孔22が設けられている。
本実施形態では、図1(a)に示すように、第1の噴孔23の内径(以下、噴孔径)d2は、第2の噴孔22の噴孔径d1より小さく形成されている。
これにより、点火プラグ105に向けて燃料を噴射する第1の噴孔23を、他の第2の噴孔22より小径化するので、第1の噴孔23より点火プラグ105の火花放電部105a、105b(図3参照)を通過する方向に燃料を噴射し、その燃料噴流202が火花放電部105a、105cを通過するときの流速を、第2の噴孔22の燃料噴流による流速に比べて減ずるように、抑制することができる。
詳述すると、第1の噴孔23よりの第1の燃料噴流202における噴流流れの中心軸線は、点火電極105aと接地電極105cとの空間領域である放電領域を通過する場合と、放電領域を通過しないものの放電領域に近接する場合とのいずれかの設定が選定される。そして、噴孔22、23からの同距離点位置(噴孔22、23から放電領域間の距離に相当)において、燃料噴流201よりも燃料噴流202の方の流速を遅くなるように設定するのである。つまり、燃料噴流202の流速は、点火プラグ105による燃料噴流202への着火が安定するように設定される。
また、噴霧流速を低減する手法として噴孔を小径化させる本実施形態の場合には、この小径化による噴射流量低下につき、小径化する前の狙いの噴射流量となるように噴孔数を増加調整することにより修正するとよい。
したがって、その燃料噴流202と接する燃焼室106内の空気を巻き込み生成される燃料噴霧において、点火プラグ105の着火領域への侵入する燃料噴霧の速度が弱められるので、点火プラグ105の火花放電部105a、105cでの火炎コアの消炎を生じることなく、着火の安定化が図れる燃料噴霧を形成することができる。
なお、本実施形態では、7個の第1の噴孔23と9個の第2の噴孔22を有する多噴孔21を噴孔加工する構造として、これらの噴孔22、23を略薄板状の噴孔プレート20に設けるので、噴孔22、23をプレス加工等により形成でき、従って生産性向上が図れる。
さらになお、本実施形態では、第2の噴孔22は、略環状(詳しくは本実施例では、二重環状)に配置されように、周方向にほぼ等間隔に配置されている。具体的には、図1(b)に示すように、9個の第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mにおいて、内周側の第2の噴孔22a、22b、22cが周方向にほぼ等間隔に配置され、外周側の第2の噴孔22e、22f、22g、22h、22i、22mが周方向にほぼ等間隔に配置されている。なお、これらの第2の噴孔22の噴孔軸は、図1(a)に示すように、燃料噴射弁10の中心軸108すなわち噴孔プレート20の中心軸20jに対して傾斜角θ1で傾斜しており、下流側に拡径するように配置されている。
このように第2の噴孔22を周方向に略等間隔でほぼ環状に配置する構成にすることで、第2の噴孔22より噴射される第2の燃料噴流201群による燃料噴霧の形状を、略中空円錐状に形成することが可能である。
また、内周側の第2の噴孔22a、22b、22cと外周側の第2の噴孔22e、22f、22g、22h、22i、22mにおいて、内周側の第2の噴孔22a、22b、22cの傾斜角θ1を、外周側の第2の噴孔22e、22f、22g、22h、22i、22mの傾斜角θ1より大きく形成することが好ましい。これにより、第2の噴孔22より噴射される燃料噴流201を、下流空間において周方向に互いの重複抑制を図りつつ、その燃料噴流群を全体として、一つの中空円錐状の燃料噴霧に形成することができる。
さらに、この中空円錐状の燃料噴霧を形成する方法として、第2の噴孔22を二重環状に周方向に略等間隔に配置するので、第2の噴孔を一重環状に周方向に略等間隔に配置するものに比べて、その略等間隔の間隔を比較的大きく形成することができる。したがって、一般に、略中空円錐状の燃料噴霧に形成したい場合、隣り同士の噴孔間の間隔が狭くなり、噴孔が形成されている部材(本実施例では、噴孔プレート20)における燃料噴射圧力に対する強度が低下するおそれがあるが、本実施形態では、燃料噴射圧力に対する強度低下を回避することができる。
また、本実施形態では、第1の噴孔23は、少なくとも3個(本実施例では、7個
)を一組として構成されている。具体的には、図1(b)に示すように、7個の第1の噴孔23a〜23gにおいて、6個の第1の噴孔23b〜23gが六角形の各角部に配置され、1個の第1の噴孔23aが7個の第1の噴孔23a〜23gの噴孔面積の重心(本実施例では、六角形の重心)Xgに配置されている。
さらに、このように構成される一組の第1の噴孔23a〜23gに囲まれる噴孔領域(本実施例では、六角形)は、図1(b)に示すように、第2の噴孔22(詳しくは、内周側の第2の噴孔22a、22b、22cと、外周側の第2の噴孔22e、22f、22g、22h、22i、22mの間のうち、上記周方向に略等間隔とは異なる間隔にある第2の噴孔間(詳しくは、外周側の第2の噴孔22i、22m間、内周側の第2の噴孔22a、22c間)に配置されている。
なお、具体的には、図1(b)に示すように、周方向に略等間隔でほぼ環状に配置された第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mにおいて、略等間隔とは異なる間隔にある内周側の第2の噴孔22a、22cの間、および外周側の第2の噴孔22i、22mの間に、一組の第1の噴孔23a〜23gが配置されている。さらに、全周にわたって略等間隔で環状に配置予定にない仮想の第2の噴孔(図中の垂線に対して第2の噴孔22b、22f、22gとは線対称配置となる仮想の噴孔)の代えて、一組の第1の噴孔23a〜23gを配置している。
このように構成することで、上記仮想の第2の噴孔の面積(噴孔径d1の噴孔が三つからなる噴孔面積)に対して分割された面積((噴孔径d2の噴孔が六つからなる噴孔面積)を有する小径の第1の噴孔23a〜23gに形成できるとともに、第1の噴孔配置を中心軸20jに対して環状に配置することに拘らないことで第1の噴孔23a〜23g同士の間隔を比較的大きくとることが可能である。
したがって、略中空円錐状の燃料噴霧形成により空気と燃料の接触面積の拡大が図れ、従って混合気形成の促進を図るとともに、燃料噴射圧力に対する強度低下を回避することができる。
さらに、上述のようにほぼ環状に略等間隔に配置された第2の噴孔22にあって、全周にわたって略等間隔で環状に配置予定にない仮想の第2の噴孔(詳しくはその噴孔よりの仮想の第2の燃料噴流201)代えて、一組の第1の噴孔23a〜23g(詳しくはその噴孔よりの第1の燃料噴流群202)とするので、第1の噴孔23よりの第1の燃料噴流群202と第2の噴孔22よりの第2の燃料噴流群201による燃料噴霧群とにより、全体として、略中空円錐状の燃料噴霧を形成することができる。
さらになお、本実施形態では、上記一組の第1の噴孔23a〜23gにおける隣り合う噴孔同士の間隔は、第2の噴孔22での略等間隔と異なる間隔で等間隔に配置されていることが好ましい。なお、これらの第1の噴孔23の噴孔軸は、図1(a)に示すように、噴孔プレート20の中心軸20jに対して傾斜角θ2で傾斜しており、下流側に拡径するように配置されている。
これにより、第1の噴孔23a〜23gから噴射された燃料噴流202群自体を、下流側空間で互いの重複抑制を図るとともに、略中空円錐状等の燃料噴霧に形成することが可能である。したがって、第1の噴孔23a〜23gよりの燃料噴流202は、混合気形成の促進を図れ、かつその燃料噴流202と接する空気を巻き込み生成される燃料噴霧の点火プラグ105の着火領域への侵入速度が確実に弱められる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰返さない。
第1の実施形態では、第2噴孔を中心軸20j(108)に対して環状配置するのに対して、点火プラグに向けて第1の燃料噴流202を噴射する第1の噴孔23の噴孔配置を、中心軸20j(108)に対して環状に配置することに拘らず噴孔23間を等間隔に配置するようにした。
これに対して第2の実施形態では、図4に示すように、第1の噴孔23および第2の噴孔22の両噴孔を、中心軸20j(108)に対して環状に配置する。図4は、本実施形態に係わる噴孔プレートを示す図であって、図4(a)は断面図、図4(b)は燃料下流側からみた平面図である。図5は、図4の噴孔プレートより燃焼室へ噴射する燃料噴霧を示す模式的斜視図である。図6は、図5の仮想平面における燃料噴霧の噴霧仮想円を示す模式的平面図である。
図4(b)に示すように、噴孔プレート20は、第1噴孔領域A1と、第2噴孔領域A2が設定されており、第1噴孔領域A1と第2噴孔領域A2とは、中心軸20j(108)から噴孔プレート20の周縁部を繋ぐ略扇状の面領域に形成されている。
第1噴孔領域A1には、中心軸20j(108)を基点Oとする複数(本実施例では、3個)の仮想円(以下、第1仮想円)231a、231b、231cが設定されている。この3つの第1仮想円231a、231b、231cの周上には、略均等の噴孔間の間隔にて複数(本実施例では、9個)の第1噴孔23の噴孔中心(噴孔軸)が配設されている。なお、第1仮想円231a、第1仮想円231b、および第1仮想円231cに、それぞれ、2つ、3つ、4つの第1噴孔23が配置されている。
また、第2噴孔領域A2には、中心軸20j(108)を基点Oとする複数(本実施例では、2個)の仮想円(以下、第2仮想円)221a、221bが設定されている。この2つの第2仮想円221a、221bの周上には、略均等の噴孔間の間隔にて複数(本実施例では、9個)の第2噴孔22の噴孔中心(噴孔軸)が配設されている。なお、第2噴孔領域A2には、第2仮想円221a、および第2仮想円221bに、それぞれ、3つ、6つの第2噴孔22が配置されている。
3つの第1仮想円231a、231b、231cは、図4(b)に示すように、その径が互いに異なる仮想円である。また、2つの第2仮想円221a、221bは、その径が互いに異なる仮想円である。なお、第1仮想円231a、231b、231cのうちの仮想円の径と、第2仮想円221a、221bのうちの仮想円の径とは、略均等の径である(本実施例では、仮想円221aと仮想円231aの径)場合があるように構成されているものであっても、全て異なる径であるように構成されているものであってもいずれでもよい。
また、図5および図6に示すように、噴孔プレート20の各噴孔22、23から噴射される燃料噴流200群は、全体として、中心軸20jの軸方向下方に向かって延びており、略中空円錐状の燃料噴霧を形成する。ここで、図5において、仮想平面Aは、第1の噴孔23および第2の噴孔22より噴射される燃料噴霧の噴射方向に対して直交するように配置されている。
また、図6に示す仮想平面Aにおいて、仮想平面Aと、第1噴孔23より噴射される第1の燃料噴流202の中心軸線31との交点が環状に示されており、その交点を含む環状の領域を、第1噴孔軸領域B1と呼ぶ。また、仮想平面Aと、第2噴孔22より噴射される第2の燃料噴流201の中心軸線32との交点が環状に示されており、その交点を含む環状の領域を、第2噴孔軸領域B2と呼ぶ。
これら環状の交点は、中心軸20jを基点とする仮想円(以下、噴霧仮想円)の周上に配置されており、第1噴孔軸領域B1と第2噴孔軸領域B2には、それぞれ、複数の第1噴霧仮想円、複数の第2噴霧仮想円が設定されている。
具体的には、第1噴孔軸領域B1には、噴孔プレート20に設定された第1噴孔領域A1の第1仮想円231a、231b、231cと同数の3つの第1噴霧仮想円311a、311b、311cが設定されている。これら3つの第1噴霧仮想円311a、311b、311cのうち、第1噴霧仮想円311aの周上には、第1仮想円231aに配設された第1の噴孔23の中心軸線31が略均等の間隔で、噴孔と同じ配置順にて配設される。また、第1噴霧仮想円311bには、第1仮想円231bに配設された第2の噴孔23の中心軸線31が略均等の間隔で、噴孔と同じ配置順にて配設される。さらにまた、第1噴霧仮想円311cには、第1仮想円231cに配設された第1の噴孔23の中心軸線31が略均等の間隔で、噴孔と同じ配置順にて配設される。
また、図6に示すように、第2噴孔軸領域B2には、噴孔プレート20に設定された第2噴孔領域A2の第2仮想円221a、221bと同数の2つの第1噴霧仮想円321a、321bが設定されている。これら2つの第2噴霧仮想円321a、321bのうち、第2噴霧仮想円321aの周上には、第2仮想円221aに配設された第2の噴孔22の中心軸線32が略均等の間隔で、噴孔と同じ配置順にて配設される。また、第2噴霧仮想円311bには、第2仮想円221bに配設された第2の噴孔22の中心軸線32が略均等の間隔で、噴孔と同じ配置順にて配設される。
さらにまた、図6に示すように、第1噴霧軸領域B1の径方向幅R1を、第2噴孔軸領域B2の径方向幅R2より大きく設定している。すなわち、具体的には第1噴霧軸領域B1内に設定される第1噴霧仮想円311a、311b、311cのうち、最内周側の第1噴霧仮想円311aと最外周側の第1噴霧仮想円311cとの径方向の寸法(以下、第1の径方向間隔とも呼ぶ)R1は、第2噴孔軸領域B2内に設定される第2噴霧仮想円321a、321bのうち、最内周側の第2噴霧仮想円321aと最外周側の第2噴霧仮想円321bとの径方向の寸法(以下、第2の径方向間隔とも呼ぶ)R2よりも大きく設定されている(R1>R2)。
以上説明した本実施形態では、第1噴孔領域A1にける第1仮想円231a、231b、231cの数は、第2噴孔領域A2にける第2仮想円221a、221bの数より多く設定されている。
このように、第2噴孔22よりも小径化することに伴ない、噴孔数を増加させた第1噴孔23を噴孔プレート20に配設する噴孔配置手法において、第1仮想円231a、231b、231cを複数(本実施例では、3つ)設けてこれら仮想円の周上の延べ寸法を比較的大きく確保できるようにした。第1噴孔23の噴孔数を増加させたにも係わらず、第1噴孔22の噴孔配置を狭めることなく、各噴孔22、23の噴孔配置が容易にできる。
また、本実施形態では、噴孔プレート20の中心軸20j(基点O)から周縁部へ径方向に向かって、第1仮想円231a、231b、231cの径の大きさを調整することにより、各噴孔22、23の噴孔間の間隔を計画的に設定できる。これらの噴孔配置の工夫により、限られた噴孔プレート20の面領域(第1噴孔領域A1および第2噴孔領域A2)を有効利用することができるとともに、噴孔プレート20の強度低下を抑制することができる。
また、以上説明した本実施形態では、噴孔プレート20の面領域A1、A2上での第1仮想円231a、231b、231cの数と、燃料噴霧の噴射方向に直交する仮想平面A上での第1噴霧仮想円311a、311b、311cの数を同じにし、かつ第2仮想円221a、221bの数と、仮想平面A上での第2噴霧仮想円321a、321bの数を同じに設定している。
すなわち、第1の噴孔23および第2の噴孔22が配設される仮想円221a、221b、231a、231b、231cの数および順序と、第1の噴孔23および第2の噴孔22より噴射される燃料噴流201、202の中心線軸31、32が配設される噴霧仮想円321a、321b、311a、311b、311cの数および順序を一致させている。これにより、隣り合う噴孔から噴射された燃料噴流間の距離は、噴射方向下流に進むほど一様に大きくなるため、燃料噴流間の干渉を抑制することができる。したがって、燃料噴流間の干渉により生じる噴射毎の燃料噴霧のばらつきを低減することが可能であるので、このばらつき起因するエンジンの性能悪化を抑制することができる。
また、以上説明した本実施形態では、第1噴霧軸領域B1の径方向幅R1を、第2噴孔軸領域B2の径方向幅R2より大きく設定している。すなわち、第1噴霧軸領域B1の第1噴霧仮想円311a、311b、311cのうちの最内周側と最外周側の第1の径方向間隔R1は、第2噴孔軸領域B2の第2噴霧仮想円321a、321bのうちの最内周側と最外周側の第2の径方向間隔R2よりも大きく設定されている(R1>R2)。このように構成することにより、点火プラグ105の火花放電部105a、105cに、適正な濃度を有する混合気領域を比較的広く配置することが可能となる。
これにより、点火プラグ105の火花放電部105a、105cの混合気への着火性を向上することが可能である。したがって例えばエンジンの運転状態によって燃焼室106に流入する吸入空気の空気流れの影響等により燃料噴霧にばらつきが生じるようなことがあったとしても、点火プラグ105による安定した着火が実現できるため、エンジンの性能を向上することができる。
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、燃料噴霧の噴射方向に直交する仮想平面A上での第1噴霧仮想円311a、311b、311cの数と、噴孔プレート20の面領域A1、A2上での第1仮想円231a、231b、231cの数とは、同じなるように設定されていた。
これに対して第3の実施形態では、図7に示すように、第1噴霧仮想円311d、311eの数を、第1仮想円231a、231b、231cの数より小さく設定する。図7は、本実施形態に係わる燃料噴霧の噴霧仮想円を示す模式的平面図である。
第1噴孔軸領域B1には、図7に示すように、第1噴孔領域A1に設定された第1仮想円231a、231b、231cの数よりも、数が少ない2つの第1噴霧仮想円311d、311eが設定されている。また、第2噴孔軸領域B2には、第2噴孔領域A2に設定された第2仮想円221a、221bの数よりも、数が少ない1つの第1噴霧仮想円321dが設定されている。
また、これら噴霧仮想円311d、311e、321dに設定される噴孔の中心軸線31、32は、仮想円231a、231b、231c、221a、221bに配置された第1噴孔23および第2噴孔22の配置順よりの移動修正量が最も少なくなるよう設定される。なお、この設定は、第1噴孔23および第2噴孔22の配置順よりの移動修正量が最も少なくなる規定に従って設定される。例えばこの規定により、第1仮想円231a、第1仮想円231b、第1仮想円231cの周上に設定された、それぞれ2つ、3つ、および4つの第1の噴孔23の中心軸31を、第1噴霧仮想円311d、311eに向けて、径方向成分の傾斜角θ2や、図示しない周方向成分の傾斜角の移動修正量が最も少なくなるよう設定する。
以上説明した本実施形態では、第1噴孔軸領域B1の第1噴霧仮想円311d、311eの数を、第1噴孔領域A1の第1仮想円231a、231b、231cの数よりも少なくし、かつ第1の噴孔23の配置順よりの移動修正量が最も少ない規定に従って第1の噴孔23の中心軸31を配設するので、各噴孔から噴射された燃料噴流間の干渉を抑制するとともに、これら燃料噴流間の距離を小さくすることが可能である。これにより、例えば略中空円錐状の一部として形成された燃料噴霧の周方向に沿って、燃料噴霧が蒸発することにより形成される混合気の連続性を向上することができる。その結果、点火プラグ105による点火後の燃焼を促進すること可能となり、エンジンの性能を向上することが可能となる。
また、以上説明した本実施形態では、第2噴孔軸領域B2の第2噴霧仮想円321dの数を、第2噴孔領域A2の第2仮想円221a、221bの数よりも少なくし、かつ第2の噴孔22の配置順よりの移動修正量が最も少ない規定に従って第2の噴孔22の中心軸32を配設するので、各噴孔から噴射された燃料噴流間の干渉を抑制するとともに、これら燃料噴流間の距離を小さくすることが可能である。
なお、本実施形態では、第1の噴孔23に係わる第1噴霧仮想円の数を第1仮想円の数よりも少なくし、かつ第2の噴孔22に係わる第2噴霧仮想円の数を第2仮想円の数よりも少なくするとともに、角噴孔22、23の配置順よりの移動修正量が最も少ない規定に従って各噴孔22、23の中心軸31を配設するようにした。これに限らず、
第1の噴孔23乃至第2の噴孔22の噴霧仮想円311d、311e、321dの数を、第1の噴孔23乃至第2の噴孔22の仮想円231a、231b、231c、221a、221bの数よりも少なく設定し、かつ各噴孔22、23の配置順よりの移動修正量が最も小さくなる規定に従って各噴孔22、23の中心軸線31、32を配設するようにしてもよい。これにより、各噴孔22、23から噴射された燃料噴流間の干渉を抑制するとともに、中空円錐状の燃料噴霧を構成するこれら燃料噴流間の距離を小さくすることができる。したがって、第1の噴孔23および第2の噴孔22より噴射の燃料噴霧の形状が中空円錐状である場合において、噴霧蒸発により形成される混合気の連続性を向上する。その結果、点火プラグ105による点火後の燃焼を促進すること可能となり、エンジンの性能を向上する。
(第4の実施形態)
第1の実施形態では、第1の噴孔23より噴射の燃料噴流の流速を第2の噴孔22の流速より遅くする噴孔22、23形成手段として、第1の噴孔23を他の第2の噴孔22より小径化する構成とした。
これに対して第4の実施形態では、図8に示すように、点火プラグ105に向けて燃料を噴射する第1の噴孔22d、22j、22kにおける噴孔入口221から噴孔出口間222である噴孔長さL2を、第1の噴孔22d、22j、22kとは異なる方向に向けて燃料を噴射する第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mの噴孔長さL1より短くなるように設定している。図8は、本実施形態に係わる噴孔プレートを示す図であって、図8(a)は断面図、図8(b)は燃料下流側からみた平面図である。なお、図9は、噴孔の長さに係わる噴孔の部位の噴孔長さL(L1、L2など)と噴孔径dの比L/dと、ペネトレーションとの関係を示すグラフである。図10は、図9中の比L/dによる燃料噴霧への影響を説明する図であって、図10(a)は比L/dが小さい場合での噴孔プレート周りの燃料の流れを示す断面図、図10(b)は比L/dが大きい場合での噴孔プレート周りの燃料の流れを示す断面図である。
図8(a)および図8(b)に示すように、第1の噴孔22d、22j、22kと第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mは、その内径(噴孔径)d1がほぼ等しい。なお、内周側の4個の噴孔22a、22b、22c、22dは、周方向に略等間隔で円環状に配置され、外周側の8個の噴孔22e、22f、22g、22h、22i、22j、22k、22mは、周方向に略等間隔で円環状に配置されている。
さらに、本実施形態では、図8(a)に示すように、第1の噴孔22d、22j、22kの噴孔長さL2を、第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mの噴孔長さL1より短くしている。
これにより、燃焼室106に燃料を直接噴射する複数の噴孔22a〜22k、22mのうち、点火プラグ106に向けて燃料を噴射する第1の噴孔22d、22j、22kの噴孔長さL2を、他の第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mの噴孔長さL1より小さく形成するので、第1の噴孔22d、22j、22kよりの燃料噴流の202のペネトレーションJ2を短くし、その結果、点火プラグ105の火花放電部105a、105cを通過する時の燃料噴流202の流速を抑制することができる。
このように、噴霧流速を低減する手法として噴孔長さを短くする本実施形態の場合には、この噴孔長さを短くすることによる噴射流量増加につき、短くする前の狙いの噴射流量となるように噴孔径を縮径調整することにより修正するとよい。
なお、噴孔プレート120は、図8(a)および図8(b)に示すように、各噴孔22a〜22k、22mを形成する部位の肉厚(以下、板厚)Ltは、第1の噴孔22d、22j、22kの第1部位の板厚Lt2と第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mの第2部位の板厚Lt1とで異なっており、第1の噴孔22d、22j、22kの板厚Lt2を、第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mの板厚Lt1より薄く形成している(Lt2<Lt1)。
このように構成することで、上記第1の噴孔22d、22j、22kの噴孔長さL2を他の第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mの噴孔長さL1より短くする噴孔形成が容易に行なえる。
さらになお、本実施形態では、噴孔プレート120の下端面において、図8(b)に示すように、第1の噴孔22d、22j、22kの第1部位には、第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mの第2部位に対して段差25が形成されていることが好ましい。これにより、上記第1の噴孔22d、22j、22kの噴孔長さL2を他の第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mの噴孔長さL1より短く形成する方法として、噴孔プレート120の下端面に段差25を形成するだけでよいので生産性向上が図れる。
なお、発明者らは、上記噴孔の噴孔長さに係わる噴孔の部位での噴孔長さLと噴孔径dである比L/dと、ペネトレーション(噴霧到達距離)Jとの関係について実験を行い、検証した。その結果、図9に示すような知見を得た。
ちなみに、平板プレートに同じ傾き角度にて噴孔を形成する際には、板厚寸法と噴孔長さとは比例関係にある。
図9に示すように、L/dの大きさに応じてペネトレーションJが変化する。L/dが小さい方は第1の燃料噴流202によるペネトレーションJ2が小さくなり、L/dが大きい方は第2の燃料噴流201によるペネトレーションJ1が大きくなる(図9参照)。なお、ペネトレーションJに応じて燃料噴流の流速が変化する。具体的には、ペネトレーションJが小さくなると、燃料噴流の流速が小さくなる。
このように燃料噴霧のペネトレーションJが形成される燃料噴霧形成方法を、図10に従って説明する。図10(a)の場合の噴孔長さL2(板厚Lt2)は、図10(b)の場合の噴孔長さL1(板厚Lt1)より小さく形成されている(L2<L1、Lt2<Lt1)。これにより、図10(a)に示す板厚Lt2も、図10(b)に示す板厚Lt1より小さくなる。
図10(a)に示すように、L/dが比較的小さいものでは、噴孔22に導かれる燃料が噴孔22内に流入すると、その燃料の流れは噴孔22内で剥離が発生し、縮流する。その後、その燃料流れは噴孔22の出口部まで縮流の状態が維持され、その縮流する燃料流れは下流側に向かって拡大し続ける。その結果、噴孔22から噴射した燃料噴流202による燃料噴霧の広がりが比較的大きくなるので、周囲空気との運動量交換が大きくなり、従ってペネトレーションJ2は比較的小さく形成される。
一方、図10(b)に示すようにL/dが比較的大きい場合には、縮流する燃料流れは噴孔22内で拡大し、その拡大した燃料流れは、図10(b)中の破線で囲まれる部位の噴孔22の内壁に再付着する。その結果、噴孔22の出口部での燃料噴流201よる燃料噴霧の広がりが抑制されるので、周囲空気との運動量交換が小さくなり、従ってペネトレーションJ1は比較的大きく形成される。
(第5の実施形態)
第2の実施形態では、第1の噴孔23より噴射の燃料噴流の流速を第2の噴孔22の流速より遅くする噴孔22、23形成手段として、第1噴孔領域A1の第1の噴孔23を、第2噴孔領域A2の第2の噴孔22より小径化する構成とした。
これに対して第5の実施形態では、図11に示すように、第1噴孔領域A1の第1の噴孔および第2噴孔領域A2の第2の噴孔の各噴孔22の大きさは同じにし、かつ噴孔プレート20の厚みLtを、第1噴孔領域A1から第2噴孔領域A2の方向に向けて徐々に変化させる構成とした。図11は、本実施形態に係わる噴孔プレートを示す図であって、図11(a)は断面図、図11(b)は燃料下流側からみた平面図である。
第1噴孔領域A1には、3つの第1の噴孔22d、22j、22kが設けられており、また、第2噴孔領域A2には、9つの第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mが設けられている。第1の噴孔と第2の噴孔の内径d1はほぼ等しい。また、内周側の4個の噴孔22a、22b、22c、22dは、周方向に略等間隔で円環状に配置され、外周側の8個の噴孔22e、22f、22g、22h、22i、22j、22k、22mは、周方向に略等間隔で円環状に配置されている。
本実施形態では、噴孔プレート20の厚みLtを、第1噴孔領域A1から第2噴孔領域A2の方向に向けて徐々に厚くするようにした。これにより、第1噴孔領域A1にある第1の噴孔22d、22j、22kの噴孔長さL2は、第2噴孔領域A2にある第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mの噴孔長さL1よりも短く形成される。さらに、各噴孔22a〜22k、22mの噴孔長さL2は、第2噴孔領域A2から第1噴孔領域A1に向けて徐々に短くなるように設定されている。
以上説明した本実施形態では、噴孔プレート20の厚さLtを第2噴孔領域A2から第1噴孔領域A1の方向に向けて徐々に薄くなるように変化させることにより、燃料噴流の流速を、第2噴孔領域A2から第1噴孔領域A1へ徐々に減速するように変化させることが可能である。これにより、噴霧蒸発により形成される混合気の連続性を向上することが可能である。その結果、点火プラグ105による点火後の燃焼を迅速に進めることができ、エンジンの性能を向上させることが可能となる。
(第6の実施形態)
第4の実施形態では、第1の噴孔より噴射の燃料噴流の流速を第2の噴孔の流速より遅くする噴孔形成手段として、噴孔プレート120に例えば第1噴孔領域A1を第2噴孔領域A2より薄くする段差25を設けて、第1の噴孔22d、22j、22kの第1部位の肉厚Lt2を、第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mの第2部位の肉厚Lt1より薄くするようにした。
これに対して第6の実施形態では、図12に示すように、第1の噴孔23の内径を2段とし、噴孔出口242を噴孔入口221より大きく設定した。図12は、本実施形態に係わる噴孔プレートを示す図であって、図12(a)は断面図、図12(b)は燃料下流側からみた平面図である。
第1噴孔領域A1には、3つの第1の噴孔23が設けられ、また、第2噴孔領域A2には、9つの第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mが設けられている。
本実施形態では、3つの第1の噴孔23は、内径d1、d2を2段とし、噴孔の入口部側に、第2の噴孔の内径d1とほぼ等しい噴孔部(以下、入口側噴孔部)22d、22j、22kが設けられており、また、噴孔の出口部側には、入口側噴孔部22d、22j、22kの内径d1より比較的大きく拡径した内径d3からなる噴孔部(以下、出口側噴孔部)24d、24j、24kが設けられている。すなわち、第1の噴孔23において、出口側噴孔部24d、24j、24kの噴孔出口242の内径d3は、入口側噴孔部22d、22j、22kの噴孔入口221の内径d1より大きい(d3>d1)。
これにより、第1の噴孔23における噴孔部22d、22j、22kの噴孔長さL2は、第2の噴孔22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22mの噴孔長さL1より短く設定される。
なお、本実施形態では、第1の噴孔23の内径d1、d3を2段とするもので説明したが、上記第1の噴孔23において、噴孔の出口部側に、段差部としての噴孔部24d、24j、24kを設けるというものであってもよい。
なお、ここで、第1の噴孔より噴射の燃料噴流の流速を第2の噴孔の流速に比べて遅くする方法として、第2の噴孔の第2噴孔領域A2に比べて第1の噴孔の第1噴孔領域A1全体の肉厚Ltを薄くする場合には、噴孔プレート20の第1噴孔領域A1の強度低下を招くため、第1噴孔領域A1全体を薄肉化するのに制限がある場合がある。
これに対して本実施形態では、第1噴孔領域A1のうちの、第1の噴孔23の噴孔出口242の内径d3を噴孔入口221の内径d1よりも大きく設定にことにより、薄肉化する部位を第1の噴孔23の下流側部に限定する。これにより、第1の噴孔23の第1噴孔領域A1全体の肉厚化により生じる強度低下を防止するとともに、第1の噴孔23よりの燃料噴流の流速を小さくすることが可能である。
(他の実施形態)
以上説明した本実施形態では、噴孔22、23の形状を、噴孔径d1、d2が一定のストレート孔(ストレート状の円筒)とした。なお、噴孔形状は、ストレート状の円筒に限らず、噴射方向に先細のテーパ状の円筒、あるいは先太のテーパ状の円筒等のテーパ状の円筒であってもよい。
以上説明した本実施形態では、燃料噴射弁10の弁部12、30の先端側に、噴孔21を有する噴孔プレート20が配置されている構成で説明した。なお、噴孔21は、噴孔プレート20に形成されるものに限らず、弁部を構成する弁ボディの先端部に内外に貫通する噴孔が設けられているものであってもよい。
以上説明した本実施形態では、第2の噴孔22による第2の燃料噴流201の先端(ペネトレーションJの頂部)は、対向するピストン104の上端面104pへの燃料付着(以下、ピストンウェット)抑制のため、ペネトレーションJ1を一定としたが、ペネトレーションJ1を一定とするものに限らず、上端面104pにキャビティ104c(図3参照)が設けられている場合には、キャビティ104cの凹部形状に応じて第2の燃料噴流201群による燃料噴霧全体の先端を凸状に形成してもよい。
以上説明した第4の実施形態において、噴孔とペネトレーションとの関係を、図8に示す噴射長さに係わるL/dとペネトレーションの関係で説明したが、噴射長さに係わるL/dとペネトレーションの関係に代えて、噴孔の部位の肉厚に係わるLt/dとペネトレーションの関係としてもよい。
本発明の第1の実施形態に係わる燃料噴射弁の先端に配置されている噴孔プレートを示す図であって、図1(a)は断面図、図1(b)は燃料下流側からみた平面図である。 第1の実施形態の燃料噴射弁の概略構成を示す断面図である。 第1の実施形態の燃料噴射弁を適用した直噴式内燃機関を示す図であって、噴孔プレートより燃焼室へ噴射する燃料噴霧を示す模式的断面図である。 第2の実施形態に係わる噴孔プレートを示す図であって、図4(a)は断面図、図4(b)は燃料下流側からみた平面図である。 図4の噴孔プレートより燃焼室へ噴射する燃料噴霧を示す模式的斜視図である。 図5の仮想平面における燃料噴霧の噴霧仮想円を示す模式的平面図である。 第3の実施形態に係わる燃料噴霧の噴霧仮想円を示す模式的平面図である。 第4の実施形態に係わる噴孔プレートを示す図であって、図8(a)は断面図、図8(b)は燃料下流側からみた平面図である。 噴孔長さLと噴孔径dの比L/dと、ペネトレーションとの関係を示すグラフである。 図9中の比L/dによる燃料噴霧への影響を説明する図であって、図10(a)は比L/dが小さい場合での噴孔プレート周りの燃料の流れを示す断面図、図10(b)は比L/dが大きい場合での噴孔プレート周りの燃料の流れを示す断面図である。 第5の実施形態に係わる噴孔プレートを示す図であって、図11(a)は断面図、図11(b)は燃料下流側からみた平面図である。 第6の実施形態に係わる噴孔プレートを示す図であって、図12(a)は断面図、図12(b)は燃料下流側からみた平面図である。
符号の説明
10 燃料噴射弁
12 弁ボディ
13 円錐面(内周面)
14 弁座
20 噴孔プレート
20j (噴孔プレートの)中心軸
21 噴孔
22 第2の噴孔
23 第1の噴孔
108 (燃料噴射弁の)中心軸
200 燃料噴流
201 第2の燃料噴流
202 第1の燃料噴流

Claims (12)

  1. 気筒内に燃焼室(106)と、前記燃焼室(106)に臨んで設けられ、空気と燃料が混合した可燃混合気または燃料噴流に着火する点火プラグ(105)を有する内燃機関(100)に用いられ、
    前記燃焼室(106)に燃料を直接噴射する複数の噴孔(21)が形成されている噴孔プレート(20)を有する燃料噴射弁(10)において、
    前記複数の噴孔(21)は、前記点火プラグ(105)に向けて燃料を噴射する第1の噴孔(23)と、前記第1の噴孔(23)とは異なる方向に向けて燃料を噴射する第2の噴孔(22)を備え、
    前記各噴孔(22、23)が形成される前記噴孔プレート(20)の全面領域が、前記噴孔プレート(20)の面領域の中心である基点(O)から前記噴孔プレート(20)の周縁部とを繋ぐ扇状の面領域となる第1噴孔領域(A1)と第2噴孔領域(A2)とに区分けされ、この区分けされた前記第1噴孔領域(A1)と前記第2噴孔領域(A2)とに、前記第1の噴孔(23)と前記第2の噴孔(22)とが分けて配置されており、
    前記第1噴孔領域(A1)および前記第2噴孔領域(A2)には、前記基点(O)を中心とし、異なる径の大きさを有し、それぞれ前記第1の噴孔(23)または前記第2の噴孔(22)を配置させるための複数の仮想円(221a、221b、231a、231b、231c)が設定され、
    前記第1の噴孔(23)が配置される前記第1噴孔領域(A1)内の仮想円(231a、231b、231c)の数は、前記第2の噴孔(22)が配置される前記第2噴孔領域(A2)内の仮想円(221a、221b)の数よりも多くなっており、
    前記第1噴孔領域(A1)内の仮想円(231a、231b、231c)のうち、最も径方向内側に位置する仮想円(231a)と最も径方向外側に位置する仮想円(231c)との径方向間隔は、前記第2噴孔領域(A2)内の仮想円(221a、221b)のうち、最も径方向内側に位置する仮想円(221a)と最も径方向外側に位置する仮想円(221b)との径方向間隔よりも広くなっており、
    前記第1の噴孔(23)は、前記第1の噴孔(23)からの燃料噴流流速を前記第2の噴孔(22)に比べて減ずるように前記第1の噴孔(23)の噴孔径を前記第2の噴孔(22)の噴孔径よりも小径化し、この小径化による噴射流量の低下を修正するように前記第1の噴孔(23)の噴孔数を増加して、前記第1噴孔領域(A1)内の仮想円(231a、231b、231c)の周上に配置されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記第1の噴孔(23)および前記第2の噴孔(22)より噴射される燃料噴霧の噴射方向と直交する仮想平面(A)において、前記噴孔プレート(20)に設定した、前記第1の噴孔(23)および前記第2の噴孔(22)の各仮想円(221a、221b、231a、231b、231c)の数と同じ数の噴霧仮想円(321a、321b、311a、311b、311c)が設定され、
    前記噴霧仮想円(321a、321b、311a、311b、311c)の周上には、前記仮想円(221a、221b、231a、231b、231c)の周上に配置した前記第1の噴孔(23)および前記第2の噴孔(22)の配置順に従って、前記各噴孔(22、23)よりの燃料噴流の中心軸線(31、32)が配設されることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記噴霧仮想円(321a、321b、311a、311b、311c)は、前記第1の噴孔(23)に対応する複数の第1噴霧仮想円(311a、311b、311c)と、前記第2の噴孔(22)に対応する複数の第2噴霧仮想円(321a、321b)と、を有し、
    前記複数の第1噴霧仮想円(311a、311b、311c)のうちの、最内周側の第1噴霧仮想円(311a)と最外周側の第1噴霧仮想円(311c)との径方向間の寸法(R1)は、前記複数の第2噴霧仮想円(321a、321b)のうちの、最内周側の第2噴霧仮想円(321a)と最外周側の第2噴霧仮想円(321b)との径方向間の寸法(R2)よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記第1の噴孔(23)より噴射される燃料噴霧の噴射方向と直交する仮想平面(A)において、前記噴孔プレート(20)に設定した、前記第1の噴孔の仮想円(231a、231b、231c)の数よりも少ない数の噴霧仮想円(311d、311e)が設定され、
    前記噴霧仮想円(311d、311e)の周上には、前記仮想円(231a、231b、231c)の周上に配置した前記第1の噴孔(23)の配置順よりの移動修正量が最も少なくなる規定に従って、前記各噴孔(22、23)よりの燃料噴流の中心軸線(31、32)が配設されることを特徴とする請求項に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記第2の噴孔(22)より噴射される燃料噴霧の噴射方向と直交する仮想平面(A)において、前記噴孔プレート(20)に設定した、前記第2の噴孔(22)の仮想円(221a、221b)の数よりも少ない数の噴霧仮想円(321d)が設定され、
    前記噴霧仮想円(321d)の周上には、前記仮想円(221a、221b)の周上に配置した前記第2の噴孔(22)の配置順よりの移動修正量が最も少なくなる規定に従って、前記各噴孔(22、23)よりの燃料噴流の中心軸線(31、32)が配設されることを特徴とする請求項に記載の燃料噴射弁。
  6. 前記第2の噴孔(22)は、周方向に略等間隔でほぼ環状に配置され、
    前記第1の噴孔(23)は、少なくとも3個の噴孔を一組として構成されており、
    前記一組の第1の噴孔に囲まれる噴孔領域を、前記第2の噴孔(22)の間に配置するにあたり、
    前記第2の噴孔(22)を全周にわたって前記略等間隔で環状に配置予定にない仮想の第2の噴孔の噴孔面積重心の位置に、前記一組の第1の噴孔(23)に囲まれる前記噴孔領域の噴孔面積重心を配置していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  7. 前記一組の第1の噴孔(23)における隣り合う噴孔同士の間隔は、前記第2の噴孔における前記略等間隔とは異なる間隔で等間隔に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の燃料噴射弁。
  8. 前記第1の噴孔(22d、22k、22j)における噴孔入口(221)から噴孔出口(222)間の噴孔長さ(L2)が、前記第2の噴孔(22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22m)における噴孔入口(221)から噴孔出口(222)間の噴孔長さ(L1)より短く設定されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  9. 前記各噴孔(22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22i、22j、22k、22m)を形成する部位の肉厚(Lt)は、前記第1の噴孔(22d、22k、22j)の第1部位の肉厚(Lt2)と前記第2の噴孔(22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22m)の第2部位の肉厚(Lt1)とで異なっており、
    前記第1の噴孔(22d、22k、22j)の肉厚(Lt2)を、前記第2の噴孔(22a、22b、22c、22e、22f、22g、22h、22i、22m)の肉厚(Lt1)より薄く形成していることを特徴とする請求項8に記載の燃料噴射弁。
  10. 前記第1部位には、前記第2部位に対して段差(25)が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の燃料噴射弁。
  11. 前記第1噴孔領域(A1)から前記第2噴孔領域(A2)の方向に向けて、厚さを徐々に変化させた前記噴孔プレート(20)を備えていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  12. 噴孔入口(221)から噴孔出口(242)に向かって内径(d1、d3)が2段に異なり、
    当該内径(d1、d3)は、前記噴孔出口(242)を前記噴孔入口(221)よりも大きく設定した前記第1の噴孔(23)を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の燃料噴射弁
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