JP4138778B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁 Download PDF

Info

Publication number
JP4138778B2
JP4138778B2 JP2005155620A JP2005155620A JP4138778B2 JP 4138778 B2 JP4138778 B2 JP 4138778B2 JP 2005155620 A JP2005155620 A JP 2005155620A JP 2005155620 A JP2005155620 A JP 2005155620A JP 4138778 B2 JP4138778 B2 JP 4138778B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel injection
valve
group
fuel
injection holes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005155620A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006329114A (ja
Inventor
大輔 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Keihin Corp
Original Assignee
Keihin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Keihin Corp filed Critical Keihin Corp
Priority to JP2005155620A priority Critical patent/JP4138778B2/ja
Publication of JP2006329114A publication Critical patent/JP2006329114A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4138778B2 publication Critical patent/JP4138778B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は,主として内燃エンジンの燃料供給系に使用される燃料噴射弁に関し,特に,弁座及びその中心部を貫通する弁孔を有する弁座部材と,前記弁座と協働して前記弁孔を開閉する弁体と,前記弁孔の軸線周りに配置される複数の燃料噴孔を有して前記弁座部材の外端面に接合されるインジェクタプレートとを備え,前記弁座部材及びインジェクタプレート間に,前記弁孔及び燃料噴孔間を連通させる燃料拡散室を形成し,前記複数の燃料噴孔を,前記弁孔の軸線を含む一平面を境にして二組の燃料噴孔群に分け,これら二組の燃料噴孔群からの噴射燃料により,エンジンの二股型の吸気ポートに供給する二本の噴霧フォームを形成するようにした燃料噴射弁の改良に関する。
従来,かゝる電磁式燃料噴射弁は,特許文献1に開示されているように,既に知られている。
特開2002−130082号公報
最近の内燃エンジンでは,コンパクト化のために,二股状の吸気ポートが小径化する傾向にあり,それに対応すべく燃料噴射弁が二股状の吸気ポートに供給する二本の噴霧フォームには,特に,吸気ポートの内壁への付着を抑制するペネトレーション性(貫通力性)が要求されるが,上記特許文献1記載のものでは,噴霧フォームの輪郭形状が不明確で,二本の噴霧フォーム間の挟み角度及び各噴霧フォームの広がり角度が大きくなり勝ちであるので,ペネトレーション性の改善が望まれる。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,それぞれの輪郭が明確で,上記挟み角度及び広がり角度が何れもシャープでペネトレーション性が高い二本の噴霧フォームの形成を可能にする前記燃料噴射弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,弁座及びその中心部を貫通する弁孔を有する弁座部材と,前記弁座と協働して前記弁孔を開閉する弁体と,前記弁孔の軸線周りに配置される複数の燃料噴孔を有して前記弁座部材の外端面に接合されるインジェクタプレートとを備え,前記弁座部材のインジェクタプレートとの対向面に形成された前記弁孔の軸線を中心とする円形で浅い凹部によって,前記弁座部材及びインジェクタプレート間に,前記弁孔を出た燃料を前記各燃料噴孔に拡散して分配する燃料拡散室を形成し,前記複数の燃料噴孔を,前記弁孔の軸線を含む一平面を境にして二組の燃料噴孔群に分け,これら二組の燃料噴孔群からの噴射燃料により二本の噴霧フォームを形成するようにした燃料噴射弁において,前記二組の燃料噴孔群間に,各組の燃料噴孔相互間の距離より大となる間隔を設け,前記複数の燃料噴孔を,前記軸線を中心とする単一の仮想円上に全て配置すると共に,各組の燃料噴孔群を,該組の中央部で前記単一の仮想円上に並ぶ複数の燃料噴孔からなる第1群と,この第1群の両側で前記単一の仮想円上に並ぶ複数の燃料噴孔からなる第2群とで構成し,第1群の各燃料噴孔の内径をD1,第2群の各燃料噴孔の内径をD2,第1群の燃料噴孔の総開口面積をS1,第2群の燃料噴孔の総開口面積をS2としたとき,次式(1)及び(2)
0.5≦D2/D1≦0.85・・・・・・・・(1)
S1<S2・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
が成立するようにしたことを第1の特徴とする。
また本発明は,第1の特徴に加えて,第2群の燃料噴孔の本数を,第1群の燃料噴孔の本数より多くしたことを第2の特徴とする。
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,第2群の燃料噴孔中,最外側の燃料噴孔の内径を,他の燃料噴孔の内径より小さく設定したことを第3の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,第1及び第2組の相対向する第1群の燃料噴孔からの噴射燃料により,互いに離反方向に向かう二本の噴霧フォーム主流が形成され,第2群の燃料噴孔からの噴射燃料により,前記軸線に対する傾きが噴霧フォーム主流より小さく,指向性の強い噴霧フォーム側流が形成され,これら噴霧フォーム主流及び噴霧フォーム側流によって,互いに干渉せず輪郭が明確でペネトレーション性が高い二本の噴霧フォームを形成することができ,噴射燃料の吸気ポート内壁への付着を効果的に防ぎ,エンジン出力の向上,燃費の低減及び排気エミッションの低減を図ることができる。
特に,前記(1)式を満足させることにより,二本の噴霧フォーム間の挟み角度α及び各噴霧フォームの開き角度βを効果的に小さく制御することができ,これにより二本の噴霧フォームのペネトレーション性をより効果的に高めることができる。
また前記(2)式を満足させることにより,前記噴霧フォーム側流に強い指向性を効果的に付与することができ,これも各噴霧フォームのペネトレーション性の向上に寄与する。
しかも各組において,第1及び第2群の燃料噴孔は,全て,前記軸線を中心とする単一の仮想円上に配置されるので,前記噴霧フォーム主流及び噴霧フォーム側流からなる噴霧フォームを吸気ポートに対応した良好な形状にすることができ,噴射燃料の吸気ポート内壁への付着をより効果的に防ぐことができる。
また全ての燃料噴孔を前記単一の仮想円上に配置することにより,弁孔から各燃料噴孔までの燃料の拡散距離を一定に保ちながら,燃料拡散室の容積を最小にすることができ,これにより特に,エンジン運転初期から燃料噴霧粒径を小さくすることが可能となると共に,温度変化に関係なく燃料流量特性を安定させることができる。
また本発明の第2の特徴によれば,各組における第2群の燃料噴孔の本数を第1群の燃料噴孔の本数より多く設定することで,前記噴霧フォーム側流の指向性を高めて噴霧フォームの輪郭をより一層明確にし,各噴霧フォームのペネトレーション性を一層高めることができる。
さらに本発明の第3の特徴によれば,前記噴霧フォーム側流の指向性が,外側に行くに従い強くなり,これにより噴霧フォームの輪郭をより一層明確にし,各噴霧フォームのペネトレーション性をより一層高めることができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の第1実施例に係る燃料噴射弁を装着した内燃エンジンの要部切断平面図,図2は上記燃料噴射弁の縦断面図,図3は図2の3部拡大図,図4は同燃料噴射弁におけるインジェクタプレートの要部平面図,図5は同燃料噴射弁の噴射燃料による噴霧フォームの形成過程説明図,図6は同噴霧フォームの実際の状態図,図7は燃料噴孔と噴霧フォームの挟み角度α及び広がり角度βの関係を示す特性線図,図8は本発明の第2実施例を示す,図4との対応図である。
先ず,図1において,内燃機関EのシリンダヘッドEhは,1シリンダEcに対応して,隔壁43を挟んで二股状に分岐した第1及び第2吸気ポートP1,P2を備えており,その第1及び第2吸気ポートP1,P2に連通する共通の吸気路を持つ吸気マニホールドEmがシリンダヘッドEhの一側面に接合される。本発明の電磁式燃料噴射弁Iは,この吸気マニホールドEmに装着されて,開弁時には,噴射燃料により形成される二本の噴霧フォームF1,F2が上記第1及び第2吸気ポートP1,P2に向けて供給されるようになっている。こゝで,第1及び第2吸気ポートP1,P2の配列方向をX,その配列方向と直交する方向をYとする。
次に図2及び図3において,上記電磁式燃料噴射弁Iのケーシング1は,円筒状の弁ハウジング2(磁性体)と,この弁ハウジング2の前端部に液密に結合される有底円筒状の弁座部材3と,弁ハウジング2の後端に環状スペーサ4を挟んで液密に結合される円筒状の固定コア5とから構成される。
環状スペーサ4は,非磁性金属,例えばステンレス鋼製であり,その両端面に弁ハウジング2及び固定コア5が突き当てられて液密に全周溶接される。
弁座部材3及び弁ハウジング2の対向端部には,第1嵌合筒部3a及び第2嵌合筒部2aがそれぞれ形成される。そして第1嵌合筒部3aが第2嵌合筒部2a内にストッパプレート6と共に圧入され,ストッパプレート6は,弁ハウジング2と弁座部材3との間で挟持される。第1及び第2嵌合筒部3a,2aの嵌合後は,第2嵌合筒部2aから露出した第1嵌合筒部3aの外周面と第2嵌合筒部2aの端面とに挟まれる環状隅部の全周にわたりレーザ溶接が施され,これにより弁ハウジング2及び弁座部材3が相互に液密に結合される。
弁座部材3は,その前端面に開口する弁孔7と,この弁孔7の内端に連なる円錐状の弁座8と,この弁座8の大径部に連なる円筒状のガイド孔9とを備えており,そのガイド孔9は,前記第2嵌合筒部2aと同軸状に形成される。
図3及び図4に示すように,弁座部材3の前端面には鋼板製のインジェクタプレート10が液密に全周溶接される。弁座部材3の,インジェクタプレート10との対向面には,弁孔7の軸線Aを中心とする円形で浅い凹部40が形成されており,これが弁座部材3及びインジェクタプレート10間の燃料拡散室41を構成する。またこのインジェクタプレート10には,弁孔7の軸線Aを中心とし且つ弁孔7より大径の単一の仮想円C上に全て配置されて燃料拡散室41に開口する多数の燃料噴孔38a,38b;38a,38bが穿設される。
上記燃料噴孔38a,38b;38a,38bは,弁孔7の軸線Aを通ってY方向に延びる平面L(図4参照)を境にして,第1組G1の燃料噴孔38a,38b群と第2組G2の燃料噴孔38a,38b群とに対称的に分けられる。その際,第1及び第2組G1,G2間には,各組G1,G2における燃料噴孔38a,38b相互間距離より大きい間隔が設けられる。
また各組G1,G2の燃料噴孔38a,38b群は,各組G1,G2の中央部で前記単一の仮想円C上に並ぶ複数の燃料噴孔38aからなる第1群Gaと,この第1群Gaの両側で前記単一の仮想円C上に並ぶ複数の燃料噴孔38bからなる第2群Gbとで構成される。その際,第1及び第2組G1,G2の外側の燃料噴孔38b,38b同士間の間隔は,各組G1,G2における燃料噴孔38a,38b間の間隔より充分に広く設定される。また全ての燃料噴孔38a,38bは前記軸線Aと平行に形成される。さらに第2群Gbの燃料噴孔38bの本数は,第1群Gaの燃料噴孔38aの本数より多く設定される。図示例では,第1群Gaの燃料噴孔38aが3本,第2群Gbの燃料噴孔38bが4本となっている。
こゝで,第1群Gaの燃料噴孔38aの内径をD1,第2群Gbの燃料噴孔38bの内径をD2,第1群Gaの燃料噴孔38aの総開口面積をS1,第2群Gbの燃料噴孔38bの総開口面積をS2としたとき,次式(1)及び(2)が成立するように,各部の寸法は設定される。
0.5≦D2/D1≦0.85・・・・・・・・(1)
S1<S2・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
尚,上記(1)式から明らかなように,D1>D2である。
再び図2において,弁ハウジング2及び環状スペーサ4内には,固定コア5の前端面に対向する可動コア12が摺動自在に収容され,この可動コア12に,前記ガイド孔9に軸方向摺動自在に収容される弁体16が一体的に結合される。この弁体16は,弁座8に着座し得る球状の弁部16aと,ガイド孔9に摺動自在に支承される前後一対のジャーナル部16b,16bと,前記ストッパプレート6に当接して弁体16の開弁限界を規定するフランジ16cとを一体に備えており,各ジャーナル部16bには,燃料の流通を可能にする複数の面取り部17,17…が設けられる。
固定コア5は,可動コア12の上端部外周の切欠き20を介して弁ハウジング2内と連通する中空部21を有しており,その中空部21に,可動コア12を弁体16の閉じ方向,即ち弁座8への着座方向に付勢するコイル状の弁ばね22と,この弁ばね22の後端を支承するパイプ状のリテーナ23とが収容される。
その際,可動コア12の後端面には,弁ばね22の前端部を受容する位置決め凹部24が形成される。また弁ばね22のセット荷重は,リテーナ23の中空部21への嵌合固定位置の調節によって調整される。
固定コア5の後端には,パイプ状のリテーナ23を介して固定コア5の中空部21に連通する燃料入口25aを持つ入口筒25が一体に連設され,その燃料入口25aに燃料フィルタ27が装着される。
環状スペーサ4及び固定コア5の外周にはコイル組立体28が嵌装される。このコイル組立体28は,環状スペーサ4及び固定コア5の外周面に嵌合するボビン29と,これに巻装されるコイル30とからなっており,このコイル組立体28を囲繞するコイルハウジング31の一端部が弁ハウジング2の外周面に溶接により結合される。
コイルハウジング31,コイル組立体28及び固定コア5は合成樹脂製の被覆体32内に埋封され,この被覆体32の中間部には,前記コイル30に連なる接続端子33を備えたカプラ34が一体に連設される。
弁ハウジング2から弁座部材3にかけて,それらの外周に環状のシールホルダ39が嵌合され,このシールホルダ39と,弁座部材3の前端部に嵌着される合成樹脂製のキャップ35との間に環状溝36が画成され,この環状溝36に,弁座部材3の外周面に密接するOリング37が装着され,このOリング37は,この電磁式燃料噴射弁Iを前記吸気マニホールドEmの取り付け孔に装着したとき,その取り付け孔の内周面に密接するようになっている。
次に,この実施例の作用について説明する。
コイル30を消磁した状態では,弁ばね22の付勢力で弁体16が前方に押圧され,弁部16aを弁座8に着座させている。したがって,図示しない燃料ポンプから燃料フィルタ27及び入口筒25を通して弁ハウジング2内に供給された高圧燃料は,弁ハウジング2内に待機させられる。
コイル30を通電により励磁すると,それにより生ずる磁束が固定コア5,コイルハウジング31,弁ハウジング2及び可動コア12を順次走り,その磁力により可動コア12が弁体16と共に固定コア5に吸引され,弁座8が開放されるので,弁ハウジング2内の高圧燃料が弁体16の面取り部17を経て,弁孔7から燃料拡散室41に移り,該室41で高圧燃料は周囲に拡散しながら第1及び第2組G1,G2の燃料噴孔38a,38b;38a,38b群に分配され,そして図1及び図6に示すように,第1組G1の燃料噴孔38a,38b群からはエンジンEの第1吸気ポートP1の出口に向けて,また第2組G2の燃料噴孔38a,38b群からはエンジンEの第2吸気ポートP2の出口に向けてそれぞれ燃料が微粒化されながら噴射され,その噴射燃料によって噴霧フォームF1,F2が形成される。
図6において(A)は,二本の噴霧フォームF1,F2をX方向に見たときの状態を示し,(B)は,噴霧フォームF1,F2をY方向に見たときの状態を示すもので,両噴霧フォームF1,F2間の挟み角度をα,各噴霧フォームF1,F2の前記平面Lに沿う開き角度をβとして,各噴霧フォームF1,F2の形成過程を図4及び図5を参照しながら説明する。
弁孔7を出た燃料は,燃料拡散室41で半径方向に拡散する。そして両組G1,G2の相対向する第1群Gaの燃料噴孔38aから噴射される燃料は,それぞれ上記拡散方向の流れ成分aの影響を受けて噴霧フォーム主流Faを形成し,各組G1,G2の,第1群Gaの燃料噴孔38aの両側に位置する第2群Gbの燃料噴孔38bから噴射される燃料は,上記拡散方向の流れ成分aと,第1及び第2組G1,G2間の燃料拡散室41の内面に沿う流れ成分bとの影響を受けて噴霧フォーム側流Fbを形成し,これら噴霧フォーム主流Faと噴霧フォーム側流Fbとで,対応する吸気ポートP1,P2に供給される噴霧フォームF1,F2が構成される。
而して,各噴霧フォーム主流Faは,上記拡散方向の流れ成分aの影響を受けること,及び第1群Gaの燃料噴孔38aは,その内径D1が比較的大きく,したがってT/D1(Tは図3に示すように燃料噴孔38aの長さであり,この実施例ではインジェクタプレート10の板厚に相当する。)の値が比較的小さく燃料の流れに対する軸方向の誘導作用が比較的弱いことから,両方の組G1,G2に対応する噴霧フォーム主流Fa,Faは互いに比較的大きく離反する方向に向かう。
一方,各噴霧フォーム側流Fbは,上記拡散方向の流れ成分aと,第1及び第2組G1,G2間の燃料拡散室41の内面に沿う流れ成分bとの影響を受けること,及び第2群Gbの燃料噴孔38bは,その内径D2は比較的小さく,したがってT/D2(Tは図3に示すように燃料噴孔38bの長さであり,この実施例ではインジェクタプレート10の板厚に相当する。)の値が比較的大きく燃料の流れに対する軸方向の誘導作用が比較的強いことから,各噴霧フォーム側流Fbは指向性が強く,これをX及びYの何れの方向から見た場合にも,各噴霧フォーム側流Fbの前記軸線Aに対する傾きは噴霧フォーム主流Faのそれより小さくなる。その結果,両方の組G1,G2に対応する両噴霧フォーム側流Fb,Fbによって,二本の噴霧フォームF1,F2間の挟み角度α及び各噴霧フォームF1,F2の開き角度βは小さく制御されることになる。こうして,各噴霧フォームF1,F2の輪郭は明確になり,その結果,両噴霧フォームF1,F2の相互干渉を防いで,各噴霧フォームF1,F2のペネトレーション性を高めることができるので,噴射燃料の第1及び第2吸気ポートP1,P2内壁への付着を効果的に防ぎ,エンジン出力の向上,燃費の低減及び排気エミッションの低減を図ることができる。
しかも各組G1,G2において,第1及び第2群Ga,Gbの燃料噴孔38a,38b;38a,38bは,全て,前記軸線Aを中心とする単一の仮想円C上に配置されるので,上記噴霧フォーム主流Fa及びその両側の噴霧フォーム側流Fbからなる噴霧フォームF1,F2を,各吸気ポートP1,P2の内周壁に対応した良好な形状にすることができ,噴射燃料の第1及び第2吸気ポートP1,P2内壁への付着をより効果的に防ぐことができる。
また全ての燃料噴孔38a,38b;38a,38bを前記単一の仮想円C上に配置することにより,弁孔7から各燃料噴孔38a,38b;38a,38bまでの燃料の拡散距離を一定に保ちながら,燃料拡散室41の容積を最小にすることができ,これにより特に,エンジン運転初期から燃料噴霧粒径を小さくすることが可能となると共に,温度変化に関係なく燃料流量特性を安定させることができる。
ところで,前記(1)式を満足させた場合には,図7に示すように,噴霧フォームF1,F2の挟み角度α及び広がり角度βを効果的に小さく制御することができ,これにより二本の噴霧フォームF1,F2のペネトレーション性を効果的に高めることができる。若し,D2/D1が0.5を下回った場合又は0.85を上回った場合には,前記α及びβが広がり過ぎて,良好なペネトレーション性を得ることはできなくなる。
また前記(2)式によれば,前記噴霧フォーム側流Fbの指向性がより高まり,噴霧フォームF1,F2の輪郭がより一層明確になって,各噴霧フォームF1,F2のペネトレーション性の一層の向上を図ることができる。
さらに前記(1)及び(2)式を満足させた上で,各組G1,G2における第2群Gbの燃料噴孔38bの本数を第1群Gaの燃料噴孔38aの本数より多く設定することで,同じく噴霧フォームF1,F2の輪郭がより一層明確になり,各噴霧フォームF1,F2のペネトレーション性を一層高めることができる。
次に,図8に示す本発明の第2実施例について説明する。
この第2実施例では,各組G1,G2の第2群Gbの燃料噴孔38b中,最外側の燃料噴孔の内径D2′が,他の燃料噴孔の内径D2より小さく設定される。その他の構成は,前実施例と略同様であるので,図8中,前記実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して,重複する説明を省略する。
この第2実施例によれば,第2群Gbの燃料噴孔38bからの噴射燃料により形成される噴霧フォーム側流Fbでは,外側に行くに従い指向性が強くなるので,噴霧フォームF1,F2の輪郭がより一層明確になり,各噴霧フォームF1,F2のペネトレーション性をより一層高めることができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,各組G1,G2の第1及び第2群Ga,Gbの燃料噴孔38a,38bの本数及び内径等は,前記(1)及び(2)式を満足させながら自由に選定することができる。
本発明の第1実施例に係る燃料噴射弁を装着した内燃エンジンの要部切断平面図。 上記燃料噴射弁の縦断面図。 図2の3部拡大図。 同燃料噴射弁におけるインジェクタプレートの要部平面図。 同燃料噴射弁の噴射燃料による噴霧フォームの形成過程説明図。 同噴霧フォームの実際の状態図。 燃料噴孔と噴霧フォームの挟み角度α及び広がり角度βの関係を示す特性線図。 本発明の第2実施例を示す,図4との対応図。
符号の説明
A・・・・・弁孔の軸線
C・・・・・仮想円
F1・・・・噴霧フォーム
F2・・・・噴霧フォーム
Fa・・・・噴霧フォーム主流
Fb・・・・噴霧フォーム側流
G1・・・・第1組
G2・・・・第2組
Ga・・・・第1群
Gb・・・・第2群
L・・・・・平面
I・・・・・電磁式燃料噴射弁
3・・・・・弁座部材
7・・・・・弁孔
8・・・・・弁座
10・・・・インジェクタプレート
16・・・・弁体
38a・・・第1群の燃料噴孔
38b・・・第2群の燃料噴孔
40・・・・凹部
41・・・・燃料拡散室

Claims (3)

  1. 弁座(8)及びその中心部を貫通する弁孔(7)を有する弁座部材(3)と,前記弁座(8)と協働して前記弁孔(7)を開閉する弁体(16)と,前記弁孔(7)の軸線(A)周りに配置される複数の燃料噴孔(38a,38b,38a,38b)を有して前記弁座部材(3)の外端面に接合されるインジェクタプレート(10)とを備え,前記弁座部材(3)のインジェクタプレート(10)との対向面に形成された前記弁孔(7)の軸線(A)を中心とする円形で浅い凹部(40)によって,前記弁座部材(3)及びインジェクタプレート(10)間に,前記弁孔(7)を出た燃料を前記各燃料噴孔(38a,38b,38a,38b)に拡散して分配する燃料拡散室(41)を形成し,前記複数の燃料噴孔(38a,38b,38a,38b)を,前記弁孔(7)の軸線(A)を含む一平面(L)を境にして二組(G1,G2)の燃料噴孔(38a,38b;38a,38b)群に分け,これら二組(G1,G2)の燃料噴孔(38a,38b;38a,38b)群からの噴射燃料により二本の噴霧フォーム(F1,F2)を形成するようにした燃料噴射弁において,
    前記二組(G1,G2)の燃料噴孔(38a,38b)群間に,各組(G1,G2)の燃料噴孔(38a,38b)相互間の距離より大となる間隔を設け,前記複数の燃料噴孔(38a,38b)を,前記軸線(A)を中心とする単一の仮想円(C)上に全て配置すると共に,各組(G1,G2)の燃料噴孔(38a,38b)群を,該組の中央部で前記単一の仮想円(C)上に並ぶ複数の燃料噴孔(38a)からなる第1群(Ga)と,この第1群(Ga)の両側で前記単一の仮想円(C)上に並ぶ複数の燃料噴孔(38b)からなる第2群(Gb)とで構成し,第1群(Ga)の燃料噴孔(38a)の内径をD1,第2群(38b)の燃料噴孔(38b)の内径をD2,第1群(Ga)の燃料噴孔(38a)の総開口面積をS1,第2群(Gb)の燃料噴孔(38b)の総開口面積をS2としたとき,次式(1)及び(2)が成立するようにしたことを特徴とする燃料噴射弁。
    0.5≦D2/D1≦0.85・・・・・・・・(1)
    S1<S2・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
  2. 請求項1記載の燃料噴射弁において,
    第2群(Gb)の燃料噴孔(38b)の本数を,第1群(Ga)の燃料噴孔(38a)の本数より多くしたことを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項1又は2記載の燃料噴射弁において,
    第2群(Gb)の燃料噴孔(38b)中,最外側の燃料噴孔の内径D2′を,他の燃料噴孔の内径D2より小さく設定したことを特徴とする燃料噴射弁。
JP2005155620A 2005-05-27 2005-05-27 燃料噴射弁 Active JP4138778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005155620A JP4138778B2 (ja) 2005-05-27 2005-05-27 燃料噴射弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005155620A JP4138778B2 (ja) 2005-05-27 2005-05-27 燃料噴射弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006329114A JP2006329114A (ja) 2006-12-07
JP4138778B2 true JP4138778B2 (ja) 2008-08-27

Family

ID=37551053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005155620A Active JP4138778B2 (ja) 2005-05-27 2005-05-27 燃料噴射弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4138778B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015078603A (ja) * 2013-10-15 2015-04-23 三菱電機株式会社 燃料噴射弁

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5426211B2 (ja) * 2009-03-30 2014-02-26 株式会社ケーヒン 燃料噴射弁
JP5818939B1 (ja) * 2014-04-23 2015-11-18 三菱電機株式会社 燃料噴射弁及びその燃料噴射弁を備えた噴霧生成装置、並びに火花点火式内燃機関

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015078603A (ja) * 2013-10-15 2015-04-23 三菱電機株式会社 燃料噴射弁
CN104564474A (zh) * 2013-10-15 2015-04-29 三菱电机株式会社 燃料喷射阀

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006329114A (ja) 2006-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3837282B2 (ja) 燃料噴射弁
JP3837283B2 (ja) 燃料噴射弁
JP3751264B2 (ja) 燃料噴射弁
US7341204B2 (en) Fuel injection valve
JP2000097129A (ja) 電磁式燃料噴射弁
EP1059438B1 (en) Fuel injector with tubular lower needle guide
EP2416000A1 (en) Fuel injection valve
JP3837389B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2008255912A (ja) 筒内噴射式内燃機関における燃料噴射方法及び筒内噴射式内燃機関
EP1857665B1 (en) Fuel injection valve
US20120104121A1 (en) Fuel injection valve
WO2011013435A1 (ja) 電磁式燃料噴射弁
JP4138778B2 (ja) 燃料噴射弁
JP4053048B2 (ja) 燃料噴射弁
EP1760307B1 (en) Fuel injection valve
JP4511960B2 (ja) 燃料噴射弁
EP1857669B1 (en) Fuel injection valve
JP5426211B2 (ja) 燃料噴射弁
JP4053050B2 (ja) 燃料噴射弁
JP4310402B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2005054656A (ja) 燃料噴射弁
JP3999789B2 (ja) 燃料噴射弁
JP3837300B2 (ja) 燃料噴射弁におけるエアアシストキャップの位置決め構造
CN113260783A (zh) 燃料喷射装置
JP2007309270A (ja) 燃料噴射弁

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070815

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080521

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4138778

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250