JP5426211B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、主として内燃機関の燃料供給系に使用される燃料噴射弁に関し、特に、弁座及びその中心部を貫通する弁孔を有する弁座部材と、前記弁座と協働して前記弁孔を開閉する弁体と、前記弁孔の軸線を中心とする同一仮想円上に配置される複数の燃料噴孔を有して前記弁座部材の前端面に接合されるインジェクタプレートとを備え、前記弁座部材及びインジェクタプレート間に、前記弁孔を出た燃料を前記各燃料噴孔に拡散して分配する燃料拡散室を形成し、前記複数の燃料噴孔を、前記弁孔の軸線を含む一平面を境にして第1及び第2組の燃料噴孔群に分けると共に、これら第1及び第2組間の間隔を、各組の隣接する燃料噴孔間の間隔より広く設定して、これら第1及び第2組の燃料噴孔群からの噴射燃料により2本の噴霧フォームを形成するようにした燃料噴射弁の改良に関する。
従来、かゝる電磁式燃料噴射弁は、特許文献1に開示されているように、既に知られている。
特許第4138778号公報
特許文献1に開示されるものでは、各組の燃料噴孔群を、各組の中央部に並ぶ複数の燃料噴孔からなる第1群と、この第1群の両側に並び且つ第1群の燃料噴孔より小径の複数の燃料噴孔からなる第2群とで構成している。この構成によれば、第1及び第2組の相対向する第1群の燃料噴孔からの噴射燃料により、互いに離反方向に向かう2本の噴霧フォーム主流が形成され、第2群の燃料噴孔からの噴射燃料により、弁孔の軸線に対する傾きが噴霧フォーム主流より小さく、指向性の強い噴霧フォーム側流が形成され、これら噴霧フォーム主流及び側流によって、互いに干渉せず輪郭が明確なペネトレーション性が高い2本の噴霧フォームを形成することができ、噴射燃料の吸気ポート内壁への付着防止に寄与し得る利点がある。
しかしながら、上記のものでは、各組の燃料噴孔群を、大径の燃料噴孔からなる第1群と、小径の燃料噴孔からなる第2群とで構成するので、各組の燃料噴孔群を加工する際には、異なる工具の使用を余儀なくされ、生産性に難点がある。
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、各組の燃料噴孔を全て同一直径に形成しても、ペネトレーション性が良好な2本の噴霧フォームの形成を可能した、生産性の高い燃料噴射弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、弁座及びその中心部を貫通する弁孔を有する弁座部材と、前記弁座と協働して前記弁孔を開閉する弁体と、前記弁孔の軸線を中心とする同一仮想円上に配置される複数の燃料噴孔を有して前記弁座部材の前端面に接合されるインジェクタプレートとを備え、前記弁座部材及びインジェクタプレート間に、前記弁孔を出た燃料を前記各燃料噴孔に拡散して分配する燃料拡散室を形成し、前記複数の燃料噴孔を、前記弁孔の軸線を含む一平面を境にして第1及び第2組の燃料噴孔群に分けると共に、これら第1及び第2組間の間隔を、各組の燃料噴孔間の間隔より広く設定して、これら第1及び第2組の燃料噴孔群からの噴射燃料により2本の噴霧フォームを形成するようにした燃料噴射弁において、第1及び第2組の全ての燃料噴孔を同一直径に形成すると共に、各組の両外側に位置する燃料噴孔の中心線の延長線相互を、インジェクタプレートの前方、且つ各組の中央もしくはその近傍に位置する燃料噴孔の中心線の延長線の、インジェクタプレート中心側一側方に位置する交点で交差させ、第1及び第2組のそれぞれの両外側位置の燃料噴孔からの噴射燃料により形成される第1及び第2組の噴霧フォーム側流間の内側挟み角度により、前記2本の噴霧フォーム間の内側挟み角度を決定すること特徴とする。
本発明によれば、各組の中間位置の燃料噴孔からの噴射燃料により形成される噴霧フォーム主流は、燃料拡散室での燃料の拡散方向の流れ成分の影響を受けることから、両方の組に対応する噴霧フォーム主流は、互いに離反する方向に向う。一方、各組の両外側位置の燃料噴孔からの噴射燃料により形成される噴霧フォーム側流は、上記拡散方向の流れ成分と、第1及び第2組間の燃料拡散室の内面に沿う流れ成分との影響を受けること、並びに各組の両外側位置の燃料噴孔の中心線が、インジェクタプレート前方に向かって各組の中央もしくはその近傍に位置する燃料噴孔の中心線に対し近づくように配置されることにより、噴霧フォーム主流側に傾いた指向性を持つことになり、これら噴霧フォーム主流とその両側の噴霧フォーム側流とで、両方の組に対応する2本の噴霧フォームが形成される。その際、両方の組に対応する両噴霧フォーム側流によって、2本の噴霧フォーム間の挟み角度及び各噴霧フォームの開き角度は小さく制御することができ、したがって、各噴霧フォームの輪郭は明確になり、両噴霧フォームの相互干渉を防いで、各噴霧フォームのペネトレーション性を高めることができるので、噴射燃料の吸気ポート内壁への付着を効果的に防ぎ、エンジン出力向上、燃費の低減及び排気エミッションの低減を図ることができる。
しかも、第1及び第2組の全ての燃料噴孔を同一直径に形成したので、同一の工具をもって全ての燃料噴孔を加工することができ、工具の交換作業が不要となり、生産性の向上を図ることができる。
また特に各組の両外側に位置する燃料噴孔の中心線の延長線相互を、インジェクタプレートの前方、且つ各組の中央もしくはその近傍に位置する燃料噴孔の中心線の延長線の、インジェクタプレート中心側一側方に位置する交点で交差させるので、2本の噴霧フォーム間の内側挟み角度及び各噴霧フォームの開き角度に対する抑制効果を適正に高めることができる。
さらに第1及び第2組のそれぞれの両外側位置の燃料噴孔からの噴射燃料により形成される第1及び第2組の噴霧フォーム側流間の内側挟み角度により、前記2本の噴霧フォーム間の内側挟み角度を簡単的確に決定することができる。
本発明の実施例に係る燃料噴射弁を装着した内燃エンジンの要部縦断平面図。 上記燃料噴射弁の縦断面図。 図2の3部拡大図。 同燃料噴射弁におけるインジェクタプレートの要部拡大平面図。 図4の5−5線断面図。 図4の6−6線断面図。 図4の7−7線断面図。 図4の8−8線断面図。 同燃料噴射弁の噴射燃料による噴霧フォームの形成過程説明図。 同噴霧フォームの実際の状態図。
図1において、エンジンEのシリンダヘッドEhには、1本のシリンダEcに対応して、隔壁Ehaを挟んで二股状に分岐した第1及び第2吸気ポートP1、P2が形成されており、第1及び第2吸気ポートP1、P2のシリンダEcへの開口部が一対の吸気弁Ei、Eiにより開閉される。シリンダヘッドEhの一側には、第1及び第2吸気ポートP1、P2に連通する共通の吸気路を備える吸気マニフォルドEmが接合される。本発明の燃料噴射弁Iは、この吸気マニフォルドEmに装着され、その開弁時には、噴射燃料により形成される2本の独立した噴霧フォームF1,F2が上記第1及び第2吸気ポートP1、P2に向けて供給されるようになっている。こゝで、燃料噴射弁Iの前端面上において、第1及び第2吸気ポートP1、P2の配列方向をX、その配列方向Xと直交する方向をYとする。
次に、上記燃料噴射弁Iについて説明する。図2及び図3において、上記電磁式燃料噴射弁Iのケーシング1は、円筒状の弁ハウジング2(磁性体)と、この弁ハウジング2の前端部に液密に結合される有底円筒状の弁座部材3と、弁ハウジング2の後端に環状スペーサ4を挟んで液密に結合される円筒状の固定コア5とから構成される。
環状スペーサ4は、非磁性金属、例えばステンレス鋼製であり、その両端面に弁ハウジング2及び固定コア5が突き当てられて液密に全周溶接される。
弁座部材3及び弁ハウジング2の対向端部には、第1嵌合筒部3a及び第2嵌合筒部2aがそれぞれ形成される。そして第1嵌合筒部3aが第2嵌合筒部2a内にストッパプレート6と共に圧入され、ストッパプレート6は、弁ハウジング2と弁座部材3間で挟持される。第1及び第2嵌合筒部3a,2aの嵌合後は、第1嵌合筒部2aから露出した第1嵌合筒部3aの外周面と第2嵌合筒部2aの端面とに挟まれる環状隅部の全周に渡りレーザ溶接が施され、これにより弁ハウジング2及び弁座部材3が相互に液密に結合される。
弁座部材3は、その前端面に開口する弁孔7と、この弁孔7の内端に連なる円錐状の弁座8と、この弁座8の大径部に連なる円筒状のガイド孔9とを備えており、そのガイド孔9は、前記第2嵌合筒部2aと同軸状に形成される。
図3及び図4に示すように、弁座部材3の前端面には鋼板製のインジェクタプレート10が液密に全周溶接される。弁座部材3の、インジェクタプレート10との対向面には、弁孔7の軸線Aを中心とする円形で浅い凹部40が形成されており、これが弁座部材3及びインジェクタプレート10間の燃料拡散室41を構成する。またこのインジェクタプレート10には、弁孔7の軸線Aを中心にし且つ弁孔7より大径の仮想円C上に全て配置されて燃料拡散室41に開口する多数の燃料噴孔38a,38b;38a,38bが穿設される。これら燃料噴孔38a,38b;38a,38bは全て同一直径に形成される。
上記燃料噴孔38a,38b;38a,38bは、弁孔7の軸線Aを通って前記Y方向に延びる平面L(図4参照)を境にして、第1組G1の燃料噴孔38a,38b群と第2組G2の燃料噴孔38a,38b群とが対称的に分けられ、そして、第1及び第2組G1,G2間の間隔D1は、各G1,G2における燃料噴孔38a,38b間の間隔D2より充分に広く設定される。
図示例では、各組G1,G2の燃料噴孔38a,38bは5個であり、図5〜図7に示すように、各組G1,G2の中間部に並ぶ3個の燃料噴孔38a〜38aは、それらの中心線Saの延長線が平行に、且つインジェクタプレート10前方に向かって前記平面Lから離れる方向に傾斜するように配置される。一方、各組G1,G2の外側位置の2個の燃料噴孔38b,38bは、それらの2本の中心線Sb,Sbの延長線が、インジェクタプレート10の前方、且つ各組G1,G2の中央もしくはその近傍に位置する燃料噴孔38aの中心線S1の延長線の、インジェクタプレート10中心側一側方に位置する交点Qで交差するように配置される。
再び図2において、弁ハウジング2及び環状スペーサ4内には、固定コア5の前端面に対向する可動コア12が摺動自在に収容され、この可動コア12に、前記ガイド孔9に軸方向摺動自在に収容される弁体16が一体的に結合される。この弁体16は、弁座8に着座し得る球状の弁部16aと、ガイド孔9に摺動自在に支承される前後一対のジャーナル部16b,16bと、前記ストッパプレート6に当接して弁体16の開弁限界を規定するフランジ16cとを一体に備えており、各ジャーナル部16bには、燃料の流通を可能にする複数の面取り部17,17…が設けられる。
固定コア5は、可動コア12の上端部外周の切欠き20を介して弁ハウジング2内と連通する中空部21を有しており、その中空部21に、可動コア12を弁部16の閉じ方向、即ち弁座8への着座方向に付勢するコイル状の弁ばね22と、この弁ばね22の後端を支承するパイプ状のリテーナ23とが収容される。
その際、可動コア12の後端面には、弁ばね22の前端部を受容する位置決め凹部24が形成される。また弁ばね22のセット荷重は、リテーナ23の中空部21への嵌合固定位置の調節によって調整される。
固定コア5の後端には、パイプ状のリテーナ23を介して固定コア5の中空部21に連通する燃料入口25aを持つ入口筒25が一体に連設され、その燃料入口25aに燃料フィルタ27が装着される。
環状スペーサ4及び固定コア5の外周にはコイル組立体28が嵌装される。このコイル組立体28は、環状スペーサ4及び固定コア5に外周面に嵌合するボビン29と、これに巻装されるコイル30とからなっており、このコイル組立体28を囲繞するコイルハウジング31の一端部が弁ハウジング2の外周面に溶接により結合される。
コイルハウジング31、コイル組立体28及び固定コア5は合成樹脂製の被覆体32内に埋封され、この被覆体32の中間部には、前記コイル30に連なる接続端子33を収容する備えたカプラ34が一体に連設される。
弁ハウジング2から弁座部材3にかけて、それらの外周に環状のシールホルダ39が嵌合され、このシールホルダ39と、弁座部材3の前端部に嵌着される合成樹脂製のキャップ35との間に環状溝36が画成され、この環状溝36に、弁座部材3の外周面に密接するOリング37が装着され、このOリング37は、この電磁式燃料噴射弁Iを前記吸気マニホールドEmの取り付け孔に装着したとき、その取り付け孔の内周面に密接するようになっている。
次に、この実施例の作用について説明する。
コイル30を消磁した状態では、弁ばね22の付勢力で弁体16が前方に押圧され、弁部16aを弁座8に着座させている。したがって、図示しない燃料ポンプから燃料フィルタ35及び入口筒26を通して弁ハウジング1内に供給された高圧燃料は、弁ハウジング1内に待機させられる。
コイル30を通電により励磁すると、それにより生ずる磁が固定コア5、コイルハウジング31、弁ハウジング2及び可動コア12を順次走り、その磁力により可動コア12が弁体16と共に固定コア5に吸引され、弁座8が開放されるので、弁ハウジング2内の高圧燃料が弁部16の面取り部17を経て、弁孔7から燃料拡散室41に移り、該室41で高圧燃料は周囲に拡散しながら第1及び第2組G1,G2の燃料噴孔38a,38b;38a,38b群に分配され、そして第1組G1の複数の燃料噴孔38a,38bからの噴射燃料により第1噴霧フォームF1が形成されながらエンジンEの第1吸気ポートP1に供給され、同時に第2組G2の複数の燃料噴孔38a,38bからの噴射燃料により第2噴霧フォームF2を形成されながらエンジンEの第1吸気ポートP1に供給される。
図10において、(A)は、上記第1及び第2噴霧フォームF1,F2をX方向から見たときの状態を示し、(B)は、上記第1及び第2噴霧フォームF1,F2をY方向から見たときの状態を示すもので、両噴霧フォームF1,F2間の挟み角度をα、各噴霧フォームF1,F2の前記平面Lに沿う開き角度をβとして、各噴霧フォームF1,F2の形成過程を図4及び図9を参照しながら説明する。
燃料拡散室41における燃料の流れには、該室41の中心部から放射状に広がる拡散方向の流れ成分aと、第1及び第2組G1,G2間の燃料拡散室41の内面に沿う流れ成分bが存在する。各組G1,G2の中間位置の燃料噴孔38a,38aから噴射される燃料は、上記拡散方向の流れ成分aの影響を受けて噴霧フォーム主流Faを形成し、各組G1,G2の両外側位置の燃料噴孔38b,38bから噴射される燃料は、上記拡散方向の流れ成分aと、第1及び第2組G1,G2間の燃料拡散室41の内面に沿う流れ成分bとの影響を受けて噴霧フォーム側流Fbを形成し、これら噴霧フォーム主流Faと噴霧フォーム側流Fbとで、対応する吸気ポートP1、P2に供給される第1及び第2噴霧フォームF1,F2が形成される。
その際、各噴霧フォーム主流Faは、上記拡散方向の流れ成分aの影響を受けること、並びに各組G1,G2の中間部の燃料噴孔38aの中心線Saが、インジェクタプレート10前方に向かって前記平面Lから離れる方向に傾いていることから、両方の組G1,G2に対応する噴霧フォーム主流Fa,Faは、X方向に互いに離反する方向に向い(図9(A)参照)、また同時に、各噴霧フォーム主流Faは、上記拡散方向の流れ成分aの影響により、Y方向にも広がる(図9(B)参照)。
一方、各噴霧フォーム側流Fbは、上記拡散方向の流れ成分aと、第1及び第2組G1,G2間の燃料拡散室41の内面に沿う流れ成分bとの影響を受けること、並びに各組G1,G2の両外側位置の燃料噴孔38b,38bの中心線Sb,Sbが、インジェクタプレート10前方に向かって各組G1,G2の中央もしくはその近傍に位置する燃料噴孔38aの中心線Saに対し近づくよう、傾けて配置されることにより、各噴霧フォーム側流Fbは、図9(B)に示すように、噴霧フォーム主流Fa側に傾いた指向性を持つことになる。その結果、図10に示すように、第1及び第2組G1,G2に対応する各2本の噴霧フォーム側流Fb,Fbによって、対応するそれぞれの噴霧フォームF1,F2間の挟み角度α及び各噴霧フォームF1,F2の開き角度βを小さく抑制することができる。而して、第1及び第2噴霧フォームF1,F2間の内側挟み角度α′(図9(A)参照)は、第1及び第2組G1,G2の噴霧フォーム側流Fb,Fb間の内側挟み角度θによって決定される。θ=α′となる。
特に本発明では、各組G1,G2の両外側に位置する燃料噴孔38b,38bの両中心線Sb,Sbの延長線相互を、インジェクタプレート10の前方、且つ各組G1,G2の中央もしくはその近傍に位置する燃料噴孔38aの中心線Saの延長線の、インジェクタプレート10中心側一側方に存する交点Qで交差させているため、2本の噴霧フォームF1,F2間の内側挟み角度α及び各噴霧フォームF1,F2の開き角度βに対する抑制効果を適正に高めることができる。
かくして、各噴霧フォームF1,F2の輪郭は明確になり、両噴霧フォームF1,F2の相互干渉を防いで、各噴霧フォームF1,F2のペネトレーション性を高めることができるので、噴射燃料の第1及び第2吸気ポートP1、P2内壁への付着を効果的に防ぎ、エンジン出力向上、燃費の低減及び排気エミッションの低減を図ることができる。
しかも、第1及び第2組G1,G2の全ての燃料噴孔38a,38b;38a,38bを同一直径に形成したので、同一の工具をもって全ての燃料噴孔38a,38b;38a,38bを加工することができ、工具の交換作業が不要となり、生産性の向上を図ることができる。また全ての燃料噴孔38a,38b;38a,38bを、弁孔7の軸線Aを中心とする仮想円C上に配置したことにより、弁孔7からの各燃料噴孔38a,38b;38a,38bまでの燃料の拡散距離を一定に保ちながら、燃料拡散室41の容積を最小にすることができ、これにより特に、エンジン運転初期から燃料噴霧粒径を小さくすることが可能となると共に、温度変化に関係なく燃料流量特性を安定させることができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、各組G1,G2の燃料噴孔38a,38bの個数は,3個以上、自由に選定することができるが、上記実施例のように、5以上の奇数個が好ましい。
A・・・・・弁孔の軸線
C・・・・・仮想円
D1・・・・第1及び第2組間の間隔
D2・・・・燃料噴孔間の間隔
F1・・・・噴霧フォーム
F2・・・・噴霧フォーム
Fa・・・・噴霧フォーム主流
Fb・・・・噴霧フォーム側流
G1・・・・第1組
G2・・・・第2組
I・・・・・電磁式燃料噴射弁
L・・・・・平面
Sa・・・・中央位置の燃料噴孔の中心線
Sb・・・・外側位置の燃料噴孔の中心線
Q・・・・・交点
α′・・・・第1及び第2組の噴霧フォーム側流間の内側挟み角度
θ・・・・・第1及び第2組の噴霧フォーム側流間の内側挟み角度
3・・・・・弁座部材
7・・・・・弁孔
8・・・・・弁座
10・・・・インジェクタプレート
16・・・・弁体
38a・・・中間位置の燃料噴孔
38b・・・外側位置の燃料噴孔
41・・・・燃料拡散室

Claims (1)

  1. 弁座(8)及びその中心部を貫通する弁孔(7)を有する弁座部材(3)と、前記弁座(8)と協働して前記弁孔(7)を開閉する弁体(16)と、前記弁孔(7)の軸線(A)を中心とする同一仮想円(C)上に配置される複数の燃料噴孔(38a,38b,38a,38b)を有して前記弁座部材(3)の前端面に接合されるインジェクタプレート(10)とを備え、前記弁座部材(3)及びインジェクタプレート(10)間に、前記弁孔(7)を出た燃料を前記各燃料噴孔(38a,38b,38a,38b)に拡散して分配する燃料拡散室(41)を形成し、前記複数の燃料噴孔(38a,38b,38a,38b)を、前記弁孔(7)の軸線(A)を含む一平面(L)を境にして第1及び第2(G1,G2)の燃料噴孔(38a,38b;38a,38b)群に分けると共に、これら第1及び第2組(G1,G2)間の間隔(D1)を、各組の燃料噴孔(38a,38b;38a,38b)間の間隔(D2)より広く設定して、これら第1及び第2組(G1,G2)の燃料噴孔(38a,38b;38a,38b)群からの噴射燃料により2本の噴霧フォーム(F1,F2)を形成するようにした燃料噴射弁において、
    第1及び第2組(G1,G2)の全ての燃料噴孔(38a,38b;38a,38b)を同一直径に形成すると共に、各組(G1,G2)の両外側に位置する燃料噴孔(38b,38b)の中心線(Sb,Sb)の延長線相互を、インジェクタプレート(10)の前方、且つ各組(G1,G2)の中央もしくはその近傍に位置する燃料噴孔(38a)の中心線(Sa)の延長線の、インジェクタプレート(10)中心側一側方に位置する交点(Q)で交差させ
    第1及び第2組(G1,G2)のそれぞれの両外側位置の燃料噴孔(38b,38b)からの噴射燃料により形成される第1及び第2組(G1,G2)の噴霧フォーム側流(Fb,Fb)間の内側挟み角度(θ)により、前記2本の噴霧フォーム(F1,F2)間の内側挟み角度(α′)を決定することを特徴とする燃料噴射弁。
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