JP2017067050A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】 噴孔における不完全燃焼生成物の堆積を抑制しつつ燃料の噴射特性の経時変化を抑制する燃料噴射弁を提供する。【解決手段】 燃料噴射弁1は、噴孔36及び弁座を有する噴射部301、ニードル、並びに、ニードルを往復移動可能な駆動部を備える。噴孔36の内側開口361を形成する噴射部301の角部のうち燃料噴射弁1の中心軸からみて径方向外側に位置する外側角部363は、内側開口361の中心C361と外側開口362の中心C362とを通る噴孔軸HC36を含む平面であってかつ中心軸を含む仮想平面上の断面形状の曲率半径が1μm以下となるよう形成されている。また、噴孔通路360を形成する噴射部301の噴孔内壁のうち燃料噴射弁1の中心軸からみて径方向内側に位置する噴孔内側内壁367は、表面粗さが2μm以上となるよう形成されている。【選択図】 図3
Description
本発明は、内燃機関(以下、「エンジン」という)に燃料を噴射供給する燃料噴射弁に関する。
従来、ニードルの往復移動によってノズルボディが有する噴孔を開閉しノズルボディ内の燃料を噴射する燃料噴射弁が知られている。例えば、特許文献1には、噴孔の内側開口を形成する内側開口角部の曲率半径が比較的小さい燃料噴射弁が記載されている。
特許文献1に記載の燃料噴射弁では、内側開口角部の曲率半径を小さくすることによって内側開口を通って内側開口と外側開口とを連通する噴孔通路に流入する燃料にキャビテーションを発生させる。燃料中に発生するキャビテーションは、完全に燃焼しない燃料から生成する物質、すなわち、不完全燃焼生成物の噴孔通路での堆積を抑制する。しかしながら、不完全燃焼生成物が噴孔内壁に一旦堆積し始めると、堆積した不完全燃焼生成物によって噴孔の形状が変化するため、噴孔を通る燃料の流れが乱れる。このため、燃料噴射弁の使用に伴って当該噴孔の噴射特性が変化するおそれがある。
本発明の目的は、噴孔における不完全燃焼生成物の堆積を抑制しつつ燃料の噴射特性の経時変化を抑制する燃料噴射弁を提供することにある。
本発明は、燃料噴射弁であって、噴孔を有するノズルボディ、ニードル、及び、駆動部を備える。
本発明の燃料噴射弁では、噴孔は、内側開口の断面積が外側開口の断面積に比べ小さくなるよう形成されている。また、内側開口の中心と外側開口の中心とを通る噴孔軸を含む平面であってかつノズルボディの中心軸に平行または当該中心軸を含む平面を仮想平面として規定すると、内側開口を形成するノズルボディの角部のうちノズルボディの中心軸からみて径方向外側に位置する外側角部は、仮想平面上の断面形状の曲率半径が1μm以下であり、かつ、内側開口と外側開口とを連通する噴孔通路を形成するノズルボディの噴孔内壁のうち中心軸からみて径方向内側に位置する噴孔内側内壁は、表面粗さが2μm以上である。
本発明の燃料噴射弁では、噴孔は、内側開口の断面積が外側開口の断面積に比べ小さくなるよう形成されている。また、内側開口の中心と外側開口の中心とを通る噴孔軸を含む平面であってかつノズルボディの中心軸に平行または当該中心軸を含む平面を仮想平面として規定すると、内側開口を形成するノズルボディの角部のうちノズルボディの中心軸からみて径方向外側に位置する外側角部は、仮想平面上の断面形状の曲率半径が1μm以下であり、かつ、内側開口と外側開口とを連通する噴孔通路を形成するノズルボディの噴孔内壁のうち中心軸からみて径方向内側に位置する噴孔内側内壁は、表面粗さが2μm以上である。
本発明の燃料噴射弁では、内側開口を形成するノズルボディの角部のうちノズルボディの中心軸からみて径方向外側に位置する外側角部は、仮想平面上の断面形状の曲率半径が1μm以下となるよう形成されている。これにより、ノズルボディ内において径外方向から径内方向に向かう燃料は、外側角部においてキャビテーションを発生しやすくなる。燃料中にキャビテーションが発生すると噴孔を形成する噴孔内壁に付着している不完全燃焼生成物を燃料の流れによって取り除くことができる。したがって、噴孔における不完全燃焼生成物の堆積を抑制することができる。
また、本発明の燃料噴射弁では、噴孔内壁のうちノズルボディの中心軸からみて径方向内側に位置する噴孔内側内壁は、表面粗さが2μm以上となるよう形成されている。ここでの「表面粗さ」は、十点平均粗さを指す。ノズルボディ内において径外方向から径内方向に向かう燃料の多くは、外側角部と接触した後、噴孔内側内壁に沿って流れる。このため、上述した燃料の流れによって噴孔内壁に付着している不完全燃焼生成物をある程度取り除くことができても、不完全燃焼生成物は徐々に堆積する。そこで、本発明の燃料噴射弁では、噴孔内側内壁の表面粗さを当該噴孔内側内壁の上に堆積した不完全燃焼生成物の表面粗さに近い表面粗さとし、仮に不完全燃焼生成物が堆積しても噴孔通路の形状が大きく変化しないようにする。これにより、燃料の噴射を繰り返したときに噴孔通路を通る燃料の流れが大きく変化することを防止する。したがって、燃料の噴射特性の経時変化を小さくすることができる。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁を図1〜9に基づいて説明する。図1には、第一実施形態による燃料噴射弁1の断面図を示す。なお、図1には、ニードル40が弁座305から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座305に当接する方向である閉弁方向を図示する。
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁を図1〜9に基づいて説明する。図1には、第一実施形態による燃料噴射弁1の断面図を示す。なお、図1には、ニードル40が弁座305から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座305に当接する方向である閉弁方向を図示する。
燃料噴射弁1は、図示しない直噴式エンジンの燃料噴射装置に用いられ、燃料としてのガソリンを直噴式エンジンに噴射供給する。燃料噴射弁1は、ノズルボディ20、ニードル40、可動コア47、固定コア44、コイル38、スプリング24、26などを備える。可動コア47、固定コア44、コイル38、及び、スプリング24、26は、特許請求の範囲に記載の「駆動部」に相当する。
ノズルボディ20は、第一筒部材21、第二筒部材22、第三筒部材23、及び、噴射ノズル30などから構成されている。第一筒部材21、第二筒部材22及び第三筒部材23は、いずれも略円筒状の部材であって、第一筒部材21、第二筒部材22、第三筒部材23の順に同軸となるよう配置され、互いに接続している。
噴射ノズル30は、第一筒部材21の第二筒部材22とは反対側の端部に設けられている。噴射ノズル30は、有底筒状の部材であって、第一筒部材21に溶接されている。噴射ノズル30は、所定の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。噴射ノズル30は、噴射部301及び筒部302から形成されている。
噴射部301は、噴射ノズル30の中心軸CA30上の点を中心とした半球体の外郭状の部位である。噴射部301の外壁303は、中心軸CA30の方向に突出している。噴射部301は、ノズルボディ20の内部と外部とを連通する噴孔を複数有する。第一実施形態では、図2に示すように、六個の噴孔31、32、33、34、35、36が等間隔に配置されている。
噴孔31は、内壁304上の開口である内側開口311、外壁303上の開口である外側開口312、及び、内側開口311と外側開口312とを連通する噴孔通路310などから構成されている。噴孔31は、噴孔通路310の内側開口311の中心C311と外側開口312の中心C312とを通る噴孔軸HC31に垂直な断面積が内側開口311から外側開口312に向かうにつれて大きくなるよう形成されている。
噴孔32は、内壁304上の開口である内側開口321、外壁303上の開口である外側開口322、及び、内側開口321と外側開口322とを連通する噴孔通路320などから構成されている。噴孔32は、噴孔通路320の内側開口321の中心C321と外側開口322の中心C322とを通る噴孔軸HC32に垂直な断面積が内側開口321から外側開口322に向かうにつれて大きくなるよう形成されている。
噴孔33は、内壁304上の開口である内側開口331、外壁303上の開口である外側開口332、及び、内側開口331と外側開口332とを連通する噴孔通路330などから構成されている。噴孔33は、噴孔通路330の内側開口331の中心C331と外側開口332の中心C332とを通る噴孔軸HC33に垂直な断面積が内側開口331から外側開口332に向かうにつれて大きくなるよう形成されている。
噴孔34は、内壁304上の開口である内側開口341、外壁303上の開口である外側開口342、及び、内側開口341と外側開口342とを連通する噴孔通路340などから構成されている。噴孔34は、噴孔通路340の内側開口341の中心C341と外側開口342の中心C342とを通る噴孔軸HC34に垂直な断面積が内側開口341から外側開口342に向かうにつれて大きくなるよう形成されている。
噴孔35は、内壁304上の開口である内側開口351、外壁303上の開口である外側開口352、及び、内側開口351と外側開口352とを連通する噴孔通路350などから構成されている。噴孔35は、噴孔通路350の内側開口351の中心C351と外側開口352の中心C352とを通る噴孔軸HC35に垂直な断面積が内側開口351から外側開口352に向かうにつれて大きくなるよう形成されている。
噴孔36は、内壁304上の開口である内側開口361、外壁303上の開口である外側開口362、及び、内側開口361と外側開口362とを連通する噴孔通路360などから構成されている。噴孔36は、噴孔通路360の内側開口361の中心C361と外側開口362の中心C362とを通る噴孔軸HC36に垂直な断面積が内側開口361から外側開口362に向かうにつれて大きくなるよう形成されている。
内壁304にはニードル40が当接可能な環状の弁座305が形成される。噴孔31、32、33、34、35、36の詳細な形状は後述する。
筒部302は、噴射部301の径方向外側を囲み、噴射部301の外壁303が突出する方向とは反対側に延びるように設けられている。筒部302は、一方の端部が噴射部301に接続し、他方の端部が第一筒部材21に接続している。
ニードル40は、ノズルボディ20内に往復移動可能に収容されている。ニードル40は、軸部41、シール部42、及び、大径部43などから構成されている。
軸部41は、円筒棒状の部位である。軸部41とシール部42との間には摺接部45が設けられている。摺接部45は、略円筒状の部位であって、外壁451の一部が面取りされている。摺接部45は、外壁451の面取りされていない部分が噴射ノズル30の内壁と摺接可能である。これにより、ニードル40は、弁座305側の先端部での往復移動が案内される。軸部41は、摺接部45が設けられる側とは反対側に端部に軸部41の内壁と外壁とを接続する孔46を有する。
シール部42は、軸部41の弁座305側の端部に弁座305に当接可能に設けられている。ニードル40は、シール部42が弁座305に当接すると噴孔31、32、33、34、35、36が閉じられる。また、シール部42が弁座305から離間すると噴孔31、32、33、34、35、36が開く。
大径部43は、軸部41のシール部42とは反対側に設けられている。大径部43は、その外径が軸部41の外径より大きい。大径部43の弁座305側の端面は、可動コア47に当接している。
軸部41は、円筒棒状の部位である。軸部41とシール部42との間には摺接部45が設けられている。摺接部45は、略円筒状の部位であって、外壁451の一部が面取りされている。摺接部45は、外壁451の面取りされていない部分が噴射ノズル30の内壁と摺接可能である。これにより、ニードル40は、弁座305側の先端部での往復移動が案内される。軸部41は、摺接部45が設けられる側とは反対側に端部に軸部41の内壁と外壁とを接続する孔46を有する。
シール部42は、軸部41の弁座305側の端部に弁座305に当接可能に設けられている。ニードル40は、シール部42が弁座305に当接すると噴孔31、32、33、34、35、36が閉じられる。また、シール部42が弁座305から離間すると噴孔31、32、33、34、35、36が開く。
大径部43は、軸部41のシール部42とは反対側に設けられている。大径部43は、その外径が軸部41の外径より大きい。大径部43の弁座305側の端面は、可動コア47に当接している。
ニードル40は、摺接部45が噴射ノズル30の内壁により支持され、また、軸部41が可動コア47を介して第二筒部材22の内壁により支持されつつ、ノズルボディ20の内部を往復移動する。
可動コア47は、磁気安定化処理が施されている略円筒状の部材である。可動コア47は、大径部43の噴射ノズル30側に往復移動可能に設けられる。可動コア47は、略中央に貫通孔49を有する。貫通孔49には、ニードル40の軸部41が挿通されている。
固定コア44は、磁気安定化処理が施されている略円筒状の部材である。固定コア44は、ノズルボディ20の第三筒部材23と溶接され、ノズルボディ20の内側に固定されている。
コイル38は、略円筒状の部材であって、主に第二筒部材22及び第三筒部材23の径方向外側を囲むよう設けられている。コイル38は、電力が供給されると磁界を発生する。コイル38の周囲に磁界が発生すると、固定コア44、可動コア47、第一筒部材21及び第三筒部材23に磁気回路が形成される。これにより、固定コア44と可動コア47との間に磁気吸引力が発生し、可動コア47は、固定コア44に吸引される。このとき、可動コア47の噴射ノズル30側とは反対側の面に当接しているニードル40は、可動コア47とともに開弁方向へ移動する。
スプリング24は、一端が大径部43のスプリング当接面431に当接するよう設けられている。スプリング24の他端は、固定コア44の内側に圧入固定されたアジャスティングパイプ11の一端に当接している。スプリング24は、軸方向に伸びる力を有している。これにより、スプリング24は、ニードル40を可動コア47とともに閉弁方向に付勢している。
スプリング26は、一端が可動コア47の段差面48に当接するよう設けられている。スプリング26の他端は、第一筒部材21の内壁に有する環状の段差面211に当接している。スプリング26は、軸方向に伸びる力を有している。これにより、スプリング26は可動コア47をニードル40とともに開弁方向に付勢している。
本実施形態では、スプリング24の付勢力は、スプリング26の付勢力より大きく設定されている。これにより、コイル38に電力が供給されていない状態では、ニードル40のシール部42は、弁座305に着座した状態、すなわち閉弁状態となる。
本実施形態では、スプリング24の付勢力は、スプリング26の付勢力より大きく設定されている。これにより、コイル38に電力が供給されていない状態では、ニードル40のシール部42は、弁座305に着座した状態、すなわち閉弁状態となる。
第三筒部材23の第二筒部材22とは反対側の端部には、略円筒状の燃料導入パイプ12が圧入及び溶接されている。燃料導入パイプ12の内側には、フィルタ13が設けられている。フィルタ13は、燃料導入パイプ12の導入口14から流入した燃料に含まれる異物を捕集する。
燃料導入パイプ12及び第三筒部材23の径方向外側は、樹脂によりモールドされている。当該モールド部分にはコネクタ15が設けられている。コネクタ15には、コイル38へ電力を供給するための端子16がインサート成形されている。また、コイル38の径方向外側には、コイル38を覆うよう筒状のホルダ17が設けられている。
燃料導入パイプ12の導入口14から流入する燃料は、固定コア44の径内方向、アジャスティングパイプ11の内部、ニードル40の大径部43及び軸部41の内側、孔46、第一筒部材21とニードル40の軸部41との間の隙間を流通し、噴射ノズル30の内部に導かれる。すなわち、燃料導入パイプ12の導入口14から第一筒部材21とニードル40の軸部41との間の隙間までが噴射ノズル30の内部に燃料を導入する燃料通路18となる。
第一実施形態による燃料噴射弁1は、噴孔の形状に特徴がある。ここでは、図3〜6に基づいて噴孔36の形状について説明する。なお、図3〜6において、説明を分かりやすくするために、噴射部301が有する壁面の表面粗さの違いを当該壁面に沿う点線または二点鎖線によって示す。
図3に噴孔36を含む噴射部301の断面図を示す。図3に示す断面図は、中心軸CA30を含む平面であってかつ噴孔軸HC36を含む仮想平面における噴射部301の断面図を示している。
内側開口361を形成する噴射部301の角部のうち、中心軸CA30からみて径方向外側に位置し図3に示す断面図に断面形状が現れている角部を外側角部363とする。外側角部363は、図4に示すように、仮想平面上の断面形状が円弧状に形成されている。燃料噴射弁1では、外側角部363は、図4に示す断面形状の曲率半径が1μm以下となるよう形成されている。図4には、外側角部363の断面形状に重なる仮想円C363を二点鎖線で示している。すなわち、燃料噴射弁1では、仮想円C363の半径r363が1μm以下となっている。
また、外側角部363は、図4に示すように、外壁が噴孔通路360を形成する噴射部301の噴孔内壁の一部となっている。ここで、外側角部363の外壁を外側角部外壁364とすると、外側角部外壁364は、表面粗さが1μm以下となるよう形成されている(図3、4、5の点線D364が示す領域)。
また、外側角部363は、図4に示すように、外壁が噴孔通路360を形成する噴射部301の噴孔内壁の一部となっている。ここで、外側角部363の外壁を外側角部外壁364とすると、外側角部外壁364は、表面粗さが1μm以下となるよう形成されている(図3、4、5の点線D364が示す領域)。
噴孔通路360を形成する噴射部301の噴孔内壁のうち、中心軸CA30からみて径方向外側に位置し図3に示す断面図において外側角部外壁364から外側開口362までの断面線が現れている噴孔内壁を噴孔外側内壁365、366とする。噴孔外側内壁365は、内側開口361側に形成され、外側角部外壁364と接続している。噴孔外側内壁365は、表面粗さが外側角部外壁364と同じ1μm以下となるよう形成されている(図3、4、6の点線D365が示す領域)。噴孔外側内壁366は、外側開口362側に形成され、噴射部301の外壁303及び噴孔外側内壁365と接続している。噴孔外側内壁366は、表面粗さが2μm以上となるよう形成されている(図3の二点鎖線D366が示す領域)。なお、図4には、表面粗さが同じ外側角部外壁364と噴孔外側内壁365との境界をわかりやすくするため境界線BL36を図示する。
噴孔通路360を形成する噴射ノズル30の噴孔内壁のうち、中心軸CA30からみて径方向内側に位置し図3に示す断面図において内側開口361から外側開口362までの断面線が現れている噴孔内壁を噴孔内側内壁367とする。噴孔内側内壁367は、表面粗さが2μm以上となるよう形成されている(図3、6の二点鎖線D367が示す領域)。
図5に内側開口361の噴孔軸HC36方向の矢視図を示す。図5には、噴射ノズル30における径外方向及び径内方向を図示する。中心軸CA30からみて内側開口361の径方向外側には外側角部363が設けられている。燃料噴射弁1では、外側角部363は、図5に示すように、図3に現れている外側角部363の断面線L364を含み、噴孔軸HC36上の点からみて広がり角αが90度以上となるよう形成されている(図5の点線D364が示す領域)。
また、中心軸CA30からみて内側開口361の径方向内側は、噴孔内側内壁367と噴射部301の内壁304とが接続する部位となっている(図5の二点鎖線D367が示す領域)。
また、中心軸CA30からみて内側開口361の径方向内側は、噴孔内側内壁367と噴射部301の内壁304とが接続する部位となっている(図5の二点鎖線D367が示す領域)。
図6に噴孔通路360の噴孔軸HC36に垂直な断面形状であって、内側開口361寄りの断面形状を示す。図3に現れている噴孔外側内壁365の断面形状を断面線L365とすると、噴孔外側内壁365は、図6に示すように、断面線L365を含むよう円弧状に形成されている。このとき、噴孔外側内壁365は、広がり角βが噴孔軸HC36上の点からみて90度以上となるよう形成されている。
また、図3に現れている噴孔内側内壁367の断面形状を断面線L367とすると、噴孔内側内壁367は、断面線L367を含むよう円弧状に形成されている。このとき、噴孔内側内壁367は、広がり角γが噴孔軸HC36上の点からみて180度以上となるよう形成されている。第一実施形態では、噴孔外側内壁365の噴孔軸HC36に略平行な一端と噴孔内側内壁367の噴孔軸HC36に略平行な他端とは接続している。また、噴孔外側内壁365の噴孔軸HC36に略平行な他端と噴孔内側内壁367の噴孔軸HC36に略平行な一端とは接続している。
また、図3に現れている噴孔内側内壁367の断面形状を断面線L367とすると、噴孔内側内壁367は、断面線L367を含むよう円弧状に形成されている。このとき、噴孔内側内壁367は、広がり角γが噴孔軸HC36上の点からみて180度以上となるよう形成されている。第一実施形態では、噴孔外側内壁365の噴孔軸HC36に略平行な一端と噴孔内側内壁367の噴孔軸HC36に略平行な他端とは接続している。また、噴孔外側内壁365の噴孔軸HC36に略平行な他端と噴孔内側内壁367の噴孔軸HC36に略平行な一端とは接続している。
ここでは、噴孔36を形成する噴射部301の形状について説明したが、他の噴孔31、32、33、34、35についても同様である。
次に、燃料噴射弁1の効果について、出願人が行った実験結果を示す図7、8を参照して説明する。
図7には、噴孔の内側開口を形成する外側角部の断面形状の曲率半径と噴孔を流れる燃料の流量低下率との関係を示す。図7では、横軸は外側角部の断面形状の曲率半径を示し、縦軸は噴孔を流れる燃料の流量低下率を示す。噴孔を流れる燃料の流量低下率とは、ある時刻における燃料の流量に対する当該ある時刻から一定の時間が経過した後の燃料の流量の比を示したものであり、流量低下率が大きいことは、燃料の流量が一定の時間のうちに大きく変化していることを示す。一般的に、噴孔で燃料噴射を繰り返すと、噴孔内壁には完全に燃焼しない燃料から生成する物質、すなわち、不完全燃焼生成物が噴孔内壁に堆積する。不完全燃焼生成物の堆積によって噴孔の断面積が小さくなるなど噴孔の形状が変化すると、燃料の流量低下率は大きくなる。
図7に示す実験結果から、外側角部の断面形状の曲率半径が小さくなると、流量低下率は小さくなることが明らかとなった。特に、曲率半径が1μm以下になると、流量低下率は低い値でほぼ一定となることが明らかとなった。
図7に示す実験結果から、外側角部の断面形状の曲率半径が小さくなると、流量低下率は小さくなることが明らかとなった。特に、曲率半径が1μm以下になると、流量低下率は低い値でほぼ一定となることが明らかとなった。
図8(a)には、噴射部に形成された直後の噴孔の噴孔内壁の表面粗さと噴孔内壁の表面粗さの変化量との関係を示す。図8(a)では、横軸は噴射部に形成された直後の噴孔の噴孔内壁の表面粗さを示し、縦軸は噴孔内壁の表面粗さの変化量を示す。「噴孔内壁の表面粗さの変化量」とは、燃料噴射の繰り返しによって噴孔内壁の表面粗さの変化の度合いを示すものである。噴孔内壁に不完全燃焼生成物が堆積すると、燃料は噴孔内壁上に堆積している不完全燃焼生成物の表面を流れることとなる。すなわち、噴孔内壁の表面粗さの変化量とは、噴孔内壁上の不完全燃焼生成物の堆積の度合いを示すものともいえる。
図8(a)に示す実験結果から、形成された直後の噴孔内壁の表面粗さを小さくすると、噴孔内壁の表面粗さの変化量は大きくなることが明らかとなった。
図8(a)に示す実験結果から、形成された直後の噴孔内壁の表面粗さを小さくすると、噴孔内壁の表面粗さの変化量は大きくなることが明らかとなった。
図8(b)には、噴射部に形成された直後の噴孔の噴孔内壁の表面粗さと噴孔における燃料の噴射特性の変化率との関係を示す。図8(b)では、横軸は形成された直後の噴孔の噴孔内壁の表面粗さを示し、横軸は燃料の噴射特性の変化率を示す。「燃料の噴射特性」は、例えば、噴孔から噴射される燃料の噴霧形状などであって、それぞれの噴孔において当該噴孔が形成される時点で決定される特性である。この噴射特性が変化するということは、噴孔の形状が噴射部に形成された時点から変化していることを示している。
図8(b)に示す実験結果から、噴射部に形成された直後の噴孔の噴孔内壁の表面粗さが大きくなると、噴射特性の変化率は小さくなることが明らかとなった。特に、表面粗さが2μm以上になると、噴射特性の変化率は低い値でほぼ一定となることが明らかとなった。
図8(b)に示す実験結果から、噴射部に形成された直後の噴孔の噴孔内壁の表面粗さが大きくなると、噴射特性の変化率は小さくなることが明らかとなった。特に、表面粗さが2μm以上になると、噴射特性の変化率は低い値でほぼ一定となることが明らかとなった。
燃料噴射弁1では、噴孔31、32、33、34、35、36が開くとき、燃料は、中心軸CA30の径外方向から径内方向に向かって流れる。この流れを維持したまま噴孔31、32、33、34、35、36に入る燃料は、最初に内側開口311、321、331、341、351、361の外側角部に接触する。外側角部に接触した燃料は、さらに径内方向に向かうため噴孔通路310、320、330、340、350、360を形成する噴孔内壁のうち噴孔内側内壁に沿って外側開口312、322、332、342、352、362に向かう。外側開口312、322、332、342、352、362に到達した燃料は、噴射部301の外部に噴射される。
燃料噴射弁1では、噴孔31、32、33、34、35、36の外側角部は、仮想平面上の断面形状の曲率半径が1μm以下となるよう形成されている。燃料が断面形状の曲率半径が比較的小さい外側角部を通ると、燃料内にキャビテーションが発生する。キャビテーションが発生している燃料が噴孔内側内壁に沿って流れると噴孔内側内壁に付着している不完全燃焼生成物を取り除くことができる。これにより、噴孔の形状変化が少なくなり、図7に示すように、流量低下率が比較的低くなる。特に、断面形状の曲率半径を1μm以下にすることで不完全燃焼生成物を取り除く効果を比較的大きくすることができる。したがって、燃料噴射弁1は、噴孔における不完全燃焼生成物の堆積を抑制することができる。
また、燃料噴射弁1では、中心軸CA30からみて径方向内側に位置する噴孔内側内壁は、表面粗さが2μm以上となるよう形成されている。外側角部から離れたのち径内方向に向かう燃料は、噴孔通路310、320、330、340、350、360において噴孔内側内壁に沿って流れる。噴射部301に噴孔31、32、33、34、35、36を形成するとき噴孔内側内壁の表面粗さを比較的大きくすると、図8(a)に示すように、不完全燃焼生成物が堆積しても表面粗さの変化量は小さくなる。これにより、噴孔通路の形状の変化が小さくなるため、図8(b)に示すように、燃料の噴射特性の変化率を小さくすることができる。特に、噴孔内側内壁の表面粗さを2μm以上とすることで燃料の噴射特性の変化率を比較的小さくすることができる。したがって、燃料噴射弁1は、燃料の噴射特性の経時変化を小さくすることができる。
また、燃料噴射弁1では、噴孔内側内壁は、当該噴孔の最も径方向内側の内壁を含むよう円弧状に形成されている。このとき、噴孔内側内壁は、噴孔軸上の点からみたときの広がり角が180度以上となるよう形成されている。これにより、外側角部から離れた燃料は、噴孔内壁に衝突し噴孔軸に対して垂直な方向に広がっても表面粗さが2μm以上となるよう形成されている噴孔内側内壁に沿って流れることができる。したがって、燃料噴射弁1は、燃料の噴射特性の経時変化をさらに小さくすることができる。
また、外側角部外壁は、表面粗さが1μm以下となるよう形成されている。これにより、外側角部のエッジが確実に形成できるため、外側角部の仮想平面状の断面形状の曲率半径を確実に1μm以下とすることができる。したがって、燃料噴射弁1は、噴孔31、32、33、34、35、36における不完全燃焼生成物の堆積をさらに抑制することができる。
また、燃料噴射弁1では、内側開口側の噴孔外側内壁、例えば、噴孔36では噴孔外側内壁365は、噴孔36の最も径方向外側の内壁を含むよう円弧状に形成されている。このとき、噴孔外側内は、噴孔軸上の点からみたときの広がり角が90度以上となるよう形成されている。外側角部から離れたのち径内方向に向かう燃料は、噴孔通路310、320、330、340、350、360において噴孔内側内壁に沿って流れるため、内側開口側の噴孔外側内壁に沿って流れることが希である。このため、内側開口側の噴孔外側内壁には、燃料中に発生するキャビテーションによって不完全燃焼生成物が取り除かれる効果は発揮されない。そこで、燃料噴射弁1では、内側開口側の噴孔外側内壁の表面粗さを1μm以下とすることで、不完全燃焼生成物の堆積を抑制する。これにより、燃料噴射弁1は、燃料の噴射特性の経時変化をさらに小さくすることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による燃料噴射弁を図9、10に基づいて説明する。第二実施形態は、噴孔内壁の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
次に、本発明の第二実施形態による燃料噴射弁を図9、10に基づいて説明する。第二実施形態は、噴孔内壁の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第二実施形態による燃料噴射弁2が有する噴孔36の断面図を図9に示す。燃料噴射弁2が有する噴孔36の噴孔通路360は、異なる表面粗さを有する噴孔内壁から形成されている。なお、ここでは、噴孔36に基づいて説明するが、燃料噴射弁2が有する他の噴孔31、32、33、34、35についても同様である。
噴孔通路360を形成する噴射部301の噴孔内壁のうち、中心軸CA30からみて径方向外側に位置し図9に示す断面図において外側角部外壁364から外側開口362までの断面線が現れている噴孔内壁を噴孔外側内壁465とする。噴孔外側内壁465は、外側角部外壁364及び噴射部301の外壁303に接続している。噴孔外側内壁465は、表面粗さが外側角部外壁364と同じ1μm以下となるよう形成されている(図9、10の点線D465が示す領域)。
噴孔通路360を形成する噴射部301の噴孔内壁のうち、中心軸CA30からみて径方向内側に位置し図9に示す断面形状において内側開口361から外側開口362までの断面線が現れている噴孔内壁を噴孔内側内壁367とする。噴孔内側内壁367は、表面粗さが2μm以上となるよう形成されている(図9、10の二点鎖線D367が示す領域)。
図10に噴孔通路360の噴孔軸HC36に垂直な断面形状であって、外側開口362寄りの断面形状を示す。図9に現れている噴孔外側内壁465の断面形状を断面線L465とすると、噴孔外側内壁465は、断面線L465を含むよう円弧状に形成されている。このとき、噴孔外側内壁465は、広がり角δが噴孔軸HC36上の点からみて90度以上となるよう形成されている。第二実施形態では、噴孔外側内壁465の噴孔軸HC36に略平行な一端と噴孔内側内壁367の噴孔軸HC36に略平行な他端とは接続している。また、噴孔外側内壁465の噴孔軸HC36に略平行な他端と噴孔内側内壁367の噴孔軸HC36に略平行な一端とは接続している。
燃料噴射弁2では、噴孔内壁のうち外側角部外壁に接続する噴孔外側内壁は、外側角部から外側開口まで表面の形状粗さが1μm以下となるよう形成されている。これにより、燃料噴射弁2を製造するとき、噴孔内壁の径方向内側の加工と噴孔内壁の径方向外側の加工とをそれぞれ別々に行うことで不完全燃焼生成物の堆積を抑制しつつ燃料の噴射特性の経時変化を抑制可能な噴孔を形成することができる。したがって、第二実施形態は、第一実施形態の効果を奏するとともに、噴孔の加工を比較的容易に行うことができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態による燃料噴射弁を図11〜13に基づいて説明する。第三実施形態は、噴孔内壁の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
次に、本発明の第三実施形態による燃料噴射弁を図11〜13に基づいて説明する。第三実施形態は、噴孔内壁の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第三実施形態による燃料噴射弁3が有する噴孔36の断面図を図11に示す。燃料噴射弁3が有する噴孔36の噴孔通路360は、異なる表面粗さを有する噴孔内壁から形成されている。なお、ここでは、噴孔36に基づいて説明するが、燃料噴射弁3が有する他の噴孔についても同様である。
噴孔通路360を形成する噴射部301の噴孔内壁のうち、中心軸CA30からみて径方向外側に位置し図11に示す断面図において外側角部外壁364から外側開口362までの断面線が現れている噴孔内壁を噴孔外側内壁565、566とする。噴孔外側内壁565は、内側開口361側に形成され、外側角部外壁364と接続している。噴孔外側内壁565は、表面粗さが外側角部外壁364と同じ1μm以下となるよう形成されている(図11、12の点線D565が示す領域)。噴孔外側内壁566は、外側開口362側に形成され、噴射部301の外壁303と接続している。噴孔外側内壁566は、表面粗さが2μm以上となるよう形成されている(図11、13の二点鎖線D566が示す領域)。
噴孔通路360を形成する噴射部301の噴孔内壁のうち、中心軸CA30からみて径方向内側に位置し図11に示す断面図において内側開口361から外側開口362までの断面線が現れている噴孔内壁を噴孔内側内壁567、568とする。噴孔内側内壁567は、内側開口361側に形成され、噴射ノズル30の内壁304と接続している。噴孔内側内壁567は、表面粗さが1μm以下となるよう形成されている(図11、12の点線D567が示す領域)。噴孔内側内壁568は、外側開口362側に形成され、噴射部301の外壁303と接続している。噴孔内側内壁568は、表面粗さが2μm以上となるよう形成されている(図11、13の二点鎖線D568が示す領域)。
図12に内側開口361の噴孔軸HC36方向の矢視図を示す。図12には、噴射ノズル30の径外方向及び径内方向を図示する。中心軸CA30からみて内側開口361の径方向外側には外側角部363が設けられている。燃料噴射弁3では、外側角部363は、図12に示すように、図11に現れている外側角部363の断面線L364を含み、噴孔軸HC36上の点からみて広がり角εが90度以上となるよう形成されている(図12の点線D364の領域が示す領域)。
また、中心軸CA30からみて内側開口361の径方向内側は、噴孔内側内壁567と噴射部301の内壁304とが接続する部位となっている(図12の点線D567が示す領域)。
このように、燃料噴射弁3が有する噴孔36の内側開口361に沿うよう設けられている噴孔内壁は、全ての表面粗さが1μm以下となるよう形成されている。
また、中心軸CA30からみて内側開口361の径方向内側は、噴孔内側内壁567と噴射部301の内壁304とが接続する部位となっている(図12の点線D567が示す領域)。
このように、燃料噴射弁3が有する噴孔36の内側開口361に沿うよう設けられている噴孔内壁は、全ての表面粗さが1μm以下となるよう形成されている。
図13に噴孔通路360の噴孔軸HC36に垂直な断面形状であって、外側開口362寄りの断面形状を示す。図11に現れている噴孔外側内壁566の断面形状を断面線L566とすると、噴孔外側内壁566は、図13に示すように、断面線L566を含むよう円弧状に形成されている。また、図11に現れている噴孔内側内壁568の断面形状を断面線L568とすると、噴孔内側内壁568は、図13に示すように、断面線L568を含むよう円弧状に形成されている。第三実施形態では、噴孔外側内壁566の噴孔軸HC36に略平行な一端と噴孔内側内壁568の噴孔軸HC36に略平行な他端とは接続している。また、噴孔外側内壁566の噴孔軸HC36に略平行な他端と噴孔内側内壁568の噴孔軸HC36に略平行な一端とは接続している。このため、燃料噴射弁3では、外側開口362に沿うよう設けられている噴孔内壁は、全ての表面粗さが2μm以上となるよう形成されている。
ここで、噴孔通路360を形成する噴孔内壁の噴孔軸HC36方向の長さについて、図11を参照して説明する。
外側開口362側の噴孔内壁のうち表面粗さが2μm以上となるよう形成されている噴孔内壁の最も内側開口361寄りの位置を位置P1とする。第三実施形態では、位置P1は、図11に示すように、噴孔外側内壁565と噴孔外側内壁566とが接続する位置にある。外側開口362の中心C362と位置P1との噴孔軸HC36に平行な方向の距離は、図11に示す距離L1となる。
内側開口361の中心C361と外側開口362の中心C362との噴孔軸HC36に平行な方向の距離を図11に示す距離L2とすると、燃料噴射弁3では、距離L1と距離L2とは以下の関係式を満たしている。
L1/L2≧1/2 ・・・式(1)
外側開口362側の噴孔内壁のうち表面粗さが2μm以上となるよう形成されている噴孔内壁の最も内側開口361寄りの位置を位置P1とする。第三実施形態では、位置P1は、図11に示すように、噴孔外側内壁565と噴孔外側内壁566とが接続する位置にある。外側開口362の中心C362と位置P1との噴孔軸HC36に平行な方向の距離は、図11に示す距離L1となる。
内側開口361の中心C361と外側開口362の中心C362との噴孔軸HC36に平行な方向の距離を図11に示す距離L2とすると、燃料噴射弁3では、距離L1と距離L2とは以下の関係式を満たしている。
L1/L2≧1/2 ・・・式(1)
燃料噴射弁3では、内側開口の内周に沿うよう設けられている噴孔内壁の全ては、表面粗さが1μm以下となるよう形成されている。また、外側開口の内周に沿うよう設けられている噴孔内壁の全ては、表面粗さが2μm以上となるよう形成されている。これらにより、燃料噴射弁3を製造するとき、噴孔内壁の内側開口側の加工と噴孔内壁の七側開口側の加工とをそれぞれ別々に行うことで噴孔における不完全燃焼生成物の堆積を抑制しつつ燃料の噴射特性の経時変化を抑制可能な噴孔を形成することができる。したがって、第三実施形態は、第一実施形態の効果を奏するとともに、噴孔の加工を比較的容易に行うことができる。
また、燃料噴射弁3では、噴射部301は、式(1)の関係が満たされるよう表面粗さが異なっている噴孔内壁を有する。これにより、不完全燃焼生成物が堆積しやすい外側開口側の噴孔内壁の表面粗さを確実に2μm以上とすることによって不完全燃焼生成物が堆積しても噴孔の噴射特性の変化を抑制することができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、噴孔の内側開口を形成する外側角部の断面形状の曲率半径をみる際、ノズルボディの中心軸を含む平面であってかつ当該噴孔の噴孔軸を含む仮想平面上の断面形状をみるとした。しかしながら、仮想平面の定義はこれに限定されない。ノズルボディの中心軸に平行な平面であってかつ当該噴孔の噴孔軸を含む仮想平面であってもよい。
上述の実施形態では、噴孔の内側開口を形成する外側角部の断面形状の曲率半径をみる際、ノズルボディの中心軸を含む平面であってかつ当該噴孔の噴孔軸を含む仮想平面上の断面形状をみるとした。しかしながら、仮想平面の定義はこれに限定されない。ノズルボディの中心軸に平行な平面であってかつ当該噴孔の噴孔軸を含む仮想平面であってもよい。
上述の実施形態では、外側角部は、外壁の表面粗さが1μm以下であるとした。しかしながら、外壁の表面粗さはこれに限定されない。
第一、二実施形態では、外側角部は、外壁が仮想平面上の外側角部の断面線を含み噴孔軸からみて90度以上の広がり角を有するよう形成されるとした。しかしながら、外側角部の広がり角はこれに限定されない。
第一、二実施形態では、噴孔内側内壁は、仮想平面上の当該噴孔内側内壁の断面線を含み噴孔軸からみて180度以上の広がり角を有するよう形成されるとした。しかしながら、噴孔内側内壁の広がり角はこれに限定されない。
第三実施形態では、距離L1と距離L2とは、L1/L2≧1/2の関係を満たすとした。しかしながら、この関係を満たしていなくてもよい。
上述の実施形態では、燃料噴射弁は複数の噴孔を有するとした。しかしながら、噴孔の数はこれに限定されない。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1、2、3 ・・・燃料噴射弁
31、32、33、34、35、36・・・噴孔
310、320、330、340、350、360・・・噴孔通路
311、321、331、341、351、361・・・内側開口
312、322、332、342、352、362・・・外側開口
363 ・・・外側角部
367、567、568・・・噴孔内側内壁
CA30 ・・・中心軸
HC31、HC32、HC33、HC34、HC35、HC36・・・噴孔軸
31、32、33、34、35、36・・・噴孔
310、320、330、340、350、360・・・噴孔通路
311、321、331、341、351、361・・・内側開口
312、322、332、342、352、362・・・外側開口
363 ・・・外側角部
367、567、568・・・噴孔内側内壁
CA30 ・・・中心軸
HC31、HC32、HC33、HC34、HC35、HC36・・・噴孔軸
Claims (9)
- 噴孔(31、32、33、34、35、36)、及び、前記噴孔の内側開口(311、321、331、341、351、361)の周囲に形成される弁座(305)を有するノズルボディ(20)と、
前記ノズルボディ内に往復移動可能に設けられ、前記弁座に当接すると前記噴孔を閉じ、前記弁座から離間すると前記噴孔を開くニードル(40)と、
前記ニードルを往復移動可能な駆動部(24、26、38、44、47)と、
を備え、
前記噴孔は、前記内側開口の断面積が前記噴孔の外側開口(312、322、332、342、352、362)の断面積に比べ小さくなるよう形成され、
前記内側開口を形成する前記ノズルボディの角部のうち前記ノズルボディの中心軸(CA30)からみて径方向外側に位置する外側角部(363)は、前記内側開口の中心(C361)と前記外側開口の中心(C362)とを通る噴孔軸(HC36)を含む平面であってかつ前記中心軸に平行または前記中心軸を含む仮想平面上の断面形状の曲率半径が1μm以下であり、かつ、前記内側開口と前記外側開口とを連通する噴孔通路(310、320、330、340、350、360)を形成する前記ノズルボディの噴孔内壁のうち前記中心軸からみて径方向内側に位置する噴孔内側内壁(367、567、568)は、表面粗さが2μm以上である燃料噴射弁。 - 前記外側角部の外壁(364)は、表面粗さが1μm以下である請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記外側角部は、外壁が前記仮想平面上の前記外側角部の断面線(L364)を含み前記噴孔軸からみて90度以上の広がり角(α、ε)を有するよう形成される請求項2に記載の燃料噴射弁。
- 前記噴孔内側内壁は、前記仮想平面上の当該噴孔内側内壁の断面線(L367、L568)を含み前記噴孔軸からみて180度以上の広がり角(γ)を有するよう形成される請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記ノズルボディの噴孔内壁のうち前記中心軸からみて径方向外側に位置する噴孔外側内壁(465)は、前記内側開口から前記外側開口にわたって表面粗さが1μm以下である請求項2〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記噴孔外側内壁は、前記仮想平面上の前記噴孔外側内壁の断面線(L465)を含み前記噴孔軸からみて90度以上の広がり角(δ)を有するよう形成される請求項5に記載の燃料噴射弁。
- 前記内側開口の内周に沿うよう設けられている前記噴孔内壁(364、565、567)の全ては、表面粗さが1μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記外側開口の内周に沿うよう設けられている前記噴孔内壁(566、568)の全ては、表面粗さが2μm以上である請求項1、2、3、4、6、7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 全ての表面粗さが2μm以上の前記外側開口側の前記噴孔内壁は、前記噴孔軸方向の長さ(L1)が前記噴孔の前記噴孔軸方向の長さ(L2)の1/2より長い請求項8に記載の燃料噴射弁。
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