JP6160562B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関(以下、「エンジン」という)に燃料を噴射供給する燃料噴射弁に関する。
従来、ハウジングに形成される噴孔を開閉しハウジングの内部の燃料を噴射する燃料噴射弁が知られている。例えば、特許文献1には、噴孔を開閉するニードル、磁気吸引力によって開弁方向に移動する可動コアなどを備える燃料噴射弁が記載されている。
特開2010−261396号公報
特許文献1に記載の燃料噴射弁では、ニードルと可動コアとは別部材から形成されている。燃料を噴射するとき、磁気吸引力によって可動コアとニードルとが開弁方向に移動すると、可動コアが固定コアに当接する。このとき、ニードルは慣性によってさらに開弁方向に移動する。このため、慣性によってニードルが開弁方向に移動した距離だけニードルのリフト量が増加し、噴射される燃料の量も増加する。また、燃料の噴射を終了するとき、ニードルを閉弁方向に付勢するスプリングの付勢力によって可動コアとニードルとが閉弁方向に移動すると、ニードルが弁座に当接する。このとき、可動コアは慣性によってさらに閉弁方向に移動する。このため、可動コアが閉弁方向に移動し過ぎると可動コアを開弁方向に付勢するスプリングが通常の状態より圧縮されるため、閉弁方向に移動したのち再び開弁方向に移動する可動コアがニードルに衝突するとニードルが弁座から離間し、燃料が再び噴射されるおそれがある。このように、特許文献1に記載の燃料噴射弁では、所定の量より多い燃料を噴射するおそれがある。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料の噴射量を高精度に制御する燃料噴射弁を提供することにある。
本発明は、燃料噴射弁であって、噴孔及び弁座を有するハウジング、固定コア、ニードル、可動コア、コイル、第一付勢部材、第二付勢部材、及び、ダンパ室形成部材を備える。ニードルは、弁座から離間または弁座に当接すると噴孔を開閉する。第一付勢部材は、ニードルを閉弁方向に付勢する。第二付勢部材は、可動コアを開弁方向に付勢する。ダンパ室形成部材は、可動コアの噴孔側に設けられる。
本発明の燃料噴射弁は、ダンパ室形成部材がハウジングに対する可動コアの相対移動に応じて燃料が流入または流出するダンパ室をハウジングと形成しつつ、ニードルの中心軸方向の往復移動及び第二付勢部材の中心軸方向の伸縮を案内することを特徴とする。
本発明の燃料噴射弁では、燃料が流入または流出するダンパ室を有している。燃料を噴射するとき、磁気吸引力によって開弁方向に移動する可動コア及び可動コアとともに開弁方向に移動するニードルの開弁方向への移動速度は、ダンパ室に流入する燃料によって遅くなる。また、燃料の噴射を終了するとき、第一付勢部の付勢力によって閉弁方向に移動するニードル及びニードルとともに閉弁方向に移動する可動コアの移動速度は、ダンパ室から流出する燃料によって遅くなる。
このように、本発明の燃料噴射弁では、噴孔の開閉時に一体となって移動する可動コア及びニードルの移動速度を遅くし、可動コア及びニードルのいずれか一方がいずれか他方から離れ過ぎることを防止する。これにより、燃料の噴射開始後にニードルのリフト量が所定のリフト量より大きくなること、及び、燃料の噴射終了後に可動コアが再びニードルを開弁方向に移動させることを防止する。したがって、意図しない噴孔の開閉を防止することができ、燃料の噴射量を高精度に制御することができる。
また、本発明の燃料噴射弁では、ダンパ室を形成するダンパ室形成部材は、可動コアの噴孔側に設けられている。ダンパ室形成部材は、弁座まで延びるよう形成されるニードルの往復移動及び可動コアを開弁方向に付勢する第二付勢部材の伸縮を案内するよう設けられている。これにより、可動コア及びニードルは、ハウジングの内部を精度よく往復移動することができる。したがって、燃料の噴射量をさらに高精度に制御することができる。
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁の断面図である。 図1のII部拡大図である。 本発明の第二実施形態による燃料噴射弁の要部断面図である。 本発明の第三実施形態による燃料噴射弁の要部断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁1を図1、2に示す。なお、図1、2には、ニードル40が弁座304から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座304に当接する方向である閉弁方向を図示する。
燃料噴射弁1は、例えば図示しない直噴式ガソリンエンジンの燃料噴射装置に用いられ、燃料としてのガソリンをエンジンに噴射供給する。燃料噴射弁1は、ハウジング20、ニードル40、可動コア45、固定コア33、コイル35、「第一付勢部材」としてスプリング24、「第二付勢部材」としてのスプリング26、ダンパ室形成部材50などを備える。
ハウジング20は、図1に示すように、第一ハウジング部材21、第二ハウジング部材22、第三ハウジング部材23、及び、噴射ノズル30から構成されている。第一ハウジング部材21、第二ハウジング部材22及び第三ハウジング部材23は、いずれも略円筒状に形成され、第一ハウジング部材21、第二ハウジング部材22、第三ハウジング部材23の順に同軸となるよう配置され、互いに接続している。
第一ハウジング部材21及び第三ハウジング部材23は、磁気安定化処理が施されている。第一ハウジング部材21及び第三ハウジング部材23は、硬度が比較的低い。一方、第二ハウジング部材22の硬度は、第一ハウジング部材21及び第三ハウジング部材23の硬度よりも高い。
第一ハウジング部材21の第二ハウジング部材22と接続する側の端部は、図2に示すように、後述する噴射ノズル30が接続する側の端部に比べ外径が大きくなるよう形成されている。当該端部には、異なる内径を有する略円柱状の空間が複数形成されている。これら複数の空間として、第二ハウジング部材22に接続する側から順に、「大径空間」としての大内径空間211、大内径空間211の内径より内径が小さい「中径空間」としての中内径空間212、中内径空間212の内径より内径が小さい「小径空間」としての小内径空間213が形成されている。このうち、大内径空間211と中内径空間212とは連通している。また、中内径空間212と小内径空間213とは連通している。大内径空間211には、可動コア45が摺動可能に収容されている。中内径空間212には、後述するスプリング26の端部が収容されている。小内径空間213には、噴射ノズル30が接続する端部まで形成されており、ニードル40の一部が挿通されている。
噴射ノズル30は、第一ハウジング部材21の第二ハウジング部材22と接続する側とは反対側の端部に設けられている。噴射ノズル30は、第一ハウジング部材21の一方の端部に溶接されている。噴射ノズル30は、所定の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。噴射ノズル30は、噴射部301及び筒部302から形成されている。
噴射部301は、ハウジング20の中心軸CA0を対称軸として線対称に形成されている。噴射部301には、ハウジング20の内部と外部とを連通する噴孔31が複数形成されている。噴孔31のハウジング20の内部側の開口である内側開口の縁には環状の弁座304が形成されている。
筒部302は、噴射部301の径方向外側に接続し、噴射部301の外壁303が突出する方向とは反対側に延びるように設けられている。筒部302は、噴射部301と接続する側とは反対側の端部が第一ハウジング部材21に接続している。
ニードル40は、噴射ノズル30の硬度とほぼ同等になるよう焼入れ処理が施されている金属から形成されている。ニードル40は、ハウジング20の内部に往復移動可能に収容されている。ニードル40は、本体部41、ニードル規制部42などから形成されている。ニードル40では、本体部41及びニードル規制部42は、一体に形成されている。
本体部41は、中心軸CA0方向に延びるよう棒状に形成されている。本体部41は、「一端」としての噴孔31側の端部にシール部411及び摺接部412を有する。
シール部411は、弁座304に当接可能なよう設けられている。ニードル40では、シール部411が弁座304から離間または弁座304に当接することにより噴孔31を開閉し、ハウジング20の内部と外部とを連通または遮断する。
摺接部412は、シール部411の噴孔31側とは反対側に設けられている。摺接部412は、略円筒状に形成され、外壁の一部が面取りされている。摺接部412は、外壁の面取りされていない部分が噴射ノズル30の内壁と摺接可能である。これにより、ニードル40は、弁座304側の先端部での往復移動が案内される。
ニードル規制部42は、本体部41の噴孔31側とは反対側の端部の径方向外側に設けられる略円板状の部位である。ニードル規制部42は、外径が本体部41の外径及び可動コア45の中央貫通孔451の内径より大きくなるよう形成されている。ニードル規制部42の噴孔31側の端面421は、可動コア45の固定コア33側の端面453と当接可能である。
可動コア45は、略円筒状に形成され、磁気安定化処理が施されている。可動コア45の硬度は比較的低く、第一ハウジング部材21及び第三ハウジング部材23の硬度と概ね同等である。可動コア45は、貫通孔形成部46及び径方向外側部47から形成される。
貫通孔形成部46は、可動コア45の軸方向において中央に設けられる。貫通孔形成部46は、中央貫通孔451を形成する。中央貫通孔451は、可動コア45の略中央に形成され、本体部41が挿通されている。
径方向外側部47は、貫通孔形成部46の径方向外側に位置する略円筒状の部位である。径方向外側部47の軸方向の長さは、貫通孔形成部46の軸方向の長さに比べて長い。径方向外側部47は、中央貫通孔451の径方向外側に形成されるコア燃料通路452を有する。コア燃料通路452は、可動コア45の固定コア33側と噴孔31側とを連通する。
固定コア33は、略円筒状に形成され、磁気安定化処理が施されている。固定コア33の表面には、例えば、クロムめっきが施されて可動コア45のストッパとして必要な硬度を確保している。固定コア33は、ハウジング20の第三ハウジング部材23と溶接され、第三ハウジング部材23の内部に固定されるよう設けられている。
コイル35は、略円筒状に形成され、主に第二ハウジング部材22及び第三ハウジング部材23の径方向外側を囲むよう設けられている。コイル35は、電力が供給されるとコイル35の周囲に磁界を形成する。
スプリング24は、一端がニードル規制部42の噴孔31側とは反対側の端面422に当接するよう設けられている。スプリング24の他端は、固定コア33の内側に圧入固定されたアジャスティングパイプ11の一方の端面に当接している。スプリング24は、中心軸CA0方向に伸びる力を有している。これにより、スプリング24は、ニードル40を噴孔31の方向、すなわち、閉弁方向に付勢している。
スプリング26は、本体部41の径方向外側に設けられている。スプリング26の一端は、第一ハウジング部材21の内壁に形成されている段差面216に当接している。スプリング26の他端は、後述するダンパ室形成部材50に当接している。スプリング26は、軸方向に伸びる力を有している。これにより、スプリング26は、第一ハウジング部材21に対してダンパ室形成部材50及びダンパ室形成部材50に当接する可動コア45を噴孔31の方向とは反対の方向、すなわち、開弁方向に付勢している。
本実施形態では、スプリング24の付勢力は、スプリング26の付勢力よりも大きく設定されている。これにより、コイル35に電力が供給されていない状態では、スプリング24とスプリング26との付勢力の差、及び、第一ハウジング部材21の内部の燃料の圧力によってニードル40のシール部411は、弁座304に当接した状態、すなわち、噴孔31は閉じられた状態となる。
ダンパ室形成部材50は、可動コア45の噴孔31側に設けられる。ダンパ室形成部材50は、スプリング26の付勢力によって貫通孔形成部46の噴孔31側の端面461に押し付けられている。これにより、ダンパ室形成部材50は、可動コア45とともに第一ハウジング部材21の内部を往復移動する。
ダンパ室形成部材50は、略有底筒状に形成され、中央に軸方向に貫通する貫通孔501を有する。貫通孔501には、本体部41が挿通されている。ダンパ室形成部材50は、当接部51、「内側案内部」としての内側筒部52、「外側案内部」としての外側筒部53から形成されている。
当接部51は、中心軸CA0に対して略垂直に設けられる環状の部位である。当接部51の固定コア33側の端面511は、貫通孔形成部46の噴孔31側の端面461に当接している。当接部51の噴孔31側の端面512は、スプリング26の他端が当接している。当接部51の中心には、貫通孔501に連通し、本体部41が挿通される開口502が形成されている。
内側筒部52は、当接部51の径方向内側の端部から噴孔31の方向に延びるよう設けられる筒状の部位である。内側筒部52は、本体部41の径方向外側の外壁に沿うよう形成され、貫通孔501を形成する。内側筒部52の当接部51と接続する側とは反対側、すなわち、噴孔31側の端部521は、第一ハウジング部材21の小内径空間213を形成する「小径内壁」としての小内径内壁214に摺動可能に設けられている。ニードル40が弁座304に当接するとき及び可動コア45が固定コア33に当接するとき、端部521の径方向外側の外壁522は、小内径内壁214に当接している。
外側筒部53は、当接部51の径方向外側の端部から噴孔31の方向に延びるよう設けられる筒状の部位である。外側筒部53は、当接部51と接続する側とは反対側、すなわち、噴孔31側の端部531は、第一ハウジング部材21の中内径空間212を形成する「中径内壁」としての中内径内壁215に摺動可能に設けられている。ニードル40が弁座304に当接するとき及び可動コア45が固定コア33に当接するとき、端部531の径方向外側の外壁532は、中内径内壁215に当接している。
ダンパ室形成部材50は、第一ハウジング部材21の内壁とともに燃料が流入または流出するダンパ室500を形成する。具体的には、ダンパ室500は、当接部51の端面512、内側筒部52の外壁522、外側筒部53の径方向内側の内壁533、中内径内壁215、及び、中内径内壁215と小内径内壁214を接続しスプリング26の他端が当接する段差面216に囲まれる空間である。ダンパ室500は、可動コア45の中心軸CA0方向の往復移動によってその体積が変化する。このとき、ハウジング20の内部を流れる燃料の一部が端部521の外壁522と小内径内壁214との間の隙間や端部531の外壁532と中内径内壁215との間の隙間を介してダンパ室500に流入または流出する。ダンパ室500にはスプリング26が収容される。
第三ハウジング部材23の第二ハウジング部材22とは反対側の端部には、略円筒状の燃料導入パイプ12が設けられている。燃料導入パイプ12の内部には、フィルタ13が設けられている。フィルタ13は、燃料導入パイプ12の導入口14から燃料導入パイプ12の内部に流入する燃料に含まれる異物を捕集する。
燃料導入パイプ12及び第三ハウジング部材23の径方向外側は、樹脂によりモールドされている。当該モールド部分にはコネクタ15が形成されている。コネクタ15には、コイル35へ電力を供給するための端子16がインサート成形されている。また、コイル35の径方向外側には、コイル35を覆うよう筒状のホルダ17が設けられている。
次に、燃料噴射弁1の作用について図2を参照して説明する。
コイル35に電力が供給されていないとき、燃料噴射弁1では、シール部411が弁座304に当接している。これにより、噴孔31は閉じられている。
コイル35に電力が供給されるとコイル35の周囲に磁界が発生し、固定コア33、可動コア45、第一ハウジング部材21、第三ハウジング部材23、及び、ホルダ17の内部に磁気回路が形成される。これにより、固定コア33と可動コア45との間に磁気吸引力が発生する。
固定コア33と可動コア45との間に発生する磁気吸引力がスプリング26の付勢力より大きくなると、可動コア45は開弁方向に移動する。可動コア45に当接しているニードル40には、可動コア45と固定コア33との間の磁気吸引力とスプリング26の付勢力との合計が開弁方向に作用する。一方、シール部411が弁座304に当接しているときのニードル40には、シール部411と弁座304とが当接している部位の径内方向側の面積と第一ハウジング部材21の内部の燃料の圧力との積に相当する力(以下、「燃圧力」という)とスプリング24の付勢力が閉弁方向に作用している。磁気吸引力とスプリング26の付勢力との合計が燃圧力とスプリング24の付勢力との合計より大きいと、ニードル40は開弁方向に移動し、シール部411が弁座304から離間する。これにより、第一ハウジング部材21の内部に滞留していた比較的高圧の燃料が噴孔31からエンジンが有する燃焼室に噴射供給される。
このとき、ダンパ室形成部材50は可動コア45とともに開弁方向に移動するため、ダンパ室500の体積が増加する。ダンパ室500の体積が増加すると燃料がダンパ室500に流入し、可動コア45には閉弁方向の抵抗力が作用する。これにより、可動コア45及びニードル40の開弁方向への移動速度は、ダンパ室を有していない場合に比べ遅い。
ニードル40とともに開弁方向に移動する可動コア45が固定コア33の噴孔31側の端面331に当接した後、ニードル40は慣性によって開弁方向にさらに移動し続ける。しかしながら、体積が増加するダンパ室500への燃料の流入によって可動コア45及びニードル40の開弁方向への移動速度は遅いため、可動コア45が固定コア33に当接した後のニードル40の開弁方向への移動距離はダンパ室を有していない場合に比べ短くなる。
所望の燃料の量を燃焼室に噴射供給した後、コイル35への電力の供給を停止すると、コイル35の周囲の磁界が消滅する。コイル35の周囲に磁界が消滅すると、固定コア33と可動コア45との間の磁気吸引力がなくなり、ニードル40はスプリング24の付勢力によって可動コア45とともに閉弁方向に移動する。シール部411が弁座304に当接すると、燃料の噴射は終了する。
このとき、ダンパ室形成部材50は可動コア45とともに閉弁方向に移動するため、ダンパ室500の体積が減少する。ダンパ室500の体積が減少すると燃料がダンパ室500から流出し、可動コア45には開弁方向の抵抗力が作用する。これにより、可動コア45及びニードル40の閉弁方向への移動速度は、ダンパ室を有していない場合に比べ遅い。
可動コア45とともに閉弁方向に移動するニードル40が弁座304に当接した後、可動コア45は慣性によって閉弁方向にさらに移動し続ける。しかしながら、体積が減少するダンパ室500からの燃料の流出によって可動コア45の閉弁方向への移動速度は遅いため、ニードル40が弁座304に当接した後の可動コア45の閉弁方向への移動距離はダンパ室を有していない場合に比べ短くなる。
ニードルと可動コアとが別部材によって構成されている燃料噴射弁において燃料を噴射するとき、可動コアとニードルとは当接したまま開弁方向に移動する。可動コアが固定コアに当接すると、可動コアは開弁方向への移動を停止するが、ニードルは慣性によってさらに開弁方向に移動する。このため、ニードルのリフト量が所定のリフト量より大きくなり、燃料の噴射量が所定の噴射量より大きくなるおそれがある。
また、燃料の噴射を停止するとき、可動コアとニードルとは当接したまま閉弁方向に移動する。ニードルが弁座に当接すると、ニードルの閉弁方向への移動は停止するが、可動コアは慣性によってさらに閉弁方向に移動する。このため、可動コアを開弁方向に付勢しているスプリングは、ニードルと可動コアとが当接しつつ噴孔を閉じている閉弁時の定常状態に比べ圧縮されるため、当該スプリングの開弁方向への付勢力が閉弁時の定常状態に比べ大きくなる。当該スプリングの開弁方向への付勢力が定常状態に比べ大きくなると、閉弁方向に移動した後再び開弁方向に移動する可動コアが衝突するニードルが弁座から離間するおそれがある。このため、燃料の噴射量が所定の噴射量より大きくなるおそれがある。
このように、ニードルと可動コアとが別部材によって構成されている燃料噴射弁では、噴孔を開くとき及び噴孔を閉じるときに意図しない燃料噴射が行われるおそれがある。
第一実施形態による燃料噴射弁1は、可動コア45の噴孔31側にダンパ室形成部材50と第一ハウジング部材21とが形成するダンパ室500を有する。ダンパ室500は、ハウジング20の内部を流れる燃料の一部がダンパ室500の体積の変化に応じて流入または流出するよう形成されている。可動コア45及びニードル40の中心軸CA0方向の移動によってダンパ室500の体積が増加または減少すると、燃料が流入または流出する。これにより、燃料の噴射を開始するとき、ニードル40の開弁方向への移動速度を比較的遅くし、可動コア45が固定コア33に当接した後のニードル40の開弁方向への慣性を小さくする。また、燃料の噴射を終了するとき、可動コア45の閉弁方向への移動速度を比較的遅くし、ニードル40が弁座304に当接した後の可動コア45の閉弁方向への慣性を小さくする。
このように、第一実施形態による燃料噴射弁1では、可動コア45及びニードル40の開弁方向及び閉弁方向の移動速度をダンパ室500によって遅くし、可動コア45及びニードル40のいずれか一方がいずれか他方から離れることを防止する。これにより、燃料の噴射開始後にニードル40のリフト量が所定のリフト量より大きくなること、及び、燃料の噴射終了後に可動コア45が再びニードル40を開弁方向に移動させることを防止する。したがって、意図しない噴孔の開閉を防止することができ、燃料の噴射量を高精度に制御することができる。
また、第一実施形態による燃料噴射弁1では、ダンパ室形成部材50は、可動コア45の噴孔31側に設けられている。可動コア45の噴孔31側には、弁座304まで延びるニードル40の本体部41やスプリング26が設けられている。ダンパ室形成部材50が有する内側筒部52は、本体部41やスプリング26に沿って設けられ、ニードル40の往復移動及びスプリング26の伸縮を案内する。これにより、可動コア45及びニードル40は、ハウジング20の内部を精度よく往復移動することができる。したがって、燃料の噴射量をさらに高精度に制御することができる。
また、ダンパ室形成部材50がニードル40の往復移動及びスプリング26の伸縮を案内するため、これらを案内する別異の部材が不要となる。これにより、燃料噴射弁1を構成する部品点数を低減することができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による燃料噴射弁を図3に基づいて説明する。第二実施形態は、ダンパ室形成部材の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図3には、ニードル40が弁座304から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座304に当接する方向である閉弁方向を図示する。
第二実施形態による燃料噴射弁2では、ダンパ室形成部材60は、外径が第一実施形態に比べ大きくなるよう形成されている。ダンパ室形成部材60は、可動コア45ともにハウジング20の内部を往復移動可能に設けられている。ダンパ室形成部材60は、中央に軸方向に貫通する貫通孔601を有する。ダンパ室形成部材60は、当接部61、「内側案内部」としての内側筒部62、「外側案内部」としての外側筒部63から形成されている。
当接部61は、中心軸CA0に対して略垂直に設けられる環状の部位である。当接部61の固定コア33側の端面611は、可動コア65の噴孔31側の端面652に当接している。当接部61の噴孔31側の端面612は、スプリング26の他端が当接している。当接部61の中央には、貫通孔601と連通する開口602が形成されている。貫通孔601及び開口602には、可動コア65が有する中央貫通孔651に挿通される本体部41が挿通されている。
内側筒部62は、当接部61が有する開口602を形成する縁部から噴孔31の方向に延びるよう設けられる筒状の部位である。内側筒部62は、本体部41の径方向外側の外壁に沿うよう形成されている。内側筒部62の噴孔31側の端部621は、小内径空間213を形成する小内径内壁214に摺動可能に設けられている。ニードル40が弁座304に当接するとき及び可動コア65が固定コア33に当接するとき、端部621の径方向外側の外壁622は、小内径内壁214に当接している。
外側筒部63は、当接部61の径方向外側の端部から噴孔31の方向に延びるよう設けられる筒状の部位である。外側筒部63は、第一ハウジング部材21の大内径空間211を形成する「大径内壁」としての大内径内壁217に摺動可能に設けられている。ニードル40が弁座304に当接するとき及び可動コア45が固定コア33に当接するとき、外側筒部63の径方向外側の外壁632は、大内径内壁217に当接している。
第二実施形態による燃料噴射弁2では、ダンパ室600をダンパ室形成部材60及び第一ハウジング部材21によって形成する。ダンパ室600には、可動コア45の中心軸CA0方向の往復移動に応じて燃料が流入または流出する。これにより、第二実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、燃料噴射弁2が有するダンパ室600の体積は、第一実施形態に比べ大きい。これにより、可動コア65及びニードル40の往復移動におけるダンパ効果が大きくなり、可動コア45及びニードル40は、第一実施形態に比べ移動速度が遅くなる。したがって、燃料の噴射開始後のニードル40の開弁方向への移動距離、及び、燃料の噴射終了後の可動コア45の閉弁方向への移動距離をさらに短くすることができ、燃料の噴射量をさらに高精度に制御することができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態による燃料噴射弁を図4に基づいて説明する。第三実施形態は、ダンパ室形成部材の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図4には、ニードル40が弁座304から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座304に当接する方向である閉弁方向を図示する。
第三実施形態による燃料噴射弁3では、ダンパ室形成部材70は、当接部71、内側筒部52、外側筒部53から形成されている。ダンパ室形成部材70は、可動コア45とともにハウジング20の内部を往復移動可能に設けられている。ダンパ室形成部材70は、第一ハウジング部材21とともに燃料が流入または流出するダンパ室700を形成する。
当接部71は、突起74を有している。突起74は、当接部71の固定コア33側の端面711上に形成され、貫通孔形成部46の端面461に当接している。
第三実施形態による燃料噴射弁3では、突起74によって端面711と端面461との間に隙間740を形成する。これにより、貫通孔形成部46が有する中央貫通孔451を流れる燃料が隙間740を通って第一ハウジング部材21の内部に流入しやすくなる。したがって、第三実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、ハウジング20の内部において、燃料を導入口14から噴孔31まで確実に供給することができる。
(他の実施形態)
(ア)上述の実施形態では、ダンパ室形成部材は、当接部、内側筒部、外側筒部から形成されるとした。しかしながら、ダンパ室形成部材の構成はこれに限定されない。可動コアに対して相対移動不能に設けられ、ハウジングの内壁とともにダンパ室を形成し、ニードルの往復移動及びダンパ室形成部材を開弁方向に付勢するスプリングの伸縮を案内するよう形成されればよい。
(イ)第2実施形態による燃料噴射弁が有するダンパ室形成部材が、可動コアの噴孔側の端面と当接する突起を有してもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1、2 ・・・燃料噴射弁、
20 ・・・ハウジング、
24 ・・・スプリング(第一付勢部材)、
26 ・・・スプリング(第二付勢部材)、
31 ・・・噴孔、
304 ・・・弁座、
33 ・・・固定コア、
35 ・・・コイル、
40 ・・・ニードル、
45、65 ・・・可動コア、
50、60、70・・・ダンパ室形成部材、
50、600、700・・・ダンパ室。

Claims (3)

  1. 中心軸(CA0)方向の一端に形成され燃料が噴射される噴孔(31)、及び、前記噴孔の周囲に形成される弁座(304)を有する筒状のハウジング(20)と、
    前記ハウジングの内部に固定される固定コア(33)と、
    前記固定コアの前記噴孔側に往復移動可能に設けられ、棒状の本体部(41)、及び、前記本体部の前記噴孔側とは反対側に形成され前記本体部より外径が大きいニードル規制部(42)を有し、前記弁座から離間または前記弁座に当接すると前記噴孔を開閉するニードル(40)と、
    前記ニードルの径方向外側に前記ニードルに対し相対移動可能に設けられ、前記噴孔側とは反対側の端面(453)が前記ニードル規制部の前記噴孔側の端面(421)と当接可能に形成される可動コア(45、65)と、
    通電により前記可動コアと前記固定コアとの間に前記可動コアを開弁方向に吸引する磁気吸引力を発生させるコイル(35)と、
    前記ニードルを閉弁方向に付勢する第一付勢部材(24)と、
    前記可動コアを開弁方向に付勢する第二付勢部材(26)と、
    前記可動コアの前記噴孔側に前記可動コアに対し相対移動不能に設けられ、前記ハウジングに対する前記可動コアの相対移動に応じて燃料が流入または流出するダンパ室(500、600、700)を前記ハウジングと形成するダンパ室形成部材(50、60、70)と、
    を備え、
    前記ダンパ室形成部材は、前記ニードルの中心軸方向の往復移動及び前記第二付勢部材の中心軸方向の伸縮を案内することを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記ダンパ室形成部材は、
    前記可動コアの前記噴孔側の端面(461、652)に当接する当接部(51、61、71)と、
    前記当接部の径方向内側の端部から前記噴孔の方向に延びるよう形成され、前記本体部が挿入される前記ハウジングの小径空間(213)を形成する小径内壁(214)に摺動するよう設けられ、前記ニードルの中心軸方向の往復移動及び前記第二付勢部材の中心軸方向の伸縮を案内する内側案内部(52、62)と、
    前記当接部の径方向外側の端部から前記噴孔の方向に延びるよう形成され、前記第二付勢部材の他端が収容される前記ハウジングの中径空間(212)を形成する中径内壁(215)または前記可動コアが収容される前記ハウジングの大径空間(211)を形成する大径内壁(217)に摺動するよう設けられる外側案内部(53、63)と、
    から形成されることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記当接部は、前記可動コアの前記噴孔側の端面に当接する突起(74)を有することを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁。
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