JP6453674B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
ハウジングは、燃料を噴射する内側噴孔、内側噴孔の径方向外側に形成され燃料を噴射する外側噴孔、内壁のうち内側噴孔と外側噴孔との間に環状に形成される中間シート面、及び、内壁のうち外側噴孔の径方向外側に環状に形成される外側シート面を有する
インナニードルは、可動コアと一体に往復移動可能に設けられ、内側噴孔側の端部にインナ当接面を有する。
アウタニードルは、インナニードルに対し相対的に往復移動可能なようインナニードルの内側噴孔側の端部の径方向外側に設けられ、インナニードルの内側噴孔側の端部が挿入される挿入孔、内側噴孔と挿入孔とを連通する連通孔、内壁のうち連通孔の径方向外側に環状に形成されインナ当接面が当接可能な内側シート面、及び、外壁のうち連通孔の径方向外側に環状に形成され外側シート面に当接可能なアウタ当接面を有する。
中間部材は、連通孔の内壁に摺動しつつ往復移動可能なよう設けられ、内側噴孔が噴射する燃料が流れる内側噴孔用燃料通路、及び、内側噴孔側の端面のうち内側噴孔用燃料通路の径方向外側に環状に形成され中間シート面に当接可能な端面を有する。
第一付勢部材は、インナニードルを内側噴孔側に付勢する。
このように、本発明の燃料噴射弁では、中間シート面に当接可能な中間部材の変形を防止し、内側噴孔と外側噴孔との液密を確実に維持することができる。これにより、内側噴孔及び外側噴孔から噴射される燃料の噴射量を高精度に制御することができる。
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁1を図1〜6に示す。なお、図1〜3、5、6には、アウタニードル50が噴射部251から離間する方向である開弁方向、及び、アウタニードル50が噴射部251に当接する方向である閉弁方向を図示する。
インナ本体部42の中央噴孔26側の端部は、後述するアウタニードル50の挿入孔501に挿入されている。インナ本体部42の挿入孔501に挿入されている端部の径方向外側には、アウタニードル50と係合可能な係合部材421が設けられている。
燃料噴射弁1では、インナシール部44の外壁とアウタニードル50の内壁と筒状部材60の内壁とによって中央噴孔26に連通するインナサック260が形成される(図3参照)。
アウタ摺接部52は、アウタ摺接部52の径方向に挿入孔502とアウタニードル50の外側とを連通するアウタ流路522が形成されている。アウタ流路522は、内部空間250と挿入孔502とを連通する。
燃料噴射弁1では、アウタシール部53の外壁と噴射ノズル25の内壁とによって外側噴孔27に連通するアウタサック270が形成される(図3参照)。
貫通孔601の内側開口側の縁部が有する受圧面602は、図3に示すように、中央噴孔26に近づくにつれて筒状部材60の径方向外側から径方向内側に向かうよう傾斜している。
筒状部材60は、貫通孔601の中央噴孔26側の縁部に「中間シート面に当接可能な端面」としての端面603を有する。端面603は、貫通孔601の径方向外側に環状に形成され、中央噴孔26の内側開口と外側噴孔27の内側開口との間に環状に形成される噴射部251の中間シート面255に当接可能なよう形成されている。
コイル37に電力が供給されていないとき、インナニードル40、アウタニードル50及び筒状部材60は、図2に示す位置関係となっている。具体的には、アウタシール部53のアウタ当接面531と噴射部251の外側シート面271とは当接している。これにより、噴射ノズル25の内部空間250とアウタサック270及び外側噴孔27とは遮断される。内部空間250及び挿入孔501、502の燃料の圧力をPf0、アウタ当接面531と外側シート面271とのシート径をシート径S27(図3参照)とすると、アウタニードル50に作用する力の大きさは以下の式(1)で表わされる。
(Fsp1−Fsp2)+Pf0×{π/4×(S27)2}・・・(1)
(Fsp1−Fsp2)+Pf0×{π/4×(S26)2}・・・(2)
コイル37に電力が供給されていないとき、図2に示すように、インナ当接面441と内側シート面532とは当接しているが、インナシール部44と筒状部材60との間には隙間が形成されているため、筒状部材60にはスプリング31の付勢力Fsp1は作用していない。
このように、燃料噴射弁1では、一つのコイル37への電力の供給によってインナニードル40及びアウタニードル50を駆動し、中央噴孔26及び外側噴孔27のそれぞれを別々に開閉することができる。したがって、燃料噴射弁1は、中央噴孔26のみを使用した比較的少量の燃料噴射から中央噴孔26及び外側噴孔27を使用した比較的多量の燃料噴射まで広範囲の噴射量をカバーする燃料噴射を行うことができる。
加えて、燃料噴射弁1では、筒状部材60は、挿入孔502の燃料の圧力によって中間シート面255に押し付けられる。これにより、筒状部材60は、中央噴孔26に連通するインナサック260と外側噴孔27に連通するアウタサック270とを確実に遮断し、例えば、中央噴孔26のみから燃料を噴射しているとき、インナサック260の燃料がアウタサック270を通って外側噴孔27から燃料噴射弁1の外側に噴射されることを防止 する。
このように、燃料噴射弁1では、筒状部材60の変形を防止するとともにインナサック260とアウタサック270との液密を確実に維持し、中央噴孔26及び外側噴孔27のそれぞれから噴射される燃料の噴射量を高精度に制御することができる。
次に、本発明の第二実施形態による燃料噴射弁を図7に基づいて説明する。第二実施形態は、アウタニードルを付勢するスプリングを備える点が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図7には、アウタニードル50が噴射部251から離間する方向である開弁方向、及び、アウタニードル50が噴射部251に当接する方向である閉弁方向を図示する。
スプリング65は、一端がアウタニードル50の中央噴孔26とは反対側の端面513に当接している。スプリング65の他端は、第一筒部材21の内側において第一筒部材21に固定されている支持部材66の中央噴孔26側の端面661に当接している。スプリング65は、アウタニードル50を中央噴孔26の方向、すなわち、閉弁方向に付勢している。
また、燃料の噴射を終了するとき、アウタニードル50は、スプリング65の付勢力によってインナニードル40とアウタニードル50とが当接する前に噴射ノズル25に当接し、外側噴孔27を閉じることができる。すなわち、燃料噴射弁2では、開弁時及び閉弁時のアウタニードル50の自由な移動を防止し、不意な燃料噴射を防止することができる。したがって、第二実施形態は、第一実施形態の効果(a)〜(e)を奏するとともに、中央噴孔26及び外側噴孔27から噴射される燃料の噴射量をさらに高精度に制御することができる。
次に、本発明の第三実施形態による燃料噴射弁を図8〜14に基づいて説明する。第三実施形態は、筒状部材の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図8〜14には、アウタニードル80が噴射部251から離間する方向である開弁方向、及び、アウタニードル80が噴射部251に当接する方向である閉弁方向を図示する。
インナ第二本体部72は、中央噴孔26側の端部がアウタニードル80に挿入されている。インナ第二本体部72のアウタニードル80に挿入されている端部は、アウタニードル80と係合可能な係合部材721を有する。
第三実施形態では、インナシール部74の外壁とアウタニードル80の内壁と筒状部材90の内壁とによって中央噴孔26に連通するインナサック260が形成される(図10参照)。
アウタ摺接部82は、径方向外側に噴射ノズル25の筒部252の内壁254に摺動可能な突起821が設けられている。これにより、アウタニードル80の往復移動が案内される。
アウタ摺接部82のアウタ係合部81側は、収容空間822を有する。収容空間822の内径は、挿入孔811の内径より大きく、かつ、係合部材721の外径より大きい。収容空間822は、係合部材721を中心軸CA0方向に往復移動可能に収容する。
アウタ摺接部82の中央噴孔26側は、挿入孔823を有する。挿入孔823は、収容空間822と連通している。挿入孔823の内径は、収容空間822の内径より小さい。挿入孔823にはインナ摺接部73及びインナシール部74が挿入されている。挿入孔823を形成するアウタ摺接部82の内は、インナ摺接部73の外壁731と摺接している。
アウタシール部83のアウタ摺接部52側は、挿入孔831を有する。挿入孔831は、内径が挿入孔823と同じ内径であって、挿入孔823と連通している。挿入孔831には、インナシール部74が挿入されている。
アウタシール部83の中央噴孔26側は、連通孔832を有する。連通孔832は、筒状部材90を往復移動可能に収容している。アウタシール部83は、外壁のうち連通孔832の径方向外側に環状に形成されるアウタ当接面833を有する。アウタ当接面833は、中央噴孔26の内側開口からみて外側噴孔27の外側、すなわち、外側噴孔27の内側開口の径方向外側に位置する噴射部251の外側シート面271に当接可能に形成されている。
燃料噴射弁3では、アウタシール部83の外壁と噴射ノズル25の内壁とによって外側噴孔27に連通するアウタサック270が形成される(図10参照)。
コイル37に電力が供給されておらず、かつ、燃料がハウジング20の内部に導入されていないとき、インナニードル70、アウタニードル80及び筒状部材90は、図10に示す位置関係となっている。具体的には、スプリング31の付勢力とスプリング32の付勢力との差によって、アウタシール部83のアウタ当接面833と噴射部251の外側シート面271とは当接している。これにより、噴射ノズル25の内部空間250とアウタサック270及び外側噴孔27とは遮断される。また、インナシール部74のインナ当接面741とアウタシール部83の内側シート面834とは当接している。これにより、アウタシール部83の挿入孔831とインナサック260及び中央噴孔26とは遮断されている。
中央噴孔26からの燃料噴射が続くと、貫通孔901の断面積A901と中央噴孔26の断面積A26との大きさの関係からインナサック260の燃料の圧力は中央噴孔26を流れる燃料の圧力より高くなる。これにより、インナサック260の燃料の圧力と中央噴孔26を流れる燃料の圧力との差に起因する作用力が受圧面905に作用する筒状部材90は、噴射部251の中間シート面255に押し付けられる。
開弁方向に移動するアウタニードル80の内部では、インナ当接面741と内側シート面834とが当接する。これにより、アウタシール部83の挿入孔831とインナサック260及び中央噴孔26とが遮断され、中央噴孔26からの燃料噴射が停止する。一方、アウタ当接面833と外側シート面271とは離間しているため、外側噴孔27のみが燃料を噴射する(図14参照)。このとき、外側噴孔27から中程度の量の燃料が噴射される。また、筒状部材90にはインナサック260の燃料の圧力と中央噴孔26の燃料の圧力との差に起因する作用力が受圧面905に作用しているため、筒状部材90は、噴射部251の中間シート面255に押し付けられたままとなる。
比較例の筒状部材95は、第三実施形態の筒状部材90と同じように、アウタシール部83の連通孔832を形成する内壁に摺動しつつ連通孔を往復移動可能に設けられる。筒状部材95は、中心軸CA1の方向に筒状部材95を貫通する貫通孔951を有している。図11(b)に示すように、筒状部材95の中央噴孔26側の開口の内縁部は、噴射部251の中間シート面255と当接可能な端面952を有する。端面952と筒状部材95の径方向外側の外壁953とを接続する傾斜面954は、中央噴孔26側から中央噴孔26とは反対側に向かうにつれて中心軸CA1から離れるよう形成されている。
このように、第三実施形態は、第一実施形態の効果(a)〜(e)を奏するとともに、外側噴孔27から燃料が噴射されているとき筒状部材90を噴射部251に確実に押し付けたままとすることができるため、インナサック260とアウタサック270との液密を確実に維持し、中央噴孔26及び外側噴孔27のそれぞれから噴射される燃料の噴射量をさらに高精度に制御することができる。
このように、燃料噴射弁3は、ガソリンエンジンの燃焼状態に応じて、中央噴孔26のみからの少量の燃料噴射、中央噴孔26と外側噴孔27とからの多量の燃料噴射、及び、外側噴孔27のみからの中程度の量の燃料噴射を組み合わせて燃料噴射を行うことができる。
(ア)上述の実施形態では、アウタニードルは、挿入孔とアウタニードルの外側である噴射ノズルの内部空間とを連通するアウタ流路を有するとした。アウタ流路はなくてもよい。アウタニードルの内側に燃料が流入すればよい。
図15に第三実施形態の筒状部材の変形例を示す。図15に示す筒状部材92は、中心軸CA0の方向に筒状部材92を貫通する「内側噴孔用燃料通路」としての貫通孔921を有している。貫通孔921を形成する筒状部材92の内壁は、径内方向に突出する突部922を有している。このとき、貫通孔921の断面積は、図12に示す向かい合う突部922での内径d922から算出される断面積A922となる。この断面積A922は、中央噴孔26の断面積A26より小さい。これにより、この変形例においても、第三実施形態の効果を奏することができる。
20 ・・・ハウジング
255 ・・・中間シート面
26 ・・・中央噴孔(内側噴孔)
27 ・・・外側噴孔
271 ・・・外側シート面
40、70 ・・・インナニードル
44、74 ・・・インナシール部(インナニードルの内側噴孔側の端部)
441、741 ・・・インナ当接面
50、80 ・・・アウタニードル
502、831 ・・・挿入孔
503、832 ・・・連通孔
531、833 ・・・アウタ当接面
532、834 ・・・内側シート面
60、90、92・・・筒状部材(中間部材)
601、901、921・・・貫通孔(内側噴孔用燃料通路)
603 ・・・端面(中間シート面に当接可能な端面)
904 ・・・端面(中間シート面に当接可能な端面、中間部材の径方向外側の外壁に接続する端面)
Claims (7)
- 燃料を噴射する内側噴孔(26)、前記内側噴孔の径方向外側に形成され燃料を噴射する外側噴孔(27)、内壁のうち前記内側噴孔と前記外側噴孔との間に環状に形成される中間シート面(255)、及び、内壁のうち前記外側噴孔の径方向外側に環状に形成される外側シート面(271)を有するハウジング(20)と、
前記ハウジングの内側に固定される固定コア(30)と、
前記固定コアの前記内側噴孔側に設けられ、往復移動可能な可動コア(35)と、
電力が供給されると前記可動コアを前記固定コア側に吸引可能なコイル(37)と、
前記可動コアと一体に往復移動可能に設けられ、前記内側噴孔側の端部にインナ当接面(441、741)を有するインナニードル(40、70)と、
前記インナニードルに対し相対的に往復移動可能なよう前記インナニードルの前記内側噴孔側の端部(44、74)の径方向外側に設けられ、前記インナニードルの前記内側噴孔側の端部が挿入される挿入孔(502、831)、前記内側噴孔と前記挿入孔とを連通する連通孔(503、832)、内壁のうち前記連通孔の径方向外側に環状に形成され前記インナ当接面が当接可能な内側シート面(532、834)、及び、外壁のうち前記連通孔の径方向外側に環状に形成され前記外側シート面に当接可能なアウタ当接面(531、833)を有するアウタニードル(50、80)と、
前記連通孔の内壁に摺動しつつ往復移動可能なよう設けられ、前記内側噴孔が噴射する燃料が流れる内側噴孔用燃料通路(601、901、921)、及び、前記内側噴孔側の端面のうち前記内側噴孔用燃料通路の径方向外側に環状に形成され前記中間シート面に当接可能な端面(603、904)を有する中間部材(60、90、92)と、
前記インナニードルを前記内側噴孔側に付勢する第一付勢部材(31)と、
を備える燃料噴射弁。 - 前記アウタニードルは、前記挿入孔と前記アウタニードルの外側とを連通するアウタ流路(522、824)を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記アウタ流路の断面積(A824)は、前記内側噴孔の断面積(A26)より小さいことを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁。
- 前記インナニードルは、前記アウタニードルに係合可能な係合部材(421、721)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記アウタニードルを前記内側噴孔側に付勢する第二付勢部材(65)をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記内側噴孔用燃料通路の断面積(A901、A922)は、前記内側噴孔の断面積より小さいことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記中間部材は、前記内側噴孔側の端面のうち、前記中間部材の径方向外側の外壁(903)に接続する端面(904)が前記中間シート面に当接可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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