JP6421730B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射装置に関する。
従来、可動コアとニードルの鍔部との間に軸方向の隙間を形成し、当該隙間で可動コアを加速させて鍔部に衝突させ、ニードルを開弁させる燃料噴射装置が知られている。例えば特許文献1には、可動コアとニードルの鍔部との間に軸方向の隙間を形成可能な隙間形成部材を備えた燃料噴射装置が記載されている。この燃料噴射装置では、隙間で加速し運動エネルギーが上昇した状態の可動コアを鍔部に衝突させるため、ニードルを収容するハウジング内の燃料通路の燃圧が高くても、ニードルを開弁させることができる。そのため、高圧の燃料を噴射可能である。
特開2014−227958号公報
ところで、特許文献1の燃料噴射装置では、隙間形成部材は、一方の端面が鍔部に当接可能なようニードルに対し弁座とは反対側に設けられる板部、および、当該板部から弁座側へ筒状に延び板部とは反対側の端部が可動コアに当接可能に形成される延伸部を有している。隙間形成部材は、板部が鍔部に当接し延伸部が可動コアに当接しているとき、鍔部と可動コアとの間に軸方向の隙間を形成する。板部の中央には、板部を板厚方向に貫く孔が形成されている。当該孔は、板部の鍔部側の端面と鍔部の板部側の端面との間の空間と、隙間形成部材の外側の空間とを接続している。
特許文献1の燃料噴射装置では、閉弁時、板部の鍔部側の端面と鍔部の板部側の端面とは当接している。可動コアが可動コアと鍔部との間の隙間で加速して鍔部側へ移動するとき、板部と鍔部とは離間する。このとき、板部と鍔部との間には、互いが離間するのを妨げようとする力、すなわち、リンギング力が作用するものの、隙間形成部材の外側の空間から、板部の孔を経由して、板部と鍔部との間の空間に燃料が流入する。そのため、板部と鍔部とは比較的容易に離間する。よって、内燃機関の運転状況に応じ微量の燃料を噴射しようとして、コイルに微小な電流を流した場合でも、可動コアが可動コアと鍔部との間の隙間で加速して鍔部に衝突し、ニードルが大きくリフトするおそれがある。したがって、微量の燃料を高精度に噴射できないおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、微量の燃料を高精度に噴射可能、かつ、高圧の燃料を噴射可能な燃料噴射装置を提供することにある。
本発明の燃料噴射装置(1)は、ノズル(10)とハウジング(20)とニードル(30)と可動コア(40)と固定コア(50)と隙間形成部材(60)と弁座側付勢部材(71)とコイル(80)とを備えている。
ノズルは、燃料が噴射される噴孔(13)、および、噴孔の周囲に環状に形成される弁座(14)を有している。
ハウジングは、筒状に形成され、一端がノズルに接続され、噴孔に連通する燃料通路(100)を内側に有している。
ニードルは、棒状のニードル本体(31)、弁座に当接可能なようニードル本体の一端に形成されるシール部(32)、および、ニードル本体の他端に設けられ外径がニードル本体の外径より大きい板状の鍔部(33)を有している。ニードルは、燃料通路内を往復移動可能に設けられ、シール部が弁座から離間または弁座に当接すると噴孔を開閉する。
可動コアは、ニードル本体に対し相対移動し、弁座とは反対側の面(402)が鍔部の弁座側の面(331、34)に当接可能に設けられている。
固定コアは、筒状に形成され、ハウジングの内側の可動コアに対し弁座とは反対側に設けられている。
隙間形成部材は、板部(61)および延伸部(62)を有している。板部は、一方の端面(611)が鍔部に当接可能なようニードルに対し弁座とは反対側に設けられる。延伸部は、板部から弁座側へ筒状に延び、板部とは反対側の端部が可動コアの固定コア側の面(402)に当接可能に形成される。隙間形成部材は、板部が鍔部に当接し延伸部が可動コアに当接しているとき、鍔部と可動コアとの間に軸(Ax2)方向の隙間である軸方向隙間(CL1)を形成可能である。
弁座側付勢部材は、隙間形成部材に対し弁座とは反対側に設けられ、隙間形成部材を介してニードルおよび可動コアを弁座側に付勢可能である。
コイルは、通電されると可動コアを固定コア側に吸引し、ニードルを弁座とは反対側に移動させることが可能である。
そして、本発明では、鍔部は、外壁が延伸部の内壁に摺動可能であり、「弁座側の面(331)」と「可動コアの弁座とは反対側の面(402)」と「延伸部の内壁」と「ニードル本体の外壁」との間に、環状の空間である環状空間(S1)を形成可能である。また、鍔部は、「板部側の端面(332)」と「板部の鍔部側の端面(611)」と「延伸部の内壁」との間に、特定空間(S2)を形成可能である。
隙間形成部材は、「板部が鍔部に当接しているときは特定空間に非連通であり、板部が鍔部から所定距離以上離間したときは特定空間と環状空間または隙間形成部材の外側の空間とを接続する特定空間接続通路(63、64)」を有している。
本発明では、互いに当接している板部と鍔部とを離間させることが可能な程度より小さい電流をコイルに流すと、板部と鍔部とは離間せず、特定空間接続通路は特定空間に非連通のままである。そのため、可動コアは、隙間形成部材およびニードルとともに開弁方向に移動する。この場合、コイルに流れる電流は小さく、可動コアは軸方向隙間で加速せず鍔部に衝突しないため、ニードルのリフト量を小さくできる。そのため、微量の燃料を高精度に噴射することができる。
一方、互いに当接している板部と鍔部とを離間させることが可能な程度以上の電流をコイルに流すと、板部と鍔部とが離間し、特定空間接続通路により特定空間と環状空間または隙間形成部材の外側の空間とが接続される。そのため、特定空間接続通路を経由して特定空間に燃料が流入する。これにより、隙間形成部材は、板部が鍔部から離間する方向に円滑に移動する。したがって、軸方向隙間で可動コアを加速させて鍔部に衝突させることができる。これにより、軸方向隙間で加速し運動エネルギーが上昇した状態の可動コアを鍔部に衝突させることができるため、燃料通路内の燃圧が高くても、ニードルを開弁させることができる。よって、高圧の燃料を噴射可能である。
このように、本発明では、コイルに流す電流の大きさを調整することで、微量の燃料を高精度に噴射したり、高圧の燃料を噴射したりすることができる。
本発明の第1実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 (A)は本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の隙間形成部材およびその近傍を示す断面図であって、閉弁時の状態を示す図、(B)は(A)のB−B線断面図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の隙間形成部材およびその近傍を示す断面図であって、開弁時、ニードルのリフト量が微小なときの図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の隙間形成部材およびその近傍を示す断面図であって、開弁時、特定空間接続通路が特定空間に接続したときの図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の隙間形成部材およびその近傍を示す断面図であって、開弁時、可動コアと鍔部とが当接したときの図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の隙間形成部材およびその近傍を示す断面図であって、開弁時、可動コアと固定コアとが当接したときの図。 (A)は本発明の第2実施形態による燃料噴射装置の隙間形成部材およびその近傍を示す断面図であって、閉弁時の状態を示す図、(B)は(A)のB−B線断面図。 (A)は本発明の第3実施形態による燃料噴射装置の隙間形成部材およびその近傍を示す断面図であって、閉弁時の状態を示す図、(B)は(A)のB−B線断面図。 (A)は本発明の第4実施形態による燃料噴射装置の隙間形成部材およびその近傍を示す断面図であって、閉弁時の状態を示す図、(B)は(A)のB−B線断面図。 (A)は本発明の第5実施形態による燃料噴射装置の隙間形成部材およびその近傍を示す断面図であって、閉弁時の状態を示す図、(B)は(A)のB−B線断面図。 (A)は本発明の第6実施形態による燃料噴射装置の隙間形成部材およびその近傍を示す断面図であって、閉弁時の状態を示す図、(B)は(A)のB−B線断面図。 本発明の第7実施形態による燃料噴射装置の隙間形成部材およびその近傍を示す断面図であって、閉弁時の状態を示す図。
以下、本発明の複数の実施形態を図に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料噴射弁を図1に示す。燃料噴射装置1は、例えば図示しない内燃機関としての直噴式ガソリンエンジンに用いられ、燃料としてのガソリンをエンジンに噴射供給する。
燃料噴射装置1は、ノズル10、ハウジング20、ニードル30、可動コア40、固定コア50、隙間形成部材60、弁座側付勢部材としてのスプリング71、コイル80、および、ガイド部28等を備えている。
ノズル10は、例えばマルテンサイト系ステンレス等の硬度が比較的高い材料により形成されている。ノズル10は、所定の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。ノズル10は、ノズル筒部11、および、ノズル筒部11の一端を塞ぐノズル底部12を有している。ノズル底部12には、ノズル筒部11側の面とノズル筒部11とは反対側の面とを接続する噴孔13が複数形成されている。また、ノズル底部12のノズル筒部11側の面には、噴孔13の周囲に環状の弁座14が形成されている。
ハウジング20は、第1筒部21、第2筒部22、第3筒部23、インレット部24、フィルタ241等を有している。
第1筒部21、第2筒部22および第3筒部23は、いずれも略円筒状に形成されている。第1筒部21、第2筒部22および第3筒部23は、第1筒部21、第2筒部22、第3筒部23の順に同軸(軸Ax1)となるよう配置され、互いに接続している。
第1筒部21および第3筒部23は、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により形成され、磁気安定化処理が施されている。第1筒部21および第3筒部23は、硬度が比較的低い。一方、第2筒部22は、例えばオーステナイト系ステンレス等の非磁性材料により形成されている。第2筒部22の硬度は、第1筒部21および第3筒部23の硬度よりも高い。
第1筒部21の第2筒部22とは反対側の端部の内側には、ノズル筒部11のノズル底部12とは反対側の端部が接合されている。第1筒部21とノズル10とは、例えば溶接により接合されている。
インレット部24は、例えばステンレス等の金属により筒状に形成されている。インレット部24は、一端が第3筒部23の第2筒部22とは反対側の端部の内側に接合するよう設けられている。インレット部24と第3筒部23とは、例えば溶接により接合されている。
ハウジング20およびノズル筒部11の内側には、燃料通路100が形成されている。燃料通路100は、噴孔13に連通している。インレット部24の第3筒部23とは反対側には、図示しない配管が接続される。これにより、燃料通路100には、燃料供給源からの燃料が配管を経由して流入する。燃料通路100は、燃料を噴孔13に導く。
フィルタ241は、インレット部24の内側に設けられている。フィルタ241は、燃料通路100に流入する燃料中の異物を捕集する。
ニードル30は、例えばマルテンサイト系ステンレス等の硬度が比較的高い材料により形成されている。ニードル30は、所定の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。ニードル30の硬度は、ノズル10の硬度とほぼ同等に設定されている。
ニードル30は、燃料通路100内をハウジング20の軸Ax1方向へ往復移動可能なようハウジング20内に収容されている。ニードル30は、ニードル本体31、シール部32、鍔部33等を有している。
ニードル本体31は、棒状、より具体的には長い円柱状に形成されている。シール部32は、ニードル本体31の一端、すなわち、弁座14側の端部に形成され、弁座14に当接可能である。
鍔部33は、板状、より具体的には円板状に形成され、ニードル本体31の他端、すなわち、弁座14とは反対側の端部に接続するよう設けられている。本実施形態では、鍔部33は、軸がニードル本体31の軸Ax2と一致するようニードル本体31と一体に形成されている。図2(A)では、ニードル本体31と鍔部33との境界を二点鎖線で示している。
図1に示すように、ニードル本体31の一端の近傍には、大径部311が形成されている。ニードル本体31の一端側の外径は、他端側の外径より小さい。大径部311は、外径がニードル本体31の一端側の外径より大きく、ニードル本体31の他端側の外径と同等である。大径部311は、外壁がノズル10のノズル筒部11の内壁と摺動するよう形成されている。これにより、ニードル30は、弁座14側の端部の軸Ax1方向の往復移動が案内される。大径部311には、外壁の周方向の複数個所が面取りされるようにして面取り部312が形成されている。これにより、燃料は、面取り部312とノズル10のノズル筒部11の内壁との間を流通可能である。
ニードル30は、シール部32が弁座14から離間(離座)または弁座14に当接(着座)することで噴孔13を開閉する。以下、適宜、ニードル30が弁座14から離間する方向を開弁方向といい、ニードル30が弁座14に当接する方向を閉弁方向という。
可動コア40は、可動コア本体41を有している。可動コア本体41は、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により略円柱状に形成されている。可動コア本体41は、磁気安定化処理が施されている。可動コア本体41の硬度は比較的低く、ハウジング20の第1筒部21および第3筒部23の硬度と概ね同等である。
可動コア40は、軸穴部42、通孔43、凹部44等を有している。軸穴部42は、可動コア本体41の軸Ax3に沿って延びるよう形成されている。本実施形態では、軸穴部42の内壁に、例えばNi−Pめっき等の硬質加工処理および摺動抵抗低減処理が施されている。通孔43は、可動コア本体41の弁座14側の面401と弁座14とは反対側の面402とを接続するよう形成されている。通孔43は、円筒状の内壁を有している。本実施形態では、通孔43は、例えば可動コア本体41の周方向に等間隔で4つ形成されている。
凹部44は、可動コア本体41の弁座14側の面401から弁座14とは反対側へ円形に凹むよう可動コア本体41の中央に形成されている。ここで、軸穴部42は、凹部44の底部に開口している。
可動コア40は、軸穴部42にニードル30のニードル本体31が挿通された状態でハウジング20内に収容されている。可動コア40の軸穴部42の内径は、ニードル30のニードル本体31の外径と同等、または、ニードル本体31の外径よりやや大きく設定されている。そのため、可動コア40は、軸穴部42の内壁がニードル30のニードル本体31の外壁に摺動しつつ、ニードル30に対し相対移動可能である。また、可動コア40は、ニードル30と同様、燃料通路100内をハウジング20の軸Ax1方向へ往復移動可能なようハウジング20内に収容されている。通孔43には、燃料通路100内の燃料が流通可能である。
本実施形態では、可動コア本体41の弁座14とは反対側の面402に、例えば硬質クロムめっき等の硬質加工処理および耐摩耗処理が施されている。
なお、可動コア本体41の外径は、ハウジング20の第1筒部21および第2筒部22の内径より小さく設定されている。そのため、可動コア40が燃料通路100内を往復移動するとき、可動コア40の外壁と第1筒部21および第2筒部22の内壁とは摺動しない。
図2に示すように、ニードル30の鍔部33は、弁座14側の面331が可動コア本体41の弁座14とは反対側の面402に当接可能である。つまり、ニードル30は、可動コア本体41の弁座14とは反対側の面402に当接可能な当接面34を有している。ここで、当接面34は、鍔部33の弁座14側の面331に形成されている。可動コア40は、当接面34に当接または当接面34から離間可能なようニードル30に対し相対移動可能に設けられている。
図1に示すように、固定コア50は、ハウジング20の内側の可動コア40に対し弁座14とは反対側に設けられている。固定コア50は、固定コア本体51を有している。固定コア本体51は、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により略円筒状に形成されている。固定コア本体51は、磁気安定化処理が施されている。固定コア本体51の硬度は比較的低く、可動コア本体41の硬度と概ね同等である。固定コア本体51は、ハウジング20の内側に固定されるようにして設けられている。固定コア本体51とハウジング20の第3筒部23とは溶接されている。
固定コア本体51は、弁座14側の端部の内壁から径方向外側へ凹むよう形成された凹部511を有している。固定コア50は、シール部32が弁座14に当接した状態のニードル30の鍔部33が、凹部511の内側に位置するよう設けられている。固定コア本体51の内側には、円筒状のアジャスティングパイプ51が圧入されている。
隙間形成部材60は、例えば非磁性材料により形成されている。隙間形成部材60の硬度は、ニードル30の硬度とほぼ同等に設定されている。
隙間形成部材60は、ニードル30および可動コア40に対し弁座14とは反対側に設けられている。図2に示すように、隙間形成部材60は、板部61および延伸部62を有している。板部61は、略円板状に形成されている。板部61は、一方の端面611が鍔部33の弁座14とは反対側の端面332に当接可能なようニードル30に対し弁座14とは反対側に設けられている。なお、本実施形態では、端面332および端面611は、平面状に形成されている。
延伸部62は、板部61の一方の端面611の外縁部から弁座14側へ円筒状に延びるよう板部61と一体に形成されている。すなわち、隙間形成部材60は、本実施形態では、有底円筒状に形成されている。隙間形成部材60は、延伸部62の内側にニードル30の鍔部33が位置するよう設けられている。また、延伸部62は、板部61とは反対側の端部が可動コア本体41の固定コア50側の面402に当接可能である。
本実施形態では、延伸部62は、軸方向の長さが鍔部33の軸方向の長さ、すなわち、板厚より長くなるよう形成されている。そのため、隙間形成部材60は、板部61がニードル30の鍔部33に当接し、延伸部62が可動コア40に当接しているとき、鍔部33の面331と可動コア40の面402との間に軸Ax2方向の隙間である軸方向隙間CL1を形成可能である。このとき、すなわち、板部61が鍔部33に当接し延伸部62が可動コア40に当接しているときの鍔部33の弁座14側の面331(当接面34を含む)と可動コア40の弁座14とは反対側の面402との距離をd1とする。
ここで、延伸部62の内径は、鍔部33の外径と同等、または、鍔部33の外径よりやや大きく設定されている。そのため、隙間形成部材60は、延伸部62の内壁、すなわち、鍔部33の外壁に対向する壁面が鍔部33の外壁と摺動可能で、ニードル30に対し相対移動可能である。
また、板部61および延伸部62の外径は、固定コア50の凹部511の内径より小さく設定されている。そのため、隙間形成部材60は、板部61および延伸部62の外壁、すなわち、固定コア50の凹部511の内壁に対向する壁面が、凹部511の内壁との間に径方向の隙間である径方向隙間CL2を形成している。そのため、隙間形成部材60の外壁は、固定コア50の凹部511の内壁と摺動しない。
本実施形態では、延伸部62が筒状に形成されているため、延伸部62と可動コア40とが当接しているとき、鍔部33の当接面34と可動コア40と延伸部62の内壁との間に環状の空間である環状空間S1が形成される。すなわち、鍔部33は、外壁が延伸部62の内壁に摺動可能であり、「弁座14側の面331」と「可動コア40の弁座14とは反対側の面402」と「延伸部62の内壁」と「ニードル本体31の外壁」との間に環状の空間である環状空間S1を形成可能である。
また、鍔部33の板部61側の端面332と板部61の鍔部33側の端面611とが離間しているとき、鍔部33の端面332と板部61の端面611と延伸部62の内壁との間に、特定空間S2が形成される。すなわち、鍔部33は、「板部61側の端面332」と「板部61の鍔部33側の端面611」と「延伸部62の内壁」との間に特定空間S2を形成可能である。なお、鍔部33の端面332と板部61の端面611とが当接しているとき、特定空間S2の容積は0である。
本実施形態では、隙間形成部材60は、特定空間接続通路63および環状空間接続通路621をさらに有している。
特定空間接続通路63は、延伸部62の内壁から径方向外側へ凹むようにして形成されている。本実施形態では、特定空間接続通路63は、例えば延伸部62の周方向に等間隔で4つ形成されている(図2(B)参照)。特定空間接続通路63は、延伸部62の弁座14側の端面から板部61の近傍まで延びるよう形成されている。ここで、板部61が鍔部33に当接しているときの鍔部33の板部61側の端面332と特定空間接続通路63との距離をd2とすると、鍔部33および隙間形成部材60は、d1>d2の関係を満たすよう形成されている。そのため、特定空間接続通路63は、板部61が鍔部33に当接しているときは特定空間S2に非連通であり、板部61が鍔部33から所定距離(d2)以上離間したときは特定空間S2と環状空間S1とを接続する。つまり、隙間形成部材60は、「板部61が鍔部33に当接しているときは特定空間S2に非連通であり、板部61が鍔部33から所定距離(d2)以上離間したときは特定空間S2と環状空間S1とを接続する特定空間接続通路63」を有している。このように、特定空間S2は、特定空間接続通路63が非連通のときは、環状空間S1や隙間形成部材60の外側の空間等、外部の空間と連通しておらず、密閉された空間となる。
環状空間接続通路621は、延伸部62の可動コア40側の端部から板部61側に凹むよう溝状に形成され、延伸部62の内壁と外壁とを接続している。つまり、環状空間接続通路621は、環状空間S1と延伸部62の径方向外側の空間とを接続している。これにより、延伸部62と可動コア40とが当接しているとき、環状空間S1内の燃料は、環状空間接続通路621を経由して延伸部62の径方向外側へ流出可能である。また、延伸部62の径方向外側の燃料は、環状空間接続通路621を経由して延伸部62の内側、すなわち、環状空間S1に流入可能である。このように、隙間形成部材60は、環状空間S1と延伸部62の径方向外側の空間とを接続する環状空間接続通路621を有している。
なお、本実施形態では、環状空間接続通路621は、特定空間接続通路63と同様、例えば延伸部62の周方向に等間隔で4つ形成されている(図2(B)参照)。
また、本実施形態では、特定空間接続通路63は、環状空間接続通路621を経由して延伸部62の径方向外側の空間、すなわち、隙間形成部材60の外側の空間と接続している。
上述のように、隙間形成部材60の外壁と固定コア50の凹部511の内壁との間には、径方向隙間CL2が形成されている。また、シール部32が弁座14に当接し、板部61が鍔部33に当接し、延伸部62が可動コア40に当接しているとき、固定コア50と可動コア40との間には、隙間が形成される。そのため、このとき、燃料通路100内の隙間形成部材60の弁座14とは反対側の燃料は、径方向隙間CL2、固定コア50と可動コア40との間の隙間、および、通孔43を経由して可動コア40の弁座14側に流通可能である。このように、隙間形成部材60は、固定コア50の凹部511の内壁との間に、燃料が流通可能な燃料流路101を形成している。
スプリング71は、例えばコイルスプリングであり、隙間形成部材60に対し弁座14とは反対側に設けられている。スプリング71の一端は、隙間形成部材60の板部61の延伸部62とは反対側の端面612に当接している。スプリング71の他端は、アジャスティングパイプ51に当接している。スプリング71は、隙間形成部材60を弁座14側に付勢する。スプリング71は、隙間形成部材60の板部61がニードル30の鍔部33に当接しているとき、隙間形成部材60を介してニードル30を弁座14側、すなわち、閉弁方向に付勢可能である。また、スプリング71は、隙間形成部材60の延伸部62が可動コア40に当接しているとき、隙間形成部材60を介して可動コア40を弁座14側に付勢可能である。すなわち、スプリング71は、隙間形成部材60を介してニードル30および可動コア40を弁座14側に付勢可能である。スプリング71の付勢力は、固定コア50に対するアジャスティングパイプ51の位置により調整される。
図1に示すように、コイル80は、略円筒状に形成され、ハウジング20のうち特に第2筒部22および第3筒部23の径方向外側を取り囲むようにして設けられている。コイル80の径方向外側には、ヨーク25が設けられている。ヨーク25は、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により筒状に形成され、磁気安定化処理が施されている。ヨーク25は、コイル80の径方向外側を覆うようにして設けられている。ヨーク25の弁座14側の端部は、溶接により第1筒部21に接続されている。
コイル80の弁座14とは反対側には、環状部材231が設けられている。環状部材231は、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により環状に形成され、磁気安定化処理が施されている。環状部材231は、コイル80の弁座14とは反対側において、ヨーク25の弁座14とは反対側の端部の内壁と第3筒部23の外壁とに接するようにして設けられている。コイル80とヨーク25と環状部材231との間には、樹脂が充填されることによりモールド部26が形成されている。
コイル80は、電力が供給(通電)されると磁力を生じる。コイル80に磁力が生じると、固定コア本体51、可動コア本体41、第1筒部21、ヨーク25、環状部材231および第3筒部23に磁気回路が形成される。これにより、固定コア本体51と可動コア本体41との間に磁気吸引力が発生し、可動コア40は、固定コア50側に吸引される。
互いに当接している板部61と鍔部33とを離間させることが可能な程度より小さい電流をコイル80に流すと、板部61と鍔部33とは離間せず、特定空間接続通路63は特定空間S2に非連通のままで、可動コア40は、隙間形成部材60およびニードル30とともに開弁方向に移動する。これにより、ニードル30のシール部32が弁座14から離間し、開弁する。その結果、噴孔13が開放される。この場合、コイル80に流れる電流は小さいため、ニードル30のリフト量は小さい。そのため、噴孔13からは、微量の燃料が噴射される。
一方、互いに当接している板部61と鍔部33とを離間させることが可能な程度以上の電流をコイル80に流すと、板部61と鍔部33とが離間する。板部61と鍔部33とが所定距離(d2)以上離間すると、特定空間接続通路63により特定空間S2と環状空間S1とが接続され、燃料が特定空間接続通路63を経由して特定空間S2に流入する。これにより、隙間形成部材60は、板部61が鍔部33から離間する方向に円滑に移動する。したがって、可動コア40は、軸方向隙間CL1で加速しつつ鍔部33に衝突する。これにより、軸方向隙間CL1で加速し運動エネルギーが上昇した状態の可動コア40を鍔部33に衝突させることができるため、燃料通路100内の燃圧が高くても、ニードル30を開弁させることができる。よって、高圧の燃料を噴射可能である。
このように、コイル80は、通電されると、可動コア40を固定コア50側に吸引し、ニードル30を弁座14とは反対側に移動させることが可能である。
また、コイル80に流す電流の大きさを調整することで、微量の燃料を噴射したり、高圧の燃料を噴射したりすることができる。
なお、本実施形態では、端面332および端面611が平面状に形成されているため、互いに当接した状態の板部61の端面611と鍔部33の端面332とが離間するときに作用するリンギング力は、比較的大きい。
図1に示すように、インレット部24および第3筒部23の径方向外側は、樹脂によりモールドされている。当該モールド部分にコネクタ27が形成されている。ここで、コネクタ27は、モールド部26と一体に形成されている。コネクタ27には、コイル80へ電力を供給するための端子271がインサート成形されている。
ガイド部28は、ハウジング20の内側の可動コア40に対し弁座14側に設けられている。ガイド部28は、例えばステンレス等の金属により、略円板状に形成されている。ガイド部28の硬度は、ニードル30の硬度とほぼ同等に設定されている。ガイド部28は、ガイド穴部281および流路部282を有している。ガイド穴部281は、ガイド部28の中央を板厚方向に貫くよう形成されている。ガイド部28は、外縁部がハウジング20の第1筒部21の内壁に嵌合するよう設けられている。
ニードル30は、ニードル本体31がガイド部28のガイド穴部281に挿通されるようにして設けられている。ガイド穴部281の内径は、ニードル30のニードル本体31の外径と同等、または、ニードル本体31の外径よりやや大きく形成されている。そのため、ガイド部28は、ガイド穴部281の内壁がニードル本体31の外壁と摺動し、ニードル30の軸方向の往復移動を案内可能である。
本実施形態では、ニードル30は、弁座14側の端部近傍がノズル10のノズル筒部11の内壁により往復移動可能に支持され、固定コア50側の部位がガイド部28により往復移動可能に支持される。このように、ニードル30は、ハウジング20の軸Ax1方向の2箇所の部位により、軸方向の往復移動が案内される。
流路部282は、ガイド部28を板厚方向に貫くようガイド穴部281の径方向外側に複数形成されている。流路部282は、例えばガイド部28の周方向に等間隔で4つ形成されている。燃料通路100のガイド部28に対し固定コア50側の空間の燃料は、流路部282を経由して、ガイド部28に対し弁座14側の空間に流通可能である。
本実施形態では、燃料噴射装置1は、ばね座部291、固定部292、筒部293およびスプリング73をさらに備えている。
本実施形態では、ばね座部291と固定部292とは、筒部293により互いに接続されている。ばね座部291、固定部292および筒部293は、例えばステンレス等の金属により一体に形成されている。
ばね座部291は、環状に形成され、可動コア40とガイド部28との間においてニードル本体31の径方向外側に位置している。
固定部292は、筒状に形成され、可動コア40とばね座部291との間においてニードル本体31の径方向外側に位置している。固定部292は、内壁がニードル本体31の外壁に嵌合し、ニードル本体31に固定されている。
筒部293は、筒状に形成され、一端がばね座部291に接続し、他端が固定部292に接続している。これにより、ばね座部291は、可動コア40とガイド部28との間においてニードル本体31の径方向外側に固定されている。
スプリング73は、例えばコイルスプリングであり、一端がばね座部291に当接し、他端が可動コア40の凹部44の底部に当接するよう設けられている。スプリング73は、可動コア40を固定コア50側に付勢可能である。スプリング73の付勢力は、スプリング71の付勢力よりも小さい。
スプリング71が隙間形成部材60を弁座14側に付勢することで、隙間形成部材60の板部61とニードル30の鍔部33とが当接し、ニードル30は、シール部32が弁座14に押し付けられる。このとき、スプリング73が可動コア40を固定コア50側に付勢することで、隙間形成部材60の延伸部62と可動コア40とが互いに押し付けられるようにして当接する。この状態で、ニードル30の鍔部33の当接面34と可動コア40との間に軸方向隙間CL1が形成される。
可動コア40は、ニードル30の鍔部33と固定部292との間で軸方向に往復移動可能に設けられている。可動コア40の凹部44の底部は、固定部292の可動コア40側の端部に当接可能である。固定部292は、可動コア40に当接することで、ニードル30に対する可動コア40の弁座14側への相対移動を規制可能である。
本実施形態では、可動コア40が固定コア50側に吸引されている状態でコイル80への通電を停止すると、ニードル30および可動コア40は、隙間形成部材60を介したスプリング71の付勢力により、弁座14側へ付勢される。これにより、ニードル30が閉弁方向に移動し、シール部32が弁座14に当接し、閉弁する。その結果、噴孔13が閉塞される。
シール部32が弁座14に当接した後、可動コア40は、慣性によりニードル30に対し弁座14側に相対移動する。このとき、固定部292は、可動コア40に当接することで、可動コア40の弁座14側への過度の移動を規制可能である。これにより、次の開弁時の応答性の低下を抑制可能である。また、スプリング73の付勢力により、可動コア40が固定部292に当接するときの衝撃を小さくでき、ニードル30が弁座14でバウンスすることによる二次開弁を抑制することができる。さらに、固定部292が可動コア40の弁座14側への移動を規制することにより、スプリング73の過度の圧縮を抑制でき、過度に圧縮されたスプリング73の復原力により可動コア40が開弁方向に付勢され再び鍔部33に衝突することによる二次開弁を抑制することができる。
また、本実施形態では、隙間形成部材60の環状空間接続通路621は、延伸部62の内壁と外壁とを接続している。これにより、延伸部62と可動コア40とが当接しているとき、環状空間S1内の燃料は、環状空間接続通路621を経由して延伸部62の外側へ流出可能である。また、延伸部62の外側の燃料は、環状空間接続通路621を経由して延伸部62の内側、すなわち、環状空間S1に流入可能である。
また、延伸部62の外側の燃料は、環状空間接続通路621、環状空間S1を経由して特定空間接続通路63に流入可能である。
インレット部24から流入した燃料は、固定コア50、アジャスティングパイプ51、隙間形成部材60と凹部511との間(すなわち、燃料流路101)、可動コア40と固定コア50との間、通孔43、ばね座部291とガイド部28との間、流路部282、第1筒部21とニードル30との間、ノズル10とニードル30との間、すなわち、燃料通路100を流通し、噴孔13に導かれる。
次に、本実施形態の燃料噴射装置1の作動について、図2〜6に基づき説明する。
コイル80に通電されていないときは、ニードル30のシール部32は弁座14に当接しており、図2に示すように、隙間形成部材60の板部61はニードル30の鍔部33に当接し、延伸部62は可動コア40に当接している。このとき、鍔部33の当接面34と可動コア40との間には、軸方向隙間CL1が形成されている。また、このとき、特定空間S2は、容積が0であり、密閉されている。
図2に示す状態のとき、互いに当接している板部61と鍔部33とを離間させることが可能な程度より小さい電流をコイル80に流すと、板部61と鍔部33とは離間せず、特定空間接続通路63は特定空間S2に非連通のままで、特定空間S2は容積が0かつ密閉されたままである。そのため、可動コア40は、隙間形成部材60およびニードル30とともに開弁方向に移動する(図3参照)。これにより、ニードル30のシール部32が弁座14から離間し、開弁する。この場合、コイル80に流れる電流は小さいため、ニードル30のリフト量LF1は小さい。そのため、噴孔13からは、微量の燃料が噴射される。なお、図3〜6において、p1は閉弁時の鍔部33の弁座14とは反対側の端面332の位置を示し、p2は閉弁時の可動コア40の弁座14とは反対側の面402の位置を示している。
図3に示す状態のとき、コイル80への通電を停止すると、可動コア40およびニードル30は、隙間形成部材60を介したスプリング71の付勢力により閉弁方向に移動する。これにより、ニードル30のシール部32が弁座14に当接し閉弁する。
一方、図2に示す状態のとき、互いに当接している板部61と鍔部33とを離間させることが可能な程度以上の電流をコイル80に流すと、板部61と鍔部33とが離間する。このとき、特定空間S2は、容積が0より大きくなる。板部61と鍔部33とが所定距離(d2)離間すると、特定空間接続通路63により特定空間S2と環状空間S1とが接続される(図4参照)。そのため、特定空間接続通路63を経由して特定空間S2に燃料が流入する。これにより、隙間形成部材60は、板部61が鍔部33から離間する方向に円滑に移動可能となる。なお、板部61と鍔部33とが所定距離(d2)離間するまでの間は、微量の燃料が、鍔部33の外壁と延伸部62の内壁との間の微小なクリアランスを経由して特定空間S2に流入する。
可動コア40は、図4の状態から固定コア50側にさらに移動すると、隙間形成部材60を押し上げながら軸方向隙間CL1で加速しつつ固定コア50側に移動する。そして、軸方向隙間CL1で加速し運動エネルギーが上昇した状態の可動コア40は、鍔部33の当接面34に衝突する(図5参照)。このとき、軸方向隙間CL1は0になる。
可動コア40は、ニードル30および隙間形成部材60とともに図5の状態から固定コア50側にさらに移動すると、固定コア50に当接する(図6参照)。これにより、可動コア40は開弁方向の移動が規制される。このとき、ニードル30のリフト量LF1は図3に示す状態のときよりも大きく、燃料通路100の燃料の圧力およびリフト量LF1に応じた量の燃料が噴孔13から噴射される。なお、可動コア40が鍔部33に衝突したときの可動コア40の運動エネルギーが大きい場合、ニードル30は、図6の状態から開弁方向へさらに移動することがある。この場合、ニードル30のリフト量は、図6に示すLF1よりも大きくなる。
図6に示す状態のとき、コイル80への通電を停止すると、可動コア40およびニードル30は、隙間形成部材60を介したスプリング71の付勢力により閉弁方向に移動する。これにより、ニードル30のシール部32が弁座14に当接し閉弁する。ニードル30のシール部32が弁座14に当接し閉弁すると、可動コア40は、慣性で閉弁方向にさらに移動し、固定部292に当接する。これにより、可動コア40は、閉弁方向の移動が規制される。なお、このとき、可動コア40は、隙間形成部材60の延伸部62から離間する。その後、可動コア40は、スプリング73の付勢力により開弁方向に移動し、隙間形成部材60の延伸部62に当接する(図2参照)。
以上説明したように、(1)本実施形態では、ノズル10は、燃料が噴射される噴孔13、および、噴孔13の周囲に環状に形成される弁座14を有している。
ハウジング20は、筒状に形成され、一端がノズル10に接続され、噴孔13に連通する燃料通路100を内側に有している。
ニードル30は、棒状のニードル本体31、弁座14に当接可能なようニードル本体31の一端に形成されるシール部32、および、ニードル本体31の他端に設けられ外径がニードル本体31の外径より大きい板状の鍔部33を有している。ニードル30は、燃料通路100内を往復移動可能に設けられ、シール部32が弁座14から離間または弁座14に当接すると噴孔13を開閉する。
可動コア40は、ニードル本体31に対し相対移動し、弁座14とは反対側の面402が鍔部33の弁座14側の面331に当接可能に設けられている。
固定コア50は、筒状に形成され、ハウジング20の内側の可動コア40に対し弁座14とは反対側に設けられている。
隙間形成部材60は、板部61および延伸部62を有している。板部61は、一方の端面611が鍔部33に当接可能なようニードル30に対し弁座14とは反対側に設けられる。延伸部62は、板部61から弁座14側へ筒状に延び板部61とは反対側の端部が可動コア40の固定コア50側の面402に当接可能に形成される。隙間形成部材60は、板部61が鍔部33に当接し延伸部62が可動コア40に当接しているとき、鍔部33と可動コア40との間に軸Ax2方向の隙間である軸方向隙間CL1を形成可能である。
スプリング71は、隙間形成部材60に対し弁座14とは反対側に設けられ、隙間形成部材60を介してニードル30および可動コア40を弁座14側に付勢可能である。
コイル80は、通電されると可動コア40を固定コア50側に吸引し、ニードル30を弁座14とは反対側に移動させることが可能である。
そして、本実施形態では、鍔部33は、外壁が延伸部62の内壁に摺動可能であり、「弁座14側の面331」と「可動コア40の弁座14とは反対側の面402」と「延伸部62の内壁」と「ニードル本体31の外壁」との間に、環状の空間である環状空間S1を形成可能である。また、鍔部33は、「板部61側の端面332」と「板部61の鍔部33側の端面611」と「延伸部62の内壁」との間に、特定空間S2を形成可能である。
隙間形成部材60は、「板部61が鍔部33に当接しているときは特定空間S2に非連通であり、板部61が鍔部33から所定距離d2以上離間したときは特定空間S2と環状空間S1とを接続する特定空間接続通路63」を有している。
本実施形態では、互いに当接している板部61と鍔部33とを離間させることが可能な程度より小さい電流をコイル80に流すと、板部61と鍔部33とは離間せず、特定空間接続通路63は特定空間S2に非連通のままである。そのため、可動コア40は、隙間形成部材60およびニードル30とともに開弁方向に移動する。この場合、コイル80に流れる電流は小さく、可動コア40は軸方向隙間CL1で加速せず鍔部33に衝突しないため、ニードル30のリフト量を小さくできる。そのため、微量の燃料を高精度に噴射することができる。
一方、互いに当接している板部61と鍔部33とを離間させることが可能な程度以上の電流をコイル80に流すと、板部61と鍔部33とが離間し、特定空間接続通路63により特定空間S2と環状空間S1とが接続される。そのため、特定空間接続通路63を経由して特定空間S2に燃料が流入する。これにより、隙間形成部材60は、板部61が鍔部33から離間する方向に円滑に移動する。したがって、軸方向隙間CL1で可動コア40を加速させて鍔部33に衝突させることができる。これにより、軸方向隙間CL1で加速し運動エネルギーが上昇した状態の可動コア40を鍔部33に衝突させることができるため、燃料通路100内の燃圧が高くても、ニードル30を開弁させることができる。よって、高圧の燃料を噴射可能である。
このように、本実施形態では、コイル80に流す電流の大きさを調整することで、微量の燃料を高精度に噴射したり、高圧の燃料を噴射したりすることができる。
また、(2)本実施形態では、板部61が鍔部33に当接し延伸部62が可動コア40に当接しているときの鍔部33と可動コア40との距離をd1、板部61が鍔部33に当接しているときの鍔部33の板部61側の端面332と特定空間接続通路63との距離をd2とすると、鍔部33および隙間形成部材60は、d1>d2の関係を満たすよう形成されている。そのため、板部61と鍔部33とが所定距離(d2)以上離間するまでは可動コア40を軸方向隙間CL1で加速させず、板部61と鍔部33とが所定距離(d2)以上離間したときは可動コア40を軸方向隙間CL1で加速させることができる。このように、板部61と鍔部33との離間距離、すなわち、コイル80への通電量により、可動コア40の鍔部33への衝突の有無を切り替えることができる。よって、コイル80への通電量により、微量燃料の噴射と高圧燃料の噴射とを切り替えることができる。
また、(7)本実施形態では、隙間形成部材60は、環状空間S1と延伸部62の径方向外側の空間とを接続する環状空間接続通路621を有している。そのため、延伸部62と可動コア40とが当接しているとき、環状空間S1内の燃料は、環状空間接続通路621を経由して延伸部62の外側へ流出可能である。また、延伸部62の外側の燃料は、環状空間接続通路621を経由して延伸部62の内側、すなわち、環状空間S1に流入可能である。よって、延伸部62と可動コア40とが当接しているとき、環状空間S1に燃料が存在することにより生じるダンパ効果を抑制し、鍔部33の当接面34に可動コア40が衝突するときの可動コア40の運動エネルギーの低下を抑制できる。
また、延伸部62の外側の燃料は、環状空間接続通路621、環状空間S1を経由して特定空間接続通路63に流入可能である。そのため、板部61と鍔部33とが離間するとき、燃料が特定空間接続通路63を経由して特定空間S2に流入し易くなる。これにより、隙間形成部材60は、板部61が鍔部33から離間する方向により円滑に移動する。したがって、可動コア40を、軸方向隙間CL1で効果的に加速させつつ鍔部33に衝突させることができる。
また、(8)本実施形態では、隙間形成部材60は、固定コア50の内壁との間に燃料が流通可能な燃料流路101を形成している。可動コア40は、弁座14側の面401と固定コア50側の面402とを接続し燃料が流通可能な通孔43を有している。これにより、燃料通路100内の隙間形成部材60の弁座14とは反対側の燃料を、燃料流路101、固定コア50と可動コア40との間の隙間、および、通孔43を経由して可動コア40の弁座14側に流通させることができる。
また、(9)本実施形態は、ハウジング20の内側の可動コア40に対し弁座14側に設けられ、内壁がニードル本体31の外壁と摺動しニードル30の往復移動を案内可能なガイド部28をさらに備えている。これにより、ニードル30は、固定コア50側の部位がガイド部28により往復移動可能に支持される。なお、隙間形成部材60は、外壁と固定コア50の凹部511の内壁との間に径方向隙間CL2を形成するため、固定コア50と摺動しない。したがって、ニードル30の往復移動を安定させることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による燃料噴射装置の一部を図7に示す。第2実施形態は、鍔部33の構成等が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、鍔部33は、鍔部突出部333を有している。鍔部突出部333は、鍔部33の板部61側の端面332の中央から板部61側へ円柱状に突出するよう形成されている。鍔部突出部333は、板部61の鍔部33側の端面611に当接可能である。本実施形態では、鍔部突出部333は、板部61側の面334が平面状に形成され、板部61の端面611と面接触可能である。
第2実施形態では、板部61の端面611と鍔部33の鍔部突出部333の面334とが当接した状態で、鍔部突出部333の周囲に、0より大きい所定容積の環状の特定空間S2が形成されている。また、鍔部突出部333の面334の面積は、鍔部33の端面332の面積より小さい。そのため、互いに当接した状態の板部61と鍔部33とが離間するときに作用するリンギング力は、第1実施形態と比べ、小さい。よって、第1実施形態と比べ、コイル80に流す電流が小さくても、板部61と鍔部33とを離間させることができる。したがって、第1実施形態と比べ、板部61と鍔部33とを離間させる場合にコイル80に流す電流を小さくすることができる。
なお、第2実施形態においても、鍔部33および隙間形成部材60は、板部61が鍔部33に当接し延伸部62が可動コア40に当接しているときの鍔部33と可動コア40との距離d1が、板部61が鍔部33に当接しているときの鍔部33の板部61側の端面332と特定空間接続通路63との距離d2より大きくなるよう形成されている。
第2実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
以上説明したように、(3)本実施形態では、鍔部33は、板部61側の端面332から板部61側へ突出し板部61に当接可能な鍔部突出部333を有している。そのため、例えば第1実施形態と比べ、互いに当接した状態の板部61と鍔部33とが離間するときに作用するリンギング力を小さくすることができる。したがって、例えば第1実施形態と比べ、板部61と鍔部33とを離間させる場合にコイル80に流す電流を小さくすることができる。
また、(4)本実施形態では、鍔部突出部333は、板部61側の面334が平面状に形成され、板部61と面接触可能である。そのため、例えば面334の面積を適宜変更することにより、互いに当接した状態の板部61と鍔部33とが離間するときに作用するリンギング力を、0より大きい任意の大きさに設定することができる。したがって、板部61と鍔部33とを離間させる場合に必要なコイル80に流す電流の大きさを任意の大きさとすることができる。よって、微量燃料の噴射と高圧燃料の噴射との切り替えの制御がし易くなる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による燃料噴射装置の一部を図8に示す。第3実施形態は、板部61の構成等が第1実施形態と異なる。
第3実施形態では、板部61は、板部突出部613を有している。板部突出部613は、板部61の鍔部33側の端面611の中央から鍔部33側へ円柱状に突出するよう形成されている。板部突出部613は、鍔部33の板部61側の端面332に当接可能である。本実施形態では、板部突出部613は、鍔部33側の面614が平面状に形成され、鍔部33の端面332と面接触可能である。
第3実施形態では、板部61の板部突出部613の面614と鍔部33の端面332とが当接した状態で、板部突出部613の周囲に、0より大きい所定容積の環状の特定空間S2が形成されている。また、板部突出部613の面614の面積は、板部61の端面611の面積より小さい。そのため、互いに当接した状態の板部61と鍔部33とが離間するときに作用するリンギング力は、第1実施形態と比べ、小さい。よって、第1実施形態と比べ、コイル80に流す電流が小さくても、板部61と鍔部33とを離間させることができる。したがって、第1実施形態と比べ、板部61と鍔部33とを離間させる場合にコイル80に流す電流を小さくすることができる。
なお、第3実施形態においても、鍔部33および隙間形成部材60は、板部61が鍔部33に当接し延伸部62が可動コア40に当接しているときの鍔部33と可動コア40との距離d1が、板部61が鍔部33に当接しているときの鍔部33の板部61側の端面332と特定空間接続通路63との距離d2より大きくなるよう形成されている。
第3実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
以上説明したように、(5)本実施形態では、板部61は、鍔部33側の端面611から鍔部33側へ突出し鍔部33に当接可能な板部突出部613を有している。そのため、例えば第1実施形態と比べ、互いに当接した状態の板部61と鍔部33とが離間するときに作用するリンギング力を小さくすることができる。したがって、例えば第1実施形態と比べ、板部61と鍔部33とを離間させる場合にコイル80に流す電流を小さくすることができる。
また、(6)本実施形態では、板部突出部613は、鍔部33側の面614が平面状に形成され、鍔部33と面接触可能である。例えば面614の面積を適宜変更することにより、互いに当接した状態の板部61と鍔部33とが離間するときに作用するリンギング力を、0より大きい任意の大きさに設定することができる。したがって、板部61と鍔部33とを離間させる場合に必要なコイル80に流す電流の大きさを任意の大きさとすることができる。よって、微量燃料の噴射と高圧燃料の噴射との切り替えの制御がし易くなる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による燃料噴射装置の一部を図9に示す。第4実施形態は、隙間形成部材60の構成等が第2実施形態と異なる。
第4実施形態では、隙間形成部材60は、第2実施形態で示した特定空間接続通路63に代えて、特定空間接続通路64を有している。特定空間接続通路64は、延伸部62の内壁と外壁とを接続するよう形成されている。本実施形態では、特定空間接続通路64は、延伸部62の径方向に円筒状に延びるよう形成されている。特定空間接続通路64は、例えば延伸部62の周方向に等間隔で4つ形成されている(図2(B)参照)。ここで、板部61の端面611が鍔部33の鍔部突出部333の面334に当接しているときの鍔部33の板部61側の端面332と特定空間接続通路64との距離をd2とすると、鍔部33および隙間形成部材60は、d1>d2の関係を満たすよう形成されている。そのため、特定空間接続通路64は、板部61が鍔部33に当接しているときは特定空間S2に非連通であり、板部61が鍔部33から所定距離(d2)以上離間したときは特定空間S2と延伸部62の径方向外側の空間、すなわち、隙間形成部材60の外側の空間とを接続する。つまり、隙間形成部材60は、「板部61が鍔部33に当接しているときは特定空間S2に非連通であり、板部61が鍔部33から所定距離(d2)以上離間したときは特定空間S2と隙間形成部材60の外側の空間とを接続する特定空間接続通路64」を有している。
互いに当接している板部61と鍔部33とを離間させることが可能な程度より小さい電流をコイル80に流すと、板部61と鍔部33とは離間せず、特定空間接続通路64は特定空間S2に非連通のままである。そのため、可動コア40は、隙間形成部材60およびニードル30とともに開弁方向に移動する。これにより、ニードル30のシール部32が弁座14から離間し、開弁する。その結果、噴孔13が開放される。この場合、コイル80に流れる電流は小さいため、ニードル30のリフト量は小さい。そのため、噴孔13からは、微量の燃料が噴射される。
一方、互いに当接している板部61と鍔部33とを離間させることが可能な程度以上の電流をコイル80に流すと、板部61と鍔部33とが離間する。板部61と鍔部33とが所定距離(d2)以上離間すると、特定空間接続通路64により特定空間S2と隙間形成部材60の外側の空間とが接続される。そのため、特定空間接続通路64を経由して特定空間S2に燃料が流入する。これにより、隙間形成部材60は、板部61が鍔部33から離間する方向に円滑に移動する。したがって、可動コア40は、軸方向隙間CL1で加速しつつ鍔部33に衝突する。これにより、軸方向隙間CL1で加速し運動エネルギーが上昇した状態の可動コア40を鍔部33に衝突させることができるため、燃料通路100内の燃圧が高くても、ニードル30を開弁させることができる。よって、高圧の燃料を噴射可能である。
第4実施形態は、上述した点以外の構成は、第2実施形態と同様である。
以上説明したように、(1)本実施形態では、隙間形成部材60は、「板部61が鍔部33に当接しているときは特定空間S2に非連通であり、板部61が鍔部33から所定距離(d2)以上離間したときは特定空間S2と隙間形成部材60の外側の空間とを接続する特定空間接続通路64」を有している。
本実施形態では、互いに当接している板部61と鍔部33とを離間させることが可能な程度より小さい電流をコイル80に流すと、板部61と鍔部33とは離間せず、特定空間接続通路64は特定空間S2に非連通のままである。そのため、可動コア40は、隙間形成部材60およびニードル30とともに開弁方向に移動する。この場合、コイル80に流れる電流は小さく、可動コア40は軸方向隙間CL1で加速せず鍔部33に衝突しないため、ニードル30のリフト量を小さくできる。そのため、微量の燃料を高精度に噴射することができる。
一方、互いに当接している板部61と鍔部33とを離間させることが可能な程度以上の電流をコイル80に流すと、板部61と鍔部33とが離間し、特定空間接続通路64により特定空間S2と隙間形成部材60の外側の空間とが接続される。そのため、特定空間接続通路64を経由して特定空間S2に燃料が流入する。これにより、隙間形成部材60は、板部61が鍔部33から離間する方向に円滑に移動する。したがって、軸方向隙間CL1で可動コア40を加速させて鍔部33に衝突させることができる。これにより、軸方向隙間CL1で加速し運動エネルギーが上昇した状態の可動コア40を鍔部33に衝突させることができるため、燃料通路100内の燃圧が高くても、ニードル30を開弁させることができる。よって、高圧の燃料を噴射可能である。
このように、本実施形態では、第2実施形態と同様、コイル80に流す電流の大きさを調整することで、微量の燃料を高精度に噴射したり、高圧の燃料を噴射したりすることができる。
また、(2)本実施形態では、板部61が鍔部33に当接し延伸部62が可動コア40に当接しているときの鍔部33と可動コア40との距離をd1、板部61が鍔部33に当接しているときの鍔部33の板部61側の端面332と特定空間接続通路64との距離をd2とすると、鍔部33および隙間形成部材60は、d1>d2の関係を満たすよう形成されている。そのため、板部61と鍔部33とが所定距離(d2)以上離間するまでは可動コア40を軸方向隙間CL1で加速させず、板部61と鍔部33とが所定距離(d2)以上離間したときは可動コア40を軸方向隙間CL1で加速させることができる。このように、板部61と鍔部33との離間距離、すなわち、コイル80への通電量により、可動コア40の鍔部33への衝突の有無を切り替えることができる。よって、第2実施形態と同様、コイル80への通電量により、微量燃料の噴射と高圧燃料の噴射とを切り替えることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による燃料噴射装置の一部を図10に示す。第5実施形態は、鍔部33の構成等が第2実施形態と異なる。
第5実施形態では、鍔部突出部333は、板部61側の面334が曲面状に形成されている。本実施形態では、面334は、例えばニードル本体31の軸Ax2上の点を中心とする仮想の球面の一部と一致する。すなわち、面334は球面状に形成されている。
第5実施形態は、上述した点以外の構成は、第2実施形態と同様である。
第5実施形態では、鍔部突出部333の板部61側の面334は、球面状に形成されているため、板部61と面接触する。しかしながら、鍔部突出部333と板部61とが接触する面積は、第2実施形態と比べ、小さい。そのため、例えば第2実施形態と比べ、互いに当接した状態の板部61と鍔部33とが離間するときに作用するリンギング力を小さくすることができる。したがって、例えば第2実施形態と比べ、板部61と鍔部33とを離間させる場合にコイル80に流す電流を小さくすることができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による燃料噴射装置の一部を図11に示す。第6実施形態は、鍔部33の構成等が第2実施形態と異なる。
第6実施形態では、鍔部突出部333は、鍔部33の板部61側の端面332の中央から板部61側へ円錐状に突出するよう形成されている。鍔部突出部333は、頂点335が板部61の鍔部33側の端面611と点接触可能である。
第6実施形態は、上述した点以外の構成は、第2実施形態と同様である。
第6実施形態では、鍔部突出部333は、円錐状に形成されているため、頂点335が板部61と点接触する。そのため、鍔部突出部333と板部61とが接触する面積は、第2実施形態および第5実施形態と比べ、小さい。よって、例えば第2実施形態および第5実施形態と比べ、互いに当接した状態の板部61と鍔部33とが離間するときに作用するリンギング力を小さくすることができる。したがって、例えば第2実施形態および第5実施形態と比べ、板部61と鍔部33とを離間させる場合にコイル80に流す電流を小さくすることができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態による燃料噴射装置の一部を図12に示す。第7実施形態は、固定コア50の構成等が第2実施形態と異なる。
第7実施形態では、固定コア50は、ブッシュ52をさらに有している。
ブッシュ52は、例えばマルテンサイト系ステンレス等の硬度が比較的高い材料により略円筒状に形成されている。ブッシュ52は、固定コア本体51の凹部511に設けられている。ここで、ブッシュ52の内径と固定コア本体51の内径とは概ね同等である。ブッシュ52の弁座14側の端面は、固定コア本体51の弁座14側の端面よりも弁座14側に位置している。そのため、可動コア本体41の弁座14とは反対側の面402は、ブッシュ52の弁座14側の端面に当接可能である。よって、可動コア40は、ブッシュ52により、開弁方向の移動が規制される。
固定コア本体51は、凹部511から径方向外側および軸方向のアジャスティングパイプ53側へ凹むよう溝状に形成される溝部512を有している。本実施形態では、溝部512は、例えば固定コア本体51の周方向に等間隔で4つ形成されている。
燃料通路100内の隙間形成部材60の弁座14とは反対側の燃料は、溝部512とブッシュ52との間、固定コア50と可動コア40との間の隙間、および、通孔43を経由して可動コア40の弁座14側に流通可能である。このように、固定コア本体51には、燃料が流通可能な燃料流路102が形成されている。
第7実施形態は、上述した点以外の構成は、第2実施形態と同様である。
(他の実施形態)
上述の第3実施形態では、板部突出部613が円柱状に形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、板部突出部613は、鍔部33側の面614が、第5実施形態の鍔部突出部333の面334のように球面状に形成されることとしてもよい。また、板部突出部613は、第6実施形態の鍔部突出部333のように円錐状に形成されることとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、鍔部突出部333および板部突出部613は、それぞれ、端面332または端面611の任意の位置に任意の数形成されることとしてもよい。
また、上述の実施形態では、特定空間接続通路63、64を延伸部62の周方向に等間隔で4つ形成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、特定空間接続通路63、64は、延伸部62の周方向に不等間隔でいくつ形成されることとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、隙間形成部材60は、環状空間接続通路621を有していなくてもよい。
また、上述の実施形態では、特定空間S2が、特定空間接続通路が非連通のときは、密閉された空間となる例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、特定空間S2は、特定空間接続通路が非連通のとき、厳密に密閉された空間でなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ニードル30の往復移動を案内するガイド部28を備えないこととしてもよい。この場合、例えば固定コア本体51またはブッシュ52の内壁で隙間形成部材60の外壁を摺動可能に支持したり、ハウジング20の内壁で可動コア40の外壁を摺動可能に支持したりすることによりニードル30の往復移動を案内する構成を考えることができる。
また、上述の実施形態では、ノズル10とハウジング20とが別体に形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、ノズル10とハウジング20とは、一体に形成されることとしてもよい。また、第3筒部23と固定コア本体51とは、一体に形成されていてもよい。
本発明は、直噴式のガソリンエンジンに限らず、例えばポート噴射式のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等に適用してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 燃料噴射装置、10 ノズル、13 噴孔、14 弁座、20 ハウジング、30 ニードル、31 ニードル本体、32 シール部、33 鍔部、40 可動コア、50 固定コア、60 隙間形成部材、61 板部、62 延伸部、63、64 特定空間接続通路、71 スプリング(弁座側付勢部材)、80 コイル、100 燃料通路、CL1 軸方向隙間、S1 環状空間、S2 特定空間

Claims (9)

  1. 燃料が噴射される噴孔(13)、および、前記噴孔の周囲に環状に形成される弁座(14)を有するノズル(10)と、
    一端が前記ノズルに接続され、前記噴孔に連通する燃料通路(100)を内側に有する筒状のハウジング(20)と、
    棒状のニードル本体(31)、前記弁座に当接可能なよう前記ニードル本体の一端に形成されるシール部(32)、および、前記ニードル本体の他端に設けられ外径が前記ニードル本体の外径より大きい板状の鍔部(33)を有し、前記燃料通路内を往復移動可能に設けられ、前記シール部が前記弁座から離間または前記弁座に当接すると前記噴孔を開閉するニードル(30)と、
    前記ニードル本体に対し相対移動し前記弁座とは反対側の面(402)が前記鍔部の前記弁座側の面(331、34)に当接可能に設けられる可動コア(40)と、
    前記ハウジングの内側の前記可動コアに対し前記弁座とは反対側に設けられる筒状の固定コア(50)と、
    一方の端面が前記鍔部に当接可能なよう前記ニードルに対し前記弁座とは反対側に設けられる板部(61)、および、前記板部から前記弁座側へ筒状に延び前記板部とは反対側の端部が前記可動コアの前記固定コア側の面(402)に当接可能に形成される延伸部(62)を有し、前記板部が前記鍔部に当接し前記延伸部が前記可動コアに当接しているとき、前記鍔部と前記可動コアとの間に軸(Ax2)方向の隙間である軸方向隙間(CL1)を形成可能な隙間形成部材(60)と、
    前記隙間形成部材に対し前記弁座とは反対側に設けられ、前記隙間形成部材を介して前記ニードルおよび前記可動コアを前記弁座側に付勢可能な弁座側付勢部材(71)と、
    通電されると前記可動コアを前記固定コア側に吸引し、前記ニードルを前記弁座とは反対側に移動させることが可能なコイル(80)と、を備え、
    前記鍔部は、外壁が前記延伸部の内壁に摺動可能であり、「前記弁座側の面(331)」と「前記可動コアの前記弁座とは反対側の面(402)」と「前記延伸部の内壁」と「前記ニードル本体の外壁」との間に環状の空間である環状空間(S1)を形成可能であり、「前記板部側の端面(332)」と「前記板部の前記鍔部側の端面(611)」と「前記延伸部の内壁」との間に特定空間(S2)を形成可能であり、
    前記隙間形成部材は、「前記板部が前記鍔部に当接しているときは前記特定空間に非連通であり、前記板部が前記鍔部から所定距離以上離間したときは前記特定空間と前記環状空間または前記隙間形成部材の外側の空間とを接続する特定空間接続通路(63、64)」を有する燃料噴射装置(1)。
  2. 前記板部が前記鍔部に当接し前記延伸部が前記可動コアに当接しているときの前記鍔部と前記可動コアとの距離をd1、前記板部が前記鍔部に当接しているときの前記鍔部の前記板部側の端面(332)と前記特定空間接続通路との距離をd2とすると、
    前記鍔部および前記隙間形成部材は、d1>d2の関係を満たすよう形成されている請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記鍔部は、前記板部側の端面(332)から前記板部側へ突出し前記板部に当接可能な鍔部突出部(333)を有する請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記鍔部突出部は、前記板部側の面(334)が平面状に形成され、前記板部と面接触可能である請求項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記板部は、前記鍔部側の端面から前記鍔部側へ突出し前記鍔部に当接可能な板部突出部(613)を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  6. 前記板部突出部は、前記鍔部側の面(614)が平面状に形成され、前記鍔部と面接触可能である請求項5に記載の燃料噴射装置。
  7. 前記隙間形成部材は、前記環状空間と前記延伸部の径方向外側の空間とを接続する環状空間接続通路(621)を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  8. 前記隙間形成部材は、前記固定コアの内壁との間に燃料が流通可能な燃料流路(101)を形成し、
    前記可動コアは、前記弁座側の面(401)と前記固定コア側の面(402)とを接続し燃料が流通可能な通孔(43)を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  9. 前記ハウジングの内側の前記可動コアに対し前記弁座側に設けられ、内壁が前記ニードル本体の外壁と摺動し前記ニードルの往復移動を案内可能なガイド部(28)をさらに備える請求項1〜8のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
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