JP2013068125A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジンの燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁101において、噴孔801が開口するノズルボディ211先端の外壁面701は、第1形状部711および第2形状部721を有している。第2形状部721は、軸方向断面における輪郭が第1形状部711の輪郭を延長した仮想線L1に対し、図の上方に立ち上がっている。噴孔801は、出口841が第1形状部711および第2形状部721に跨って開口するように形成される。これにより、噴孔801の弁軸線Z側の第1孔壁線81と第1形状部711とがなす第1逃げ角α1、及び、噴孔801の反弁軸線Z側の第2孔壁線82と第2形状部721とがなす第2逃げ角β1がいずれも大きくなる。その結果、噴射された燃料が外壁面701に付着することによるデポジットの生成を抑制することができる。
【選択図】図4
Description
図10(a)は、例えば特許文献1の図3に開示された形状を示す。この例の燃料噴射弁901では、内壁面291および外壁面791は、弁軸線Zに直交する平面で形成されている。噴孔861は、入口側から出口側に向かって弁軸線Zから離れるように、言い換えれば「外向き」に形成されている。
図10(b)は、例えば特許文献2の図2に開示された形状を示す。この例の燃料噴射弁902では、内壁面292および外壁面792は、弁軸線Zから径外方向に向かって燃料入口側(図の上方)へ傾斜するテーパ面で形成されている。噴孔862は、内壁面292および外壁面792に略直角に貫通しており、すなわち「外向き」に形成されている。
図10(c)は、例えば特許文献3の図15に開示された形状を示す。この例の燃料噴射弁903では、外壁面793は、先端側(図の下方)に突出する凸球面で形成されている。噴孔863は、内壁面293から「外向き」に形成されている。
この場合、外壁面への燃料の付着しやすさについて、噴霧と外壁面との距離が近いほど燃料が付着しやすいと考えられる。逆に言えば、噴霧と外壁面とを可及的に遠ざけることによって、デポジットの生成を抑制することができると考えられる。
また、第1孔壁線871、872、873と外壁面791、792、793とのなす弁軸線Z側の角を「第1逃げ角(α91、α92、α93)」といい、第2孔壁線881、882、883と外壁面791、792、793とのなす反弁軸線Z側の角を「第2逃げ角(β91、β92、β93)」ということにする。
図10(a)の例では、第1逃げ角α91は約125°であり、第2逃げ角β91は約55°である。図10(b)の例では、第1逃げ角α92、第2逃げ角β92とも略直角(90°)である。図10(c)の例では、第1逃げ角α93は約110°であり、第2逃げ角β93は約75°である。
また、図10(b)の例では、第1逃げ角α92が比較的小さいため、弁軸線Z側(内側)の外壁面792にデポジットが生成しやすいと考えられる。
さらに図10(c)の例では、第2逃げ角β93が、図10(a)の第2逃げ角β91よりは大きいものの、やはり充分に大きくはない。したがって、反弁軸線Z側(外側)の外壁面793にデポジットが生成しやすいと考えられる。
このように、従来技術においては、第1逃げ角および第2逃げ角の両方を比較的大きく設定することができず、その結果、逃げ角の比較的小さい側でデポジットが生成しやすいという問題があった。
弁ボディは、内部に燃料通路を有し、軸方向の一端側に燃料入口が形成され、軸方向の他端側に内壁面と外壁面とを貫通し燃料通路から燃料が噴射される噴孔が形成される。
弁体は、弁ボディの内部に軸方向に往復移動可能に収容され、弁ボディに形成される弁座部に当接したとき燃料通路から噴孔への燃料の流出を遮断する。
そして、少なくとも1つの噴孔は、出口が第1形状部および第2形状部に跨って開口する「特定噴孔」である。より詳しく言えば、「特定噴孔」は、「外壁面における開口の弁軸線からの最近接点である第1特定点が第1形状部に含まれ、且つ、当該開口の弁軸線からの最遠隔点である第2特定点が第2形状部に含まれるように形成される噴孔」である
これにより、第1形状部および第2形状部は、第1逃げ角および第2逃げ角がいずれも比較的大きくなり、噴霧から遠ざかる。その結果、特別噴孔から噴射された燃料の付着によるデポジットの生成を抑制することができる。
噴孔をテーパ状に形成することは、開口に液膜を生成しやすくなり、液膜と空気との摩擦による微粒化が促進されるという点で望ましい。しかし、噴孔をテーパ状にすると、第1逃げ角および第2逃げ角が小さくなるため、デポジットの生成を抑制するには不利な方向に働く。
これにより、第2形状部の径外方向では傾斜部によって、さらに噴霧と外壁面とを遠ざけることができる。したがって、傾斜部でのデポジットの生成を抑制することができる。
第1形状部の具体的形状としては、凸球面以外に「弁軸線に直交する平面」や「弁軸線から径外方向に向かって燃料入口側へ傾斜するテーパ面」等が考えられる。第1形状部の形状がこれらの平面やテーパ面の場合、内壁面の形状にかかわらず、弁軸線に対する噴孔軸線の傾斜角(噴射角)を変更すると噴孔長が大きく変化するため、流路抵抗が変化し、微粒化のばらつきが生じやすくなる。それに対し、第1形状部が凸球面状に形成される場合には、弁軸線に対する噴孔軸線の傾斜角(噴射角)を変更したときの噴孔長の変化を可及的に小さくするように、内壁面の形状を含めて設定することが可能である。これにより、微粒化のばらつきを抑制することができる。
請求項5に記載の発明では、複数の噴孔は、特定噴孔と、特定噴孔以外の一般噴孔とから構成される。一般噴孔は、弁軸線からの距離が特定噴孔よりも近い位置に形成される。
例えば、燃料噴射弁がエンジンのシリンダヘッドのうち吸気バルブ側の角部に、燃焼室の軸に対して斜め向きに取り付けられる場合には、この構成が有効である。すなわち、特定噴孔からは円錐状の噴霧がシリンダブロックの内壁面に沿って下向きに噴射される。また、一般噴孔からは円錐状の噴霧が、燃焼室の中心部に向けて噴射される。
例えば、燃料噴射弁がエンジンのシリンダヘッドの中央にセンター搭載され、各噴孔から下方の燃焼室に放射状に燃料を噴射するような場合には、この構成が有効である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料噴射弁について、図1〜図4を参照して説明する。
図2は、燃料噴射弁101を搭載した直噴式ガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)60の全体構成を示す。
噴霧Foが噴射されているとき、燃料噴射弁101のシリンダヘッド61に面する外壁面と噴霧Foとの間には負圧Vcが発生する。そして、負圧Vcにより、噴霧Foの一部が吸引されて渦流れSpを形成する。すると、燃料が外壁面に付着し、デポジットを生成する可能性がある。このとき、外壁面と噴霧Foとの間隔が狭いほど負圧Vcが発生しやすく、したがってデポジットが生成されやすいと考えられる。
図1に示すように、燃料噴射弁101のハウジング11は筒状に形成されている。ハウジング11は、第一磁性部12、非磁性部13および第二磁性部14を有している。非磁性部13は、第一磁性部12と第二磁性部14との磁気的な短絡を防止する。第一磁性部12、非磁性部13および第二磁性部14は、例えばレーザ溶接等により一体に接続されている。
ノズルボディ211は、後述するニードル30の先端部34を収容する弁収容穴25を有している。弁収容穴25の内壁とニードル30の先端部34の外壁との間の空間は、燃料通路26を形成する。
また、本実施形態の噴孔801は、「外壁面701に開口する位置が特定される」ことを特徴とするため、以下、「特定噴孔801」という。この詳細については、後述する。
ニードル30は、上から順に、軸部31、頭部32、シート部33(図3参照)および先端部34を有している。ニードル30が軸方向に往復移動することで、シート部33がノズルボディ21の弁座部23(図3参照)と当接または離間し、燃料通路26から噴孔801への燃料の流通を遮断または許容する。
スプール41は、ハウジング11の径外側に設けられている。スプール41は、樹脂材で筒状に形成されており、周囲にコイル42が巻かれている。巻回されたコイル42の両端部は、コネクタ45の端子部46に電気的に接続されている。
ハウジング11を挟んでコイル42の径内側には固定コア43が設けられている。固定コア43は、例えば鉄等の磁性材料により筒状に形成され、ハウジング11に例えば圧入等によって固定されている。プレートハウジング44は、磁性材料から形成され、コイル42の径外側を覆っている。
アジャスティングパイプ19は、例えば圧入等により固定コア43に固定されており、圧入長を調整することにより、スプリング18の付勢力(荷重)が調整される。
また、燃料入口16からフィルタ17を経由してハウジング11の内部に流入した燃料は、アジャスティングパイプ19およびスプリング18の内側を通り、さらに連通孔54、及びニードル30の外側を経由して燃料通路26に至る。
図4(a)に示すように、第1実施形態の燃料噴射弁101では、ノズルボディ211の外壁面701が、弁軸線Z側から順に、凸球面状の第1形状部711、テーパ状の第2形状部721、傾斜部73および平面部74から構成されている。第2形状部721は、第1形状部711の輪郭を延長した仮想線L1に対し、上方に立ち上がっている。言い換えれば、第1形状部711と第2形状部721とは、外側に凸の境界線を構成する。
さらに平面部74は、傾斜部73の径外方向に連続して、弁軸線Zに略直交するように形成される。本実施形態では、平面部74は、燃料噴射弁101の製造時のシール性検査工程で検査治具を当接させるため等に利用される。また、本実施形態では、平面部74の高さHoは、弁座部23の軸方向高さ範囲内に含まれるように設定される。これは、平面部74を噴孔801から可及的に遠ざけるためである。
噴孔軸線Jは、弁軸線Zに対して噴射角θをなし、入口83から出口841に向かって弁軸線Zから離れている。すなわち、弁軸線Zに対し、「外向き」に形成されている。
なお、他の実施形態において、その符号の示す部分が本実施形態と異なる場合は、符号の末尾数字を変えて識別し、その符号の示す部分が本実施形態と実質的に同一である場合は、同じ末尾数字を付して示すこととする。
続いて、第1孔壁線81と第1形状部711との交点を「第1特定点P(1)」、第2孔壁線82と第2形状部712との交点を「第2特定点Q(1)」という。言い換えれば、第1特定点P(1)は、外壁面70(1)における出口開口の弁軸線Zからの最近接点であり、第2特定点Q(1)は、出口開口の弁軸線Zからの最遠隔点である。
なお、「噴孔」のうち「特定噴孔」に該当しないものを「一般噴孔」といい、後述する第7実施形態に採用される。第1〜第6実施形態では、すべての噴孔が「特定噴孔」である。
次に、上記の構成による燃料噴射弁101の作動について説明する。
コイル42への通電が停止されているとき、固定コア43と可動コア50との間に磁気吸引力は発生しない。したがって、可動コア50およびニードル30は、スプリング18の付勢力によって下方に押圧される。そして、ニードル30のシート部33が弁座部23に当接し、噴孔801からの燃料噴射が遮断される。
固定コア43と可動コア50との間に発生する磁気吸引力がスプリング18の付勢力よりも大きくなると、可動コア50およびニードル30は、上方への移動を開始する。その結果、ニードル30のシート部33は、弁座部23から離間する。
次に、本実施形態の燃料噴射弁101の効果について説明する。
(1)本実施形態では、ノズルボディ211の外壁面701に第1形状部711および第2形状部721が形成され、特定噴孔801は、出口841が第1形状部711および第2形状部721に跨って開口するように形成される。
これにより、第1形状部711および第2形状部721と噴霧Foとが遠ざかり、第1逃げ角α1および第2逃げ角β1がいずれも大きくなる。その結果、特別噴孔801から噴射された燃料の付着によるデポジットの生成を抑制することができる。
ここで、外壁面701に第1形状部711および第2形状部721が形成されず、特定噴孔80を有しない従来技術の場合、噴孔をテーパ状にすると、第1逃げ角および第2逃げ角が小さくなるため、デポジットの生成の抑制に対して不利な方向に働く。
これにより、第2形状部721の径外方向では傾斜部73によって、さらに外壁面701を噴霧Foから遠ざけることができる。したがって、傾斜部73でのデポジットの生成を抑制することができる。
このように第1形状部の形状が平面やテーパ面の場合、弁軸線Zに対する噴孔軸線Jの傾斜角(噴射角θ)を変更したときの噴孔長の変化が比較的大きくなるため、流路抵抗が大きく変化し、微粒化のばらつきが増大しやすくなる。
それに対し、本実施形態のように第1形状部711が凸球面状の場合には、弁軸線Zに対する噴孔軸線Jの傾斜角(噴射角θ)を変更したときの噴孔長の変化を可及的に小さくすることができる。よって、微粒化のばらつきを低減することができる。
上記の第1実施形態の基本例では、特定噴孔801は入口83から出口841に向かって広がるテーパ状に形成され、図4に例示される第1逃げ角α1は約115°、第2逃げ角β1は約75°である。ところで、この第1実施形態を、例えば図10(c)に示す従来技術と比較する場合、第1実施形態の特定噴孔801はテーパ穴であり、図10(c)に示す従来技術の噴孔863はストレート穴であるので、これらを単純に比較することはできない。すなわち、図10(c)に例示される第2逃げ角β93は約75°であって、第1実施形態の第2逃げ角β1と数値的には類似するが、この比較には全く意味がない。
すると、図5(a)に例示される第2逃げ角β1sは約90°であって、図10(c)に例示される第2逃げ角β93の約75°よりも大きいことが明らかである。よって、第1実施形態の変形例の燃料噴射弁101sは、従来技術の燃料噴射弁903と比べ、デポジットの生成を抑制することができると言える。
第2〜第6実施形態の第1形状部および第2形状部の形状以外は、第1実施形態と実質的に同一である。以下、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態の燃料噴射弁について、図5(b)を参照して説明する。
図5(b)に示すように、第2実施形態の燃料噴射弁102では、ノズルボディ212の外壁面702が凸球面状の第1形状部711、凸球面状の第2形状部722、傾斜部73および平面部74から構成されている。すなわち、凸球面状の第1形状部711は第1実施形態と実質的に同一である。一方、凸球面状の第2形状部722が第1実施形態のテーパ面状の第2形状部721と異なっている。しかし、第2形状部722は、第1形状部711の輪郭を延長した仮想線L1に対し上方に立ち上がっているという点で、第1実施形態と同様である。
一方、第2孔壁線82と第2形状部722との交点である第2特定点Q2、及び第2逃げ角β2は第1実施形態と異なる。図5(b)に例示される第2逃げ角β2は約95°であり、第1実施形態の第2逃げ角β1よりもさらに大きな値となっている。
第3、第4実施形態の燃料噴射弁について、図6を参照して説明する。
図6(a)に示すように、第3実施形態の燃料噴射弁103では、ノズルボディ213の外壁面703が「弁軸線Zに直交する平面状」の第1形状部713、テーパ状の第2形状部723、傾斜部73および平面部74から構成されている。
また、図6(b)に示すように、第4実施形態の燃料噴射弁104では、ノズルボディ214の外壁面704が「弁軸線Zに直交する平面状」の第1形状部713、凸球面状の第2形状部724、傾斜部73および平面部74から構成されている。
第3実施形態の第2形状部723、及び第4実施形態の第2形状部724は、いずれも共通の第1形状部713の輪郭を延長した仮想線L3に対し上方に立ち上がっている。
一方、第3実施形態の第2特定点Q3および第2逃げ角β3と、第4実施形態の第2特定点Q4および第2逃げ角β4とは互いに異なる。図6の例示によると、第3実施形態の第2逃げ角β3は約75°であり、第1実施形態の第2逃げ角β1とほぼ同じである。また、第4実施形態の第2逃げ角β4は約95°であり、第2実施形態の第2逃げ角β2とほぼ同じである。
第5、第6実施形態の燃料噴射弁について、図7を参照して説明する。
図7(a)に示すように、第5実施形態の燃料噴射弁105では、ノズルボディ215の外壁面705がテーパ状の第1形状部715、テーパ状の第2形状部725、傾斜部73および平面部74から構成されている。
また、図7(b)に示すように、第6実施形態の燃料噴射弁106では、ノズルボディ216の外壁面706がテーパ状の第1形状部716、凸球面状の第2形状部726、傾斜部73および平面部74から構成されている。
第5実施形態の第2形状部725、及び第6実施形態の第2形状部726は、いずれも共通の第1形状部715の輪郭を延長した仮想線L5に対し上方に立ち上がっている。
一方、第5実施形態の第2特定点Q5および第2逃げ角β5と、第6実施形態の第2特定点Q6および第2逃げ角β6とは互いに異なる。図7の例示によると、第5実施形態の第2逃げ角β5は約75°であり、第1実施形態の第2逃げ角β1とほぼ同じである。また、第6実施形態の第2逃げ角β6は約95°であり、第2実施形態の第2逃げ角β2とほぼ同じである。
次に、第7実施形態の燃料噴射弁について、図8、図9を参照して説明する。
図8に示すように、第7実施形態の燃料噴射弁107は、シリンダヘッド61のうち吸気バルブ68側の角部に、燃焼室64の軸に対して斜め向きに取り付けられる。また、点火装置63がシリンダヘッド61のセンター位置に設けられている。
燃料噴射弁107の先端部には、弁軸線Zから外側に向く特定噴孔80、及び、弁軸線Zに沿った方向の一般噴孔85が形成されている。特定噴孔80からは円錐状の噴霧Foがシリンダブロック62の内壁面65に沿って下向きに噴射される。また、一般噴孔85からは円錐状の噴霧Fcが、燃焼室64の中心部に向けて噴射される。
この場合、一般噴孔85から噴射される噴霧Fcについては、燃料噴射弁107の先端からほぼ直角に離れるため、渦流れによって燃料噴射弁107の外壁面701にデポジットを生成させるおそれはほとんどない。一方、特定噴孔80から外向きに噴射される噴霧Foについては、第1実施形態等と同様、負圧Vcによる渦流れによって外壁面701にデポジットを生成させるおそれがある。
したがって、外壁面701の形状、及び特定噴孔80の開口位置を第1実施形態と同様に設定することで、第1逃げ角α1および第2逃げ角β1を可及的に大きくし(図4、図5参照)デポジットの生成を抑制することができる。
すると、第3、第4実施形態(図6参照)のように第1形状部713が平面状の場合、特定噴孔の内側に設ける一般噴孔の長さは、特定噴孔の長さよりも短くなる傾向がある。また、第5、第6実施形態(図7参照)のように第1形状部715がテーパ状の場合、特定噴孔の内側に設ける一般噴孔の長さは、特定噴孔の長さよりも長くなる傾向がある。
それに対し、第1、第2実施形態(図4、図5参照)のように第1形状部711が凸球面状の場合、上述の第1実施形態の効果(4)でも説明したように、特定噴孔の内側に設ける一般噴孔の長さを特定噴孔の長さに近づけることができる。よって、微粒化のばらつきを低減することができる。
(ア)上記実施形態の説明における角度の例示は、技術的理解を助けるためのものであり、第1逃げ角、第2逃げ角等の角度の値は、当然ながらこれに限定されない。
(イ)特定噴孔の軸方向断面形状について、上記実施形態の説明では入口から出口に向かって広がるテーパ状の穴の場合とストレート穴の場合とを示したが、これ以外の形状、例えば、入口から出口に向かって狭まるテーパ状の穴等であってもよい。
また、平面部を設ける場合、平面部の高さHoは、上記実施形態のように弁座部23の軸方向の範囲内に限らない。例えば、先端部にサック部が形成される燃料噴射弁では弁座部の軸方向位置が燃料入口側にシフトすることになるが、このような場合に弁座部の位置を基準として平面部の高さを設定する必要はない。すなわち、本発明で要点となるのは、噴孔の出口位置に対し、噴孔出口以外の外壁面を構成する傾斜部73や平面部74が可及的に離れていることであって、弁座部の位置には特に技術的意味はない。
(オ)「弁ボディ」は、ハウジング11、ノズルホルダ20およびノズルボディ21の3部材で構成されるものに限らず、2部材以下もしくは4部材以上で構成されてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
11 ・・・ハウジング(弁ボディ)、
16 ・・・燃料入口、
20 ・・・ノズルホルダ(弁ボディ)、
211〜217 ・・・ノズルボディ(弁ボディ)、
22 ・・・内壁面、
23 ・・・弁座部、
26 ・・・燃料通路、
701〜706 ・・・外壁面、
711、713、715 ・・・第1形状部、
721〜726 ・・・第2形状部、
73 ・・・傾斜部、
74 ・・・平面部、
80、801〜806 ・・・噴孔、特定噴孔、
81〜81 ・・・第1孔壁線、
82〜82 ・・・第2孔壁線、
83 ・・・入口、
841〜846 ・・・出口、
85 ・・・噴孔、一般噴孔、
Z ・・・弁軸線、
J ・・・噴孔軸線、
K ・・・仮想円、
L1〜L6 ・・・第1形状部の仮想線、
P1、P3、P5 ・・・第1特定点、
Q1〜Q6 ・・・第2特定点、
α1〜α6 ・・・第1逃げ角、
β1〜β6 ・・・第2逃げ角。
Claims (6)
- 内部に燃料通路を有し、軸方向の一端側に燃料入口が形成され、軸方向の他端側に内壁面と外壁面とを貫通し前記燃料通路から燃料が噴射される噴孔が形成される弁ボディと、
前記弁ボディの内部に軸方向に往復移動可能に収容され、前記弁ボディに形成される弁座部に当接したとき前記燃料通路から前記噴孔への燃料の流出を遮断する弁体と、
を備え、
前記噴孔の出口が開口する前記弁ボディの前記外壁面は、弁軸線の周囲に形成される第1形状部、及び、前記第1形状部の径外方向に連続して形成され軸方向断面における輪郭が前記第1形状部の輪郭を延長した仮想線に対し軸方向の前記燃料入口側に立ち上がる第2形状部を有しており、
少なくとも1つの前記噴孔は、出口が前記第1形状部および前記第2形状部に跨って開口するように形成される特定噴孔であることを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記特定噴孔は、入口から出口に向かって当該特定噴孔の中心線である噴孔軸線が弁軸線から離れ、且つ、入口から出口に向かってテーパ状に広がることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記弁ボディの前記外壁面は、前記第2形状部の径外方向に、径外方向に向かうにつれて軸方向の前記燃料入口側に近づく傾斜部を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射弁。
- 前記第1形状部は、凸球面状に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記弁ボディは、前記噴孔が複数形成されており、
前記特定噴孔以外の一般噴孔は、弁軸線からの距離が前記特定噴孔よりも近い位置に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。 - 前記弁ボディは、前記噴孔が複数形成されており、
すべての前記噴孔が前記特定噴孔であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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