JP2010024961A - ノズルボディの製造方法及び内面研磨用治具並びにノズルボディ - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルボディの疲労破壊強度を容易に向上させることができるノズルボディの製造方法、及びそのような製造方法に好適に使用可能な研磨用治具、並びに疲労破壊強度の高いノズルボディを提供する。
【解決手段】ニードル収容孔と、ニードル収容孔の中間位置に設けられた燃料溜まりと、ニードル収容孔の後端側に並設されて燃料溜まりに開口する燃料通路孔とを備え、ニードル収容孔の燃料溜まりより先端側にバルブシート面が設けられ、ニードル収容孔の燃料溜まりより後端側に、ノズルニードルが摺動可能なガイド面が設けられたノズルボディの製造方法であって、ガイド面を筒状の被覆治具により被覆するとともに、燃料溜まりよりバルブシート面側のニードル収容孔を閉塞治具により閉塞し、被覆治具内に流動性研磨材を流入させて、燃料通路孔から流出させることで、ニードル収容孔と燃料通路孔との間に形成された壁部の燃料溜まり側の端部を研磨する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射弁に使用されるノズルボディの製造方法、内面研磨用治具及びノズルボディに関する。特に、耐久性を高めることができるノズルボディの製造方法、当該ノズルボディの製造方法に使用できる内面研磨用治具、並びにノズルボディの製造方法により製造されるノズルボディに関する。
従来、高圧燃料を噴射する燃料噴射弁として、先端側に高圧燃料の噴射開口を有し、内部に噴射開口までの高圧燃料の流路を備えるとともに噴射開口を開閉するノズルニードルを収容したノズルボディを備えたものが多用されている。
このノズルボディは、噴射開口と連通するように後端から貫通して設けられ、ノズルニードルが摺動可能に収容されるニードル収容孔と、ニードル収容孔の中間位置に設けられた燃料溜まりと、ニードル収容孔に併設されて燃料溜まりに開口する燃料通路孔とを備えた構成となっている。ニードル収容孔の燃料溜まりより先端側には、ノズルニードルが着座して噴射開口を閉塞する精密なバルブシート面が設けられており、燃料溜まりより後端側には、ノズルニードルが摺動可能な精密なガイド面が設けられている。
このようなノズルボディは、内部の構造が複雑であるとともに、ノズルボディの内部に高圧燃料が供給されて使用されるものであるため、所定箇所に応力が集中しやすく、高い圧力に対する十分な強度を確保する必要がある。特に、ニードル収容孔と燃料通路孔との間に挟まれた位置に形成される壁部の燃料溜まり側の端部、特に、壁部の端部のうちの燃料通路孔側の縁部は、鋭角に形成されやすく、高圧燃料が供給されて使用される際に構造上応力が集中して疲労破壊の起点となりやすい。
そのため、ノズルボディの強度を確保するための加工方法や構造等が従来より多数提案されている。例えば、燃料溜まりと燃料通路孔との接続部の交差角度を90度以上とすることで耐久性の向上を図るようにした技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、鋼からなるノズルボディを特定の方法で浸炭処理することで形状安定性や耐摩耗性の向上を図り、浸炭処理後にバルブシート面やガイド面の精密な研削を施すようにした技術も提案されている(特許文献2参照)。
特開2006−194173号公報 特開2004−538423号公報
ところで、近年では、内燃機関から排出される排気ガスの浄化基準が高まっていることに伴い、内燃機関の気筒内に噴射される高圧燃料の圧力がより高くなりつつある。このような噴射燃料の高圧化の要請は、車両用の内燃機関のみならず、発電機等の産業機械に用いられる内燃機関においても同様である。そのため、従来の各種の製造方法では、ニードル収容孔と燃料通路孔との間の壁部の疲労破壊強度を十分に確保することが困難となってきている。
例えば、特許文献1等では、燃料溜まりと燃料通路孔とを中ぐり加工により連通させると、連通開口部分に明確な縁部が形成されやすい。また、電解加工により連通させると、明確な縁部は形成され難いものの、加工面の表面肌荒れや、表面の金属組織の不安定化、孔食などが生じて微細な損傷部位が形成されやすい。
さらに、特許文献2のように、浸炭処理を施す場合、真空浸炭処理では、表面にセメンタイトの金属組織が析出しやすく、また、設備が大掛かりになってコストが嵩みやすい一方、大気浸炭処理では、表面に粒界酸化層が生成されやすいという問題がある。
このような明確な縁部、微細な損傷部位、粒界酸化層などが壁部の端部に残留すると、高圧燃料が供給されて使用された際に疲労破壊の起点となりやすく、ノズルボディの疲労破壊強度が低下しやすくなる。
ニードル収容孔のうち、ノズルニードルが摺動可能なガイド面や、ノズルニードルが着座するバルブシート面については、高精度の表面処理方法によって精密な表面研磨が施されるものの、壁部の燃料溜まり側の端部は、応力が集中しやすいにもかかわらず、精密な研磨処理を施しにくい部位となっている。
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、所定の治具を用いて、ニードル収容孔から燃料通路孔へと流動性研磨剤を流動させることによりこのような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、ノズルボディの疲労破壊強度を容易に向上させることができるノズルボディの製造方法、及びそのような製造方法に好適に使用可能な研磨用治具を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、疲労破壊強度の向上が図られたノズルボディを提供することである。
本発明によれば、先端側に設けられた高圧燃料の噴射開口と、噴射開口と連通するように後端から貫通して設けられ、ノズルニードルが収容されるニードル収容孔と、ニードル収容孔の中間位置に設けられた燃料溜まりと、ニードル収容孔の後端側に並設されて燃料溜まりに開口する燃料通路孔とを備え、ニードル収容孔の燃料溜まりより先端側に、ノズルニードルが着座することで噴射開口を閉塞可能なバルブシート面が設けられ、ニードル収容孔の燃料溜まりより後端側に、ノズルニードルが摺動可能なガイド面が設けられたノズルボディの製造方法であって、ガイド面を筒状の被覆治具により被覆するとともに、燃料溜まりよりバルブシート面側のニードル収容孔を閉塞治具により閉塞し、被覆治具内に流動性研磨材を流入させて、燃料通路孔から流出させることで、ニードル収容孔と燃料通路孔との間に形成された壁部の燃料溜まり側の端部を研磨することを特徴とするノズルボディの製造方法が提供され、上述した問題を解決することができる。
本発明のノズルボディの製造方法を実施するにあたり、大気浸炭処理された壁部の燃料溜まり側の端部を流動性研磨材により研磨することが好ましい。
また、本発明のノズルボディの製造方法を実施するにあたり、閉塞治具が、バルブシート面に密着して配置される先端密着部を有することが好ましい。
また、本発明のノズルボディの製造方法を実施するにあたり、閉塞治具が、燃料溜まり内に突出して配置される突出部を有することが好ましい。
本発明の別の態様は、先端開口と連通するように後端から貫通して設けられ、先端開口側に軸線と交差方向に形成された所定精度の交差面を有するとともに、後端側に軸線に沿う所定精度の内周面を有する第1の貫通孔と、第1の貫通孔の後端側に並設され、第1の貫通孔の交差面と内周面との間の連通部に開口した第2の貫通孔とを備えた部材における、第1の貫通孔と第2の貫通孔とに流動性研磨材を流動させて内面を研磨するための内面研磨用治具であって、内周面を被覆する筒状の被覆治具と、被覆治具とは別体に形成され、連通部より交差面側の第1の貫通孔を閉塞する閉塞治具とを備えるとともに、閉塞治具が、交差面に密着して配置される先端密着部と、連通部内に突出して配置される突出部とを有することを特徴とする内面研磨用治具が提供され、上述した問題を解決することができる。
本発明の内面研磨用治具を構成するにあたり、閉塞治具が、先端密着部及び突出部を備えた閉塞治具本体と、閉塞治具本体に連結され、被覆治具内に間隙を有して配置される後端支持部とを有し、後端支持部が、先端密着部を交差面に密着させた状態で、第1の貫通孔の後端から突出する長さに形成されていることが好ましい。
本発明のさらに別の態様は、先端側に設けられた高圧燃料の噴射開口と、噴射開口と連通するように後端から貫通して設けられ、ノズルニードルが収容されるニードル収容孔と、ニードル収容孔の中間位置に設けられた燃料溜まりと、ニードル収容孔の後端側に並設されて燃料溜まりに開口する燃料通路孔とを備え、ニードル収容孔の燃料溜まりより先端側に、ノズルニードルが着座することで噴射開口を閉塞可能なバルブシート面が設けられ、ニードル収容孔の燃料溜まりより後端側に、ノズルニードルが摺動可能なガイド面が設けられたノズルボディであって、ニードル収容孔と燃料通路孔との間に形成された壁部の燃料溜まり側の端部表面が、浸炭層の研磨面からなることを特徴とするノズルボディが提供され、上述した問題を解決することができる。
本発明のノズルボディの製造方法によれば、ニードル収容孔のガイド面を筒状の被覆治具で被覆するとともに、燃料溜まりよりバルブシート面側のニードル収容孔を閉塞治具で閉塞し、被覆治具内に流動性研磨材を流入させて燃料通路孔から流出させることによって、ニードル収容孔と燃料通路孔との間の壁部の端部を研磨するため、流動性研磨材を壁部の端部側に沿って流動させることができ、壁部の端部を容易にかつ十分に研磨することができる。そのため、高圧燃料が供給されて使用された際に応力が集中しやすい、ニードル収容孔と燃料通路孔との間の壁部の端部に存在する微小な損傷部位や金属組織を十分に除去することができ、得られるノズルボディの疲労破壊強度を容易に向上させることができる。
しかも、精密に形成されたガイド面やバルブシート面の精度を悪化させることがないため、ガイド面やバルブシート面の精密な研磨処理後に、壁部の端部の疲労破壊強度を向上させることも可能であり、加工順序の自由度を大きくでき、また、既に製造されたノズルボディに追加工して疲労破壊強度を向上させることもできる。
また、本発明のノズルボディの製造方法において、大気浸炭処理された壁部の端部を流動性研磨材により研磨することにより、ニードル収容孔と燃料通路孔との間の壁部の端部において大気浸炭処理で生じた疲労破壊の起点となりやすい粒界酸化層を十分に研磨して除去することができるため、真空浸炭のような複雑な設備や処理が不要であり、より容易にノズルボディの疲労破壊強度を向上させることができる。
また、本発明のノズルボディの製造方法において、閉塞治具がバルブシート面に密着して配置される先端密着部を有することにより、流動性研磨材が流動される際、送り込まれる流動性研磨材の圧力で、先端密着部がバルブシート面側に付勢され、閉塞治具の先端密着部をバルブシート面に確実に密着させることができる。そのため、研磨中にバルブシート面の精度が低下することを防ぐことができる。
また、本発明のノズルボディの製造方法において、閉塞治具が燃料溜まり内に突出して配置される突出部を有することにより、ニードル収容孔と燃料通路孔との間の壁部の端部が接する空間や間隙を、燃料溜まりの大きさよりも狭めることができる。そのため、流動性研磨材を流動させた際、この壁部の端部に直接接触する流動性研磨材の量を多くすることができ、壁部の端部をより確実に研磨しやすくすることができる。
また、本発明の内面研磨用治具によれば、第1の貫通孔の内周面を被覆する筒状の被覆治具と、連通部より交差面側を閉塞する閉塞治具とを備えているため、第1の貫通孔に被覆治具と閉塞治具とを配置して被覆治具内に流動性研磨材を流入させて第2の貫通孔から流出させれば、流動性研磨材を壁部の端部側に沿って流動させることができ、第1の貫通孔と第2の貫通孔との間の壁部の端部を十分に研磨することができる。しかも、所定精度の交差面や内周面が流動性研磨材により研磨されることがないので、内周面や交差面の精密な研磨処理後に、壁部の端部を研磨することができ、加工順序の自由度を大きくできる。
また、本発明の内面研磨用治具において、閉塞治具が先端密着部及び突出部を備えた閉塞治具本体と、閉塞治具本体に連結された後端支持部とを有するため、後端支持部を被覆治具内に配置することで、被覆治具の先端に閉塞治具本体を安定して載置することができる。したがって、部材への装着時には、被覆治具と閉塞治具とを合わせて第1の貫通孔に収容することができ、内面研磨用治具の部材への装着を容易に行うことができる。
また、閉塞治具の後端支持部が、第1の貫通孔の後端から突出するように構成されていることから、研磨処理を終えた後、部材からの閉塞治具の脱離を容易に行うことができる。
また、本発明のノズルボディによれば、ニードル収容孔と燃料通路孔との間の壁部の燃料溜まり側の端部表面が浸炭層の研磨面からなるので、浸炭処理により生じたセメンタイトの金属組織や粒界酸化層が浸炭層の表面に残留することを防止することができる。そのため、高圧燃料が供給されて使用される際、疲労破壊の起点となるような微細な損傷部位や金属組織を少なく抑えることができ、応力が集中しやすい壁部の端部の十分な硬度や靱性を確保して、ノズルボディの疲労破壊強度を向上することが可能である。
以下、本発明のノズルボディの製造方法及び内面研磨用治具並びにノズルボディについて説明する。ただし、以下に説明する実施の形態は本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものについては同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
[第1の実施の形態]
1.ノズルボディ
まず、本発明の第1の実施の形態に係るノズルボディについて図1及び図2を参照して説明する。
ノズルボディ11は、先端側に高圧燃料の噴射開口13が設けられ、後端にインジェクタハウジング15が接合されるとともに、内部にノズルニードル17が収容された状態で燃料噴射弁10を構成するものである。この燃料噴射弁10は、図示しないディーゼルエンジンの燃焼室に噴射開口13を露出した状態で装着されて使用されるものである。燃料噴射弁10の形式はジャーク式、蓄圧式等をはじめとして特に制限されるものではなく、また、噴射開口13の形式もスロットルピントルノズル式、ホールノズル式等をはじめとして特に制限されるものではない。
ノズルボディ11が接合されるインジェクタハウジング15は、高圧燃料が供給される燃料供給路19を備えるとともに、ノズルニードル17を軸方向に移動可能にするためのニードル動作手段21を備える。ニードル動作手段21は、例えば、バルブピストン、プッシュロッド、バネ等の付勢手段、背圧制御手段、電磁弁などが適宜設けられて構成されている。
本実施形態のノズルボディ11は、噴射開口13と連通するとともにノズルニードル17が収容されたニードル収容孔31と、ニードル収容孔31の中間位置に設けられた燃料溜まり33と、ニードル収容孔31の後端側に並設されて燃料溜まり33に開口する燃料通路孔35とを備えている。そして、後端面37がインジェクタハウジング15の先端側端面25の所定位置に位置決め部材27により位置決めされた状態で密着してノズルナット23により固定可能に構成されている。
このうち、ニードル収容孔31が本発明の第1の貫通孔に相当し、燃料通路孔35が本発明の第2の貫通孔に相当する。
ニードル収容孔31は、後端面37のニードル動作手段21との対応位置に開口する後端開口39から噴射開口13と連通する位置まで貫通して設けられている。中間位置の燃料溜まり33より後端開口39側には、ノズルニードル17の摺動部17aを摺動可能に支持するガイド面41が設けられている。ガイド面41は精密な研磨が施された所定精度の研磨面からなる。また、燃料溜まり33より先端側の噴射開口13に近接する位置には、バルブシート面43が設けられている。バルブシート面43も精密な研磨が施された所定精度の研磨面からなり、ノズルニードル17の先端のニードルシート面17bが着座することで、全周にわたり例えば線接触して噴射開口13を閉塞可能となっている。
燃料溜まり33は、ニードル収容孔31と連続する拡大空間として形成され、ニードル収容孔31の一方側に略半球面形状に形成された第1空間45と、ニードル収容孔31の周囲にガイド面41より大きく形成されて第1空間45と連続した第2空間47とからなる。
燃料通路孔35は、後端面37の燃料供給路19との対応位置に開口する燃料導入口44から、燃料溜まり33の第1空間45に開口する貫通開口49まで貫通して設けられている。燃料通路孔35がニードル収容孔31に並設されることで、燃料通路孔35とニードル収容孔31との間に挟まれた壁部51が形成されており、壁部51の端部51aが燃料溜まり33に隣接している。
そして、このノズルボディ11では、燃料溜まり33の内壁面と、燃料通路孔35の内壁面、ニードル収容孔31の内壁面、噴射開口13の内壁面が研磨面により構成されている。研磨面により構成することで、高圧で使用された際に応力が集中して疲労破壊の起点となりやすい表面の微細な構造を少なく抑えやすいからである。
この発明では、少なくとも燃料溜まり33に隣接する壁部51の端部51aにおいて、燃料溜まり33の内壁面と燃料通路孔35の内壁面とが連続する縁部E近傍の表面が確実に研磨されていることが必要であり、好ましくは、燃料溜まり33に隣接する壁部51の端部51aの全面が確実に研磨されていることが好適である。ここで、壁部51の端部51aとは、明確に区画される領域としては存在しないが、少なくとも、壁部51のうちの、ニードル収容孔31の内壁面の軸方向断面が直線形状の部位と、燃料通路孔35の内壁面の軸方向断面が直線形状の部位との間に存在する領域が含まれる。
このような部位に疲労破壊の起点となりやすい微細な構造が存在すると、ノズルボディ11の疲労破壊強度を低下させやすい。特に、燃料溜まり33の内壁面と燃料通路孔35の内壁面とが連続する部位では、両内壁間の角度が燃料溜まり33の内壁面とニードル収容孔31の内壁面との間の角度より小さくなり、90°未満となりやすいため、使用時に応力が集中しやすい。そのため、これらの部位の表面を研磨面とすることで、疲労破壊強度を向上することが可能となる。しかも、これらの部位が研磨面とされることで、縁部の表面に角部が存在しない曲面形状となるため、疲労破壊強度をより向上させることが可能となる。
また、このノズルボディ11は、全体が鋼からなるとともに、硬度を確保することなどを目的として、全表面及び全内壁面が浸炭層により構成されている。ニードル収容孔31、燃料溜まり33、及び燃料通路孔35の研磨面は、浸炭層が研磨された面からなり、研磨面全面において、浸炭層が連続し、欠損部位が存在しないことが好ましい。研磨面全体で強度のバランスを保ちやすく、疲労破壊強度を向上しやすいからである。さらに、少なくとも燃料溜まり33に隣接する壁部51の端部51aの研磨面、好ましくは全ての研磨面が、表面に粒界酸化層が存在しない緻密な浸炭層からなることが好適である。より滑らかな表面粗さを確保できるからである。
以上のような構成のノズルボディ11によれば、ニードル収容孔31と燃料通路孔35との間の壁部51の燃料溜まり33側の端部51a表面が浸炭層の研磨面からなるので、各種の浸炭処理により生じたセメンタイトの金属組織や粒界酸化層が、浸炭層の表面に残留することが防止されている。そのため、高圧燃料が供給されて使用される際、疲労破壊の起点となるような微細な損傷部位や金属組織を少なく抑えることができ、応力が集中しやすい壁部51の端部51aの十分な硬度や靱性を確保して、ノズルボディ11の疲労破壊強度を向上することが可能である。
2.ノズルボディの製造方法
次に、本実施形態のノズルボディ11の製造方法について、図3及び図4を用いて説明する。
本実施形態のノズルボディ11は、各部を形成加工する加工工程と、熱処理を施す熱処理工程と、各部を研磨する仕上工程とを含む多数の工程により製造される。
まず、加工工程では、所定の鋼材料から、外形、噴射開口13、ニードル収容孔31、燃料溜まり33、燃料通路孔35等の各部を所定形状に加工する。各部の加工方法や加工順序等は特に限定されるものではない。本実施形態では、ニードル収容孔31、燃料溜まり33の第2空間47、及び燃料通路孔35は、後端面37側から孔加工、中ぐり加工等の機械加工により形成し、噴射開口13はニードル収容孔31から連通するように電解加工により形成し、燃料溜まり33の第1空間は燃料通路孔35を開口させるように電解加工により形成する。
次いで、熱処理工程では、浸炭処理などを施すことで、ノズルボディ11の硬度及び靱性などを向上させる。本実施形態では、大気浸炭処理を施す。大気浸炭処理は、真空浸炭処理等に比べ、簡易な設備により行うことができて処理が容易であり、また、表面に析出されるセメンタイトを抑えやすいからである。
次いで、仕上工程では、ニードル収容孔31のガイド面41やバルブシート面43等の極めて高い精度が要求される各部を所定精度に仕上げる精密研磨と、燃料溜まり33や燃料通路孔35等に流動性研磨材を流動させて内壁面を仕上げる流体研磨とを行う。本実施形態では、公知の方法による精密研磨を施した後で、特定の方法で流体研磨を行う。
流体研磨では、所定精度に精密研磨された研磨面を除く内壁面のうち、得られるノズルボディ11の疲労破壊強度に影響を与えやすい部位の内表面を確実に研磨することが必要であり、具体的には、壁部51の燃料溜まり33側の端部51a、特に、燃料通路孔35と燃料溜まり33との間の縁部Eの表面を確実に研磨する。本実施形態では、燃料溜まり33及び燃料通路孔35の内壁面全面を研磨する。
この流体研磨では、表面の微細な凹凸や角部を除去するとともに、加工工程や熱処理工程において形成された疲労破壊の起点となりやすい表面の損傷や金属組織などを出来るだけ除去する。例えば、加工工程の電解加工により生じた孔食、表面肌荒れ、不安定な金属組織等を除去する。また、熱処理工程の大気浸炭処理により生じた粒界酸化層を出来るだけ除去する。本実施形態では、少なくとも壁部51の燃料溜まり33側の端部51aの表面に、これらが残留しない程度まで流体研磨を行う。
このような流体研磨は、図3に示すように、ノズルボディ11を研磨装置55に装着し、ノズルボディ11の内部に内面研磨用治具57を装着した状態で、流動性研磨材を流動させることで行う。
使用される流動性研磨材は、流動させることで、ノズルボディ11の内表面を研磨可能なものであればよく、例えば、固体研磨材の微粒子を液体中に分散させた分散液、固体研磨材の微粒子を混練したペーストなどである。これらでは、流動性研磨材の材質や粒径、混合割合などを適宜選択することで、研磨量や研磨面の表面粗さなどを調整することが可能である。
特に、固体研磨材を混練したペーストであれば、流動性研磨材を流動させる経路が湾曲或いは屈曲することで遠心力等が作用するような場合であっても、固体研磨材の均一な分散状態を維持しやすいため好適である。また、このようなペーストであれば、ノズルボディ11と内面研磨用治具57との隙間に浸透して、ガイド面41やバルブシート面43を損傷させるおそれもない。
使用される研磨装置55は、ノズルボディ11を固定するベース部59と、ベース部59に固定されたノズルボディ11を収容して外側から支持する収容カバー部61と、ベース部59に固定されたノズルボディ11に流動性研磨材を供給する流動性研磨材供給部63とを備える。
ベース部59には、ノズルボディ11の後端面37を密着固定する固定部67が設けられるとともに、流動性研磨材供給部63からノズルボディ11のニードル収容孔31に連通する被覆治具挿入孔69が設けられている。また、燃料通路孔35に対応する位置に流動性研磨材を系外へ排出するための排出流路71が設けられている。被覆治具挿入孔69は、ニードル収容孔31と同軸に同一径で形成されている。
流動性研磨材供給部63は、流動性研磨材を加圧してベース部59の被覆治具挿入孔69に供給可能な装置であればよく、図3では、流動性研磨材を収容可能で被覆治具挿入孔69に連通するシリンダ63a及びピストン63bを備えている。
流体研磨に使用される内面研磨用治具57は、第1の貫通孔としてのニードル収容孔31に配置され、内周面としてのガイド面41を被覆する筒状の被覆治具73と、被覆治具73とは別体に形成され、連通部としての燃料溜まり33より先端側のニードル収容孔31を閉塞する閉塞治具75とを備える。
被覆治具73は、樹脂等により形成され、研磨装置55のベース部59に係止される係止部77と、ベース部59の被覆治具挿入孔69内及びノズルボディ11のニードル収容孔31内に配置される被覆部79とを備える。被覆部79の外周面がガイド面41に接して配置されることで、後端開口39から連続してガイド面41が被覆部79により被覆される。
閉塞治具75は、金属等により形成され、閉塞治具本体81と、閉塞治具本体81に連結されて、筒状の被覆治具73内に配置される後端支持部83とを有する。閉塞治具本体81は、交差面としてのバルブシート面43に密着して配置される先端密着部85と、燃料溜まり33内に突出した状態で配置される突出部87とを有する。また、後端支持部83は、被覆治具73の内表面との間に流動性研磨材が十分に流動可能な間隙を形成できる形状を有する。ここでは、先端密着部85をバルブシート面43に密着させた状態で、後端がニードル収容孔31の後端開口39から外側に突出して配置される長さに形成されている。
このような研磨装置55及び内面研磨用治具57を用いて、ノズルボディ11内部の流体研磨を行うには、まず、被覆治具73をベース部59の被覆治具挿入孔69に挿入した後、ベース部59を流動性研磨材供給部63上に連結する。次いで、被覆治具73の被覆部79内に閉塞治具75の後端支持部83を挿入して被覆部79の頂部に閉塞治具本体81を載置する。
次いで、ノズルボディ11のニードル収容孔31内に閉塞治具75及び被覆治具73を挿入させながら、ノズルボディ11の後端面37を、位置決め部材65により位置決めしつつベース部59の固定部67に密着固定する。これによって、被覆治具73の被覆部79によりニードル収容孔31のガイド面41全面が後端開口39から連続して被覆されるとともに、ベース部59の排出流路71が燃料流路孔35と連通した状態となる。また、収容カバー部61をベース部59に装着して、ノズルボディ11を収容カバー部61に収容するとともに外側から支持させる。これにより準備が完了する。
準備が完了した後、流動性研磨材供給部63から流動性研磨材を被覆治具73の内側に加圧して供給すると、被覆治具73内を流動してそのままニードル収容孔31の被覆部79内に流入し、燃料溜まり33まで流動する。
このとき、閉塞治具75が流動性研磨材によって押し上げられ、ニードル収容孔31内を噴射開口13側に移動し、先端密着部85がバルブシート面43に当接される。これにより、燃料溜まり33よりバルブシート面43側が閉塞治具75により閉塞される。
閉塞治具75が押し上げられる際、流動性研磨材がペーストの場合、高粘度であるため、流動性研磨材により後端支持部83の下端を押し上げることができ、流動性研磨材が燃料溜まり33に到達する以前に、先端密着面85がバルブシート面83に当接される。
また、閉塞治具75の後端支持部83が被覆治具73の被覆部79内で移動することで、燃料溜まり33内で閉塞治具本体81が大きく傾くことなく閉塞治具本体81の移動を案内することができる。
燃料溜まり33に到達した流動性研磨材は、図4に示すように、燃料溜まり33より先端側が閉塞治具本体81により閉塞されているので、燃料溜まり33より先端側への流入は阻止され、燃料通路孔35内を流動し、燃料通路孔35からベース部59の排出流路71に流出することで排出される。このような流動性研磨材の流動により、研磨を開始する。
研磨処理中においては、流動性研磨材が被覆治具73の外側へ供給されることはなく、さらに、ニードル収容孔31のガイド面41の全面が被覆部79により被覆されているため、流動性研磨材はガイド面41に直接接触せず、ガイド面41は研磨されない状態で維持される。
また、流動性研磨材が流動する圧力によって閉塞治具本体81の突出部87が押され、閉塞治具本体81がバルブシート面43に向けて付勢されるため、先端密着部85がバルブシート面43に確実に密着されている。そのため、バルブシート面43に流動性研磨材が接触することが確実に阻止され、バルブシート面43が研磨されない状態で維持される。
そして、この研磨処理中には、図4に示すように、閉塞治具本体81の突出部87が燃料溜まり33内に突出した状態で配置されており、壁部51の端部51aが接する空間や間隙が燃料溜まり33よりも狭められた状態となっている。そのため、ニードル収容孔31と燃料通路孔35との間に形成されている壁部51の燃料溜まり33側の端部51aに、より多くの流動性研磨材が直接接触して流動する。
ここでは、ニードル収容孔31と燃料通路孔35との間に形成されている壁部51の燃料溜まり33側の端部51aに直接接触して流動する流動性研磨材の量が十分なものとなるように、突出部87の突出量や形状が調整されている。この突出量や形状は燃料溜まり33の形状や大きさなどに応じて適宜選択することができる。
その結果、流動性研磨材が燃料溜まり33内に流入し、貫通開口49を通して燃料通路孔35に流出することで、燃料溜まり33の内壁面が適度に研磨されるとともに、壁部51の燃料溜まり33側の端部51a、特に、燃料溜まり33と燃料通路孔35との間の縁部Eが十分に研磨される。
このような流動性研磨材の流動を連続して所定時間継続する。これにより、壁部51の端部51aの表面に存在する微細な凹凸や不安定な金属組織と浸炭層の粒界酸化層を十分に除去する。
所定時間流動性研磨材を流動させた後、流動性研磨材の供給を停止し、収容カバー部61を外し、ノズルボディ11をベース部59から離脱させる。これにより、ベース部59に係止されている被覆治具73はニードル収容孔31から離脱される。その後、ノズルボディ11の後端開口39から露出している閉塞治具75の後端支持部83を支持して引き出すことで、閉塞治具75をニードル収容孔31から容易に脱離することができる。
これにより、ノズルボディ11の流体研磨を終了し、後工程がある場合には、後工程を施すことにより、ノズルボディ11を製造することができる。
以上のようにしてノズルボディ11を製造する製造方法によれば、ニードル収容孔31のガイド面41を筒状の被覆治具73により被覆するとともに、燃料溜まり33よりバルブシート面43側を閉塞治具75により閉塞し、被覆治具73内に流動性研磨材を流入させて燃料通路孔35から流出させることで、ニードル収容孔31と燃料通路孔35との間の壁部51の端部51aを研磨するので、流動性研磨材の全量を壁部51の端部51a側に沿って流動させることができ、容易に壁部51の端部51a、特に、燃料溜まり33と燃料通路孔35との間の縁部Eを十分に研磨することができる。
そのため、高圧燃料が供給されて使用された際、応力が集中しやすいニードル収容孔31と燃料通路孔35との間の壁部51の端部51aに存在する疲労破壊の起点となる微小な損傷部位や金属組織を十分に除去することができ、得られるノズルボディ11の疲労破壊強度を容易に向上することができる。
しかも、精密に形成されたガイド面41やバルブシート面43の精度を悪化させることがないため、ガイド面41やバルブシート面43を精密な研磨後に、壁部51の端部51aの疲労破壊強度を向上することも可能であり、加工順序の自由度を大きくできる。さらに、既に製造されたノズルボディ11や、既に使用中のノズルボディ11に対しても追加工することも可能である。
また、大気浸炭処理された壁部51を流動性研磨材により研磨するので、真空浸炭のような複雑な設備や処理が不要であり、より容易にノズルボディ11の疲労破壊強度を向上することができる。
さらに、流体研磨に使用する閉塞治具75が、バルブシート面43に密着して配置される先端密着部85を有するものであるので、流動性研磨材が流動される際、先端密着部85をバルブシート面43側に付勢して確実に密着させることができるため、研磨中にバルブシート面43の精度をより確実に維持しやすい。
また、流体研磨に使用する閉塞治具75が燃料溜まり33内に突出して配置される突出部87を有するものであるので、閉塞治具75の突出部87により、ニードル収容孔31と燃料通路孔35との間の壁部51の端部51aが接する空間や間隙を、燃料溜まり33より狭めることができる。そのため、流動性研磨材を流動させた際、壁部51の端部51aに直接接触する流動性研磨材の量を多くすることができ、壁部51の端部51aをより確実に研磨しやすくすることができる。
さらに、流体研磨に使用する閉塞治具75が、先端密着部85及び突出部87を備えた閉塞治具本体81と、閉塞治具本体81に連結された後端支持部83とを有するので、装着時に、後端支持部83を被覆治具73内に配置することで、被覆治具73の先端に閉塞治具本体81を安定して載置することができ、そのため、被覆治具73と閉塞治具75とを合わせてニードル収容孔31に収容することができ、内面研磨用治具57の装着を容易に行うことができる。
[第2の実施の形態]
図5及び図6は、本発明の第2の実施の形態のノズルボディ11及びノズルボディの製造方法を示す図である。
本実施形態のノズルボディ11では、図5に示すように、燃料溜まり33がニードル収容孔31の軸心を中心とした回転体形状であって、内壁面が外方に膨出する面からなる空間91により構成されている。また、燃料溜まり33に隣接してバルブシート面43が設けられている。その他は、第1の実施の形態と同様の構成である。
このような構成を有するノズルボディ11であっても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることが可能である。
また、このノズルボディ11は、図6に示すように、第1の実施の形態と同様にして製造することができる。本実施形態では、ノズルボディ11のニードル収容孔31のバルブシート面43が燃料溜まり33に隣接して設けられているため、閉塞治具75の閉塞治具本体81の形状が異なるが、その他は、第1の実施の形態と同様である。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
図2に示す構成のノズルボディ11の実施例品及び比較例品を、流体研磨の有無以外は全く同一の工程によって製造した。すなわち、実施例品及び比較例品ともに、加工工程では、電解加工により燃料溜まり33を形成し、熱処理工程では、同一条件で大気浸炭処理を行った。そして、実施例品には仕上工程で精密研磨及び流体研磨を行い、比較例品には仕上行程で精密研磨を行う一方流体研磨を行わなかった。
得られた実施例品及び比較例品の壁部51を各孔の軸方向に沿って切断し、燃料通路孔35側の端部51aを観察した結果を、図7及び図8示す。図7は実施例品であり、図8は比較例品であり、図7(a)及び図8(a)は外観を示す写真であり、図7(b)及び図8(b)は燃料溜まり33と燃料通路孔35との間の縁部Eを示す拡大写真であり、図7(c)及び図8(c)はその縁部Eの断面のSEM観測倍率2000倍の写真である。
図7(a)、(b)及び図8(a)、(b)から明らかなように、実施例品は比較例品に比べて表面肌荒れや表面粗さが改善されていた。さらに、図7(c)及び図7(c)から明らかなように、実施例品は表面の浸炭層に粒界酸化層が存在しないのに対し、比較例品は表面に多数の微細な凹凸が存在しており粒界酸化層が形成されていた。そのため、実施例品は比較例品に比べて、壁部51の端部51aの疲労破壊強度が高いことが理解できる。
本発明の第1の実施の形態にかかるノズルボディを備えた燃料噴射弁を示す部分断面図である。 本発明の第1の実施の形態のノズルボディの断面図である。 本発明の第1の実施の形態の流体研磨を行う研磨装置を示す部分断面図である。 本発明の第1の実施の形態の内面研磨用治具を装着した状態を示す部分拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態のノズルボディを示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態の流体研磨を行う研磨装置を示す部分断面図である。 実施例にかかる実施例品を示し、(a)は外観を示す写真であり、(b)は燃料溜まり33と燃料通路孔35との間の縁部を示す拡大写真であり、(c)はその縁部の断面のSEM観測倍率2000倍の写真である。 実施例にかかる比較例品を示し、(a)は外観を示す写真であり、(b)は燃料溜まり33と燃料通路孔35との間の縁部を示す拡大写真であり、(c)はその縁部の断面のSEM観測倍率2000倍の写真である。
符号の説明
10:燃料噴射弁、11:ノズルボディ、13:噴射開口、17:ノズルニードル、31:ニードル収容孔(第1の貫通孔)、33:燃料溜まり、35:燃料通路孔(第2の貫通孔)、41:ガイド面(内周面)、43:バルブシート面(交差面)、51:壁部、51a:端部、55:研磨装置、57:内面研磨用治具、73:被覆治具、75:閉塞治具、81:閉塞治具本体、83:後端支持部、85:先端密着部、87:突出部

Claims (7)

  1. 先端側に設けられた高圧燃料の噴射開口と、前記噴射開口と連通するように後端から貫通して設けられ、ノズルニードルが収容されるニードル収容孔と、前記ニードル収容孔の中間位置に設けられた燃料溜まりと、前記ニードル収容孔の後端側に並設されて前記燃料溜まりに開口する燃料通路孔とを備え、前記ニードル収容孔の前記燃料溜まりより先端側に、前記ノズルニードルが着座することで前記噴射開口を閉塞可能なバルブシート面が設けられ、前記ニードル収容孔の前記燃料溜まりより後端側に、前記ノズルニードルが摺動可能なガイド面が設けられたノズルボディの製造方法において、
    前記ガイド面を筒状の被覆治具により被覆するとともに、前記燃料溜まりより前記バルブシート面側の前記ニードル収容孔を閉塞治具により閉塞し、
    前記被覆治具内に流動性研磨材を流入させて、前記燃料通路孔から流出させることで、前記ニードル収容孔と前記燃料通路孔との間に形成された壁部の前記燃料溜まり側の端部を研磨することを特徴とするノズルボディの製造方法。
  2. 大気浸炭処理された前記壁部の前記燃料溜まり側の端部を前記流動性研磨材により研磨することを特徴とする請求項1に記載のノズルボディの製造方法。
  3. 前記閉塞治具が、前記バルブシート面に密着して配置される先端密着部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のノズルボディの製造方法。
  4. 前記閉塞治具が、前記燃料溜まり内に突出して配置される突出部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のノズルボディの製造方法。
  5. 先端開口と連通するように後端から貫通して設けられ、先端開口側に軸線と交差方向に形成された所定精度の交差面を有するとともに、後端側に前記軸線に沿う所定精度の内周面を有する第1の貫通孔と、前記第1の貫通孔の後端側に並設され、前記第1の貫通孔の前記交差面と前記内周面との間の連通部に開口した第2の貫通孔とを備えた部材における、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とに流動性研磨材を流動させて内面を研磨するための内面研磨用治具であって、
    前記内周面を被覆する筒状の被覆治具と、前記被覆治具とは別体に形成され、前記連通部より前記交差面側の前記第1の貫通孔を閉塞する閉塞治具と、を含み、
    前記閉塞治具が、前記交差面に密着して配置される先端密着部と、前記連通部内に突出して配置される突出部とを有することを特徴とする内面研磨用治具。
  6. 前記閉塞治具が、前記先端密着部及び前記突出部を備えた閉塞治具本体と、前記閉塞治具本体に連結され、前記被覆治具内に間隙を有して配置される後端支持部とを有し、前記後端支持部が、前記先端密着部を前記交差面に密着させた状態で、前記第1の貫通孔の後端から突出する長さに形成されていることを特徴とする請求項5に記載の内面研磨用治具。
  7. 先端側に設けられた高圧燃料の噴射開口と、前記噴射開口と連通するように後端から貫通して設けられ、ノズルニードルが収容されるニードル収容孔と、前記ニードル収容孔の中間位置に設けられた燃料溜まりと、前記ニードル収容孔の後端側に並設されて前記燃料溜まりに開口する燃料通路孔とを備え、前記ニードル収容孔の前記燃料溜まりより先端側に、前記ノズルニードルが着座することで前記噴射開口を閉塞可能なバルブシート面が設けられ、前記ニードル収容孔の前記燃料溜まりより後端側に、前記ノズルニードルが摺動可能なガイド面が設けられたノズルボディにおいて、
    前記ニードル収容孔と前記燃料通路孔との間に形成された壁部の前記燃料溜まり側の端部表面が、浸炭層の研磨面からなることを特徴とするノズルボディ。
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