JP5727939B2 - 内燃機関用スプリングリテーナ及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関用スプリングリテーナ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の動弁機構に用いられるスプリングリテーナに係り、特に、板金により形成されたスプリングリテーナ及びその製造方法に関する。
この種のスプリングリテーナの中には、それを軽量化して動弁系の慣性質量を低減させ、内燃機関の性能を向上させるために、スプリングリテーナを板金により形成したものがある(例えば特許文献1〜3参照)。
実開昭55−17976号公報 実開昭62−185807号公報 特開2002−303107号公報
上記の板金製のスプリングリテーナは、鋼板よりなる板金素材をプレス成形して、スプリングリテーナの原形品を成形したのち、その表面を硬化させて耐摩耗性を向上させるために、浸炭、焼入れ、及び焼戻しよりなる熱処理を施すのが一般的である。
このような熱処理を施すと、スプリングリテーナの表面に浸炭層が形成されて硬化されると同時に、上記浸炭処理を、真空浸炭炉以外の通常の浸炭炉を用いて行うと、浸炭層の表面には、酸化皮膜が必然的に生成される。この酸化皮膜は硬質であるため、スプリングリテーナにおけるバルブスプリングの上端が圧接するばね受けフランジ部の耐摩耗性をさらに向上させうる効果がある。
しかし、ばね受けフランジ部とバルブスプリングの端面との互いの接触面は、エンジンの運転中において常に摺動状態にあり、また、バルブスプリングを圧縮させる際に、ばね受けフランジ部に曲げ応力が作用して撓み、ばね受けフランジ部とバルブスプリングとの接触面が相対的に摺動することがあるため、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する部分に生成された酸化皮膜が剥離し、剥離した酸化物の砥粒効果により、ばね受けフランジ部とバルブスプリングとの互いの接触面が摩耗することがある。この問題は、酸化皮膜の厚さが厚いほど発生し易くなる。
特に、板金製のスプリングリテーナは薄肉であるため、ばね受けフランジ部の摩耗は極力抑える必要がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、熱処理によりばね受けフランジ部に生成された酸化皮膜を剥離しにくくすることにより、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングとの接触面の耐摩耗性を大幅に向上させうるようにしたスプリングリテーナ及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明によると、上記課題は、次の各項のようにして解決される。
(1)中心にテーパ孔を有する筒部と、この筒部に連設され、バルブスプリングの上端が圧接するばね受けフランジ部とを備え、かつ、浸炭、焼入れ及び焼戻しよりなる熱処理を施してなる板金製の内燃機関用スプリングリテーナにおいて、前記熱処理により生成された、前記ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する部分の表面の酸化皮膜の少なくとも一部を除去することにより、前記酸化皮膜の厚さを、0.00〜0.02μmとし、かつ前記ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する下面を、外側上方に向かって、バルブスプリングの上端から離れる方向に傾斜させる。
このような構成とすると、熱処理によりばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する部分に生成された酸化皮膜を、0.00〜0.02μmの厚さとしてあるので、その部分に生成された酸化皮膜が、バルブスプリングとの摺動により剥離しにくくなる。
その結果、剥離した酸化物による砥粒効果により、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングとの接触面が摩耗するのが抑えられ、その部分の耐摩耗性を大幅に向上させることができる。また前記ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する下面を、外側上方に向かって、バルブスプリングの上端から離れる方向に傾斜させる構成とすることにより、バルブスプリングとの当接部が、ばね受けフランジ部の内方、すなわち中心寄りの部分となるので、中心から離間した部分で当接する場合よりも、ばね受けフランジ部に作用する曲げモーメントが小さくなり、その部分が撓みにくくなる。その結果、ばね受けフランジ部の撓みに伴って発生するバルブスプリングとの接触面の相対的摺動が抑制され、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングとの接触面に生成された酸化皮膜が、さらに剥離しにくくなる。
また、ばね受けフランジ部が撓みにくくなることにより、その疲労強度を大とすることができる。
(2)上記(1)項において、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する部分の表面の中心線平均粗さRaを、1.20μm以下とする。
このような構成とすると、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する部分の表面の酸化皮膜の厚さを、0.00〜0.02μmとすることと、その部分の表面の中心線平均粗さRaを、1.20μm以下とすることとの相乗効果により、バルブスプリングとの摺動により酸化皮膜が剥離する恐れをより小さくすることができる。
(3)上記(1)または(2)項において、筒部とばね受けフランジ部との連設部の隅部外周面を、筒部の肉厚よりも大きい曲率半径のほぼ円弧状曲面とするとともに、この円弧状曲面と対向する前記連設部の隅部内周面を、前記隅部外周面の曲率半径よりも小さな曲率半径のほぼ円弧状曲面とすることにより、前記筒部とばね受けフランジ部との連設部の肉厚を、筒部の肉厚よりも大とする。
このような構成とすると、筒部とばね受けフランジ部との連設部が強化されて曲げ剛性が大となり、ばね受けフランジ部が撓みにくくなるので、上記と同様、ばね受けフランジ部の撓みに伴う酸化皮膜の剥離を抑えることができるとともに、筒部とばね受けフランジ部との連設部に応力が集中するのが回避され、その部分の疲労強度が大となる。
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の内燃機関用スプリングリテーナの製造方法であって、円盤状の板金素材を絞り加工することにより、中心にテーパ孔を有する筒部の外周面に、ばね受けフランジ部が連設されたスプリングリテーナの原形品を成形する絞り加工工程と、前記スプリングリテーナの原形品に、浸炭、焼入れ及び焼戻しなる熱処理を施す熱処理工程と、前記ばね受けフランジ部における少なくともバルブスプリングの上端が圧接する部分の表面に生成された酸化皮膜を、その厚さが、0.00〜0.02μmとなるまで除去する酸化皮膜除去工程とを有する。
このような構成とすると、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングとの接触面に生成された酸化皮膜の厚さが、0.00〜0.02μmとされた板金製のスプリングリテーナを、比較的少ない工程により容易に製造することができる。
(5)上記(4)項において、酸化皮膜除去工程が、研磨工程を含むものとする。
このような構成とすると、研磨工程により、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングとの接触面に生成された酸化皮膜を、規定の厚さとなるように容易に除去することができる。
(6)上記(5)項において、バレル研磨することにより、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する部分の表面の中心線平均粗さRaを、1.20μm以下とする。
このような構成とすると、バレル研磨により、多数のスプリングリテーナをまとめて、かつばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する部分を含む全表面に生成された酸化皮膜を、規定の厚さとなるように研磨しうるので、生産性が向上する。
また、研磨材の粒度を適宜に選択することにより、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する部分の表面の中心線平均粗さRaを、1.20μm以下とすることができる。
本発明によれば、熱処理によりばね受けフランジ部に生成された酸化皮膜が剥離しにくくなるので、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングとの接触面の耐摩耗性を向上させることができる。また前記ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する下面を、外側上方に向かって、バルブスプリングの上端から離れる方向に傾斜させる構成とすることにより、バルブスプリングとの当接部が、ばね受けフランジ部の内方、すなわち中心寄りの部分となるので、中心から離間した部分で当接する場合よりも、ばね受けフランジ部に作用する曲げモーメントが小さくなり、その部分が撓みにくくなる。その結果、ばね受けフランジ部の撓みに伴って発生するバルブスプリングとの接触面の相対的摺動が抑制され、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングとの接触面に生成された酸化皮膜が、さらに剥離しにくくなる。
また、ばね受けフランジ部が撓みにくくなることにより、その疲労強度を大とすることができる。
本発明のスプリングリテーナの一実施形態の斜視図である。 スプリングリテーナを組み付けた動弁機構の中央縦断正面図である。 スプリングリテーナの拡大半断面図である。 同じく、表層の拡大断面図である。 同じく、ばね受けフランジ部の下面の拡大断面図である。 同じく、酸化皮膜除去後のばね受けフランジ部の下面の拡大断面図である。 ばね受けフランジ部の摩耗試験の結果を示すグラフである。 本発明のスプリングリテーナの製造方法を示す工程図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のスプリングリテーナの一実施形態の斜視図、図2は、このスプリングリテーナを組み付けた動弁機構の中央縦断正面図である。
スプリングリテーナ1は、1.2〜1.6mmの厚さの低炭素鋼板を、プレスによる深絞り加工を基本として成形したもので、上方に向かって漸次拡径するテーパ状の筒部2と、その上端に外向きに連設されたばね受けフランジ部3とからなっている。
筒部2のテーパ孔4に嵌合した1対のコッタ5、5における内面の内向きビード5a、5aを、エンジンバルブ6の軸端部の環状溝6aに外嵌することにより、スプリングリテーナ1は、エンジンバルブ6と実質的に一体をなすように組み付けられている。
ばね受けフランジ部3の外周部寄りの下面3aには、下端がシリンダヘッド(図示略)により受支されたバルブスプリング7の上端が圧接し、これにより、エンジンバルブ6は、常時上向きに付勢されている。
ばね受けフランジ部3における径方向の中間部には、上方に立ち上がる環状のガイド部8が形成され、ガイド部8よりも外側の水平をなす外周部下面3aに、上記バルブスプリング7の上端が圧接している。ガイド部8は、バルブスプリング7の上端が径方向に大きく移動するのを防止するためと、断面係数を大として、ばね受けフランジ部3の曲げ剛性を高めるためのもので、その上下寸法は、1.5〜2.5mmの範囲とするのが好ましい。
図3に拡大して示すように、スプリングリテーナ1における筒部2とばね受けフランジ部3との連設部9の肉厚T1は、筒部2の肉厚T2よりも大とされている。すなわち、筒部2とばね受けフランジ部3との連設部9における隅部外周面10を、筒部2の肉厚より大きい曲率半径のほぼ円弧状曲面とするとともに、この円弧状曲面と対向する連設部9の隅部内周面11を、隅部外周面10の曲率半径よりも小さなほぼ円弧状曲面とすることにより、連設部9の肉厚T1を、筒部2の肉厚T2よりも大としてある。
このように、筒部2とばね受けフランジ部3との連設部9における隅部外周面10を、筒部2の肉厚より大きい曲率半径のほぼ円弧状曲面とし、連設部9の肉厚T1を、筒部2の肉厚T2よりも大とすると、連設部9が強化されて曲げ剛性が大となるので、その部分に応力が集中するのが回避され、連設部9の疲労強度が高まる。
また、ばね受けフランジ部3が上向きに撓みにくくなるので、このばね受けフランジ部3とバルブスプリング7との接触面が相対的に摺動するのを抑えることができる。
ばね受けフランジ部3におけるバルブスプリング7の上端が圧接する外周部下面3aは、外側上方に向かって、バルブスプリング7の上端から離れる方向に傾斜する傾斜面として、バルブスプリング7の上端の内周縁部が、ばね受けフランジ部3の外周部下面3aの内方、すなわち中心寄りの部分に当接するようにしてある。なお、外周部下面3aの水平面に対する傾斜角度は、バルブスプリング7の上端の内周縁部が、外周部下面3aの内方に強く偏当りしない程度、例えば1.0度以下とするのがよい(図3では、傾斜角度を誇張して図示してある)。
また、スプリングリテーナ1を、曲げ剛性の大きな比較的厚さの厚い板金素材を用いて成形する際、または、ばね受けフランジ部3の直径の小さな小型のスプリングリテーナ1の場合には、ばね受けフランジ部3の外周部下面3aは、水平面とすることもある。
このように、ばね受けフランジ部3の外周部下面3aを傾斜させると、バルブスプリング7との当接部が、ばね受けフランジ部3の内方、すなわち中心寄りの部分となるので、中心から離間した部分で当接する場合よりも、ばね受けフランジ部3に作用する曲げモーメントが小さくなって、その部分が上向きに撓みにくくなるので、上記と同様に、ばね受けフランジ部3とバルブスプリング7との接触面が相対的に摺動するのを抑えることができるとともに、ばね受けフランジ部3の疲労強度も大とすることができる。
上記プレス成形後のスプリングリテーナ1の原形品には、表面の耐摩耗性を向上させるとともに、各部の強度をさらに高めるための熱処理、例えばガス浸炭炉による浸炭、焼入れ及び焼戻しが施されている。
図4は、上記熱処理した後におけるスプリングリテーナ1の表層部を一部拡大した断面図で、母材12の全表面には、深さが0.1mm〜0.5mm程度の浸炭層13が形成され、また、この浸炭層13の表面には、厚さが0.2μm程度の酸化皮膜14が、上記熱処理と同時に生成されている。
本発明のスプリングリテーナ1においては、図5に示すように、ばね受けフランジ部3におけるバルブスプリング7の上端が圧接する外周部下面3aを含む全表面に生成された酸化皮膜14を、図6に示すように、その厚さが0.00〜0.02μmの薄い皮膜となるように、研磨等の機械的な手段により除去してある。
また、酸化皮膜14を除去するのと同時または除去した後において、少なくともばね受けフランジ部3におけるバルブスプリング7の上端が圧接する外周部下面3aの表面粗さ、すなわち、JISにおける中心線平均粗さRaが、1.20μm以下となるように仕上げてある。
このように、ばね受けフランジ部3におけるバルブスプリング7の上端が圧接する外周部下面に生成された酸化皮膜14の厚さを、0.02μm以下の薄い皮膜とすると、スプリングリテーナ1におけるばね受けフランジ部3の下面と、バルブスプリング7の上端との互いの接触面が、エンジンの運転中に摺動しても、ばね受けフランジ部3の下面に生成された酸化皮膜14が剥離するのが防止されるか、剥離しにくくなる。
また、ばね受けフランジ部3における外周部下面3aの酸化皮膜14の厚さを、0.00〜0.02μmとしたことと、外周部下面3aの表面の中心線平均粗さRaを、1.20μm以下としたこととの相乗効果により、バルブスプリング7との摺動により、酸化皮膜14が剥離する恐れをより小さくすることができる。
なお、バルブスプリング7の上端が圧接する外周部下面3aの中心線平均粗さRaを、1.20μm以下とする理由は、この値を超えると、バルブスプリング7との摺動摩擦抵抗が増大して、酸化皮膜14が剥離し易くなることが、エンジンの耐久試験により確認されたためである。
さらに、上述したように、ばね受けフランジ部3を撓みにくくすると、その撓みに伴って発生するバルブスプリング7との接触面の相対的摺動が抑制されるので、ばね受けフランジ部3における外周部下面3aの酸化皮膜14が剥離する恐れをさらに小さくすることができる。
このように、ばね受けフランジ部3におけるバルブスプリング7の上端が圧接する外周部下面3aの酸化皮膜14を剥離しにくくすると、剥離した酸化物の砥粒効果により、バルブスプリング7とばね受けフランジ部3との互いの接触面、特に、ばね受けフランジ部3の外周部下面3aを摩耗させる恐れが極めて小さくなる。その結果、ばね受けフランジ部3の下面の耐摩耗性が向上し、板金よりなるスプリングリテーナ1の耐久性を大幅に高めることができる。
図7は、ばね受けフランジ部3の下面3aに生成された酸化皮膜14の厚さを変数として(表面粗さは1.20μm以下)、ばね受けフランジ部3の下面3aの摩耗量を、エンジンの耐久試験により測定したグラフである。なお、摩耗量は、オージェ分光分析法により測定した。
また、耐久試験に供したエンジンは、排気量2000CCのガソリンエンジンで、これを、台上において高負荷6000r.p.mの回転速度で、連続60時間運転した後の測定結果である。
図7から明らかなように、酸化皮膜14の厚さがほぼ0.02μm以下、すなわち0.00〜0.02μmの範囲では、ばね受けフランジ部3の下面3aの摩耗は殆どなく、酸化皮膜の厚さが0.02μmを超えるあたりから、摩耗量は徐々に増加し、酸化皮膜の厚さがほぼ0.05μmを超えると、ばね受けフランジ部3の下面3aの摩耗量は比例的に増大することが確認された。なお、酸化皮膜14の厚さが0、すなわち全て除去しても、ばね受けフランジ部3の下面が殆ど摩耗しないのは、その表面に硬質の浸炭層13が形成されているからである。
上記のスプリングリテーナ1は、図8に示す工程により製造することができる。
すなわち、まず、図8(a)に示すような、厚さが1.2〜1.6mm程度の低炭素鋼板よりなる円盤状の素材15を、図示しないプレス装置による1回または複数回の冷間、もしくは温間深絞り加工工程により、図8(b)に示すような、中心にテーパ孔16を有する筒部17と、その上端のばね受けフランジ部18とからなるスプリングリテーナの原形品19を成形する。なお、この原形品19は、図1〜図3に示すスプリングリテーナ1の形状と同形である。
ついで、図8(c)〜図8(e)の熱処理工程20において、上記原形品19に、浸炭21、焼入れ22、焼戻し処理23を施す。なお、浸炭21は、一般的なガス浸炭炉により行われ、また焼戻し温度は、300℃以下が好ましい。
最後に、図8(f)に示す酸化皮膜除去工程において、上記熱処理後のスプリングリテーナの原形品19にバレル研磨24を施し、熱処理工程20により生成された、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリング7の上端が圧接する下面の酸化皮膜を、その厚さが0.00〜0.02μmの範囲となるように所定時間研磨して除去する。バレル研磨24に用いられる研磨材としては、例えば粒度が1.0〜2.0μmのアルミナ、セラミックス系等の粉体が好ましい。これにより、上記のような、ばね受けフランジ部3の下面3aにおける酸化皮膜14の厚さが0.02μm以下となったスプリングリテーナ1が得られる。また、このバレル研磨と同時に、ばね受けフランジ部3の下面3aの表面の中心線平均粗さRaを、1.20μm以下とすることができる。
熱処理後のスプリングリテーナの原形品19にバレル研磨を施すと、ばね受けフランジ部3の下面3a以外の表面に生成された酸化皮膜も同時に除去されるが、ばね受けフランジ部3におけるバルブスプリング7の上端が圧接する下面3a以外の酸化皮膜は、摺動摩耗に影響せず、剥離もしないので、除去しないで残しておいてもよい。
従って、ばね受けフランジ部3におけるバルブスプリング7の上端が圧接する下面3aのみの酸化皮膜を、バレル研磨によらず、他の研磨等の機械的な手段、例えば砥石車を使用した研削盤等により、0.00〜0.02μmの範囲となるように研磨して除去してもよい。

Claims (6)

  1. 中心にテーパ孔を有する筒部と、この筒部に連設され、バルブスプリングの上端が圧接するばね受けフランジ部とを備え、かつ、浸炭、焼入れ及び焼戻しよりなる熱処理を施してなる板金製の内燃機関用スプリングリテーナにおいて、
    前記熱処理により生成された、前記ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する部分の表面の酸化皮膜の少なくとも一部を除去することにより、前記酸化皮膜の厚さを、0.00〜0.02μmとし、かつ前記ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する下面を、外側上方に向かって、バルブスプリングの上端から離れる方向に傾斜させたことを特徴とする内燃機関用スプリングリテーナ。
  2. ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する部分の表面の中心線平均粗さRaを、1.20μm以下としたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用スプリングリテーナ。
  3. 筒部とばね受けフランジ部との連設部の隅部外周面を、筒部の肉厚よりも大きい曲率半径のほぼ円弧状曲面とするとともに、この円弧状曲面と対向する前記連設部の隅部内周面を、前記隅部外周面の曲率半径よりも小さな曲率半径のほぼ円弧状曲面とすることにより、前記筒部とばね受けフランジ部との連設部の肉厚を、筒部の肉厚よりも大としたことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関用スプリングリテーナ。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関用スプリングリテーナの製造方法であって、円盤状の板金素材を絞り加工することにより、中心にテーパ孔を有する筒部の外周面に、ばね受けフランジ部が連設されたスプリングリテーナの原形品を成形する絞り加工工程と、前記スプリングリテーナの原形品に、浸炭、焼入れ及び焼戻しよりなる熱処理を施す熱処理工程と、前記ばね受けフランジ部における少なくともバルブスプリングの上端が圧接する部分の表面に生成された酸化皮膜を、その厚さが、0.00〜0.02μmとなるまで除去する酸化皮膜除去工程とを有することを特徴とする内燃機関用スプリングリテーナの製造方法。
  5. 酸化皮膜除去工程が、研磨工程を含むことを特徴とする請求項記載の内燃機関用スプリングリテーナの製造方法。
  6. バレル研磨することにより、ばね受けフランジ部におけるバルブスプリングの上端が圧接する部分の表面の中心線平均粗さRaを、1.20μm以下とすることを特徴とする請求項記載の内燃機関用スプリングリテーナの製造方法。
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