JP4116983B2 - チタン製バルブスプリングリテーナ - Google Patents

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Description

本発明は、チタン製バルブスプリングリテーナに関する。
自動車および自動二輪車等の移動機械に搭載される内燃機関は、エネルギー消費の効率化を図るために軽量化することが求められている。この観点から、内燃機関における動弁装置の構成部材であるバルブスプリングリテーナを、軽量高強度素材であるチタン製として動弁装置ひいては内燃機関の軽量化を図るようにしたもの(特許文献1参照。)が知られており、このものでは、β型チタン合金を用いてバルブスプリングリテーナが形成されている。
特開平1−240639号公報
ところで、チタン材としては、加工性に優れるが低強度の純チタン材、加工性は劣るものの高い高温強度が得られるα型チタン合金およびα+β型チタン合金、ならびに冷間塑性加工が可能であるとともに熱処理によって高強度が得られるβ型チタン合金がある。
純チタン材を用いる場合には、一部で冷間鍛造によるボルトの成形が行われてはいるものの、強度の低いJIS1種材に限られている。それは主として耐食性を得るためであり、JIS1種材では期待されるチタンの比強度は得られない。
また内燃機関用部品等の機械部品には、強度の観点からTi−6Al−4V合金等のα+β型チタン合金が用いられることが多い。しかるにα+β型チタン合金を用いたときには、その成形加工は高温下での熱間鍛造となるので、表面の酸化や寸法精度の問題から多くの後加工が必要となる。そのため素材費だけでなく加工費も高くなるので、チタン製部品は非常に高価なものとなり、一般的な車両用内燃機関のバルブスプリングリテーナへの適用は困難である。
さらにβ型チタン合金は、その素材製造工程では冷間圧延が可能であるが、変形強度が高いために冷間鍛造による部品の成形は、金型寿命の点で量産では問題があり、しかもβ相を安定化するための添加元素が高価であって比重も大きいことから、コスト低減の効果は得られない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、素材コストおよび加工コストを低減し得るようにしたチタン製バルブスプリングリテーナを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明に従うバルブスプリングリテーナは、0.8wt%≦Fe≦1.2wt%、0.24wt%≦O≦0.32wt%、0.02wt%≦N≦0.05wt%および不可避不純物を含む残部Tiから成るチタン合金素材の冷間鍛造により成形されることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、鍛造後に表面が全面酸化処理されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に加えて、700MPa以上の引っ張り強度もしくは断面硬さが230HV0.1以上のビッカース硬度を有することを特徴とする。
さらに請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、平均結晶粒径が20μm未満であることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、不純物の比較的多い廉価なスポンジチタンの使用によって素材のコストを低減することができ、また不純物元素であるFe、O、Nの添加量を最適に制御することで高い強度を得るとともに冷間鍛造性を良好とし、冷間鍛造で成形するようにして製造コストを低減することができ、高い生産性を得るとともに歩留りの向上を図り、製造コストを確実に低減することができる。すなわちFe<0.8wt%、O<0.24wt%では強度不足や冷間鍛造性の不足が発生し、また1.2wt%<Fe、0.32wt%<Oでは冷間鍛造時に割れなどの不具合が発生してしまい、さらに0.02wt%≦N≦0.05wt%で冷間鍛造時の先端割れ等の発生の防止に効果があるものであり、上述のようにFe、O、Nの組成範囲を定めることでバルブスプリングリテーナを冷間鍛造によって安定して成形することができる。
また請求項2記載の発明によれば、請求項1においてO量が0.24wt%≦O≦0.32wt%として比較的多く設定されたことと相まって、素材中のO量および表面酸化のバランスによって疲労強度を充分に確保することが可能であり、しかも酸化処理前に冷間鍛造を実行することにより、より効果的に疲労強度の向上を図り、耐摩耗性を高めることができる。
請求項3記載の発明によれば、700MPa以上の引っ張り強度もしくは断面硬さが230HV0.1以上のビッカース硬度を有するように定めることで、冷間鍛造によるバルブスプリングリテーナの成形を確実に可能とし、バルブスプリングリテーナの軽量化を図ることができる。
さらに請求項4記載の発明によれば、疲労強度の向上を図りつつ、より安定した冷間鍛造性を得ることが可能となり、冷間鍛造によるバルブスプリングリテーナの成形を可能として軽量化を最大限発揮することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
先ず図1において、たとえばDOHC型内燃機関のエンジン本体1は、シリンダボア4を有するシリンダブロック2と、該シリンダブロック2に結合されるシリンダヘッド3とを備え、シリンダボア4に摺動可能に嵌合されるピストン5の頂部を臨ませる燃焼室6がシリンダブロック2およびシリンダヘッド3間に形成される。
シリンダヘッド3には、燃焼室6の天井面に開口する排気弁口7と、その排気弁口7に通じる排気ポート8とが設けられ、排気弁口7を開閉する排気弁9のステム9aは、シリンダヘッド3に設けられたガイド筒10に摺動可能に嵌合される。
ガイド筒10から突出したステム9aの端部には、二つ割りのコッタ11を介してバルブスプリングリテーナ12が固定されており、このバルブスプリングリテーナ12と、シリンダヘッド3に支持されたばね受け部材13との間に、前記ステム9aを囲繞するコイル状のバルブスプリング14が縮設され、このバルブスプリング14が発揮するばね力によって排気弁9は閉弁方向に付勢される。
前記ステム9aの上部、バルブスプリング14の上部およびバルブスプリングリテーナ12は、有底円筒状に形成されるバルブリフタ15で覆われており、このバルブリフタ15の上部閉塞端内面の中央部にステム9aの上端がインナーシム24を介して同軸に当接される。またバルブリフタ15は、シリンダヘッド3に設けられたガイド孔16に摺動可能に嵌合されている。
前記バルブリフタ15の上端閉塞部外面には、カムシャフト17に設けられた動弁カム18が摺接されており、カムシャフト17が回転するのに応じて前記動弁カム18が、バルブスプリング14のばね力に抗してステム9aを押し下げ、それにより排気弁9が開弁作動する。
図2において、前記バルブスプリングリテーナ12は、軸方向厚みdをたとえば1.5mm程度の薄肉とするとともに直径Dを21mmとした円板状の大径部12aと、大径部12aよりも軸方向厚みを大として大径部12aの一端に同軸に連なる小径部12bと、小径部12bから離反するにつれて小径となるようにして小径部12bの一端に同軸に連なるテーパ部12cとを一体に有し、大径部12aおよび小径部12b間には、バルブスプリング14の上端を受けるための環状の座面19が段差状に形成される。
またバルブスプリングリテーナ12には、ステム固着用のテーパ孔20が軸方向に貫通するようにして設けられており、テーパ孔20に挿通されるステム9aおよびバルブスプリングリテーナ12間に介装されるようにして二つ割りのコッタ11が前記テーパ孔20に嵌合される。
このようなバルブスプリングリテーナ12は、図3で示す工程を経過する冷間鍛造によって成形されるものであり、図3(a)で示す線材切断工程では線素材から一定の長さの線材21を切断し、図3(b)で示す据え込み工程で線材21を軸方向に圧縮して得た円板状の素材22の中央部を、図3(c)で示す打ち抜き工程で打ち抜くことによってリング状の素材23を得ることができ、この素材23を鍛造することで図3(d)で示すようにバルブスプリングリテーナ12を得ることができる。
ところで、バルブスプリングリテーナ12はチタン製のものであり、本発明者は、製造コストが安価となる冷間鍛造によってチタン製のバルブスプリングリテーナ12を得るための研究を重ね、不純物の比較的多い廉価なスポンジチタンを使用することを可能とし、不純物元素であるFe、O、Nの添加量を最適に制御することで必要な強度を確保し、しかもごく限られた組成範囲において特定の組織形態を確保したときに、良好な冷間鍛造性が得られることを見いだした。
表1は、素材特性を変化させてバルブスプリングリテーナ12を成形したときの評価を示すものであり、冷間鍛造性の評価にあたってはバルブスプリングリテーナ12における大径部12aの厚みを1.5mmとしたときに、割れが生じることなく大径部12aを良好に成形し得たときを○、成形できなかったときを×として表示している。また図4で示すようにバルブスプリングリテーナ12の座面19を固定の支持部25で支持した状態でステム9aに上方から繰り返し負荷をかけたときに、図5で示すように、破壊に至る繰り返し回数が負荷に応じて変化するのであるが、疲労安全率は(実測負荷/実測限界負荷)として得られるものであり、冷間鍛造性が○であり、しかも疲労安全率が1.2を超えるものを総合評価で○として表示している。
Figure 0004116983
表1において、引っ張り強度が700MPa未満もしくは断面硬さがビッカース硬度で230HV0.1未満である試料NO.1,2の試料の総合評価は充分な疲労安全率を確保し得ないことにより×であり、これにより、チタン製として軽量化を図ったバルブスプリングリテーナ12を成立させるためには、上記冷間鍛造工程において最低でも引っ張り強度が700MPa以上もしくは断面硬さがビッカース硬度で230HV0.1以上であることが必要であることが判る。
しかも充分な疲労安全率を確保した上で、冷間鍛造による成形を可能とすることが必要であり、その要求を満足するにあたって試料NO.1〜16の試料での冷間鍛造性の良否をバルブスプリングリテーナ12における大径部12aの成形性によって判断した結果を図6に示す。すなわち0.02wt%≦N≦0.035wt%とし、結晶平均粒径を9〜18μmとした条件下で、Fe量およびO量を変化させたときに優れた冷間鍛造性を示したのは、図6において長方形で囲まれる範囲のものである。
ここで、Fe<0.8wt%では、異方性が大きく斜めに割れが発生し、鍛造不可となるものであり、1.2wt%<Feでは延性の低下によって割れが発生し、鍛造不可となるものであり、O<0.24wt%ではバルブスプリングリテーナ12に必要な最低引っ張り強度700MPaを確保することができず、0.32wt%<Oでは割れが発生するだけでなく、変形抵抗が高すぎて冷間鍛造の金型負荷が大きくなり過ぎてしまうのである。この結果によれば、良好な冷間鍛造性を得るためには、0.8wt%≦Fe≦1.2wt%、0.24wt%≦O≦0.32wt%であることが必要となることが判る。
また試料NO.17〜25の試料を用いて、冷間鍛造性の良否をバルブスプリングリテーナ12における大径部12aの成形性によって判断した結果を図7に示す。すなわち0.98wt%≦Fe≦1.05wt%、0.269wt%≦O≦0.3wt%とし、結晶平均粒径を9〜10μmとした条件下で、N量を変化させたときに優れた冷間鍛造性を示したのは、図7において長方形で囲まれる範囲のものであり、バルブスプリングリテーナ12における大径部12aを、割れが生じることなく1.5mmの厚さに成形し得るのは0.02wt%≦N≦0.05wt%であることが必要であることが判る。ここで鍛造成形性の判断にあたってバルブスプリングリテーナ12における大径部12aの厚さ1.5mmを判断基準としたのは、従来のバルブスプリングリテーナにおける大径部の厚さが1.5mmであるからであり、大径部12aを1.5mmの厚さに成形できれば、バルブスプリングリテーナ12の周辺部品として従来のものをそのまま流用して軽量化のメリットを充分に活かせるからである。
さらに試料NO.26〜29の試料は、Feを1.05wt%、Oを0.277wt%、Nを0.023wt%に固定した状態で結晶平均粒径を19〜97の範囲で変化させ、冷間鍛造性の良否を判断するために用いられたものであり、平均結晶粒径が19μmである試料NO.29の試料のみが総合評価を○としており、平均結晶粒径が20μm未満でることが、安定した冷間鍛造性を得るのに必要であることが判る。また試料NO.1〜25の試料でも冷間鍛造性が○と評価されたものに平均結晶粒径が20μm以上となるものはないので、結晶平均粒径を20μm未満とすることで、より安定した冷間鍛造性を得ることが可能となることが判る。
ところで、バルブスプリングリテーナ12には、バルブスプリング14との摺動摩耗、ならびにコッタ11とのフレッティングni対する耐久性を持たせるための表面処理を施すことが必要であり、酸化処理、イオンプレーティング、プラズマ窒化およびプラズマ浸炭などの処理が検討されたが、バルブスプリングリテーナ12がチタン製であることにより、上記各表面処理では、疲労強度の低下を招き、多くの場合、応力集中部に表面処理が施されないようにすることや、応力集中部に施された表面処理層を後加工で除去する必要があり、コスト増加の要因となっている。
本発明者は、母材のO量と、表面酸化処理による疲労強度の低下とに相関性があることを新たに見いだしたものであり、試料NO.1,5,6,8,11,13,30,31の試料を用いて酸化処理の前後での疲労強度比(処理後/処理前)を得た結果は、表2で示すようになる。
Figure 0004116983
表2において、疲労強度比は、Uノッチ(α=1.8)のテストピースを用いて回転曲げ疲労テストを行った結果によるものであり、このテストピースには、700℃で5時間の酸化処理を実行した。
上記表2で得られた疲労強度比をグラフ化すると図8で示すようになり、0.20wt%≦Oで疲労強度の低下を少なくする効果が得られることが判り、特に、0.24wt%≦Oでは応力集中部も含む全面に酸化処理が施された状態で、バルブスプリングリテーナ12としての性能を充分に確保し得ることを確認した。
また冷間鍛造無しのテストピースと、冷間鍛造後のテストピースとに、750℃で3時間の酸化処理を行って、図9で示すように、表面からの深さおよびビッカース硬度の関係が得られており、酸化処理前に冷間鍛造を行うと、酸素の拡散時間が短縮されるとともに侵入距離も深くなることが判り、特に、表面直下(約20μmの深さ)での硬度の差が大きく、酸化処理前の冷間鍛造によって耐摩耗性向上への効果が大きいことが判る。
さらに耐摩耗性は、O量の増加によっても改善されるものであり、試料NO.1,5,6,8,11,13,31の試料を用いて酸化処理後の表面硬度および焼付き荷重を調べた結果は表3で示すようになり、その結果をグラフ化すると図10で示すようになる。
Figure 0004116983
表3および図11で示した結果は、700℃、5時間の酸化処理後に、相手材をSWOSC−V窒化材とし、潤滑剤としてエンジンオイルを用いたファビリー試験機による試験によって得られたものであり、チタン材は酸化処理層が摩耗して母材が表面に露出した状態で焼付きを生じるものであり、O量が0.24wt%以上で焼付き荷重を高め、バルブスプリングリテーナ12として充分な耐摩耗性が得られることが判る。
上述のようにして、バルブスプリングリテーナ12を、0.8wt%≦Fe≦1.2wt%、0.24wt%≦O≦0.32wt%、0.02wt%≦N≦0.05wt%および不可避不純物を含む残部Tiから成るチタン合金素材の冷間鍛造により成形することによって、不純物の比較的多い廉価なスポンジチタンの使用によって素材のコストを低減することができ、また不純物元素であるFe、O、Nの添加量を最適に制御することで高い強度を得るとともに冷間鍛造性を良好とし、冷間鍛造で成形するようにして製造コストを低減することができ、高い生産性を得るとともに歩留りの向上を図り、製造コストを確実に低減することができる。
また冷間鍛造後のバルブスプリングリテーナ12の表面を全面酸化処理することにより、素材中のO量および表面酸化のバランスによって疲労強度を充分に確保することが可能となり、より効果的に疲労強度の向上を図り、耐摩耗性を高めることができる。
また700MPa以上の引っ張り強度もしくは断面硬さが230HV0.1以上のビッカース硬度を有するものであることにより、冷間鍛造によるバルブスプリングリテーナ12の成形を確実に可能とし、バルブスプリングリテーナ12の軽量化を図ることができる。
さらに平均結晶粒径を20μm未満に設定することにより、疲労強度の向上を図りつつ、より安定した冷間鍛造性を得ることが可能となる。
而して本発明に従ってバルブスプリングリテーナ12の合金組成を上述のように特定することで、素材歩留りを100%近くまで高めるとともに、高い生産性が得られる冷間鍛造を可能とし、素材コストを従来材の1/2〜1/3程度まで低減するとともに、成形コストを1/5に低減し、さらに表面処理コストを従来の熱処理と同等に抑えることができる。その結果、バルブスプリングリテーナ12のコストは従来のチタン製バルブスプリングリテーナの1/10以下、量産スチール製バルブスプリングリテーナの2〜3倍以内に抑えることが可能となり、省燃費車両やスポーツモデル等の量産車の内燃機関用として充分に適用することができる。また本発明に従うバルブスプリングリテーナ12の重量は、量産スチール製バルブスプリングリテーナに対して40%の軽量化となる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば上記実施例では排気弁9のバルブスプリングリテーナ12について説明したが、吸気弁のバルブスプリングリテーナに本発明を適用することも可能である。
内燃機関の要部縦断面図である。 バルブスプリングリテーナの拡大縦断面図である。 バルブスプリングリテーナの成形工程を示す図である。 疲労強度試験の試験状態を示す断面図である。 疲労安全率を得るための実測負荷および実測限界負荷の関係を示す図である。 Fe量およびO量に対する冷間鍛造性の良否判定領域を示す図である。 バルブスプリングリテーナの大径部厚さ限界およびN量の関係を示す図である。 O量および疲労強度比の関係を示す図である。 素材表面からの深さに対する硬度の変化を示す図である。 O量および焼付き荷重の関係を示す図である。
符号の説明
12・・・バルブスプリングリテーナ

Claims (4)

  1. 0.8wt%≦Fe≦1.2wt%、0.24wt%≦O≦0.32wt%、0.02wt%≦N≦0.05wt%および不可避不純物を含む残部Tiから成るチタン合金素材の冷間鍛造により成形されることを特徴とするチタン製バルブスプリングリテーナ。
  2. 前記冷間鍛造後に表面が全面酸化処理されることを特徴とする請求項1記載のチタン製バルブスプリングリテーナ。
  3. 700MPa以上の引っ張り強度もしくは断面硬さが230HV0.1以上のビッカース硬度を有することを特徴とする請求項1または2記載のチタン製バルブスプリングリテーナ。
  4. 平均結晶粒径が20μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のチタン製バルブスプリングリテーナ。
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