JPH07180013A - エンジン用バルブスプリングリテーナ - Google Patents
エンジン用バルブスプリングリテーナInfo
- Publication number
- JPH07180013A JPH07180013A JP34633493A JP34633493A JPH07180013A JP H07180013 A JPH07180013 A JP H07180013A JP 34633493 A JP34633493 A JP 34633493A JP 34633493 A JP34633493 A JP 34633493A JP H07180013 A JPH07180013 A JP H07180013A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- engine
- spring retainer
- valve spring
- valve
- alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、軽量性、経済性及び耐久性を同時に
充足できるエンジン用バルブスプリングリテーナを提供
するものである。 【構成】本発明は、Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ系のＴｉ合金を
３００〜８００℃で所定形状に温間鍛造し、その表面を
８５０〜９５０℃で硬化熱処理して成ることを特徴とし
ている。
充足できるエンジン用バルブスプリングリテーナを提供
するものである。 【構成】本発明は、Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ系のＴｉ合金を
３００〜８００℃で所定形状に温間鍛造し、その表面を
８５０〜９５０℃で硬化熱処理して成ることを特徴とし
ている。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はエンジン用バルブスプリ
ングリテーナに関する。例えば自動車のエンジンにはシ
リンダ内へ混合ガスを給排気するためのリフト弁が装備
されている。リフト弁にはバルブが取付けられており、
該リフト弁はカムシャフトに係合するバルブロッカアー
ムとスプリングとによって往復運動し、往復運動によっ
て生じる該リフト弁と弁座との間の隙間を介して混合ガ
スが給排気されるようになっている。本発明はリフト弁
に取付けられたバルブ及びその往復運動の一翼を担うス
プリングを支持するバルブスプリングリテーナの改良に
関するものである。
ングリテーナに関する。例えば自動車のエンジンにはシ
リンダ内へ混合ガスを給排気するためのリフト弁が装備
されている。リフト弁にはバルブが取付けられており、
該リフト弁はカムシャフトに係合するバルブロッカアー
ムとスプリングとによって往復運動し、往復運動によっ
て生じる該リフト弁と弁座との間の隙間を介して混合ガ
スが給排気されるようになっている。本発明はリフト弁
に取付けられたバルブ及びその往復運動の一翼を担うス
プリングを支持するバルブスプリングリテーナの改良に
関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、エンジン用バルブスプリングリテ
ーナとして、一般にクロムモリブデン鋼製のものが使用
されている。ところが、この従来品には、重量に富むと
いう欠点がある。そこで従来、軽量化したエンジン用バ
ルブスプリングリテーナとして、Ｔｉ合金製のものも使
用されるようになっている。この従来品は、Ｔｉ−４Ａ
ｌ−２２Ｖ系のＴｉ合金を２００℃前後で所定形状に冷
間鍛造し、その表面を８５０℃前後で硬化熱処理して成
るものである。ところが、この従来品には、軽量であり
且つ加工し易いという利点を有する反面、著しく高価で
あり、とりわけ冷間で歪を加えたものを高温下で硬化熱
処理するため、結晶粒が粗大化するという欠点がある。
結晶粒が粗大化すると、疲労強度等が低下してしまう。
ーナとして、一般にクロムモリブデン鋼製のものが使用
されている。ところが、この従来品には、重量に富むと
いう欠点がある。そこで従来、軽量化したエンジン用バ
ルブスプリングリテーナとして、Ｔｉ合金製のものも使
用されるようになっている。この従来品は、Ｔｉ−４Ａ
ｌ−２２Ｖ系のＴｉ合金を２００℃前後で所定形状に冷
間鍛造し、その表面を８５０℃前後で硬化熱処理して成
るものである。ところが、この従来品には、軽量であり
且つ加工し易いという利点を有する反面、著しく高価で
あり、とりわけ冷間で歪を加えたものを高温下で硬化熱
処理するため、結晶粒が粗大化するという欠点がある。
結晶粒が粗大化すると、疲労強度等が低下してしまう。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来品では、軽量性、経済性及び耐久性を
同時に充足できない点である。
する課題は、従来品では、軽量性、経済性及び耐久性を
同時に充足できない点である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、Ｔｉ
−６Ａｌ−４Ｖ系のＴｉ合金を３００〜８００℃で所定
形状に温間鍛造し、その表面を８５０〜９５０℃で硬化
熱処理して成ることを特徴とするエンジン用バルブスプ
リングリテーナに係る。
−６Ａｌ−４Ｖ系のＴｉ合金を３００〜８００℃で所定
形状に温間鍛造し、その表面を８５０〜９５０℃で硬化
熱処理して成ることを特徴とするエンジン用バルブスプ
リングリテーナに係る。
【０００５】本発明で用いる素材はＴｉ−６Ａｌ−４Ｖ
系のＴｉ合金である。このＴｉ合金は、重量比でＡｌが
５．５０〜６．７５％、Ｖが３．５０〜４．５０％、Ｆ
ｅが０．３０％以下、Ｏが０．２０％以下、Ｃが０．１
０％以下、Ｎが０．０５％以下、Ｈが０．０１２５％以
下、Ｙが０．００５％以下及び残部がＴｉの組成から成
るものである。α＋β合金であるＴｉ−６Ａｌ−４Ｖ系
のＴｉ合金は、β合金であるＴｉ−４Ａｌ−２２Ｖ系の
Ｔｉ合金に比べて、安価であり、入手し易いが、難加工
性であり、したがってＴｉ−４Ａｌ−２２Ｖ系のＴｉ合
金のようには２００℃前後で所定形状に冷間鍛造できな
い。
系のＴｉ合金である。このＴｉ合金は、重量比でＡｌが
５．５０〜６．７５％、Ｖが３．５０〜４．５０％、Ｆ
ｅが０．３０％以下、Ｏが０．２０％以下、Ｃが０．１
０％以下、Ｎが０．０５％以下、Ｈが０．０１２５％以
下、Ｙが０．００５％以下及び残部がＴｉの組成から成
るものである。α＋β合金であるＴｉ−６Ａｌ−４Ｖ系
のＴｉ合金は、β合金であるＴｉ−４Ａｌ−２２Ｖ系の
Ｔｉ合金に比べて、安価であり、入手し易いが、難加工
性であり、したがってＴｉ−４Ａｌ−２２Ｖ系のＴｉ合
金のようには２００℃前後で所定形状に冷間鍛造できな
い。
【０００６】そこで本発明では先ず、Ｔｉ−６Ａｌ−４
Ｖ系のＴｉ合金の例えば柱状小塊を３００〜８００℃で
所定形状に温間鍛造する。かかる温間鍛造により、Ｔｉ
−４Ａｌ−２２Ｖ系のＴｉ合金を冷間鍛造した場合と同
等の表面品質のものが得られる。Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ系
のＴｉ合金の例えば柱状小塊を所定形状に切削加工する
ことも考えられるが、かかる切削加工では、単に手間が
かかるだけでなく、柱状小塊に存する直線状の断片的な
偏析跡がそのまま残り、これが製品に持ち込まれてその
耐久性、具体的には耐磨耗性や疲労強度等を低下させる
原因となるので不都合である。
Ｖ系のＴｉ合金の例えば柱状小塊を３００〜８００℃で
所定形状に温間鍛造する。かかる温間鍛造により、Ｔｉ
−４Ａｌ−２２Ｖ系のＴｉ合金を冷間鍛造した場合と同
等の表面品質のものが得られる。Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ系
のＴｉ合金の例えば柱状小塊を所定形状に切削加工する
ことも考えられるが、かかる切削加工では、単に手間が
かかるだけでなく、柱状小塊に存する直線状の断片的な
偏析跡がそのまま残り、これが製品に持ち込まれてその
耐久性、具体的には耐磨耗性や疲労強度等を低下させる
原因となるので不都合である。
【０００７】本発明では次に、上記のように温間鍛造し
た鍛造品の軸線部にバルブ通過用の貫通孔を穿設した
後、その表面を８５０〜９５０℃で硬化熱処理する。硬
化熱処理としては、酸化処理、窒化処理、炭化処理等が
挙げられる。かかる硬化熱処理により、温間鍛造品の表
面を改質硬化して、耐久性を具有させる。硬化熱処理の
温度が８５０℃未満であると、温間鍛造品の表面を充分
に硬化できず、逆に９５０℃超であると、温間鍛造品の
組織がβ変態するので不都合である。
た鍛造品の軸線部にバルブ通過用の貫通孔を穿設した
後、その表面を８５０〜９５０℃で硬化熱処理する。硬
化熱処理としては、酸化処理、窒化処理、炭化処理等が
挙げられる。かかる硬化熱処理により、温間鍛造品の表
面を改質硬化して、耐久性を具有させる。硬化熱処理の
温度が８５０℃未満であると、温間鍛造品の表面を充分
に硬化できず、逆に９５０℃超であると、温間鍛造品の
組織がβ変態するので不都合である。
【０００８】
実施例１ Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ系のＴｉ合金の柱状小塊を６００℃
で所定形状に温間鍛造し、温間鍛造品の軸線部にポンチ
でバルブ通過用の貫通孔を穿設した後、大気雰囲気下に
８５０℃で３０分間、その表面を酸化処理した。図１は
かくして温間鍛造し、その表面を硬化熱処理した本発明
の一実施例を示す縦断面図である。エンジン用バルブス
プリングリテーナ１１は、その軸線部にバルブ通過用の
貫通孔２１が穿設されており、その周縁部にダブルスプ
リング支持用の受け部３１ａ，３１ｂが形成されてい
て、その表面に図示しない酸化層が被覆されたものから
成っている。そしてその内部には、温間鍛造によって、
順次周面部へ沿うように流れた連続的な偏析跡４１が形
成されている。合計１０個のエンジン用バルブスプリン
グリテーナを加工し、それらの結晶粒の大きさを測定し
たところ、５〜１５μmの範囲にあり、平均値は約１５
μmであった。
で所定形状に温間鍛造し、温間鍛造品の軸線部にポンチ
でバルブ通過用の貫通孔を穿設した後、大気雰囲気下に
８５０℃で３０分間、その表面を酸化処理した。図１は
かくして温間鍛造し、その表面を硬化熱処理した本発明
の一実施例を示す縦断面図である。エンジン用バルブス
プリングリテーナ１１は、その軸線部にバルブ通過用の
貫通孔２１が穿設されており、その周縁部にダブルスプ
リング支持用の受け部３１ａ，３１ｂが形成されてい
て、その表面に図示しない酸化層が被覆されたものから
成っている。そしてその内部には、温間鍛造によって、
順次周面部へ沿うように流れた連続的な偏析跡４１が形
成されている。合計１０個のエンジン用バルブスプリン
グリテーナを加工し、それらの結晶粒の大きさを測定し
たところ、５〜１５μmの範囲にあり、平均値は約１５
μmであった。
【０００９】比較例１ Ｔｉ−４Ａｌ−２２Ｖ系のＴｉ合金の柱状小塊を２００
℃で実施例１の場合と同じ所定形状に冷間鍛造し、冷間
鍛造品の軸線部にポンチでバルブ通過用の貫通孔を穿設
した後、大気雰囲気下に８５０℃で３０分間、その表面
を酸化処理して、エンジン用バルブスプリングリテーナ
を得た。合計１０個のエンジン用バルブスプリングリテ
ーナを加工し、それらの結晶粒の大きさを測定したとこ
ろ、８０〜１２０μmの範囲にあり、平均値は約１００
μmであった。
℃で実施例１の場合と同じ所定形状に冷間鍛造し、冷間
鍛造品の軸線部にポンチでバルブ通過用の貫通孔を穿設
した後、大気雰囲気下に８５０℃で３０分間、その表面
を酸化処理して、エンジン用バルブスプリングリテーナ
を得た。合計１０個のエンジン用バルブスプリングリテ
ーナを加工し、それらの結晶粒の大きさを測定したとこ
ろ、８０〜１２０μmの範囲にあり、平均値は約１００
μmであった。
【００１０】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、軽量性、経済性及び耐久性を同時に充足できる
という効果がある。
明には、軽量性、経済性及び耐久性を同時に充足できる
という効果がある。
【図１】本発明の一実施例を示す縦断面図。
１１・・・エンジン用バルブスプリングリテーナ、２１
・・・貫通孔、３１ａ，３１ｂ・・・受け部
・・・貫通孔、３１ａ，３１ｂ・・・受け部
Claims (1)
- 【請求項１】 Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ系のＴｉ合金を３０
０〜８００℃で所定形状に温間鍛造し、その表面を８５
０〜９５０℃で硬化熱処理して成ることを特徴とするエ
ンジン用バルブスプリングリテーナ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34633493A JPH07180013A (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | エンジン用バルブスプリングリテーナ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34633493A JPH07180013A (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | エンジン用バルブスプリングリテーナ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07180013A true JPH07180013A (ja) | 1995-07-18 |
Family
ID=18382713
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34633493A Pending JPH07180013A (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | エンジン用バルブスプリングリテーナ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07180013A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1586668A1 (en) * | 2004-03-31 | 2005-10-19 | HONDA MOTOR CO., Ltd. | Valve spring retainer made of titanium |
| EP1647679A1 (en) | 2004-09-29 | 2006-04-19 | HONDA MOTOR CO., Ltd. | Spring retainer and method for manufacturing the same |
| US9133539B2 (en) | 2011-10-06 | 2015-09-15 | Rolls-Royce Plc | Method and equipment for shaping a cast component |
| CN110747374A (zh) * | 2019-11-21 | 2020-02-04 | 湖南瀚德微创医疗科技有限公司 | 一种低弹性模量Ti6Al4V合金及其制备方法和应用 |
-
1993
- 1993-12-21 JP JP34633493A patent/JPH07180013A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1586668A1 (en) * | 2004-03-31 | 2005-10-19 | HONDA MOTOR CO., Ltd. | Valve spring retainer made of titanium |
| EP1647679A1 (en) | 2004-09-29 | 2006-04-19 | HONDA MOTOR CO., Ltd. | Spring retainer and method for manufacturing the same |
| JP2006125383A (ja) * | 2004-09-29 | 2006-05-18 | Honda Motor Co Ltd | スプリングリテーナ及びその製造方法 |
| US7228836B2 (en) | 2004-09-29 | 2007-06-12 | Honda Motor Co., Ltd. | Spring retainer and method for manufacturing the same |
| US9133539B2 (en) | 2011-10-06 | 2015-09-15 | Rolls-Royce Plc | Method and equipment for shaping a cast component |
| CN110747374A (zh) * | 2019-11-21 | 2020-02-04 | 湖南瀚德微创医疗科技有限公司 | 一种低弹性模量Ti6Al4V合金及其制备方法和应用 |
| CN110747374B (zh) * | 2019-11-21 | 2021-08-31 | 湖南瀚德微创医疗科技有限公司 | 一种低弹性模量Ti6Al4V合金及其制备方法和应用 |
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