JP2005291085A - エンジン用チタン合金製バルブリフタおよびその製造方法 - Google Patents

エンジン用チタン合金製バルブリフタおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 軽量で,且つ高強度であり,その上,優れた摺動特性を有するエンジン用チタン合金製バルブリフタを提供する。
【解決手段】 バルブリフタ16は,筒状部19および端壁状部20を持ち,且つチタン合金よりなるバルブリフタ本体21と,動弁カムと摺動する摺動面を形成すべく,端壁状部20外面に形成された第1の硬化層23と,エンジン本体のガイド孔を摺動する摺動面を形成すべく,筒状部19外周面に形成された第2の硬化層25とを有する。第1の硬化層23のビッカース硬さH1 が500HV0.1<H1 ≦800HV0.1であり,第2の硬化層25のビッカース硬さH2 が300HV0.1≦H2 ≦500HV0.1である。
【選択図】 図2

Description

本発明はエンジン用チタン合金製バルブリフタおよびその製造方法に関する。
自動車等のエンジンにおいて,そのバルブリフタをチタン合金より構成すれば,その軽量化と高強度化を達成することができるのであるが,耐摩耗性については問題が残る。
そこで,バルブリフタとして,筒状部およびその筒状部の一端を閉鎖する端壁状部を持ち,且つチタン合金よりなるバルブリフタ本体と,動弁カムと摺動する摺動面を形成すべく,端壁状部外面に取付けられた,炭素鋼,ステンレス鋼等の硬質金属よりなるアジャスティングシムとを有し,またエンジン本体のガイド孔を摺動する摺動面を形成すべく,筒状部外周面を酸化膜により覆ったものが開発されている(特許文献1参照)。
特開平7−139314号公報
しかしながら,前記のように硬質金属,例えば鋼よりなるアジャスティングシムを用いると,バルブリフタの軽量化の目的が損なわれるだけでなく,そのバルブリフタの製造工数および製造コストの上昇を来たす,という問題を生じた。
本発明は,軽量で,且つ高強度であり,その上,優れた摺動特性を有する,つまり良好な耐摩耗性を持つと共に相手材である動弁カムおよびガイド孔の孔壁に対する攻撃性の低い前記バルブリフタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため第1発明によれば,筒状部およびその筒状部の一端を閉鎖する端壁状部を持ち,且つチタン合金よりなるバルブリフタ本体と,動弁カムと摺動する摺動面を形成すべく,前記端壁状部外面に形成された第1の硬化層と,エンジン本体のガイド孔を摺動する摺動面を形成すべく,前記筒部外周面に形成された第2の硬化層とを有し,前記第1の硬化層のビッカース硬さH1 が500HV0.1<H1 ≦800HV0.1であり,前記第2の硬化層のビッカース硬さH2 が300HV0.1≦H2 ≦500HV0.1であるエンジン用チタン合金製バルブリフタが提供される。
また第2発明によれば,前記チタン合金は,0.30wt%≦Fe≦1.50wt%,0.20wt%≦O≦0.70wt%および不可避不純物を含む残部Tiよりなる,エンジン用チタン合金製バルブリフタが提供される。
さらに第3発明によれば,エンジン本体のガイド孔内に挿入される筒部およびその筒部の一端を閉鎖して動弁カムと対向する端壁部を持つチタン合金製バルブリフタ本体用素材に,大気中にて1次酸化処理を施して,前記バルブリフタ本体用素材全面に1次酸化処理後の硬化層を形成された第1の中間体を得る工程と,前記筒部外周面に機械加工を施して第2中間体を得る工程と,前記第2中間体に,大気中にて2次酸化処理を施して,前記端壁部外面に第1の硬化層を形成し,前記筒部外周面に第2の硬化層を形成する工程とを用いて,前記第1の硬化層のビッカース硬さH1 が500HV0.1<H1 ≦800HV0.1であり,前記第2の硬化層のビッカース硬さH2 が300HV0.1≦H2 ≦500HV0.1であるチタン合金製バルブリフタを得る,エンジン用チタン合金製バルブリフタの製造方法が提供される。
さらにまた第4発明によれば,1次酸化処理を施す際の加熱温度T1 をT1 ≧650℃に設定し,2次酸化処理を施す際の加熱温度T2 を400℃<T2 <650℃に設定する,エンジン用チタン合金製バルブリフタの製造方法が提供される。
また第5発明によれば,前記チタン合金は,0.30wt%≦Fe≦1.50wt%,0.20wt%≦O≦0.70wt%および不可避不純物を含む残部Tiよりなる,エンジン用チタン合金製バルブリフタの製造方法が提供される。
バルブリフタにおいて,動弁カムとの摺動面に要求される摺動条件はガイド孔との摺動面に要求される摺動条件よりも厳しい。
第1発明においては,動弁カムに対応する第1の硬化層のビッカース硬さH1 を,ガイド孔に対応する第2の硬化層のビッカース硬さH2 よりも高く設定し,また両ビッカース硬さH1 ,H2 を前記のように特定したので,良好な耐摩耗性を持つと共に相手材である動弁カムおよびガイド孔の孔壁に対する攻撃性が低い,つまり優れた摺動特性を有する,軽量で,且つ高強度なエンジン用チタン合金製バルブリフタを提供することができる。
このチタン合金製バルブリフタの重量は量産スチール製バルブリフタの60%に低減される。
ただし,第1の硬化層のビッカース硬さH1 がH1 ≦500HV0.1ではその硬化層,つまり動弁カムとの摺動面が摩耗し易くなり,一方,H1 >800HV0.1では第1の硬化層が剥離し易くなる。また第2の硬化層のビッカース硬さH2 がH2 <300HV0.1ではその硬化層,つまりガイド孔との摺動面が摩耗し易くなり,一方,H2 >500HV0.1ではガイド孔の孔壁が摩耗し易くなる。
第3発明において,前記のように特定された手段を採用すると,前記構成のバルブリフタを容易に製造することができる。また1次および2次酸化処理を大気中にて行うので,処理コストが安価であって,バルブリフタの製造コストを低減する上で有効である。
さらに筒部に機械加工を行った後,その筒部に2次酸化処理を施し,しかもその加熱温度を前記のように1次酸化処理のそれよりも低く設定したので,筒状部に生じるひずみを極力抑制しつつ第2の硬化層を形成して,寸法精度の高いバルブリフタを得ることができる。
このように第2発明によれば,軽量で,且つ高強度であり,その上,優れた摺動特性を有する,つまり良好な耐摩耗性を持つと共に相手材である動弁カムおよびガイド孔の孔壁に対する攻撃性の低いバルブリフタを量産することができる。このバルブリフタの製造コストは,レース用チタン合金製バルブリフタの製造コストの10分の1以下,また量産スチール製バルブリフタのそれの2〜3倍以内に抑えられ,よって,このバルブリフタは低燃費車やスポーツモデルに十分適用可能である。
この第3発明の実施において,第4発明のような温度管理を行うことは極めて有効である。
第2,第5発明において,このチタン合金は,合金元素としてAlを含まないので,特に2次酸化処理において,その加熱温度T2 を前記のように低く設定しても高い耐摩耗性と,優れた耐剥離性を有する第2の硬化層を形成することができ,また良好な温間鍛造性を有する。
チタン合金において,Feは粒界でβ相を形成し,α相結晶粒の粗大化を防ぐと共に,β相自体の変形が容易であることから鍛造性を改善するといった作用をなす。ただし,Fe含有量がFe<0.30wt%では温間鍛造性が低下して鍛造割れが発生し易くなり,一方,Fe>1.50wt%では温間鍛造中における変形抵抗が急増するため,素材の変形量が制約を受け,また金型への負荷が大となってその寿命が短くなる。OはTiに固溶して合金の強度を上げるだけでなく,素材と酸化膜の酸素量の差が小さくなるため,硬化層の剥離を抑制することで,耐摩耗性を向上させるといった作用をなす。ただし,O含有量がO<0.20wt%では前記耐摩耗性が低下する。一方,O>0.70wt%では温間鍛造中における変形抵抗が急増するため,素材の変形量が制約を受け,また金型への負荷が大となってその寿命が短くなる。
図1は,エンジンとしてのDOHC型エンジン1の排気側を示しており,そのエンジン本体2はシリンダブロック3と,そのシリンダブロック3に結合されたシリンダヘッド4とよりなる。シリンダブロック3にピストン5が摺動可能に嵌合され,ピストン5とシリンダヘッド4との間に燃焼室6が形成される。シリンダヘッド4には,燃焼室6の天井面に開口する排気弁口7と,その排気弁口7に通じる排気ポート8が設けられている。排気弁口7は排気弁9により開閉され,そのステム10は,シリンダヘッド4に圧入されたガイド筒11に摺動自在に嵌合される。
ガイド筒11から突出したステム10の端部に,二つ割りコッタ12を介してスプリングリテーナ13が固定されており,このスプリングリテーナ13と,それと対向するようにシリンダヘッド4に支持されたばね受部材14との間に,ステム10を囲繞するコイル状弁ばね15が圧縮状態で設けられている。これにより排気弁9が常時閉弁方向に付勢される。
バルブリフタ16は,弁ばね15の上部,スプリングリテーナ13およびステム10の上部をインナーシムaを介して覆うと共に動弁カム17およびシリンダヘッド4のガイド孔18とそれぞれ摺動関係にある。この場合,動弁カム17はねずみ鋳鉄,合金鋳鉄,鋼(炭素鋼,Cr鋼,Cr−Mo鋼)等より構成され,またシリンダヘッド4,つまりガイド孔18の孔壁はAl合金より構成される。以上のように排気側についてのみ説明したが,上記構成は吸気側についても同様である。
図2に明示するように,バルブリフタ16は,シリンダヘッド4のガイド孔17内に挿入される筒状部(実施例では円筒形)19およびその筒状部19の一端を閉鎖する端壁状部20を持ち,且つチタン合金よりなる。バルブリフタ16が動弁カム17と摺動する摺動面,つまりカム摺動面22には,端壁状部20外表面に形成された第1の酸化膜23aと,第1の酸化膜と素材間に形成される第1の拡散層23bとにより構成される第1の硬化層が形成される。バルブリフタ16がシリンダヘッド4のガイド孔18と摺動する摺動面,つまり孔壁摺動面24には,筒状部19外周面に形成された第2の酸化膜25aと,第2の酸化膜と素材間に形成される第2の拡散層25bとにより構成される第2の硬化層が形成される。実施例ではバルブリフタ16の内面全体が第1の硬化層23に形成されており,端壁状部20内面に在る中央突起26の端面が第1の硬化層23を介してインナーシムaに当接する。
第1の硬化層23のビッカース硬さH1 と第2の硬化層25のビッカース硬さH2 との間にはH1 >H2 の関係を成立させてある。即ち,第1の硬化層23のビッカース硬さH1 は500HV0.1<H1 ≦800HV0.1であり,一方,第2の硬化層25のビッカース硬さH2 は300HV0.1≦H2 ≦500HV0.1に設定される。
バルブリフタ16において,動弁カム17と摺動するカム摺動面22に要求される摺動条件はガイド孔18と摺動する孔壁摺動面24に要求される摺動条件よりも厳しい。そこで,動弁カム17に対応する第1の硬化層23のビッカース硬さH1 を,ガイド孔18に対応する第2の硬化層25のビッカース硬さH2 よりも高く設定し,また両ビッカース硬さH1 ,H2 を前記のように特定したものであり,これにより良好な耐摩耗性を持つと共に相手材である動弁カム17およびガイド孔18の孔壁に対する攻撃性が低い,つまり優れた摺動特性を有する,軽量で,且つ高強度なチタン合金製バルブリフタ16を提供することができる。
このようなバルブリフタ16は,図3,図4に示す各工程を経て製造される。
(a)工程
図3(a)に示すように,チタン合金よりなる丸棒から円盤形ビレット27を切出し,次いでそのビレット27に潤滑処理を施す。
(b)工程
ビレット27を鍛造温度Tfに加熱し,次いでそのビレット27に温間鍛造を施して,図3(b)に示すバルブリフタ本体用素材28を得る。その素材28は,シリンダヘッド4のガイド孔18内に挿入される筒部29およびその筒部29の一端を閉鎖して動弁カム17と対向する端壁部30を持つ。この場合,鍛造温度Tfは300℃≦Tf≦600℃に設定される。鍛造温度TfがTf<300℃では変形抵抗が高く,金型の負荷が大きい。一方,Tf>600℃では加熱中に表面に酸化膜が生じ,鍛造時にこの酸化膜に発生する亀裂を起点に割れが生じやすくなる。
(c)工程
バルブリフタ本体用素材28の筒部29外周面,端壁部30外面および筒部29の環状端面に機械加工を施して,図3(c)に示すように1次酸化処理にて生じる歪みを除去するのに十分な削り代を形成すべく,バルブリフタ完成寸法より外径を大きく設定した所定寸法に仕上げられたバルブリフタ本体用素材28を製作し,次いでそのバルブリフタ本体用素材28に洗浄処理を施す。
(d)工程
バルブリフタ本体用素材28を大気雰囲気下の加熱炉内に設置して,その素材28に,大気中にて加熱温度T1 をT1 ≧650℃に設定した1次酸化処理を施し,図4(d)に示すように,バルブリフタ素材28全面に1次酸化処理後の硬化層35を形成された第1中間体31を得る。この場合,1次酸化処理後の硬化層35は素材28の全面に形成された酸化膜35aと,酸化膜35aと素材28間に形成された拡散層35bとにより構成される。
(e)工程
第1中間体31をセンタレス研削装置に設置し,次いでその装置を作動させ,図4(e)に示すように,筒部29外周面側に存する削り代分だけ研削して第2中間体32を製作し,その後第2中間体32に洗浄処理を施す。
(f)工程
第2中間体32を前記の大気雰囲気下の加熱炉内に設置して,その第2中間体32に,大気中にて,加熱温度T2 を400℃<T2 <650℃に設定した2次酸化処理を施し,図4(f)に示すように,カム摺動面22およびバルブリフタ16の内面全体に第1の硬化層23を形成し,筒部29外周面に第2の硬化層25を形成する。第1の硬化層23は,1次酸化処理および2次酸化処理により形成された第1の酸化膜23aと,第1の酸化膜と素材間に形成される第1の拡散層23bとにより構成される。また,第2の硬化層25は2次酸化処理により形成された第2の酸化膜25aと,第2の酸化膜と素材間に形成される第2の拡散層25bとにより構成される。
前記チタン合金としては,0.30wt%≦Fe≦1.50wt%,0.20wt%≦O≦0.70wt%および不可避不純物を含む残部Tiよりなるものが好適である。
以下,具体例について説明する。
〔A〕バルブリフタ16の製造
(a)〜(c)工程:0.96wt%Fe,0.28wt%Oおよび不可避不純物を含む残部Tiよりなるチタン合金より構成された外径Da 26mm,高さHc 21mmのバルブリフタ素材28を製作.
(d)工程…1次酸化処理;加熱温度T1 ≧650℃.
(e)工程…センタレス研削条件:筒部29外周面側に存する削り代分だけ研削.
(f)工程…2次酸化処理:加熱温度T2 400℃<T2 <650℃.
〔B〕ビッカース硬さおよびひずみの測定
バルブリフタ16の各例について,第1および第2の硬化層23,25,つまりカム摺動面22および孔壁摺動面24のビッカース硬さ(HV0.1,試験荷重:0.9807N)H1 ,H2 をそれぞれ測定し,また第2の硬化層25を有する筒状部19のひずみ(第2の硬化層25外周面の真円度)Δrを測定した。
〔C〕モータリングテスト
バルブリフタ16の各例を,図1のDOHC型エンジン1と同様の構造を有する,1000cc,4気筒エンジンに組込んで,低粘度の劣化エンジンオイルを用いて摩耗評価モードでモータリングテストを行い,バルブリフタ16のカム摺動面22および孔壁摺動面24における摩耗の有無ならびに相手部材である動弁カム17およびガイド孔18孔壁における摩耗の有無を調べた。この場合,動弁カム17はカム山部を鋳造時に冷し金により硬化させた鋳鉄(JIS FC300)より構成され,またシリンダヘッド4,つまりガイド孔18の孔壁はAl合金(JIS AC2B相当)より構成された。
〔D−1〕バルブリフタの例(1)〜(6)について
表1は,1次酸化処理条件とセンタレス研削前の筒部29のひずみΔrを示す。
Figure 2005291085
この〔D−1〕においては,1次酸化処理の加熱温度T1 を例(1)〜(6)について変化させる一方,加熱時間t1 を例(1)〜(6)について一定とした。
表2は,2次酸化処理条件と2次酸化処理後の筒状部19のひずみΔrを示す。
Figure 2005291085
この〔D−1〕においては,例(1)〜(6)について2次酸化処理の加熱温度T2 および加熱時間t2 をそれぞれ一定とした。この2次酸化処理後の筒状部19のひずみΔrはΔr≦10μmであれば実用上問題は無い。
表3は,カム摺動面22および孔壁摺動面24のビッカース硬さH1 ,H2 と,モータリングテストにおけるカム摺動面22および孔壁摺動面24ならびに相手部材である動弁カム17およびガイド孔18孔壁の摩耗の有無を示す。
Figure 2005291085
表3から明らかなように,1次酸化処理において,加熱時間t1 を一定にすると共に加熱温度T1 を漸次上昇させると,第1の硬化層23のビッカース硬さH1 を漸次高くすることができる。また例(1)〜(5)のごとく,第1の硬化層23のビッカース硬さH1 を500HV0.1<H1 ≦800HV0.1に,一方,第2の硬化層25のビッカース硬さH2 を300HV0.1≦H2 ≦500HV0.1にそれぞれ設定すると,カム摺動面22および孔壁摺動面24の耐摩耗性を向上させると共に動弁カム17およびガイド孔18孔壁に対する攻撃性を低減することができる。
例(6)においては第1の硬化層23のビッカース硬さH1 がH1 >800HV0.1であることから,その硬化層23がモータリングテスト中に剥離した。この場合,動弁カム17の摩耗量は測定しなかった。
〔D−2〕バルブリフタの例(7)〜(14)について
表4は,1次および2次酸化処理条件と2次酸化処理後の筒状部19のひずみΔrを示す。
Figure 2005291085
この〔D−2〕においては,1次酸化処理の加熱温度T1 を例(7)〜(14)について変化させる一方,加熱時間t1 を例(7)〜(14)について一定とし,且つ〔D−1〕の場合よりも長くした。2次酸化処理の加熱温度T2 および加熱時間t2 はそれぞれ一定とした。ただし,加熱温度T2 は〔D−1〕の場合よりも高い。
表5は,カム摺動面22および孔壁摺動面24のビッカース硬さH1 ,H2 と,モータリングテストにおけるカム摺動面22および孔壁摺動面24ならびに相手部材である動弁カム17およびガイド孔18孔壁の摩耗の有無を示す。
Figure 2005291085
表5から明らかなように,1次加熱処理の加熱時間t1 を〔D−1〕の場合よりも長くすると,同一加熱温度T1 において第1の硬化層23のビッカース硬さH1 を高くすることができる。また2次加熱処理の加熱温度T2 を〔D−1〕の場合よりも高くすると,同一加熱時間t2 において第2の硬化層25のビッカース硬さH2 を高くすることができる。さらに,例(8)〜(13)のごとく,第1の硬化層23のビッカース硬さH1 を500HV0.1<H1 ≦800HV0.1に,一方,第2の硬化層25のビッカース硬さH2 を300HV0.1≦H2 ≦500HV0.1にそれぞれ設定すると,カム摺動面22および孔壁摺動面24の耐摩耗性を向上させると共に動弁カム17およびガイド孔18孔壁に対する攻撃性を低減することができる。
例(7)においては第1の硬化層23のビッカース硬さH1 がH1 ≦500HV0.1であることから,その硬化層23がモータリングテスト中に摩耗した。この場合,動弁カム17の摩耗量は測定しなかった。また例(14)においては第1の硬化層23のビッカース硬さH1 がH1 >800HV0.1であることから,その硬化層23がモータリングテスト中に剥離した。この場合,動弁カム17の摩耗量は測定しなかった。
〔D−3〕バルブリフタの例(15)〜(20)について
表6は,1次および2次酸化処理条件と2次酸化処理後の筒状部19のひずみΔrを示す。〔D−3〕には例(5)に関するデータも掲載されている。
Figure 2005291085
この〔D−3〕においては,例(15)〜(20)について1次酸化処理の加熱温度T1 および加熱時間t1 をそれぞれ一定とした。それら温度T1 および時間t1 は例(5)の場合と同じである。2次酸化処理の加熱温度T2 は例(15)〜(20)について変化させる一方,加熱時間t2 は例(15)〜(20)について一定とした。その時間t2 は例(5)の場合と同じである。
表7は,カム摺動面22および孔壁摺動面24のビッカース硬さH1 ,H2 と,モータリングテストにおけるカム摺動面22および孔壁摺動面24ならびに相手部材である動弁カム17およびガイド孔18孔壁の摩耗の有無を示す。
Figure 2005291085
表7から明らかなように,2次酸化処理において,加熱時間t2 を一定にすると共に加熱温度T2 を漸次上昇させると,第2の硬化層25のビッカース硬さH2 を漸次高くすることができる。また例(5),(16),(17)のごとく,第1の硬化層23のビッカース硬さH1 を500HV0.1<H1 ≦800HV0.1に,一方,第2の硬化層25のビッカース硬さH2 を300HV0.1≦H2 ≦500HV0.1にそれぞれ設定すると,カム摺動面22および孔壁摺動面24の耐摩耗性を向上させると共に動弁カム17およびガイド孔18孔壁に対する攻撃性を低減することができる。
例(15)においては第2の硬化層25のビッカース硬さH2 がH2 <300HV0.1であることから,その硬化層25がモータリングテスト中に摩耗した。この場合,ガイド孔18孔壁の摩耗量は測定しなかった。また例(18),(19),(20)においては第2の硬化層25のビッカース硬さH2 がH2 >500HV0.1であると共に筒状部19のひずみΔrがΔr>10μであることから,孔壁摺動面24は摩耗しなかったが,ガイド孔18孔壁が摩耗した。
〔D−4〕バルブリフタの例(21)〜(24)について
表8は,1次および2次酸化処理条件と2次酸化処理後の筒状部19のひずみΔrを示す。この〔D−4〕には例(16)に関するデータも掲載されている。
Figure 2005291085
この〔D−4〕においては,例(21)〜(24)について1次酸化処理の加熱温度T1 および加熱時間t1 をそれぞれ一定とした。それら温度T1 および時間t1 は例(16)の場合と同じである。2次酸化処理の加熱温度T2 を例(22)〜(24)について一定にする一方,加熱時間t2 を例(22)〜(24)について変化させた。その温度T2 は例(16)の場合と同じである。例(21)の場合は,加熱温度T2 が例(22)等に比べて低く,加熱時間t2 は長く,例(23)と同じである。
表9は,カム摺動面22および孔壁摺動面24のビッカース硬さと,モータリングテストにおけるカム摺動面22および孔壁摺動面24ならびに相手部材である動弁カム17およびガイド孔18孔壁の摩耗の有無を示す。
Figure 2005291085
表9から明らかなように,例(16),(22)〜(24)のごとく,第2酸化処理における加熱温度T2 を一定にすると共に加熱時間t2 を漸次長くすると,第2の硬化層25のビッカース硬さH2 を漸次高くすることができる。例(21)の場合は,加熱温度T2 が低いので,加熱時間t2 を長くしても第2の硬化層25のビッカース硬さH2 は高くならない。また例(16),(22)〜(24)のごとく,第1の硬化層23のビッカース硬さH1 を500HV0.1<H1 ≦800HV0.1に,一方,第2の硬化層25のビッカース硬さH2 を300HV0.1≦H2 ≦500HV0.1にそれぞれ設定すると,カム摺動面22および孔壁摺動面24の耐摩耗性を向上させると共に動弁カム17およびガイド孔18孔壁に対する攻撃性を低減することができる。
例(21)においては第2の硬化層25のビッカース硬さH2 がH2 <300HV0.1であることから,その硬化層25がモータリングテスト中に摩耗した。この場合,ガイド孔18孔壁の摩耗量は測定しなかった。
次に,ビレット27の材質,つまりチタン合金の組成と,温間鍛造性およびカム摺動面の耐摩耗性との関係等を調べるため,各種材質のビレット27を用いて前記同様の方法で各種バルブリフタ16を製造した。ただし,1次酸化処理の加熱温度T1 は750℃に,また加熱時間t1 は3時間にそれぞれ設定され,一方,2次酸化処理の加熱温度T2 は600℃に,また加熱時間t2 は18時間にそれぞれ設定された。
表10はビレット27の材質と,温間鍛造性およびカム摺動面の耐摩耗性との関係を示す。
Figure 2005291085
表10から明らかなように,ビレット27の例(3)〜(10)のごとく,Fe含有量を0.30wt%≦Fe≦1.50wt%に,またO含有量を0.20wt%≦0≦0.70wt%に設定すると,良好な温間鍛造性および耐摩耗性が得られる。ビレットの例(12)はO含有量が0<0.20wt%であることから耐摩耗性が低下する。
DOHC型エンジンの要部断面図である。 バルブリフタの断面図である。 バルブリフタの製造工程前半の説明図である。 バルブリフタの製造工程後半の説明図である。
符号の説明
2……………エンジン本体
16…………バルブリフタ
17…………動弁カム
18…………ガイド孔
19…………筒状部
20…………端壁状部
22…………カム摺動面
23…………第1の硬化層
24…………孔壁摺動面
25…………第2の硬化層
28…………バルブリフタ素材
29…………筒部
30…………端壁部
31…………第1中間体
32…………第2中間体

Claims (5)

  1. 筒状部(19)およびその筒状部(19)の一端を閉鎖する端壁状部(20)を持ち,且つチタン合金よりなるバルブリフタ本体(21)と,動弁カム(17)と摺動する摺動面を形成すべく,前記端壁状部(20)外面に形成された第1の硬化層(23)と,エンジン本体(2)のガイド孔(18)を摺動する摺動面を形成すべく,前記筒状部(19)外周面に形成された第2の硬化層(25)とを有し,前記第1の硬化層(23)のビッカース硬さH1 が500HV0.1<H1 ≦800HV0.1であり,前記第2の硬化層(25)のビッカース硬さH2 が300HV0.1≦H2 ≦500HV0.1であることを特徴とするエンジン用チタン合金製バルブリフタ。
  2. 前記チタン合金は,0.30wt%≦Fe≦1.50wt%,0.20wt%≦O≦0.70wt%および不可避不純物を含む残部Tiよりなる,請求項1記載のエンジン用チタン合金製バルブリフタ。
  3. エンジン本体(2)のガイド孔(18)内に挿入される筒部(29)およびその筒部(29)の一端を閉鎖して動弁カム(17)と対向する端壁部(30)を持つチタン合金製バルブリフタ本体用素材(28)に,大気中にて1次酸化処理を施して,前記バルブリフタ本体用素材(28)全面に1次酸化処理後の硬化層(35)を形成された第1の中間体(31)を得る工程と,前記筒部(29)外周面に機械加工を施して第2中間体(32)を得る工程と,前記第2中間体(32)に,大気中にて2次酸化処理を施して,前記端壁部(30)外面に第1の硬化層(23)を形成し,前記筒部(29)外周面に第2の硬化層(25)を形成する工程とを用いて,前記第1の硬化層(23)のビッカース硬さH1 が500HV0.1<H1 ≦800HV0.1であり,前記第2の硬化層(25)のビッカース硬さH2 が300HV0.1≦H2 ≦500HV0.1であるチタン合金製バルブリフタを得ることを特徴とする,エンジン用チタン合金製バルブリフタの製造方法。
  4. 1次酸化処理を施す際の加熱温度T1 をT1 ≧650℃に設定し,2次酸化処理を施す際の加熱温度T2 を400℃<T2 <650℃に設定する,請求項3記載のエンジン用チタン合金製バルブリフタの製造方法。
  5. 前記チタン合金は,0.30wt%≦Fe≦1.50wt%,0.20wt%≦O≦0.70wt%および不可避不純物を含む残部Tiよりなる,請求項3または4記載のエンジン用チタン合金製バルブリフタの製造方法。
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