JP2001132586A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JP2001132586A
JP2001132586A JP32067599A JP32067599A JP2001132586A JP 2001132586 A JP2001132586 A JP 2001132586A JP 32067599 A JP32067599 A JP 32067599A JP 32067599 A JP32067599 A JP 32067599A JP 2001132586 A JP2001132586 A JP 2001132586A
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injection nozzle
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fuel
pressure
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JP32067599A
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Hiroshi Yamamoto
浩 山本
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】キャビテーション・エロージョンによる高圧燃
料噴射時により生じる燃料噴射ノズル部内の変形、損傷
や破損などを防止することを可能にした燃料噴射装置を
提供する。 【解決手段】少なくとも燃料噴射ノズル部(10)の内部は
化学蒸着により生成された硬質薄膜状の被覆層(14)を有
している。同被覆層(14)はIV−Bチタン族、V−Bバナ
ジウム族、VI−Bクロム族のうちの一つの元素を含有す
る炭化物系又は炭窒化物系の化合物からなり、その膜厚
は0.1〜20μmである。一方の前記燃料噴射ノズル
部(10)の材質は、少なくとも0.3%以上の炭素を含有
する鋼材である。好ましくは、前記燃料噴射ノズル部(1
0)に前記被覆層(14)を化学蒸着したのち、更に焼き入れ
焼き戻し処理を施すことが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は高圧燃料を噴射する燃料
噴射装置に係わり、更に詳しくは、高圧燃料噴射により
生じる燃料噴射ノズル部内の変形や損傷などを防止する
ことを可能にした燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えばディーゼルエンジンから放
出される廃棄ガス中に含まれる有害廃棄物を低減するこ
とを目的として、高圧燃料噴射系の燃料噴射装置が使用
されている。この燃料噴射装置にあっては、 同燃料噴射
装置の燃料噴射ノズル部内に流れる高圧の燃料が燃料噴
射ポンプの噴射終了後に高圧側から低圧側に戻るような
急激な圧力変動の発生や前記燃料噴射ノズル部内の燃料
供給路の表面に強く衝突するような衝撃圧の発生によ
り、損傷や破損などを受けることが問題となる。
【0003】このような損傷や破損などを防止すること
を可能にした燃料噴射装置の一例が、例えば特開平6−
42372号公報に開示されている。同公報に開示され
た燃料噴射装置は、ディーゼルエンジンの各シリンダ内
に燃料を高圧で噴射供給する燃料噴射ノズル部を有する
ユニットインジェクタ方式の燃料噴射ポンプを備えてい
る。同燃料噴射ポンプは燃料導入口に通じる低圧側通路
とプランジャを摺動させる圧縮室に通じる高圧側通路と
を有しており、前記燃料噴射ノズル部は連通孔を介して
前記圧縮室に連通されている。更に、前記燃料噴射ポン
プには制御部により前記高圧側通路と前記低圧側通路と
の連通状態を調整するソレノイドバルブ部が備えられて
いる。
【0004】同ソレノイドバルブ部はアーマチュア室に
摺動自在に収納されたアーマチュアと同アーマチュアに
連結固定された弁体の弁頭部が摺動自在に収納されたス
ピル室とを備えている。前記弁体の外周には、同弁体の
開放時に前記スピル室を介して前記低圧側通路と前記高
圧側通路とを連通させる小径の環状凹部が形成されてい
る。
【0005】前記ソレノイドバルブ部の弁体の内部には
前記スピル室と前記アーマチュア室とを連通する連通路
が形成されており、同連通路の途中には通路断面を小さ
くしたオリフィス部が形成されている。これにより、前
記弁体のスムーズな動きを確保して前記スピル室と前記
アーマチュア室との圧力バランスを保っている。
【0006】この従来の燃料噴射装置によると、前記燃
料噴射ポンプの吸入時には前記ソレノイドバルブ部のソ
レノイドは非通電状態にあるため、前記弁体の弁頭部は
開いた状態を維持している。このため、前記燃料噴射ポ
ンプの燃料導入口から前記低圧側通路に導入された低圧
燃料は、前記ソレノイドバルブ部の弁体の環状凹部から
前記高圧側通路を通って前記燃料噴射ポンプの圧縮室に
供給される。
【0007】前記燃料噴射ポンプの圧縮時は前記ソレノ
イドバルブ部のソレノイドが通電される。同ソレノイド
の電磁力により前記アーマチュアが前記ソレノイドバル
ブ部のステータに吸引され、前記弁体の弁頭部は閉じら
れて前記低圧側通路と前記高圧側通路とが遮断される。
高圧側の燃料は低圧側に戻ることを阻止され、前記圧縮
室内の燃料は前記プランジャの摺動により圧縮され、圧
縮された燃料は前記連通孔を介して前記燃料噴射ノズル
部の噴射孔から霧状に噴射される。
【0008】そして、前記燃料噴射ポンプの圧縮終了時
には、前記ソレノイドの通電が断たれるため、前記弁体
の弁頭部は開く。高圧側の燃料は前記高圧側通路から前
記弁体の環状凹部を経て前記低圧側通路に戻り、高圧側
の圧力が急激に下がり、前記燃料噴射ノズル部の噴射孔
からの高圧噴射を停止する。このとき、高周波を伴う急
激な圧力変動波が前記連通路を介して前記スピル室や前
記アーマチュア室等に伝搬されるが、前記連通路に形成
された前記オリフィス部により圧力変動波が低減され
る。
【0009】以上のごとく構成された従来の燃料噴射装
置は、前記スピル室から前記アーマチュア室を経て前記
アーマチュアを回り込んで前記ソレノイド表面に流れ込
む圧力変動波が前記オリフィス部により緩和されるた
め、前記ソレノイドバルブ部のステータ表面やコイルと
の激突を防止することができ、同ステータ表面やコイル
を被覆している樹脂等の経時的な変形や浸食を防止する
ことができるという利点を有している。更に、この従来
の燃料噴射装置は前記ソレノイドバルブ部の動作を迅速
に行うことができるという利点等をも有するとしてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】通常、燃料噴射ノズル
部の噴射圧は約150MPa位の高圧であり、その伝播
速度は約1,500m/秒程度に達する。このため、前
記燃料噴射ノズル部の高圧燃料噴射の機能が適正になさ
れなければ、例えば高圧燃料が燃料噴射ノズル部の燃料
供給路を通過するとき、同燃料供給路内に接触している
燃料に高い振動度で急激な圧力の低下や上昇が生じ、燃
料に気泡の発生や気泡の崩壊が起こり、その気泡の崩壊
時に生じる衝撃圧力波により前記燃料噴射ノズル部の内
部はキャビテーション・エロージョン(壊食)を受ける
ことが知られている。
【0011】一般に、従来の浸炭、浸炭窒化又は焼き入
れ等の表面硬化熱処理を施した鋼材からなる燃料噴射ノ
ズル部ではビッカース硬さで約HV700程度の値が得
られるものの、燃料噴射圧のよりいっそうの高圧化に伴
って燃料噴射ノズル部の内部表面の鋼材の硬さが不足す
るため、既述したごときキャビテーション・エロージョ
ンによる損傷を受けやすい傾向がある。
【0012】ところで、上記特開平6−42372号公
報に開示された燃料噴射装置にあっては、上記作用効果
を得るために、上述したごとくソレノイドバルブ部のス
ピル室とアーマチュア室とを連通する連通路の途中の通
路断面を小さくしたオリフィス部により、燃料噴射ポン
プの噴射終了後に高周波を伴う急激な圧力変動波がソレ
ノイドバルブ部のスピル室からアーマチュア室等に伝搬
することを抑える構造になっている。
【0013】しかしながら、このような圧力変動波を緩
和する構造にあっては、ソレノイドバルブ部に伝播する
圧力変動波を低減することが可能であるとは言うもの
の、燃料噴射ノズル部内の燃料供給路及び噴射孔の内壁
面には相変わらず高圧の燃料が接触するため、同燃料供
給路及び噴射孔の内壁面に対しては上述したようなキャ
ビテーション・エロージョンによる損傷を回避すること
はできない。特に、燃料噴射圧のよりいっそうの高圧化
に伴って燃料噴射ノズル部の内部表面のキャビテーショ
ン・エロージョンによる損傷を防止することが切望され
ている。
【0014】前述の特開平6−42372号公報では、
燃料噴射ノズル部内の燃料供給路及び噴射孔の各内壁面
に接触している高圧の燃料により、同燃料噴射ノズル部
内に損傷や破損などを生じるという技術的課題に関して
何ら言及されていない。従って、上述した従来の燃料噴
射装置の構造では燃料噴射ノズル部に有効な効果を発揮
することを意図していないことは明らかである。
【0015】本発明は、かかる従来の課題を解消すべく
なされたものであり、その具体的な目的はキャビテーシ
ョン・エロージョンによる高圧燃料噴射時により生じる
燃料噴射ノズル部内の変形、損傷や破損などを防止でき
る燃料噴射装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用効果】燃料噴射装
置における燃料噴射ノズル部の内部は極めて狭小な密閉
空間を有しているため、同ノズル部の内部及び同内部か
ら外部に連通するピンホール状をなす噴射孔には成膜処
理を施すことは到底不可能であると考えられていた。
【0017】しかして、本発明者等は、上記課題を解決
すべく鋭意検討を重ねたところ、意外にも前記燃料噴射
ノズル部の内部及び同噴射孔に平滑で且つ均一な成膜が
できることを知った。すなわち、特定の成膜材料をもっ
て特定の成膜処理を施せば、少なくとも燃料噴射ノズル
部の内壁面に被覆層が生成され、非常に高い表面硬度を
得ることにより予想外の成果を挙げることができ、従来
では予測し得ない新規な構成が得られた。
【0018】請求項1に係る発明は、その新規な構成を
特徴とするものであり、高圧燃料を噴射する燃料噴射装
置であって、少なくとも燃料噴射ノズル部の内壁面に硬
質膜状の被覆層を有してなることを特徴としている。
【0019】かかる構成によれば、所定の金属材料を母
材とした少なくとも燃料噴射ノズル部の燃料供給路及び
噴射孔の各内壁面に成膜生成処理が施され、それらの内
壁面に極めて表面硬度が高く且つ均一な膜厚の被覆層を
有するようになるため、燃料噴射のたびの激しい圧力振
動波に起因するキャビテーション・エロージョンに基づ
く燃料噴射ノズル部の燃料供給路及び噴射孔の各内壁面
の変形、損傷、破損等の発生が確実に且つ完全に防止さ
れ、それらの燃料供給路及び噴射孔の各内壁面の品質を
長く維持できるようになり、特に噴射孔の内壁面の劣化
が少ないため、同噴射孔における霧状の噴射機能を低下
させることがない。
【0020】本件請求項1に係る発明の被覆層は、従来
から広く知られた化学蒸着による成膜技術を使って生成
される。請求項2に係る発明は、前記被覆層が化学蒸着
により生成された薄膜体であることを規定しており、同
薄膜体により前述の作用効果が確実に発揮される。
【0021】ここで、化学蒸着とは、一般に金属のハロ
ゲン化物を気化させ、メタン、水素二酸化炭素等の反応
性ガスと混合し、水素やアルゴン等をキャリアガスとし
て加えた混合ガスを高温に保持した化学蒸着槽に導入
し、同蒸着槽に保持した母材の表面上で化学反応を生じ
させることにより硬質被覆を得る方法である。
【0022】例えば化学蒸着槽中に気流状の四塩化チタ
ン(TiCl4 )をメタンガス(CH4 )及び水素ガス
(H2 )と共に流し、所定の成膜温度に加熱した燃料噴
射ノズル部の母材を浸漬して同母材の内壁面上で化学反
応により目的とする高硬度の薄膜体である炭化チタン
(TiC)を生成する。また、前記混合ガスに窒素ガス
(N2 )を添加して炭窒化チタン(TiCN)を生成す
ることも可能である。
【0023】このときの成膜温度は、燃料噴射ノズル部
内の母材内壁面に前記薄膜体を好適に生成させることが
できることに加えて、同母材の融点を超えない程度の温
度を選定する。この成膜温度は約1,000℃〜120
0℃位が望ましい。
【0024】請求項2に係る発明によれば、上記請求項
1の作用効果に加えて前記薄膜体の表面硬度はビッカー
ス硬さで約HV2,000〜4,000程度の非常に高
い硬さの値が得られ、前記燃料噴射ノズル部の内壁面に
平滑で均一な膜厚寸法をなす薄膜体を効果的に形成する
ことができる。
【0025】請求項2に係る発明のごとく化学蒸着によ
り成膜された薄膜体としては、炭化物系の化合物からな
る炭化物層又は炭窒化物系の化合物からなる炭窒化物層
が特に有効である。燃料噴射ノズル部の母材に対する成
膜材料としては、好ましくはIV−Bチタン族、V−Bバ
ナジウム族、VI−Bクロム族の特定の遷移金属から選ば
れた1つの元素を含有する炭化物系又は炭窒化物系の化
合物が望ましい。
【0026】更に具体的には、燃料噴射ノズル部の母材
に被覆される炭化物層として炭化チタン(TiC)、炭
化バナジウム(VC)や炭化タングステン(WC)など
が特に有用であることに加えて、炭窒化物層としては炭
窒化チタン(TiCN)などが特に有用である。
【0027】そこで、請求項3に記載しているとおり、
前記被覆層はIV−Bチタン族、V−Bバナジウム族、VI
−Bクロム族のうちの一つ以上の元素を含有する炭化物
又は炭窒化物系の化合物からなる。
【0028】このような炭化物又は炭窒化物は難焼結性
物質であり、高い硬度性や強い靱性を与え、しかも圧力
特性を阻害することなく、燃料噴射ノズル部に高品質の
内部表面が得られる。請求項3に係る発明によれば、上
記各請求項の作用効果に加えて、上記蒸着法に基づき均
一な成膜が形成されることと相まって、高圧の燃料を燃
料噴射ノズル部から良好に且つ確実に霧状化させて繰り
返し噴射することを可能にする。
【0029】既述したような作用効果を達成するには、
被覆層の膜厚寸法や燃料噴射ノズル部の母材の材質を適
宜に選択することが肝要である。即ち、本発明の被覆層
の膜厚寸法は約0.1μm以上であることが好ましく、
更に好ましくは約20μmを越えない程度の膜厚寸法で
あることが望ましい。同被覆層の膜厚が0.1μm以下
であるとキャビテーション・エロージョンによる損傷等
を充分に阻止できず、同膜厚が20μm以上である場合
には成膜生成時間がかかりすぎ、更には噴射ノズル部の
噴射孔を閉塞してしまう恐れがあるため、実用的ではな
い。
【0030】一方、燃料噴射ノズル部の母材中に含有す
る炭素を使って、同母材中の炭素と、例えば成膜材料で
ある四塩化チタン中のチタンとを置換させて化学的成膜
処理を実施することにより、燃料噴射ノズル部の燃料供
給路及び噴射孔の各内壁面に平滑で且つ均等な膜厚寸法
を有する炭化物層又は炭窒化物層を被覆層として安定し
て形成することができる。
【0031】本発明の対象とする燃料噴射ノズル部の母
材には一般的な炭化物被覆処理、浸炭窒化処理又は浸炭
焼き入れ処理を施した鋼材が有効に適用され、例えば浸
炭鋼、炭素鋼や炭窒化鋼等が効果的に採用できる。燃料
噴射ノズル部の母材の材質として、少なくとも約0.3
%以上の炭素を含有する鋼材を用いることが特に有用で
ある。炭素の含有量が0.3%よりも少ない場合は、燃
料噴射装置の、特に燃料噴射ノズル部の母材に所望の成
膜を生成することができない。
【0032】これを受けて、請求項4に係る発明では、
燃料噴射ノズル部の材質として、少なくとも0.3%以
上の炭素を含有する鋼材であることを規定している。か
かる構成によれば、前述の作用効果が確実に達成され
る。
【0033】更に、本発明にあっては、既述したごとき
化学的成膜処理により燃料噴射ノズル部の内壁面である
被覆層を形成したのち、さらに焼き入れ焼き戻し処理を
実施することにより、更に一層高い強度と強い靱性が付
与できる。
【0034】そこで、請求項5に係る発明によれば、前
記ノズル部の母材の材質として、前記被覆層を化学蒸着
したのち、更に焼き入れ焼き戻し処理を施してなる鋼材
であることを規定している。
【0035】請求項5に係る発明によれば、本発明にお
ける被覆層を化学蒸着したのち、更に焼き入れ焼き戻し
処理を実施することにより、上記各請求項の作用効果に
加えて、難焼結性物質である炭化物又は炭窒化物による
被覆層の物性に変化を与えることなく、燃料噴射ノズル
部の母材の材質の強度や強靱性などを増大させることが
可能であり、しかも燃料噴射ノズル部の噴霧特性を阻害
することもなく、同燃料噴射ノズル部の品質を更に一層
良好に確保することが可能である。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて具体的に説明する。本発明は、例
えば図示せぬ建設・土木や農業用或いは一般車両等のデ
ィーゼル車両に搭載されたディーゼルエンジンの燃焼室
内に高圧の燃料を霧状に噴射供給する高圧燃料噴射系の
燃料噴射装置に適用される。なお、本実施例では燃料噴
射ノズル部を例に挙げて説明するが、本発明は噴射ノズ
ルに限定されず、例えば燃料噴射装置の燃料供給部を挙
げることができ、当業者が容易に適用可能な技術的な範
囲をも当然に包含するものである。
【0037】燃料噴射装置は従来から広く知られた構造
を有しているため、ここでは、その詳しい説明は省略
し、本発明の特徴部をなす硬質成膜がなされる燃料噴射
ノズル部の内部の被覆構造について具体的に説明する。
図1は本発明の代表的な実施例である燃料噴射ノズル部
を示す正面図、図2は同ノズル部を示す断面図であり、
図3は同ノズル部の先端部分を拡大して示す部分拡大断
面図である。
【0038】これらの図において、図示を省略した燃料
噴射装置は、同じく図示せぬ燃料噴射ポンプを備えてい
る。同燃料噴射ポンプから送られた高圧の燃料は図示せ
ぬディーゼルエンジンの燃焼室内に霧状の噴射を繰り返
す燃料噴射ノズル部10に供給される。同燃料噴射ノズ
ル部10には、例えば図示を省略した針弁を備えてお
り、本体に装着された同じく図示せぬ弁バネを介して噴
射開始圧を調整する同じく図示せぬ自動噴射弁等を有し
ている。
【0039】本発明にあって、図示せぬ燃料噴射ポンプ
にはユニットインジェクタ型、独立式列型や分配型を適
用することができる。また、前記燃料噴射ノズル部10
にはホール型、ピントル型、カプセル型やスロットル型
を採用することができる。本図示例にあっては、前記燃
料噴射ノズル部10には燃料供給路11が設けられてお
り、同燃料供給路11の下流側先端部はポケット部12
とピンホール状をなす複数の噴射孔13,…,13とを
有している。
【0040】上記目的を達成するため、本発明は、燃料
噴射ノズル部10の内部の被覆構造を主要な構成として
いる。本発明にあっては、被覆層の膜厚寸法、材質や前
記燃料噴射ノズル部10の母材の材質を適宜に組み合わ
せることが特に有用である。
【0041】前記燃料噴射ノズル部10の内部の被覆構
造の好ましい態様には後述する硬質膜状の被覆層14が
ある。本実施例にあっては、高圧の燃料が燃料噴射ノズ
ル部10の噴射孔13を通過するとき、同噴射孔13に
高圧で押し出される燃料に急激な圧力の低下が生じ、そ
の高圧と低圧との間の急激な圧力変動により、前記燃料
噴射ノズル部10内のポケット部12と噴射孔13に高
圧且つ高速の燃料噴射時にキャビテーション・エロージ
ョンによる変形、損傷や破損等を受けやすいため、前記
被覆層14は燃料噴射ノズル部10の少なくともポケッ
ト部12と噴射孔13の内壁面に形成される。
【0042】本発明によると、前記燃料噴射ノズル部1
0の材質は炭素を含有した鋼材を用いている。好ましく
は、少なくとも約0.3%以上の炭素を含有した鋼材が
望ましい。前記燃料噴射ノズル部10の母材は一般的な
炭化物被覆処理、侵炭窒化処理又は侵炭焼き入れ処理を
施した鋼材、例えば侵炭鋼、炭素鋼や炭窒化鋼等が採用
される。炭素の含有量が0.3%よりも少ない場合には
前記母材に所望の成膜を生成することができないため、
同母材の材質は少なくとも約0.3%以上の炭素を含有
する鋼材を効果的に採用している。
【0043】一方、前記燃料噴射ノズル部10に対する
成膜材料として、特に好ましくはIV−Bチタン族、V−
Bバナジウム族、及びVI−Bクロム族の特定の遷移金属
から選ばれた1つの元素を含有する炭化物系又は炭窒化
物系の化合物からなっており、前記被覆層14は化学蒸
着により蒸着された略0.1〜20μmの薄膜体からな
る。
【0044】本発明にあって、IV−Bチタン族として炭
化チタン(TiC)、V−Bバナジウム族として炭化バ
ナジウム(VC)、及びVI−Bクロム族としては炭化タ
ングステン(WC)などの炭化物、又は炭窒化チタン
(TiCN)等の炭窒化物が挙げられる。
【0045】このような炭化物又は炭窒化物は、予測に
反して成膜が可能であるとは考えられなかった前記燃料
噴射ノズル部10内の内壁面に平滑で均一な膜厚寸法を
なす被覆層14として効果的に形成することができるこ
とに加えて、その成膜により材質に基づく高い硬度性や
強い靱性を向上させることができる。
【0046】前記被覆層14の膜厚寸法は約0.1μm
以上が好ましく、更に好ましくは約20μmを越えない
程度の膜厚寸法が望ましい。これは、前記被覆層14の
膜厚が0.1μm以下である場合は、燃料噴射圧のより
いっそうの高圧化に伴って燃料噴射ノズル部10の内壁
面に生じるキャビテーション・エロージョンにより起因
する損傷等を充分に阻止できないがためである。また、
前記被覆層14の膜厚が20μm以上である場合には成
膜生成時間がかかるばかりでなく、噴射孔13を閉塞す
る恐れがあるため、実施化には馴染まない。
【0047】前記被覆層14の成膜作成には従来周知の
成膜技術を適宜に採用することができる。本実施例によ
れば、例えば熱CVDによる成膜技術を使って実施され
る。この成膜は、例えば化学蒸着槽中に約1,100℃
の成膜温度に加熱した燃料噴射ノズル部10の母材を浸
漬し、気流状の四塩化チタン(TiCl4 )をメタンガ
ス(CH4 )及び水素ガス(H2 )と共に導入する。
【0048】このような混合ガスを化学蒸着槽中に導入
することにより、前記燃料噴射ノズル部10の母材中の
炭素が析出して前記四塩化チタン中のチタンとを置換さ
せ、同燃料噴射ノズル部10の内壁面上で目的とする非
常に高い硬さをもつ被覆層14である炭化チタン(Ti
C)を生成する。これにより、前記被覆層14の表面硬
度はビッカース硬さで約HV2,000〜4,000程
度の非常に高い硬度値を得ることができる。
【0049】更に本実施例によれば、既述したごとき四
塩化チタン(TiCl4 )、メタンガス(CH4 )及び
水素ガス(H2 )に窒素ガス(N2 )を添加して炭窒化
チタン(TiCN)を生成することもできる。これによ
り、既述した作用効果と同様に前記被覆層14の表面が
非常に高い硬さの値を得ることができ、高圧且つ高速の
燃料噴射時に生じるキャビテーション・エロージョンに
よる変形、損傷や破損等を受けることがない。
【0050】また、本発明にあっては、前記燃料噴射ノ
ズル部10の燃料供給路11に既述したごとき成膜材料
を導入するような、例えば前記燃料噴射ノズル部10の
内部にガス配管を接続し、この配管を通して四塩化チタ
ン(TiCl4 )、メタンガス(CH4 )及び水素ガス
(H2 )等の混合ガスを供給することにより前記燃料噴
射ノズル部10の内壁面に被覆層14である炭化物層を
生成することもできる。
【0051】更に、前記燃料噴射ノズル部10の燃料供
給路11に外部から炭素を供給することにより同燃料噴
射ノズル部10の内壁面上に炭化物を浸透拡散して蒸着
することにより被覆層14を生成してもよいが、均一な
成膜が形成しにくいことから、上述のごとく母材から析
出する炭素を利用することが好ましい。勿論、成膜の膜
厚が制御できる場合には、前述のごとく外部から炭素を
供給してもよい。
【0052】以上のごとく構成された本発明の燃料噴射
装置によれば、所定の金属材料を母材とした燃料噴射ノ
ズル部10における燃料供給路11のポケット部12及
び複数の噴射孔13などの各内壁面に化学蒸着を施し
て、表面硬度が非常に高い硬さで平滑で且つ均一な膜厚
の被覆層14を有することが可能になるため、高圧且つ
高速の燃料噴射により生じるキャビテーション・エロー
ジョンによる燃料噴射ノズル部10内の変形や損傷など
を確実に完全に阻止することができる。
【0053】しかも、圧力特性を阻害することもなく、
前記燃料噴射ノズル部10の内壁面の耐久性を確保する
ことができることに加えて、高圧燃料を前記燃料噴射ノ
ズル部10から霧状に繰り返して噴射することができ、
その円滑な噴射特性を長期間にわたって維持することが
可能となる。
【0054】更に、本実施例にあっては、既述したごと
き前記燃料噴射ノズル部10内の被覆層14を化学蒸着
により生成したのち、更に焼き入れ焼き戻し処理を実施
することにより、前記母材の強度や靱性等をさらにいっ
そう高めている。
【0055】かかる処理を採用することにより、難焼結
性物質である被覆層14の物性に変化を与えることもな
く、より一層高い硬度、強度や強い靱性などを付与する
ことができることに加えて、前記燃料噴射ノズル部10
の噴射特性を阻害することもない。従って、同燃料噴射
ノズル部10の高耐久性が確保される。
【0056】以上のごとく構成された本発明の燃料噴射
ノズル部10を製作して次のような実験を行った。 (実験例1)JIS記号SKD−11として材質規格さ
れた炭素鋼からなる燃料噴射ノズル部10を約10〜1
5%の炭酸ナトリウム水溶液中に漬けて約3〜5分間ア
ルカリ洗浄し、前記燃料噴射ノズル部10に付着した酸
化膜を吸収除去した。アルカリ洗浄後、同燃料噴射ノズ
ル部10に付着したアルカリ成分を約3〜5分間水洗除
去した。
【0057】続いて、約100〜150℃の温風により
前記燃料噴射ノズル部10を乾燥した。乾燥後、同燃料
噴射ノズル部10をフッ素系の蒸気流中で約3〜5分間
洗浄し、同燃料噴射ノズル部10に付着した油分や水分
等の汚れを十分に除去した。
【0058】次に、充分に洗浄した燃料噴射ノズル部1
0を化学蒸着槽中に配したのち、約950〜1050℃
の加熱温度に昇温し、この加熱温度を維持した状態で化
学蒸着槽中に四塩化チタン、メタン及び水素の混合ガス
を流して、同混合ガス雰囲気中で前記燃料噴射ノズル部
10の内壁面を約1時間ほど化学反応させた。
【0059】これにより、同燃料噴射ノズル部10内の
ポケット部12と噴射孔13とに約5〜10μmの厚さ
の被覆層14である硬質の炭化チタンの層を形成した。
この炭化チタン層の硬さは約HV3,900程度であっ
た。
【0060】次に、この燃料噴射ノズル部10をディー
ゼルエンジンに装着した。そして、噴射圧約200MP
a、エンジン回転数約2,200rpmを得て、約50
0時間程度の連続運転を行った。前記燃料噴射ノズル部
10の噴射機能は良好であった。約500時間経過した
のち、前記燃料噴射ノズル部10を分解して同ポケット
部12及び噴射孔13を観察したところ、高圧且つ高速
の燃料噴射時に生じるキャビテーション・エロージョン
による変形、損傷や破損等の発生は全く認められなかっ
た。
【0061】(実験例2)上記実験例1と同様の条件に
よって、化学蒸着槽中に四塩化チタン、メタン及び水素
の混合ガスに窒素ガスを添加し、チタン(Ti)−炭素
(C)−窒素(N)を含む炭窒化チタン(TiCN)か
らなる硬質の被覆膜14を前記燃料噴射ノズル部10の
内壁面に形成した。この被覆膜14の厚さは約5〜10
μmであることに加えて、同被覆膜14の硬さは約HV
2,400であった。
【0062】次に、上記実験例1と同様に、前記燃料噴
射ノズル部10をディーゼルエンジンに挿着して約50
0時間連続運転したのち、同燃料噴射ノズル部10を分
解して同燃料噴射ノズル部10内のポケット部12及び
噴射孔13を観察したところ、キャビテーション・エロ
ージョンによる高圧燃料噴射時により生じる燃料噴射ノ
ズル部10内の変形や破損等の発生は全く認められなか
った。
【0063】(実験例3)上記実験例1と同様の条件に
よって、燃料噴射ノズル部10の内壁面に硬質の被覆膜
14を形成したのち、さらに焼き入れ焼き戻し処理を実
施した。次に、上記実験1と同様に、この燃料噴射ノズ
ル部10をディーゼルエンジンに挿着して約500時間
連続運転した。
【0064】連続運転したのち、前記燃料噴射ノズル部
10を分解し、同燃料噴射ノズル部10内のポケット部
12及び噴射孔13を観察したところ、高圧且つ高速の
燃料噴射時に生じるキャビテーション・エロージョンに
よる変形、損傷や破損等の発生は全く認められなかっ
た。
【0065】(比較例)供試鋼材に上記実験例1と同様
の鋼材を用いて、同鋼材からなる燃料噴射ノズル部10
に焼き入れ処理を施し、同燃料噴射ノズル部10の内壁
面の表面硬度を約HV700とした。
【0066】次に、上記実験1と同様に、前記燃料噴射
ノズル部10をディーゼルエンジンに挿着して連続運転
を行ったところ、約30時間経過した後に同燃料噴射ノ
ズル部10の噴射機能が低下した。
【0067】同燃料噴射ノズル部10を分解して同ポケ
ット部12及び噴射孔13を観察したところ、同噴射孔
13及びポケット部12には高圧且つ高速の燃料噴射時
に生じるキャビテーション・エロージョンによる損傷が
生じていた。特に、前記燃料噴射ノズル部10のポケッ
ト部12にはキャビテーション・エロージョンによる損
傷が数多く認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施例である燃料噴射ノズル
部を示す正面図である。
【図2】同ノズル部を示す断面図である。
【図3】同ノズル部の先端部分を拡大して示す部分拡大
断面図である。
【符号の説明】
10 噴射ノズル部 11 燃料供給路 12 ポケット部 13 噴射孔 14 被覆層
フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AD07 BA31 BA50 CC14 CC26 CD15 CD21 4F033 AA13 BA03 CA01 DA02 EA01 FA00 MA00 NA01 4K030 AA03 AA10 AA17 AA18 BA06 BA18 BA19 BA36 BA41 BA53 BA56 BA57 CA02 CA15 FA10 LA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧燃料を噴射する燃料噴射装置であっ
    て、 少なくとも燃料噴射ノズル部の内壁面に硬質膜状の被覆
    層を有してなることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記被覆層は化学蒸着により生成された
    薄膜体からなる請求項1記載の燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記被覆層はIV−Bチタン族、V−Bバ
    ナジウム族、VI−Bクロム族のうちの一つ以上の元素を
    含有する炭化物系又は炭窒化物系の化合物からなる請求
    項1又は2記載の燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記ノズル部の母材の材質は、少なくと
    も0.3%以上の炭素を含有する鋼材である請求項1〜
    3のいずれかに記載の燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記ノズル部の母材の材質は、前記被覆
    層を化学蒸着したのち、更に焼き入れ焼き戻し処理を施
    してなる鋼材である請求項1〜4のいずれかに記載の燃
    料噴射装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6443375B2 (en) * 1998-04-28 2002-09-03 Hitachi, Ltd. Fuel injection valve coated with anti-fouling perfluoropolyether film layer and associated method, and direct injection engine using same
WO2003006821A1 (de) * 2001-07-10 2003-01-23 Robert Bosch Gmbh Kraftstoffeinspritzventil für brennkraftmaschinen
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JP2021521340A (ja) * 2018-04-18 2021-08-26 カーハーエス コーポプラスト ゲーエムベーハー 少なくとも1つのコーティングステーションを有する、中空品をコーティングするための装置、及びガスランスを洗浄するための方法

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