JP3323192B2 - 耐熱性に優れた高力アルミニウム合金 - Google Patents
耐熱性に優れた高力アルミニウム合金Info
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- JP3323192B2 JP3323192B2 JP15997990A JP15997990A JP3323192B2 JP 3323192 B2 JP3323192 B2 JP 3323192B2 JP 15997990 A JP15997990 A JP 15997990A JP 15997990 A JP15997990 A JP 15997990A JP 3323192 B2 JP3323192 B2 JP 3323192B2
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- JP
- Japan
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- strength
- aluminum alloy
- heat resistance
- strength aluminum
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- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は内燃機関のコネクティングロッドその他のエ
ンジン部品に応用し得る耐熱性に優れた高力アルミニウ
ム合金に関するものである。
ンジン部品に応用し得る耐熱性に優れた高力アルミニウ
ム合金に関するものである。
[従来の技術] 最近、エンジンを従来の鋼材に代えてアルミニウム合
金を用いて作製し、軽量化して省エネルギーを図ること
が行われているが、特にコネクティングロッドその他の
エンジン部品は常温強度及び約150℃までの高温強度が
要求される。
金を用いて作製し、軽量化して省エネルギーを図ること
が行われているが、特にコネクティングロッドその他の
エンジン部品は常温強度及び約150℃までの高温強度が
要求される。
一般に耐熱用とされるアルミニウム合金には2219、26
18等があるが、これらは耐熱性の1つの指標とされる15
0℃における引張強度が十分ではない。これらの合金に
ついて調査した結果Cu、Mg及びSiなどの耐熱性を向上さ
せるために添加されている主要な合金成分が、その添加
量のアンバランスにより各々の効果を十分発揮していな
いこと、及び熱間あるいは冷間加工後に行う溶体化処理
中に再結晶粒が粗大化することが原因であることがわか
った。
18等があるが、これらは耐熱性の1つの指標とされる15
0℃における引張強度が十分ではない。これらの合金に
ついて調査した結果Cu、Mg及びSiなどの耐熱性を向上さ
せるために添加されている主要な合金成分が、その添加
量のアンバランスにより各々の効果を十分発揮していな
いこと、及び熱間あるいは冷間加工後に行う溶体化処理
中に再結晶粒が粗大化することが原因であることがわか
った。
[発明が解決しようとする課題] そこで、本発明では高温強度に優れたアルミニウム合
金を開発せんとするものである。
金を開発せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、Cu:2.0超〜4.0%未満、Mg:1.0超〜3.0%、
Si:0.35〜0.6%、Fe:0.8〜2.0%、Ni:0.8〜3.0%、Mn:
0.65〜1.0%、Zr:0.05〜0.4%、Cr:0.01〜0.5%あるい
は更にこれにTi:0.01〜0.20%を含み、残部が不可避不
純物を含むAlからなることを特徴とする150℃における
強度が優れた高力アルミニウム合金である。
Si:0.35〜0.6%、Fe:0.8〜2.0%、Ni:0.8〜3.0%、Mn:
0.65〜1.0%、Zr:0.05〜0.4%、Cr:0.01〜0.5%あるい
は更にこれにTi:0.01〜0.20%を含み、残部が不可避不
純物を含むAlからなることを特徴とする150℃における
強度が優れた高力アルミニウム合金である。
上記における合金成分の限定理由は次のとおりであ
る。
る。
Cu:常温及び高温強度を向上する。その量が2.0%以上で
はその効果が小さく、4.0%以上だと効果が飽和すると
ともに耐食性が低下する。
はその効果が小さく、4.0%以上だと効果が飽和すると
ともに耐食性が低下する。
Mg:Cuと共存して常温及び高温強度を高める。1.0%以下
ではその効果が小さく、3.0%を超えると強度が低下す
る。
ではその効果が小さく、3.0%を超えると強度が低下す
る。
Si:後述するMnとともに、Al−Mn−Si系の微細な分散相
(直径0.05〜0.5μm、間隙0.1〜1μm)を大量に析出
させ、転位のピンニング効果を高め、溶体化処理中にお
ける再結晶粒の粗大化を防止する。0.35%未満ではその
効果が少なく、0.6%を超えると過時効となりやすく強
度低下を招く。
(直径0.05〜0.5μm、間隙0.1〜1μm)を大量に析出
させ、転位のピンニング効果を高め、溶体化処理中にお
ける再結晶粒の粗大化を防止する。0.35%未満ではその
効果が少なく、0.6%を超えると過時効となりやすく強
度低下を招く。
Fe:高温強度の向上に役立つ、0.8%未満ではその効果が
少なく、2.0%を超えると巨大晶出物の発生により強度
が低下する。
少なく、2.0%を超えると巨大晶出物の発生により強度
が低下する。
Ni:常温及び高温強度の向上に役立つ、0.8%未満ではそ
の効果が少なく、3.0%を超えると巨大晶出物の発生に
より強度が低下する。
の効果が少なく、3.0%を超えると巨大晶出物の発生に
より強度が低下する。
Mn:前述のAl−Mn−Si系析出物を微細分散して溶体化処
理中に発生する再結晶粒の粗大化を抑制し、常温及び高
温における強度を向上させる。0.05%未満では効果が少
なく、1.0%を超えると巨大晶出物の発生により強度が
低下し、又、焼入れ感受性を阻害する。
理中に発生する再結晶粒の粗大化を抑制し、常温及び高
温における強度を向上させる。0.05%未満では効果が少
なく、1.0%を超えると巨大晶出物の発生により強度が
低下し、又、焼入れ感受性を阻害する。
Zr:Al3Zr系析出物を微細分散して溶体化処理中に発生す
る再結晶粒の粗大化を抑制し、常温及び高温における強
度を向上させる。0.05%未満ではその効果が少なく、0.
4%を超えるとAl3Zrの巨大晶出物の発生により強度が低
下する。
る再結晶粒の粗大化を抑制し、常温及び高温における強
度を向上させる。0.05%未満ではその効果が少なく、0.
4%を超えるとAl3Zrの巨大晶出物の発生により強度が低
下する。
Cr:Al−Cr系の化合物を微細分散して、溶体化処理中に
発生する再結晶粒の粗大化を抑制し、常温及び高温にお
ける強度を向上させる。0.01%未満ではその効果が少な
く、0.5%を超えると巨大晶出物の発生により強度が低
下する。
発生する再結晶粒の粗大化を抑制し、常温及び高温にお
ける強度を向上させる。0.01%未満ではその効果が少な
く、0.5%を超えると巨大晶出物の発生により強度が低
下する。
Ti:遷移元素特にZrは鋳造時の鋳込温度を高くとらない
と巨大晶出物を発生しやすいが、鋳込温度を高くする
と、鋳込条件によっては鋳造時にビレット等に割れが発
生する場合があるので、Tiの添加によって、この割れを
防止する。0.01%未満ではその効果が少なく、0.20%を
超えると、Al−Ti系の巨大晶出物が発生し、強度低下を
招く。
と巨大晶出物を発生しやすいが、鋳込温度を高くする
と、鋳込条件によっては鋳造時にビレット等に割れが発
生する場合があるので、Tiの添加によって、この割れを
防止する。0.01%未満ではその効果が少なく、0.20%を
超えると、Al−Ti系の巨大晶出物が発生し、強度低下を
招く。
[実施例] 表1に示すアルミニウム合金を10インチビレットに造
塊し、450℃で16時間均質化処理した。これより450℃で
50mmφの押出棒を作成した。これらの押出棒をT6処理
(525℃×2hrの溶体化→水焼入→175℃×24hrの時効)
した後の常温及び150℃×100時間保持後の引張試験の結
果を表1に併せて示す。
塊し、450℃で16時間均質化処理した。これより450℃で
50mmφの押出棒を作成した。これらの押出棒をT6処理
(525℃×2hrの溶体化→水焼入→175℃×24hrの時効)
した後の常温及び150℃×100時間保持後の引張試験の結
果を表1に併せて示す。
上記表1から明らかなとおり、本発明合金No.1〜14は
室温及び150℃において十分高い強度と伸びを示してい
るが、比較合金No.15〜27及び従来合金は強度が低い。
室温及び150℃において十分高い強度と伸びを示してい
るが、比較合金No.15〜27及び従来合金は強度が低い。
[発明の効果] 本発明によれば、常温及び高温における強度の高いア
ルミニウム合金が得られ、エンジン部品等に適用して効
果がある。
ルミニウム合金が得られ、エンジン部品等に適用して効
果がある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−264639(JP,A) 特開 昭47−27819(JP,A) 特開 昭62−142741(JP,A) 特開 昭63−293136(JP,A) 特開 昭62−96644(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】Cu:2.0超〜4.0%未満(重量%:以下同
じ)、Mg:1.0超〜3.0%、Si:0.35〜0.6%、Fe:0.8〜2.0
%、Ni:0.8〜3.0%、Mn:0.65〜1.0%、Zr:0.05〜0.4
%、Cr:0.01〜0.5%を含み、残部が不可避不純物を含む
Alからなることを特徴とする150℃における強度が優れ
た高力アルミニウム合金。 - 【請求項2】Cu:2.0超〜4.0%未満(重量%:以下同
じ)、Mg:1.0超〜3.0%、Si:0.35〜0.6%、Fe:0.8〜2.0
%、Ni:0.8〜3.0%、Mn:0.65〜1.0%、Zr:0.05〜0.4
%、Cr:0.01〜0.5%、Ti:0.01〜0.20%を含み、残部が
不可避不純物を含むAlからなることを特徴とする150℃
における強度が優れた高力アルミニウム合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15997990A JP3323192B2 (ja) | 1990-06-20 | 1990-06-20 | 耐熱性に優れた高力アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15997990A JP3323192B2 (ja) | 1990-06-20 | 1990-06-20 | 耐熱性に優れた高力アルミニウム合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0452245A JPH0452245A (ja) | 1992-02-20 |
JP3323192B2 true JP3323192B2 (ja) | 2002-09-09 |
Family
ID=15705353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15997990A Expired - Lifetime JP3323192B2 (ja) | 1990-06-20 | 1990-06-20 | 耐熱性に優れた高力アルミニウム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3323192B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6063295B2 (ja) * | 2013-02-26 | 2017-01-18 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金およびその製造方法 |
CN106636774A (zh) * | 2016-12-19 | 2017-05-10 | 苏州金威特工具有限公司 | 一种高硬度铝合金 |
EP4373985A1 (en) * | 2021-07-23 | 2024-05-29 | Tesla, Inc. | Aluminum alloys for brazable casting |
-
1990
- 1990-06-20 JP JP15997990A patent/JP3323192B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0452245A (ja) | 1992-02-20 |
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Legal Events
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