JP3303661B2 - 耐熱高強度アルミニウム合金 - Google Patents

耐熱高強度アルミニウム合金

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のピスト
ンのような高温・高荷重用途に適した耐熱高強度アルミ
ニウム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジン等の内燃機関のピストン
は、高温・高荷重下で高速運動するため、軽量で且つ高
温強度が優れていることが要求される。これまで、この
ような用途に適した材料として、軽量で耐熱性に優れ且
つ低熱膨張率のJIS−AC8A等のいわゆるローエッ
クス合金で代表されるピストン用アルミニウム合金が用
いられている。
【0003】近年、内燃機関の高性能化に伴い、ピスト
ンの使用環境がより高温化している。これに対応するた
めに、本発明者は特開昭64−73044号公報におい
て、高温強度を高めたピストン用耐熱高強度アルミニウ
ム合金を提案した。この合金は、重量%で、Si:12
〜15%、Cu:2〜5%、Mg:0.2〜1.5%、
Co:0.5〜3%、Fe:0.3〜1%、Mn:0.
1〜1%、Ti:0.01〜0.2%、P:0.002
〜0.025%、残部Alおよび不可避不純物から成
る。
【0004】しかし今日、内燃機関の高性能化の趨勢は
一層強く、更に高温強度を高めたアルミニウム合金の開
発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
ピストン用耐熱高強度アルミニウム合金に対して、更に
高温強度を向上させた耐熱高強度アルミニウム合金を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
よれば、重量%で、Si:13〜25%、Cu:8〜2
2%、Mg:0.2〜1.5%、Fe:0.3〜1.5
%、Mn:0.1〜2.5%、Ti:0.01〜1.5
%、Ni:1〜5%、P :0.002〜0.4%、お
よび残部:Alおよび不可避不純物から成ることを特徴
とする耐熱高強度アルミニウム合金によって達成され
る。
【0007】以下、本明細書中において特に断りのない
限り成分元素の含有量を表す「%」は「重量%」の意味
で用いる。本発明のアルミニウム合金は、従来に比べて
Cuを多量に含有させ、鋳放し状態でAl2 Cu化合物
を生成させるようにしたことにより、高温強度を向上さ
せた。Al2 Cu化合物は、鋳放し状態で既に存在して
高温強度に寄与するので、鋳造後に特に熱処理を施す必
要はない。ただし、鋳造後に熱処理を施しても何ら不都
合はなく、例えば通常アルミニウム合金に用いる溶体
化、時効、焼鈍等に相当する温度域で熱処理を行って
も、Al2 Cu化合物の存在に実質的な影響のない限
り、熱処理を施さない場合と同等の高温強度が得られ
る。
【0008】以下に、本発明において各成分元素の含有
量を限定した理由を説明する。 Si:13〜25% Siは耐摩耗性の向上に有効な元素であるが、13%未
満では初晶Siが安定して晶出せず、その効果が確保で
きない。一方、25%を超えると液相線温度が高くなっ
て鋳造時の凝固温度範囲が広がるため、鋳造性が悪くな
る。
【0009】Cu:8〜22% Cuは鋳放し状態でAl2 Cu化合物を生成させて高温
強度を向上させる元素であり、特に8%以上でその効果
が安定して得られる。一方、22%を超えるとAl2
u化合物の生成量が過剰になって靱性を劣化させるだけ
でなく、アルミニウム合金の比重が増加するため軽量化
の観点からも不利になる。特に靱性に留意する必要があ
る場合には、16%以下とすることが望ましい。
【0010】Mg:0.2〜1.5% MgはMg2 Si化合物を生成させて合金を強化する
が、0.2%未満では生成量が少ないためその効果が得
られない。一方、1.5%を超えて含有してもその効果
はほとんど増加しない。 Fe:0.3〜1.5% FeはAl3 Fe相を生成させて高温強度を向上させ
る。また鋳造時に鋳造型との焼き付きを防止する効果も
ある。これらの効果は0.3%未満では弱く、1.5%
を超えて含有してもその効果はほとんど増加しない。
【0011】Mn:0.1〜2.5% Mnは針状のAl3 Fe相を塊状にして靱性を向上さ
せ、Al中に固溶してマトリクスを強化する。また、A
6 Mnを生成させて高温強度の向上に寄与する。0.
1%未満ではこれらの効果が弱く、2.5%を超えると
Al6 Mnの生成量が過剰になり良好な靱性が得難くな
る。
【0012】Ti:0.01〜1.5% Tiは組織微細化の効果があり、良好な機械的性質を安
定して確保する上で必要であり、また強度の向上にも寄
与する。0.01%未満ではこれらの効果が得られず、
1.5%を超えるとAl3 Tiが生成して靱性が劣化す
る。 Ni:1〜5% NiはAl−Fe−Ni、Al−Cu−Ni等の化合物
を生成させて高温強度を向上させる。1%未満ではこの
効果が小さく、5%を超えるとAl3 Niが晶出して靱
性が劣化する。
【0013】P:0.002〜0.4% Pは初晶Siを分散させて靱性を向上させる効果があ
る。0.002%未満ではこの効果が小さく、0.4%
を超えても含有してもその効果はほとんど増加しない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、実施例により本発明を更
に詳細に説明する。 〔実施例〕表1に示した化学組成の本発明による合金1
〜4を下記の手順で鋳造した。表1中のP以外の成分か
ら成る組成の合金を800℃で溶解し、脱ガス処理およ
びP添加を行って表1の組成に調整した後、溶湯温度7
50℃で常温の舟金型内に注湯した。
【0015】得られた鋳物からJIS4号引張試験片を
機械加工により作製し、20トンのオートグラフ試験機
により引張速度1mm/分で引張試験を行った。試験温
度は、室温、150℃、250℃および300℃の4水
準とした。その際、室温以外の高温での試験について
は、各試験温度と同じ温度での熱処理を100時間施し
た後に試験に供した。これは、実際にピストンが使用さ
れる場合、使用温度での累積保持時間が長くなるほど材
料の強度が低下することを考慮し、そのような実機条件
を近似した強度評価を行うためである。
【0016】本発明による合金1〜4についての引張試
験結果を表3にまとめて示す。 〔比較例〕比較のため、表2に示した化学組成の合金5
〜10を、実施例と同様な手順で鋳造した。得られた鋳
物のうち、従来の析出強化型合金である合金5〜9につ
いては、510℃で5時間の溶体化処理を施した後、2
10℃で5時間の時効処理を行った。その後、実施例と
同様に引張試験片を機械加工した。その際、合金10は
本発明の組成範囲に対してCu量が過剰なため靱性が極
めて低く、機械加工により試験片を作製することができ
なかった。
【0017】合金5〜9について作製した試験片を用
い、実施例と同様な条件で引張試験を行った。得られた
結果を表4にまとめて示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】表3と表4とを比較すると、本発明の合金
1〜4は従来の合金5〜9に比べて、室温および150
℃では同等の引張強度であるが、250℃および300
℃では引張強度が顕著に向上していることが分かる。上
記実施例では本発明の合金は鋳放し状態について試験を
行ったが、鋳造後に比較例と同様に溶体化および時効を
施した場合も、鋳放し状態と同等の引張強度が得られ
た。すなわち本発明の合金は、鋳造後の熱処理の有無に
よらず同等の優れた高温強度が得られるので、溶体化お
よび時効を必要とした従来の合金に比べて熱処理省略に
よるコスト低減が可能である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来よりも更に高温強度が向上した耐熱高強度アルミニ
ウム合金が提供される。更に、本発明の合金は、鋳造後
の熱処理の有無によらず同等の優れた高温強度を発揮す
るので、熱処理の省略によるコスト低減もできる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 Si:13〜25%、 Cu:11.816%、 Mg:0.2〜1.5%、 Fe:0.3〜1.5%、 Mn:0.1〜2.5%、 Ti:0.01〜1.5%、 Ni:1〜5%、 P :0.002〜0.4%、および 残部:Alおよび不可避不純物 から成ることを特徴とする耐熱高強度アルミニウム合
    金。
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